当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、印刷用インキの製造・販売からスタートし、各種プラスチック着色剤や機能性製品、特殊な成形加工技術を駆使した樹脂加工品へと事業範囲を拡大しながら、暮らしに役立つ製品を提供し続けてきました。
また、常に市場や社会が求める価値を最優先に考え、お客様と共に創り上げることで、日々の暮らしに貢献し続けることを目指しております。
前中期経営計画「TOKYOink 2020」策定の際、あらためて当社グループの「ありたい姿」「あるべき姿」を下記のとおり明確にし、社会に貢献できる、継続的な高収益メーカーとして活動していくことを基本方針としております。
この度、当社グループの理念体系の見直しを行い、「ありたい姿」「あるべき姿」を実現するために、日々の業務の中で大切にすべき価値観として、行動指針を策定いたしました。
[行動指針]
・ 挑戦し続ける / Never Stop Challenging
・ イノベーションで価値を創造する / Creating Value Through Innovation
・ 共に成長する / Growing Together
(2)経営環境
2022年度のわが国の経済は、社会経済活動に影響する規制強化等が実施されなかったこともあり、引き続き、緩やかな回復基調が継続されました。
一方、ウクライナ情勢長期化等の影響により原油価格が高止まりしていることに円安が重なり、原油由来の原材料やさまざまな輸入品の価格が上昇したことで、企業や家計は大きな影響を受けており、当社グループも原油由来の原材料を多く使用しているため、同様に大きな影響を受けております。
また、近年のデジタル技術の急速な進化により行動様式に変化が見られることで、商業・出版印刷のデジタル化へのシフトが加速していることや、サステナビリティへの意識の高まりによる脱プラスチックの流れが加速していることにより、当社グループ製品の需要動向全体に影響が及んでおり、環境規制等による原材料の供給面等にも影響が生じております。
持続的に成長できる企業になるために、環境問題への長期的な取り組みや、外部環境変化に対応できる企業構造への変革を進めてまいります。
(3)経営戦略および優先的に対処すべき課題
前中期経営計画「TOKYOink 2020」では、既存事業領域において徹底的な競争力強化と顧客満足を実現することで、より強固な経営基盤を構築するとともに、周辺事業領域、更にはその先の領域へ段階的に事業を拡大することにより、持続的な成長と高収益化を目指してまいりました。当社製品群は日常生活関連、国内産業関連、インフラ整備関連向けが多く、景気・経済動向に連動している特徴を有しております。そのため、新型コロナウイルス感染症の拡大により大きく変化したものを含め、下記に示すようなメガトレンドは当社の業績に与える影響が大きいと考えております。
(当社業績への影響が大きい主なメガトレンド)
・ 環境・社会課題への貢献
・ 気候変動抑制への対応
・ 国内人口の減少
・ ガバナンス強化
・ 働き方の多様化
・ デジタル化の加速
当社製品群の特徴を踏まえた上で、メガトレンドに即した課題への対応を進め、景気・経済動向に影響されにくい高収益体質へのメーカーとなるべく、将来の成長に向けた再スタートの期間と位置付けた計画として、2022年度から3カ年の中期経営計画「TOKYOink 2024」をスタートいたしました。
「ありたい姿」「あるべき姿」を原点とし、求められるESG課題への対応を強化することで、当社グループの成長を加速させるために、「TOKYOink 2024」では以下の経営方針を策定いたしました。
(経営方針)
・ 市場が求める価値の追求 とりわけ環境・社会に貢献する製品・サービスの提供
・ 低成長時代にも耐えうる高効率な運営体制の実現
経営方針達成のための優先的に対処すべき課題として、以下の基本戦略を掲げております。
(基本戦略)
・ ESG経営の推進
・ 新製品開発・新規事業探索
・ 高効率運営体制の実現
・ 成長投資
・ 資本効率・株主還元
経営方針や各事業固有の環境を踏まえ、以下の事業戦略を掲げております。
(事業戦略)
・ 経営方針に沿った環境・社会対応製品の開発推進
・ 経営方針に沿った運営体制の構築
・ 各事業の外部環境変化、市場動向に合わせた既存製品の競争力強化
・ 周辺事業領域の探索と成長製品の更なる拡充
各事業セグメント別の優先的に対処すべき課題は、以下のとおりとなります。
(インキ事業)
・ 主力インキ事業領域のポートフォリオ変革を進め、環境対応製品、デジタル化への転換を推進
・ 高バイオマスインキ、環境対応インキ、産業用インクジェットインクの開発推進で収益獲得
(化成品事業)
・ 主力合成樹脂市場での成長機会を追求し、サーキュラーエコノミー参画を推進
・ 機能性マスターバッチ、自動車用着色材を主力に環境対応製品の拡大による成長を目指す
(加工品事業)
・ 市場の伸長が期待できる水処理用資材や防災減災資材を主力に特長ある新規製品の開発を推進
・ ネトロン®・土木資材を軸に各製品セグメントの特徴を活かし、ニッチトップ戦略により高収益化を目指す
(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。
基本戦略、事業戦略を推し進めることで達成すべき経営目標は、以下のとおりとなります。
(経営目標)
・ 売上高:450億円
・ 営業利益:20億円
・ ROS:4.0%以上
・ ROE:5.0%以上
・ 配当性向:30%以上
当社は、2023年12月に創立100周年を迎えます。節目の年を迎えるにあたり、今後の更なる成長を遂げるための「長期ビジョン」を策定し、公表する予定でおります。
(1)体制・方針
当社は、代表取締役社長を議長とし、全ての常勤取締役および各委員会の委員長を協議員として構成されるESG経営推進会議の下部組織に、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、環境負荷低減委員会、ソーシャルレスポンシビリティ委員会を設置しております。
環境負荷低減委員会は、環境に対する定量データの収集・整理や環境負荷低減のための課題について取り組んでおります。
ソーシャルレスポンシビリティ委員会は、サステナビリティやESGの社会課題に対する取り組みの検討を行っております。
リスク管理委員会は、全社重要リスクおよびその他重要リスクへの対応を推進しております。その全社重要リスクの内、特に「サステナビリティ課題考慮不足リスク」および「人材戦略リスク」において、環境関連および人材に関する推進・モニタリングを行っております。
環境負荷低減委員会、ソーシャルレスポンシビリティ委員会、リスク管理委員会で協議・決議された内容は、四半期ごとにESG経営推進会議に報告を行っております。
また、当社グループの企業理念や目指すべき企業像に向かって進めるために理念体系を整理し、新たな「行動指針」を策定した上で、下記各種ガイドラインを整備いたしました。
(環境に関するガイドライン)
当社グループは、事業活動を通じて、地球環境に対する負荷を低減させる取り組みを継続的に行います。
・ 環境負荷低減に貢献する製品・サービスの開発に努めます。
・ 継続的な省エネルギー活動やリサイクルの推進により、温室効果ガスおよび廃棄物の削減に努
めます。
・ 環境に関連する法規制を遵守するだけでなく、自主基準を設定し環境保全に努めます。
・ 企業に求められる環境に関連する情報開示を積極的に行います。
・ 従業員に対して環境に関する教育、広報活動を実施し、環境問題への意識向上を図ります。
(サステナビリティに関するガイドライン)
当社グループは、健全で透明性の高い経営と事業活動により、企業価値向上を目指すとともに、持続可能な社会の形成に貢献するよう努めます。
・ すべてのステークホルダーとの対話を重視し、企業の透明性を高め、社会的責任を果たしま
す。
・ 当社製品・サービスの提供により、持続可能な社会の形成に貢献します。
・ 従業員の基本的人権、多様性を尊重し、安全、健康が確保でき、働きがいのある職場の構築に
努めます。
・ 社会貢献活動を通じて従業員の成長と持続可能な社会の形成に貢献します。
(リスクマネジメントに関するガイドライン)
当社グループにおいて顕在化しうるリスクへの対応に係る管理体制を整備し、当該リスクの認識、顕在化防止および顕在化時の損失低減のための対応を着実に実行することにより、当社グループの企業価値の向上に資することを目指します。
・ 継続的なリスクマネジメント活動を通じて、リスク対応能力の向上を図ります。
・ ステークホルダーの安全、健康および利益を損なわない誠実な企業経営を行います。
・ 製品・サービスの品質と安全を最優先とし、緊急事態発生時には、事業継続計画(BCP)に従
い、被害を最小限にとどめるとともに、事業の早期復旧を図ります。
・ リスク教育活動とリスク情報の共有化により、リスク感性の醸成を図ります。
(コンプライアンスに関するガイドライン)
当社グループは、企業の社会的責任を常に認識し、法令はもとより規範、倫理および社内規程を遵守し、良識を持って公正かつ誠実に行動することで、社会との調和を図り、企業活動の更なる発展を目指します。
・ 私たちは、基本的人権を尊重し、いかなる差別もしません。
・ 私たちは、取引先との健全な関係を維持、構築し、公正・公平な取引を行います。
・ 私たちは、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して、毅然とした態度で臨み、
一切の関係を持ちません。
・ 私たちは、企業の透明性を高めるために、適時・適切な情報開示を行います。
・ グループ全ての役員および従業員のコンプライアンスに対する重要性を浸透させるために、啓
蒙・教育活動を継続的に実施します。
・ コンプライアンスの問題が発生した場合は、迅速かつ適切に対応します。
(2)戦略
① 気候変動に対するリスクと機会
当社グループの気候変動に関連する主なリスクと機会は以下のとおりであります。
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気候変動リスク |
・温室効果ガス排出量削減の失敗により、平均気温が上昇することで、 異常気象による災害が激甚化し、事業継続が困難になるリスク |
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・政策・法規制などが強化されることにより操業コストが増加するリスク |
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・顧客ニーズの変化により、売上・利益を逸失するリスク |
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気候変動機会 |
・温室効果ガス排出量削減に繋がるバイオマス製品の需要増加 |
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・プラスチック廃棄物削減に繋がる生分解性樹脂関連製品の需要増加 |
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・最終製品に環境負荷低減に貢献する機能を付与する中間製品の需要増加 |
(環境対応製品紹介および気候変動に対する取り組み紹介)
(インキ事業)
[高バイオマスオフ輪インキ GAIA® VLC]
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従来品と同等の性能を維持しつつ新開発の樹脂・ワックスを採用することで、インキ成分中のバイオマス度を60%以上に引き上げたオフ輪インキとなります。 また、植物由来溶剤によりお客様における印刷乾燥工程時に排出する石油由来CO2を限りなくゼロにすることに貢献いたします。 |
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[環境調和型グラビアインキ ライスインキ]
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国産バイオマス原材料である米ぬか原油の非食用部分を利用した環境調和型グラビアインキとなります。 従来のインキと同等の印刷適性を有しているため、通常どおり印刷が可能であり、使用時のCO2排出量抑制および石化資源使用削減に貢献いたします。 |
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(化成品事業)
[液状マスターバッチ リキッドカラー HiFormer®]
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従来品であるペレット状のマスターバッチは高熱下で加工するため、製造時の使用エネルギーが大きくなりますが、液状マスターバッチは高熱下での加工を必要としないため、製造時の使用エネルギーを大幅に低減できます。 着色成分が従来品よりも高濃度で処方されているため、成形加工時の添加量を少なくすることができ、結果的に輸送コスト低減に繋がるとともに、液体であることから樹脂ペレットに拡散しやすく、色むら、ショットブレなどの使用時の不具合低減にも貢献いたします。専用の供 |
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給制御装置を使用することで、液体同士が接触しないため、切替時の清掃が不要になり、ロスの低減にも繋がります。 ※HiFormer®はAVIENT社の登録商標です。 |
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[生分解性プラスチック用マスターバッチ]
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生分解性プラスチックは、最終的に水と二酸化炭素に分解される特徴を有しているため、従来の化石資源由来のプラスチックに比べ、プラスチックゴミの削減に繋がります。 生分解性プラスチック市場は拡大傾向にあることから、生分解性プラスチックに適した各種マスターバッチを取り揃えております。 今後もニーズに合わせラインナップを拡充することで、環境への負荷の低減に貢献いたします。 |
使用例:農業用フィルム |
(加工品事業)
[ジオセル(グランドセル/テラセル)のり面保護工法]
ジオセルはプラスチックシートを立体形成した、ハニカム状土壌安定枠となります。
ジオセルをのり面に設置し、中詰材を充填することで、のり面の浸食対策と緑化の両立が可能になります。
コンクリートを使用する工法に比べ、軽量であるため搬送の負荷が軽減でき、CO2排出の低減に貢献、施工性にも優れております。集中豪雨などの影響により不安定になっている道路のり面の復旧に貢献いたします。
ジオセル(グランドセル/テラセル) のり面施工状況 完成後緑化状況
[EKエナジーキーパー]
農業ハウスで作物を栽培するにあたり、光と熱が大きく影響いたします。EKエナジーキーパーは種々の素材を複合的に組み合わせて、特殊な縫製加工をすることで、抜群の遮光性と断熱性を持たせた布団資材となります。光に敏感な作物の栽培に適しており、農業用ハウスにおいて周年利用時の冷・暖房費の大幅な削減に貢献いたします。また、軽量であるため、作業性にも優れております。
EKエナジーキーパー基本構成
(その他)
サステナビリティへの取り組みの一環として、外貨建て定期預金「グリーン預金」への預け入れを実施いたしました。当「グリーン預金」は、ESGのうち環境分野、特に再生可能エネルギー分野に特化した定期預金であり、ESG格付会社である蘭Sustainalytics社の支援を得て策定した、「SMBCグリーン預金フレームワーク」に基づき、再生可能エネルギーや省エネルギー事業等の環境に配慮したプロジェクトに充当されます。
また、当社の環境配慮活動の取り組みや長期的な環境経営戦略を総合的に評価する、環境格付融資の検討を現在進めております。
今後はTCFD提言に基づくフレームワークでの開示検討を進めるとともに、環境やサステナビリティに貢献できる製品開発や取り組みを進めることで、企業価値の向上を図ってまいります。
② 人的資本に関する戦略
a.経営戦略と人材戦略の連動
当社グループは中期経営計画における経営方針において、「市場が求める価値の追求 とりわけ環境・社会に貢献する製品・サービスの提供」および「低成長時代に耐えうる高効率な運営体制の実現」を掲げております。
本経営方針を達成するために、人事戦略は基本戦略および事業戦略とともに経営方針を実現するための一部であると定義し、当事業年度において「人事戦略構築プロジェクト」を立ち上げ、経営者との積極的な対話を通じて、基本戦略、事業戦略との連動性が担保された4つの柱を軸とした人事戦略を策定しました。策定にあたっては、現状との乖離について定性・定量分析を実施し、取り組むべき課題を明確化いたしました。
基本戦略、事業戦略および人事戦略との連動性は、基本戦略および事業戦略にて定めた各戦略項目に必要と考えられる「多様な人材の育成・確保」、「リーダーシップ」、「変化に応じた再配置」、「キャリア構築」を柱としております。
また、これらの人事戦略を実現するために必要な人材ポートフォリオを定め、求める人物像を具体化し、その人材をどのように採用し成長させていくかの観点から人材マネジメントポリシーを決定いたしました。さらに、目指すべき企業文化の連動性を検証し、強固な土台を作り上げるための人事戦略としております。
これらのサイクルを円滑に進めるため、新たな人事制度を構築し、2023年4月から導入致しました。
当社は、企業理念(Vision)、目指すべき企業像(Mission)を実現するために、「人(従業員)」を成長させることで、価値創造の担い手である「資本」になると考えております。そのため、大切にすべき価値観として、当事業年度において行動指針を新たに定めました。求める人物像は、Vision 、Missionに共感し、新たに定めた行動指針(Value)を体現する人材となります。
従業員が安心し、モチベーション高く働いていくための土台となるのは、企業文化となります。企業の持続的成長を促進させていくための目指すべき企業文化を定義し、実現を目指してまいります。
b.社内環境整備方針
人事戦略を達成するため、従来からの人事機能および総務機能を併せ持った総務部から人事機能を分離した人事部を新規に立ち上げ、人材マネジメントを一元管理できるHRシステムの導入、および評価や異動の最終決定を担う人事委員会の設置を行いました。また、多様な働き方や適材適所での働きがい、それに応じた的確な処遇を実現するため、新人事制度を制定し、従来の単線型キャリアパスから複線型キャリアパスへの転換を行いました。
さらに、この新人事制度では、新たに制定した行動指針を体現するものとしてバリュー評価を組み入れ、従業員の自己研磨および向上心を図り、HRシステムと合わせて定量的に評価していくことでエンゲージメントとして成長実感、満足度等も向上させる取り組みを推進しております。
また、従業員の健康を維持することも重要であると考えており、健康経営優良法人の認定、健康診断の実施並びに喫煙状況の管理、労働環境として残業時間の管理並びに有給休暇取得推進、人事部および中央安全衛生委員会にて労働災害の管理および監視を行っております。
人材の多様性に関しましては、ソーシャルレスポンシビリティ委員会を発足させ、人事部と共にダイバーシティに関する取り組みを進めております。少子高齢化が進み、労働人口が不足していくことが想定される今後において、女性、外国人、障がい者、シニア層など多様な人材が活躍できる環境を整えるべく取り組みを進めてまいります。
c.人材育成方針
新人事制度での人材ポートフォリオ構築のため「人事戦略構築プロジェクト」において、人材マネジメントポリシーを定めました。
配置におきましては、計画的なローテーションと複線型キャリアパスによって柔軟な従業員の配置を実施し、組織改革や業務改善をリードおよび市場の変化に対応できる多角的な視点を持つ人材の育成を進めてまいります。
人材開発におきましては、さまざまな部署での業務知識や人間関係を構築し、従業員の成長機会を創出するとともに、その能力を最大限に発揮できる組織構築にも繋げてまいります。また、複線型キャリアパスで定めたそれぞれの役割に合わせたさまざまな研修内容を提供することで、従業員が将来のキャリアを選択できる柔軟な制度を促進してまいります。
当事業年度におきましては、執行役員へのリスク研修、管理職アセスメント等を実施しております。
(3)リスク管理
当社グループは、中期経営計画「TOKYOink 2024」策定年度に当社リスクの見直しを伴うリスクアセスメントを行い、全社重要リスク4項目を選定しております。特に環境関連および人材に関しては、「サステナビリティ課題考慮不足リスク」および「人材戦略リスク」への対応計画を設定し、リスク低減活動の推進を図るとともに、対応策の効果のモニタリングを行っております。
「サステナビリティ課題考慮不足リスク」および「人材戦略リスク」に関する取り組み内容は、「
(4)指標及び目標
① 気候変動に関する指標及び目標
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単位:t-CO2 |
2013年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
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温室効果ガス排出量 (Scope1、2計) |
21,661 |
19,485 |
17,410 |
17,755 |
|
削減率(2013年度比) |
- |
△10.0% |
△19.6% |
△18.0% |
対象組織:当社国内グループ 温室効果ガス排出量:環境会計公表値
当社国内グループの2021年度温室効果ガス排出量(Scope1、2計)は、さまざまな省エネ活動に取り組んだ結果、2013年度比で18.0%減となりました。また、2022年度に大阪工場の使用電力全量について再生可能エネルギーへの切り替えを実施いたしました。当実施により、当社国内グループの約10%の電力が再生可能エネルギーに切り替わりました。今後もさまざまな方策を講じることで、温室効果ガス排出量の削減に努めてまいります。
また、温室効果ガス排出量の削減目標につきましては、本年12月に公表予定の長期ビジョンに記載する予定としております。
② 人的資本に関する指標及び目標
当社では、社内環境整備における人事施策の浸透度を定量的に図るため、以下の重要業績評価指標(KPI)を設定いたしました。外部環境の変化によっては、施策内容の見直し等も図りながら、目標達成に努めてまいります。
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INPUT/OUTPUT |
OUTCOME |
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カテゴリ |
KPI |
2022年度実績 |
目標値 |
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行動指針 |
バリュー評価 達成率 |
- |
80% |
経営方針の達成 ↑ 従業員個人の成長 労働意欲の向上 |
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育成 |
教育研修費用 |
22,468円/人 |
30,000円/人 |
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成長実感 |
エンゲージメント スコア |
5.9(10点中) |
7.0(同) |
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|
満足度 |
5.9(10点中) |
7.0(同) |
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|
健康経営 |
二次検診受診率 |
27.6% |
70.0% |
|
|
喫煙率 |
32.3% |
20.0% |
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労働環境 |
時間外労働時間 |
5.0時間/人 |
5.0時間/人 |
|
|
有給休暇取得率 |
57.6% |
80.0% |
||
|
労働災害 |
強度率 ※1 |
0.00 |
0.00 |
|
|
度数率 ※2 |
0.00 |
0.00 |
||
※1 強度率とは、実労働時間当たりの延べ労働損失日数で災害の重さを示す指標となります。
※2 度数率とは、実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で労働災害の頻度を示す指標と
なります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
(1)当社のリスクマネジメント体制
当社は、代表取締役社長を議長とし、全ての常勤取締役および各委員会の委員長を協議員として構成されるESG経営推進会議の下部組織に、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、環境負荷低減委員会、ソーシャルレスポンシビリティ委員会を設置しております。リスク管理委員会は、各委員会と連携し、さまざまなリスクを網羅的に把握し、定期的に報告がなされる体制の整備と運用にあたっております。
全社重要リスク決定プロセスは、リスク管理委員会にて、経営に影響を与えるリスクを幅広く検討したリスクアセスメント項目について、各部長職者が解答し、そのデータを分析後、全社重要リスク候補案をESG経営推進会議に答申し、ESG経営推進会議が決定しております。
選定しました全社重要リスクにつきましては、各リスクオーナーが、中期経営計画に沿った3カ年計画および単年計画を推進してまいります。また、2020年度より設置されました全社BCM(事業継続マネジメント)事務局を中心に、2020年度は本社、2021年度は吉野原工場および各支店・営業所、2022年度は羽生工場・土岐工場・大阪工場にBCPを構築いたしました。引き続き、来期におきましても着実に全社BCP構築の実行推進を行ってまいります。
(2)当社のリスクマネジメント体制の運用状況
リスク管理委員会では、ERMを推進するにあたり、中期経営計画策定年度に当社リスクの見直しを伴うリスクアセスメントを行い、全社重要リスクを特定し、中期経営計画策定年度以降においては全社重要リスクについて変更するべきリスクが無いか、社内外の環境変化等を踏まえた精査を行っております。
2021年度においては、リスクアセスメントにより97項目について精査し、リスクの重要度(影響度×発生可能性から決定)上位30項目を中心に、内容を鑑みて全社重要リスク4項目を選定いたしました。2022年度においては、中期経営計画策定年度以外としてアセスメントを行い、全社重要リスクの状況確認、全社重要リスクへの追加項目の検討およびその他重要リスクの状況確認を行いました。この結果、新たな全社重要リスクの追加はありませんでしたので、前年度に引き続き、全社重要リスク4項目およびその他重要リスクにつきまして、その対応策を評価・検証し、リスク低減活動の推進を図るとともに、対応策の効果のモニタリングを行っております。
(3)事業等のリスク
当社グループの経営環境における事業等のリスクとしては、全社重要リスクのほか、その他重要リスク等多岐にわたるものがあり、記載事項以外に予測し難いリスクも存在するため、当社グループの想定を超えた予測不能な事態が発生した場合、十分な対応がとれない可能性があります。
当該リスクの顕在化する可能性の程度(発生可能性)を鑑みた上で、顕在化した場合の経営成績等に与える影響度を考慮し、当該リスクの発生回避および発生時の対応に努める所存であります。
◆全社重要リスク
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全社重要リスク ① 事業継続リスク |
前年との 評価比較 |
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全社重要リスク選定理由 |
中長期取り組みの必要性 |
自然災害の頻発・激甚化に伴い、永続的な全社取り組みが必要と捉えております |
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経営戦略への影響 |
操業停止による収益圧迫、人材の確保など、適切な備えが無いと甚大な影響を及ぼす可能性があります |
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企業理念・目指すべき企業像との関係性 |
会社存続には、事業継続力の向上は不可欠であると認識しております |
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体制構築・リソース投入の 必要性 |
事業継続には全社的・組織横断的な取り組みを展開する必要があると認識しております |
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リスク認識 |
災害発生時の従業員の安全確保、近隣への漏出事故等の回避、早期復旧による顧客・取引先・株主の信頼維持は、企業にとって生命線であり、全社的な取り組みを継続する必要性があります |
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リスクへの対策 |
目指すべきリスクへの 対応状態 |
災害発生時、人命保護を目的とした緊急時対応計画(ERP)が実施され、危機管理計画 (CMP)に基づく指揮命令系統を確立し、事業継続計画活動の発動実施ができるようにいたします |
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具体策 |
2020年度は本社、2021年度は吉野原工場および各支店・営業所、2022年度は羽生工場・土岐工場・大阪工場にBCP構築を行い、2023年度はIT-BCPおよび子会社への展開を行います ・安否訓練で早期回答の訓練と意識づけ ・全社での備蓄品装備(3日間)の整備 ・電源・通信等にインフラ(IT-BCP)整備 ・教育、訓練推進 |
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事業継続リスクに関連する 個別リスク |
前年との 評価比較 |
リスクへの対策 |
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原材料の供給途絶 |
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・仕入先の複数化 ・調達先の変更 ・フォーキャスト精度の向上および在庫量の調整 |
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コンピュータシステムダウン /ネットワークのダウン |
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・IT-BCP構築への着手 ・手動対応を可能とする必要最低限のデータを紙出力または非ネットワーク外部媒体に出力 ・システムサーバおよびネットワーク冗長化の検討(コストバランス) |
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台風、豪雨、高潮、洪水、 豪雪、地震、噴火 |
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・BCP策定による対応強化 ・生産機能の相互補完 ・防災訓練の実施、従業員安否確認システムの活用 |
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感染症(パンデミック) |
|
・在宅勤務(テレワーク)の推進、Web会議システム、社内ネットワークへのアクセスツール等インフラの整備、活用促進 ・電子契約システムの整備、受注FAXのメール転送機能の整備等の推進 |
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第三者による盗取、不正アクセス・ウィルス感染等 |
|
・脆弱性対策(EDR対策導入、PPAP対応)および標的型メール対策の実施および検討 ・セキュリティに関する社内教育の実施 |
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全社重要リスク ② 人材戦略リスク |
前年との 評価比較 |
|
||
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全社重要リスク選定理由 |
中長期取り組みの必要性 |
・企業の持続可能性および価値創造のための主要因子と捉え、中長期的な取り組みを要すると捉えております ・2022年度に人材戦略構築プロジェクトチームを発足させ、3カ年計画にて仕組みを整えます |
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経営戦略への影響 |
経営戦略と人材戦略の連動が不可欠と考えております |
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企業理念・目指すべき企業像との関係性 |
企業理念に掲げている社会への貢献には、それを体現するための人材が不可欠と認識しております |
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体制構築・リソース投入の 必要性 |
従来の枠に捕らわれない人材発掘・育成のため、複合的な取り組みを展開する必要があると認識しております |
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リスク認識 |
・前中期経営計画「TOKYOink 2020」において、人事戦略・整備すべき基盤・行動の原則等を掲げ対応してきましたが、人材価値向上の成果が不足していると認識しております ・「採用・能力開発・適材適所」の実現等、競争力向上のための人事機能強化は、全社的な取り組みを継続する必要性があります |
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リスクへの対策 |
目指すべきリスクへの 対応状態 |
人事機能を強化し、経営層において経営戦略と連動した人材戦略を検討できる体制を構築することで、必要な人材像を設定し、創出・確保するための各種制度の導入および見直しを行います |
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具体策 |
・行動指針の設定 ・人事制度の変更および定着 ・ハイパフォーマー育成制度の構築 ・コンサルティング会社活用による人事機能の補完 ・人事戦略を立案や実行できる人材確保 ・経営戦略を達成するために必要となる人材像の明確化 ・シニア人事制度構築プロジェクトの発足 |
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人材戦略リスクに関連する 個別リスク |
前年との 評価比較 |
リスクへの対策 |
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人材の過不足・人件費の上昇 |
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・多様な労働力に対応可能な仕組みの強化 ・教育制度の拡充、ダイバーシティへの対応 |
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過労、ストレス、メンタルヘルス |
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・時間外労働の管理の徹底による過重労働の抑止 ・ストレスチェックを実施し、ストレス、メンタルヘルスを管理、および必要に応じ産業医の面談を実施 ・メンタルヘルスの教育研修の実施 |
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技術等の伝承の失敗・途絶 |
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・設計変更に係わる、試験方法の拡充・開発 ・工程変更に係わる時の試験検討の徹底 ・工程に係る顧客要求事項の再確認 ・技術等伝承の人材育成の教育プログラム導入 ・多様な労働力に対応可能な仕組みの強化 |
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従業員の士気・モラール低下 |
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・働きやすい職場環境整備 ・行動指針の従業員への浸透強化 ・従業員サーベイを実施し、個人と組織の課題対策強化 |
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人材の流出・喪失 |
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・働きやすい職場環境整備 ・人事制度改革の定着 ・中途採用の強化 |
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全社重要リスク ③ サステナビリティ課題考慮不足リスク |
前年との 評価比較 |
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全社重要リスク選定理由 |
中長期取り組みの必要性 |
・2030年、2050年に向けた取り組みが求められると認識しております ・長期に渡る取り組みとなるため、温室効果ガス排出量削減に向けた検討を継続し、統合報告書および環境会計の基礎構築を継続いたします |
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経営戦略への影響 |
サステナビリティが今後の経営戦略の中核的な要素になることは、世界情勢から認識しております |
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企業理念・目指すべき企業像との関係性 |
「豊かな暮らしと社会の発展に広く貢献する企業であり続ける」ことを目指します |
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体制構築・リソース投入の 必要性 |
幅広い知識・対応・人材が必要なため、組織横断的な取り組みを展開する必要があると認識しております |
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リスク認識 |
持続可能な社会を支え、環境と共生する企業となることが求められる中で、石化由来原材料を多く取り扱う当社としては、環境負荷低減対策は重要なリスクとなっており、全社的な取り組みの継続が必要と認識しております |
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リスクへの対策 |
目指すべきリスクへの 対応状態 |
・当社グループの成長発展に寄与する環境課題・環境負荷低減に対する取り組み方法や実行体制の確立を図ります ・ステークホルダーに対して定性・定量情報を開示できる体制・方法の整備を行います |
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具体策 |
・環境重要課題設定 ・環境負荷低減方策立案・整理 ・温室効果ガス排出量集計方法確立 ・情報開示体制、方法の整備 ・統合報告書の24年度開示検討 |
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サステナビリティ課題 考慮不足リスクに関連する 個別リスク |
前年との 評価比較 |
リスクへの対策 |
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原材料市況の変化 |
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・複数の仕入先からの原材料購入による安定調達 ・原材料仕入先の新規探索 ・価格高騰への対応 ・代替品の検討 |
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顧客ニーズの変化 |
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・顧客との継続的なコミュニケ―ションによる顧客要求のタイムリーな把握および継続的な技術改善 |
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技術革新、陳腐化 |
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・市場要求を理解し、課題解決のためのテーマ設定を行い、取り組む ・技術人材育成の教育プログラム導入 ・技術投資の維持、増額 ・産学連携、同業種、異業種企業との協業 |
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研究開発の失敗 |
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・研究人員材の育成強化 ・産学連携の推進 |
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規制強化・法令改正 |
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・環境関連規制、労務規制等の監視体制強化とアラート発出による法規制遵守意識の向上 |
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温室効果ガスの排出量削減の失敗 |
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・温室効果ガス低減に係わる規制監視体制強化と対応製品の拡充 |
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全社重要リスク ④ 労働災害リスク |
前年との 評価比較 |
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全社重要リスク選定理由 |
中長期取り組みの必要性 |
・安全は、企業活動の全てにおいて優先されるべきものと考えております ・安定的な事業継続の観点から中長期的な取り組みを継続いたします。 |
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経営戦略への影響 |
直接・間接的なマイナスの影響が甚大であります |
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企業理念・目指すべき企業像との関係性 |
従業員の安全確保は最重要と認識しております |
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体制構築・リソース投入の 必要性 |
工場部門だけの問題とせず、全社一丸となる取り組みが必要と認識しております |
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リスク認識 |
当社が取り扱う化学物質の危険性や有害性が多様化し、重要なリスクとなっており、全社的な取り組みを継続する必要性を認識しております |
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リスクへの対策 |
目指すべきリスクへの 対応状態 |
労働災害を防止するための基本事項を定め、従業員の職場における安全と健康を確保し、快適な作業環境の形成を促進することを目的といたします 1)5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)ができていること 2)TIC安全基準の策定 |
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具体策 |
・安全教育の強化 ・手順書整備、見直しによる安全性確保 ・健康管理 |
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労働災害リスクに関連する 個別リスク |
前年との 評価比較 |
リスクへの対策 |
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技術等の伝承の失敗・途絶 |
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・設計変更に係わる、試験方法の拡充・開発 ・工程変更に係わる時の試験検討の徹底 ・工程に係る顧客要求事項の再確認 ・技術等伝承の人材育成の教育プログラム導入 ・多様な労働力に対応可能な仕組みの強化 |
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火災、爆発・破裂リスク |
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・危険物の取扱、管理教育の徹底 |
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職業性疾病 |
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・体に負担のかからない作業方法の改善 ・職場環境の改善 ・化学物質の管理と取扱い手順の教育 ・自律的な化学物質管理 |
◆その他重要と認識しているリスク
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リスク項目 |
影響度 |
発生 可能性 |
前年との 評価比較 |
リスク内容 |
リスクへの対応策 |
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① 景気変動、市況変化 |
中 |
中 |
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・景気変動に伴う需要減退に対応できない利益減少リスクまたは需要増加に生産対応できない機会損失リスク |
・事業環境の変化に対し、市場動向に迅速かつ的確に対応できる企業体質の構築 |
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② 特定顧客・市場への依存 |
中 |
中 |
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・特定顧客・市場への依存度の高さにより、関係悪化・取引停止等にて事業継続への影響に発展するリスク |
・取引先の経営状況の把握 ・新規顧客の開拓 ・周辺領域の探索 |
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③ 製品検査・試験のミス(製品事故要因) |
中 |
中 |
|
・原材料不良の影響から、品質異常が発生し、得意先からの信頼を失うリスク ・製品の品質異常による顧客からの訴訟や損害賠償が発生するリスク |
・手順書整備、見直しによる検査方法、出荷条件等の更新 ・ISO9001マネジメント活動の継続的推進 |
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④ 製造プロセスの欠陥・瑕疵(製品事故要因) |
中 |
中 |
|
・不純物混入や製造プロセス瑕疵等による品質低下、製造機器不具合によって規格外品が増加し、改修費用が増大するリスク |
・機器および原材料回りの整理整頓 ・機器メンテナンスや工程管理能力の向上 |
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⑤ 為替等の変動 |
中 |
中 |
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・為替市場、金利等の変動等により外貨建取引(債権・債務)への為替変動が生じ、業績に影響を及ぼすリスク |
・外貨変動リスクの事前回避、金融機関や専門機関等からの情報把握、分析(国際金融・社会情勢・地政学) ・外貨建債権・債務残高の適正管理、バランス ・先物為替予約等実施によるヘッジ |
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⑥ 貿易ルールの変更 |
中 |
中 |
|
・原材料調達国が輸出を規制し、原材料を入手できなくなるリスク ・製品輸出先が関税変更し、業績に影響するリスク |
・仕入先の複数化 ・原材料調達国および製品納入国の法令研修の拡充 ・法令に基づく関係省庁情報の入手、選別、アラート発出 |
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⑦ 設備・機器・情報システム等の不稼動 |
中 |
中 |
|
・生産設備のメンテナンス不足原因によって設備が故障し、生産活動が停止するリスク ・基幹システムにトラブルが発生し、生産・営業活動が一時停止するリスク ・設備またはシステム停止によって、事業が停滞するリスク |
・生産設備の定期メンテナンス徹底 ・障害発生時のマニュアル更新整備 |
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⑧ 顧客・協力会社の倒産・支払遅延 |
中 |
中 |
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・取引先倒産による債権回収不能リスク ・製造協力会社倒産により、代替先が見つからず一部製品の生産中断となるリスク |
・債権保証契約による債権保全 ・与信債権管理運用基準による取引先状況の定期的なモニタリング ・製造協力会社の新規検討および自社内での生産対応強化 |
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⑨ 設計の欠陥・瑕疵(製品事故要因) |
中 |
低 |
|
・設計変更の試験検討等で見抜けないような予期せぬ機能低下が発生するリスク ・生産工程効率化一辺倒による作業工程を変更した結果、品質が低下するリスク |
・設計変更に係わる、試験方法の拡充・開発 ・工程変更に係わる時の試験検討の徹底 ・工程に係る顧客要求事項の再確認 |
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⑩ 生産・在庫管理の失敗 |
低 |
中 |
|
・原材料・仕掛品・製品在庫管理の失敗による、製品の過不足が発生するリスク ・在庫管理不足による保管料増加や在庫処分費用増大による損益低下のリスク |
・生産管理方法の適宜見直し ・費用発生のモニタリングによる抑制方法の検討 |
|
⑪ 製品回収、クレーム対応の失敗 |
中 |
中 |
|
・製品不具合、クレームが発生した際の判断の遅れや不適切な対応により、不具合製品による事故が発生するリスク ・顧客からのクレームへの対応失敗により、顧客の信用を失い、取引停止となるリスク |
・不具合発生時の正確な情報共有の徹底 ・クレーム原因の追究、対応策の有効性評価 ・信用の失墜を防ぐためのアフターフォロー実施 |
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⑫ 納期・性能未達 |
低 |
中 |
|
・生産管理問題等から、期日に納品できないリスク ・製品ロットごとに品質差が発生し、顧客からクレームを受けるリスク |
・生産管理方法の適宜見直し ・生産性向上、不適合品の発生防止に資する活動推進 |
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⑬ 政情不安(戦争・テロ・政治体制や政策の変更等) |
中 |
低 |
|
・海外政情変化に伴う、原材料調達対応および高騰対応の遅れによる事業活動の停滞や治安悪化などにより、輸出入ビジネスからの撤退を余儀なくされるリスク |
・地政学情報に対してのアラート発信強化および情報共有 ・原材料調達状況の早期把握、在庫の見直し、原材料変更対応等にてリスク低減 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の概況
当連結会計年度の業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
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区 分 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
41,401 |
43,406 |
2,004 |
4.8% |
|
営業利益又は営業損失(△) |
675 |
△21 |
△697 |
- |
|
経常利益 |
898 |
4,783 |
3,885 |
432.6% |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
725 |
1,645 |
919 |
126.7% |
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動に影響する規制等が実施されなかったこともあり、引き続き、緩やかな回復基調が継続されました。一方、ウクライナ情勢長期化等の影響により原油価格が高止まりしていることに円安が重なり、原油由来の原材料やさまざまな輸入品の価格が上昇したことで、企業や家計は大きな影響を受けており、当社グループも原油由来の原材料を多く使用しているため、同様に影響を受けております。
このような状況の中、当社グループは、競争力強化と顧客満足の向上および事業領域の拡大を進めたことに加え、製品の販売価格改定が一定程度進捗したことにより、売上高は前年度に比べ増加いたしました。一方、営業利益は、製品の販売価格改定やさまざまなコスト削減活動を実施したことにより、下期以降は改善が見られてきておりますが、連結会計年度では原材料価格とエネルギーコストの上昇分を吸収しきれず、減少いたしました。
なお、インキ事業の業績が急激に悪化しており、来年度以降も大幅な収益力の向上が見込めない状況であることから、固定資産の減損損失を特別損失に計上いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、当連結会計年度の業績は、売上高が434億6百万円で前年度比20億4百万円の増収(4.8%増)、営業損失は2千1百万円で前年度比6億9千7百万円の減益(前年度は6億7千5百万円の営業利益)、経常利益は米国連結子会社の出資分配益の計上等により47億8千3百万円で前年度比38億8千5百万円の増益(432.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失の計上等により16億4千5百万円で前年度比9億1千9百万円の増益(126.7%増)となりました。
今後も新型コロナウイルス感染症の規制緩和が進むことで、日本経済の緩やかな回復は続くと見込まれておりますが、原油価格や為替の動向による影響が不透明な状況であるため、引き続き市況を注視しながら対応してまいります。
「売上高年度別推移」 (百万円) 「営業利益(損失▲)年度別推移」 (百万円)
「経営成績の四半期推移」 (百万円)
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当連結会計年度の売上高とセグメント利益又は損失(△)の構成は以下のとおりであります。
また、当連結会計年度の期首より全社費用の区分を見直しております。それに伴い、前連結会計年度における各事業のセグメント利益を区分見直し後の数値に置き換えております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(インキ事業)
(単位:百万円)
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区 分 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
13,197 |
14,026 |
829 |
6.3% |
|
セグメント損失(△) |
△186 |
△673 |
△487 |
- |
インキ事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
オフセットインキおよび印刷用材料は、構造的な市場縮小が継続する中、重点顧客への販売強化に努めた結果、前年度に比べ数量、売上高ともに増加いたしました。しかし、利益は、さまざまなコスト削減活動や製品販売価格改定による採算是正により、一定程度の効果を上げることができたものの、原油高と円安による原材料価格上昇影響が一層悪化したため、前年度に比べ大幅に減少いたしました。
また、インキ事業に属するオフセットインキ事業は、営業利益が継続してマイナスであり、投資額を上回るキャッシュの回収が見込めない状況であることから、固定資産の減損損失を特別損失に計上いたしました。
グラビアインキは、人流の回復に伴う全体的な需要回復が継続したことやコート剤等の機能性製品の拡販が進んだことに加え、一定程度の製品価格改定が進んだことにより、前年度に比べ売上高は増加し、損失幅が縮小いたしました。
インクジェットインクは、建材用途、メディカル用途等の自社製品が堅調に推移いたしましたが、主に欧米向けの受託製品の需要が低迷した結果、前年度に比べ売上高および利益ともに減少いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、インキ事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ増収減益となりました。
今後のインキ事業を取り巻く中長期的な市場環境につきましては、オフセットインキの構造的な市場縮小の継続、グラビアインキの軟包装分野での堅調な需要、インクジェットインクの産業用途の市場拡大を見込んでおり、収益力向上に向けて製品ポートフォリオの再構築を進めてまいります。
一方、短期的にはオフセットインキ事業において、原油高と円安による原材料価格上昇により悪化した採算性を是正するために、製品販売価格改定を一層進めていくことが喫緊の課題であると認識しております。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
(化成品事業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
20,243 |
21,283 |
1,039 |
5.1% |
|
セグメント利益 |
712 |
419 |
△293 |
△41.2% |
化成品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
自動車用マスターバッチおよび樹脂コンパウンドは、徐々に国内自動車生産の回復が見られたものの、連結会計年度では国内自動車生産の減産影響が大きく、前年度に比べ売上高は大きく減少いたしました。
包装材・容器用マスターバッチは、社会経済活動の正常化に伴い、一定の需要回復が見られたことに加え、一部の産業資材用途製品や環境に配慮した製品が堅調に推移したことにより、前年度に比べ売上高は増加いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、化成品事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ増収となりました。一方、利益はタイ国連結子会社が好調でありましたが、国内の原材料価格上昇に対応した製品価格改定が一定程度進捗したものの、連結会計年度では十分ではなく、減益となりました。
今後の化成品事業を取り巻く各製品の市場環境につきましては、国内自動車生産は足下では回復傾向にありますが、依然として半導体供給の先行きが不透明であるため、自動車用マスターバッチおよび樹脂コンパウンドの販売に影響が生じる可能性があります。包装用・容器用マスターバッチは、緩やかな需要増が続くと見込んでおりますが、中長期的には脱プラスチック化に代表される環境対応の加速化による市場縮小の継続が考えられます。そのため、昨今の環境問題への関心の高まりを機会と捉え、エネルギーコストを抑える液状マスターバッチやバイオプラスチックベースの着色剤等の環境に配慮した製品の開発・拡販、リサイクル材活用等、サーキュラーエコノミーに貢献できる取り組みを推し進めてまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
(加工品事業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
7,871 |
8,014 |
142 |
1.8% |
|
セグメント利益 |
352 |
524 |
171 |
48.6% |
加工品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
ネトロン®は、引き続き、工業材料である水処理用資材の輸出需要が堅調に推移し、農水産物用途が底堅い需要に支えられた包装資材も順調であったことに加え、原材料価格の上昇に対応した製品価格改定に一定程度の進捗が見られたことにより、前年度に比べ売上高および利益ともに増加いたしました。
一軸延伸フィルムは、引き続き、社会経済活動の正常化に伴う包装資材の需要が回復し、工業用途製品の輸出が堅調に推移したことに加え、新規案件が順調に進捗した結果、前年度に比べ売上高は増加いたしました。また、利益は生産性向上のための取り組みと原材料価格の上昇に対応した製品価格改定に一定程度の進捗が見られたことにより、採算性が向上したため、前年度に比べ増加いたしました。
土木資材は、徐々にジオセル等の主力製品の需要が回復したことにより、売上高は前年度より増加いたしましたが、事業拡大に向けた積極的な投資活動などの影響に伴う経費増加等により、利益は前年度に比べ減少いたしました。
農業資材は、汎用製品の需要減少に伴い低調に推移したものの、高機能製品が好調に推移したことにより、売上高は前年度並みになりました。一方、利益は原材料価格の上昇に対応した製品価格改定に一定程度の進捗が見られたことに加え、高機能製品の比率が向上したことにより、前年度に比べ増加いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、加工品事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ増収増益となりました。
今後の加工品事業を取り巻く各製品の市場環境につきましては、ネトロン®の水処理用資材需要は引き続き伸長し、一軸延伸フィルムは社会経済活動の正常化に伴う需要回復の継続を見込んでおります。土木資材は主力製品であるジオセルを中心に需要の回復が継続し、農業資材は高機能製品が堅調を維持すると見込んでおります。
中長期的にはネトロン®の水処理用資材需要の伸長が継続し、土木資材は国が定める「国土強靭化計画」に沿った防災・減災用途の需要増加を見込んでおります。ネトロン®や一軸延伸フィルム等の包装資材は脱プラスチック化に代表される環境対応の加速化による市場縮小が継続するものの、環境に配慮した製品の需要増加を見込んでおります。農業資材は国内耕作面積の減少による需要減少が継続するものの、生産コスト削減に貢献できる高機能製品の需要増加を見込んでおります。
水処理用資材や土木資材などの市場が伸長している分野におきましては、生産能力の増強や新製品開発・拡販等を推し進めるとともに、包装資材や農業資材におきましては、昨今の環境問題への関心の高まりを機会と捉え、バイオプラスチックベースの環境対応製品の開発・拡販を進めてまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
(不動産賃貸事業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
89 |
82 |
△7 |
△7.9% |
|
セグメント利益 |
55 |
48 |
△6 |
△12.3% |
不動産賃貸事業は、賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、不動産賃貸事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ若干下回りました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
②財政状態の状況
(単位:百万円)
|
区 分 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
増減率 |
|
資産 |
47,309 |
47,797 |
487 |
1.0% |
|
負債 |
21,619 |
20,531 |
△1,087 |
△5.0% |
|
純資産 |
25,690 |
27,265 |
1,574 |
6.1% |
当連結会計年度末の総資産は477億9千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億8千7百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金の減少2億4千8百万円、受取手形の減少3億6千1百万円、売掛金の増加3億5千7百万円、電子記録債権の増加8億7千1百万円、棚卸資産の増加7億1千8百万円、固定資産の減損損失等による有形固定資産の減少20億1千1百万円、退職給付に係る資産の増加8千7百万円及び米国連結子会社での持分法適用による出資分配益等による増加10億6千2百万円等によるものです。
負債合計は205億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億8千7百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加6億6千2百万円、短期借入金の減少6千万円、1年内返済長期借入金の減少3億5千6百万円、未払法人税等の減少1億1千万円、賞与引当金の減少5千万円、未払消費税等の減少1千8百万円、長期借入金の減少11億9千2百万円等によるものです。
純資産の部は272億6千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億7千4百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加13億3千万円、その他の包括利益累計額の増加2億2千1百万円等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
|
区 分 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,428 |
△893 |
△2,322 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,040 |
2,461 |
3,502 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
387 |
1,568 |
1,180 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
39 |
△2,014 |
△2,054 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
3,622 |
3,374 |
△248 |
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は33億7千4百万円で、前連結会計年度末に比べ2億4千8百万円の減少(6.9%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、8億9千3百万円の支出となりました(前連結会計年度は14億2千8百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益27億4千9百万円、減価償却費14億9千9百万円、減損損失19億8百万円が計上され、出資分配益の増加45億8千4百万円、売上債権の増加9億1千9百万円、棚卸資産の増加6億9千7百万円、仕入債務の増加6億5千2百万円、法人税等の支払額の増加11億9千9百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、24億6千1百万円の収入となりました(前連結会計年度は10億4千万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出12億2千5百万円、投資有価証券の売却による収入8千9百万円、出資分配金による収入36億6千8百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、20億1千4百万円の支出となりました(前連結会計年度は3千9百万円の収入)。主な要因は、短期借入金の純減額6千万円、長期借入による純減額15億4千9百万円、配当金の支払額3億1千4百万円等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産数量合計(トン) |
前年同期比(%) |
|
インキ事業 |
28,664 (6,147) 〔1,637〕 |
104.4 (99.8) 〔91.0〕 |
|
化成品事業 |
42,230 (129) 〔18,109〕 |
93.6 (91.8) 〔99.9〕 |
|
加工品事業 |
4,835 (-) 〔2,082〕 |
106.3 (-) 〔103.8〕 |
|
不動産賃貸事業 |
- (-) 〔-〕 |
- (-) 〔-〕 |
|
合計 |
75,730 (6,277) 〔21,828〕 |
98.2 (99.6) 〔99.6〕 |
(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 〔 〕内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
インキ事業 |
1,655 |
92.1 |
|
化成品事業 |
216 |
77.4 |
|
加工品事業 |
3,283 |
93.5 |
|
不動産賃貸事業 |
- |
- |
|
合計 |
5,156 |
92.2 |
c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
インキ事業 |
14,026 |
106.3 |
|
化成品事業 |
21,283 |
105.1 |
|
加工品事業 |
8,014 |
101.8 |
|
不動産賃貸事業 |
82 |
92.1 |
|
合計 |
43,406 |
104.8 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の財政状態
当連結会計年度末の総資産は477億9千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億8千7百万円増加いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆資産の部
(単位:百万円)
|
摘要 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
|
流動資産 |
現預金 |
3,624 |
3,375 |
△248 |
米国連結子会社からの配当資金活用による借入金圧縮 |
|
売上債権 |
14,767 |
15,634 |
867 |
販売価格改定による売上債権増、自動車関連先増他 |
|
|
棚卸資産 |
8,776 |
9,494 |
718 |
製品+230、仕掛品+281、原材料+78他 |
|
|
その他 |
348 |
394 |
46 |
未収法人税等増+44他 |
|
|
計 |
27,516 |
28,899 |
1,383 |
売上債権、棚卸資産の増加 |
|
|
固定資産 |
有・無形 固定資産 |
14,640 |
12,584 |
△2,055 |
減価償却費見合いの新規設備投資、固定資産減損△1,908 |
|
投資 その他 |
5,153 |
6,312 |
1,159 |
・保有株式評価増+44、同株式売却による減△38 ・米国連結子会社の出資分配金増+968 ・退職給付に係る資産増+87 |
|
|
計 |
19,793 |
18,897 |
△896 |
|
|
|
資産合計 |
47,309 |
47,797 |
487 |
手許流動性の確保継続 |
|
セグメント資産の状況
(単位:百万円)
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
インキ事業 |
16,956 |
14,858 |
△2,098 |
固定資産の減損損失計上に伴う減少 |
|
化成品事業 |
20,272 |
22,072 |
1,800 |
売上債権、棚卸資産、米国連結子会社の出資 分配金の増加 |
|
加工品事業 |
6,281 |
7,036 |
755 |
売上債権、棚卸資産の増加 |
|
不動産賃貸事業 |
663 |
647 |
△16 |
|
|
報告セグメント合計 |
44,174 |
44,615 |
440 |
|
当連結会計年度末の負債合計は205億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億8千7百万円減少いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆負債の部
(単位:百万円)
|
摘要 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
|
流動負債 |
仕入債務 |
9,051 |
9,713 |
662 |
原材料価格上昇による仕入債務増 |
|
短期借入金 (1年内含) |
5,169 |
4,752 |
△416 |
米国連結子会社からの配当資金活用による借入金圧縮 |
|
|
その他 |
2,102 |
2,032 |
△69 |
未払法人税等減△110他 |
|
|
計 |
16,322 |
16,498 |
176 |
仕入債務の増加も運転資金圧縮 |
|
|
固定負債 |
長期借入金 |
3,824 |
2,631 |
△1,192 |
約定返済減△1,549、米国連結子会社からの配当活用による長期借入未実施 |
|
その他 |
1,472 |
1,401 |
△71 |
繰延税金負債減△58他 |
|
|
計 |
5,296 |
4,033 |
△1,263 |
|
|
|
負債合計 |
21,619 |
20,531 |
△1,087 |
有利子負債圧縮による健全性確保 |
|
純資産の部は272億6千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億7千4百万円増加いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆純資産の部
(単位:百万円)
|
摘要 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
株主資本 |
24,703 |
26,033 |
1,329 |
利益剰余金増+1,330 (米国連結子会社出資分配益+4,584、固定資産減損△1,908、税金費用△1,082) |
|
その他の 包括利益累計額 |
839 |
1,060 |
221 |
保有株式評価増+31、為替換算調整勘定増+412 退職給付に係る調整累計額減△222 |
|
非支配株主持分 |
147 |
171 |
23 |
|
|
純資産合計 |
25,690 |
27,265 |
1,574 |
米国連結子会社の出資分配益等に伴う利益剰余金の大幅な増加に伴い、自己資本比率56.7%(前年度比2.7ポイント増) |
b.当社グループの当連結会計年度の経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高が434億6百万円で前年度比20億4百万円の増収(4.8%増)、営業損失は2千1百万円で前年度比6億9千7百万円の減益(前年度は6億7千5百万円の営業利益)、経常利益は米国連結子会社の出資分配益の計上等により47億8千3百万円で前年度比38億8千5百万円の増益(432.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失の計上等により16億4千5百万円で前年度比9億1千9百万円の増益(126.7%増)となりました。
営業損失については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況」に記載のとおり、原材料価格とエネルギーコストの上昇影響を製品の販売価格改定およびコスト削減活動で吸収しきれなかったことが主要因であると認識しております。
各事業セグメント別につきまして、インキ事業では、今後伸長が期待できるグラビアインキの機能性製品が堅調に推移いたしましたが、オフセットインキの製品価格改定が想定よりも遅れたことにより、原材料価格とエネルギーコストの上昇影響が大きく響き、大幅な減益になっております。
化成品事業では、タイ国連結子会社が好調であったことに加え、製品販売価格改定が一定程度進捗したものの、国内自動車生産の減産影響が大きく響き、減益となっております。
加工品事業では、水処理用資材と農業資材の高機能製品が好調を維持し、土木資材の主力製品であるジオセル等の需要が回復し、社会経済活動の正常化に伴い一軸延伸フィルムの需要が回復したことに加え、製品販売価格改定が一定程度進捗したことで、増益になっております。
原材料価格とエネルギーコストは今後も高止まりが継続することが予測されておりますので、製品販売価格改定を進捗させることが喫緊の課題であると認識しております。
また、中長期の市場環境として、デジタル技術の急速な進展によるライフスタイルの変化、商業・出版印刷市場のデジタル化へのシフト、サステナビリティへの意識の高まりによる脱プラスチックの流れ等、当社グループ製品の需要動向全体に影響を及ぼす市場環境変化が加速していることも当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす要因と認識しております。
c.中期経営計画「TOKYOink 2024」初年度の取り組みについて
中期経営計画「TOKYOink 2024」の基本戦略に対応した22年度の主な取り組みの成果と今後取り組むべき課題については以下のとおりとなります。
|
基本戦略 |
取り組み・成果 |
今後取り組むべき課題 |
|
ESG経営の推進 |
人事戦略策定 |
新人事制度の運用・定着 |
|
新人事制度策定 |
環境課題解決に向けた取り組みの実施 |
|
|
理念体系再構築(行動指針策定) |
社会課題解決に向けた取り組みの実施 |
|
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各種ガイドライン制定 :リスク、コンプライアンス、安全衛生 品質、サステナビリティ、環境、BCP |
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|
大阪工場再エネ電力導入 |
|
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|
グリーン預金実施 |
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|
健康経営優良法人2023認定 |
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子育てサポート企業「くるみん認定」取得 |
|
|
|
フードドライブへの寄付実施 |
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|
|
新製品・環境・社会対応製品等 |
環境・社会対応製品ラインナップ拡充 |
更なる環境・社会対応製品開発 |
|
主な製品群 |
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・高バイオマスオフ輪インキ GAIA® VLC |
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・環境調和型グラビアインキ ライスインキ |
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・液状マスターバッチ リキッドカラー HiFormer® |
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・生分解性プラスチック用マスターバッチ |
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|
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・ジオセル(グランドセル/テラセル)のり面保護工法 |
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|
・EKエナジーキーパー |
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|
|
高効率運営体制の実現 |
ITツール導入による全社的な業務合理化 推進 |
効率向上に繋がる取り組み実施 |
|
(RPA導入拡大、クラウド化推進) |
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自動化生産ライン構築検討(化成品) |
|
|
|
成長投資 |
各工場における生産設備更新および 省エネ対策設備更新 |
主要製品生産増強に向けた設備投資 |
|
資本効率・株主還元 |
財務効率化:有利子負債圧縮による健全 性確保 |
資本効率・株主還元に繋がる取り組み実施 |
|
株主還元策の充実化:普通配当の他、特 別配当による増配 |
|
|
|
最適資本構成:機動的な資金需要に対応 した調達環境の確保 |
|
また、中期経営計画「TOKYOink 2024」では、事業戦略として以下を掲げております。
・ 経営方針に沿った環境・社会対応製品の開発推進
・ 経営方針に沿った運営体制の構築
・ 各事業の外部環境変化、市場動向に合わせた既存製品の競争力強化
・ 周辺事業領域の探索と成長製品の更なる拡充
中期経営計画「TOKYOink 2024」初年度である22年度は原材料価格とエネルギーコストの上昇に対する製品販売価格改定を推し進めてまいりましたが、結果としてインキ事業は大幅な減益、化成品事業は減益ではあったものの底堅く推移し、加工品事業は増益となりました。
今後の各事業セグメントの予測と進むべき方向性につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
基本戦略の今後取り組むべき課題を推し進め、各事業セグメントの収益力を高めることで、経営目標達成に向けて突き進んでまいります。
また、当社は2023年12月に創立100周年を迎えます。節目の年を迎えるにあたり、今後の更なる成長を遂げるための「長期ビジョン」を策定し、公表する予定でおります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループでは、2024年度連結営業利益20億円を経営目標とする3カ年の経営計画「TOKYOink 2024」を策定しております。
中期経営計画「TOKYOink 2024」の経営方針は下記のとおりです。
1.市場が求める価値の追求 とりわけ環境・社会に貢献する製品・サービスの提供
2.低成長時代にも耐えうる高効率な運営体制の実現
中期経営計画「TOKYOink 2024」の基本戦略において、「資本効率の向上と財務の健全性確保」、「事業成長を支える財務基盤の最適化」である財務戦略を掲げ、高効率な運営体制を実現することで、目標とする経営指標を達成し、更なる企業価値の向上を目指します。
〇目標とする経営指標
・効率性目標:ROS4%以上 ROE5%以上
・健全性目標:自己資本比率55%以上、D/Eレシオ0.3倍以下
〇資本効率の向上および財務健全性の確保により、コンパクトな経営の実現
・保有資産の最適化推進
・事業特性に応じた財務レバレッジ活用とコストを上回る生産性の実現
・資本コストを意識した持続的な成長・基盤投資
・最適資本構成を意識した機動的な資金需要への対応
当連結会計年度における財務戦略の主な取り組み、成果は以下のとおりです。
・財務基盤の最適化・効率化 …… 有利子負債圧縮による健全性確保
機動的な資金需要に対応した調達環境の確保
・株主還元策の充実化 …………… 普通配当の他、特別配当による増配
・企業価値向上のためのIR拡充 … 決算情報の記載充実化、決算説明会開催の継続
・各種法令への対応
当連結会計年度は、引き続き現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持しつつ、事業展開に伴う資金調達、また急激な売上減少等事業環境悪化に備えた対応として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。
また、米国連結子会社の出資分配益を原資とした資金の有効活用を行い、有利子負債の圧縮を行いました。
さらに、資金需要に柔軟に対応したバックアップラインの強化を図るため、新たな資金調達方法としてシンジケートローンの取り組みを行い、手許流動性の確保に努めました。
今後も適宜適切な財務リスクへの対応を図り、経営の守りを固めて安定した事業運営を遂行していくとともに、事業戦略に応じた最適な資源配分や株主還元を実施することで、更なる企業価値向上へ向けて機動的な事業運営を引き続き行ってまいります。
b.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は33億7千4百万円で、前連結会計年度末に比べ2億4千8百万円の減少(6.9%減)となりました。
この資金の減少の要因は、米国連結子会社出資先からの出資分配益を原資とした、米国連結子会社からの配当資金の有効活用により、親会社の有利子負債圧縮を行った結果によるものであると考えます。
なお当社グループは、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローにつきまして、今後の事業展開に備えた設備等の投資や金融機関からの借入等負債返済へ充当可能な資金としての純額、若しくは、外部からの資金調達等の借入依存度を定量判断する目的として捉えており、基本的な考え方は、事業活動により獲得したキャッシュの創出額をベースに、投資の意思決定を経営判断していることから、当社の事業運営にとって有用な指標と認識しております。
中期経営計画「TOKYOink 2024」においては、成長性が見込まれる環境・社会貢献製品や特長ある新規開発製品により創出した営業キャッシュ・フローをベースに、新製品開発・新規事業の探索、省力化生産設備の導入、高効率化に向けたIT投資、安全・セキュリティ対策投資等、事業成長へ向けた必要な投資に振り向けることで、更なる企業価値の向上を目指します。
フリー・キャッシュ・フローの概況(5期分)
(単位:百万円)
|
区分 |
2019年 3月期 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
|
営業活動による キャッシュ・フロー |
1,675 |
661 |
1,942 |
1,428 |
△893 |
|
投資活動による キャッシュ・フロー |
△1,623 |
△442 |
△1,668 |
△1,040 |
2,461 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
51 |
218 |
273 |
387 |
1,568 |
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業損失に加え、売上債権の増加、棚卸資産の増加および仕入債務の増加等により、8億9千3百万円の支出となりました。
しかしながら、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出や出資分配金による収入の大幅増加等により、24億6千1百万円の収入になったため、フリー・キャッシュ・フローは、15億6千8百万円の収入となりました(前連結会計年度は3億8千7百万円の収入)。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、分析や検討内容は以下のとおりであります。
連結キャッシュ・フローの主な分析
(単位:百万円)
|
項目 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
|
営業活動CF |
税金等調整前当期純利益 |
944 |
2,749 |
1,805 |
大幅な当期純利益増加 |
|
減価償却費 |
1,491 |
1,499 |
8 |
前年度とほぼ横ばい |
|
|
減損損失 |
- |
1,908 |
1,908 |
インキ事業の固定資産減損 |
|
|
出資分配益 |
△67 |
△4,584 |
△4,516 |
米国連結子会社出資先からの出資分配益 |
|
|
売上債権の増減額 |
△402 |
△919 |
△516 |
販売価格改定による売掛債権の増加 |
|
|
棚卸資産の増減額 |
△939 |
△697 |
242 |
原材料価格上昇による単価上昇 |
|
|
仕入債務の増減額 |
649 |
652 |
2 |
原材料価格上昇も仕入債務前年度並み |
|
|
法人税等の支払額 |
△123 |
△1,199 |
△1,075 |
米国連結子会社の法人税納税額大幅増加 |
|
|
その他 |
△122 |
△303 |
△180 |
|
|
|
小計 |
1,428 |
△893 |
△2,322 |
営業損失に加え、棚卸資産等増加 |
|
|
投資活動CF |
有形固定資産の取得 |
△1,554 |
△1,225 |
329 |
減価償却費見合いの新規設備投資 |
|
投資有価証券の売却 |
144 |
89 |
△55 |
CGCに基づく政策保有株式売却継続 売却額は前年度より減少 |
|
|
出資分配金による収入 |
426 |
3,668 |
3,242 |
米国連結子会社の出資先からの分配金の大幅増加 |
|
|
その他 |
△56 |
△71 |
△14 |
|
|
|
小計 |
△1,040 |
2,461 |
3,502 |
米国連結子会社の出資先からの分配金の大幅増加 |
|
(単位:百万円)
|
項目 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減額 |
主な内容分析 |
|
|
財務活動CF |
短期借入金の純増減額 |
503 |
△60 |
△563 |
米国連結子会社からの配当資金活用による借入圧縮 |
|
長期借入金による収入 |
1,430 |
- |
△1,430 |
前年度は事業投資等の長期資金調達実施 |
|
|
長期借入金の返済 |
△1,581 |
△1,549 |
32 |
約定弁済による返済のみ |
|
|
自己株式の取得による支出 |
△0 |
△1 |
△0 |
|
|
|
その他 |
△311 |
△404 |
△92 |
配当金支払、ファイナンスリース債務返済 |
|
|
小計 |
39 |
△2,014 |
△2,054 |
米国連結子会社出資分配金によるフリー・キャッシュ・フローの大幅なプラスを借入返済へ充当 |
|
c.資本政策の基本的な方針
当社グループは、経営基盤の強化並びに今後の企業価値向上へ向けた内部留保を確保しつつ、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題の一つとして掲げ、安定的かつ継続的な配当実施することを基本方針としており、中期経営計画「TOKYOink 2024」における配当方針は、配当性向30%以上を目標としております。
当連結会計年度の配当性向は25.5%と前連結会計年度と比較し、3.4ポイント下回っております。
今後については、資本・財務状況および市場環境等を踏まえた上で、自己株式の取得等も検討し、資本効率の向上を通じて株主利益の向上を図り、機動的な資本戦略と株主還元を実現してまいります。
次期の連結業績予想に基づく配当性向は30%以上となる見込みであります。
|
決算年月 |
2019年 3月期 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
|
自己資本利益率 (ROE) |
4.3% |
2.8% |
2.5% |
2.9% |
6.3% |
|
総資産経常利益率 (ROA) |
3.1% |
1.8% |
1.4% |
1.9% |
10.1% |
|
売上高営業利益率 (ROS) |
2.8% |
1.4% |
0.7% |
1.6% |
△0.1% |
|
配当性向(連結) |
21.0% |
32.8% |
34.9% |
28.9% |
25.5% |
自己資本利益率 (ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/(純資産-非支配株主持分)
総資産経常利益率 (ROA):経常利益/総資産
売上高営業利益率 (ROS):営業利益/売上高
配当性向(連結):1株当たり配当金/1株当たり当期純利益
なお、2023年3月31日現在の自己資本当期純利益率(ROE)は6.3%であり、米国連結子会社の出資分配益等に伴い、当期純利益および純資産の大幅な増加により、前連結会計年度より大幅に上昇しております。
d.資金調達の基本的な方針
当社グループの主な資金需要として、短期的な資金需要は主として製造費用、販売費および一般管理費等運転資金であり、営業活動により獲得したキャッシュ・フローをベースに金融機関からの短期借入金により資金調達を行っております。また、長期的な資金需要は主に生産性向上や新規拡充を目的とした設備投資や素材を活かす要素技術・加工技術の拡充等研究開発費用、事業戦略としてのコア事業の更なる強化/拡大…基盤強化戦略、コア事業周辺領域の事業拡大…成長戦略に向けた投資および株主還元としての配当支払い等であり、主として内部留保資金の活用や金融機関からの固定金利による長期借入金により資金調達を行っております。
当連結会計年度は、引き続き現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持しつつ、事業展開に伴う資金調達、また急激な売上減少等事業環境悪化に備えた対応として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。
また、当社グループは、財務戦略の一環として親会社、子会社間においての資金効率を高める目的で、グループ内キャッシュ・マネジメント・システムを実施しております。グループ全体の資金状況を可視化し、外部からの調達は親会社主導による一元化、資金需要のある子会社へ最適配分する一方、余剰資金のある子会社から資金調達を行うことで資金効率化、流動性管理の高度化を図っております。
当連結会計年度は、米国連結子会社の出資分配益を原資として、米国連結子会社から親会社に配当を行い、親会社の有利子負債圧縮を行いました。
さらに、資金需要に柔軟に対応したバックアップラインの強化を図るため、新たな資金調達方法としてコミットメントライン(短期借入金)形態によるシンジケートローンの取り組み(極度設定額20億円)を行い、手許流動性の確保に努めました。
なお、当連結会計年度末のコミットメントライン設定額は50億円であり、内訳は相対契約30億、シンジケートローン契約20億円であります。
同年度末の借入実行残高は15億円、借入未実行残高は35億円であります。
中期経営計画「TOKYOink 2024」においては、高効率な経営体制の実現を掲げ、資本効率の向上および財務健全性確保により、コンパクトな経営の実現を目指しております。
引き続き保有資産の最適化推進や最適資本構成を意識した機動的な資金需要への対応を行い、総資産の圧縮による有利子負債の削減を目指してまいります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
|
2019年 3月期 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
|
自己資本比率(%) |
51.4 |
54.9 |
54.7 |
54.0 |
56.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
14.7 |
11.3 |
12.4 |
12.6 |
14.7 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
4.4 |
10.9 |
4.6 |
6.4 |
- |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
51.0 |
19.3 |
54.7 |
43.1 |
- |
|
D/Eレシオ(倍) |
0.31 |
0.30 |
0.35 |
0.36 |
0.28 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
D/Eレシオ:有利子負債/自己資本
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)2023年3月期におけるキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載を省略しております。
2023年3月31日現在の自己資本比率は56.7%と前連結会計年度末と比較し、2.7ポイント上昇しております。米国連結子会社の出資分配益等に伴う利益剰余金の大幅な増加によるものであります。
2023年3月31日現在のD/Eレシオは0.28倍、ネットD/Eレシオは0.15倍であります。米国連結子会社からの配当資金活用による借入額の減少および純資産増加に伴い、前連結会計年度より低下いたしました。
なお、中期経営計画「TOKYOink 2024」においては、目標とする経営指標として、D/Eレシオ0.3倍以下を現時点で達成しておりますが、引き続き同計画に基づいた施策の実施により、有利子負債の水準を適正にコントロールしてまいります。
2023年3月31日現在、短期借入金、長期借入金およびリース債務の内訳は以下のとおりであり、有利子負債の合計は75億5千3百万円となっております。
(契約債務)
2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
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年度別要支払額(百万円) |
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契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
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短期借入金 |
3,560 |
3,560 |
- |
- |
- |
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長期借入金 |
3,824 |
1,192 |
1,565 |
832 |
233 |
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リース債務 |
169 |
70 |
79 |
19 |
- |
(注) 連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、減損会計の検討には、合理的な見積りを勘案した判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、「配合設計技術」、「プロセス制御技術(混合・溶解・分散)」、「成形加工技術」を基盤技術とし、これまで長年にわたり印刷インキおよびプラスチック用着色剤とその関連製品の生産に携わってまいりました。
これらの基盤技術に新規技術の調査・探求、研究成果を融合させて改良を加え、暮らしに役立つより良い製品の創出に努力を重ねております。近年、情報通信伝達技術の目覚ましい発達により、新たなサービスの利用が可能となってきており、更に踏み込んだ製品の評価・解析技術力の向上と知的財産権の保全強化に注力した研究開発活動を継続しております。
生産・技術部門では、原材料から製品に至る過程での化学物質管理を一層強固にするため、設計・生産段階への化学物質に関する最新情報を一元管理するデーターベースによる審査・承認の仕組みの整備も積み重ね、安全・安心を提供する「ものづくり」に力を注いでおります。
次世代事業の製品創出にはSDGs活動が必須となる中で、日本および国際社会の一員として各企業、研究機関等との連携・共同研究による技術開発に努め、環境負荷低減を意識した新製品開発を進めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
セグメント別の研究開発活動概要は次のとおりであります。
(インキ事業)
オフセットインキにつきましては、当社の主力製品であるヒートセットオフ輪プロセスインキ「ガイア」、枚葉プロセスインキ「ニューセルボ」に加え、新聞用高濃度インキ「ニューズメジャー」、高感度UVインキ「ジップキュアUVOL」の製品性能向上に引き続き注力いたしました。具体的にはエネルギーコストが著しく高騰する環境下に対応すべく低温乾燥対応品の開発を進めました。また、油性枚葉印刷がLED-UV印刷にシフトしていることに合わせて高感度紫外線硬化型インキの性能向上等を推し進め、「ジップキュアUVOL」の販売は堅調に推移いたしました。更に業界の流れや環境に配慮した製品として高バイオマスオフ輪インキ「GAIA® VLC」、水なし印刷用製品の開発・改良にも注力してまいりました。印刷市場の変化縮小による販売競争の激化に対応するべく、需要家である印刷会社からのニーズを確実に製品に反映した結果、顧客内シェアを確保できました。
また、世界的なインフレに起因する大幅な原材料高に対しての生産効率化と安価原材料への置換の推進や上記既存製品群の改良を行いましたが、急激な変化に追いつけず収益改善効果はわずかとなりました。
新聞インキにつきましては、新聞発行部数が減少する中で、積極的な開発・改良設計に取り組み、高濃度新聞輪転用プロセスインキ「ニューズメジャークロマ」、高漆黒新聞墨インキ「ニューズメジャークロマブラック」の性能向上を図りました。
その他、オフセット用印刷用補助剤につきましては、印刷機の不要な停止を極力減らす製品づくりや環境負荷低減対応を第一優先に考えた無処理版対応製品の拡充により、使い易さだけでなく安全で環境に貢献する製品の提供に努めてまいりました。今後も、環境に配慮した高収益メーカーとなるべく、地球と人にやさしい設計による製品の提供により、需要家の要望に応えてまいります。
グラビアインキにつきましては、食品包材向けフィルム用インキ、成型品用インキの開発・改良を進め、環境調和製品や機能性、意匠性を有する製品の開発に取り組んでまいりました。環境調和製品につきましては、バイオマス由来材料を使用したインキの品種拡大を進め、バイオマスマーク登録を行ってまいりました。更に非食用米ぬか由来材料を使用したインキの開発にも取り組み、開発したライスインキの拡販を進めました。
機能性製品につきましては、自動蒸気抜け用インキ、遮光性インキ、バリアインキ、マットインキ、ヒートシール剤、モノマテリアル対応インキ、蒸着用コーティング剤等の開発を行ってまいりました。意匠性製品につきましては、電子レンジ用途での金インキや銀インキの採用が広がり、拡販が達成できました。更に輝度を上げた銀インキを開発し、パスター加工代替を狙った新たな製品提案を行い、徐々に販売を増加させております。
今後もさまざまな包装材料分野への展開を進めるとともに、これら機能性、意匠性を有する高付加価値製品を充実させてまいります。
インクジェットインクにつきましては、受託製品の獲得と自社製品の開発に取り組んでまいりました。受託製品では、できるだけ多くの新規獲得を目指しております。
自社製品につきましては、建材塗料代替となる外壁用・内壁用UVインクジェットインク、マーキング用や加飾用等の機能性UVインクも順調に推移しております。今後も機能性UV硬化インクを中心とした開発に取り組み、さまざまな分野、用途において採用を目指してまいります。
当連結会計年度におけるインキ事業の研究開発費は
(化成品事業)
マスターバッチにつきましては、主力のポリオレフィン用カラー・添加剤マスターバッチに加え、汎用エンプラ用、バイオプラスチック用各種マスターバッチ製品の拡充、および環境負荷を低減する製品開発を進めてまいりました。これらの活動において、容器包装リサイクルの推進に寄与するマテリアルリサイクル用相容化剤マスターバッチ「モノヘルパー®」およびPET用リサイクル成形加工助剤「プラヘルパー®α」を上市いたしました。
また、既存のマスターバッチに加え、加工時の熱エネルギーを削減できる液体タイプのマスターバッチ「リキッドカラー HiFormer®」は、供給機に高度な制御技術を適用した専用の供給機システム開発により、成形品の品質安定性を向上させました。環境性能を求める顧客ニーズに沿ったシステムを開発することで新規分野への拡販を継続して行ってまいります。
今後も環境負荷を低減する製品開発への取り組みを継続するとともに、更に外部環境変化に対応し、新規開発テーマの推進を掲げ事業領域の拡大により目標利益獲得を目指します。新型コロナウイルス感染症の影響、脱プラスチックの動きにより縮小分野もありますが、引き続きシェアの拡大と戦略製品の開発を進めてまいります。
樹脂コンパウンドにつきましては、機能性製品の開発として、各種機能性フィラー等の分散検討に引き続き取り組み、分散・配合技術を駆使した生産技術を確立し、新たな製品開発を目指してまいります。
土岐クリーン工場のクリーン環境下における新製品立ち上げも継続して取り組んでおります。引き続き、差別化製品の確立に向けた量産試作を継続して行い、食品、医療、電子、エネルギー、光学フィルム関連材料を中心に、顧客との共同開発テーマを積極的に進めてまいります。
また、新たな生産プロセスとなる、自動化、省人力化に寄与できる生産技術の導入も進めてまいります。
タイ工場につきましては、日本国内への製品輸入も行う生産拠点の多様化への対応、新規銘柄の開発および品質管理支援を行ってまいりました。これらの活動において売り上げも徐々に上昇してきております。引き続き、東南アジア市場でのニーズに応える製品開発を目指し、取り組んでまいります。
今後も生産・販売・技術が一体となり、マーケット情報を共有してニーズに沿った製品開発を進めてまいります。
当連結会計年度における化成品事業の研究開発費は
(加工品事業)
ネトロン®につきましては、水処理用資材の開発に注力してまいりました。この取り組みの中で顧客からの製品開発依頼が増加したため、金型設計から試作品の評価まで一貫して対応可能な体制を構築してまいりました。引き続き、製品開発依頼の増加に対応するため、来期に1系列増設を計画しております。これからも新製品開発と安定供給の両輪でネトロン®のトップメーカーとしての責任を果たしてまいります。
土木資材につきましては、国土強靭化の一環である「防災・減災」への取り組みを踏まえ「安心・安全」、「環境・エコ」をコンセプトに主力製品であるジオセルを基軸として開発に注力してまいりました。また、ジオセルを施工する際、省人化・省力化につながる周辺部材についても開発を手掛けてまいりました。今期はジオセル同士を現場で容易に接続する部材「セルジョイント®」および現場で使用している異形鉄筋杭に代わるプラスチック杭「セルアンカー®」を上市いたしました。両製品ともに顧客より、施工性の向上が図れたと高評価をいただいております。特に「セルアンカー®」につきましては、素材を金属からリサイクル樹脂へ代えたことにより、施工後の錆による腐食の心配がなくなり、安全性の向上を図りながら使用済みプラスチック製品の資源循環を促進しております。さらに、農林水産省が推進する自動走行農機等に対応した農地整備に寄与できる製品および工法の開発にも取り組んでまいりました。工法開発では、ジオセルを使用した新工法「グランドセル砕石舗装工法」の開発を進め、国土交通省新技術情報提供システム「NETIS」に登録いたしました。これらに加えて、ジオセルの製品開発並びに技術の蓄積を図るために、製造設備の開発にも着手いたしました。今後も強靭なインフラ整備、防災、減災に役立つ環境にやさしい製品を開発してまいります。
農業資材につきましては、夏季の遮熱と冬季の保温対策に有効な製品開発を継続してまいりました。そのような中、植物の成長に必要な光の波長は透過し、温度に関係する赤外線波長領域は遮断するという、明るさ、遮熱機能および保温機能の複数機能を併せ持った農業用内張カーテン「EKエナジーキーパー」の開発を行いました。本製品により、冬季の燃料費削減、ならびに天候に左右されない安定的な植物栽培を目指しております。また、自社内に農業用ハウスを設置し、開発品や市販品の性能評価を検証しております。これらの活動を通じて、環境負荷を低減し、食料の安定確保に貢献できる製品開発を継続してまいります。
当連結会計年度における加工品事業の研究開発費は
(その他)
当社の研究開発は、新製品開発、新規事業探索を目的に活動を行ってまいりました。当社のコア技術である分散技術の高度化および環境対応製品をキーワードに、今後成長が期待されるエネルギー分野やセンサー分野に対して、機能性材料の設計へとその活動範囲を徐々に広げてまいりました。
このような中、近年の自動車のEV化や自動運転に伴う電子機器類の熱対策、モーター等の産業用電気機器における放熱性の要求の高まりに対して、放熱材ギャップフィラーの製品開発に注力し、事業化に向け組織的な活動を開始いたしました。また、エネルギー分野においては、燃料電池用導電性インキの開発を行っており、商品化に向けた活動を継続しております。センサー分野につきましては、ナノ粒子の分散技術を活かし、医療用X線診断装置や一般X線分析装置等に搭載している検出器内の部材についてサンプル販売の環境を整え、製品化に向けた活動に取り組んでおります。今後も従来のコア技術と研究開発で確立した応用技術を融合し、機能性を軸とした新製品の開発を進めてまいります。
一方、既存製品の生産プロセスにつきましても「省力化」、「自動化」、「安全性」を考慮したモデルラインを構築中であり、新規生産プロセスおよび新規混練機の開発を行い、合理化された将来の生産ラインを検討しております。今後も液系混合プロセスラインを含め、新規プロセス検討にも注力してまいります。また、当社グループ事業に関わる合理化の検討および生産コスト削減に寄与できるよう努めてまいります。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は105百万円であります。