(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和を背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善、設備投資の持ち直しが見られるなど、景気は緩やかな回復基調にありますが、中国経済をはじめとした海外景気の減速が懸念されており、国内景気は依然として先行き不透明な状況で推移しました。
このような環境の下、当社グループは、自動車補修用市場でのシェア拡大を図るため、顧客ニーズに沿った環境対応型塗料や高機能性塗料で販路拡大を図るとともに、大型車両や工業用などの新規市場開拓や建築用塗料の受注増加に向けた積極的な営業活動を展開しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、81億11百万円(前年同期比1.3%減少)となりました。利益面につきましては、製品の統廃合や原価低減に取り組んだものの、営業利益は7億16百万円(前年同期比0.5%減少)、経常利益は8億90百万円(前年同期比2.5%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億70百万円(前年同期比6.0%増加)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①塗料事業
売上高は、80億9百万円(前年同期比1.3%減少)、営業利益6億80百万円(前年同期比0.1%減少)であります。
分野別の販売状況は、自動車補修用塗料分野で、主力の環境対応型(低VOC)ベースコート「アクロベース」の拡販を図るとともに、水性1液ベースコート塗料「アクアスDRY」ではあらたに「ベストミックス工法」を開発し、一層の使いやすさを提案するほか、大型車両用2液ウレタン樹脂塗料「ハイアートCBエコ」で新規市場ユーザーの獲得に注力しました。また、環境対応への要請が強いユーザーを中心にPRTR法届出対象外の特化則対応で、高い作業性と高外観をあわせ持った環境対応型1液ベースコート「ハイアートNext」を提案しました。また、調色作業性の向上に寄与するCCM(コンピュータカラーマッチング)機能を搭載した測色機「彩選短スマート」を発売しました。
建築用塗料分野におきましては、主力の「ネオシリカ」シリーズに加え、内装用光触媒塗料「エアフレッシュ」、タイル床面の滑り止めシステム「スキッドガードAD」、水性遮熱塗料の高日射反射率カラー舗装材「アースクールF」など熱技術を生かした製品を展開しました。内装用光触媒塗料「エアフレッシュ」は一般消費者への認知活動として、各地区販売店・組合と協同で幼稚園等のボランティア塗装への協賛や、テレビCMの放映、「YouTube」動画の配信など、新たな市場開拓や販売チャネル作りに継続して取り組んでおります。
工業用塗料につきましては、放熱塗料、断熱塗料、ハイアートCBエコの拡販に注力するとともに、引き続き個々のユーザーに対応して積極的な個別営業活動に取り組みました。
エアゾール分野におきましては、環境対応型製品の充実を図り、エアゾール製品の拡販に取り組んでまいりました結果、工業用向け補修用スプレー「エアラッカーエコ」、磁器タイル用滑り止めスプレー「ノンスリップi」が堅調に推移したほか、2液内部混合型エアースプレーの「エアーウレタン」がDIY市場において需要が増加しました。
②その他
売上高は、1億2百万円(前年同期比0.4%減少)、営業利益36百万円(前年同期比7.9%減少)であります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、定期預金の払戻15億70百万円、税金等調整前当期純利益8億90百万円、有価証券の売却及び償還5億円などの増加がありましたが、定期預金への預入16億80百万円、投資有価証券取得10億2百万円、有価証券取得5億円などがあり、全体として期首残高より3億34百万円減少し、20億55百万円(前連結会計年度末23億89百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は6億33百万円(前連結会計年度6億89百万円)となりました。
その主な要因は、増加した資金では、税金等調整前当期純利益8億90百万円などがあり、減少した資金では、法人税等の支払額3億円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は7億90百万円(前連結会計年度1億38百万円)となりました。
その主な要因は、増加した資金では、定期預金の払戻15億70百万円、有価証券の売却及び償還5億円、投資有価証券の売却及び償還3億円、保険積立金の払戻1億12百万円などがあり、減少した資金では、定期預金の預入16億80百万円、投資有価証券の取得10億2百万円、有価証券の取得5億円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は1億78百万円(前連結会計年度1億97百万円)となりました。
その主な要因は、配当金の支払額95百万円などによるものであります。
(1)生産実績
生産実績
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
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塗料事業 |
3,763,971 |
△3.2 |
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その他 |
- |
- |
|
合計 |
3,763,971 |
△3.2 |
(注)1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
商品仕入実績
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セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
塗料事業 |
1,842,517 |
2.2 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
1,842,517 |
2.2 |
(注)1 金額は仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
主として見込生産によっておりますので、受注ならびに受注残高について特に記載すべき事項はありません。
(3)販売実績
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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塗料事業 |
8,009,139 |
△1.3 |
|
その他 |
101,604 |
△0.4 |
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合計 |
8,110,743 |
△1.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、自動車補修用塗料および建築用塗料はともにメンテナンス分野に特化し、工業用塗料はユーザー個別対応により、積極的な営業活動を推進するとともに、塗料産業を「カラー産業」「コーティング産業」「機能性向上素材提供産業」と認識し、全社員が環境への問題を最優先課題として取り組んでおり、顧客のみならず社会的に受け入れられる塗料・塗装システムの開発を進めております。
塗料業界におきましては、環境関連法(大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染防止法)や、PRTR法などさまざまな法的規制の適用を受けております。このため、当社グループは、社会や業界を取り巻く法律や規制の施行に積極的に取り組んでおり、「環境方針」を定め、ISO14001等を取得するなど対応に注力しておりますが、今後も、なお一層、環境・化学物質関連の法規制対応の取り組みを強化していくことが必要です。また、製品化におきましてはこれらをクリアした環境対応製品を主力とし、新製品・新システムの開発に注力し、さらには地球環境保護を考慮した水性塗料の製品力向上に努めております。
一方、原材料につきましては、調達価格は経営環境に大きな影響を及ぼすことに加え、必要な資材の安定的な供給を確保することも取り組むべき大きな課題となっています。また、国内の塗料需要が停滞している環境においては、製品開発力を強化し、顧客起点の製品開発を推進することや、新たな市場を創造することで顧客の支持を得られるような営業活動により市場でのシェア拡大に取り組んでまいります。
1.自動車補修用塗料分野
自動車補修用塗料分野では、より一層、環境対応製品の開発水準向上の取り組みを推進いたします。主力の低VOC塗料「アクロベース」で積極的な市場シェアの拡大を図るとともに、業界に先駆けて本格的な水系塗料として投入した「アクアス」を水系塗料の柱として、下地から上塗りまでの自補修オール水性化システムとして益々の充実と安定を図ります。また、大型車両向けの「ハイアートCBエコ」で新規市場の開拓を推進するとともに、特化則対応の環境型1液ベースコート「ハイアートNext」をラインアップし、今後の市場開拓を推進いたします。
2.建築用塗料分野
環境に配慮しつつ機能性を追求した水性塗り床材や、内装用光触媒塗料「エアフレッシュ」などの高い付加価値を持った塗料の充実を図ります。また、「熱」や「ニオイ」に特化したニッチ市場向けの高機能性塗料の開発にも取り組んでまいります。
3.工業用塗料分野
顧客ニーズに的確に対応できる提案・取り組みを推進し、要求を先取りした技術・製品開発を行うとともに、調色システムの合理化等のシステム開発にも注力し、需要の開拓に取り組んでまいります。
当社グループは、中長期的な会社の重点戦略に基づき、次世代市場の獲得に全力を挙げて取り組んでまいります。また、グループの経営につきましては、社会的責任を果たすために、環境保全に積極的に取り組み、適切な企業情報の開示やコンプライアンスを一層推進するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化および内部統制の充実に全力を投入いたします。
当社グループの事業等のリスクについて、当連結会計年度末日現在において投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.原材料の調達について
当社グループの使用する原材料は石油関連製品への依存度が高く、原油・ナフサ価格等の動向が塗料原料の価格に影響を及ぼすことが懸念され、業績に多大な影響を受ける可能性があります。また、特定メーカーに依存している原材料について、そのメーカーの罹災や事故により調達が困難となった場合、当社グループの生産に影響を与え、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2.公的規制について
塗料業界におきましては、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染防止法などの環境関連法や、毒物劇物取締法、廃掃法、PRTR法などさまざまな法的規制の適用を受けております。当社グループは、社会や業界を取り巻く法律や規制の施行に積極的に取り組むため、「環境方針」を定め、ISO14001等を取得するなど対応に注力していますが、今後、新たな法規制の施行や強化などにより、販売活動の制限や法対応への費用増加などが当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
3.新製品の開発に対するもの
当社グループは、多様化・高機能化する市場ニーズに対応できる新製品および塗装システムの開発を行なっておりますが、製品開発や販売政策の展開が適正な時期に行なわれなかった場合、将来の成長と収益性が低下し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
4.災害に対するもの
危険物を取扱う工場として災害からの安全を確保するために法的な規制を遵守し、災害を未然に防止する対応をとり、万一の災害に対しては火災保険等を付保していますが、当社グループの生産拠点は滋賀工場(滋賀県草津市)のみのため、当工場が地震等の災害に罹災するなどで生産困難となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
5.製造物責任について
当社グループは厳正な品質管理基準に基づき製品を製造しておりますが、万一、製品に欠陥が発生した場合に備えて保険に加入しています。しかし、予期せぬ事情で大規模な製品の欠陥による損失が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
6.ITリスク
当社グループは多数の情報システムを運用しており、権限責任の適切な配分、チェック体制の確立、また、外部からの進入に対する方策などを講じておりますが、情報の消失、情報の漏洩、回線障害、コンピュータやシステム障害、ウィルスによる障害等の影響を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、当社技術部を中心に、塗料、塗装及び塗装システムを含めた各用途分野にわたり長期的な基礎研究を行うとともに、営業企画部も加え、多様化・高機能化する市場ニーズ及び環境保護を目的とした環境対応型塗料の開発に取り組んでおります。当連結会計年度における研究開発費は1億52百万円であります。
なお、当連結会計年度の主な研究開発活動は次の通りであります。
(1)自動車補修用塗料分野
上塗り関係では、揮発性有機化合物(VOC)を大幅に削減した、主力の1液型上塗り塗料の市場拡大を図りつつ、優れた環境機能を持つ水性塗料の更なる開発・研究を進め、トータル的に使い易く、より環境負荷低減を実現出来る製品開発に取り組みました。
下地関係では、新製品を含め顧客から高い評価を得ておりますが、更なる技術開発に注力し、より顧客満足度の高い製品を提供出来るよう研究開発に取り組みました。
(2)建築用塗料分野
環境対応型塗料を重点商品とし更なる研究開発を行い、水系、弱溶剤系、室内環境対応水系などの環境型高機能性塗料の一層の充実に取り組みました。
また、タイル床面の滑り止めシステムや磁器タイルの美装に漏水防止性を付与した磁器タイル壁面改修システムの開発を進めるとともに、消臭・抗菌等に特徴がある内装用光触媒塗料に加え、遮熱塗料として高日射反射率カラー舗装材・ガラス用遮熱コーティング材など「熱」「ニオイ」に特化し、高い技術力を生かした高機能性塗料の充実にも注力しました。
(3)工業用塗料分野
個々のユーザーに対応して積極的な個別営業活動に対応する技術指導・開発に積極的に取り組みました。また、従来の溶剤系塗料の無鉛化を積極的に推進するとともに、工業用分野における水性化へのシフトに取り組みました。
エアゾール製品におきましても、環境対応型スプレーの充実を図るとともに、磁器タイル用滑り止めスプレー、万能型1液密着プライマースプレーなどのエアゾール製品の充実に取り組みました。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。なお、この連結財務諸表作成に当たりましては、引当金の計上など一部に将来の見積りに基づいているものがありますが、これらの見積りは当社グループにおける過去の実績等を勘案し、「退職給付に関する会計基準」「税効果会計に係る会計基準」「金融商品に関する会計基準」などに準拠しております。
(2)経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。これは主として次のような要因によるものと考えております。
当社の主力事業の自動車補修用塗料分野の国内市場が停滞している環境において、環境保全の法規制などにより、塗料の低溶剤化・水性化を推進することが不可欠となるなど、事業環境は厳しい状況が続いております。そうした環境のもと、積極的な営業活動を展開いたしました結果、売上高は前連結会計年度比1.3%減少の81億11百万円となりました。
また、製品の統廃合や原価低減に取り組んだものの、営業利益は前連結会計年度比0.5%減少の7億16百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比6.0%増加の5億70百万円となりました。
(3)財政状態の分析
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ2億16百万円増加して169億15百万円となりました。
資産の増加の主なものは、長期預金5億80百万円、投資有価証券5億円、商品及び製品1億5百万円、有価証券1億円、減少の主なものは現金及び預金8億5百万円であります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ2億8百万円減少して36億13百万円となりました。
負債の増加の主なものは、電子記録債務10億64百万円、減少の主なものは支払手形及び買掛金10億90百万円であります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4億24百万円増加して133億1百万円となりました。
増加の主なものは利益剰余金が4億74百万円であります。
以上の結果、自己資本比率は1.5ポイント上がり、76.7%となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億34百万円減少し、20億55百万円(前連結会計年度末23億89百万円)となりました。
営業活動による資金の増加は、6億33百万円となりました。
投資活動による資金の減少は、7億90百万円となりました。
財務活動による資金の減少は、1億78百万円となりました。
なお、詳細は「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。