第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新興国経済の成長鈍化に加え、英国の欧州連合離脱や米国の経済・金融政策の不確実性などの影響により、先行き不透明な状況で推移いたしました。

 当社グループを取り巻く経営環境といたしましても、消費者の節約志向を背景に個人消費は力強さに欠けており、日用生活関連商品についての価格競争も激しく、依然として厳しい状況が続きました。

 このような状況のもと、当社グループでは、新製品の投入、販路の拡大、各種メディアを利用しての販売促進など、積極的な営業活動を展開いたしました。しかしながら、天候不順の影響などにより、売上は伸び悩み、当連結会計年度の売上高は135億3千7百万円(前年同期比3.8%減)となりました。

 収益面では、主力の家庭用塗料の商品構成の見直し、為替、原油価格の変動の影響に加え、グループ企業一体となって経営の効率化に努めたことなどから、営業利益は7億4千8百万円(前年同期比20.2%増)、経常利益は8億2千1百万円(前年同期比24.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億8千2百万円(前年同期比37.9%増)となりました。

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

<塗料事業>

 当事業は、当社の主力商品である家庭用塗料及び金属用・プラスチック用等の工業用塗料の製造及び販売並びに塗装工事等を行っております。
 当連結会計年度におきましても、店頭での販売促進、店内シェアの拡大をはかるとともに、新規顧客の獲得に向け積極的な営業活動を展開いたしました。しかしながら、天候不順の影響などにより、当事業全体の売上高は、80億6千7百万円(前年同期比3.5%減)となりました。

<DIY用品事業>

 当事業は、カベ紙、障子紙やガラス用装飾シート等のインテリア用品、住宅用補修材やワックス等のハウスケア用品及び園芸用品等の製造及び販売を行っております。
 当事業におきましても、消費者ニーズに応えた新製品の投入や積極的な販売促進活動とともに、新規顧客への提案営業等に注力いたしました。しかしながら、当事業全体の売上高は、53億2千4百万円(前年同期比4.5%減)となりました。

<その他>

 その他の事業は、物流サービス業及び賃貸業等を行っており、売上高は1億4千5百万円(前年同期比8.6%増)となりました。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1千2百万円減少し、54億9千1百万円(前年同期比0.2%減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は6億6千3百万円(前年同期比26.9%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益8億4千2百万円、減価償却費1億8千万円及び売上債権の減少額1億4千1百万円等の収入に対して、たな卸資産の増加額1億2千8百万円及び法人税等の支払額3億4百万円等の支出によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は2億1千8百万円(前年同期比26.8%減)となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入2億円等に対して、有形固定資産の取得による支出2億3千3百万円及び投資有価証券の取得による支出2億5百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は4億4千9百万円(前年同期比27.0%増)となりました。これは主に、社債の発行による収入5億円、短期借入金の減少額6億2千万円及び配当金の支払額2億4千3百万円等によるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

5,868,119

99.7

DIY用品事業(千円)

8,557

123.2

報告セグメント計(千円)

5,876,677

99.7

その他(千円)

合計(千円)

5,876,677

99.7

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 上記のほかに、外注生産され製品、商品として仕入れたものは次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

2,199,474

96.0

DIY用品事業(千円)

5,497,685

98.8

報告セグメント計(千円)

7,697,159

98.0

その他(千円)

合計(千円)

7,697,159

98.0

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当社グループは主として見込生産によっており、受注及び受注残高については特に記載すべき事項はありません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

8,067,644

96.5

DIY用品事業(千円)

5,324,111

95.5

 報告セグメント計(千円)

13,391,756

96.1

その他(千円)

145,512

108.6

合計(千円)

13,537,268

96.2

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

コーナン商事株式会社

1,890,755

13.4

1,839,555

13.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「暮らしを彩り、住まいをまもる」をトータルコンセプトに、優れた製品とサービスをお客様に提供し、住生活の質的向上と充実のために貢献することを経営理念としております。

 私たちは、当社の社是である

    「誠意を貫く 信用第一主義」

    「不可能を可能にする 積極経営」

    「高収益・高賃金を実現する 生産性向上」

を行動指針として、この経営理念の実現に取り組んでまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループでは、企業価値を向上させることを重視した経営を推進しております。このため、資本効率を意識しながら経常収益力の向上をはかるとともに、健全なバランスシートの構築を目指してまいります。

 目標とする経営指標として、中期的には、売上高を15,000百万円、経常利益を700百万円に設定しております。これらの経営指標を採用した理由は、企業価値向上のためには当社グループの収益力の向上が極めて重要との認識に加え、各部門やグループ各社の目標としてわかりやすく、グループ全社で目標を共有しやすいと考えているためです。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループが、持続的な成長により企業価値を向上していくためには、「会社の対処すべき課題」でも記載しておりますとおり、「収益力の向上」が最重要であると考えております。その実現に向けて、特に下記3点に注力してまいります。

① 当社の関わっている事業領域(Do it yourself市場)では、当社にとっての製品が、お客様にとっては顧客満足を得るための一つの手段であって最終商品ではありません。トップメーカーとして、お客様に満足していただける製品づくりだけでなく、技術的なサポート、製品活用事例や楽しさの紹介等の情報提供を通して、顧客満足度の向上に資するためのお客様支援の体制を引き続き整備、強化してまいります。

② 製品開発にあたっては、使用されるお客様のニーズを的確にとらえ、「安心」「安全」はもとより、「簡単」「きれい」「便利」「楽しい」の要望に応えた新製品を競合他社に先駆けて開発、上市してまいります。

 

③ グループ会社との連携強化により、物流や事務処理の効率化、原材料や仕入品の調達コストの削減等、全体コストの引き下げを推進してまいります。

また、上記に加え、将来に向けた次なる事業の柱を確立すべく、新規事業への取組みにも力をいれてまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社グループでは、中長期的な経営戦略に則り、以下のことに重点的に取り組んでまいります。

① 収益力の向上

  常に新たな発想と創意工夫により、競合他社と明確に差別化した新製品の開発に努めてまいります。また、新製品の拡販に注力するとともに、従来の枠を超えた新規販売先の開拓と店内シェアの拡大に向けて営業力の強化をはかってまいります。

② 新規事業への取組み

  新規事業については、今まで培ってきた技術を拡大発展させることのみならず、様々な方面で検討しており、今後も実現に向けて努力してまいります。

③ グループ経営の強化とコスト削減

  当社を核としたグループ会社の連携強化により、情報システムの共有化や事務の効率化、また物流システムの集約化等、経営効率の向上に努めてまいりました。今後もこれらインフラをさらに充実させるとともに、原材料や仕入品の調達コストの削減等、全体コストの引き下げを推進してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)原材料価格の変動による影響

 当社グループの使用する主要原材料は顔料、石油化学製品及び容器包装類であります。これら原材料の市場価格は、原油・ナフサ及び原料鉱石等の価格の影響を受けることがあり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替相場の変動による影響

 当社グループの取扱商品には海外からの輸入商品が含まれており、為替変動の影響を受けております。このため、適時為替予約取引を行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)天候不順による影響

 当社グループの取扱商品のうち、家庭用塗料や園芸用品は、季節の移り変り及び天候の良し悪しによって需要に大きな影響を受けます。このため、需要期における天候不順等環境条件によっては、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)自然災害による影響

 大規模な地震等の自然災害による生産設備の損壊や道路等のインフラの混乱等により、製品の製造、運搬及び販売が影響を受ける可能性があります。当社グループでは互いに代替生産の検討を行い、最小限の損害にとどめるよう対策を立てておりますが、その被災規模によっては、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特に記載すべき事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループは、「暮らしを彩り、住まいをまもる」をトータルコンセプトに、優れた製品とサービスをお客様に提供し、住生活の質的向上と充実のために貢献することを経営理念としております。

 この経営理念を具現化するため、製品開発にあたっては、使用されるユーザーのニーズを的確にとらえ「安心」「安全」はもとより、「簡単」「きれい」「便利」「楽しい」の要望に応えた新製品を競業他社に先駆けて開発、上市することを目指しております。

 また、最新の原材料情報の収集に努め、原材料の代替及び効率利用を推進するとともに、生産効率の改善にも注力するなど、コスト低減にも努力しております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は218,787千円であり、各事業部門の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(1)塗料事業

 家庭用塗料では、駐車場や工場など、コンクリート面やアスファルト面の区画線引き用として好評を得ております「水性道路線引き用塗料」の姉妹品として「水性道路・床用塗料セーフティーゾーン用」を開発いたしました。この製品を塗装することにより、路面の視認性が向上し、歩行帯やセーフティーゾーンをカラフルに塗り分けることができますので、区画線引きだけでなく美装も兼ね、夜間の安全性を一層高めることができるようになりました。

 また、木調に塗装する技法は古くから塗装熟練者の間で行われていましたが、より簡単にどなたでも木調仕上げができるように、専用コテバケ入りの「ウッドパターン木調仕上げセット」を開発いたしました。これにより平滑面であれば木部だけでなく、プラスチックやスレート、コンクリート、金属など素材を選ばず、各種水性塗料を組み合わせることによって容易に多様な木調塗装ができるようになり、塗装の幅が広がりました。

 塗料は、その臭気により問題を抱えるケースが少なくありません。家庭用塗料において水性塗料は無臭化が進んでいますが、木部用の水性防虫防腐塗料や各種溶剤系塗料などは防虫防腐剤や溶剤、油脂類等の成分によって使用時、あるいは塗装後に臭気を発するため、塗装の際のネックポイントとなっていました。

 そこで、水性塗料、油性塗料、うすめ液に少量添加することで不快な臭気を大幅に緩和できる「塗料用におい緩和剤」を開発いたしました。これにより、塗装される方はもとより、周囲への不快臭拡散などを気にすることなく各種塗料の塗装をより一層楽しんでいただけるようになりました。

 工業用塗料では、ピアノのような漆黒感のある黒色つやあり仕上げができるプラスチック用「オレフィックスピアノブラック」を開発いたしました。従来の漆黒ツヤあり塗料は、通常2コート仕様のため、手間がかかりますが、この「オレフィックスピアノブラック」は1コートで仕上がりますので、工程の短縮とコストダウンが期待できます。

 また、ガラス用遮熱塗料は数多くあり、当社でも国内に留まらず海外に展開するなどしておりますが、長年培ってきましたオレフィックスとガラス用遮熱塗料のノウハウを生かし、近年多用されている“ポリカーボネートガラス”に適用できる「遮熱塗料」を開発いたしました。ポリカーボネートは耐溶剤性に劣り、曇りやクラックが生じやすいプラスチックですので、ポリカーボネートガラスに塗装する場合は透明性と歪みのない視界を維持するために薄く、均一に塗装する必要があります。この開発品は薄い塗膜でも十分な遮熱効果が得られるため、今後、既存及び新設現場での採用が期待できます。

 当事業に係る研究開発費は167,143千円であります。

 

(2)DIY用品事業

 住宅用補修材では、ちょっとしたセメント補修に便利な「CUPセメント」4種を開発いたしました。

 セメント補修には通常、混合容器や計量器などが必要ですが、「CUPセメント」は、その製品容器が混合容器になり、計量カップも付属していますので、水と保護具だけの準備で補修できます。「スタンダード」、「速乾」、「防水」、「白」から選択でき、補修用途に合わせて、どなたでも簡単にセメント補修ができるようになり、補修材シリーズが増々充実しました。

 当事業に係る研究開発費は51,644千円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の計上等について、必要に応じて会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、合理的かつ継続して評価を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)当連結会計年度における財政状態の分析

 当連結会計年度末における資産の部は191億1百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億5百万円の増加となりました。これは主に、たな卸資産の増加1億2千8百万円、有形固定資産の増加7千万円及び時価評価等による投資有価証券の増加6億8百万円等に対して、有価証券の減少2億2百万円及び売掛債権の減少1億4千1百万円等によるものです。

 当連結会計年度末における負債の部は71億2千3百万円となり、前連結会計年度末に比べて8千4百万円の減少となりました。これは主に、社債の増加5億円及び繰延税金負債の増加1億4千4百万円等に対して、仕入債務の減少1千8百万円、短期借入金の減少6億2千万円、未払法人税等の減少3千5百万円及び退職給付に係る負債の減少5千5百万円等によるものです。

 当連結会計年度末における純資産の部は119億7千8百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億8千9百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金の増加3億3千9百万円、その他有価証券評価差額金の増加2億8千4百万円、退職給付に係る調整累計額の増加5千万円等に対して、自己株式の取得による減少8千6百万円等によるものです。これにより自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて1.5ポイント上昇し、62.7%となりました。

(3)当連結会計年度における経営成績の分析

 当連結会計年度におきましても、新製品の投入、販路の拡大、各種メディアを利用しての販売促進など、積極的な営業活動を展開いたしました。しかしながら、天候不順の影響などにより、売上は伸び悩み、当連結会計年度の売上高は5億3千5百万円(3.8%)減少し、135億3千7百万円となりました。

 営業利益は、主力の家庭用塗料の商品構成の見直し、為替、原油価格の変動の影響に加え、グループ企業一体となって経営の効率化に努めたことなどから、前連結会計年度に比べて1億2千6百万円(20.2%)増加し、7億4千8百万円となり、経常利益は前連結会計年度に比べて1億6千1百万円(24.5%)増加し、8億2千1百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて1億6千万円(37.9%)増加し、5億8千2百万円となりました。

(4)当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析

 営業活動の結果得られた連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6億6千3百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益8億4千2百万円、減価償却費1億8千万円及び売掛債権の減少額1億4千1百万円等の収入に対して、たな卸資産の増加額1億2千8百万円及び法人税等の支払額3億4百万円等の支出によるものです。

 投資活動の結果使用した資金は、2億1千8百万円となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入2億円等に対して、有形固定資産の取得による支出2億3千3百万円及び投資有価証券の取得による支出2億5百万円等によるものです。

 財務活動の結果使用した資金は、4億4千9百万円となりました。これは主に、社債の発行による収入5億円、短期借入金の減少額6億2千万円及び配当金の支払額2億4千3百万円等によるものです。

 以上により、当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末に比べて1千2百万円(0.2%)減少し、54億9千1百万円となりました。