第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、塗料・交通安全の領域において「独創性に溢れた発想」と「高度な複合化技術」によって開発した製品と関連するサービスを提供することにより「安全かつ快適な住環境・屋外環境」を実現し、「生活者との信頼関係」を築くことで「社会に貢献すること」を経営の基本方針としています。
また、塗料販売事業と施工事業において、床用・屋根用・防水用などの建築用塗料、DIY用・ホームケア商品などの家庭用塗料、路面標示材などの道路用塗料と施工機械、これらに関するサービスを提供し、それぞれの分野でナンバーワン・オンリーワンを目指しています。

 

(2) 目標とする経営指標

ROE、ROA等の指標を重要な経営指標と認識していますが、収益を伴った着実な成長を目指した経営活動を実践していくため、売上高と営業利益を当社グループの基本的な経営指標としています。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

原材料価格の動向、輸送コストの増加懸念等、当社グループを取り巻く塗料業界は依然として厳しい状況にあります。このような環境に対処すべく、第71期よりスタートしました第12次3ヶ年計画において、経営理念である「市場を絞り込み、その市場でナンバーワン・オンリーワンになること」を再認識し、全社員に顧客志向を徹底していきます。また、人材育成と各事業の深化をはかり企業体質を強化するため資源の有効投資を行い、「目指すべき目標」とそのための「あるべき姿」(マイルストーン)を明確にして、新たな製品・事業・ビジネスモデルの企画と開発を進めていきます。また、第72期に新設したレイズ事業部により防水市場のシェアアップを図るとともに、各工場の体制を見直し競争力のある工場にしていきます。

 

(4) 対処すべき課題

① 新規事業 レイズ事業部の運営

② 新製品、新市場、新分野の開発

③ アトムサーベイシステムによる販路拡大 

④ 加須工場リニューアルを含めた原価システムの見直し

⑤ インフラ補修市場及び防水市場の拡大

⑥ 人材育成

⑦ 事業継続計画の継続策定

⑧ 各種経費節減(原価・物流コスト他)

⑨ 原材料の安定調達

⑩ 社会的責任の履行(法令遵守、環境負荷の低減)

 

 

2 【事業等のリスク】

(1)事業等の変動要因について

当社グループの経営成績は、設備投資や個人消費の動向及び政府・自治体の交通安全対策の実施状況ならびに石油系を主とする原材料価格や為替変動、株式市況等の影響を受ける可能性があります。

(2)原材料の価格及び調達について

当社グループの主要な原材料の多くは石油関連製品であり、原油・ナフサ価格の動向により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料の調達について、安定供給ができるよう体制を整えていますが、海外情勢、仕入先メーカーの事故等により調達が困難になる場合は、生産に大きな影響を受けるため当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 法的規制について

塗料販売事業では有機溶剤をはじめとする化学物質を取り扱う関係から、環境関連の法律による規制強化の進捗の影響を受ける可能性があります。

(4) 事業継続について

当社グループは、災害時における事業継続計画(BCP)の策定を行っています。社員安否確認システムの整備、システムのバックアップ対応、製品の安定供給対応、防災訓練等を行い事業の継続を目指しています。しかしながら、被害状況によっては正常な事業活動の継続が困難となり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 

(5)ITリスク

当社グループは多くの情報システムを運用しているため、情報の漏洩、消失、各種障害等の影響を受ける可能性があります。

(6)製造物責任について

当社グループは、品質管理規程に基づき製品の製造を行っていますが、製品に欠陥が生じた場合に備え賠償保険に加入しています。しかし、想定外の大規模な製品欠陥の場合、多額の費用及び当社グループの信頼の低下等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得改善に支えられ、緩やかな回復基調で推移しました。しかし、長期化する米中の通商問題、中国における環境規制の強化による各種原材料供給不安と価格の高騰、輸送コストの上昇等、経営環境は厳しい状況が続きました。

このような状況のもと、当社グループは「環境対策」「安全・安心」をキーワードに、環境対策製品や他社と差別化できるオンリーワンの製品及び工法の開発をスピード感をもって行うと共に、「競争力のある工場」を目指し各工場の運営体制の見直しによる原価低減にも努めてきました。輸送コストの上昇分について、下期より一部の運賃改定を実施させていただきました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は売上高103億21百万円(前連結会計年度比7.7%減)、営業利益2億80百万円(同51.6%減)、経常利益3億1百万円(同49.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億84百万円(同62.7%減)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりです。

① 塗料販売事業

道路用塗料は、視覚障がい者誘導用シートが順調に推移したものの、路面標示用塗料では標準施工単価の上昇、車道に併設する自転車道の仕様変更により材料使用量が減少したこと、上期の西日本災害等による工事発注の遅れが年度末までに回復しなかったことにより前年を大幅に下回りました。床用塗料は、「フロアトップアクア フォルティス」をはじめとする水性製品や、より安全性が高い製品が伸長し前年を若干上回りました。建築用塗料は、戸建ては順調に推移しましたが、工場関連の案件が取れず前年を下回りました。家庭用塗料においては、主要なホームセンターへの販売が伸びず前年を下回りました。また、今期より発足したレイズ事業部では,主力のアトムレイズ製品関連の案件を順調に受注することができ当初計画を達成しました。

この結果、当連結会計年度の塗料販売事業の売上高は前年に比べて5億49百万円減少し、94億94百万円(前連結会計年度比5.5%減)となりました。

 

② 施工事業

工事案件の大型化に伴い、工期の長期化と受注価格の増大が進み、その売上計上によって年度ごとの増減が大きくなっています。年度末における官公庁の工事発注量が少なかったこと及び前連結会計年度末において、道路施設の剥落対策及び橋梁補修工事が完工し、その売上計上をしているため前年を下回っています。
 その結果、当連結会計年度の施工事業の売上高は、前年と比べて3億8百万円減少し、8億26百万円(前連結会計年度比27.2%減)となりました。

 

(2) 財政状態

① 資産、負債及び純資産

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて4億67百万円減少し、142億11百万円となりました。この要因となった流動資産、固定資産の状況は次のとおりです。 

流動資産は、前連結会計年度末に比べて3億63百万円減少し、85億8百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金2億83百万円現金及び預金1億51百万円電子記録債権22百万円減少したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて1億4百万円減少し、57億3百万円となりました。これは主に、有形固定資産で54百万円増加したものの、投資有価証券1億50百万円減少したことによるものです。

また、負債及び純資産の状況は次のとおりです。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて3億45百万円減少し、36億41百万円となりました。これは主に、未払法人税等35百万円増加したものの支払手形及び買掛金2億10百万円短期借入金1億円賞与引当金90百万円減少したことによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて1億9百万円減少し、8億41百万円となりました。これは主に、長期借入金で1億45百万円減少したことによるものです。 

純資産は、前連結会計年度末に比べて13百万円減少し、97億28百万円となりました。これは主に、利益剰余金で87百万円増加しましたが、その他有価証券評価差額金1億3百万円減少したことによるものです。

 

(3) キャッシュ・フロー

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果、得られた資金は5億円(前連結会計年度は8億70百万円獲得)となりました。これは、税金等調整前当期純利益3億1百万円、減価償却費3億28百万円、売上債権の減少3億6百万円が主な増加要因で、賞与引当金の減少90百万円、仕入債務の減少1億94百万円が主な減少要因です。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果、使用した資金は2億74百万円(前連結会計年度は5億19百万円使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により2億18百万円、無形固定資産の取得により57百万円支出したことによるものです。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果、使用した資金は3億79百万円(前連結会計年度は2億78百万円使用)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出で1億円、長期借入金の返済による支出で1億45百万円、配当金の支払額で96百万円支出したことによるものです。

これらの結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて1億51百万円減少し27億26百万円となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料の購入費用、生産設備の維持更新費用、研究開発活動費用及び広告宣伝費用です。これらの短期及び長期的な必要資金は自己資金や金融機関からの借入金を中心とし、金融商品等での運用や投機的な取引を行わないことを基本としています。資金の流動性については、事業計画、投資計画に応じた現金及び預金残高の確保と必要に応じて外部資金の調達を行うことにより維持していきます。

 

(生産、受注及び販売の実績)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

塗料販売事業

8,403,334

95.7

施工事業

792,191

80.6

合計

9,195,526

94.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。

2 生産実績は販売価額で表示しています。

3 金額には、消費税等は含まれていません。

4 上記生産実績のほかに次のとおり製品の仕入を行っています。

  なお、金額は仕入価額によっており、消費税等は含まれていません。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

塗料販売事業

653,802

88.3

合計

653,802

88.3

 

 

(2) 受注実績

当社グループの製品は、主として見込生産を行っています。

なお、当連結会計年度における施工事業の受注実績を示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

施工事業

1,220,434

136.8

834,996

199.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。

2 金額には、消費税等は含まれていません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

塗料販売事業

9,494,783

94.5

施工事業

826,292

72.8

合計

10,321,076

92.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。

2 金額には、消費税等は含まれていません。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術援助

 

契約会社名

相手先

国名

契約の内容

契約期間

対価

当社

ハイアップ・ホン社

タイ

溶融型道路用塗料の製造技術並びに販売実施権の供与

2018年3月1日から
2023年2月28日まで

生産量の一定率

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは「安全かつ快適な住環境・屋外環境の実現」と「生活者との信頼関係構築」を基本方針として、道路用・建築用・家庭用の分野における塗料と道路用塗料の施工機に関する研究開発を行っています。

当連結会計年度における研究開発費の総額は219百万円であり、セグメントごとの主な研究開発活動の状況は次のとおりです。

 

(1) 塗料販売事業

道路用塗料では「交通安全」「道路とその周辺環境の美化」をコンセプトに、主に通学路の安全対策や視覚障がい者などの交通弱者対策、遮熱対策などの機能製品や施工機の研究開発に取り組んでまいりました。建築用塗料では「建物と屋外施設の保護、保全」をコンセプトに、床、屋根、防水材の新製品開発と性能向上に取り組んでまいりました。このほか、家庭用では「快適な住まいと暮らしのお手伝い」をコンセプトに、DIY塗料やホームケア製品の開発に取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度において、塗料販売事業に投入しました研究開発費の合計は219百万円となりました。

 

(2) 施工事業

当連結会計年度においては、施工事業に係る研究開発活動を行っていません。