当第3四半期における、経営上の重要な契約等の締結等は次のとおりであります。
(1)技術導出
該当事項はありません。
(2)共同研究
該当事項はありません。
(3)技術導入
当第3四半期に締結した契約
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 技術の内容 | 対価の支払 | 契約期間 |
| コア・ファーマシューティカル・ディベロップメント社 | アメリカ | 免疫調整薬に関する技術 | 契約一時金 | 2015年12月3日~ |
(4)クロスライセンス
該当事項はありません。
(5)販売契約
該当事項はありません。
(6)その他
当第3四半期に締結した契約
契約会社名 | 相手先 | 国名 | 契約内容 | 締結年月 | 契約対象の 取引の実行年月 |
| テバ・ホールディングス㈱、テバ製薬㈱ | 日本 | 合弁会社設立に関する基本合意(注) | 2015.11 | 2016年4月以降に合弁会社発足予定 |
| アストラゼネカ社 | スウェーデン | 呼吸器系疾患領域ポートフォリオの売却 | 2015.12 | 2016年3月末までに完了予定 |
(注)詳細は、「第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記 15 追加情報」をご参照ください。
(1) 業績の状況
当第3四半期累計の連結業績は、以下のとおりとなりました。
売上収益 | 13,933億円 | [対前年同期 | 533億円 | ( 4.0%) | 増] |
研究開発費 | 2,539億円 | [ 〃 | 47億円 | ( 1.9%) | 増] |
営業利益 | 1,675億円 | [ 〃 | 316億円 | ( 15.9%) | 減] |
税引前四半期利益 | 1,546億円 | [ 〃 | 330億円 | ( 17.6%) | 減] |
四半期利益 | 1,136億円 | [ 〃 | 339億円 | ( 42.5%) | 増] |
EPS | 144円94銭 | [ 〃 | 43円56銭 | ( 43.0%) | 増] |
〔売上収益〕
前年同期から533億円(4.0%)増収の13,933億円となりました。
・2014年6月に欧米で販売を開始した潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」の売上が好調であり、米国では多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」、逆流性食道炎治療剤「デクスラント」、大うつ病治療剤「ブリンテリックス」も伸長しました。悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」は、当社が販売権を有する国内、欧州、新興国において順調に売上が伸長しております。国内では高血圧症治療剤「アジルバ」や高脂血症治療剤「ロトリガ」の売上が前年同期から大幅に伸長した一方、高血圧症治療剤カンデサルタン(国内製品名:「ブロプレス」)をはじめとした大型製品の後発品浸透による減収要因もありました。
また、為替の円安影響による増収効果が198億円あり、全体では533億円の増収となりました。
医療用医薬品の主要品目の売上収益は下記のとおりです。
多発性骨髄腫治療剤 | 1,265億円 | 対前年同期 | 122億円 | ( 10.6%)増 |
前立腺がん・乳がん・子宮内膜症治療剤 | 958億円 | 〃 | 11億円 | ( 1.2%)増 |
消化性潰瘍治療剤 | 787億円 | 〃 | 12億円 | ( 1.5%)増 |
消化性潰瘍治療剤 | 704億円 | 〃 | 77億円 | ( 9.9%)減 |
高血圧症治療剤 | 671億円 | 〃 | 348億円 | ( 34.2%)減 |
潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤 | 593億円 | 〃 | 429億円 | (261.2%)増 |
逆流性食道炎治療剤 | 566億円 | 〃 | 114億円 | ( 25.3%)増 |
高血圧症治療剤 | 453億円 | 〃 | 123億円 | ( 37.2%)増 |
糖尿病治療剤 | 383億円 | 〃 | 44億円 | ( 12.9%)増 |
痛風治療剤 | 342億円 | 〃 | 96億円 | ( 21.9%)減 |
悪性リンパ腫治療剤 | 214億円 | 〃 | 39億円 | ( 22.5%)増 |
大うつ病治療剤 | 181億円 | 〃 | 89億円 | ( 98.0%)増 |
(注) 売上収益は知的財産権収益および役務収益を含めて表示しております。
・2015年12月、当社は前治療歴のある再発・難治性の多発性骨髄腫に対する、初めてかつ唯一の経口プロテアソーム阻害剤である「ニンラーロ」を米国で発売しました。最初のプロテアソーム阻害剤である「ベルケイド」の臨床研究開始以来、約20年にわたり、当社のオンコロジーユニットは多発性骨髄腫に関する知見を深め、有効性と高い安全性のプロファイルを有する週1回の経口投与剤「ニンラーロ」の販売許可取得にいたりました。極めて革新的な本剤は、当社の中長期にわたる持続的な成長に大きく貢献することが期待されています。国内で2015年2月に発売した酸関連疾患治療剤「タケキャブ」は、大塚製薬株式会社とのコ・プロモーションを通じて、順調に医療関係者への情報提供が進んでおります。国内ではさらに、2015年5月、世界初の週1回経口投与の2型糖尿病治療剤「ザファテック」を発売しました。
・2015年11月、当社はジェネリック医薬品におけるグローバルリーダーであるテバ社と日本において合弁会社を設立することを公表しました。本年4月以降に設立される新会社は、当社から承継する長期収載品とテバ社の高品質なジェネリック医薬品を日本の患者さんにお届けし、幅広いニーズ、およびますます高まるジェネリック医薬品の重要性に対応してまいります。
また、2015年12月、当社はアストラゼネカ社に呼吸器系疾患領域のポートフォリオを売却することを公表しました。
当社は重点疾患領域への集中を進め、医療のイノベーションをリードする取り組みを一層強化し、革新的な新薬を提供してまいります。
〔営業利益〕
前年同期から316億円(15.9%)減益の1,675億円となりました。
・売上収益の増加により売上総利益は372億円(3.9%)の増益となりました。
・販売費及び一般管理費は、米国における新製品の販売促進にかかる経費の増加等により、375億円(8.6%)増加しました。
・研究開発費は、47億円(1.9%)増加し、2,539億円となりました。
・製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、前年同期にコルクリスにかかる減損損失を305億円計上していたことなどにより、334億円(26.4%)減少しました。
・その他の営業収益は、前年同期にコルクリスにかかる条件付対価の取崩益564億円や、有形固定資産売却益254億円(うち医療用医薬品事業101億円、その他事業153億円)を計上していたことなどにより、738億円(77.9%)減少しました。
・その他の営業費用は、事業構造再編費用の減少等により、137億円(38.7%)減少しました。
〔四半期利益(親会社の所有者帰属分)〕
営業利益が減益となった一方で、法人所得税費用が670億円(63.7%)減少したことなどにより、前年同期から339億円(42.5%)増益の1,136億円となりました。
・法人所得税費用は、前年同期において、税務上の試験研究費の認識時期を見直し、これに伴って試験研究費税額控除に係る繰延税金資産の取り崩しによる税金費用を計上しました。また、当期においては、国内における法定実効税率の引き下げや、子会社の減資に伴う税金費用の減少がありました。その結果、法人所得税費用は前年同期から大きく減少しました。
・基本的1株当たり四半期利益(EPS)は、前年同期から43円56銭(43.0%)増加し144円94銭となりました。
当期の実質的な成長率(注1)は、以下のとおりとなりました。
売上収益 | +3.8% | [ 対前年同期 | 512億円 | 増] |
Core Earnings(注2) | +1.5% | [ 〃 | 40億円 | 増] |
Core EPS(注3) | +17.3% | [ 〃 | 38円19銭 | 増] |
(注1)実質的な成長率とは、事業活動のパフォーマンスを実質的に把握することを目的として、当期と前年同期の業績を共通の基準で比較するものであり、当社では目標とする経営指標として、「売上収益」、「Core Earnings」、「Core EPS」の実質的な成長率を採用しております。この成長率の算定にあたっては、為替影響や製品売却および取得、企業買収にかかる会計処理の影響や無形資産の償却費・減損損失、事業構造再編費用、主な訴訟費用などの特殊要因を除いております。
(注2)Core Earningsは、営業利益から企業買収にかかる会計処理の影響や無形資産の償却費・減損損失、事業構造再編費用、主な訴訟費用などの特殊要因を除いて算定しております。
(注3)Core EPSは、四半期利益からCore Earnings算定上控除した項目と同様の性質を有する項目およびこれらにかかる税金影響を控除した利益(Core Net Profit)を基に算定した1株当たり利益であります。
・実質的な売上収益の成長は、+3.8%(対前年同期+512億円)となりました。
・実質的なCore Earningsの成長は、+1.5%(対前年同期+40億円)となりました。実質的な販売費及び一般管理費は、新製品にかかる費用の増加により前年同期から4.3%増加し、実質的な研究開発費は前年同期から3.0%の増加となりました。
・実質的なCore EPSの成長は、+17.3%(対前年同期+38円19銭)となりました。
セグメント別業績の状況は、次のとおりです。
[医療用医薬品事業]
医療用医薬品事業の売上収益は、前年同期から574億円(4.7%)増収の12,720億円となり、営業利益は、前年同期から149億円(9.9%)減益の1,362億円となりました。
・このうち国内売上収益は、「アジルバ」、「ロトリガ」の伸長による売上寄与があったものの、「ブロプレス」等の後発品浸透による減収を吸収できず、前年同期から87億円(2.0%)減収の4,284億円となりました。
主な品目の国内売上収益は下記のとおりです。
「ブロプレス」(高血圧症治療剤) | 473億円 | 対前年同期 | 315億円 | ( 40.0%)減 |
「アジルバ」(高血圧症治療剤) | 453億円 | 〃 | 123億円 | ( 37.2%)増 |
「リュープリン」 | 422億円 | 〃 | 25億円 | ( 5.7%)減 |
「タケプロン」(消化性潰瘍治療剤) | 330億円 | 〃 | 82億円 | ( 19.8%)減 |
「ネシーナ」(糖尿病治療剤) | 292億円 | 〃 | 6億円 | ( 1.9%)減 |
「ロトリガ」(高脂血症治療剤) | 169億円 | 〃 | 78億円 | ( 86.4%)増 |
「ベクティビックス」(結腸・直腸がん治療剤) | 142億円 | 〃 | 2億円 | ( 1.1%)増 |
「レミニール」(アルツハイマー型認知症治療剤) | 124億円 | 〃 | 20億円 | ( 19.4%)増 |
・海外売上収益は、後発品の浸透による減収があったものの、「エンティビオ」が好調に売上を伸ばしているほか、米国における「ベルケイド」、「デクスラント」などの売上も順調に推移したことにより、前年同期から660億円(8.5%)増収の8,436億円となりました。
主な品目の海外売上収益は下記のとおりです。
「ベルケイド」(多発性骨髄腫治療剤) | 1,227億円 | 対前年同期 | 137億円 | ( 12.6%)増 |
「パントプラゾール」(消化性潰瘍治療剤) | 787億円 | 〃 | 12億円 | ( 1.5%)増 |
「エンティビオ」 | 593億円 | 〃 | 429億円 | ( 261.2%)増 |
「デクスラント」(逆流性食道炎治療剤) | 566億円 | 〃 | 114億円 | ( 25.3%)増 |
「リュープロレリン」 | 536億円 | 〃 | 37億円 | ( 7.4%)増 |
「ランソプラゾール」(消化性潰瘍治療剤) | 373億円 | 〃 | 4億円 | ( 1.2%)増 |
「コルクリス」(痛風治療剤) | 342億円 | 〃 | 96億円 | ( 21.9%)減 |
「カンデサルタン」(高血圧症治療剤) | 197億円 | 〃 | 33億円 | ( 14.3%)減 |
(注)売上収益は知的財産権収益および役務収益を含めて表示しております。
[ヘルスケア事業]
ヘルスケア事業の売上収益は、「アリナミン錠剤類」等の増収により、前年同期から56億円(9.7%)増収の638億円となりました。営業利益は、売上収益の増収による売上総利益の増益等により、33億円(18.6%)増益の210億円となりました。
[その他事業]
その他事業の売上収益は、2015年4月に当社が保有していた水澤化学工業株式会社の株式を譲渡したことで、同社およびその子会社の売上寄与がなくなり、前年同期から97億円(14.5%)減収の574億円となりました。営業利益は、前年同期に有形固定資産売却益を153億円計上していたことなどにより、200億円(66.0%)減益の103億円となりました。
(2) 財政状態の分析
〔資産〕
当第3四半期末における資産合計は4兆1,899億円となりました。配当金の支払による現金及び現金同等物の減少に加え、無形資産の償却による減少などにより、前年度末から1,063億円減少しました。
〔負債〕
当第3四半期末における負債合計は2兆275億円となりました。賞与の支払および株価連動型報酬債務の再評価などにより、前年度末から、625億円減少しました。なお、非流動負債は569億円、流動負債は56億円減少しました。
〔資本〕
当第3四半期末における資本合計は2兆1,624億円となりました。四半期利益の計上による増加があったものの、配当による利益剰余金の減少に加え、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託にかかる自己株式の取得による資本の減少などにより、前年度末から438億円減少しました。
親会社所有者帰属持分比率(注)は50.1%となり、前年度末から0.4ポイント増加しております。
(注)日本基準における自己資本比率に相当
〔キャッシュ・フロー〕
当第3四半期累計のキャッシュ・フローは943億円のマイナスとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,706億円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは993億円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払等により1,629億円のマイナスとなりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動の内容および成果
当第3四半期累計の研究開発費の総額は2,539億円であります。
当社は、「オンコロジー (がん)」、「消化器系疾患」、「中枢神経系疾患(特に精神疾患)」の3領域を重点領域と位置づけ、同領域においてのリーダーを目指します。これに続く領域として、「スペシャリティ循環器系疾患」および「ワクチン」を位置づけ、前者ではターゲットを絞って価値を最大化し、後者ではビジネスおよびグローバルヘルスにおいて革新的なアプローチを追究します。
当社は、患者さんを中心に考える、イノベーション主導の研究開発型企業として、これら疾患領域に注力してパイプラインの強化を図るとともに、治療方法に関する専門知識を広げ、将来にわたって持続的成長を可能とする、以下の研究開発力を獲得していきます。
• 低分子のみに留まらず、様々な治療方法におけるバランスのとれた専門性(バイオロジクスや、T-CiRA(Takeda-CiRA Joint Program for iPS Cell Applications)の共同研究を中心とした再生医療への重点的な取り組みなど)
• バイオインフォマティクスおよびゲノム研究の専門性
• 創薬基盤技術としてのトランスレーショナルメディスン
• イノベーションの重要な源である外部機関との意義あるパートナーシップやコラボレーションの積極的な推進
当第3四半期累計においてプレスリリースされた研究開発活動ならびに事業開発活動の主な内容および成果は下記のとおりです(領域毎に時系列に記載)。
オンコロジー
[ニンラーロ]
・2015年5月、経口プロテアソーム阻害剤「ニンラーロ(一般名:イキサゾミブ)」について、一次治療に奏効し、自家造血幹細胞移植を受けていない初発の多発性骨髄腫患者を対象に、本剤の維持療法を検証する臨床第3相試験(TOURMALINE-MM4試験)を開始したことを発表しました。
・2015年7月、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)より、再発・難治性の多発性骨髄腫の効能において、迅速審査※の指定を受けました。さらに2015年8月、再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした販売許可申請がEMAに受理されました。
※EMAの迅速審査の指定は、公衆衛生に大きく貢献できると判断された医薬品、特に革新性を有すると判断された医薬品が対象となります。
・2015年11月、米国食品医薬品局(FDA)より、前治療歴のある多発性骨髄腫に対するレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用を適応症とした販売許可を取得しました。本剤の販売許可取得は、プロテアソーム阻害薬を用いた最初の二重盲検、プラセボ対照臨床第3相試験(TOURMALINE-MM1試験)データに基づくものです。2015年12月、第57回米国血液学会年次総会(ASH)において、本試験のデータを発表しました。
[MLN8237]
・2015年5月、オーロラAキナーゼ阻害薬「MLN8237(一般名:alisertib)」について、再発・難治性の末梢性T細胞性リンパ腫を対象とした臨床第3相試験の中止を発表しました。この決定は、本試験の中間解析結果に基づくものであり、本薬が当該効能において標準治療に勝る有効性を示す可能性が低いと判断しました。当社は、引き続き本薬の小細胞肺がんに対する有用性の検討を継続します。
[リュープリン]
・2015年9月、「リュープリン(一般名:リュープロレリン)」の24週間持続製剤について、日本の厚生労働省より前立腺がんおよび閉経前乳がん治療剤として製造販売承認を取得しました。
[アドセトリス]
・2015年10月、当社は、米国シアトルジェネティクス社と、同社より導入した悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)」について、未治療の進行期古典的ホジキンリンパ腫の患者を対象とし、化学療法と併用した場合の本剤の一次(フロントライン)治療としての有用性を検討するランダム化試験臨床第3相試験(ECHELON-1試験)の患者登録が完了したことを発表しました。本試験のデータ解析は2017年~2018年を予定しています。
・2015年12月、第57回ASHにおいて、自家造血幹細胞移植後の再発・難治性のホジキンリンパ腫患者に対し、本剤を単独投与した臨床第2相試験の、治療後のフォローアップデータを発表しました。
・2016年1月、過去に本剤が奏効した再発・難治性のホジキンリンパ腫および再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫に対する再治療データの添付文書への追記(タイプ2の変更)に関し、欧州委員会(EC)より承認を取得したことを公表しました。
[パートナーシップ/事業開発活動]
・2015年4月、当社は、国立研究開発法人国立がん研究センターと、抗がん薬の研究開発に向けた提携を行う契約を締結しました。本契約に基づき、当社と同センターは、がんの基礎研究から臨床開発研究にわたる連携を実行に移すべく、必要な情報共有と協議を継続的に実施します。
・2015年8月、当社は、米国ジェンシア社と、ミトコンドリア結合型糖質コルチコイド受容体作動薬と呼ばれる新規低分子化合物について、血液疾患および炎症性疾患の治療選択肢として共同研究開発を実施する契約を締結しました。本提携における最初の目標として、炎症性疾患領域およびがん領域それぞれにおいて、前臨床試験に進める2つのリード化合物を共同で探索します。
消化器系疾患
[エンティビオ]
・2015年10月、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ(一般名:ベドリズマブ)」について、米国消化器病学会年次総会および欧州消化器病週間において、本剤の有効性・安全性に関するデータを発表しました。
[パートナーシップ/事業開発活動]
・2015年12月、当社は、米国コア・ファーマシューティカル・ディベロップメント社と、セリアック病の治療薬となり得る免疫調整薬の共同研究開発に関する契約を締結しました。本提携では、セリアック病の患者が食事に含まれるグルテンに対する耐性を獲得できるTolerizing Immune Modifying nanoParticle(TIMP)技術を活用した治療薬の創出を目指します。
・2016年1月、当社は、フランスのエンテローム・バイオサイエンス社と、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患や過敏性腸症候群などの腸管運動障害をはじめとした消化器系疾患において重要な役割を担うと考えられる腸内細菌を標的とした新たな治療薬創出に関する共同研究開発契約を締結しました。
・2016年1月、当社は、カナダのエンジーン社と、同社の遺伝子導入基盤技術であるGene Pillを活用し、専門的な消化器系疾患領域に対する新規治療薬の研究、開発および製品化に関する戦略的提携を行う契約を締結しました。また、同社と協力し、抗体の経口投与を可能にすべくGene Pill技術を追求します。
中枢神経系疾患
[ラツーダ]
・2015年5月、当社は、大日本住友製薬株式会社と、非定型抗精神病剤「ラツーダ(一般名:ルラシドン)」に関する、欧州における共同開発・独占的販売契約を解消することに合意し、同社への欧州の開発・販売権の返還ならびに事業の移管を適正に実行するため、具体的条件の協議を開始しました。
[ブリンテリックス]
・2015年8月、デンマークのルンドベック社より導入した大うつ病治療剤「ブリンテリックス(一般名:ボルチオキセチン)」について、成人の大うつ病患者における認知機能への効果に関する臨床成績の添付文書への追記申請がFDAに受理されました。
[パートナーシップ/事業開発活動]
・2016年1月、当社は、米国エヌエスジーン社と、パーキンソン病の治療法となり得るカプセル化細胞治療薬の共同研究契約を締結しました。本共同研究では、埋め込み型・カプセル化細胞治療デバイスを用いて遺伝子組換え型グリア細胞株由来神経栄養因子を脳の罹患部位へ送達できるよう研究を実施します。
ワクチン
[組織体制]
・2015年6月、当社は、Vaccine Business Unitについて、ワクチン事業のさらなる成長および重要なワクチンの開発加速に向け、グローバルおよびリージョナル拠点を設置し、米国におけるワクチン事業運営を統合することを発表しました。今後、米国マサチューセッツ州ボストン/ケンブリッジ地域とスイス・チューリッヒが日本国外におけるグローバル拠点となり、シンガポールとブラジルは引き続きリージョナル拠点として機能します。本体制の発足に伴い、米国モンタナ州ボーズマン、米国ウィスコンシン州マディソン、米国コロラド州フォートコリンズの3つの拠点を閉鎖し、現在米国イリノイ州ディアフィールドにある同ユニットの本部機能をボストン/ケンブリッジ地域に移します。この移転は2年をかけて実施し、2017年半ばに完了する予定です。
[季節性インフルエンザワクチン]
・2015年8月、当社は、米国ナノセラピューティクス社と、同社がバクスアルタ社(旧バクスターインターナショナルインク社 バイオサイエンス部門)から買収したワクチン製造の細胞培養技術であるヴェロ細胞培養技術に関し、販売権および本技術の利用権の拡大に関する契約を締結しました。当社は、日本に加え日本以外の特定の地域においてヴェロ細胞培養技術を用いたパンデミックおよび季節性インフルエンザワクチンの開発・販売権を新たに獲得し、インフルエンザ以外のワクチン開発においてもヴェロ細胞培養技術および関連試料の利用が可能となりました。
[ヴァクセムヒブ]
・2016年1月、当社は、スイスのノバルティス社※より導入した沈降ヘモフィルスb型ワクチン「ヴァクセムヒブ」について、日本の厚生労働省より、2か月齢以上5歳未満の小児におけるインフルエンザ菌b型による感染症の予防を適応症とした製造販売承認を取得しました。
※2014年4月、ノバルティス社は2015年3月末までに同社のワクチン事業をグラクソ・スミスクライン(GSK)社に移管することを発表しました。本移管により、GSK社はVAXEM Hibを含むノバルティス社のインフルエンザワクチン以外のグローバルワクチン事業を獲得しました。
[パートナーシップ/事業開発活動]
・2015年6月、当社は、スイスのDrugs for Neglected Diseases initiative (DNDi)と、内臓リーシュマニア症の革新的な治療薬開発に向け、アミノピラゾール系化合物群の中から最適な化合物を特定することを目的とした誘導体最適化プログラム(Lead Optimization)に協働して取り組む契約を締結しました。本プログラムは公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund)の助成案件に選定されています。
その他
・2015年4月、当社は、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と、iPS細胞技術の臨床応用に向けた10年間の共同研究契約を締結しました。2015年12月、T-CiRAと称する本共同研究において、がん、心不全、糖尿病、神経変性疾患、難治性筋疾患など6つの疾患領域で、iPS細胞技術の臨床応用を目指して研究プロジェクトを開始しました。
・2015年4月、当社は、慶應義塾大学医学部および新潟大学と、湘南研究所において疾患関連RNA結合タンパク質の探索と機能解析に関する共同研究を実施する契約を締結したことを発表しました。
・2015年4月、2型糖尿病治療剤「ネシーナ(一般名:アログリプチン)」の心血管系への安全性を評価したEXAMINE試験について、FDAの内分泌・代謝薬諮問委員会(EMDAC)において、本剤の2型糖尿病患者における心血管リスクプロファイルは許容範囲であるとの見解が示されました。さらに、2015年6月、第75回米国糖尿病学会学術集会(ADA)において、EXAMINE試験の事後解析データおよび追加の事後解析データを発表しました。
・2015年7月、2型糖尿病治療剤「アクトス(一般名:ピオグリタゾン)」をはじめとしたピオグリタゾン含有製剤について、欧州4ヶ国で実施された市販後の観察研究※の完了に伴い、当該データを各国規制当局に提出しました。本観察研究は、複数のデータベースに基づく、背景をそろえた集団での後ろ向き研究であり、最長10年間フォローアップされています。本観察研究では、ピオグリタゾン投与と膀胱がん発生リスクの間に関連性は示されませんでした。
※ Pan European Multi-Database Bladder Cancer Risk Characterization Study
・2015年9月、当社は、イスラエルのテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ社より導入した多発性硬化症治療剤「コパキソン(一般名:グラチラマー)」について、日本の厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
・2015年9月、2型糖尿病治療剤「ネシーナ」とメトホルミンの配合剤について、日本の厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。