第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、円安や原油安の影響により一部企業の業績に良好な動きが見られた反面、中国経済の減速や中東の政情不安など、依然として不透明感を拭えない状況で推移いたしました。

 当社グループを取り巻く経営環境におきましても、個人消費につきまして、特定の高額商品や訪日外国人における好調な需要が見られたものの、住生活関連商品、日用品については消費者の低価格志向も根強く、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況で推移いたしました。

 このような状況のもと、当社グループでは、新製品の投入、販路の拡大、各種メディアを利用しての販売促進など、積極的な営業活動を展開いたしました。その結果、新製品の寄与があったうえ、天候にも恵まれて、事業全般が堅調に推移したため、当連結会計年度の売上高は140億7千3百万円(前年同期比4.1%増)となりました。

 収益面では、円安等による輸入商材価格の上昇等の影響はあったものの、塗料事業における新製品の売上が好調であったこと、グループ企業一体となって経営の効率化に努めたことから、営業利益は6億2千2百万円(前年同期比44.4%増)、経常利益は6億5千9百万円(前年同期比36.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億2千2百万円(前年同期比47.3%増)となりました。

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

<塗料事業>

 当事業は、当社の主力商品である家庭用塗料及び金属用・プラスチック用等の工業用塗料の製造及び販売並びに塗装工事等を行っております。
 当連結会計年度におきましても、店頭での販売促進、店内シェアの拡大をはかるとともに、新規顧客の獲得に向け積極的な営業活動を展開いたしました。その結果、家庭用塗料の売上が、新製品の寄与と需要期である秋の天候に恵まれるなど堅調に推移したことから、当事業全体の売上高は、83億6千2百万円(前年同期比1.9%増)となりました。

<DIY用品事業>

 当事業は、カベ紙、障子紙やガラス用装飾シート等のインテリア用品、住宅用補修材やワックス等のハウスケア用品及び園芸用品等の製造及び販売を行っております。
 当事業におきましても、消費者ニーズに応えた新製品の投入や積極的な販売促進活動とともに、新規顧客への提案営業等に注力いたしました。その結果、天候にも恵まれ、特に園芸用品の売上が好調に推移したことなどから、当事業全体の売上高は、55億7千6百万円(前年同期比8.3%増)となりました。

<その他>

 その他の事業は、物流サービス業及び賃貸業等を行っており、売上高は1億3千3百万円(前年同期比17.2%減)となりました。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2億3千4百万円増加し、55億3百万円(前年同期比4.4%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は9億7百万円(前年同期比70.0%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6億7千4百万円及び仕入債務の増加2億5千8百万円等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は2億9千8百万円(前年同期比4.2%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2億9千3百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は3億5千3百万円(前年同期比52.0%減)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出1億3千6百万円及び配当金の支払額2億4千7百万円等によるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

5,887,363

98.0

DIY用品事業(千円)

6,948

35.2

報告セグメント計(千円)

5,894,312

97.8

その他(千円)

合計(千円)

5,894,312

97.8

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 上記のほかに、外注生産され製品、商品として仕入れたものは次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

2,291,509

96.3

DIY用品事業(千円)

5,564,456

91.2

報告セグメント計(千円)

7,855,966

105.0

その他(千円)

合計(千円)

7,855,966

105.0

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当社グループは主として見込生産によっており、受注及び受注残高については特に記載すべき事項はありません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

8,362,459

101.9

DIY用品事業(千円)

5,576,646

108.3

 報告セグメント計(千円)

13,939,105

104.4

その他(千円)

133,981

82.8

合計(千円)

14,073,087

104.1

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

コーナン商事株式会社

1,759,233

13.0

1,890,755

13.4

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループでは、中長期的な経営戦略に則り、以下のことに重点的に取り組んでまいります。

1.収益力の向上

 常に新たな発想と創意工夫により、競合他社と明確に差別化した新製品の開発に努めてまいります。また、新製品の拡販に注力するとともに、従来の枠を超えた新規販売先の開拓と店内シェアの拡大に向けて営業力の強化をはかってまいります。

2.新規事業への取組み

 新規事業については、今まで培ってきた技術を拡大発展させることのみならず、様々な方面で検討しており、今後も実現に向けて努力してまいります。

3.グループ経営の強化とコスト削減

 当社を核としたグループ会社の連携強化により、情報システムの共有化や事務の効率化、また物流システムの集約化等、経営効率の向上に努めてまいりました。今後もこれらインフラをさらに充実させるとともに、原材料や仕入品の調達コストの削減等、全体コストの引き下げを推進してまいります。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)原材料価格の変動による影響

 当社グループの使用する主要原材料は顔料、石油化学製品及び容器包装類であります。これら原材料の市場価格は、原油・ナフサ及び原料鉱石等の価格の影響を受けることがあり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替相場の変動による影響

 当社グループの取扱商品には海外からの輸入商品が含まれており、為替変動の影響を受けております。このため、適時為替予約取引を行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)天候不順による影響

 当社グループの取扱商品のうち、家庭用塗料や園芸用品は、季節の移り変り及び天候の良し悪しによって需要に大きな影響を受けます。このため、需要期における天候不順等環境条件によっては、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)自然災害による影響

 大規模な地震等の自然災害による生産設備の損壊や道路等のインフラの混乱等により、製品の製造、運搬及び販売が影響を受ける可能性があります。当社グループでは互いに代替生産の検討を行い、最小限の損害にとどめるよう対策を立てておりますが、その被災規模によっては、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特に記載すべき事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループは、「暮らしを彩り、住まいをまもる」をトータルコンセプトに、優れた製品とサービスをユーザーに提供し、住生活の質的向上と充実のために貢献することを経営理念としております。

 この経営理念を具現化するため、製品開発にあたっては、使用されるユーザーのニーズを的確にとらえ「安心」「安全」はもとより、「簡単」「きれい」「便利」「楽しい」の要望に応えた新製品を競業他社に先駆けて開発、上市することを目指しております。

 また、最新の原材料情報の収集に努め、原材料の代替及び効率利用を推進するとともに、生産効率の改善にも注力するなど、コスト低減にも努力しております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は225,031千円であり、各事業部門の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(1)塗料事業

 家庭用塗料では、煩わしい下地処理のサビ落としをせずにサビの上から直接塗装できる塗料「油性高耐久アクリルトタン用」を2013年に販売、2015年には、同様のコンセプトを引継ぎ、鉄部専用の「油性高耐久鉄部用」を開発しました。このコンセプトがユーザーから大きな支持をいただいたことから、油性トタン用のプレミアムグレード品「油性超耐久シリコンアクリルトタン用スーパー」を開発いたしました。サビの上から直接塗れるのは勿論のこと、優れた防錆力を持ち、ガルバニウム鋼板にも下塗りなしで直接塗れるため、用途範囲が大きく広がりました。シリコンアクリル樹脂を用いて耐久性が向上しただけでなく、紫外線劣化防止剤(HALS)を配合し、紫外線・汚れ・塩害に強い製品を開発いたしました。「さびの上から直接塗れる」塗料類が一層充実し、ユーザーのニーズに適した塗料選択の幅を拡げることができました。

 また、使い切れずに不用となった塗料を簡単に固化し、燃えるごみとして廃棄できるよう「水性塗料用固化剤」、「油性塗料用固化剤」を開発し、販売しておりましたが、ユーザーにとっては、水性塗料用と油性塗料用とを使い分ける煩雑さがあり、また使用できる塗料にも制限がありました。

 そこで、水性塗料、油性塗料どちらにも使用でき、さらに、うすめ液までにも適用範囲を広げた「水性・油性兼用塗料固化剤」を開発いたしました。これにより、ユーザーは水性塗料と油性塗料とで使い分ける煩雑さから解放され、不用となった幅広い塗料類を環境に負荷を掛けずに安全かつ簡単に廃棄できるようになりました。

 工業用塗料では、1コートで金属調のつやあり着色仕上げができる特殊メタリック塗料「オレフィックスPNo.6950」を開発いたしました。

 従来は、金属調に仕上がるメタリック塗料を下塗り後、光沢と塗膜性能アップのためにクリヤ塗料またはカラークリヤ塗料を上塗りする2コート系が主流でした。「オレフィックスPNo.6950」は、1コートにもかかわらず、金属調の光沢ある良好な仕上がりが得られるばかりか、2コート系と同等の塗膜性能を保持できております。1コートのため、工程が半減できるとの理由から、自動車用部品、スポーツ用品をはじめとする各方面での需要が見込まれます。

 当事業に係る研究開発費は180,448千円であります。

 

(2)DIY用品事業

 インテリア用品では、壁面装飾に対するユーザーニーズの拡大傾向にあわせ、貼り易く、剥がし易い壁面装飾用製品の開発に注力した結果、「透けてデコるシート」と「カベデコパネル」を開発いたしました。

 「透けてデコるシート」は、透明性のある寸法安定性の良い強靭な不織布に印刷を施した装飾シートで、塩化ビニル壁紙をその凹凸や柄を生かしながら意匠性のある壁面に変えることができます。添付の粉のりを水に溶かして壁面に塗り、必要寸法にカットしたシートを貼りつけるだけで作業が終了します。強靭で寸法安定性が良いので貼り直しをしてもシート寸法が変わらず、しかも壁紙に比べ随分と軽いシートのため作業による疲れも少なく、老若男女どなたでも簡単・きれいに部屋の模様替えを楽しめます。また不用になれば容易に剥がせ、元の状態に戻すことができるので、原状回復が必要な賃貸住宅などの模様替えも気楽にできます。

 「カベデコパネル」はプラスチックシートを立体的な30㎝四方の真空成型加工した壁面装飾パネルです。平らな面であれば専用の両面粘着テープを使って壁全面でも、ワンポイントでも、好みの範囲に簡単に貼ることができ、塗装により着色すれば、より意匠性が高まります。「透けてデコるシート」との組み合わせで、種々な室内装飾を楽しむことができます。

 ハウスケア用品では、金属みがき「ピカピカン」のパウチ包装タイプ「ピカピカンミニ」を開発いたしました。金属缶入りと同等の保存性を有しながら、しかも開封し易く少容量なので、使い勝手が大変良くなりました。

 当事業に係る研究開発費は44,583千円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の計上等について、必要に応じて会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、合理的かつ継続して評価を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)当連結会計年度における財政状態の分析

 当連結会計年度末における資産の部は185億9千5百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億4千9百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が2億3千4百万円、建物及び構築物が1億9千8百万円増加したことに対して、投資有価証券が1億7千6百万円減少したこと等によるものです。

 当連結会計年度末における負債の部は72億7百万円となり、前連結会計年度末に比べて3億8千1百万円の増加となりました。これは主に、仕入債務が2億5千8百万円及びマイナス金利により、退職給付に係る負債が1億1百万円増加したこと等によるものです。

 当連結会計年度末における純資産の部は113億8千8百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億3千1百万円の減少となりました。これは主に、自己株式取得により1億3千5百万円減少したこと等によるものです。これにより自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて1.6ポイント下降し、61.2%となりました。

(3)当連結会計年度における経営成績の分析

 当連結会計年度におきましても、新製品の投入、販路の拡大、各種メディアを利用しての販売促進など、積極的な営業活動を展開いたしました。その結果、新製品の寄与があったうえ、天候にも恵まれて、事業全般が堅調に推移したため、当連結会計年度の売上高は5億5千4百万円(4.1%)増加し、140億7千3百万円となりました。

 収益面では、円安等による輸入商材価格の上昇等の影響はあったものの、塗料事業における新製品の売上が好調であったこと、グループ企業一体となって経営の効率化に努めたことから、営業利益は前連結会計年度に比べて1億9千1百万円(44.4%)増加し、6億2千2百万円となり、経常利益は前連結会計年度に比べて1億7千7百万円(36.9%)増加し、6億5千9百万円となりました。また親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて1億3千5百万円(47.3%)増加し、4億2千2百万円となりました。

(4)当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析

 営業活動の結果得られた連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、9億7百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6億7千4百万円、仕入債務の増加2億5千8百万円等による収入があったことによるものです。

 投資活動の結果使用した資金は、2億9千8百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得2億9千3百万円による支出があったこと等によるものです。

 財務活動の結果使用した資金は、3億5千3百万円となりました。これは主に、自己株式の取得1億3千6百万円及び配当金の支払2億4千7百万円による支出があったこと等によるものです。

 以上により、当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末に比べて2億3千4百万円(4.4%)増加し、55億3百万円となりました。