第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営の基本方針

 当社は、有機合成技術そのものを事業経営の基盤とし「新しい技術開発のパワーこそ、企業発展の道である」ことをテーマに掲げ、事業を展開しています。

 創造的で新しい技術の開発にあたっては、常に未来を見据えて、人として品性豊かな仕事をし、当社の存在価値を高め、その結果として利益を上げ、社会(取引先を含む)・株主に貢献するとともに、社員の幸せを追求することを経営の基本としています。

 

(2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略

 当社は、農薬用中間物を中心とした顧客の在庫調整の方針の下、2024年度(2025年3月期)は中期経営計画を策定致しませんでした。

 本来であるならば、2025年度を初年度とする新中期経営計画を策定し、最終年度である2027年度(2028年3月期)の目標値を掲げる予定でありました。

 しかし、ここに来て米国の関税政策等の影響により、世界の経済状況が一層不透明となる中、今一度、需要動向を見極めた上で、出来る限り早い段階で、新中期経営計画を公表したいと考えております。

 

 

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は、顧客からより信頼される企業基盤を確立するために、棚卸資産の圧縮、有利子負債等の削減に努め、安定的に利益を稼げる企業体質への転換を進めてまいりました。

 今後も、長年にわたり培ってきた有機合成の技術とノウハウを最大限に活用し、徹底的なコストダウンによる原価の改善、採算是正を図るとともに、生産性の向上により各分野の競争力強化・拡充に努め、医薬用中間物、農薬用中間物及び高機能性樹脂用中間物などの新製品開発を進め、生産設備の増強を図ることで、売上高増を図ってまいります。これによりさらに安定的に利益を稼げる企業体質にし、業績向上に努めてまいります。

 ここ数年続いている原材料の安定確保問題については、供給ソースの多元化を迅速かつ確実に進めてまいります。また、労働条件や作業環境の改善を図ることを積極的に行っていき、工場の安定稼働、生産高増に努めてまいります。

 一方、国内外のユーザーや社会から求められている環境・健康・安全(EHS)への取り組みや多発している自然災害への防災対策を一層強化し、循環型社会への貢献と安全な工場運営に積極的に取り組んでまいります。

 

(4)今後の見通し

 当社を取り巻く経営環境は、インバウンド需要の高まりや雇用・所得環境の改善による消費活動の活性化が見られる一方で、物価高や米国の関税政策による世界経済への影響懸念等の悪材料が混在し、先行きの不透明感は拭えない状況と言えます。

 このような経営環境の中で、当社は、上市を控える新製品の工場試運転を成功させ、次世代を担う新製品の更なる発掘・立上げを推進するとともに、確実な原料調達による工場の安定稼働、生産性改善、コストダウンを図り、業績向上を目指してまいります。

 このような状況の中で、次期の業績予想については以下の通りです。

 売上高は6,650百万円と当事業年度に比べ27百万円(0.4%)と微増収の見込みです。国内売上高は、医薬用中間物は大きく減少する見込みですが、主力の農薬用中間物及び機能性用中間物が増加する見込みです。輸出売上高は、医薬用中間物が減少する見込みです。

 利益面では、営業利益は350百万円(前期比 191百万円減)、経常利益は430百万円(前期比 214百万円減)、当期純利益は300百万円(前期比 63百万円減)を見込んでおります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)ガバナンス

 企業活動における安全を重視し、労働災害の未然防止、働く人の安全と健康確保、環境保全のため、EHS(環境・健康・安全)に関する総合的なマネジメントシステムを構築し、顧客満足度を向上させます。

〈コミットメント〉

1.EHS方針を達成するために、EHSマネジメントシステムの継続的な改善を図ります。

2.関係法令を遵守し、労働災害・事故、公害防止に努めます。

3.EHSリスクアセスメントの実施および見直しによる継続した改善を図ります。

4.廃棄物の資源化・リサイクル、省エネルギーを積極的に推進し環境負荷の低減を図ります。

 

(2)戦略

 環境への取り組み

 当社は、環境に関する法令を遵守するとともに、地球温暖化対策を含んだ循環型社会の実現に向けて活動しています。

 多くの燃料を消費する化学業界にとって、脱炭素に向けた取り組みは喫緊の課題と言えます。そうした背景から、2017年、福井事業所にLNGサテライトを設置し、燃料を重油からLNGに転換しました。燃料の転換によりCOの排出削減に貢献しています。

 また、廃液・排水を適切に処理するため、廃液燃焼設備および排水処理設備を導入しています。排水については、BOD、TOC、色度等のモニタリングを実施することで、常にクリーンな処理水を排出しています。

 使用済溶剤を精製して再利用することにより、廃棄物の削減とコストの低減を両立させています。また、廃油や廃溶剤は、廃液燃焼用の助燃剤として利用することで、廃棄物削減とエネルギー使用量の低減にも取り組んでいます。

 

 

社会への取り組み

 当社では、人材育成を重要課題の一つと捉え、社内外の講師による研修だけでなく、日々の業務を通じた人材育成を積極的に行うことで、次世代の育成に力を注いでいます。2022年には、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良であるとして、厚生労働省より「ユースエール」の認定を受けました。

 性別、年齢、国籍、障がいの有無といった多様性を、従業員一人ひとりが互いに尊重し合い、チームワークを発揮し合える環境づくりを目指しています。

 2022年4月には、一般事業主行動計画にて「女性が活躍できる雇用環境の整備を行うとともに、社員が仕事と子育てを両立し社員全員が働きやすい環境を作ることによって、全ての社員が能力を十分発揮できるようにする。」という計画を策定しました。

 また、2024年3月には健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)に認定されました。社員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に取り組むことにより、生産性の向上や社員のエンゲージメントを高めることが期待されます。2024年度におきましては、全社員を対象に睡眠改善に関するWEBセミナーを実施し、今後もさまざまな取り組みを通じ健康経営の推進に努めて参ります。

 

事業継続活動への取り組み

 緊急事態が発生した際に迅速に対応するための緊急対応チームを編成し、毎年、危険物の漏えい等の重大事案を想定し、緊急時の対応について訓練を行っています。

 また、自衛消防隊を編成し、所轄消防署と共同で大規模な合同総合訓練を実施することで有事に備えた実践的な訓練を行っています。自衛消防隊は毎年福井市の消防操法大会にも出場しています。

 

(3)リスク管理

 当社がリスクと認識しているのは、「3.事業等のリスク」に記載した通りですが、特に、化学会社として事業を継続させていく上で、工場の安全かつ安定稼働が最も重要と考えております。

 工場の安全稼働に対するリスク管理としては、和歌山事業所、福井事業所及び環境安全推進部が連携して、事故撲滅のための徹底したリスクアセスメントに取り組んでおります。また、工場オペレーターに対して化学品の物性に関する知識や安全意識を高めるための教育を実施しております。

 工場の安定稼働に対するリスク管理としては、原料調達ソースの複数化を推進しております。原料が入手できないことにより工場稼働に空白をあけてしまうことは、当社の損益面に大きな影響を与えます。そこで、重要製品の原料については複数ソース持つことにより、不測の事態があっても安定した工場稼働を可能にするため対応しております。

 また、気候変動による自然災害などに被災した場合のリスク管理として、和歌山事業所及び福井事業所それぞれの生産品目を別の工場で生産することが出来るようにするシミュレーションにも取り組んでおります。

 最後に、サイバー攻撃の脅威に対するリスク管理としては、当社の基幹システムは外部のデータセンターでの安定した運用環境にあること、生産設備についてはネットワーク環境から独立して制御されていることから、情報漏洩や生産設備の停止などの影響はほぼないと考えております。しかし、全社員のサイバーセキュリティに関する意識を向上させることは必須であると考えており、全社員を対象とした地元警察による研修やWEB研修等の教育にも取り組んでおります。

 

(4)指標及び目標

 当社は、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を実現させるため、以下の目標を設定しております。

〈重点目標〉

1.研究所(分析業務含む)勤務の女性割合を15%以上にし、女性が活躍できる雇用環境の整備を行う。(2025年3

 月31日現在 33.3%)

2.各職場で1週間に1日以上ノー残業デーを設ける。

〈目標〉

1.育児・介護休業等の取得率向上のため、全社員に運用の周知徹底を行い、取得しやすい職場環境を整える。

2.子どもを育てる社員が働きやすい環境であるために、時間外労働の抑制や短時間勤務制度等を充実させる。

3.インターンシップ等の就業体験機会の提供を行い、次世代の育成を図る。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 (1)売上について

 当社の売上高は各種有機化学品の中間物等の販売が主なものであります。したがって、売上高は当社のユーザーである医薬メーカー、農薬メーカー等の最終製品の販売状況及び新製品の開発状況により少なからず左右される面があり、財政状態及び経営成績に影響があります。

 当社は、これらの業績への影響を極力低減するため、関連業界の情報収集と早期の受注確定を目指した営業活動を行っております。また、機能性用中間物の新製品開発を積極的に進めるとともに、独自製品の開発にも力を入れております。

 なお、農薬用中間物の販売については、天候による病害虫等の発生状況による影響もありますが、各種の農薬用中間物を製造販売することで業績への影響を極力低減するようにしております。

 また、当社は、農薬用中間物の売上構成比が高く、顧客から指定される納期の関係上、1~3月の中で特に3月に売上が集中する傾向があります。

 (2)為替の影響

 当社は、外貨建て取引の原材料の仕入において、当該通貨に対して円安が進行した場合、輸入仕入額が増加することになり、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 一方、外貨建て取引の輸出売上においても、当該通貨に対して円高が進行した場合、輸出売上額が減少することになり、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 これに対して当社は、為替相場の変動によるリスクをヘッジするため、為替予約等の対策を講じていますが、影響を緩和することは可能であっても、影響を全て排除することは不可能であります。

 (3)棚卸資産について

 当社は受注見込による生産を行っていますので、当社のユーザーでの販売状況及び在庫調整等により、棚卸資産が増加する可能性があります。このため、この影響を極力回避するため受注の早期確定を目指した営業活動を行うとともに、マルチパーパスプラントにより柔軟な生産切替え体制を取って、棚卸資産が増加しないよう努めております。

 (4)金利変動リスクについて

 当社の2025年3月末の有利子負債残高は1,886百万円となっています。この有利子負債の金利変動リスクを可能な限り回避するため、総額20億円のコミットメントライン契約締結等の資金の効率的な調達、固定金利での長期安定資金の確保等に努めておりますが、急激な金利変動が生じた際には、業績が変動する可能性があります。

 (5)安全環境問題について

 当社は有機化学品を製造する会社であり、工場運営においては安全第一、環境対策を最優先課題として取り組んでおります。このため、火災、爆発及び化学物質漏えい等を防止し、安全で安定な操業を維持するとともに、設備の定期的な保守点検、巡視、保安訓練等を実施し、事故等の発生防止に努めております。しかし、万一、工場火災、土壌汚染、悪臭及び排出ガス等の事故、公害問題が発生した場合は、社会的信用の失墜、業績に影響を与える可能性があります。

 (6)自然災害について

 当社の工場は和歌山県和歌山市及び福井県福井市に分散しておりますが、大規模な地震、気候変動に伴う自然災害及び感染症等により操業停止となった場合、業績に影響を与える可能性があります。

 このため、各事業所での緊急事態に備え定期的に訓練を行っております。また、緊急事態発生時は、社長を本部長とする緊急事態対策本部を即時に立ち上げ、事業継続計画(BCP)が実行できるよう対応の強化に努めております。

 (7)原材料等について

 当社が大規模な自然災害等で直接被災しなくても、交通遮断による原材料等の調達に支障が生じた場合、当社の取引先の原材料メーカーにおいて被災や事故が発生した場合に備え、可能な限り複数購買等を実施するなど対策を講じておりますが、影響が長期に及ぶ場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社の主要製品に使用されている原材料等は、原油・ナフサ価格や貴金属価格の動向等に影響され変動いたします。これらの原料購入価格の変動が、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 (8)情報セキュリティに係るリスク

 当社は、サイバー攻撃、不正アクセス等により情報システム等に障害が生じた場合や機密情報及び個人情報等が社外に流出した場合には、社会的信用の低下等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社は情報システム・ネットワークにセキュリティ対策を実施しており、社員教育の徹底、セキュリティ強化

及び情報管理体制の厳重化に取り組んでおります。

 (9)株価変動による影響

 当社は、取引先を中心に市場性のある株式を保有しており、これらは株価の変動によるリスクを負っております。当該リスクに対し、所有株式を継続的に見直し整理する等、業績への影響を低減するよう努めておりますが、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 (10)その他のリスクについて

 当社にはその他にも、製品欠陥等の品質リスク、知的財産や製造物責任などの訴訟リスク、取引先に対する債権の貸倒リスク、情報システムへの不正侵入リスクなどがあり、可能な限り保険に加入するなど、対策を強化しておりますが、これらのリスクが顕在化した場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 また、米国の関税政策については、仮に発動された場合、サプライチェーンの混乱が広がり経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 (11)財務維持要件について

 当社の借入金の一部には財務維持要件が付されており、これが充足されない場合、銀行団による貸付義務の終了等、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

(財政状態の状況)

 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ94百万円(0.8%)増加の11,477百万円となりました。これは主に、現金及び預金は321百万円減少しましたが、売掛金が158百万円、商品及び製品が152百万円、仕掛品が64百万円増加したこと等によるものです。

 負債につきましては、前事業年度末に比べ99百万円(2.4%)減少の4,024百万円となりました。これは主に、借入金は234百万円増加しましたが、買掛金が289百万円減少したこと等によるものです。

 また、純資産は前事業年度末に比べ193百万円(2.7%)増加の7,452百万円となり、自己資本比率は64.9%(前事業年度末63.8%)となりました。

 

(経営成績の状況)

当事業年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響を強く受ける一方で、企業業績や雇用環境の改善等により緩やかに回復しました。景気の先行きについては、旺盛なインバウンド需要や大阪・関西万博の経済効果等の好材料はあるものの、地政学リスクの高まりや世界各国に向けた米国の関税政策の影響が国内外の景気を下押しするリスクとなっており、十分注意する必要があります。

このような状況の中で、国内売上高は、5,639百万円となり、前年同期(6,777百万円)に比べ1,137百万円(16.8%)の減収となりました。これは、機能性用中間物及び界面活性剤が増加しましたが、医薬用中間物及び農薬用中間物が減少したためです。

一方、輸出売上高は、982百万円となり、前年同期(840百万円)に比べ142百万円(17.0%)の増収となりました。これは、医薬用中間物が増加したためです。

この結果、総売上高は、6,622百万円となり、前年同期(7,617百万円)に比べ994百万円(13.1%)の減収となりました。輸出比率は14.8%(前年同期 11.0%)となりました。

利益につきましては、固定費の削減等はありましたが、売上高の大幅な減収等により、営業利益は541百万円(前年同期 637百万円)となりました。営業外収益では、受取配当金57百万円やサンプル売却益31百万円等を計上したこともあり、経常利益は644百万円(前年同期 740百万円)となりました。特別損失で訴訟損失引当金繰入額78百万円、固定資産除却損27百万円等を計上したこともあり、当期純利益は363百万円(前年同期 489百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益は531百万円となりましたが、仕入債務が182百万円減少し、売上債権が158百万円増加し、棚卸資産が140百万円増加したこと等により、71百万円の収入(前年同期 1,190百万円の収入)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が459百万円となったこと等により、543百万円の支出(前年同期 495百万円の支出)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金が234百万円増加したこと等により、149百万円の収入(前年同期 396百万円の支出)となりました。

 以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は409百万円となり、前事業年度末に比べて321百万円減少しました。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社の事業は、有機化学合成に基づく中間物の製造、販売、研究及びサービス等を行う単一セグメントであるため、セグメント情報を記載しておりませんので、「生産、受注及び販売の実績」については製品の種類別ごとに記載しております。

 

(a)生産実績

 当事業年度の生産実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。

区分

生産高(千円)

前年同期比(%)

医薬用中間物

1,117,195

△3.7

農薬用中間物

4,218,416

△11.8

機能性用中間物

624,014

+0.6

その他用中間物

△2,742

+54.9

界面活性剤

366,738

+35.0

合計

6,323,622

△7.5

(注)当事業年度においては、「その他用中間物」の生産高に比べて、廃棄処分した額が大きかったため、「その他用中間物」の生産実績がマイナスとなっております。

 

(b)外注製品仕入実績

 当事業年度の外注製品仕入実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。

区分

仕入高(千円)

前年同期比(%)

医薬用中間物

237,199

+34.3

機能性用中間物

56,369

△1.1

その他用中間物

81,043

+68.2

合計

374,612

+32.9

 

(c)受注実績

 当社は受注見込による生産方式をとっております。

(d)販売実績

 当事業年度の販売実績を製品の種類別に示すと、次のとおりであります。

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

医薬用中間物

1,669,854

△7.1

農薬用中間物

3,621,481

△24.0

機能性用中間物

798,454

+40.0

その他用中間物

101,218

+4.6

界面活性剤

406,588

+16.0

その他

24,829

△34.8

合計

6,622,426

△13.1

 

 

 

 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

第73期

第74期

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

住友化学㈱

1,339,608

17.6

1,186,151

17.9

伊藤忠ケミカルフロンティア㈱

1,004,297

13.2

日星産業㈱

946,184

12.4

772,392

11.7

(注)第74期における伊藤忠ケミカルフロンティア㈱への販売実績は10%未満のため記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態の状況)

(総資産)

 当事業年度末の総資産は前事業年度末に比べ94百万円増加し、11,477百万円となりました。主に増加したのは、売掛金158百万円、商品及び製品152百万円、仕掛品64百万円、未収消費税等88百万円、建設仮勘定57百万円等であります。主に減少したのは、現金及び預金321百万円、投資有価証券163百万円等であります。

(負債)

 当事業年度末の負債は前事業年度末に比べ99百万円減少し、4,024百万円となりました。主に増加したのは、借入金234百万円、支払手形106百万円、未払金106百万円であります。主に減少したのは、買掛金289百万円、解体撤去引当金127百万円、未払消費税等125百万円であります。なお、借入金の総額は1,845百万円(前事業年度末1,610百万円)となりました。

(純資産)

 当事業年度末の純資産は前事業年度末に比べ193百万円増加し、7,452百万円となりました。主に増加したのは、利益剰余金284百万円であります。主に減少したのは、その他有価証券評価差額金90百万円であります。自己資本比率については、前事業年度末63.8%に比べ1.1ポイント上昇の64.9%となりました。

 

(経営成績の状況)

(売上高)

 当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ994百万円減収の6,622百万円となりました。国内売上高は、遺伝性疾患治療薬用、高脂血症治療薬用等の需要減により医薬用中間物が減少、殺ダニ剤用、稲用殺菌剤用等の需要減により農薬用中間物が減少したため、前事業年度に比べ1,137百万円減収の5,639百万円となりました。輸出売上高は、成人病用治療薬用等の需要増により医薬用中間物が増加したため、前事業年度に比べ142百万円増収の982百万円となり、輸出比率は14.8%となりました。

(売上総利益)

 当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ114百万円減少し、1,437百万円となりました。これは、固定費の減少等はありましたが、一方で総売上高の減収等もあり、売上総利益率は21.7%(前事業年度 20.4%)となりました。

(営業利益)

 当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ96百万円減少し、541百万円となりました。売上高営業利益率は8.2%(前事業年度 8.4%)となりました。

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ96百万円減少し、644百万円となりました。売上高経常利益率は9.7%(前事業年度 9.7%)となりました。

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ125百万円減少し、363百万円となりました。特別損失として、訴訟損失引当金繰入額78百万円、固定資産除却損27百万円、法人税、住民税及び事業税144百万円等をそれぞれ計上いたしました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比較して321百万円減少し、409百万円となりました。これは、営業活動により得られた資金71百万円に対して、有形固定資産の取得など投資活動により支出した資金543百万円、借入金など財務活動により得られた資金149百万円によるもの等であります。

 なお、当社は、必要な運転資金及び設備投資資金については自己資金又は金融機関からの借入れにより調達しております。当事業年度末における借入残高は1,845百万円となりました。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、資産、負債、収益及び費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5【重要な契約等】

 当事業年度において、新たに決定又は締結した重要な契約等はありません。

6【研究開発活動】

 当社は、長年培ってきた有機合成化学及びユニットプロセスの技術とノウハウの蓄積を生かし、医薬用中間物や農薬関連の品種拡充並びに次世代を担う高機能性製品の積極的な開発と展開を図っています。

 独自製品としては、有機化合物では類いまれな高い屈折率を有するジナフトチオフェン誘導体やナフタレンジチオール類等の高屈折率材料や光電子材料への展開に取り組んでいます。また、包摂化合物カリックスアレーン誘導体、化粧品原料ビタミンC誘導体については、拡販に向けた商業生産のステージまで進んでおり、今後、販売・開発力の強化を図り、売上に寄与できるようにしてまいります。

 一方、特殊反応技術として光フロー合成に取り組んでおり、通常の有機合成では合成困難な化合物の創製にもチャレンジしてまいります。

 なお、当事業年度の研究開発費は238百万円で、研究開発人員は当事業年度末現在20名であります。