文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、当社の社是の1番目に掲げている「誠意を貫く 信用第一主義」を基本精神とし、『「暮らしを彩り 住まいをまもる」をトータルコンセプトに、優れた製品とサービスをお客様に提供し、住生活の質的向上と充実のために貢献する』ことを経営理念としております。
この経営理念のもと、私たちは次の方針で経営に取り組んでまいります。
社会に対して・・・・安全の確保と自然環境の保全先見性を持ち、責任ある態度で臨む。
顧客に対して・・・・競合他社よりも優れた価値とサービスを提供し、永続的に高い信頼と支持を得る。
取引先に対して・・・重要なビジネスパートナーと認識し、誠意と信用第一により共に繁栄することを目指す。
株主に対して・・・・株主に信頼され、また、繁栄ある未来のために誠実で魅力的な企業を目指す。
社員に対して・・・・会社の繁栄を通じ社員の豊かな生活を実現する。
(2)経営戦略等
当社グループでは、企業価値を向上させることを重視した経営を推進しております。持続的な成長により企業価値を向上していくためには、「収益力の向上」が最重要であると考えており、その実現に向けて、特に下記の4点に注力してまいります。
① 当社の関わっている事業領域(Do it yourself市場)では、当社にとっての製品が、お客様にとっては顧客満足を得るための一つの手段であって最終商品ではありません。トップメーカーとして、お客様に満足していただける製品づくりだけでなく、技術的なサポート、製品活用事例や楽しさの紹介等の情報提供を通して、顧客満足度の向上に資するためのお客様支援の体制を引き続き整備、強化してまいります。
② 製品開発にあたっては、使用されるお客様のニーズを的確にとらえ、「安心」「安全」はもとより、「簡単」「きれい」「便利」「楽しい」の要望に応えた新製品を競合他社に先駆けて開発、上市してまいります。
③ グループ会社との連携強化により、物流や事務処理の効率化、原材料や仕入品の調達コストの削減等、全体コストの引き下げを推進してまいります。
④ 将来に向けた次なる事業の柱を確立すべく、新規事業への取り組みにも力をいれてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおいて、収益力の向上が企業価値の向上に極めて重要との認識に加え、各部門やグループ各社にとってわかりやすく共有しやすいとの考えから、売上高及び経常利益を目標とする経営指標として設定しております。
(4)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境といたしましては、不透明な世界情勢のもと、競合他社との競争激化、主な販売先であるホームセンター業界の統廃合、原材料価格や物流費の高騰のほか、少子高齢社会など、依然として厳しい状況で推移しております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループでは、厳しい経営環境のもと、中長期的な経営戦略に則り、以下のことに重点的に取り組んでまいります。
① 収益力の向上
常に新たな発想と創意工夫により、競合他社と明確に差別化した新製品の開発に努めてまいります。また、新製品の拡販に注力するとともに、従来の枠を超えた新規販売先の開拓と店内シェアの拡大に向けて営業力の強化をはかってまいります。
② 新規事業への取り組み
新規事業については、今まで培ってきた技術を拡大発展させることのみならず、様々な方面で検討しており、今後も実現に向けて努力してまいります。
③ グループ経営の強化とコスト削減
当社を核としたグループ会社の連携強化により、情報システムの共有化や事務の効率化、また物流システムの集約化等、経営効率の向上に努めてまいりました。今後もこれらインフラをさらに充実させるとともに、原材料や仕入品の調達コストの削減等、全体コストの引き下げを推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)原材料価格の変動による影響
当社グループの使用する主要原材料は顔料、石油化学製品及び容器包装類であります。これら原材料の市場価格は、原油・ナフサ及び原料鉱石等の価格の影響を受けることがあり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替相場の変動による影響
当社グループの取扱商品には海外からの輸入商品が含まれており、為替変動の影響を受けております。このため、適時為替予約取引を行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)天候不順による影響
当社グループの取扱商品のうち、家庭用塗料や園芸用品は、季節の移り変り及び天候の良し悪しによって需要に大きな影響を受けます。このため、需要期における天候不順等環境条件によっては、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)自然災害による影響
大規模な地震等の自然災害による生産設備の損壊や道路等のインフラの混乱等により、製品の製造、運搬及び販売が影響を受ける可能性があります。その被災規模によっては、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出関連を中心に企業の業績が堅調であることなどに支えられ、雇用環境が改善するなど緩やかな回復基調が続く一方、英国のEU離脱や米中貿易摩擦を巡る影響など不透明感を拭えない状況で推移いたしました。
当社グループを取り巻く経営環境といたしましては、日用生活関連商品に対する根強い低価格志向が続くなかで、企業間の価格競争が激しく、依然として厳しい状況が継続いたしました。
このような状況のもと、当社グループでは、新製品の投入、販路の拡大、各種メディアを利用しての販売促進など、積極的な営業活動を展開いたしました。その結果、上期は台風、豪雨など悪天候の影響を受けたものの、秋には天候に恵まれたこともあって、当連結会計年度の売上高は134億3千8百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益6億2百万円(前年同期比0.2%増)、経常利益7億1千1百万円(前年同期比3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億1千6百万円(前年同期比1.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
塗料事業では、主力である家庭用塗料の売上が秋の需要期に堅調に推移したこと等から、売上高79億1千5百万円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益5億1千3百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
DIY用品事業では、売上高は前期並みの53億7千8百万円(前年同期比0.7%増)となりましたが、セグメント利益は園芸用品における物流費高騰の影響を受けて5千8百万円(前年同期比1.1%減)となりました。
その他は、売上高1億4千4百万円(前年同期比1.1%減)、セグメント利益は3千2百万円(前年同期比8.9%減)となりました。
財政状態は、次のとおりです。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1億7千9百万円減少し、187億7千8百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少3億1千9百万円、有価証券の減少2億円、受取手形及び売掛金の増加9千9百万円、投資有価証券の増加2億2千3百万円等によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて2億7千2百万円減少し、62億6千5百万円となりました。これは主に、未払法人税等の減少5千7百万円、役員退職慰労引当金の減少1億7千3百万円、資産除去債務の減少3千5百万円及び繰延税金負債の増加7千2百万円等によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて9千3百万円増加し、125億1千2百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加2億7千8百万円及び自己株式の増加2億1千7百万円等によるものです。これにより自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて1.1ポイント上昇し、66.6%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比較して3億1千9百万円減少し、43億5千6百万円(前年同期比6.8%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は3億9千6百万円(前年同期比25.2%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益7億5千2百万円及び減価償却費2億2千4百万円等の収入に対して、役員退職慰労引当金の減少額1億7千3百万円、受取利息及び受取配当金8千9百万円、売上債権の増加額9千9百万円及び法人税等の支払額2億2千万円等の支出によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は2億7千6百万円(前年同期比18.7%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2億4千4百万円及び投資有価証券の取得による支出3億5百万円等に対して、投資有価証券の償還による収入3億円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は4億4千5百万円(前年同期比55.3%減)となりました。これは主に、社債の償還による支出5億円、自己株式の取得による支出2億1千7百万円及び配当金の支払額2億3千7百万円等に対して、社債の発行による収入4億9千8百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
塗料事業(千円) |
5,771,016 |
99.4 |
|
DIY用品事業(千円) |
10,168 |
106.3 |
|
報告セグメント計(千円) |
5,781,184 |
99.4 |
|
その他(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
5,781,184 |
99.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
上記のほかに、外注生産され製品、商品として仕入れたものは次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
塗料事業(千円) |
2,247,333 |
107.5 |
|
DIY用品事業(千円) |
5,371,373 |
102.5 |
|
報告セグメント計(千円) |
7,618,707 |
103.9 |
|
その他(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
7,618,707 |
103.9 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは主として見込生産によっており、受注及び受注残高については特に記載すべき事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
塗料事業(千円) |
7,915,769 |
101.4 |
|
DIY用品事業(千円) |
5,378,606 |
100.7 |
|
報告セグメント計(千円) |
13,294,376 |
101.1 |
|
その他(千円) |
144,372 |
98.9 |
|
合計(千円) |
13,438,749 |
101.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
コーナン商事株式会社 |
1,777,030 |
13.4 |
1,684,509 |
12.5 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の計上等について、必要に応じて会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、合理的かつ継続して評価を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、上期が台風や豪雨災害など悪天候の影響を受け減収減益でありましたが、下期では天候に恵まれたこともあり、通期では売上高が前連結会計年度に比べて1億4千8百万円増加し134億3千8百万円(1.1%増)と増収に転じました。収益面では、原材料価格の上昇や物流費高騰等の影響により、営業利益は前連結会計年度に比べて1百万円増加の6億2百万円(0.2%増)となりました。経常利益は受取配当金の増加や支払利息等の減少等により前連結会計年度に比べて2千6百万円増加し7億1千1百万円(3.8%増)となりました。特別利益に資産除去債務履行差額3千5百万円を計上したことなどにより税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べて6千8百万円増加し7億5千2百万円(10.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて9百万円増加し5億1千6百万円(1.8%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、役員退職慰労引当金の減少1億7千3百万円、自己株式の増加2億1千7百万円及び利益剰余金の増加2億7千8百万円等により、前連結会計年度末に比べて1億7千9百万円減少し、187億7千8百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、市場の動向、原材料価格の動向、為替の動向、天候不順、自然災害等があります。
市場の動向については、消費者の節約志向のもと、企業間の価格競争が激しく、また、ホームセンター業界の統廃合など、依然として厳しい経営環境が続くものと予想されます。当社グループでは、ユーザーニーズに的確に対応した製品を提供することをモットーに、新製品の開発、販売及び競合他社との差別化による商品力の強化に努めてまいります。
原材料価格の動向については、取引先との関係強化、品質設計の技術力強化、原材料の互換化、代替品購買等によりコスト削減努力を行ってまいります。
為替の動向については、当社グループの海外取引が外貨建てで行われておりますが、為替変動リスクを最小限に抑えるため、適時適切な為替予約の実施等によるリスクヘッジに取り組んでまいります。
天候不順及び自然災害については、自らコントロールできない要因であり、特に需要期における天候不順は、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼします。これに対しては、新たな収益事業の創出などにより、経営の安定化を目指します。自然災害については、当社グループで互いに代替生産を行い、最小限の損害にとどめるよう対策を検討しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、必要な資金を安定的に確保するために、内部資金の活用及び金融機関からの借入並びに社債の発行等による調達を行っております。一方で、有利子負債の圧縮、余剰資金の有効活用にも取り組んでおります。主な資金需要といたしましては、運転資金及び既存設備の維持更新を中心とした設備資金であります。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、収益力の向上が企業価値の向上に極めて重要であると認識しており、「売上高」及び「経常利益」を目標とする経営指標に設定しております。当連結会計年度を初年度とする中期経営計画(アサヒペン150Plan)では、「経営基盤の強化と新規分野の創出」を基本方針に掲げ、売上高150億円、経常利益9億円を目標に設定しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(塗料事業)
当事業では、店頭での販売促進、店内シェアの拡大をはかるとともに、新規顧客の獲得に向け積極的な営業活動を展開いたしました。その結果、主力である家庭用塗料の売上が秋に堅調に推移したこと等から、売上高79億1千5百万円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益5億1千3百万円(前年同期比0.7%増)となりました。セグメント資産は、前連結会計年度に比べて1億1千1百万円減少し111億9千6百万円となりました。
(DIY用品事業)
当事業では、消費者ニーズに応えた新製品の投入や積極的な販売促進活動とともに、新規顧客への提案営業に注力いたしました。その結果、売上高53億7千8百万円(前年同期比0.7%増)、セグメント利益は、物流費高騰の影響を受け、5千8百万円(前年同期比1.1%減)となりました。セグメント資産は、前連結会計年度に比べて1億1千9百万円減少し51億1千9百万円となりました。
(その他)
売上高は1億4千4百万円(前年同期比1.1%減)、セグメント利益は3千2百万円(前年同期比8.9%減)となりました。セグメント資産は、前連結会計年度に比べて7千万円増加し20億3千万円となりました。
特に記載すべき事項はありません。
当社グループは、「暮らしを彩り、住まいをまもる」をトータルコンセプトに、優れた製品とサービスをお客様に提供し、住生活の質的向上と充実のために貢献することを経営理念としております。
この経営理念を具現化するため、製品開発にあたっては、ユーザーのニーズを的確にとらえ「安心」「安全」はもとより、「簡単」「きれい」「便利」「楽しい」の要望に応えた新製品を競業他社に先駆けて開発、上市することを目指しております。
また、最新の原材料情報の収集に努め、原材料の代替及び効率利用を推進するとともに、生産効率の改善にも注力するなど、コスト低減にも努力しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は214,032千円であり、各事業部門の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)塗料事業
屋内の柱や鴨居などの屋内白木の日焼け防止用として「日焼防止ニス」を1990年に上市して以来、木材の質感を損ねることなく日焼けを防止できるクリヤ塗料として好評を得ておりますが、耐水性等の性能が不十分であるため屋内用途のみの設定となっており、かねてより屋外にも使用できるクリヤ塗料が求められておりました。
この度、この要望に応えるべく「日焼防止ニス」と水性屋外用木部保護塗料類の技術を応用した「UVカット水性木部変色防止クリヤコート」を開発いたしました。
屋外の高耐候性木部保護塗料としてシリコン系の水性「ウッドエイドカラー」が好評いただいておりますが、紫外線による焼け(黄変)・降雨等による劣化リグニンの流失による灰色化という問題を抱えていました。それを補うために着色して紫外線による劣化を抑制するのが一般的でしたが、着色による木材の質感の変化を伴うなどの問題点がありました。そこで「日焼防止ニス」で培った紫外線カット技術と「ウッドエイドカラー」の耐久性・防腐・防カビ技術を融合させて高耐候性の防腐・防カビ効果のある水性アクリルシリコン系塗料の「UVカット水性木部変色防止クリヤコート」として完成しました。
これにより、屋外のヒノキ材等の白木の質感を損なうことなく長期間、変退色せずに美しい状態で保つことができますので、既存の日焼けした未塗装木部であっても白木漂白クリーナーで漂白洗浄後に塗装すればきれいな白木に仕上げることが出来ますので、DIYとして、また、業務用としても幅広くお使いいただけるようになりました。
屋内外用の水性多用途塗料は「水性ビッグ10」「水性スーパーコート」などが代表で、前者は半ツヤ、後者はツヤ有りで、ツヤ消しタイプはなく、一部の色のみの設定となっており、ツヤ消しと表示していても斜めから見るとツヤ(シーン光沢)のあるものでした。また、全ツヤ消しタイプとして屋内用の「水性インテリアカラー」がありますが、殆どが浴室用塗料などと同じような淡彩色の設定で、既存の多用途塗料のような色揃えはありませんでした。
近年、多用途塗料のツヤ消し(マット調)の需要が高まりつつあり、需要に応えるべくアクリルウレタン樹脂系の「水性多用途ペイント Matteカラー」を開発いたしました。
マット系塗料の欠点として、樹脂量が少なく、高顔料濃度設定になっているため、下地素材の状況によっては乾燥過程での下地素材の膨潤収縮によって塗膜が割れるという問題を抱えておりましたが、ガラス転移温度(Tg)が異なる数種類の樹脂の組み合わせと、光沢を低減させる種々の体質顔料粒子径の組み合わせによって下地素材の膨潤収縮によるツヤ消し塗膜の乾燥過程における応力を大幅に緩和するように調整し、下地素材を選ぶことなく、塗膜に割れを生じることがない濃彩色から淡彩色までの全ツヤ消し塗膜を得ることができるようになりました。
塗装作業性や仕上がりが良好であることはもちろんのこと、高耐候性、防カビ性、塩化ビニルカベ紙への塗装適性も備えており、多用途にお使いいただける高品質塗料です。
当事業に係る研究開発費は168,723千円であります。
(2)DIY用品事業
インテリア用品関連では、平滑床面に設置するだけで高級感あふれる木質フローリングとなる塩ビ床用基材に印刷フィルムを貼り合わせた「JOINT-LOCK」を開発いたしました。
雄雌のジョイント部を繋ぎ合わせるだけで極めて簡単に段差のない木質フローリング調の床にすることができます。撤去する際もジョイント部を外すだけで元の床の状態に戻すことができ、床暖房にも対応し、クッション材付の静音タイプも取り揃えましたので、小さなお子様がいらっしゃるご家庭や賃貸住宅、店舗などのリニューアルなどに最適です。
また、カベ紙ではデザイン性の高い柄に特化したカベ紙「D-kabegami」(のりなし、生のり加工)を上市しました。
これまでのカベ紙は淡彩色柄のものが中心でしたが、原状回復を要さないDIY賃貸住宅やSNSの普及によるインテリア情報の増加によって原色系や奇抜な色柄等の多様化が進み、これらの色柄の要望が非常に多くなっていることを踏まえ、塩化ビニル系カベ紙のビニル樹脂塗料の顔料濃度や塩ビの発泡率を工夫して巻癖の少ない施工性・デザイン性の高いカラフルな色、立体感等のある「D-kabegami」を開発いたしました。カベ紙の充実でお客様の選択肢が益々増えました。
当事業に係る研究開発費は45,309千円であります。