第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、塗料・交通安全の領域において「独創性に溢れた発想」と「高度な複合化技術」によって開発した製品と関連するサービスを提供することにより「安全かつ快適な住環境・屋外環境」を実現し、「生活者との信頼関係」を築くことで「社会に貢献すること」を経営の基本方針としています。

また、塗料販売事業と施工事業において、床用・屋根用・防水用などの建築用塗料、DIY用・ホームケア商品などの家庭用塗料、路面標示材などの道路用塗料と施工機械、これらに関するサービスを提供し、それぞれの分野でナンバーワン・オンリーワンを目指しています。

 

(2) 目標とする経営指標

ROE、ROA等の指標を重要な経営指標と認識していますが、収益を伴った着実な成長を目指した経営活動を実践していくため、売上高と営業利益を当社グループの基本的な経営指標としています。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、原油・金融などの世界市場のフェーズは不安定さを増大しており、さらに米中関係の悪化など世界経済の動向は予断を許さない状況となってきています。新型コロナウイルスは人々の生活様式にも変化をもたらし、これまで前提としてきた考え方や行動が用をなさないほどの状況となってきています。当社では従業員とその家族の健康と生活を守り、ステークホルダーの皆様を始めとする社会を守ることを念頭に、現況を直視・理解し、種々の施策を具現化・実行していきます。

第74期よりスタートする第13次三ヶ年計画では、創業以来の経営理念である「市場を絞り込み、その市場でナンバーワン・オンリーワンになること」と「顧客志向の徹底」を進め、変化する社会や人々の暮らしにとって「価値ある製品とサービス」を提供することに努めていきます。

また、事業継続体制(BCP)の深化、社会的責任(SDGs/ESG)の履行により、万全な経営基盤を構築し、企業価値の向上を図っていきます。また、工場のリニューアルではIndustry4.0Society5.0)を取り入れ、これから求められる工場(Smart Factory)を構築していきます。

これらを実現するために、今期より執行役員制度を導入し、業務執行の責任を明確化することにより、経営判断の迅速性・機動性の向上を図ると同時に次期経営幹部の育成と意識向上、さらには新体制を充分に機能させるべく部門部署の新設・再編を行い、企業活力の向上を目指していきます。

 

(4) 対処すべき課題

① 事業ポートフォリオ最適化による収益基盤の再構築

② 人材の強化(採用、育成、多様化への対応)

③ 社会の課題解決と新しい価値創造に向けた研究開発の強化 

④ BCP体制の強化

⑤ 工場の生産性向上、リニューアル

⑥ SDGs、ESGへの取り組みと企業価値向上

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。当該リスクが顕在化する可能性、時期、顕在化した際の当社グループに与える影響については、合理的に算出することが困難なため記載していません。これらのリスクを認識した上で、発生の回避、影響を最小限にするよう、情報収集、訓練、環境等対策を行っています。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)事業等の変動要因について

当社グループの経営成績は、設備投資や個人消費の動向及び政府・自治体の交通安全対策の実施状況ならびに石油系を主とする原材料価格や為替変動、株式市況等の影響を受ける可能性があります。

(2)原材料の価格及び調達について

当社グループの主要な原材料の多くは石油関連製品であり、原油・ナフサ価格の動向により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料の調達について、安定供給ができるよう体制を整えていますが、海外情勢、仕入先メーカーの事故等により調達が困難になる場合は、生産に大きな影響を受けるため当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 法的規制について

当社グループの事業に関係する法規制には、環境、化学物質、安全衛生などがあり各法規制の強化が進んでおります。当社グループは、コンプライアンスの徹底を図りながら、これらの法規制を遵守し各事業活動を行っております。しかしながら、法令の大幅な変更や規制強化が行われた場合は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 事業継続について

①工場の火災、爆発事故について

当社グループは、危険物及び化学薬品を取扱っており、事故発生の防止として安全体制の強化を徹底しておりますが、万が一大規模な火災事故、爆発事故が発生した場合、一時的に操業を停止するなど、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。

②自然災害について

大規模な自然災害(大地震、大雨、洪水など)が数多く発生している昨今、工場の被害、停電など活動の中断事象が発生するだけではなく、原材料、部品の調達先での被害発生により影響を受ける可能性も高まってきています。当社グループでは、これらに対する被害・損害を最小限にするための防災、減災対策、社員の安全確保、システムのバックアップ、製品の安定供給を行うために事業継続計画(BCP)を策定しています。各事象に対応するために社員教育、防災訓練等を行い事業の継続を目指しています。しかしながら、被害状況によっては、正常な事業活動の継続が困難となり、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

③新型感染症感染拡大について

当社グループでは、新型感染症等の感染拡大に伴い、正しく情報を収集し、感染予防や拡大防止に対して一早く適切な社内体制を構築しています。しかしながら感染症が拡大した場合、一時的に操業を停止するなど当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。

(5)ITリスク

当社グループは、ITを活用し事業を効率的に進めるために、多くの情報、システムを運用しています。これらを安全に運用するために権限責任の明確化、チェック体制、外部からの侵入対策、社員教育など情報セキュリティーの強化を図っています。しかしながら、サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失により、情報の漏洩、消失、各種障害等の影響を受け、事業活動が一時的に中断する可能性があります。

(6)製造物責任について

当社グループは、品質管理規程に基づき製品の製造を行っていますが、製品に欠陥が生じた場合に備え賠償保険に加入しています。しかし、想定外の大規模な製品欠陥の場合、多額の費用及び当社グループの信頼の低下等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が進み、緩やかな回復基調で推移しましたが、相次ぎ発生した台風・集中豪雨による影響、消費税増税による個人消費の低迷に加え、2020年に入ってから新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりにより経済活動が抑制され、経営環境は厳しい状況が続きました。
 このような状況のもと、当社グループは第12次3ヶ年計画の最終年度である当期において、その目標を達成するべく、環境対応製品の拡販、顧客視点に立った製品開発、原材料をはじめとする生産コストの削減、新たなマーケティング活動を行うとともに、固定観念を打破した新たな需要を生むべく努めてきました。
 この結果、当連結会計年度の経営成績は売上高105億18百万円(前連結会計年度比1.9%増)、営業利益4億15百万円(同48.3%増)、経常利益4億40百万円(同46.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2億82百万円(同53.5%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりです。

 塗料販売事業

道路用塗料は、上期は官公庁等の道路工事の発注が順調に推移、下期においては台風や天候不順の影響もあり伸び悩みましたが、東京オリンピック・パラリンピック関連の需要もあり、主に路面標示用塗料と視覚障がい者誘導用シートの売上が伸び前年を上回りました。
 建築用・床用塗料においては、建築用・床用とも環境対応型の水性塗料については前年を若干上回りましたが、顧客である製造業の設備投資が低迷している上に、新型コロナウイルスの影響で年度末の売上が伸びず前年を下回りました。家庭用塗料においては、インターネット通販は順調に推移していますが、ホームセンター分野での売上が改善できず前年を下回りました。水性アクリルゴム系塗膜防水材(アトムレイズ)は、大型案件を受注できたことにより前年を上回りました。
 この結果、当連結会計年度の塗料販売事業の売上高は前年に比べて2億27百万円増加し、97億21百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。

 

 施工事業

子会社アトムテクノスで、年度末に橋梁補修工事が完了したことにより売上計上をしましたが、企業の設備投資の低迷により床材工事の受注が減少したため前年を下回りました。

この結果、当連結会計年度の施工事業の売上高は、前年と比べて29百万円減少し、7億96百万円(前連結会計年度比3.6%減)となりました。

 

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて19百万円増加し、142億31百万円となりました。

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1億7百万円減少し、43億75百万円となりました。

当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べて1億27百万円増加し、98億56百万円となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、27億56百万円と前年同期と比べ30百万円の増加となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、得られた資金は7億17百万円(前連結会計年度は5億円獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益で4億39百万円、減価償却費で3億33百万円増加したことによるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、使用した資金は4億3百万円(前連結会計年度は2億74百万円使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により3億5百万円、無形固定資産の取得により97百万円支出したことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、使用した資金は2億83百万円(前連結会計年度は3億79百万円使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出で1億45百万円、配当金の支払額で96百万円支出したことによるものです。

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

塗料販売事業

8,568,842

102.0

施工事業

881,728

111.3

合計

9,450,570

102.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。

2 生産実績は販売価額で表示しています。

3 金額には、消費税等は含まれていません。

4 上記生産実績のほかに次のとおり製品の仕入を行っています。

  なお、金額は仕入価額によっており、消費税等は含まれていません。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

塗料販売事業

632,388

96.7

合計

632,388

96.7

 

 

b. 受注実績

当社グループの製品は、主として見込生産を行っています。

なお、当連結会計年度における施工事業の受注実績を示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

施工事業

942,393

77.2

997,120

119.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。

2 金額には、消費税等は含まれていません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

塗料販売事業

9,721,851

102.4

施工事業

796,403

96.4

合計

10,518,255

101.9

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。

2 金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態

当連結会計年度における資産合計は、前連結会計年度末に比べて19百万円増加し、14231百万円となりました。この要因となった状況は次のとおりです。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1億37百万円増加し、86億45百万円となりました。これは主に、現金及び預金で30百万円、受取手形及び売掛金で39百万円、仕掛品で64百万円増加したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて1億17百万円減少し、5586百万円となりました。これは主に、投資有価証券で91百万円、繰延税金資産で31百万円減少したことによるものです。

また、負債及び純資産の状況は次のとおりです。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて11百万円減少し、3629百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金で55百万円、賞与引当金で37百万円増加したものの、電子記録債務で55百万円、短期借入金で34百万円、その他で26百万円減少したことによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて96百万円減少し、7億45百万円となりました。これは主に、長期借入金で1億11百万円減少したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べて1億27百万円増加し、9856百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金で64百万円減少したものの、利益剰余金で1億86百万円増加したことによるものです。

 

上記内容から、流動資産の増加及び借入金の返済により、自己資本比率は前連結会計年度末と比べて0.8ポイント増加し69.3%、流動比率も4.5ポイント増加し238.2%となり安全性が高まっています。

また、当座比率も高いため、新型コロナウイルス感染症拡大により経営状況が悪化したとしても当面の間の資金繰りには問題はないと判断しています。

 

経営成績

(売上高)

  当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べて1億97百万円増加し、10518百万円となりました。

(営業利益) 

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べて1億35百万円増加し、4億15百万円となり、売上高営業利益率が1.2ポイント増加し4.0%となりました。

これは、コスト削減により、売上高原価率が前連結会計年度と比べて、0.8ポイント減少、販売費及び一般管理費の運賃及び賞与引当金は増加しましたが、それ以外の費用を抑えられたことにより、売上高販管費率が前連結会計年度と比べて0.4ポイント減少したことが主な要因です。

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べて1億39百万円増加し、4億40百万円となり、売上高経常利益率が1.2ポイント増加し4.2%となりました。

これは、受取保険金が前連結会計年度より3百万円増加したこと、借入金の返済により支払利息が減少したことが主な要因です。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べて98百万円増加し、2億82百万円となり、売上高親会社株主に帰属する当期純利益率が0.9ポイント増加し2.7%となりました。

 

当社グループの経営戦略は、[事業の状況]の[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](3)「中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおりです。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料の購入費用、生産設備の維持更新費用、研究開発活動費用及び広告宣伝費用です。これらの短期及び長期的な必要資金は自己資金や金融機関からの借入金を中心とし、金融商品等での運用や投機的な取引を行わないことを基本としています。資金の流動性については、事業計画、投資計画に応じた現金及び預金残高の確保と必要に応じて外部資金の調達を行うことにより維持していきます。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。連結財務諸表の作成に当たり重要な会計方針につきましては「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

また、引当金、繰延税金資産の計上等の会計上の見積りを要する項目に関して、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法により見積り及び判断を行い、その結果を反映して連結財務諸表を作成していますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため異なる場合があります・

なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](追加情報) (新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについて)」に記載しています。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術援助

 

契約会社名

相手先

国名

契約の内容

契約期間

対価

当社

ハイアップ・ホン社

タイ

溶融型道路用塗料の製造技術並びに販売実施権の供与

2018年3月1日から
2023年2月28日まで

生産量の一定率

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは「安全かつ快適な住環境・屋外環境の実現」と「生活者との信頼関係構築」を基本方針として、道路用・建築用・家庭用の分野における塗料と道路用塗料の施工機に関する研究開発を行っています。

当連結会計年度における研究開発費の総額は187百万円であり、セグメントごとの主な研究開発活動の状況は次のとおりです。

 

(1) 塗料販売事業

道路用塗料では「交通安全」「道路とその周辺環境の美化」をコンセプトに、主に通学路の安全対策や視覚障がい者などの交通弱者対策、遮熱対策などの機能製品や施工機の研究開発に取り組んでまいりました。建築用塗料では「建物と屋外施設の保護、保全」をコンセプトに、床、屋根、防水材の新製品開発と性能向上に取り組んでまいりました。このほか、家庭用では「快適な住まいと暮らしのお手伝い」をコンセプトに、DIY塗料やホームケア製品の開発に取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度において、塗料販売事業に投入しました研究開発費の合計は187百万円となりました。

 

(2) 施工事業

当連結会計年度においては、施工事業に係る研究開発活動を行っていません。