(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用環境の改善などにより緩やかな回復基調をたどりましたが、2016年の年初から中国経済の減速、原油価格の低迷、米国金利政策の変化等世界経済に対する懸念が顕在化し、急激に株安・円高が進行し先行き不透明感も増しております。
このような状況の中で、国内売上高は、4,337百万円となり、前年同期(4,200百万円)に比べ136百万円(3.3%)の増収となりました。これは、機能性用中間物は大幅に減少しましたが、農薬用中間物が堅調に推移し、新製品の寄与により医薬用中間物が大幅に増加したためです。
一方、輸出売上高は、1,362百万円となり、前年同期(2,178百万円)に比べ815百万円(37.4%)の大幅な減収となりました。これは、医薬用中間物は大幅に増加しましたが、農薬用中間物で米国向けがユーザーでの在庫調整により大幅に減少したためです。
この結果、総売上高は、5,700百万円となり、前年同期(6,379百万円)に比べ678百万円(10.6%)の減収となりました。輸出比率は23.9%(前年同期34.1%)となりました。
利益につきましては、採算の改善していたドル建て輸出売上の減少、円安に伴う輸入原料価格の高騰の影響、競争激化、米国向け農薬用中間物の在庫調整での工場稼働率の低下等により、営業損失は119百万円(前年同期 営業利益10百万円)となりました。営業外損益では、為替差益14百万円等を計上しましたが、経常損失は109百万円(前年同期 経常利益37百万円)、当期純損失は124百万円(前年同期 当期純利益11百万円)と大幅な減益となりました。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれていません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務が169百万円減少しましたが、減価償却費が481百万円となり、売上債権が191百万円減少したことなどにより、237百万円の収入(前年同期416百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出308百万円などにより、310百万円の支出(前年同期406百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金が384百万円減少したこと及び配当金を41百万円支払ったことなどにより、426百万円の支出(前年同期63百万円の支出)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は306百万円となり、前事業年度末に比べて489百万円減少しました。
当社の事業は、有機化学合成に基づく中間物の製造、販売、研究及びサービス等を行う単一セグメントであるため、セグメント情報を記載しておりませんので、「生産、受注及び販売の状況」については製品の種類別ごとに記載しております。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。
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区分 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
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医薬用中間物 |
1,629,825 |
+32.2 |
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農薬用中間物 |
2,808,629 |
△31.0 |
|
機能性用中間物 |
631,863 |
△10.7 |
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その他用中間物 |
95,288 |
△8.3 |
|
界面活性剤 |
370,704 |
+1.2 |
|
合計 |
5,536,311 |
△14.6 |
(注) 金額は、販売価格(消費税等抜き)によっております。
(2)外注製品仕入実績
当事業年度の外注製品仕入実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。
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区分 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
医薬用中間物 |
10,159 |
△81.3 |
|
農薬用中間物 |
- |
△100.0 |
|
機能性用中間物 |
96,831 |
△5.0 |
|
その他用中間物 |
23,031 |
△22.7 |
|
合計 |
130,021 |
△30.1 |
(注) 金額には、消費税等は含まれていません。
(3)受注状況
当社は受注見込による生産方式をとっております。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。
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区分 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
医薬用中間物 |
1,856,284 |
+43.9 |
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農薬用中間物 |
2,565,769 |
△30.2 |
|
機能性用中間物 |
748,674 |
△11.5 |
|
その他用中間物 |
148,884 |
+4.3 |
|
界面活性剤 |
347,141 |
△11.0 |
|
その他 |
33,967 |
△1.6 |
|
合計 |
5,700,722 |
△10.6 |
(注)1.金額には、消費税等は含まれていません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
第64期 |
第65期 |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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SYNGENTA ASIA PACIFIC PTE.LTD. |
823,893 |
12.9 |
804,800 |
14.1 |
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BOEHRINGER INGELHEIM ESPANA,S.A. |
706,513 |
11.1 |
792,155 |
13.9 |
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OATアグリオ㈱ |
- |
- |
654,280 |
11.5 |
|
三井物産㈱ |
1,380,996 |
21.6 |
- |
- |
(注)第64期におけるOATアグリオ㈱への販売額は447,103千円及び総販売実績に対する割合は7.0%であり、また、第65期における三井物産㈱への販売額は78,567千円及び総販売実績に対する割合は1.4%であります。
当社は、収益性の高い企業体質に転換し安定的な経営を目指すために、長年にわたり培った有機合成の技術力を生かし、医薬、農薬、機能性の3分野を重点分野として更なる拡充に努めてまいります。このため、徹底的なコストダウンによって農薬・医薬分野の競争力を強化し、電子材料やヘルスケア関連等の機能性分野の製品拡充に取り組んでおります。
また、大型製品への依存度を下げ、市場動向や顧客ニーズに機敏に対応した研究開発・生産技術を強化することによって工場稼働率の向上を図るとともに、急変するグローバル経済の中で製品供給の安定確保のため原料ソースの多元化を含めた購買機能の強化も当面の課題であります。
一方、年々内外ユーザーや社会から強化を求められている環境・健康・安全等に配慮した工場の設備対策、管理能力の向上に努め、循環型社会の形成に貢献できるように積極的に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)売上について
当社の売上高は各種有機化学品の中間物等の販売が主なものであります。したがって、売上高は当社のユーザーである医薬メーカー、農薬メーカー等の最終製品の販売状況及び新製品の開発状況により少なからず左右される面があり、経営成績及び財政状態に影響があります。
当社は、これらの業績への影響を極力低減するため、関連業界の情報収集と早期の受注確定を目指した営業活動を行っています。また、機能性用中間物の新製品開発を積極的に進めるとともに、独自製品の開発にも力を入れております。
なお、農薬用中間物の販売については、天候による病害虫等の発生状況による影響もありますが、各種の農薬用中間物を製造販売することで業績への影響を極力低減するようにしております。
(2)為替の影響
当社は輸出比率が高く為替相場の変動による影響を受けます。そのため当社は、為替相場の変動によるリスクをヘッジするため為替予約等の対策を講じています。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、当社の経営成績及び財政状態に少なからず影響を与える可能性があります。
(3)たな卸資産について
当社は受注見込による生産を行っていますので、当社のユーザーでの販売状況及び在庫調整等により、たな卸資産が増加する可能性があります。このため、この影響を極力回避するため受注の早期確定を目指した営業活動を行うとともに、マルチパーパスプラントにより柔軟な生産切替え体制を取って、たな卸資産が増加しないよう努めています。しかしながら、ユーザーでの急な在庫調整により、たな卸資産が増加する可能性があります。
(4)金利変動リスクについて
当社は、資金の効率的運用及び資産売却等により有利子負債の削減に取り組んできました。この結果、平成28年3月末の有利子負債残高は3,083百万円となっています。有利子負債の金利変動リスクを可能な限り回避するため、金利スワップ契約を締結するとともに、総額20億円のコミットメントライン契約締結等の資金の効率的な調達、たな卸資産の圧縮、固定金利での長期安定資金の確保等に努めておりますが、急激な金利変動が生じた際には、業績が変動する可能性があります。
(5)安全環境問題について
当社は有機化学品を製造する会社であり、工場運営においては安全第一、環境対策を最優先課題として取り組んでおりますが、工場火災、土壌汚染、悪臭及び排出ガス等の事故、公害問題により業績に影響を与える可能性があります。
(6)自然災害について
当社の工場は和歌山県和歌山市及び福井県福井市に分散しており、いずれの製造プラントもマルチパーパスでありますが、大規模な地震及び台風等の自然災害により甚大な被害が発生した場合には、業績に影響を与える可能性があります。
また、当社が大規模な地震及び台風等の自然災害に直接被災しなくても、当社の取引先である原材料メーカーにおいて被災や事故が発生した場合に備え、可能な限り複数購買等を実施するなど対策を講じておりますが、被害が甚大で影響が長期に及ぶ場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(7)株価変動による影響
当社は、取引先を中心に市場性のある株式を保有しており、これらは株価の変動によるリスクを負っております。当該リスクに対し、所有株式を継続的に見直し整理する等、業績への影響を低減するよう努めておりますが、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)財務維持要件について
当社の借入金の一部には財務維持要件が付されており、これが充足されない場合、銀行団による貸付義務の終了等、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当事業年度において、新たに決定または締結した経営上の重要な契約等はありません。
当社は、長年培ってきた有機合成化学及びプロセス化学の技術と経験を生かし、医薬用原体の導入促進、農薬関連の品種拡充並びに次世代を担う機能性製品の積極的な展開を図っています。
独自製品としては、産学連携で共同研究している高屈折率ジナフトチオフェン誘導体、耐熱性透明樹脂として期待されるデカリン誘導体の開発に取り組んでいます。また、包摂化合物カリックスアレーン誘導体、化粧品原料ビタミンC誘導体及びヘアダイ用製品については、拡販に向けた商業生産のステージまで進んでおり、今後、販売・開発力の強化を図り、売上に寄与できるようにしてまいります。
なお、当事業年度の研究開発費は274百万円で、研究開発人員は当事業年度末現在29名であります。
(1)財政状態の分析
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ719百万円(6.7%)減少の9,946百万円となりました。これは主に、商品及び製品が171百万円増加しましたが、現金及び預金が489百万円、売掛金が201百万円減少したことによるものです。
負債につきましては、前事業年度末に比べ543百万円(10.1%)減少の4,849百万円となりました。これは主に、設備関係支払手形が54百万円増加しましたが、借入金が384百万円減少したことによるものです。
また、純資産は前事業年度末に比べ175百万円(3.3%)減少の5,097百万円となり、自己資本比率は51.2%(前事業年度末49.4%)となりました。
(2)経営成績の分析
当事業年度の売上高は、医薬用中間物が増加したものの、農薬用中間物が大幅に減少したため、前事業年度に比べ678百万円減少の5,700百万円となりました。国内売上高は、機能性用中間物のパルプ用漂白剤用は減少しましたが、医薬用中間物において新製品の抗ウイルス剤用及び喘息薬用が増加したため、前事業年度末に比べ136百万円増加の4,337百万円となりました。輸出売上高は、医薬用中間物の血圧降下剤用は増加しましたが、米国向け農薬用中間物の除草剤用が大幅に減少したため、815百万円減少の1,362百万円となり、輸出比率は23.9%となりました。
売上総利益は、売上原価率が1.3%悪化したことにより、前事業年度に比べ174百万円減少の721百万円となりました。販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ43百万円減少の841百万円となりました。
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は、前事業年度に比べ130百万円減少し119百万円の損失となりました。
経常利益は、為替差益が30百万円減少したこと等もあり、前事業年度に比べ146百万円減少し109百万円の損失となりました。
特別損失は、固定資産除却損を計上したことにより9百万円の損失となりました。
この結果、税引前当期純損失は118百万円となり、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を差し引いた当期純損失は124百万円(前年同期 当期純利益11百万円)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(4)経営戦略の現状と見通し
次期の当社を取り巻く経営環境は、日銀によるマイナス金利政策の実施、中国をはじめとする新興国景気の減速や金融不安など依然として不透明な状況が継続することが見込まれます。
また、当社の主力となる農薬用中間物は、海外大手ユーザーでの在庫調整が長引いており、厳しい状況が続いています。しかし、期の後半には回復してくる見込みですが、競争はより激化してくることが予想されます。
このような経営環境の中で、既存製品のコストダウンを一層図るとともに、大型品の比率を下げるために、新製品・新技術を効率的に導入し、工場稼働率の向上に努めることにより、安定的に利益計上できる企業体質にしてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。