当第3四半期における、経営上の重要な契約等の締結等は次のとおりであります。
(1)技術導出
当第3四半期に終了・解約した契約
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
技術の内容 |
対価の受取 |
契約期間 |
|
武田GmbH |
サノビオン・ファーマシューティカルズ社 |
アメリカ |
鼻炎・呼吸器疾患治療薬に関する技術 |
契約一時金 |
2008.1~ |
(注)アストラゼネカ社への契約承継の手続が2016年11月に完了したことより、契約当事者の地位から離脱いたしました。
(2)共同研究
該当事項はありません。
(3)技術導入
当第3四半期に締結した契約
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
技術の内容 |
対価の支払 |
契約期間 |
|
ミレニアム・ファーマシューティカルズ Inc. |
クレッシェンド・ |
イギリス |
抗体薬物複合体およびがん免疫調節薬に関する技術 |
契約一時金 |
2016.10~ |
(4)クロスライセンス
該当事項はありません。
(5)販売契約
該当事項はありません。
(6)その他
当第3四半期に締結した契約
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約内容 |
締結年月 |
契約対象の 取引の実行年月 |
|
武田薬品工業㈱ |
メモリアルスローンケタリングがんセンター、ロックフェラー大学、ワイルコーネルメディスンズ、ベイシティキャピタルおよびディアフィールドマネジメント |
アメリカ |
医薬品の研究開発を目的とするブリッジメディスンズ社の共同設立 |
2016.10 |
2016.10 |
|
ミレニアム・ファーマシューティカルズ Inc. |
ライトストーン・ベンチャーズ社 |
アメリカ |
脳疾患に対する治療薬の研究開発を目的とするセレバンス社の共同設立 |
2016.12 |
2016.12 |
|
武田薬品工業㈱ |
富士フイルム㈱ |
日本 |
和光純薬工業㈱の株式の全部譲渡 |
2016.12 |
2017年4月中に完了予定 |
(1) 業績の状況
当第3四半期累計の連結業績は、以下のとおりとなりました。
|
売上収益 |
13,158億円 |
[対前年同期 |
774億円 |
( 5.6%) |
減] |
|
研究開発費 |
2,238億円 |
[ 〃 |
237億円 |
( 9.6%) |
減] |
|
営業利益 |
2,174億円 |
[ 〃 |
499億円 |
( 29.8%) |
増] |
|
税引前四半期利益 |
2,088億円 |
[ 〃 |
542億円 |
( 35.1%) |
増] |
|
四半期利益 |
1,657億円 |
[ 〃 |
520億円 |
( 45.8%) |
増] |
|
EPS |
212円08銭 |
[ 〃 |
67円13銭 |
( 46.3%) |
増] |
〔売上収益〕
前年同期から774億円(5.6%)減収の13,158億円となりました。
・当社の成長ドライバー(注1)において、消化器系疾患領域では、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」が、グローバルに伸長し、売上は434億円増収の1,028億円となりました。「エンティビオ」は発売後2年半で、50カ国以上で既に販売許可を取得しており、生物学的製剤の新規患者シェアも順調に拡大しております。また、酸関連疾患治療剤「タケキャブ」も、2016年3月の長期処方解禁以降、幅広い効能で日本の医薬品市場への浸透が進み、売上は204億円増収の247億円となりました。オンコロジー(がん)領域では、米国での発売後1年が経過した多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」が、その有効性、安全性、利便性の高さから、長期の継続治療の可能性を有するプロテアソーム阻害剤として良好な立ち上がりを見せ、売上は202億円増収の208億円となりました。また、欧州では2016年11月に欧州委員会(EC)より条件付き販売許可を取得し、新興国での販売許可申請も順調に進んでいます。さらに、中枢神経系疾患領域では、大うつ病治療剤「トリンテリックス」(注2)が順調に伸長し、現地通貨ベースで+44.3%となりました。
・一方、売上収益の減収要因として、為替の円高による影響(1,146億円減)や、事業等の売却影響(530億円減)がありました。主な事業等の売却影響は、武田テバ薬品株式会社(注3)に、高血圧症治療剤「ブロプレス」など、近年、後発品の浸透により急速に売上が減少していた日本の長期収載品事業(前年同期売上661億円)を移管したことによる影響と、アストラゼネカ社に呼吸器系疾患領域ポートフォリオを売却したことによる影響です。
(注1) 当社の成長ドライバーは、消化器系疾患領域、オンコロジー、中枢神経系疾患領域および新興国事業です。
(注2) 「トリンテリックス」は2016年6月より米国における製品名を「ブリンテリックス」より変更して販売しております。本剤の剤型、効能・効果、用法・用量に変更はありません。
(注3) 武田テバ薬品株式会社は、当社が株式の49%を保有する持分法適用関連会社である武田テバファーマ株式会社の完全子会社です。なお、武田テバファーマ株式会社は、2016年10月1日に社名を「テバ製薬株式会社」より変更しております。
売上収益の内訳は下記のとおりです。
|
|
金額 |
対前年同期 |
実質的な売上収益(注) |
||||
|
|
金額 |
実質的な成長 |
|||||
|
医療用医薬品事業 |
11,907億円 |
813億円 |
(6.4%) 減 |
11,877億円 |
+857億円 |
+7.8% |
|
|
|
日本 |
3,982億円 |
302億円 |
(7.0%) 減 |
3,795億円 |
+179億円 |
+5.0% |
|
|
米国 |
3,800億円 |
8億円 |
(0.2%) 減 |
3,865億円 |
+486億円 |
+14.4% |
|
|
欧州およびカナダ |
2,099億円 |
255億円 |
(10.8%) 減 |
2,179億円 |
+96億円 |
+4.6% |
|
|
新興国 |
2,026億円 |
248億円 |
(10.9%) 減 |
2,038億円 |
+94億円 |
+4.9% |
|
コンシューマーヘルスケア事業 |
1,251億円 |
39億円 |
(3.2%) 増 |
1,253億円 |
+45億円 |
+3.7% |
|
|
合計 |
13,158億円 |
774億円 |
(5.6%) 減 |
13,130億円 |
+902億円 |
+7.4% |
|
(注)実質的な売上収益:為替影響および事業等の売却影響を控除した実質ベースの売上収益です。
・日本では、酸関連疾患治療剤「タケキャブ」の売上が、2016年3月の長期処方解禁に伴う影響とともに、逆流性食道炎やヘリコバクター・ピロリ除菌補助の効能などで処方が拡大した影響により、大幅に伸長したほか、高血圧症治療剤「アジルバ」や高脂血症治療剤「ロトリガ」の売上も引き続き二桁台の成長を示しました。一方、2016年4月に、高血圧症治療剤「ブロプレス」をはじめとした、急速に売上が減少していた日本の長期収載品事業(前年同期売上661億円)を武田テバ薬品株式会社に移管したことにより、日本の売上全体では302億円(7.0%)減収の3,982億円となりました。
長期収載品の移管による影響等を除いた実質的な成長率は+5.0%となりました。
・米国では、主に為替の円高による減収影響(456億円)により、8億円(0.2%)減収の3,800億円となりました。
現地通貨ベースでは、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」や、多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」の売上が大きく伸長したほか、大うつ病治療剤「トリンテリックス」(注)も伸長し、実質的な成長率は+14.4%となり、二桁台の成長率で引き続き全社の売上収益を牽引しました。
(注)「トリンテリックス」は2016年6月より米国における製品名を「ブリンテリックス」より変更して販売しております。
・欧州およびカナダでは、主に為替の円高による減収影響(283億円)や、アストラゼネカ社に呼吸器系疾患領域ポートフォリオを売却したことによる減収影響(71億円)により、255億円(10.8%)減収の2,099億円となりました。
現地通貨ベースでは、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」の売上が引き続き力強く伸長しております。また、多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」は、2016年11月に欧州委員会(EC)より条件付き販売許可を取得し、順次、各国において保険の償還手続きを進めております。欧州およびカナダの実質的な成長率は+4.6%となりました。
・新興国では、主に為替の円高による減収影響(394億円)や、アストラゼネカ社に呼吸器系疾患領域ポートフォリオを売却したことによる減収影響(16億円)により、248億円(10.9%)減収の2,026億円となりました。
現地通貨ベースでは、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」や潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」の売上が順調に伸長していることに加え、主要な市場であるブラジル、中国、ロシアにおける売上の伸長が成長ドライバーである新興国事業の拡大を牽引しました。実質的な成長率は、ブラジル、中国、ロシアでそれぞれ+9.5%、+8.0%、+7.3%となり、新興国全体では+4.9%となりました。
・コンシューマーヘルスケア事業およびその他事業は、2016年7月に発売を開始した「アリナミンVゼロ」の売上好調による「アリナミンドリンク類」の増収などにより、39億円(3.2%)増収の1,251億円となりました。
上記の要因により、全社合計の売上収益の実質的な成長率は+7.4%となり、引き続き、高い水準の成長率を示しました。医療用医薬品事業での売上収益の実質的な成長率は+7.8%となりました。
医療用医薬品の主要品目の売上収益は下記のとおりです。(注1)
|
品目 |
金額 |
対前年同期 |
実質的な売上収益(注2) |
|||
|
金額 |
実質的な成長 |
|||||
|
多発性骨髄腫治療剤 「ベルケイド」 |
1,036億円 |
229億円 |
(18.1%)減 |
1,066億円 |
△77億円 |
△6.7% |
|
潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤 「エンティビオ」 |
1,028億円 |
434億円 |
(73.2%)増 |
1,068億円 |
+527億円 |
+97.5% |
|
前立腺がん・乳がん・子宮内膜症治療剤 「リュープロレリン |
881億円 |
76億円 |
(8.0%)減 |
901億円 |
△25億円 |
△2.7% |
|
消化性潰瘍治療剤 「パントプラゾール」 |
567億円 |
220億円 |
(28.0%)減 |
597億円 |
△113億円 |
△15.9% |
|
高血圧症治療剤 「アジルバ」 |
519億円 |
66億円 |
(14.5%)増 |
519億円 |
+66億円 |
+14.5% |
|
逆流性食道炎治療剤 「デクスラント」 |
470億円 |
96億円 |
(16.9%)減 |
487億円 |
△24億円 |
△4.7% |
|
2型糖尿病治療剤 「アログリプチン |
379億円 |
3億円 |
(0.8%)減 |
385億円 |
+11億円 |
+2.9% |
|
消化性潰瘍治療剤 「ランソプラゾール」(注3) |
343億円 |
361億円 |
(51.3%)減 |
335億円 |
△53億円 |
△13.6% |
|
高血圧症治療剤 「カンデサルタン」(注3) |
276億円 |
395億円 |
(58.8%)減 |
277億円 |
△134億円 |
△32.6% |
|
酸関連疾患治療剤 |
247億円 |
204億円 |
(486.1%)増 |
247億円 |
+204億円 |
+486.1% |
|
大うつ病治療剤 |
228億円 |
47億円 |
(26.2%)増 |
236億円 |
+72億円 |
+44.3% |
|
悪性リンパ腫治療剤 「アドセトリス」 |
219億円 |
5億円 |
(2.5%)増 |
228億円 |
+41億円 |
+21.9% |
|
高脂血症治療剤 「ロトリガ」 |
212億円 |
43億円 |
(25.5%)増 |
212億円 |
+43億円 |
+25.5% |
|
多発性骨髄腫治療剤 「ニンラーロ」 |
208億円 |
202億円 |
( ― %)増 |
214億円 |
+209億円 |
― % |
(注1) 売上収益は知的財産権収益および役務収益を含めて表示しております。
(注2) 実質的な売上収益:為替影響および事業等の売却影響を控除した実質ベースの売上収益です。
(注3) 日本における「ランソプラゾール」(国内製品名:タケプロン)および「カンデサルタン」(国内製品名:ブロプレス)の単剤は、2016年4月に武田テバ薬品株式会社に移管しました。
(注4) 「トリンテリックス」は2016年6月より米国における製品名を「ブリンテリックス」より変更して販売しております。
〔営業利益〕
前年同期から499億円(29.8%)増益の2,174億円となりました。
・売上総利益は、為替の円高による減少(927億円)に加え、事業等の売却影響(577億円)などにより、993億円(10.0%)の減益となりました。これらの要因を除いた実質的な売上総利益の成長率は、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」や多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」、酸関連疾患治療剤「タケキャブ」、大うつ病治療剤「トリンテリックス」をはじめとした革新的な医薬品の力強い伸長により、対前年同期+6.0%(511億円増加)となりました。
・販売費及び一般管理費は、主に円高による影響(485億円)により、362億円(7.6%)減少しました。なお、為替影響を除いた実質的な費用は対前年同期2.8%増加しました。
・研究開発費は、主に円高による影響(215億円)で、237億円(9.6%)減少しました。なお、為替影響を除いた実質的な費用は対前年同期1.0%減少しました。
・製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、円高による影響などで無形資産償却費が93億円減少しましたが、第2四半期において痛風治療剤「コルクリス」にかかる減損損失140億円を計上したことなどにより、全体では50億円(5.2%)増加しました。
・その他の営業収益は、第1四半期に、急速に売上が減少していた日本の長期収載品事業を武田テバ薬品株式会社へ移管した際に生じた事業譲渡益1,029億円に加え、第2四半期に「コルクリス」にかかる条件付対価(注)の取崩益97億円を計上したことなどにより、1,112億円増加しました。
・その他の営業費用は、当期において研究開発体制の変革にかかる費用を197億円計上したことなどにより、167億円(76.9%)増加しました。
(注) 企業結合に起因して、将来の特定事象が発生した場合に、追加的に発生する取得対価の公正価値を負債計上したものです。
〔四半期利益(親会社の所有者帰属分)〕
営業利益が増益となった ことにより、前年同期から520億円(45.8%)増益の1,657億円となりました。
・法人所得税費用は、税引前四半期利益が増益となった一方、国内における法定実効税率の引き下げや子会社の適用税率差異による税金費用の減少があり、全体では前年同期から25億円(6.6%)の増加となりました。
・基本的1株当たり四半期利益(EPS)は、前年同期から67円13銭(46.3%)増加し、212円08銭となりました。
当第3四半期累計における各セグメントの売上収益および営業利益は、以下のとおりとなりました。
[医療用医薬品事業]
医療用医薬品事業の売上収益は、為替の円高による影響(1,140億円減)に加え、事業等の売却影響(530億円減)があったため前年同期から813億円(6.4%)減収の11,907億円となりました。営業利益は、前年同期から564億円(41.4%)増益の1,926億円となりました。
[コンシューマーヘルスケア事業]
コンシューマーヘルスケア事業の売上収益は、2016年7月に発売を開始した「アリナミンVゼロ」の売上好調による「アリナミンドリンク類」の増収などにより、前年同期から16億円(2.5%)増収の655億円となりました。営業利益は、販売費の増加などにより、20億円(9.7%)減益の190億円となりました。
[その他事業]
その他事業の売上収益は、主に、試薬事業を営む子会社である和光純薬工業株式会社における増収により前年同期から23億円(4.0%)増収の597億円となりました。営業利益は、過年度に譲渡した事業にかかるロイヤルティ収入(その他の営業収益)の減少などにより44億円(42.9%)減益の59億円となりました。
当第3四半期累計の実質的な成長率(注1)は、以下のとおりとなりました。
|
売上収益 |
+7.4% |
〔対前年同期 |
902億円 |
増〕 |
|
Core Earnings(注2) |
+23.5% |
〔 〃 |
408億円 |
増〕 |
|
Core EPS(注3) |
+31.7% |
〔 〃 |
51円39銭 |
増〕 |
(注1)実質的な成長率とは、事業活動のパフォーマンスを実質的に把握する目的で、当期と前年同期の業績を共通の基準で比較したものであり、当社は目標とする経営指標として、「売上収益」、「Core Earnings」、「Core EPS」の実質的な成長率を採用しています。この成長率の算定では、為替影響および事業等の売却影響を除いています。
当期における事業等の売却影響の主な内容は、武田テバ薬品株式会社への急速に売上が減少していた日本の長期収載品事業の移管による影響、アストラゼネカ社に対する呼吸器系疾患領域ポートフォリオの売却による影響、肥満症治療薬「コントレイブ」の独占販売契約の解消による影響、ミオバント・サイエンシズ社に女性疾患および前立腺がんの候補化合物relugolix等にかかる権利を供与したことに伴う影響であります。
(注2)Core Earningsは、売上総利益から販売費及び一般管理費、および、研究開発費を控除して算出します。さらに、非定常的もしくは本業に起因しない(ノン・コア)事象であり、かつ、金額の大きい影響を調整します。これらには、自然災害による影響、企業買収に係る会計処理の影響、主な訴訟費用、事業構造再編費用、政府による法令変更の措置の影響などが含まれます。
(注3)Core EPSの算定にあたっては、Core Earningsから、営業利益以下の各科目のうち、非定常的もしくは本業に起因しない(ノン・コア)事象であり、かつ、金額の大きい影響を調整します。ここには、条件付対価に係る公正価値変動影響などが含まれます。さらに、これらに係る税金影響に加え、Core Earnings調整に係る税金影響を合わせて調整します。
・実質的な売上収益の成長率は、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」や多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」、酸関連疾患治療剤「タケキャブ」、大うつ病治療剤「トリンテリックス」をはじめとした革新的な医薬品の力強い伸長により、対前年同期+7.4%となりました。
・実質的なCore Earningsの成長率は、実質的な売上収益の増加や、事業効率の向上によるコスト管理効果と費用発生時期のずれ込みにより、前年同期から大きく伸長し、+23.5%(売上収益に対するCore Earnings比率+2.1pp)となりました。なお、実質的な販売費及び一般管理費は、対前年同期2.8%の増加、実質的な研究開発費は、対前年同期1.0%の減少となり、実質的な営業費用は合計で1.5%の増加となりました。
・実質的なCore EPSの成長率は、実質的なCore Earningsの力強い成長(+23.5%)や税率の改善等を反映し、前年同期から+31.7%となりました。
(2) 財政状態の分析
〔資産〕
当第3四半期末における資産合計は4兆1,420億円となりました。第1四半期における2,000億円の新規借入により現金及び現金同等物やその他の金融資産が増加したことに加え、第1四半期に設立した武田テバ薬品株式会社にかかる持分法で会計処理されている投資が増加したことなどにより、資産合計は前年度末から3,179億円の増加となりました。
〔負債〕
当第3四半期末における負債合計は2兆976億円となりました。第1四半期に新規借入により借入金が2,000億円増加したことや、武田テバ薬品株式会社との取引による仕入債務及びその他の債務の増加などにより、前年度末から2,847億円増加しました。
なお、当第3四半期に、当社の連結子会社である和光純薬工業株式会社他の株式譲渡を決定したことに伴い、これら資産および負債を、「売却目的で保有する資産」および「売却目的で保有する資産に直接関連する負債」に振り替えております。
〔資本〕
当第3四半期末における資本合計は2兆444億円となりました。四半期利益が配当金による減少を上回り、利益剰余金が239億円増加したことなどにより、前年度末より332億円の増加となりました。
親会社所有者帰属持分比率(注)は47.8%となり、前年度末から3.1ポイント減少しております。
(注)日本基準における自己資本比率に相当
〔キャッシュ・フロー〕
当第3四半期末の現金及び現金同等物は、前年度末より1,077億円増加し、5,592億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,369億円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは400億円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは314億円のプラス、現金及び現金同等物に係る換算差額は55億円のプラス、売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額は261億円のマイナスとなりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動の内容および成果
当第3四半期累計の研究開発費の総額は2,238億円であります。
研究開発体制の変革
当社は、2016年7月29日、研究開発体制の変革を加速するプランを策定したことを公表しました。当社は、「オンコロジー(がん)」、「消化器系疾患」、「中枢神経系疾患」の3つの重点疾患領域と「ワクチン」に研究開発分野を絞り込みます。また、業務の効率化を推進して必要とされる能力が適切な分野に確実に配置されるとともに、研究開発部門と事業部門やコーポレート部門との協働関係の最適化の必要性も検討しながら、取り組んでまいります。
このたびの研究開発体制の変革は、イノベーションを推進し、研究開発の生産性を高めることを目的としており、コスト削減が目的ではありません。当社は、今後数年間、自社と外部提携のバランスを取りながら研究開発への投資を行ってまいります。
研究開発の組織としては、世界レベルの拠点であり外部提携を推進する湘南およびボストン、各地域に配置されたスリムで最先端のリージョナル開発機能およびメディカルセンター、バイオテックに類似の研究センターがあるサンディエゴに集約します。いくつかの研究開発拠点の閉鎖あるいは集約については、従業員代表、労働組合、労使協議会と緊密に連携し、協議をオープンにかつ透明性を担保しながら継続してまいります。
研究、開発、ファーマシューティカルサイエンス部門においては、起業家的ビジネスモデルやパートナーシップにより、多くの従業員に新たな機会を提供し、会社ニーズとも合致するより良い方策を検討します。
2016年7月29日以降において、本件の一環としてプレスリリースされたものは下記のとおりです。
・2016年9月、当社は、研究開発体制の変革における基盤の一つとして、米国PRAヘルス・サイエンシズ社(PRA社)と新たなパートナーシップ契約の締結を発表しました。これにより、PRA社は当社の主要な戦略的パートナーとなります。画期的な本提携は、当社からPRA社に移管される専門性とPRA社のグローバルな幅広い能力を融合する柔軟性の高いビジネスモデルをもたらします。このビジネスモデルにより、業務効率の改善、グローバル化のさらなる推進、インフラコストの低減を目指します。
本提携により、PRA社は、臨床第1から4相試験にわたるパイプライン全体の管理のために、また、規制当局への申請準備や開発品・製品ポートフォリオに関する医薬品安全性監視などの業務上のサポート提供のために、PRA社内のリソースや専門性を当社に振り向けます。この変革により、労使協議会、労働組合、従業員の代表者と適切な情報提供および協議がなされることを条件として、米国および欧州においては、臨床開発や市販後臨床開発を担う約300名の当社従業員がPRA社に移籍する選択肢を得ることになります。日本に関する協議は現在実施中です。
・2016年12月、当社と米国ライトストーン・ベンチャーズ社は、神経・精神疾患に対する新薬の研究開発に注力する神経科学関連の企業であるセレバンス社を設立したことを公表しました。
閉鎖が決定した英国の武田ケンブリッジから25名の神経科学研究チームがセレバンス社に移籍するとともに、武田ケンブリッジの十分に整備された研究施設をセレバンス社が活用することで、同社の活動は設立時から活発化します。また、当社は前臨床および臨床段階のポートフォリオをセレバンス社に移管します。セレバンス社は、当社およびライトストーン・ベンチャーズ社より出資を受け、セレバンス社の取締役には、当社とライトストーン・ベンチャーズ社からも選任されます。
当第3四半期累計においてプレスリリースされた研究開発活動ならびに事業開発活動の主な内容および成果は下記のとおりです(領域毎に時系列に記載)。
オンコロジー
[ニンラーロ]
・2016年4月、経口プロテアソーム阻害剤「ニンラーロ(一般名:イキサゾミブ)」について、再発・難治性の多発性骨髄腫の患者を対象に、週1回経口投与カプセル剤のニンラーロ、レナリドミド、デキサメタゾンの併用群とプラセボ、レナリドミド、デキサメタゾンの併用群とを比較した、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照の国際共同試験である臨床第3相試験TOURMALINE-MM1の結果がNew England Journal of Medicine(NEJM)誌に掲載されました。
・2016年5月、欧州医薬品評価委員会(CHMP)より、再発・難治性の多発性骨髄腫の効能において、承認を推奨しないという否定的見解が示されました。当社は、本見解を不服とし、CHMPにおける再審査を要請しました。
2016年9月、CHMPより、前治療歴のある多発性骨髄腫に対するレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用の効能において、条件付き承認を推奨する肯定的見解が示され、2016年11月、欧州委員会(EC)より、条件付き販売許可を取得しました。
・2016年7月、日本において、再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。
[アドセトリス]
・2016年5月、米国シアトルジェネティクス社より導入した悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)」について、CHMPにおいて、条件付で承認されている適応を拡大し、自家造血幹細胞移植後の再発・進行リスクの高いCD30陽性ホジキンリンパ腫の適応追加の承認を推奨する見解が示され、2016年7月、ECより承認を取得しました。
・2016年7月、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者に対し、「アドセトリス」を単独投与した臨床第2相試験の最終データがBlood誌に掲載されました。
・2016年8月、当社と米国シアトルジェネティクス社は、皮膚T細胞リンパ腫に対する「アドセトリス」の効果を検証した臨床第3相試験であるALCANZA試験において、主要評価項目を達成し、4ヵ月以上にわたる持続的な客観的奏効率の統計学的に有意な改善を示したことを公表しました。
2016年12月、ALCANZA試験のデータを、米国血液学会(ASH)年次総会において、オーラルセッションで発表しました。
・2016年11月、当社と米国シアトルジェネティクス社は、未治療のCD30陽性成熟型T細胞リンパ腫患者を対象とし、化学療法と併用した場合の「アドセトリス」の一次(フロントライン)治療としての有用性を検討する無作為化グローバル臨床第3相試験であるECHELON-2試験の患者登録が完了したことを公表しました。
[パートナーシップ/事業開発活動]
・2016年6月、当社は、米国エムツージェン社と、がん患者の膨大なゲノムデータを収集するための提携契約を締結しました。エムツージェン社は、北米を代表するがんセンターが参加する共同研究ネットワークOncology Research Information Exchange Network (ORIEN)を通じて米国の主要ながんセンターと提携しており、今回の同社との提携により、当社は、様々ながん患者を対象とした前向き観察試験であるTotal Cancer Care®プロトコルに基づいた、ORIEN AvatarTM研究プログラムの構築を支援し、本プログラムから得られた情報を活用します。
・2016年6月、当社は、米国アムジェン社から導入した複数の新薬候補および製品の日本における開発・販売権について、同社との既存の契約を改定しました。これにより、当社は、「AMG403(一般名:fulranumab)」と「AMG386(一般名:trebananib)」をはじめとする複数の新薬候補および製品について、当該権利を直ちにアムジェン社へ返還します。切除不能な進行・再発性大腸がん治療剤「ベクティビックス(一般名:パニツムマブ)」をはじめとした残りの品目については、日本における開発・販売の提携関係を今後も継続してまいります。
・2016年8月、当社は、多発性骨髄腫における最大級の製薬企業主導のグローバル観察研究を開始しました。INSIGHT-MMと名付けられた、オープンソースの本共同研究は、3年間で5,000名の患者登録を目指すとともに、本研究では、症状のパターン、患者特性、治療、転帰を追跡し、実臨床下において多発性骨髄腫の知見を深めることを目的として少なくとも5年間にわたって各患者さんのフォローアップを行います。
・2016年10月、当社は、英国クレッシェンド・バイオロジクス社と、Humabody®を用いた治療薬の創製、開発および販売に関して、グローバルでの戦略的提携契約およびライセンス契約を締結しました。クレッシェンド・バイオロジクス社は、今後、独自の遺伝子改変プラットフォームと工学技術を活かし、当社が選定した複数の標的に対するHumabody製剤(Humabody抗体薬物複合体およびがん免疫調節薬)を創製するとともに、その設計の最適化を行います。
・2017年1月、当社は、米国マーベリック・セラピューティクス社と、がん治療におけるマーベリック・セラピューティクス社のT細胞誘導療法の基盤技術開発に関する提携契約を締結しました。本技術は、T細胞によるがん細胞認識および攻撃能力の有効性を向上させるために開発されたものです。本提携にあたり、当社は契約一時金、株式および研究開発費用、ならびに5年間の提携後に同社を買収(買収対価は非開示)する独占的オプション権を含め、1億2,500万米ドルを支払います。
・2017年1月、当社は、米国エクセリシス社と、同社の有するがん治療薬「cabozantinib」について、日本における独占的開発・販売権に関する契約を締結しました。Cabozantinibは既に米国や欧州で進行性腎細胞がんの治療剤「CABOMETYXTM錠」として販売されていますが、本契約により、当社は日本における進行性腎細胞がんをはじめ適応拡大を含めた独占的な開発権および販売権を有することになります。両社は今後、日本において進行性肝細胞がんを含めた臨床開発を行う予定です。
消化器系疾患
[エンティビオ]
・2016年5月、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ(一般名:ベドリズマブ)」について、2016年米国消化器病週間(DDW)において、潰瘍性大腸炎治療パラダイムにおける本剤の最適な位置付けに関する評価、および本剤の治療初期の血中濃度トラフ値がその後の効果に及ぼす影響に関する調査について、オーラルプレゼンテーションで発表しました。
・2016年9月、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎を対象として「エンティビオ」の治療効果を評価したGEMINI 1試験データのうち、抗TNFα抗体による治療歴に基づく探索的解析の結果がClinical Gastroenterology and Hepatology誌に掲載されました。
・2016年9月、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病患者を対象とした長期治療データについて、現在実施中の非盲検試験であるGEMINI long-term safety (GEMINI LTS)試験の2つの中間解析データが、Journal of Crohn’s & Colitis誌に掲載されました。
・2016年10月、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎・クローン病に対する実臨床下での「エンティビオ」の有効性および安全性に関するデータについて、欧州消化器病学会週間(UEGW)において発表しました。実臨床下において本剤による治療を受けた5,000名以上の潰瘍性大腸炎・クローン病患者を対象としたデータにより、本剤の治療による顕著な寛解率、疾患活動性スコアの減少、粘膜治癒が示されました。
・2016年12月、中等度から重度の活動期クローン病患者を対象に「エンティビオ」の治療効果を検討したGEMINI 2試験およびGEMINI 3試験のデータに関し、事前に規定されていた、および事後に探索的に検討されたアウトカムに基づく解析結果が、Inflammatory Bowel Diseases誌に掲載されました。
[パートナーシップ/事業開発活動]
・2016年6月、当社は、アイルランドのセラバンス・バイオファーマ社と、経腸栄養不耐性の患者を含む消化管運動障害治療薬として開発中の選択的5-HT4受容体作動薬「TD-8954」について、全世界における開発・販売に関する独占的権利を当社が獲得する契約に合意しました。
・2016年7月、当社は、米国アルトス・セラピューティクス社と、胃不全麻痺における嘔気・嘔吐症状に対する経口ドパミンD2/D3受容体拮抗薬として開発中の「ATC-1906」について、開発に関する契約を締結しました。本契約に基づき、当社は、契約日から現在実施中の「ATC-1906」の臨床第1相試験終了後の一定期間終了まで同社を買収する独占的オプション権を有します。
・2016年7月、当社は、ベルギーのタイジェニクス社と、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬であり、病変内に注入する同種異系の脂肪由来幹細胞の懸濁剤である「Cx601」について、米国外の独占的開発・販売権に関する契約を締結しました。本薬は、2009年に肛囲複雑瘻孔治療薬としてECよりオーファン指定を受けており、タイジェニクス社は、2016年3月、欧州医薬品庁(EMA)に販売許可申請を行ったことを公表しています。
・2016年8月、当社とベルギーのタイジェニクス社は、「Cx601」について、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔に対する単回投与の有効性と安全性を検討するためにデザインされた、無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床第3相試験ADMIRE-CD試験の24週時点の成績が、Lancet誌(オンライン版)に掲載されたことを公表しました。
・2016年12月、当社は、米国PvPバイオロジクス社と、新しい酵素製剤「KumaMax」の開発におけるグローバルでの提携契約を締結しました。「KumaMax」は、グルテンが持つ自己免疫反応を引き起こす成分を胃の中で分解するよう設計された酵素製剤であり、誤ってグルテンを摂取した際のつらい症状や小腸の損傷を防ぐことが期待されます。本契約により、PvPバイオロジクス社は、あらかじめ定められた開発計画にもとづき、すべての研究ならびに臨床第1相試験での概念実証(proof-of-principle)試験(グルテンを分解することを確認する試験)までの臨床開発を行います。当社は、あらかじめ定められたデータパッケージを受領した後に同社を買収するという独占的なオプション権を有することを条件に、開発計画に関する費用として35百万米ドルの資金を提供します。
中枢神経系疾患
[パートナーシップ/事業開発活動]
・2016年9月、当社は、フランスのアフィロジック社と、同社が有するNanofitin®技術を活用し、中枢神経系疾患を対象とした治療薬に関する共同研究開発を実施する契約を締結しました。具体的には、米国カリフォルニア州サンディエゴの当社研究所において、神経疾患を対象に、脳にバイオ医薬品を到達させることを可能にするNanofitinを評価、最適化するため、両社がそれぞれの専門性を活かします。
・2017年1月、当社は、米国オービッド・セラピューティクス社と、当社の新規選択的CH24H阻害薬「TAK-935」について、希少小児てんかん領域での共同開発・販売契約を締結しました。臨床第1相試験の良好な結果を受け、今後、アンメットメディカルニーズの高い希少てんかん性脳症を対象に本薬の臨床第1b/2a相試験が開始される予定です。本契約に基づき、当社は、本薬の日本における販売権を有するとともにアジアおよび他の定められた地域における販売にかかるオプション権を有します。一方、オービッド・セラピューティクス社は、本薬の開発を主導するとともに、米国、欧州、カナダ、イスラエルでの販売権を獲得します。
ワクチン
[ノロウイルスワクチン]
・2016年6月、最も開発が先行しているノロウイルスワクチン「TAK-214」について、臨床第2相後期有効性フィールド試験を開始しました。
[デング熱ワクチン]
・2016年9月、4価弱毒生デング熱ワクチン「TAK-003」について、二重盲検、無作為化、プラセボ対照の臨床第3相試験であるTIDES試験を開始しました。
[パートナーシップ/事業開発活動]
・2016年5月、当社は、米国ビル&メリンダ・ゲイツ財団と発展途上国におけるポリオ根絶を目指し、事業提携契約を締結しました。当財団からの38百万米ドルの資金助成により、当社は、革新的なワクチン製造の基盤技術を強化し、安全かつ有効なセービン株不活化ポリオワクチンの開発を進め、承認を取得し、少なくとも年間5千万本のワクチンをGavi※(Global Alliance for Vaccine and Immunization:ワクチンと予防接種のための世界同盟)の援助を受けている70以上の発展途上国へ入手可能な価格で供給する計画です。
※Gaviは、世界の貧困国で生活する子供たちへ、新たに開発されるも接種率が低いワクチンへの接種機会を等しく提供するという共通目標のもと、公共セクターおよび民間セクターがともに参加する、ワクチンに関するグローバルな同盟機構です。
・2016年9月、当社は、インドのザイダス・カディラ社と、チクングニア熱ワクチンについて、早期開発段階から上市に至るまで共同で取り組む契約を締結しました。
・2016年9月、当社は、米国生物医学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)より、米国や世界中の流行地域でのジカ熱への取り組みを支援すべく、ワクチン開発の助成先として選定されました。臨床第1相試験までのワクチン開発の費用として、米国保健福祉省の事前準備対応次官補局(Assistant Secretary for Preparedness and Response:ASPR)の一部門であるBARDAより、最初の助成金として1,980万米ドルが交付されます。本ワクチンの臨床第3相試験実施および米国での生物学的製剤承認申請(BLA)にかかるオプション権をASPR/BARDAが行使した場合、助成金は最大で3億1,200万米ドルになる可能性があります。
その他
[アログリプチン]
・2016年6月、2型糖尿病治療剤「ネシーナ(一般名:アログリプチン)」の心血管系への安全性を評価したEXAMINE試験について、第76回米国糖尿病学会学術集会(ADA)において、本試験の新たな事後解析データを発表しました。
・2016年9月、日本において、当社は、「ネシーナ」とメトホルミン塩酸塩の配合剤である2型糖尿病治療剤「イニシンク配合錠」について、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
[パートナーシップ/事業開発活動]
・2016年5月、当社は、アステラス製薬株式会社および第一三共株式会社と、革新的医薬品の創出を効率化・加速化するため、健康成人におけるバイオマーカーの基礎データを網羅的に取得・解析する共同研究契約を締結したことを公表しました。本契約に基づき、三社は、臨床試験を実施する上で必要となる、健康成人におけるバイオマーカーの基礎データを網羅的に取得し、共同で解析を行います。サンプルはオランダのライデン大学が提携する臨床研究機関にて取得されます。
・2016年5月、当社は、米国のThe Global Alliance for TB Drug Development(TBアライアンス)と、結核の革新的な治療薬の開発に向け、新たな研究プログラムであるリード化合物探索(Hit-to-Lead)プログラム※に共同で取り組む契約を締結しました。本共同研究は、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund)の助成案件に選定されています。
※当社とTBアライアンスは、2013年6月、当社が所有する20,000種類の化合物ライブラリーの中から、結核の新規治療薬開発へと繋がる特性を持つ候補化合物を特定するハイスループットスクリーニングプログラムを開始しました。リード化合物探索プログラムは、ハイスループットスクリーニングプログラムにおいて選定されたヒット化合物をもとに進められます。
・2016年6月、当社は、ロイバント・サイエンシズ社と、女性疾患および前立腺がんに対する革新的な治療法をお届けすることを目的としたバイオ医薬品の新会社ミオバント・サイエンシズ社を設立するとともに、子宮筋腫、子宮内膜症、前立腺がん治療薬として臨床開発中の「TAK-385(一般名:relugolix)」について、日本とアジアの一部の国を除く全世界における独占的権利を、女性不妊症の治療薬候補である新規のオリゴペプチド・キスペプチン受容体作動薬「RVT-602(TAK-448)」については、全世界における独占的権利を供与することを公表しました。
・2016年6月、当社は、米国ウルトラジェニクス・ファーマシューティカル社と、希少遺伝子疾患に対する治療薬の開発・製品化に関する戦略的提携を締結しました。
・2016年6月、当社は、米国のメモリアルスローンケタリングがんセンター、ロックフェラー大学、ワイルコーネルメディスンズと、2013年に締結した革新的な医薬品の初期段階の研究を加速させることを目的としたTri-Institutional Therapeutics Discovery Institute(Tri-I TDI)との提携について、対象を拡大することを公表しました。今回の提携拡大により、既存の提携が、低分子化合物の範囲から抗体医薬創出に向けた新たな研究も含むものへと拡大されます。
・2016年11月、当社は、米国のメモリアルスローンケタリングがんセンター、ロックフェラー大学、ワイルコーネルメディスンズと、医薬品の研究開発企業であるブリッジメディスンズ社を設立したことを公表しました。ブリッジメディスンズ社は、当社と3つの研究機関のほか、ヘルスケア投資会社のベイシティキャピタル社およびディアフィールドマネジメントとの提携により設立されました。ブリッジメディスンズ社の設立は、革新的な治療薬を効率的かつ迅速に開発することを目指し、コンセプトから新薬候補の創出まで、継ぎ目なく十分な資金で専門性の高い研究者が研究を行う画期的な取り組みです。同社の研究は、Tri-I TDIで行われた研究成果を基に行われます。
・2016年9月、当社と米国マクロジェニクス社は、「MGD010」に関するライセンスおよびオプション契約を終了し、全世界での権利をマクロジェニクス社に返還しました。当社は、契約で規定されたオプション権行使期間満了前に契約終了を決定しましたが、これは、当社の疾患領域の優先順位の再定義によるものです。
・2016年11月、当社と京都大学iPS細胞研究所(CiRA)、公立大学法人横浜市立大学は、ヒトiPS細胞由来ミニ肝臓創出手法(ミニ肝臓技術)※を基盤とした創薬応用研究について共同研究契約を締結しました。本プロジェクトは、2015年4月に当社とCiRAが発表したT-CiRAと称する共同研究プログラムのひとつとして位置づけられ、CiRA以外の研究者を責任研究者とする初めてのプロジェクトになります。
※ 胎内で臓器が形成される初期の過程を模倣して、ヒトiPS細胞から立体的で血管構造を持つミニサイズのヒト臓器を作製する手法
新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期累計に著しい変動があった設備は、次のとおりであります。
海外子会社において、以下の計画が新たに確定しております。
|
区分 |
会社名 |
事業所名 |
セグメントの |
設備の内容 |
投資予定金額 |
資金調達 |
着手及び完了予定 |
||
|
総額 |
既支払額 |
着手 |
完了 |
||||||
|
新設 |
武田 GmbH |
工場 |
医療用医薬品 |
製造設備 |
15,017 |
594 |
自己資金 |
2016年11月 |
2019年9月 |
(6) 会社の経営上重要な事項
①和光純薬工業株式会社株式の富士フイルム株式会社への譲渡について
当社は、重点疾患領域である「オンコロジー(がん)」「消化器系疾患領域」「中枢神経系疾患領域」ならびに「ワクチン」へ研究開発資源を重点的に配分し、イノベーションを推進することで、革新的な新薬の創出を目指しております。
当社は、2016年12月15日、当社の連結子会社である和光純薬工業株式会社の株式の譲渡に向け、富士フイルム株式会社が2017年2月下旬から実施する予定の公開買付けに応募する旨の契約を締結しました。
本株式譲渡により、当社は、2017年度の連結純損益計算書において、和光純薬工業株式会社の株式売却益(税引前)約1,000億円を計上する見込みです。
詳しくは2016年12月15日のプレスリリース「和光純薬工業株式会社の富士フイルム株式会社への譲渡について」をご参照ください。
②ARIAD Pharmaceuticals, Inc. の買収について
当社は、2017年1月9日(米国時間1月8日)、ARIAD Pharmaceuticals, Inc.と、当社が同社を、1株当たり24.00米ドルで買収することについて合意しました。
ARIAD Pharmaceuticals, Inc.の買収は非常に戦略的であり、固形がん分野への拡大と血液がん分野のさらなる強化によって、当社のグローバルなオンコロジーポートフォリオとパイプラインを変革します。2017年前半に米国での販売許可が見込まれる brigatinibは、非小細胞肺がんに対する低分子ALK阻害薬であり、ベスト・イン・クラスとなる可能性、10億米ドルを超えるピーク年間売上の可能性に期待しています。慢性骨髄性白血病とフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病治療剤Iclusigはグローバルに販売中です。これら2つのターゲットを絞った革新的な治療薬は、コストシナジーも伴い、武田オンコロジーのバリュードライバーとなることが期待されます。また、同社は、魅力的な早期ステージのパイプラインを有しており、当社は同社の研究開発能力や基盤技術を活用します。本買収は、当社の医療用医薬品事業における短期的長期的な成長に力強く貢献します。
本買収は、2018年度までに、当社の実質的なCore Earningsの成長に貢献する見込みです。
詳しくは2017年1月9日のプレスリリース「武田薬品によるARIAD社の買収について」をご参照ください。また、2017年1月20日のプレスリリース「ARIAD社の発行済み全株式に対する現金による公開買付けの開始について」もあわせてご参照ください。
※ 公開買付けに関する追加情報
本四半期報告書のARIAD Pharmaceuticals, Inc. の買収に関する記載は、情報提供の目的のみで開示されるもので、いかなる証券に関する買付けの申込みや売却の勧誘を構成するものではありません。本四半期報告書記載の公開買付けは、当社(武田薬品工業株式会社)とKiku Merger Co., Inc.が2017年1月19日にSECに申請しましたSchedule TOに基づく公開買付説明書(買付申出、譲渡証フォーマットや公開買付けに関するその他書類を含む)及びその改訂版に従い行われているものです。また、ARIAD Pharmaceuticals, Inc. (ARIAD社)も2017年1月19日に本公開買付けに関するSchedule 14D-9に基づく意見表明書(その後の改訂版を含む)をSECに申請いたしました。当社、Kiku Merger Co., Inc.およびARIAD社は、ARIAD社の株主様にこれらの書類を郵送する予定です。これらの書類及びその改訂版には本公開買付けに関する重要な情報が含まれておりますので、投資家の皆様および株主様におかれましては、これらの書類を注意深くお読みいただきたく存じます。これら書類はSECのウエブサイト(www.sec.gov)でも無料で入手可能です。本公開買付け申込みおよび関連資料は、本公開買付けの情報エージェントと連絡をお取りいただければ無料で入手可能です。
※ 公開買付けに関する将来見通しの注意事項
本四半期報告書には、当社とARIAD社、および当社によるARIAD社の買収に関する「見通し情報」が含まれており、これらの情報には、本四半期報告書の記述によって表明、または暗示される結果と実際の結果とが著しく異なる可能性が生じるという重大なリスク、および不確実性が伴います。本四半期報告書における見通し情報には、以下のような予言的な性格の言葉、未来の不確定な出来事や状況に言及する言葉が多数使われております:「思われる」「予定である」「予測される」「予想される」「見積もられる」「期待される」「つもりである」「戦略」「将来的」「チャンス」「かもしれない」「〜しそうな」「〜するであろう」「〜すべきであろう」「〜できるであろう」「潜在的な」などがほんの一例として挙げられます。とりわけ、本買収によって想定されるベネフィット、予想される利益増と成長率、当社とARIAD社の計画・目標・期待・意図、財務状況、当社とARIAD社の事業活動の成果、ARIAD社の製品、ARIAD社のパイプライン製品および本買収の完了予定時期が含まれます。リスクと不確実性には、とりわけ、次のものが含まれます:本公開買付けに何人のARIAD社株主様が応募するかに関する不確実性や本買収がクローズしない可能性を含め、本買収のクロージング条件が想定期間内には満足されない、または全く満足されないことに関するリスク(必要な規制承認が取得できないリスクを含みます);本買収により期待されるベネフィットが実現できない、または期待された期間内に実現できない可能性を含めた、本買収により想定されるベネフィットを実現する能力に関するリスク;事業が成功裏に統合されないリスク;本取引による混乱から取引関係やオペレーション関係を維持することがより困難となるリスク;本買収の発表または実行による当社普通株式の市場価格および当社の事業結果に対する否定的な効果;著しい取引費用; 不知の債務; 本買収に関連する訴訟および/または規制指令のリスク;業界・市場・経済・政治または規制の状況の影響を含むその他の事業上の影響;将来の為替および金利;税法またはその他の法規制、料率およびポリシーの変更;将来の事業の統合または処分;競争・償還・経済上のチャレンジが増大する中でARIAD社製品の売上成長率を維持・増大させる能力を含め、研究開発に内在する不確実性;ARIAD社の製品またはパイプラインに関して医薬品申請をいかなる国・地域においていかなる効能・追加効能について行うか否か、またいつ行うか;FDAまたはその他の規制当局が上記申請を許可するか否か、またいつ許可するか(これらは、総合的な有効性と安全性に対するベネフィット・リスクに関する提出書類の評価に左右される);ラベリングおよびその他の事項に関するFDAまたはその他の規制当局の決定が、ARIAD社の製品およびパイプラインの市場への流通、または販売ポテンシャルに影響し得ること;他社との競争状況。実際の結果が著しく異なる原因となり得るその他の事項には、当社とKiku Merger Co., Inc. により申請されたSchedule TOに基づく公開買付説明書およびその他の公開買付けの資料に記載するものが含まれます。
これら事項の多くは当社のコントロールの及ばないものです。適用される法が命じる場合を除いて、今後、新しい情報・将来の出来事・進展等があった場合でも、当社は、本資料に含まれる見通し情報の更新を行う意図や義務を負うものではありません。