(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用環境の改善などにより緩やかな回復基調が続いているものの、中国をはじめとする新興国景気の減速、英国のEU離脱問題及び米国新政権の政策動向等により、先行きは依然として不透明な状況となっております。
このような状況の中で、国内売上高は、3,923百万円となり、前年同期(4,337百万円)に比べ414百万円(9.6%)の減収となりました。これは、機能性用中間物は増加しましたが、医薬用中間物及び農薬用中間物が減少したためです。
一方、輸出売上高は、1,098百万円となり、前年同期(1,362百万円)に比べ264百万円(19.4%)の減収となりました。これは、農薬用中間物は大幅に増加しましたが、医薬用中間物及び機能性用中間物が大幅に減少したためです。
この結果、総売上高は、5,021百万円となり、前年同期(5,700百万円)に比べ679百万円(11.9%)の減収となりました。輸出比率は21.9%(前年同期23.9%)となりました。
利益につきましては、固定費の削減に努めましたが売上の減少、競争の激化、工場稼働率の低下等により、営業損失は78百万円(前年同期 119百万円)となりました。営業外損益では、受取配当金24百万円等もあり、経常損失は71百万円(前年同期 109百万円)、特別利益で、有価証券売却益206百万円を、特別損失で事業構造改善費用114百万円等を計上し、当期純損失は10百万円(前年同期 124百万円)となりました。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれていません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務は147百万円減少しましたが、たな卸資産が728百万円減少したこと及び減価償却費が428百万円となったことなどにより、1,018百万円の収入(前年同期 237百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入が288百万円ありましたが、有形固定資産の取得による支出425百万円及び投資有価証券の取得による支出138百万円などにより、272百万円の支出(前年同期 310百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金が643百万円減少したことなどにより、648百万円の支出(前年同期 426百万円の支出)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は406百万円となり、前事業年度末に比べて99百万円増加しました。
当社の事業は、有機化学合成に基づく中間物の製造、販売、研究及びサービス等を行う単一セグメントであるため、セグメント情報を記載しておりませんので、「生産、受注及び販売の状況」については製品の種類別ごとに記載しております。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
医薬用中間物 |
996,919 |
△38.8 |
|
農薬用中間物 |
1,826,919 |
△35.0 |
|
機能性用中間物 |
920,187 |
+45.6 |
|
その他用中間物 |
88,615 |
△7.0 |
|
界面活性剤 |
329,522 |
△11.1 |
|
合計 |
4,162,164 |
△24.8 |
(注) 金額は、販売価格(消費税等抜き)によっております。
(2)外注製品仕入実績
当事業年度の外注製品仕入実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
医薬用中間物 |
10,109 |
△0.5 |
|
機能性用中間物 |
21,824 |
△77.5 |
|
その他用中間物 |
15,700 |
△31.8 |
|
合計 |
47,633 |
△63.4 |
(注) 金額には、消費税等は含まれていません。
(3)受注状況
当社は受注見込による生産方式をとっております。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
医薬用中間物 |
1,108,630 |
△40.3 |
|
農薬用中間物 |
2,580,951 |
+0.6 |
|
機能性用中間物 |
829,696 |
+10.8 |
|
その他用中間物 |
122,649 |
△17.6 |
|
界面活性剤 |
349,637 |
+0.7 |
|
その他 |
30,105 |
△11.4 |
|
合計 |
5,021,671 |
△11.9 |
(注)1.金額には、消費税等は含まれていません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
第65期 |
第66期 |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
三井物産㈱ |
- |
- |
599,160 |
11.9 |
|
SYNGENTA ASIA PACIFIC PTE.LTD. |
804,800 |
14.1 |
- |
- |
|
BOEHRINGER INGELHEIM ESPANA,S.A. |
792,155 |
13.9 |
- |
- |
|
OATアグリオ㈱ |
654,280 |
11.5 |
- |
- |
(注)第65期における三井物産㈱への販売額は78,567千円及び総販売実績に対する割合は1.4%であり、また、第66期におけるSYNGENTA ASIA PACIFIC PTE.LTD.への販売額は412,560千円及び総販売実績に対する割合は8.2%、BOEHRINGER INGELHEIM ESPANA,S.A.への販売額は327,981千円及び総販売実績に対する割合は6.5%、OATアグリオ㈱への販売額は430,888千円及び総販売実績に対する割合は8.6%であります。
(1)経営の基本方針
当社は、有機合成技術そのものを事業経営の基盤とし「新しい技術開発のパワーこそ、企業発展の道である」ことをテーマに掲げ、事業を展開しています。
創造的で新しい技術の開発にあたっては、常に未来を見据えて、人として品性豊かな仕事をし、当社の存在価値を高め、その結果として利益を上げ、社会(取引先を含む)・株主に貢献するとともに、社員の幸せを追求することを経営の基本としています。
(2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社は、収益構造の改善を進め、安定した経営基盤を構築し、早期復配を果たすため、平成29年度を初年度とする新中期経営計画(平成30年3月期~平成32年3月期)を策定しました。
新中期経営計画では、最終年度である平成32年3月期の目標として、
① 売上高60億円以上
② 営業利益3億円以上(売上高営業利益率5.0%以上)
を掲げました。
新中期経営計画においては、『顧客からより信頼される企業基盤の確立』をスローガンとし、利益を安定的に稼げる企業体質に転換することにより、経営を安定軌道に乗せ、早期に復配できるように努めてまいります。
また、一方で財務基盤を強固にするため、たな卸資産や有利子負債の圧縮に努めてまいります。
(3)対処すべき課題
当社は、顧客からより信頼される企業基盤を確立するために、安定的に利益を稼げる企業体質へ転換してまいります。長年にわたり培ってきた有機合成の技術とノウハウを最大限に活用し、徹底的なコストダウンによる原価の改善、採算是正を図るとともに、農薬分野の競争力強化・拡充に努め、新製品開発に努めてまいります。
また、原材料の安定確保を目的とした原材料ソースの多元化を図り、工場の安定稼動に努めてまいります。
一方、国内外のユーザーや社会から強化を求められている環境・健康・安全(EHS)への取り組みも継続し、循環型社会への貢献と安全な工場運営に積極的に取り組んでまいります。
(4)今後の見通し
次期の当社を取り巻く経営環境は、米国の新政権の政策動向や地政学的リスクなど依然として不透明な状況が継続することが見込まれます。
このような経営環境の中で、生産性の改善、原価率の改善及び採算是正等を図ることによって、安定的に利益計上できる企業体質に転換し、業績向上を目指してまいります。
このような状況の中で、次期の業績予想は次のとおりです。
総売上高は5,350百万円と当事業年度に比べ328百万円の増収となる見込みです。国内売上高は医薬用中間物、農薬用中間物及び機能性用中間物とも増収となる見込みです。輸出売上高は機能性用中間物は横ばいの見込みですが、医薬用中間物及び農薬用中間物が減収となる見込みです。
利益面では、営業利益は60百万円(前期比138百万円増)、経常利益は55百万円(前期比126百万円増)、当期純利益は30百万円(前期比40百万円増)を見込んでおります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)売上について
当社の売上高は各種有機化学品の中間物等の販売が主なものであります。したがって、売上高は当社のユーザーである医薬メーカー、農薬メーカー等の最終製品の販売状況及び新製品の開発状況により少なからず左右される面があり、経営成績及び財政状態に影響があります。
当社は、これらの業績への影響を極力低減するため、関連業界の情報収集と早期の受注確定を目指した営業活動を行っています。また、機能性用中間物の新製品開発を積極的に進めるとともに、独自製品の開発にも力を入れております。
なお、農薬用中間物の販売については、天候による病害虫等の発生状況による影響もありますが、各種の農薬用中間物を製造販売することで業績への影響を極力低減するようにしております。
(2)為替の影響
当社は輸出比率が高く為替相場の変動による影響を受けます。そのため当社は、為替相場の変動によるリスクをヘッジするため為替予約等の対策を講じています。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、当社の経営成績及び財政状態に少なからず影響を与える可能性があります。
(3)たな卸資産について
当社は受注見込による生産を行っていますので、当社のユーザーでの販売状況及び在庫調整等により、たな卸資産が増加する可能性があります。このため、この影響を極力回避するため受注の早期確定を目指した営業活動を行うとともに、マルチパーパスプラントにより柔軟な生産切替え体制を取って、たな卸資産が増加しないよう努めています。しかしながら、ユーザーでの急な在庫調整により、たな卸資産が増加する可能性があります。
(4)金利変動リスクについて
当社は、資金の効率的運用及び資産売却等により有利子負債の削減に取り組んできました。この結果、平成29年3月末の有利子負債残高は2,659百万円となっています。有利子負債の金利変動リスクを可能な限り回避するため、金利スワップ契約を締結するとともに、総額20億円のコミットメントライン契約締結等の資金の効率的な調達、たな卸資産の圧縮、固定金利での長期安定資金の確保等に努めておりますが、急激な金利変動が生じた際には、業績が変動する可能性があります。
(5)安全環境問題について
当社は有機化学品を製造する会社であり、工場運営においては安全第一、環境対策を最優先課題として取り組んでおりますが、工場火災、土壌汚染、悪臭及び排出ガス等の事故、公害問題により業績に影響を与える可能性があります。
(6)自然災害について
当社の工場は和歌山県和歌山市及び福井県福井市に分散しており、いずれの製造プラントもマルチパーパスでありますが、大規模な地震及び台風等の自然災害により甚大な被害が発生した場合には、業績に影響を与える可能性があります。
また、当社が大規模な地震及び台風等の自然災害に直接被災しなくても、当社の取引先である原材料メーカーにおいて被災や事故が発生した場合に備え、可能な限り複数購買等を実施するなど対策を講じておりますが、被害が甚大で影響が長期に及ぶ場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(7)株価変動による影響
当社は、取引先を中心に市場性のある株式を保有しており、これらは株価の変動によるリスクを負っております。当該リスクに対し、所有株式を継続的に見直し整理する等、業績への影響を低減するよう努めておりますが、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)財務維持要件について
当社の借入金の一部には財務維持要件が付されており、これが充足されない場合、銀行団による貸付義務の終了等、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当事業年度において、新たに決定または締結した経営上の重要な契約等はありません。
当社は、長年培ってきた有機合成化学及びプロセス化学の技術と経験を生かし、医薬用中間物や農薬関連の品種拡充並びに次世代を担う機能性製品の積極的な展開を図っています。
独自製品としては、高屈折率材料であるジナフトチオフェン誘導体、耐熱性透明樹脂として期待されるデカリン誘導体の開発に取り組んでいます。また、包摂化合物カリックスアレーン誘導体、化粧品原料ビタミンC誘導体及びヘアダイ用製品については、拡販に向けた商業生産のステージまで進んでおり、今後、販売・開発力の強化を図り、売上に寄与できるようにしてまいります。
なお、当事業年度の研究開発費は232百万円で、研究開発人員は当事業年度末現在22名であります。
(1)財政状態の分析
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ410百万円(4.1%)減少の9,536百万円となりました。これは主に、投資有価証券が120百万円、現金及び預金が99百万円増加しましたが、商品及び製品が790百万円減少したことによるものです。
負債につきましては、前事業年度末に比べ463百万円(9.6%)減少の4,385百万円となりました。これは主に、長期リース債務が186百万円増加しましたが、借入金が643百万円減少したことによるものです。
また、純資産は前事業年度末に比べ53百万円(1.0%)増加の5,150百万円となり、自己資本比率は54.0%(前事業年度末51.2%)となりました。
(2)経営成績の分析
当事業年度の売上高は、機能性用中間物は増加したものの、医薬用中間物が大幅に減少したため、前事業年度に比べ679百万円減少の5,021百万円となりました。国内売上高は、機能性用中間物の合成用触媒用は増加しましたが、農薬用中間物において水稲用殺菌剤用が減少したため、前事業年度に比べ414百万円減少の3,923百万円となりました。輸出売上高は、米国向け農薬用中間物の除草剤用は増加しましたが、医薬用中間物の血圧降下剤用が減少したため、264百万円減少の1,098百万円となり、輸出比率は21.9%となりました。
売上総利益は、売上原価率は1.7%改善したものの売上高の減少を補いきれず、前事業年度に比べ0百万円減少の720百万円となりました。販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ41百万円減少の799百万円となりました。
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は、前事業年度に比べ40百万円増加したものの78百万円の損失となりました。
経常利益は、受取配当金を24百万円及び雑収入を24百万円計上したこと等もあり、前事業年度に比べ37百万円増加し71百万円の損失となりました。
特別損益は、収益構造の改善及び安定した経営基盤の構築に向けた取組みに関連して発生した費用を事業構造改善費用として114百万円計上しましたが、投資有価証券売却益が206百万円あったこと等により82百万円の利益計上となりました。
この結果、税引前当期純利益は11百万円となり、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を差し引いた当期純損失は10百万円(前年同期 124百万円)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。