第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期累計において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等または、前年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期における、経営上の重要な契約等の締結等は次のとおりであります。

 

(1)技術導出

該当事項はありません。

 

(2)共同研究

当第2四半期に締結した契約

契約会社名

相手先

国名

共同研究の内容

契約期間

ミレニアム・ファーマシューティカルズInc.
(連結子会社)

ノイルイミューン・バイオテック㈱

日本

次世代型キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法に関する研究

2017.8~
契約所定の事由により解約されない限り、契約会社が契約所定の条件に基づくCAR-T製品の利用を終了するまで

 

 

(3)技術導入

当第2四半期に締結した契約

契約会社名

相手先

国名

技術の内容

対価の支払

契約期間

ミレニアム・ファーマシューティカルズInc.
(連結子会社)

テサロ社

アメリカ

ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬に関する技術

契約一時金
マイルストン
一定料率のロイヤルティ

2017.7~
契約所定の事由により解約されない限り、契約所定の対価の支払いが完了するまで

 

 

(4)販売契約

当第2四半期に終了・解約した契約

契約会社名

相手先

国名

契約内容

契約期間

武田コンシューマーヘルスケア㈱
(連結子会社)

大正製薬㈱

日本

ビオフェルミン製品(OTC医薬品)の日本における販売

2014.1~

 

 (注)2017年9月30日付で契約期間満了により終了しております。

 

(5)その他

当第2四半期に締結した契約

契約会社名

相手先

国名

契約内容

締結年月

契約対象の

取引の実行年月

武田薬品工業㈱
(当社)

ハムリー㈱

日本

㈱武田ラビックスの株式の全部譲渡

2017.8

2017.9

 

 

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 業績の状況

  

当第2四半期累計の連結業績は、以下のとおりとなりました。

売上収益

8,814億円

 [対前年同期

306億円

(  3.6%)

増]

Core Earnings

1,871億円

 [  〃

560億円

( 42.8%)

増]

営業利益

2,343億円

 [  〃

723億円

( 44.6%)

増]

税引前四半期利益

2,330億円

 [  〃

780億円

( 50.3%)

増]

四半期利益
(親会社の所有者帰属分)

1,728億円

 [  〃

485億円

( 39.0%)

増]

EPS

221円43銭

 [  〃

62円36銭

( 39.2%)

増]

 

〔売上収益〕

売上収益は、タケダの成長ドライバー(消化器系疾患領域、オンコロジー(がん)領域、中枢神経系疾患領域および新興国事業)の継続的な伸長と、為替の円安による増収影響(203億円)が、事業等の売却による減収影響(432億円)を吸収し、前年同期から306億円増収(+3.6%)の8,814億円となりました。

為替影響と事業等の売却影響を除いた実質的な売上収益は、前年同期から+14.9%と力強く伸長したタケダの成長ドライバーに牽引され、+6.7%の成長率となりました。

(タケダの成長ドライバー)

・消化器系疾患領域では、当社のトップ製品である潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」の売上が、グローバルに伸長し、316億円増収(+48.4%、実質ベース+43.4%)の970億円となり、売上成長を牽引しました。「エンティビオ」は生物学的製剤の新規患者シェアを順調に拡大しております。承認国数は60カ国以上となり、日本でも2017年8月に厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。また、酸関連疾患治療剤「タケキャブ」も、逆流性食道炎や低用量アスピリン投与時における胃潰瘍の再発抑制等の効能を中心として、日本において処方が拡大し、売上は115億円増収(+83.0%、実質ベース+83.0%)の253億円となりました。

  消化器系疾患領域の実質的な売上収益の成長率は+24.8%となりました(財務ベースの成長率は+27.1%)。

・オンコロジー領域では、多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」の売上が、米国をはじめとした各国で伸長し、90億円増収(+70.1%、実質ベース+63.8%)の217億円となりました。「ニンラーロ」は、高い有効性、安全性、利便性を有する週1回経口投与のプロテアソーム阻害剤であり、日本では2017年5月に販売を開始しました。また、2017年2月のアリアド・ファーマシューティカルズ Inc. (以下「アリアド社」)の買収により獲得した白血病治療剤「アイクルシグ」も109億円の売上を計上し、オンコロジーの売上成長に貢献しました。さらに、同買収により獲得した肺がん治療剤「ALUNBRIG」の米国での販売を、2017年5月に開始しました。本剤は、ベスト・イン・クラスとなる可能性を有する低分子ALK阻害薬として高い将来性が期待されています。

  オンコロジー領域の実質的な売上収益の成長率は+13.2%となりました(財務ベースの成長率は+15.9%)。

・中枢神経系疾患領域では、大うつ病治療剤「トリンテリックス」の売上が92億円増収(+64.6%、実質ベース+58.7%)の234億円となりました。「トリンテリックス」は、患者さんに対するエンゲージメント推進などにより、米国の抗うつ薬市場における先発品シェアを順調に拡大しています。

  中枢神経系疾患領域の実質的な売上収益の成長率は+26.7%となりました(財務ベースの成長率は+29.6%)。

・新興国事業の売上は91億円増収(+7.1%)の1,357億円となりました。新興国事業では、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」をはじめとするオンコロジーの製品や、「エンティビオ」をはじめとする消化器系疾患領域の製品が伸長し、これら領域の製品ポートフォリオが、新興国事業の成長に寄与しています。

 新興国事業の実質的な売上収益の成長率は+3.4%となりました。

 

(医療用医薬品事業の地域別情報)

 ・医療用医薬品事業の売上収益の地域別内訳は以下のとおりとなりました。

 

金額

対前年同期

実質的な売上収益(注)

金額

実質的な成長

医療用医薬品事業

8,384億円

687億円

(8.9%) 増

8,073億円

+531億円

+7.0%

 

米国

3,018億円

515億円

(20.6%) 増

2,953億円

+422億円

+16.7%

 

日本

2,520億円

3億円

(0.1%) 増

2,323億円

+6億円

+0.3%

 

欧州およびカナダ

1,489億円

79億円

(5.6%) 増

1,444億円

+58億円

+4.2%

 

新興国

1,357億円

91億円

(7.1%) 増

1,354億円

+45億円

+3.4%

コンシューマーヘルスケア事業
およびその他事業

430億円

381億円

(47.0%) 減

430億円

+4億円

+0.8%

全社合計

8,814億円

306億円

(3.6%) 増

8,503億円

+535億円

+6.7%

 

 (注) 実質的な売上収益:為替影響および事業等の売却影響を控除した実質ベースの売上収益です。

医療用医薬品事業は、687億円増収(+8.9%)の8,384億円となりました。このうち、米国は515億円増収(+20.6%、実質ベース+16.7%)の3,018億円となり、欧州およびカナダは79億円増収(+5.6%、実質ベース+4.2%)の1,489億円となりました。日本は、成長ドライバー製品の伸長が、ファイザー社との一部製品にかかる仕入販売契約が終了したことに伴う減収影響(157億円)を吸収し、微増(+0.1%、実質ベース+0.3%)の2,520億円となりました。 

  医療用医薬品事業の実質的な売上収益の成長率は+7.0%となりました。 

(事業等の売却影響)

・当期の事業等の売却影響は前年同期から432億円の減収影響となりました。主な事業等の売却影響としては、当社の連結子会社であった和光純薬工業株式会社の株式を、2017年4月に売却したことに伴う同社連結除外の減収影響(379億円)に加え、2016年8月に肥満症治療剤「コントレイブ」の米国における独占販売契約を解消したことに伴う収益を前年同期に計上したこと等による減収影響(91億円)がありました。また、当社の日本の長期収載品7製品を、2017年5月に武田テバ薬品株式会社に売却した件については、製品売上を失う減収影響の一方、売却時に当該製品の売却益に関連する売上収益を計上したことにより、全体としては増収影響(64億円)となりました。その他少額な事業等の売却がありましたが、これらはあわせて26億円の減収影響となりました。

〔営業利益〕

 前年同期から723億円増益(+44.6%)の2,343億円となりました。

・売上総利益は、成長ドライバー製品の売上の力強い伸長により、647億円増益(+11.3%)の6,387億円となりました。製品構成の改善により、事業等の売却影響と為替影響を除いた実質的な売上総利益は対前年同期+10.9%となり、実質ベースの売上総利益率は69.2%から71.9%に向上しました。

・販売費及び一般管理費は対前年同期63億円の増加(+2.2%)となりましたが、事業等の売却影響、グローバル経費削減イニシアチブの初期の削減効果および規律ある経費管理により、売上収益の増加率を下回りました。事業等の売却影響と為替影響を除いた実質的な費用は対前年同期+2.4%となり、実質ベースでも売上収益の増加率を下回りました。なお、当該増加は、当期における株式報酬費用の増加(24億円)と、売上収益の増加に伴う共同プロモーション費用の増加(28億円)を含んでおります。これらの影響を除いた費用は対前年同期+0.6%となりました。

・研究開発費は、31億円の増加(+2.1%)となりました。事業等の売却影響と為替影響を除いた実質的な費用も対前年同期+2.1%となりました。

・製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、対前年同期188億円減少(△24.8%)の569億円となりました。無形資産償却費はアリアド社の買収に伴う償却費が当期から発生しており112億円の増加となりました。減損損失は、前年同期において痛風治療剤「コルクリス」にかかる減損損失140億円を計上した一方、当期において「コルクリス」の販売見通し改善により減損損失の戻入を98億円計上したことなどにより、300億円の減少となりました。

・その他の営業収益は、和光純薬工業株式会社の株式売却益1,063億円を計上したことや、賃貸用オフィスビルの固定資産売却益160億円を計上したことなどにより、1,369億円となりました。一方、前年同期においては、日本の長期収載品事業を武田テバ薬品株式会社へ移管した際に生じた事業譲渡益1,029億円を計上していたことなどにより、対前年同期では117億円の増加(+9.4%)となりました。

・その他の営業費用は320億円となり、対前年同期135億円の増加(+73.1%)となりました。当期のその他の営業費用には、アリアド社買収後の事業統合関連費用、研究開発体制の変革にかかる費用をはじめとする事業構造再編費用137億円および「コルクリス」にかかる条件付対価(注)の変動に伴う費用60億円が含まれています。

(注)企業結合に起因して、将来の特定事象が発生した場合に、追加的に発生する取得対価の公正価値を負債計上したもの

〔四半期利益(親会社の所有者帰属分)〕

 主に、営業利益の増益により、前年同期から485億円増益(+39.0%)の1,728億円となりました。

・法人所得税費用は、当期における税額控除の増加や子会社の適用税率差異による税金費用の減少がありましたが、税引前四半期利益の増益による税金費用の増加に加えて前年同期における海外子会社の減資に伴う税金費用の減少や不確実性に係る未払法人所得税の見直しがあったことなどにより、全体では前年同期から309億円の増加(+105.1%)となりました。

・基本的1株当たり四半期利益(EPS)は、前年同期から62円36銭増加(+39.2%)し、221円43銭となりました。

〔セグメント別の状況〕

当第2四半期累計における各セグメントの売上収益および営業利益は、以下のとおりとなりました。

 

セグメント

売上収益

営業利益

金額

対前年同期

金額

対前年同期

医療用医薬品事業

8,384億円

687億円 増

1,012億円

451億円 減

コンシューマーヘルスケア事業

427億円

4億円 増

121億円

0億円 増

その他事業

3億円

385億円 減

1,211億円

1,174億円 増

全社合計

8,814億円

306億円 増

2,343億円

723億円 増

 

(医療用医薬品事業)

・医療用医薬品事業の売上収益は、成長ドライバーの力強い伸長による実質的な売上収益の成長に加え、為替の円安による増収影響(203億円)があったこと等により、前年同期から687億円増収(+8.9%)の8,384億円となりました。営業利益は、前年同期に長期収載品事業を武田テバ薬品株式会社へ移管した際に生じた事業譲渡益1,029億円を計上しましたが、当期の実質的な売上収益の成長に伴う増益により、前年同期から451億円減益(△30.8%)の1,012億円となりました。

(コンシューマーヘルスケア事業)

・コンシューマーヘルスケア事業の売上収益は、「アリナミン錠剤類」等の増収により、前年同期から4億円増収(+0.9%)の427億円となりました。営業利益は、前年同期から横ばいの121億円となりました。

(その他事業)

・その他事業の売上収益は、主に、当社の連結子会社であった試薬事業を営む和光純薬工業株式会社の株式を、2017年4月に売却したことに伴う同社連結除外の減収影響(379億円)により、前年同期から385億円減収(△99.3%)の3億円となりました。営業利益は、同社の株式売却にかかる株式売却益1,063億円を計上したことや、賃貸用オフィスビルの固定資産売却益160億円を計上したことなどにより、1,174億円増益の1,211億円となりました。

 

〔実質的な成長の概要〕

当社は、事業の計画策定および業績評価において、「実質的な成長」(Underlying Growth)の概念を採用しております。「実質的な成長」は、為替影響、事業等の売却影響およびその他の非定常的もしくは本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を控除し、当期と前年同期(四半期もしくは年間)の業績を共通の基準で比較するものです。当社は、この「実質的な成長」が、実際の事業活動のパフォーマンスを表していると考え、「Underlying Revenue Growth」(実質的な売上収益(注1)の成長)、「Underlying Core Earnings(注2)Growth」(実質的なコア・アーニングスの成長)および「Underlying Core EPS(注3)Growth」(実質的なコアEPSの成長)を重要な経営指標としています。なお、本指標は、国際会計基準(IFRS)に準拠したものではありません。

当第2四半期累計の実質的な成長は、以下のとおりとなりました。

売上収益(注1)

+6.7%

〔対前年同期

535億円

増〕

Core Earnings(注2)

+44.4%

〔  〃  

500億円

増〕

Core EPS(注3)

+29.9%

〔  〃

37円89銭

増〕

 

 

(注1)実質的な売上収益は、財務ベースの売上収益に、為替影響および事業等の売却影響を調整して計算します。当期の実質的な成長を算定するにあたっての調整項目の主な内容は、和光純薬工業株式会社の株式を売却したこと、肥満症治療剤「コントレイブ」の独占販売契約を解消したこと、および、武田テバ薬品株式会社に当社の日本の長期収載品7製品を売却したことに伴う事業等の売却影響、並びに為替影響であります。

(注2)Core Earningsは、売上総利益から販売費及び一般管理費、および、研究開発費を控除して算出します。さらに、非定常的もしくは本業に起因しない(ノン・コア)事象であり、かつ、金額の大きい影響を調整します。これらには、自然災害による影響、企業買収に係る会計処理の影響、主な訴訟費用、事業構造再編費用、政府による法令変更の措置の影響などが含まれます。実質的なCore Earningsの成長の算定は、上記に加え、為替影響および事業等の売却影響を調整します。Core Earningsから当期の実質的なCore Earningsの成長を算定するにあたっての調整項目の主な内容は、和光純薬工業株式会社の株式を売却したこと、肥満症治療剤「コントレイブ」の独占販売契約を解消したこと、および、武田テバ薬品株式会社に当社の日本の長期収載品7製品を売却したことに伴う事業等の売却影響、並びに為替影響であります。

(注3)Core EPSの算定にあたっては、Core Earningsから、営業利益以下の各科目のうち、非定常的もしくは本業に起因しない(ノン・コア)事象であり、かつ、金額の大きい影響を調整します。ここには、条件付対価に係る公正価値変動影響などが含まれます。さらに、これらに係る税金影響に加え、Core Earnings調整に係る税金影響を合わせて調整します。Core EPSから当期の実質的なCore EPSの成長を算定するにあたっての調整項目の主な内容は、和光純薬工業株式会社の株式を売却したこと、肥満症治療剤「コントレイブ」の独占販売契約を解消したこと、および、武田テバ薬品株式会社に当社の日本の長期収載品7製品を売却したことに伴う事業等の売却影響、並びに為替影響であります。なお、調整項目にかかる税金影響も控除しています。

・実質的な売上収益の成長率は、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」や酸関連疾患治療剤「タケキャブ」、多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」、白血病治療剤「アイクルシグ」、大うつ病治療剤「トリンテリックス」をはじめとしたタケダの成長ドライバーの製品が力強く伸長したことにより、対前年同期+6.7%となりました。タケダの成長ドライバー全体では+14.9%の力強い伸長となりました。

・実質的なCore Earningsの成長率は、実質的な売上収益の力強い成長や、コスト管理効果により前年同期から大きく伸長し+44.4%となりました。製品構成の改善により、実質的な売上総利益率が2.7pp向上し、売上総利益は+10.9%伸長しました。実質的な営業経費は、グローバル経費削減イニシアチブの初期の削減効果や、規律ある経費管理により、対売上収益比率が2.3pp向上しました。上記の要因の組み合わせにより、実質的なCore Earningsの対売上収益比率は5.0pp向上し、19.1%となりました。

・実質的なCore EPSの成長率は、実質的なCore Earningsの力強い成長(+44.4%)および税負担率の増加(前年同期:14.1%、当期:20.7%)を反映し、前年同期から+29.9%となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

 

[資産]

当第2四半期末における資産合計は4兆3,760億円となりました。和光純薬工業株式会社の株式売却や賃貸用オフィスビルの売却等により、現金及び現金同等物が1,114億円増加した一方、売却目的で保有する資産が1,373億円減少しました。また、為替の円安による影響等でのれんが483億円増加したことなどにより、資産合計額は前年度末から213億円の増加となりました。

[負債]

当第2四半期末における負債合計は2兆2,703億円となりました。主に和光純薬工業株式会社の株式売却に伴い、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が887億円減少しました。また、仕入債務及びその他の債務が309億円減少したことなどにより、前年度末から1,354億円減少しました。

[資本]

当第2四半期末における資本合計は2兆1,057億円となりました。四半期利益が配当金による減少を上回り、利益剰余金が1,025億円増加したことや、為替の円安による影響で在外営業活動体の換算差額が861億円増加したことなどにより、前年度末より1,567億円の増加となりました。
親会社所有者帰属持分比率(注)は47.7%となり、前年度末から4.2ポイント増加しております。
(注)日本基準における自己資本比率に相当

なお、当第2四半期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を行ったため、連結財政状態計算書を遡及修正しております。遡及修正の内容については、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表等 要約四半期連結財務諸表 注記12 企業結合」をご参照ください。

[キャッシュ・フロー]

当第2四半期末の現金及び現金同等物は、前期末より1,114億円増加し(前年同四半期は1,677億円の増加)、4,309億円となりました。なお、当該増加は、売却目的で保有する資産を期首の現金及び現金同等物に振り戻したことによる218億円のプラスを含んでおります。

営業活動によるキャッシュ・フローは1,670億円のプラス(前年同四半期は1,118億円のプラス)、投資活動によるキャッシュ・フローは232億円のプラス(前年同四半期は111億円のマイナス)、財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払等により1,081億円のマイナス(前年同四半期は2,000億円の長期借入れによる収入もあり981億円のプラス)、現金及び現金同等物に係る換算差額は76億円のプラス(前年同四半期は311億円のマイナス)となりました。

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 

当第2四半期累計において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動の内容および成果

 

 当第2四半期累計の研究開発費の総額は1,551億円であります。

当社は、2016年7月29 日、「オンコロジー(がん)」、「消化器系疾患」、「中枢神経系疾患」の3つの疾患領域と「ワクチン」にフォーカスし、今日の標準治療を上回る画期的な治療を提供するパイプラインを構築するために、研究開発体制の変革を加速するプランを策定したことを公表しました。その変革に不可欠な要素として、社内の人材の育成と専門性の強化を、提携等を通じた外部イノベーション取り込みを可能とするオペレーションモデルの構築と共に進めています。専門性の強化においては、低分子化合物のみならず多様化した治療モダリティに関する専門性、生命情報学及び遺伝子研究並びにトランスレーショナルメディスンに注力しています。

本研究開発体制の変革は大きく進展してまいりました。疾患領域の絞り込みにより、重点領域外となった開発品の売却・導出を進めるとともに、革新性に対する社内基準を大きく引き上げ、その基準に満たない開発品の優先順位を引き下げました。一方、2016年度末までの18ヶ月間に50以上、また、2017年度第2四半期までにはさらに25以上の企業や学術研究機関とパートナーシップ契約を締結しました。また、研究開発の効率性についても、価値を創造する一連のパートナーシップの締結により改善してきました。最も意義深いものは、米国PRAヘルス・サイエンシズ社(PRA社)とのパートナーシップであり、同社は当社の開発品や既発売品の臨床開発、さらには市販後に必要な対応へのサポートを行う主要な戦略的パートナーです。研究機関やバイオテク企業との様々な提携を通じ、当社はパートナーシップをコア・バリューとし、且つ、外部提携に対する能力も構築しています。

当社は、日本におけるイノベーションの推進および専門性の強化にも取り組んでいます。当社の最先端の研究施設である湘南研究所においては、当社の研究活動拠点に加えて、基礎から応用までの橋渡し研究や探索研究から化合物の最適化をサポートするAxcelead Drug Discovery Partners(アクセリード ドラッグディスカバリーパートナーズ)株式会社を設立しました。同社は、当社の研究のみならず、他の製薬企業やバイオテク企業、アカデミアの研究機関等に対しても研究支援を行います。また、当社は、アクセリード ドラッグディスカバリーパートナーズや創設するバイオテク基金により強力にサポートされるイノベーションエコシステムの実現に向けて、湘南のヘルスイノベーションパークの設置にも注力しています。

研究開発組織は主に、世界レベルの拠点であり外部提携を推進する日本の湘南および米国ボストンに集約し、さらに、両拠点を支えて各地域の開発・メディカルを担う、スリムで最先端の拠点が世界中にあり、また、優れたバイオテク企業のようなサンディエゴの研究拠点があります。

本研究開発体制の変革、パイプラインのイベント、ならびに事業開発契約について、当第2四半期累計における重要な進捗は以下のとおりです。

研究開発体制の変革

・2017年6月、当社は、米国PRAヘルス・サイエンシズ社(PRA社)との臨床開発に関するグローバルでのパートナーシップの一環として、日本において、合弁会社である武田PRA開発センター株式会社を設立しました。本合弁会社は、当社の日本における臨床開発およびファーマコビジランス等に係る、開発パイプラインおよび販売製品のサポート事業を承継しました。

・2017年7月、当社は、日本の武州製薬株式会社(武州製薬)とのファーマシューティカルサイエンスに関する日本におけるパートナーシップとして、治験薬の開発および製造等に係る事業を承継させたスペラファーマ株式会社の全ての株式を武州製薬に譲渡しました。

・2017年7月、当社は、創薬研究部門の一部事業を、湘南研究所に設立した当社100%子会社のAxcelead Drug Discovery Partners(アクセリード ドラッグディスカバリーパートナーズ)株式会社に承継し、同社は事業を開始しました。同社は、当社のみならず国内外のライフサイエンスに関わる様々な組織・企業に対し、スクリーニング、合成、薬効薬理、薬物動態、安全性評価などの分野で総合的かつ包括的な創薬支援サービスを提供します。

・2017年8月、当社は、当社研究者によるベンチャー企業設立を支援するアントレプレナーシップ ベンチャー プログラムにより、新しいバイオテク企業である株式会社SEEDSUPPLY(シードサプライ)が設立されたことを公表しました。同社は、湘南研究所に拠点を置き、最先端かつ特殊なBinder selection技術による創薬スクリーニングサービスを国内外製薬企業に提供し、顧客の将来的なポートフォリオの構築に貢献します。

・2017年8月、当社は、米国カーデュリオン・ファーマシューティカルズ社(カーデュリオン社)と循環器系疾患治療薬の研究開発に関する提携を締結したことを公表しました。当社は、湘南研究所の12名の循環器系疾患領域の研究チームをカーデュリオン社に移すこと、また湘南研究所の整備された研究スペース、研究開発リソース等をカーデュリオン社に提供するとともに循環器系疾患の複数の前臨床パイプラインを同社にライセンス供与することで、新会社の勢いあるスタートに貢献します。

・2017年10月、当社は、当社研究者によるベンチャー企業設立を支援するアントレプレナーシップ ベンチャー プログラムにより、株式会社SEEDSUPPLY(シードサプライ)に続いて2社目のバイオテク企業、株式会社ChromaJean(クロマジーン社)が設立されましたことを公表しました。同社は、湘南研究所に拠点を置き、独自のアルゴリズムに基づくクロマトグラフィー技術を国内外の製薬企業に提供します。

販売製品の価値最大化

[エンティビオ]

・2017年5月、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ(一般名:ベドリズマブ)」について、2017年米国消化器病週間(Digestive Disease Week:DDW)において、成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎およびクローン病患者を対象とした8つの実臨床における本剤の有効性および安全性のデータを発表しました。

・2017 年8月、当社は、「ベドリズマブ」(一般名)について、中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎に対する治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。今回の申請は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者292名を対象に、導入療法及び維持療法における「ベドリズマブ」の有効性、安全性及び薬物動態を検討した国内臨床第3相試験であるCCT-101試験の結果に基づくものです。

・2017 年11月、当社は、第25回欧州消化器病週間(United European Gastroenterology:UEG)において、潰瘍性大腸炎またはクローン病における「エンティビオ」の実臨床下での安全性に関するシステマティック・レビューおよびメタアナリシス、米国でエンティビオが投与された炎症性腸疾患(IBD)患者の免疫抑制治療の実臨床データなど複数の研究データを発表しました。

[アドセトリス]

・2017年6月、当社は、米国シアトルジェネティクス社と、同社から導入した「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)」について、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)に対する効果を検証した臨床第3相試験であるALCANZA試験の結果がLancetに掲載されたことを公表しました。本試験結果は、2016年12月に開催された第58回米国血液学会(ASH)年次総会において口頭発表されたものです。本剤は、CTCL患者の約50%において皮膚病変の腫瘍に発現するCD30を標的とした抗体薬物複合体(ADC)です。

・2017年6月、当社は、米国シアトルジェネティクス社と、未治療の進行期古典的ホジキンリンパ腫患者を対象とし、化学療法と併用した場合の「アドセトリス」の一次(フロントライン)治療としての有用性を検討した無作為化、多施設共同の臨床第3相試験であるECHELON-1試験において、主要評価項目を達成し、対照群と比較して統計学的に有意な修正無増悪生存期間の改善が示されたことを公表しました。

・2017年10月、当社は、米国シアトルジェネティクス社と、再発・難治性の全身性未分化大細胞型リンパ腫(sALCL)に対する「アドセトリス」の効果を検証した臨床第2相試験の結果がBlood誌に掲載されたことを公表しました。5年間の試験結果を要約した本論文は、sALCL患者に対するアドセトリス単独投与による効果の持続性および長期間の寛解に関するデータをまとめています。

[トリンテリックス]

・2017年6月、当社は、デンマークのルンドベック社より導入した大うつ病治療剤「トリンテリックス(一般名:ボルチオキセチン)」について、本剤の米国添付文書の臨床試験の項へ、成人大うつ病性障害における認知機能障害に対する本剤の効果についてのデータを追記するための医薬品承認事項変更申請について、米国食品医薬品局(FDA)より追加解析提供後の審査完了報告書を受領しました。

 

開発パイプラインの進捗

[ALUNBRIG]

・2017年4月、当社は、未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子(ALK)阻害剤「ALUNBRIG(一般名:brigatinib)」について、ALK陽性の転移性非小細胞肺がんに対する治療剤として、FDAより、迅速承認制度に則り販売許可を取得しました。

[デング熱ワクチン]

・2017年4月、4価弱毒生デング熱ワクチン「TAK-003」について、二重盲検、無作為化、プラセボ対照の臨床第3相試験であるTIDES試験において、4歳から16歳の小児・若年被験者20,100名の組み入れが完了したことを公表しました。

・2017年11月、当社は、デング熱ワクチンの臨床第2相試験であるDEN-204試験における18ヵ月時点の中間解析結果がLancet Infectious Diseasesに掲載されたことを公表しました。予め計画された本中間解析の結果から、「TAK-003」が小児および若年者に対するデング熱発症率を減少させる可能性が示唆されました。

[ラサギリン]

・2017年6月、当社は、イスラエルのテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ社より導入したパーキンソン病治療薬「ラサギリン(一般名)」について、製造販売承認申請を日本の厚生労働省に提出しました。

[Relugolix]

・2017年10月、当社は、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体拮抗薬「relugolix(一般名、開発コード:TAK-385)」の子宮筋腫を対象とした臨床第3相検証試験(TAK-385/CCT-002試験)において、主要評価項目である「relugolix」投与群の対照群に対する非劣性が示されましたことを公表しました。TAK-385/CCT-002試験は、症状を示す子宮筋腫を有する日本人女性を対象に、「relugolix」投与群と対照群であるリュープロレリン酢酸塩(一般名)投与群を比較する、無作為化、二重盲検、並行群間、多施設共同試験であり、本薬を24週間経口投与した際の有効性および安全性を検討しました。

・2017年11月、当社は、relugolixの子宮筋腫を対象とした臨床第3相試験(TAK-385‐3008試験)において、relugolix投与群の対照群に対する統計学的に有意な疼痛症状の改善が示されたことを公表しました。TAK-385‐3008試験は、子宮筋腫に伴う疼痛症状を有する日本人女性を対象にした無作為化、二重盲検、並行群間、多施設共同試験であり、本薬を12週間経口投与した際の有効性および安全性を、プラセボを対照薬として比較検討しました。

将来に向けた研究プラットフォームの構築/研究開発における提携の強化

・2017年4月、当社は、米国フィンチ・セラピューティクス社と、同社の有する「FIN-524」について、全世界を対象とした共同開発契約を締結したことを公表しました。「FIN-524」は、炎症性腸疾患を対象とした腸内細菌移植試験における良好な臨床結果との関連が示唆される複数の細菌株を培養した前臨床段階の生菌カクテル製剤です。

・ 2017年5月、当社は、英国ガンマデルタ・セラピューティクス社と、ヒト組織常在型のガンマ・デルタT細胞が有する独自の特性に基づく同社の新規T細胞基盤技術の開発に関する戦略的提携契約を締結しました。当社とガンマデルタ・セラピューティクス社は、固形がんを含む幅広い種類のがんや自己免疫疾患の治療に向け、本新規技術を活用して新たな免疫治療薬の研究開発を行う予定です。

・2017年5月、当社は、米国シュレーディンガー社と、当社の重点疾患領域を対象とした複数の創薬標的に関する共同研究契約を締結しました。シュレーディンガー社は複数の創薬標的に関し、簡潔性、スピード、機動性重視のもと、創薬をリードします。当社は、タンパク結晶構造をシュレーディンガー社に提供することで、新規化学物質のデザインにつながるコンピューター技術を同社が活用するサポートを行います。

・2017年7月、当社は、米国バイオサーフェシズ社と、同社のナノマテリアル技術を利用し、消化器系疾患の患者を治療するための革新的な医療デバイスに関する共同研究契約を締結したことを発表しました。当社は、消化器系分野に関する科学的および技術的な専門性を提供し、バイオサーフェシズ社は医療デバイス設計およびナノマテリアルに関する専門性および製造技術を提供します。

・2017年7月、当社は、米国テサロ社と、同社の有するがん治療薬であるポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬「niraparib(一般名)」について、独占的開発・販売に関するライセンス契約を締結しました。本契約により、当社は、日本における「niraparib」に関する全てのがんについて、また、韓国、台湾、ロシア、オーストラリアにおける前立腺がんを除く全てのがんについて独占的開発・販売権を獲得します。

・2017年8月、当社は、米国モレキュラー・テンプレーツ社(モレキュラー社)と、がん治療薬創出プログラムの提携に関する契約を締結したことを公表しました。本提携では、両社で構成されるJoint Scientific Committeeを通じて当社が提供する治療標的候補にモレキュラー社のEngineered Toxin Bodies(ETB)基盤技術を応用します。

・2017年8月、当社は英国アストラゼネカ社と、同社の有する「MEDI1341」について共同開発・販売契約を締結しました。「MEDI1341」は、α-シヌクレイン(α-Synuclein)抗体で、現在パーキンソン病を対象に開発中です。α-シヌクレインはパーキンソン病の原因となる病理学的タンパク質凝集体であるレビー小体の主要構成成分であり、パーキンソン病患者の神経細胞に蓄積し、病気の進行とともに神経系全体に広がると見られています。

・2017年8月、当社は、日本のノイルイミューン・バイオテック株式会社(ノイルイミューン)と次世代型キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法に関する提携契約を締結しました。この次世代型CAR-T細胞療法技術は、山口大学玉田耕治教授により開発され、ノイルイミューンが独占的に権利を有する基盤技術で、サイトカイン、ケモカイン等を産生する機構を有しており、がん治療の効果を高めるため固形がん組織の微小環境に影響をあたえるまたは変化させることが期待されます。本契約により、武田薬品とノイルイミューンは、幅広い種類のがんの治療に向け、この技術を活用した新たなCAR-T細胞免疫療法の研究開発を行います。

・2017年9月、当社は、スウェーデンのカロリンスカ研究所およびカナダのストラクチャル・ゲノミクス・コンソーシアム(SGC)と、炎症性腸疾患における新規治療法の開発および検証に向け、前競争的研究および独占的研究に関する共同研究契約を締結したことを公表しました。本提携により、武田薬品、カロリンスカ医科大学病院およびSGCの研究者と臨床医で構成されるトランスレーショナル医療研究チームが発足し、大規模かつ十分特徴づけられた炎症性腸疾患患者群から得られた組織検体をもとに、先進的なトランスレーショナル疾患モデルを開発します。

・2017年10月、当社は、米国ヘモシャー・セラピューティクス社と非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む肝疾患の新規治療法を創出・開発するための共同研究契約を締結したことを公表しました。ヘモシャー・セラピューティクス社独自の創薬基盤技術であるREVEAL-TxTMは、患者由来の組織に生理的な血流状態を適用するものであり、ヒトへ投与する薬剤濃度で候補化合物を研究することを可能にし、高い精度で疾患を再現することにより、複合的な病態生理学的経路に対する重要な知見をもたらします。

・2017年11月、当社は米国ポータル・インストルメンツ社と同社の針を使わない医療用デバイスの開発および商品化について提携契約を締結しました。本提携にもとづき、ポータル・インストルメンツ社の技術を当社の開発中または承認済みの生物学的製剤へ応用することを目指します。マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)のIan Hunter教授の研究室が開発したこの医療用デバイスと技術は、現在注射による皮下投与が必要とされる様々な生物学的製剤へ応用できる可能性があり、当社における最初の開発プログラムとして、「エンティビオ(一般名:ベドリズマブ)」への試験的応用を検討します。