第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における世界経済は、米国経済においては雇用情勢や個人消費等の改善を背景に拡大基調が続いているものの、中国を始めとする新興国経済においては、中国の経済成長率の鈍化を受け景気に停滞感がみられました。

 わが国経済においては、雇用情勢や企業業績に改善がみられるものの、個人消費や設備投資が低迷するなど、依然として不透明な状況でありました。

 このような状況のもとで、当社グループは市場ニーズを先取りした独自性のある高機能性製品や環境対応型製品の開発に注力し、新規顧客の獲得に向けた営業活動を積極的に展開いたしました。また、有限会社アイシー産業が当社グループに加わったことにより、当連結会計年度の売上高は14,909百万円(前年同期比5.1%増)となりました。

 一方、利益面におきましては、原油価格の下落に伴い原油由来の原材料価格は下落したものの、円安に伴う一部原材料価格の高騰に加え、耐涂可精細化工(青島)有限公司の操業に伴う固定費の増加などの影響により、営業利益934百万円(前年同期比14.7%減)、経常利益1,057百万円(前年同期比13.5%減)、当期純利益606百万円(前年同期比18.0%減)となりました。

 

  セグメントの業績は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分変更を行っており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。(以下、「2 生産、受注及び販売の状況」及び「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても同じ。)

  ① 塗料事業

金属用塗料分野では、鋼製家具、工作機械関連を中心として需要が堅調に推移したことや、ユーザーの環境意識が高まり環境対応型塗料が伸びたことで、売上高は前年同期に比べ増加いたしました。内装建材用塗料分野では、無塗装フローリング製品の増加により、売上高は前年同期に比べ減少いたしました。外装建材用塗料分野では、大手ユーザーへの提案内容が新商品で採用されたことにより、売上高は前年同期に比べ増加いたしました。その他分野の樹脂素材分野においては、スマートフォン向けの需要が低調に推移しており、売上高は前年同期に比べ大幅に減少いたしました。

その結果、塗料事業における当連結会計年度の売上高は10,488百万円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益は970百万円(前年同期比23.2%減)となりました。

  ② ファインケミカル事業

化成品分野では、電子材料向けコーティング材の国内外の需要の低調が続いており、売上高は前年同期に比べ減少いたしました。

その結果、ファインケミカル事業における当連結会計年度の売上高は894百万円(前年同期比12.1%減)、セグメント利益は55百万円(前年同期比46.3%減)となりました。

  ③ シンナー事業

シンナー事業におきましては、有限会社アイシー産業が当社グループに加わったことと新規顧客の獲得により、売上高は前年同期に比べ大幅に増加いたしました。

その結果、シンナー事業における当連結会計年度の売上高は3,526百万円(前年同期比29.5%増)、セグメント利益は434百万円(前年同期比64.8%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より517百万円増加し、当連結会計年度末には6,001百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、1,137百万円(前年同期は788百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,162百万円、減価償却費529百万円、法人税等の還付159百万円による資金の増加と売上債権の増加302百万円、法人税等の支払327百万円による資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、368百万円(前年同期は454百万円の支出)となりました。これは主に、資金運用における定期預金の払戻、有価証券の償還、信託受益権の売却による収入2,820百万円、保険の解約による収入159百万円による資金の増加と有形固定資産の取得による支出409百万円、資金運用における定期預金の預入、有価証券及び信託受益権の取得による支出2,996百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、266百万円(前年同期は787百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支払71百万円、配当金の支払181百万円によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年11月1日

至 平成27年10月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

10,350,445

0.7

 

金属用塗料(千円)

4,571,008

2.6

 

内装建材用塗料(千円)

1,244,026

△14.7

 

外装建材用塗料(千円)

3,959,024

16.1

 

その他(千円)

576,385

△39.7

ファインケミカル事業(千円)

899,402

△10.3

シンナー事業(千円)

3,534,422

29.5

合計(千円)

14,784,269

5.5

 (注)1.金額は販売価格で表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の実績のうちには、外注生産によるものが各種類ごとに含まれております。

 

(2)受注実績

 主として見込生産によっており、受注及び受注残高について特に記載すべき事項はありません。

 

(3)販売実績

 販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年11月1日

至 平成27年10月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

10,488,046

0.4

 

金属用塗料(千円)

4,643,809

2.3

 

内装建材用塗料(千円)

1,250,424

△15.2

 

外装建材用塗料(千円)

3,979,412

15.6

 

その他(千円)

614,399

△38.0

ファインケミカル事業(千円)

894,445

△12.1

シンナー事業(千円)

3,526,833

29.5

合計(千円)

14,909,325

5.1

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成25年11月1日

至 平成26年10月31日)

当連結会計年度

(自 平成26年11月1日

至 平成27年10月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ニチハ株式会社

3,008,057

21.2

3,425,560

23.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

当社グループを取り巻く事業環境や今後の市場動向を踏まえ、対処すべき課題は、次のとおりであります。

(1) 海外展開への注力

国内人口の減少、企業の海外移転に伴い国内需要が減少する中、今後の事業拡大には海外市場への注力は不可欠であります。このため、耐涂可精細化工(青島)有限公司、NATOCO PAINT PHILIPPINES,INC.の生産体制の強化により現地での安定した製品供給を可能にし、戦略的なグローバル展開を図ってまいります。

(2) 技術・開発力の強化

製品寿命が短くなる中、独自性と高付加価値で優位性を持つ製品、市場が求める品質と価格を兼ね備えた製品を安定かつ継続的に提供するモノづくり体制を構築してまいります。

(3) 経営基盤の強化

国内、海外拠点の連携を強化し、販売戦略、経営資源、生産体制の見直しを行い、経営効率の向上を図るとともに、収益基盤の強化に向けた体制を構築してまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成27年10月31日)現在において判断したものであります。

(1) 需要業界の動向について

 当社グループの製品は、金属、機械、電機・電子、住宅を始め多分野の業界において生産財として使用されており、これらの業界の需要が低迷した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 新製品開発について

 当社グループは顧客や市場のニーズに対応した新製品・新技術の開発を行っておりますが、急激な技術の進歩、代替製品の出現等により最適な時期に最適な新製品の提供ができなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 製品・原材料価格について

 当社グループの製品市場において需要の変化、競争の激化等の要因により、販売価格が下落した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの製品の生産に使用する原材料には石化原料が多く、原油価格や為替の動向が大きく影響を与えます。市況によって原材料価格が上昇した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 法的規制について

 当社グループは国内外の事業拠点及び販売先でさまざまな法的規制の適用を受けております。これらの法的規制を遵守できなかった場合及び予期しない法律又は規制の変更が行われたとき、事業活動が制限される可能性があるとともに、法的規制を遵守するための費用が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 海外事業について

 当社グループは韓国、中国、フィリピンにおいて事業活動を行っており、人材の採用と確保の難しさ、その他経済的、社会的及び政治的混乱等のリスクが内在しております。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 為替相場の変動について

 当社グループは韓国に支店、中国、フィリピンに子会社を設置しており、外貨建ての売上、費用、資産、負債等の項目は、連結財務諸表作成のために邦貨換算しております。したがって換算時の為替相場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(7) 製造物責任について

 当社グループは、厳格な品質管理基準のもとに製品の製造を行っておりますが、製品に重大な欠陥が発生しないという絶対の保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような製品の欠陥は、多額の費用や当社グループの製品の信頼性や社会的評価に重大な影響を与えることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 大規模災害等について

 当社グループの製造拠点等の主要施設については、大規模地震を想定した防災訓練及び定期的な災害防止活動や設備点検を行っておりますが、これらの災害による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。また、国内製造拠点は愛知県に集中しており、耐震対策を進めておりますが、大規模な東海地震等が発生した場合には、甚大な損害を受け、生産活動の停止や製品供給の遅延、製造拠点の修復等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、地球・人にやさしい環境対応型製品の開発、業界でのシェア向上に向けた差別化商品の開発、更に電子材料関連分野等で要求される高度な機能を備えた高分子材料技術及び製品の開発に取り組んでおります。

 当社グループの研究開発体制につきましては、樹脂開発を根幹に分散・塗装・色彩技術の各分野にわたる長期的な基礎研究は研究所が担当しており、顧客ニーズを反映した商品企画、開発、改良が必要とされるテーマは各事業の開発部門が担当しております。

 当連結会計年度における研究開発費は867百万円であり、セグメントの状況は次のとおりであります。

①塗料事業

 金属用塗料分野では、粉体塗料の低温化、高平滑化の研究開発を進めるとともに高耐候性ポリエステル粉体の開発に取り組みました。溶剤型塗料では今春発売しました新規架橋システムの新商品「ユーノス/Eunos®」の横展開に取り組みました。

 内装建材用塗料分野では、木質感をより強く表現できる意匠の提案、ユーザーでの工程短縮、機能性塗料の提案、新規ユーザー獲得の為の塗料開発に取り組んでおります。また、海外進出する建材メーカーへの塗料、仕様の提案も継続して取り組んでおります。

 外装建材用塗料分野では、業界のニーズに沿った高耐久性低汚染塗料の開発、新規意匠仕様の提案、ユーザーにおけるトラブル防止仕様の確立に取り組んでおります。

 樹脂素材分野では、従来品の機能を更にレベルアップし、コスト競争力のある製品を中国市場に投入するとともに海外端末メーカーの求める多岐にわたる新素材に対する触感、意匠、機能を含めた新塗装仕様の確立に取り組んでおります。

 当事業に係る研究開発費は425百万円であります。

②ファインケミカル事業

化成品分野では、自動車用途へのコーティング剤の確立に取り組みました。

微粒子分野では、合成技術や表面処理技術を応用した開発品が、新規分野で品質・信頼性合格を獲得し、量産開発に取り組んでおります。

当事業に係る研究開発費は154百万円であります。

③シンナー事業

 研究開発活動は行っておりません。

④基礎研究

基礎研究は樹脂開発、分散技術、塗装技術、色彩技術の4グループの要素技術に特化され、得られた知見を塗料事業、ファインケミカル事業に提案しております。

樹脂開発では塗料用の樹脂と新規機能性ポリマーの開発、分散技術では新規分散方法の確立と色安定性の追求、塗装技術では塗装・印刷適性の追求、色彩技術では光揮材を活用した新規意匠の提案に取り組みました。

これらの要素技術は相互の連携を図るとともに、事業部とも協力し、商品の開発に取り組んでおります。

 基礎研究に係る研究開発費は287百万円であります。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で行っていますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は20,790百万円(前連結会計年度末は19,913百万円)となり877百万円増加いたしました。

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は14,018百万円(前連結会計年度末は13,091百万円)となり927百万円増加いたしました。主な要因としては、現金及び預金695百万円、受取手形及び売掛金309百万円の増加によるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は6,772百万円(前連結会計年度末は6,821百万円)となり49百万円減少いたしました。主な要因としては、有形固定資産73百万円の減少、投資その他の資産28百万円の増加によるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は4,215百万円(前連結会計年度末は3,884百万円)となり331百万円増加いたしました。主な要因としては、支払手形及び買掛金140百万円、未払法人税等245百万円の増加によるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は655百万円(前連結会計年度末は682百万円)となり26百万円減少いたしました。主な要因としては、長期借入金47百万円の減少、退職給付に係る負債39百万円の増加によるものであります

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は15,919百万円(前連結会計年度末は15,346百万円)となり573百万円増加いたしました。主な要因としては、利益剰余金366百万円、為替換算調整勘定134百万円の増加によるものです。

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度における売上高は14,909百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は934百万円(前年同期比14.7%減)、経常利益は1,057百万円(前年同期比13.5%減)、当期純利益は606百万円(前年同期比18.0%減)となりました。

(売上高)

 塗料事業における売上高は10,488百万円(前年同期比0.4%増)となりました。主な要因としては、その他の分野における樹脂素材分野でスマートフォン向けの需要が低調であったものの、金属用塗料分野ではユーザーの環境意識が高まり環境対応型塗料が伸び、外装建材用塗料分野では大手ユーザーへの提案内容が新商品で採用されたことによるものであります。

 ファインケミカル事業における売上高は894百万円(前年同期比12.1%減)となりました。主な要因としては、化成品分野で電子材料向けコーティング材の国内外の需要の低調が続いたことによるものであります。

 シンナー事業における売上高は3,526百万円(前年同期比29.5%増)となりました。主な要因としては、有限会社アイシー産業が当社グループに加わったことと新規顧客の獲得によるものです。

 この結果、当連結会計年度における売上高は14,909百万円(前年同期比5.1%増)となりました。

(営業利益)

 売上原価は11,373百万円(前年同期比6.7%増)、売上原価率は76.3%(前連結会計年度末は75.1%)となりました。主な要因としては、円安に伴う原材料価格の高騰や、耐涂可精細化工(青島)有限公司の操業に伴う固定費の増加によるものです。また、販売費及び一般管理費は2,600百万円(前年同期比6.8%増)となりました。

 この結果、当連結会計年度における営業利益は934百万円(前年同期比14.7%減)となりました。

(経常利益)

 営業外収益は140百万円(前年同期比9.8%減)となりました。主な内容としては、為替差益70百万円であります。

 営業外費用は17百万円(前年同期比39.3%減)となりました。主な内容としては、売上割引10百万円であります。

 この結果、当連結会計年度における経常利益は1,057百万円(前年同期比13.5%減)となりました。

(当期純利益)

 特別利益は147百万円(前年同期比101.6%増)となりました。主な内容としては、保険解約返戻金138百万円であります。

 特別損失は42百万円(前年同期比377.8%増)となりました。主な内容としては、固定資産処分損23百万円と固定資産の減損損失19百万円であります。

 この結果、当連結会計年度における当期純利益は606百万円(前年同期比18.0%減)となりました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①流動性と資金の源泉

 当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は6,001百万円となり、前連結会計年度と比較して517百万円増加しております。なお、当連結会計年度において411百万円の設備投資を実施しており、資金の調達につきましては、全額自己資金によっております。

②キャッシュ・フロー

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。