第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、あるべき姿として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業」を掲げ、高収益メーカーであり続けることで、ありたい姿である「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する」ことを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、高収益メーカーを目指すため、2016年度を初年度とした2020年度までの基本戦略と整備すべき基盤を定めた経営計画「TOKYOink2020」を策定いたしております。

 「TOKYOink2020」では、コア事業の更なる強化とコア事業周辺領域の事業を拡大することを目指した事業戦略、素材を活かす要素技術と加工技術の拡充を目指した技術戦略、株主価値の向上と事業戦略に応じた最適資本構成を目指した財務戦略、人的資源の有効活用を目指した人事戦略の4つの経営戦略と、基盤の整備として「現場力の徹底強化」を掲げ、企業価値の向上を図ってまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、経営計画「TOKYOink2020」において、高収益メーカーへの成長の通過点として2020年度連結経常利益15億円を目標に掲げております。

 

(4)経営環境

 わが国の経済は、株価の上昇、企業収益の改善により、景気は緩やかな回復基調が継続しておりましたが、海外の政策動向や地政学的リスクの高まり等により、先行き不透明な状況で推移いたしました。

 このような状況の中で、当社グループの各事業を取り巻く事業環境は下記のとおりであります。

 インキ事業が関与する印刷市場では、商業・出版印刷の減少、包装印刷の漸増、オンデマンド印刷の伸長に伴い、インキ業界においては、オフセットインキの需要の減少、グラビアインキおよびインクジェットインクの需要の増加が見込まれます。

 化成品事業が関与する多くの市場では、顧客の海外展開は進行していくものの、日本国内における高付加価値用途への樹脂性能向上の要求が高まっております。

 加工品事業が関与する樹脂成形品市場においても、省力化・環境対応等のため、性能向上の要求が高まっております。

 

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 経営計画に掲げた目標を達成するため、各事業の対処すべき課題は下記のとおりであります。

 インキ事業では、主力のオフセット印刷用製品を顧客満足度向上の視点から競争力を徹底的に強化すると共に、グラビア印刷用、インクジェット用製品について機能性付与を中核に新たなニーズの獲得により成長を図ります。

 化成品事業では、フィルム・容器・自動車・住設関連を主力とする各種産業用合成樹脂着色剤、添加剤製品の顧客満足度を今以上に高めることで基盤を強化しながら、お客様が求める樹脂性能向上への関与を土岐工場におけるクリーンライン等を利用し、その要望に応えながら事業領域を拡げていくと共に、タイを拠点にASEANを中心とした海外での事業拡大を進めてまいります。

 加工品事業では、プラスチックネット・一軸延伸フィルム等の樹脂成形品の性能向上と複合化を主軸に、包装・工業・土木・農業の各資材分野で新たな用途への展開を図ることで市場を拡大いたします。

 なお、当連結会計年度において、原材料要因もあり連結経常利益15億円の数値目標には到達いたしましたが、改めて各戦略と基盤整備を当社グループ一丸となって遂行し、企業価値の向上を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)原材料価格の変動について

当社グループは、原材料としてポリエチレンや溶剤、顔料等を使用しております。原油価格の急騰、世界的な環境規制等により原材料価格が高騰した際には、製品価格への転嫁が遅れるリスクが存在し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)販売価格の動向について

当社グループ市場において厳しい競争に晒されております。製品の開発、改良、コスト削減等の対策を講じておりますが、市場価格の動向により販売数量の減少、販売価格の下落等のリスクが存在し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替の変動について

当社グループの取引には外貨建て取引が含まれております。為替変動のリスク対策は講じておりますが、全てのリスクを排除することは不可能であり、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)災害について

地震、台風等の自然災害、あるいは火災等の事故により、当社グループの生産拠点等の設備に重大な損害を被った場合、生産及び出荷が停滞することに伴う売上高の減少、生産拠点等の修復または変更のために巨額の費用が必要となり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが供給を受けている主要な原材料等のサプライヤーにおける災害等により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。

 

 

(5)貸倒れについて

当社グループは多数の顧客へ販売しておりますが、債権を回収できない可能性があります。予期しない回収不能が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)固定資産の減損会計について

当社グループは製造設備、試験機器等の固定資産を保有しております。固定資産の減損に係る会計基準により減損損失が認識された資産グループは回収可能性まで減額し減損損失を計上することとなり、その場合は当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)におけるわが国の経済は、株価の上昇、企業収益の改善により、景気は緩やかな回復基調が継続しておりましたが、海外の政策動向や地政学的リスクの高まり等により、先行き不透明な状況で推移いたしました。

 このような状況の中、当社グループは、既存の事業領域における競争力強化と周辺事業領域の拡大に引き続き努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が448億6千6百万円で前年度比9億1千6百万円の増収(2.1%増)、営業利益は14億6千4百万円で前年度比2億8千2百万円の増益(23.9%増)、経常利益は17億6千1百万円で前年度比2億2千万円の増益(14.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億8千1百万円で前年度比2億1千6百万円の増益(20.3%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(インキ事業)

 オフセットインキは、市場の縮小化が継続する厳しい環境の中で売上確保に努めましたが、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。

 グラビアインキは、新たな需要の開発に取り組みましたが、顧客事情による商権喪失もあり、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。

 インクジェットインクは、産業用機能性インクと受託インクが増加し、数量および売上高は前年度に比べ大幅に増加いたしました。

 印刷用材料および印刷機械は、オフセットインキと同様に市場の縮小化が継続する厳しい環境の中、売上維持に努めましたが、売上高は前年度に比べ減少いたしました。

 この結果、インキ事業の売上高は、141億円で前年度比9億5百万円の減収(6.0%減)、セグメント利益は3億9千7百万円で前年度比2億2千9百万円の減益(36.6%減)となりました。

 

(化成品事業)

 合成樹脂用着色剤は、食品・日用品包装向けの着色製品および機能製品、自動車向け、住宅関連向けの着色製品の受注が好調に推移し、数量および売上高は前年度に比べ増加いたしました。

 合成樹脂成形材料は、好調な国内外の需要に支えられ、数量および売上高は前年度に比べ増加いたしました。

 この結果、化成品事業の売上高は、223億2千5百万円で前年度比20億5千2百万円の増収(10.1%増)、セグメント利益は21億3千4百万円で前年度比4億4千万円の増益(26.0%増)となりました。

 

(加工品事業)

 工業材料は、水処理用資材が前年度並みに推移するとともに、太陽光発電用資材の需要が拡大し、売上高は前年度に比べ増加いたしました。

 土木資材は、第3四半期より本格的に市場へ投入したグランドセルが好調に推移したものの、震災復興向け土木資材の工事減に伴う販売減により、売上高は前年度に比べ減少いたしました。

 一軸延伸フィルムおよび農業用資材は、順調に推移し、売上高は前年度に比べ増加いたしました。

 この結果、加工品事業の売上高は、81億4千万円で前年度比2億4千万円の減収(2.9%減)、セグメント利益は売上構成の変化により5億5千1百万円で前年度比1億1千9百万円の増益(27.8%増)となりました。

 

(不動産事業)

 不動産賃貸事業の売上高は、2億9千9百万円で前年度比1千万円の増収(3.7%増)、セグメント利益は1億5千7百万円で前年度比1千5百万円の増益(11.1%増)となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は475億9千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億8千4百万円増加いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加12億8千7百万円、たな卸資産の増加2億6千1百万円、有形固定資産の増加8千9百万円及び投資有価証券の時価上昇等に伴う増加2億1百万円等によるものです。

負債合計は232億8千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億5千2百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加15億6千8百万円、短期借入金の減少9億9千万円、長期借入金の増加4億6百万円、繰延税金負債の増加1億4千5百万円、退職給付に係る負債の減少4億4千2百万円等によるものです。

純資産の部は243億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億3千1百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加11億1千8百万円及びその他の包括利益累計額の増加2億8千万円等によるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は17億1千万円で、前連結会計年度末に比べ1千1百万円の増加(0.7%増)となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、23億7千万円の収入となりました(前連結会計年度は23億5千9百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益17億5千3百万円、減価償却費12億4百万円が計上され、売上債権の増加12億8千8百万円、仕入債務の増加15億6千8百万円、たな卸資産の増加2億5千8百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、14億5千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は8億6千5百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出12億3千7百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、8億9千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は14億3千万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億9千万円、長期借入による純増額4億7千4百万円、配当金の支払額1億6千2百万円等によるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産数量合計(トン)

前年同期比(%)

インキ事業

30,831

(7,472)

〔3,882〕

95.5

(95.2)

〔90.6〕

化成品事業

52,414

(180)

〔18,813〕

117.2

(120.1)

〔112.5〕

加工品事業

4,782

(-)

〔-〕

106.4

(-)

〔-〕

不動産賃貸事業

(-)

〔-〕

(-)

〔-〕

合計

88,028

(7,653)

〔22,695〕

108.0

(95.6)

〔108.0〕

(注)1  (  )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。

2  〔  〕内数字は外注分を示し、かつ内数であります。

 

 b.商品仕入実績

  当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

インキ事業

3,063

87.9

化成品事業

152

172.0

加工品事業

4,436

92.8

不動産賃貸事業

合計

7,652

91.6

(注)  金額は仕入価額(消費税等抜き)によっております。

 

 c.受注実績

  当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。

 

 d.販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

インキ事業

14,100

94.0

化成品事業

22,325

110.1

加工品事業

8,140

97.1

不動産賃貸事業

299

103.7

合計

44,866

102.1

(注)1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、繰延税金資産の回収可能性の検討等には、過去の実績や合理的な見積りを勘案した判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等について

 生産効率の向上や原材料要因による製造コストの低減等もあり、売上高は448億6千6百万円で前年度比9億1千6百万円の増収(2.1%増)、営業利益は14億6千4百万円で前年度比2億8千2百万円の増益(23.9%増)、経常利益は17億6千1百万円で前年度比2億2千万円の増益(14.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億8千1百万円で前年度比2億1千6百万円の増益(20.3%増)となりました。

 インキ事業は商業・出版印刷の市場の縮小化が進み、厳しい状況であります。化成品事業および加工品事業は、新規案件の開拓、既存顧客への拡販もあり、好調に推移いたしました。

 また、インキ事業、化成品事業、加工品事業の各事業間シナジーの推進を実現してまいりました。今後につきましてもさらなるシナジーを追求した共同案件を推進してまいります。

 財政状態の状況につきましては、当連結会計年度末の総資産が475億9千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億8千4百万円増加いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加12億8千7百万円、たな卸資産の増加2億6千1百万円、有形固定資産の増加8千9百万円及び投資有価証券の時価上昇等に伴う増加2億1百万円等によるものです。

 負債合計は232億8千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億5千2百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加15億6千8百万円、短期借入金の減少9億9千万円、長期借入金の増加4億6百万円、繰延税金負債の増加1億4千5百万円、退職給付に係る負債の減少4億4千2百万円等によるものです。

 純資産の部は243億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億3千1百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加11億1千8百万円及びその他の包括利益累計額の増加2億8千万円等によるものです。この結果、自己資本比率は50.8%となり、前連結会計年度末に比べ0.7%増加となりました。

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高が17億1千万円となり、前連結会計年度末に比べ1千1百万円の増加(0.7%増)となりました。

 なお、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費等の収入が、有形固定資産の取得等の支出を上回り9億1千2百万円の収入となりました。(前連結会計年度は14億9千4百万円の収入)

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、23億7千万円の収入となりました(前連結会計年度は23億5千9百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益17億5千3百万円、減価償却費12億4百万円が計上され、売上債権の増加12億8千8百万円、仕入債務の増加15億6千8百万円、たな卸資産の増加2億5千8百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、14億5千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は8億6千5百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出12億3千7百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、8億9千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は14億3千万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億9千万円、長期借入による純増額4億7千4百万円、配当金の支払額1億6千2百万円等によるものです。

 

 b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について

  インキ事業の関与する、印刷市場における商業・出版印刷の減少に起因した競争激化、また全事業において、原材料価格の変動による影響があります。

 

 c当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

  事業運営上必要な運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入調達、設備投資資金は金融機関からの長期借入調達を基本としております。

 

 d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

  当連結会計年度において、原材料要因もあり連結経常利益15億円の数値目標には到達いたしましたが、改めて各戦略と基盤整備を当社グループ一丸となって遂行し、企業価値の向上を図ってまいります。

 

 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(インキ事業)

  売上高は、141億円で前年度比9億5百万円の減収(6.0%減)、セグメント利益は3億9千7百万円で前年度比2億2千9百万円の減益(36.6%減)となりました。

  セグメント資産は、152億7百万円で前連結会計年度末に比べ1億5千2百万円の減少となりました。

 インキ事業はフセットインキの関与する印刷市場における商業・出版印刷の市場規模縮小が、当社グループの想定を超えて継続しており、同業各社との価格等競争激化を招いております。

  グラビアインキは機能性や意匠性、バイオマス由来材料を使用した製品に注力するも、全体の数量は下落しており、厳しい状況が継続するものと想定しております。

  一方、インクジェットインクは「TIC-JET」のシステム販売による産業用用途の拡大により、前連結会計年度と比較し、大幅に業績を伸ばしており、今後更なる成長が期待されます。

 インキ事業の今後の見通しは、オフセットインキの市場縮小による衰退に伴い、グラビアインキ、インクジェットインクへ移行することを指向し、事業として更なる合理化、抜本的な構造改革が必要と認識しております。

 

(化成品事業)

 売上高は、223億2千5百万円で前年度比20億5千2百万円の増収(10.1%増)、セグメント利益は21億3千4百万円で前年度比4億4千万円の増益(26.0%増)となりました。

 セグメント資産は、200億9千万円で前連結会計年度末に比べ17億3千万円の増加となりました。

  化成品事業は、既存領域であるポリオレフィンから周辺領域である非ポリオレフィンを強化すべく、生産設備の増強等により、事業領域の更なる拡大を図っております。

  添加剤マスターバッチは、顧客ニーズの吸上げによる、更なる高付加価値化、多用途化を付与した製品群を拡大させております。

 また、土岐第2工場のクリーン環境下における新製品につきましては、ユーザーとの共同開発テーマを積極的に進め、差別化した新製品の開発に注力しております。

  海外の事業につきましては、タイ子会社による設備投資の増強が完了し、投資効果により計画を上回る結果となりました。今後はタイを拠点としてASEAN地域での新規受注を推進し、事業を軌道に乗せるための活動を一層進めていく予定であります。

 さらに、生産拠点の再構築に着手し、大阪工場に新たな建屋、生産設備を増強する予定であり、主力である吉野原工場の再構築も含めた全社最適による競争力向上を目指してまいります。

 

(加工品事業)

 売上高は、81億4千万円で前年度比2億4千万円の減収(2.9%減)、セグメント利益は売上構成の変化により5億5千1百万円で前年度比1億1千9百万円の増益(27.8%増)となりました。

 セグメント資産は、52億2千7百万円で前連結会計年度末に比べ3億1千2百万円の増加となりました。

 加工品事業は、ネトロン工材の水処理用資材が、前年並みに推移しましたが、海外での需要が引き続き見込めることから、積極的な販売政策を図っております。また、メガソーラー等太陽光発電資材の需要が大幅に拡大したことも追い風となりました。

 ネトロン包材は、既存品に加え、新規製品の「スタンディングネット」の拡販や、水産向け包材等が好調であります。

 ネトロン工材、ネトロン包材ともに、既存品の新規用途を探索しており、新たなニーズ獲得による競争力向上を目指しております。

 土木資材は「テラセル」をはじめ、より付加価値の高い「グランドセル」を市場投入し、新たな工法の開発による用途拡大が収益に寄与いたしました。

 一軸延伸フィルムは、食品用途やコイン包装用途が主軸であり、食品用途向け新規案件が販売増加に寄与いたしました。今後、食品用途以外の産業用途向けの需要開発を推進してまいります。

 農業資材は、多層断熱被覆資材である「エナジーキーパー」の市場での認知度が徐々に高まってきました。多層化構造で保温率約90%を実現し、大幅にエネルギーコストを抑えることが出来ることから、ハウス栽培での、貯蔵、育苗をはじめ用途は食糧や観賞用植物まで拡大しております。

 

(不動産賃貸事業)

 売上高は、2億9千9百万円で前年度比1千万円の増収(3.7%増)、セグメント利益は1億5千7百万円で前年度比1千5百万円の増益(11.1%増)となりました。

 セグメント資産は、21億5千9百万円で前連結会計年度末に比べ7千8百万円の減少となりました。

 不動産賃貸事業は、埼玉県その他の地域において、倉庫及びオフィスビルを賃貸しております。当連結会計年度における売上高及びセグメント利益は安定しており、当社グループとしましては、保有不動産の有効活用を目的とした事業運営を行っております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、「配合設計技術」、「プロセス制御技術(混合・溶解・分散)」、「成形加工技術」を基盤技術とし、これまで長年に亘り印刷インキおよびプラスチック用着色剤とその関連製品の生産に携ってまいりました。

 これらの基盤技術に新規技術の調査・探求、研究成果を融合させて改良を加え、暮らしに役立つより良い製品の創出に努力を重ねております。また製品の評価・解析技術力の向上と知的財産権の保全強化・注力した研究開発活動を行なっております。

 開発・技術部門では、原材料から製品に至る過程での化学物質管理を一層強固にするため、設計・生産段階への化学物質に関する最新情報をすばやく取り込んだ「ものつくり」へと変化させ、環境と安全面に力を注ぎつつ新規事業の創出・新製品の開発、顧客ニーズに迅速に対応できる体制を整備してまいりました。

 次世代コア事業の製品創出には、多様性を持った技術が必要であり、企業、研究機関等との連携・共同研究による技術開発に努めております。

 環境・エネルギー、医療などの新規事業創出分野では、微分散・合成反応技術を応用した製品部材を開発継続している中で、今後、AIとIoT機器等を利用することにより、研究開発活動のスピードを上げ、市場ニーズ・お客様の要望に対応した環境適合製品、新機能性製品を創出し続けてまいります。

 

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は12億7千8百万円であります。

 セグメント別の研究開発活動概要は次のとおりです。

 

(インキ事業)

 オフセットインキにつきましては、当連結会計年度は、当社の主力製品であるヒートセットオフ輪プロセスインキ「ガイア」、枚葉プロセスインキ「ニューセルボ」に加え、新聞用高濃度インキ「ニューズメジャー」、高感度UVインキ「ジップキュアUVOL」の製品づくりに注力いたしました。

 使用エネルギー低減を目的とした、オフ輪インキの低温乾燥化対応や、枚葉インキでのパウダーレス化など、より環境に配慮した製品の市場提供に向けて開発・改良に邁進してまいりました。印刷市場の変化縮小による販売競争の激化に対応するべく、需要家である印刷会社からのニーズを確実に製品に反映した結果、顧客内シェアを確保できました。

 新聞インキにつきましては、新聞発行部数が減少する中で、積極的な開発・改良設計に取り組み、高濃度新聞輪転用プロセスインキ「ニューズメジャークロマ」、高漆黒新聞墨インキ「ニューズメジャークロマ ブラック」の性能向上が図られました。

 オフセットインキ市場で数量の伸びている紫外線硬化型(UV)インキにつきましては、印刷適性の向上と製品ラインナップの統合を充実させた結果、高感度紫外線硬化型インキ「ジップキュアUVOL」の販売は堅調に推移いたしました。

 その他、オフセット印刷用補助剤につきましても、環境負荷低減対応を第一優先課題と考え、有機則・PRTR非該当化により、使い易いだけでなく、安全な製品の提供に努めてまいりました。

 今後も、環境に配慮した高収益メーカーになるべく、地球と人にやさしい設計による製品の提供により、需要家の要望に応えてまいります。

 グラビアインキにつきましては、当連結会計年度は、食品包材向けフィルム用インキ、成型品用インキの開発・改良を進め、環境負荷低減製品や機能性、意匠性を有する高付加価値製品の開発に取り組んでまいりました。

 環境負荷低減製品に関しましては、バイオマス由来材料を使用したインキの開発を進め、バイオマスマーク登録を行ってまいりました。さらに、米ぬか由来材料を使用したインキの開発にも取り組み、ライスインキマークの登録も行ってまいりました。

 機能性製品に関しましては、レーザー発色インキ、遮光性インキ、発泡インキ、ヒートシール剤等の開発を行ってまいりました。

 意匠性製品に関しましては、食品包装や衛生材用途で偏光パールや高輝度金・銀インキ等に注力し、需要家からの採用事例を増やすことが出来ました。又、意匠性に特化した、紙用・フィルム用の見本帳を作成いたしました。

 今後も、様々な包装材料分野への展開を進めるとともに、これら機能性、意匠性を有する高付加価値製品を充実させてまいります。

 インクジェットインクにつきましては、当連結会計年度は、受託製品の獲得と自社製品の開発に取り組んでまいりました。

 受託製品に関しては、今後、生産性向上を図ったラインを構築し、多くの新規受託製品獲得を目指してまいります。

 自社製品に関しては、塗料代替の外壁用UVインクジェット、内壁用UVインクジェット等、建材用インクが堅調に推移しました。またその他マーキング用、加飾用等の製品も順調に推移し、今後も新しい機能性UV硬化インクを中心とした開発に取り組み、様々な分野、用途において採用を目指してまいります。

 当連結会計年度におけるインキ事業の研究開発費は3億6千4百万円であります。

 

(化成品事業)

 当連結会計年度は拡販銘柄として自動車用、食品包装用向けマスターバッチを中心に、開発・改良に取り組んでまいりました。

 マスターバッチ分野ではこれまでのポリオレフィン主体から非ポリオレフィン分野での比率を高めるべく、素材の知見向上、調色体制の強化を進めてまいりました。本活動は今後も取り組みを継続し拡販に繋げてまいります。機能材としましては、新規透明核剤マスターバッチを上市いたしました。その他、ラインナップ充実を目指し、新規材料の採用検討を進めております。またCNF、CNTなどのナノマテリアルの分散検討にも取り組み、新製品開発を目指して活動しております。

 コンパウンド分野は、好調な受注による生産数量増に対応すべく、各工場の支援を行ってまいりました。今後は自動化による省人化など技術提案を推進し、案件獲得とともに収益改善活動に引き続き取り組んでまいります。

 土岐第2工場のクリーン環境下における新製品の立ち上げに関しましては、継続的に取り組んでおります。製品化に向けた試作は継続しており、食品、医療用途、電子材料関係、エネルギー分野、光学フィルム関係を中心に、ユーザーとの共同開発テーマを積極的に進め、環境下における差別化した新製品の開発および立ち上げに引続き取り組んでまいります。

 タイ工場につきましては、新規銘柄の設定を中心に技術支援を行ってまいりました。東南アジア市場でのニーズに応える製品開発を目指し引続き取り組んでまいります。

 今後も生産・販売・技術が一体となり、マーケット情報を共有してユーザーニーズに沿った製品開発を進めてまいります。

 当連結会計年度における化成品事業の研究開発費は6億2千8百万円であります。

 

(加工品事業)

 当連結会計年度は、既存製品の改良と新規製品開発に引き続き取り組んでまいりました。

 ネトロン分野では、「水処理向け製品」において製品性能を向上させる為の品質改良と顧客から依頼された新規製品開発に注力してまいりました。これからもトップ製品であり続ける為に、顧客が要望している品質を具現化する為に積極的に試作対応してまいります。

 一軸延伸フィルム分野では、ひねり銘柄のフィルム破れの改善に注力致しました。ひねり機を導入し、ひねり評価を事業所内で行ない品質改善のスピードアップを図りました。その結果、他資材に劣らないフィルム破れ性を有する一軸延伸フィルムを提供できる様になりました。この様に顧客要望を正しく捉え、素早く対応することにより、顧客からの信用を獲ることができました。

 土木分野においてはジオセルの表面シートを難燃化した差異化製品である「難燃性グランドセル」の開発に着手しました。化成品事業で安定的に難燃効果が発現できるコンパウンドの配合設計を行い、難燃性シートを完成することが出来ました。上市に向けて製品評価を実施し、来期に販売開始できる見通しです。

 農材分野では、多層保温資材である「エナジーキーパー」の改良に注力いたしました。この多層保温資材が普及することにより、施設園芸における暖房エネルギーの大幅な削減が期待でき、二酸化炭素排出量の削減にも貢献できます。また、省エネルギー化が進むとともに、高温期においても、新鮮で多様な野菜・花を安定的に供給し、国民の豊かな食生活に貢献できます。

 今後も、「地球に優しい製品」の開発を念頭に、既存製品の改良と新規製品開発の両輪で加工品事業の販売拡大に努めてまいります。

 当連結会計年度における加工品事業の研究開発費は7千6百万円であります。

 

(その他)

 当社の研究開発は、これまで分散技術の高度化から、有機・無機顔料の微粒子化、その界面制御そしてコート剤等の成分で重要な役割を果たすバインダー設計に必要な重合技術の確立へと活動の範囲を徐々に広げてまいりました。その中で当会計年度は、特に光学系材料や、生化学分野における生体反応に関わる機能性材料について、研究機関との共同研究により検討を行ってまいりました。

 また、事業化に結びつけるプロセス技術の検討を開始し、「反応場の均一化」、「精密制御」そして「連続生産方式」をキーワードに新規生産プロセスについても力を注いできました。

 今後も引き続き、機能性材料に関わる技術開発や新規プロセスの設計を行っていきますが、コンピューターシミュレーションやAIとIoTの活用についての検討を新たに加え、研究活動の合理化を行ってまいります。新規テーマの創出また現在検討中の技術開発を促進させるために、研究機関との共同研究も継続して行っていきます。

 これらの活動を基に、有望市場である、環境、エネルギー、そしてセンサー等(バイオ、デバイス関連)の各分野に注目し、そこで抱える課題をテーマとして挙げ、今後も研究活動を行ってまいります。

 これらの活動成果は特許出願として積極的に進め、人材育成にも邁進してまいります。

 当連結会計年度におけるその他の研究開発費は2億9百万円であります。