なお、前年度の有価証券報告書の「(7)企業買収に関するリスク」に記載したShire plc(以下、「Shire社」)の買収について、当社は2019年1月8日にShire社の買収を完了しました。
(1) 業績の状況
当第3四半期累計の連結業績は、以下のとおりとなりました。
〔売上収益〕
売上収益は、タケダの成長ドライバー(消化器系疾患領域、オンコロジー(がん)領域、ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域および新興国事業)(注)の継続的な伸長があったものの、事業等の売却による減収影響(379億円)および主に新興国通貨に対する為替の円高による減収影響などにより、前年同期から概ね横ばいの13,800億円となりました。
(注)Shire社買収後の現在の当社の主要ビジネスエリアは、オンコロジー、消化器系疾患、ニューロサイエンス、希少疾患、血漿分画製剤です。
タケダの成長ドライバーは前年同期から+10.5%と力強く伸長し、為替影響と事業等の売却影響を除いた実質的な売上収益は+4.8%の成長率となりました。
タケダの成長ドライバー
・消化器系疾患領域の売上収益の成長率は+17.5%(実質ベース+18.6%)となりました。当社のトップ製品である潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」(国内製品名:「エンタイビオ」)の売上が伸長し、515億円増収(+34.4%、実質ベース+35.1%)の2,010億円となり、売上成長を牽引しました。「エンティビオ」は生物学的製剤の新規患者シェアを順調に拡大しています。日本でも、2018年7月に中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎に対する治療剤として製造販売承認を取得し、2018年11月に販売を開始しました。酸関連疾患治療剤「タケキャブ」も、逆流性食道炎や低用量アスピリン投与時における胃潰瘍の再発抑制等の効能を中心として、日本において新規処方が拡大し、売上は69億円増収(+18.5%、実質ベース+18.5%)の444億円となりました。
・オンコロジー領域の売上収益の成長率は+5.8%(実質ベース+7.0%)となりました。多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」の売上が、前年同期と同様に米国をはじめとした各国で力強く伸長し、119億円増収(+34.5%、実質ベース+36.6%)の465億円となりました。「ニンラーロ」は、高い有効性、安全性、利便性を有する週1回経口投与のプロテアソーム阻害剤です。多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」は昨年に米国における独占販売期間満了を迎えましたが、76億円減収(△7.0%、実質ベース△6.3%)に留まっています。また、2017年2月のアリアド・ファーマシューティカルズ Inc.の買収により獲得した白血病治療剤「アイクルシグ」と肺がん治療剤「ALUNBRIG」は、それぞれ43億円増収(+25.0%、実質ベース+26.0%)および23億円増収(+149.7%、実質ベース+151.4%)と伸長しており、実質ベースのオンコロジーの売上収益の成長の30%超は両剤の成長からもたらされました。
・ニューロサイエンス領域の売上収益の成長率は+14.8%(実質ベース+15.2%)となりました。大うつ病治療剤「トリンテリックス」(一般名:vortioxetine)の売上は、処方医および患者さんによる同疾患に対する包括的な治療アプローチに同剤の組み入れが拡大したことにより、71億円増収(+18.8%、実質ベース+19.5%)の446億円となりました。2018年5月には、認知機能の症状の一つである処理速度の低下に対する改善効果データが「トリンテリックス」の米国の添付文書に追記されました。
・新興国事業の売上は139億円減収(△6.6%、実質ベース+5.1%)の1,957億円となりました。新興国事業では、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」などのオンコロジーの製品や、「エンティビオ」をはじめとする消化器系疾患領域の製品が伸長し、実質ベースでは+5.1%の増収となりましたが、ブラジルと中国における事業等の売却影響(△92億円)および為替の円高による影響(△143億円)により減収となりました。なお、主要国であるブラジルと中国においては、実質ベースで、それぞれ+26.9%、+19.5%と堅調な進捗となっております。
(注) 当期より、個別製品売上のグローバルな管理体系にあわせて、国内の一部製品について、値引・割戻等を個別製品毎に売上から控除して表示しています。比較を容易にするため、前期の数値についても組み替えて表示しています。当該組み替えは連結財務諸表に影響を与えるものではなく、また前期数値の修正を意味するものではありません。
・売上収益の内訳は以下のとおりです。
(注) 実質的な売上収益:為替影響および事業等の売却影響を控除した実質ベースの売上収益です。
事業等の売却影響
・当期の事業等の売却影響は前年同期から379億円の減収影響となりました。主な事業等の売却影響としては、当社の日本の長期収載品7製品を、2017年5月に武田テバファーマ株式会社の子会社である武田テバ薬品株式会社に売却したことによる減収影響186億円がありました。その他にも事業等の売却がありましたが、これらはあわせて192億円の減収影響となりました。
〔営業利益〕
前年同期から379億円減益(△11.7%)の2,844億円となりました。
・売上原価は、製品構成の改善等により152億円減少(△3.9%)の3,699億円となり、売上原価率は26.8%(△1.3pp)となりました。事業等の売却影響と為替影響を除いた実質的な売上原価は対前年同期△1.0%となり、実質ベースの売上原価率は対前年同期△1.6ppとなりました。
・販売費及び一般管理費は、Shire社買収に向けた買収関連費用110億円の発生がありましたが、グローバル経費削減イニシアチブによる削減効果と株式報酬費用の減少等により、対前年同期87億円減少(△1.9%)の4,477億円となりました。買収関連費用、事業等の売却影響および為替影響を除いた実質的な費用は対前年同期△2.6%となりました。
・研究開発費は、主に為替の円高による影響により対前年同期78億円の減少(△3.3%)となりました。事業等の売却影響と為替影響を除いた実質的な費用は対前年同期△2.8%となりました。
・製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、前年同期において「コルクリス」の販売見通し改善により減損損失の戻入を161億円計上、および当期においてMersana 社との共同研究開発契約の終了に関連した減損損失72億円を計上したものの、「ベルケイド」の米国における特許期間満了に伴い無形資産の償却が前期中に終了したことによる減少影響357億円により、対前年同期70億円減少(△8.1%)の794億円となりました。
・その他の営業収益は、対前年同期1,023億円減少(△62.4%)の617億円となりました。この減少は、主に、前年同期に和光純薬工業株式会社の株式売却益1,063億円を計上したことによります。
・その他の営業費用は、対前年同期154億円の減少(△32.9%)の314億円となりました。この減少は、主に、前年同期は承認前在庫にかかる評価損71億円を計上した一方、当期は承認取得に伴い過去の承認前在庫にかかる評価損の戻入△53億円を計上したこと、および前年同期のその他の営業費用には「コルクリス」等にかかる条件付対価(注)の変動に伴う費用81億円が含まれていたことによります。上記減少は、事業構造再編費用の増加54億円と一部相殺されております。なお、当期の事業構造再編費用にはShire社買収に関連した統合費用141億円が計上されています。
(注)企業結合に起因して、将来の特定事象が発生した場合に、追加的に発生する取得対価の公正価値を負債計上したもの
〔四半期利益(親会社の所有者帰属分)〕
法人所得税費用の減少がありましたが、営業利益の減益、金融損益の減益、および持分法投資損失の増加により、前年同期から765億円減益(△31.7%)の1,644億円となりました。
・金融収益と金融費用をあわせた金融損益は321億円の損失となり、対前年同期310億円の減益となりました。この減益は主に、前年同期においては上場株式等にかかる有価証券売却益161億円を金融収益に計上していたものの、新たな国際会計基準の適用により当期からは当該売却益が金融収益に計上されないこと、また、当期はShire社買収に向けた財務費用235億円を金融費用に計上したことによります。
・持分法による投資損失は、対前年同期106億円増加の440億円となりました。長期収載品事業およびジェネリック医薬品事業を営む武田テバファーマ株式会社(その子会社である武田テバ薬品株式会社を含む)において、事業環境の変化に伴い保有する資産の評価を見直した結果、減損損失が認識されたことなどによるものです。
・法人所得税費用は、前年同期における米国の税制改革法の成立による影響、および当期における税額控除の減少や損金不算入となる費用の増加による税金費用の増加がありましたが、税引前四半期利益の減益による税金費用の減少に加えて不確実性に係る未払法人所得税の見直しによる税金費用の減少があったことなどにより、全体では前年同期から32億円の減少(△6.7%)となりました。
・基本的1株当たり四半期利益(EPS)は、前年同期から98円71銭減少(△32.0%)し、209円87銭となりました。
〔実質的な成長の概要〕
当社は、事業の計画策定および業績評価において、「実質的な成長」(Underlying Growth)の概念を採用しております。「実質的な成長」は、当期と前年同期(四半期もしくは年間)の業績を共通の基準で比較するものであり、マネジメントによる業績評価に使用されています。これら共通の基準で比較される業績は、為替レートを一定として、事業等の売却影響およびその他の非定常的もしくは特別な事象に基づく影響、本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を控除し算定されます。当社は、この「実質的な成長」が、事業活動のパフォーマンスを表す共通の基準を提供するため、投資家に有用であると考え、「Underlying Revenue Growth」(実質的な売上収益(注1)の成長)、「Underlying Core Earnings Growth」(実質的なCore Earnings(注2)の成長)および「Underlying Core EPS Growth」(実質的なCore EPS(注3)の成長)を重要な財務指標としています。なお、本指標は、国際会計基準(IFRS)に準拠したものではありません。
当第3四半期累計の実質的な成長は、以下のとおりとなりました。
(注1)実質的な売上収益は、為替レートを一定として、財務ベースの売上収益に、報告期間における非定常的な事象に基づく影響および事業等の売却影響を調整して計算します。
当期の実質的な売上収益の成長を算定するにあたっての調整項目の主な内容は、武田テバファーマ株式会社の子会社である武田テバ薬品株式会社に当社の日本の長期収載品7製品を売却したことに伴う影響およびMultilab Indústria e Comércio de Produtos Farmacêuticos Ltda.、広東テックプール・バイオファーマCo,.Ltd.にかかる事業等の売却影響であります。
(注2)Core Earningsは、純利益から、法人所得税費用、持分法にかかる投資損益、金融損益、その他の営業収益およびその他の営業費用、製品に係る無形資産償却費及び減損損失を控除して算出します。その他、企業買収に係る会計処理の影響や買収関連費用など、本業に起因しない(ノン・コア)とマネジメントが判断した事象による影響を調整します。
当期のCore Earningsを算定するにあたっての重要性のあるその他の調整項目の主な内容は、Shire社買収に向けた買収関連費用です。
実質的なCore Earningsは、為替レートを一定として、Core Earningsに、報告期間における事業等の売却影響を調整して計算します。
当期の実質的なCore Earningsの成長を算定するにあたっての事業等の売却影響の主な内容は、武田テバファーマ株式会社の子会社である武田テバ薬品株式会社に当社の日本の長期収載品7製品を売却したことに伴う影響およびMultilab Indústria e Comércio de Produtos Farmacêuticos Ltda.、広東テックプール・バイオファーマCo,.Ltd.にかかる事業等の売却影響であります。
(注3)実質的なCore EPSの算定にあたっては、為替レートを一定として、純利益から、事業等の売却影響、およびCore Earningsの算出において控除された項目と営業利益以下の各科目のうち、重要性のある、非定常的もしくは特別な事象に基づく影響、本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を調整します。これらには、条件付対価に係る公正価値変動(時間的価値の変動を含む)影響などが含まれます。さらに、これらの調整項目に係る税金影響を控除した後、比較年度末の自社株式控除後の発行済株式総数で除して算定します。
当期の実質的なCore EPSの成長を算定するにあたっての営業利益以下の調整項目の主な内容は、Shire社買収に向けた財務費用および条件付対価に係る公正価値変動(時間的価値の変動を含む)影響であります。
・実質的な売上収益の成長率は、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」や酸関連疾患治療剤「タケキャブ」、多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」、白血病治療剤「アイクルシグ」、大うつ病治療剤「トリンテリックス」をはじめとしたタケダの成長ドライバーの製品が力強く伸長したことにより、対前年同期+4.8%となりました。タケダの成長ドライバー全体では+10.5%の伸長となりました。
・実質的なCore Earningsの成長率は、実質的な売上収益の力強い成長や、グローバル経費削減イニシアチブによる削減効果により前年同期から大きく伸長し+32.3%となりました。実質的な売上原価は、製品構成の改善により、対売上収益比率が1.6pp向上しました。実質的な営業経費は、グローバル経費削減イニシアチブ(注)の削減効果により、対売上収益比率が3.7pp向上しました。上記の要因の組み合わせにより、実質的なCore Earningsの対売上収益比率は5.3pp向上し、25.3%となりました。
(注)消費量の削減、購買価格低減による経費削減、および組織の最適化によって実質的なCore Earningsの売上収益比率の年間100-200bps向上を目指す、当社グループのイニシアチブ
・実質的なCore EPSの成長率は、実質的なCore Earningsの力強い成長(+32.3%)を反映し、前年同期から+34.2%となりました。
(2) 財政状態の分析
〔資産〕
当第3四半期末における資産合計は5兆7,672億円となりました。Shire社の買収に関連する預託金が計上された影響でその他の金融資産が1兆4,776億円増加したことや売上債権及びその他の債権が893億円増加したことなどにより、資産合計額は前年度末から1兆6,608億円の増加となりました。
〔負債〕
当第3四半期末における負債合計は3兆7,246億円となりました。Shire社の買収に必要な資金を調達するために社債を発行したことにより社債及び借入金が1兆5,631億円増加の2兆5,488億円(注)となったことやその他の金融負債が799億円増加したことなどにより、前年度末から1兆6,356億円増加しました。
(注)当第3四半期末における社債、借入金の帳簿価額はそれぞれ1兆7,284億円および8,204億円です。なお、社債の内訳は以下の通りです。
〔資本〕
当第3四半期末における資本合計は2兆426億円となりました。利益剰余金は、配当金による減少があったものの、四半期利益の計上、会計基準の変更による期首残高の増加、および株式売却に伴うその他の包括利益からの振替による増加により、576億円増加しました。これにより、資本合計は前年度末から252億円の増加となりました。
親会社所有者帰属持分比率(注)は35.3%となり、前年度末から13.3ポイント減少しております。
(注)日本基準における自己資本比率に相当
[キャッシュ・フロー]
当第3四半期末の現金及び現金同等物は、前年度末より34億円増加し(前年同期は1,208億円の増加)、2,979億円となりました。なお、当該増加は、売却目的で保有する資産から期首の現金及び現金同等物に振り戻したことによる5億円のプラスを含んでおります。
営業活動によるキャッシュ・フローは2,110億円のプラス(前年同期は2,521億円のプラス)、投資活動によるキャッシュ・フローは社債の発行により払い込まれた現金の拘束性預金への預入による支出により1兆6,140億円のマイナス(前年同期は142億円のプラス)、財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払はあったものの社債の発行による収入により1兆4,120億円のプラス(前年同期は配当金の支払等により1,763億円のマイナス)、現金及び現金同等物に係る換算差額は60億円のマイナス(前年同期は90億円のプラス)となりました。
(3) 研究開発活動の内容および成果
当第3四半期累計の研究開発費の総額は2,289億円であります。
当社は、2016年7月より、研究開発体制の変革(5ヶ年計画)を開始し、パイプラインを再活性化するとともに、革新的なサイエンス主導の機動的な研究開発組織の構築に取り組んできました。この研究開発体制の変革においては、以下の3つの優先事項にフォーカスしています。
1. 疾患領域の絞込み: 疾患領域における専門性をいかした革新的研究開発課題の推進
2. パートナーシップと研究開発能力の強化: 社内育成と外部提携を通じた研究開発力の強化
3. 革新的な研究エンジン: 疾患治療のための新規技術の確立と新たなモダリティの取り込み
2019年1月8日に完了したShire社買収に伴い、当社の研究開発は、「オンコロジー(がん)」、「消化器系疾患」、「ニューロサイエンス(神経精神疾患)」、「希少疾患」の4つの重点疾患領域と「血漿分画製剤」および「ワクチン」の2つのビジネスユニットにフォーカスします。
当第3四半期累計における主要なパイプラインの進捗および事業開発契約の締結は、以下のとおりです。
注: 旧Shire社の製品およびパイプラインの進捗は含まれておりません。
研究開発パイプライン
消化器系疾患
消化器系疾患・肝疾患の患者さんに革新的で人生を変えうる治療法をお届けることにフォーカスしています。エンティビオの成功を生かしスペシャリティ領域におけるポジショニングを拡大させるとともに、社外との提携を介して消化管運動関連疾患、セリアック病、肝疾患およびマイクロバイオーム(腸内細菌)における機会を探索し、パイプラインの構築を進めています。
[エンティビオ/一般名:ベドリズマブ]
•2018年6月、当社は、「エンティビオ」について、本剤と抗TNF-α療法の安全性を比較した実臨床データの解析結果を発表しました。本解析結果において、本剤治療群は、抗TNF-α治療群に対して、重篤な感染症の発症率が低く、重篤な有害事象の発生率も優位に低いことが示されました。このVICTORY(Vedolizumab Health OuTComes in InflammatORY Bowel Diseases)試験の結果は、米国消化器病週間(Digestive Disease Week:DDW)にて、オーラルプレゼンテーションされました。
•2018年7月、当社は、「エンタイビオ*」について、厚生労働省より中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎に対する治療剤として、製造販売承認を取得したことを公表しました。
•2018年7月、当社は、「エンタイビオ*」について、中等症から重症の活動期の成人クローン病に対する治療薬として、厚生労働省に承認事項一部変更承認申請を行ったことを公表しました。
* 欧米他では「Entyvio(エンティビオ)」等の製品名で承認されており、日本における製品名は「エンタイビオ」(英語表記はEntyvio)です。
•2018年7月、当社は、「ベドリズマブ」について、皮下投与製剤による維持療法の有効性および安全性を検討したVISIBLE 1試験の結果の速報を公表しました。本試験は、非盲検下にて「ベドリズマブ」静注製剤による導入療法を2回行った後、試験開始6週時点で臨床的改善*が得られた中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者を対象とした試験です。本試験では、試験開始6週時点から「ベドリズマブ」皮下投与製剤を2週毎に投与し、52週時点で臨床的寛解**が得られた患者の割合がプラセボ投与群と比較して「ベドリズマブ」皮下投与群が統計学的に有意に高く、主要評価項目を達成しました。
* 臨床的改善: Mayoスコアがベースラインから3ポイント以上かつ30%以上低下。これに加えて、直腸出血のサブスコアが1ポイント以上低下あるいは直腸出血のサブスコア絶対値が1以下
** 臨床的寛解: Mayoスコアが2以下かつ他のサブスコアで1を超えるものが無い
•2018年10月、当社は、欧州消化器病週間(United European Gastroenterology:UEG)にて、VISIBLE 1試験の結果を発表しました。
オンコロジー
世界中のがん患者さんにより良い未来をもたらす革新的な新薬をお届けするために努力を重ね、画期的イノベーションの探求に取り組んでいます。本疾患領域ユニットでは、(1)既発売品である「ニンラーロ」、「アドセトリス」、「アイクルシグ」のライフサイクルマネジメントならびに多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、骨髄異型性症候群およびその他血液がんのパイプラインへの継続的な研究開発投資を通じた、血液がんにおける基盤的な専門性の構築、(2)肺がんを対象とするパイプラインのさらなる拡充、(3)社外との提携による新規のがん免疫療法標的および次世代基盤技術の追求ならびに革新的な細胞療法の探索にフォーカスしています。
[ニンラーロ/一般名: イキサゾミブ]
•2018年7月、当社は、「ニンラーロ」について、無作為化臨床第3相試験であるTOURMALINE-MM3試験で主要評価項目を達成し、維持療法として経口で単剤投与された本剤がプラセボと比較して統計学的に有意な無増悪生存期間の延長を示したことを公表しました。本試験では、多発性骨髄腫と診断され、大量化学療法および自家造血幹細胞移植に奏効を示した成人患者を対象に、維持療法としての本剤の有効性を検討しました。
•2018年12月、当社は、「ニンラーロ」について、TOURMALINE-MM3試験結果を、第60回米国血液学会(ASH)年次総会において発表しました。
•2019年1月、米国食品医薬品局(FDA)に2018年11月に提出していたTOURMALINE-MM3試験の結果について、当局と議論を重ねた結果、一旦、申請を取り消し、より多くのデータが集まった段階で再申請することを公表しました。TOURMALINE-MM3試験については、2018年7月における初回の中間解析において、主要評価項目(無増悪生存期間)を達成しています。
[ALUNBRIG/一般名: brigatinib]
•2018年7月、当社は、「ALUNBRIG」について、ALK阻害剤未治療の局所進行性または転移性の未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)の非小細胞肺がん患者を対象としたグローバル無作為化臨床第3相試験ALTA-1L(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113 in 1st Line)の事前に設定された初回の中間解析において、本剤投与群がクリゾチニブ群と比較して統計学的に有意に無増悪生存期間を改善し、主要評価項目を達成したことを公表しました。
•2018年9月、ALTA-1L試験の初回の中間解析結果は、国際肺癌学会(IASLC)主催の第19回世界肺癌学会議(WCLC)のプレジデンシャル・シンポジウムで発表されました。
・2018年9月、当社は、「ALUNBRIG」について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)より、クリゾチニブの治療歴を有するALK陽性の進行性非小細胞肺がん成人患者に対する単剤療法として承認を推奨する旨の見解が示されたことを公表しました。
•2018年10月、当社は、「ALUNBRIG」について、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)のポスターディスカッションにて、ALK陽性の非小細胞肺がん患者を対象としたクリゾチニブと比較した臨床第3相試験ALTA-1Lの副次評価項目である、頭蓋内病変における無増悪生存期間および客観的奏功率の改善を示した有効性データを発表しました。
•2018年12月、当社は、「ALUNBRIG」について、クリゾチニブの治療歴を有するALK陽性の進行性非小細胞肺がん成人患者に対する単剤療法として、欧州委員会(EC)に承認されたことを公表しました。
[アドセトリス/一般名: ブレンツキシマブ ベドチン]
•2018年9月、「アドセトリス」について、厚生労働省より一次治療(ファーストライン)を含む「CD30陽性のホジキンリンパ腫」に対する効能効果および用法用量に関する製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを公表しました。
•2018年10月、当社は、「アドセトリス」について、臨床第3相試験であるECHELON-2試験において主要評価項目を達成し、対照群であるCHOP療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン併用)と比較して統計学的に有意な無増悪生存期間の改善が示されたことを公表しました。
•2018年12月、当社は、「アドセトリス」について、ECHELON-2試験の試験結果を、第60回米国血液学会(ASH)年次総会のオーラルセッションにおいて発表しました。
•2018年12月、当社は、「アドセトリス」について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)より、未治療のIV期CD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者に対するAVD((アドリアマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)との併用療法の効能追加に関し、承認を推奨する旨の見解が示されたことを公表しました。
ニューロサイエンス
本疾患領域では、治療法が確立していない神経疾患や精神疾患を患っている患者さんに革新的な医薬品を提供することを目指しています。当社では、大うつ病治療剤のトリンテリックスに対する継続的な投資、およびShire社買収を通じて取得した注意欠陥多動性障害治療剤のポートフォリオにより、精神疾患におけるプレゼンスを拡大していきます。また、社内の専門知識やパートナーとの提携をいかして、アルツハイマー病、パーキンソン病といった神経疾患や選択した希少中枢疾患に対するパイプラインを構築していきます。
[トリンテリックス/一般名:vortioxetine]
•2018年5月、当社は、「トリンテリックス」について、米国食品医薬品局(FDA)より医薬品承認事項変更申請の承認を取得したことを公表しました。本剤は認知機能の重要な一症状である処理速度の改善が米国添付文書に追記することをFDAに承認された初めての大うつ病治療剤となります。FOCUSおよびCONNECT試験では、本剤が急性うつ病に罹患する成人患者における認知機能の一症状である処理速度に改善効果があることが示されました。
•2018年6月、当社は、「vortioxetine」について、日本において成人大うつ病性障害患者を対象として実施したピボタル試験の結果が良好であったことを公表しました。
•2018年9月、当社は、「vortioxetine」について、成人の大うつ病性障害の治療剤として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。
•2018年10月、当社は、「トリンテリックス」について、FDAから医薬品承認事項変更申請の承認を取得したことを公表しました。これは、大うつ病患者において選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)による性機能障害の改善において本剤がEscitalopramに優るというデータを本剤米国添付文書に追記するというものです。本剤は、特定のSSRIから切り替えた大うつ病患者における治療に伴う性機能障害の改善に関する直接比較データを米国添付文書に記載する初の大うつ病治療剤となります。
希少疾患
2019年1月8日に完了したShire社の買収後、希少疾患を当社の重点疾患領域に加え、Shire社が高い専門性を有する次の3治療分野に注力しています。(1)「TAKHZYRO」の発売にて治療パラダイムが大きく変化した希少免疫疾患(例:遺伝性血管浮腫(HAE))、 (2)競合他社と比べ最も幅広いポートフォリオを有する希少血液疾患、(3)ファブリー病、ハンター症候群およびゴーシェ病にフォーカスしたライソゾーム病。
ワクチン
ワクチンでは、革新技術を活かして、デング熱、ジカウイルス感染、ノロウイルス感染、ポリオ感染など、世界で最も困難な感染症に取り組んでいます。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、政府機関(日本、米国、シンガポール)およびビル&メリンダゲイツ財団などの主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップは、私たちのプログラムを実行しそれらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。
[デング熱ワクチン]
•2019年1月、当社は、デング熱ワクチンの臨床第3相試験において主要評価項目を達成したことを公表しました。Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study(TIDES)試験の初回解析で、当社が現在開発中の4価弱毒生デング熱ワクチン(TAK-003)によるデングウイルス4種の血清型のいずれかによって引き起こされるデング熱に対する予防効果が示されました。広範にわたるデータのレビューは進行中ですが、現時点ではTAK-003の安全性上の大きな懸念はなく良好な忍容性が確認されました。
血漿分画製剤
2019年1月8日に完了したShire社の買収後、当社は、血漿分画製剤に注力する新たなグローバルビジネスユニットを加えました。同ビジネスユニットは、希少疾患、生命に関わる疾患、慢性疾患および遺伝性疾患といった様々な病気の患者さんを効果的に治療するうえで重要となる血漿分画製剤について、増加するニーズに応えていきます。
将来に向けた研究プラットフォームの構築/研究開発における提携の強化
•2018年4月、当社とDrugs for Neglected Diseases initiativeは、内臓リーシュマニア症の革新的な治療薬開発に向け、アミノピラゾール系化合物群の中から見出された医薬品候補化合物の前臨床試験および臨床第1相試験に協働して取り組む旨の契約を締結したことを公表しました。両試験は、開発途上国で必要とされる医薬品やワクチン等の研究開発を促進する国際的な官民パートナーシップである公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund)の助成案件に選定されています。
•2018年5月、当社とあすか製薬は、当社が有する「relugolix」について、製品価値の最大化を目的に、日本における子宮筋腫の独占的販売権および子宮内膜症の独占的開発・販売権を、あすか製薬に導出するライセンス契約を締結したことを公表しました。今回のライセンス契約の対象は婦人科疾患領域であり、前立腺がんは含まれておりません。
•2018年7月、当社とOvid Therapeutics Inc.は、「TAK-935/OV935」臨床開発プログラムの拡大について概要を公表しました。両社は、3つの臨床試験を開始する予定であり、それぞれドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群を有する小児患者を対象とした試験、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)遺伝子変異症候群および15q重複症候群の小児患者を対象とした試験、実施されたTAK-935/OV935の臨床試験に参加した発達性およびてんかん性脳症(DEE)患者を対象とした延長試験です。
•2018年8月、当社とAmbys Medicines社は、Ambys Medicinesの先進的な技術プラットフォームおよびパイプライン開発を推進することを目的とした提携契約を締結したことを公表しました。Ambys Medicinesは、現時点では治療不可能もしくは十分に治療できない様々な肝疾患において、肝機能の回復および肝不全への進行抑制という差し迫った医療ニーズに対し、細胞治療、遺伝子治療、機能獲得薬物療法を含む新規モダリティを臨床応用するため、先進的な取り組みを行っています。
•2018年8月、当社と日本を拠点とする独立系の投資会社である株式会社ウィズ・パートナーズは、日本の創薬エコシステムの推進を目的とした投資組合の共同設立に関する基本合意書を締結したことを公表しました。本合意に基づき、ウィズ社は、無限責任組合員として「創薬維新投資事業有限責任組合(創薬維新ファンド)を立ち上げました。当社は、100%子会社の創薬プラットフォームカンパニーであるアクセリードドラッグディスカバリーパートナーズ株式会社の株式を創薬維新ファンドに現物出資し、有限責任組合員として創薬維新ファンドの持分を保有する予定です。
•2018年12月、当社とグローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ(Global Antibiotic Research and Development Partnership:GARDP)およびエーザイ株式会社(エーザイ)は、エーザイおよび当社の化合物ライブラリーを用いたGARDPによるスクリーニング実施に関する契約を締結したことを公表しました。今後、エーザイおよび当社から提供された化合物の抗菌活性試験はInstitut Pasteur Korea にて実施されます。複数のパートナーによる本契約は、新規抗菌薬の開発と持続可能なアクセスの担保により、深刻な細菌感染症に立ち向かうGARDPの取り組みを推し進めるものです。
•2019年1月、当社は、がん免疫領域において新たな研究提携契約を締結したことを公表しました。がん免疫は、当社の戦略的フォーカスでも特に重要な領域です。これらの研究提携契約を通じ、当社は次世代のがん免疫療法の創出に向けた研究を加速します。本研究には、難治性がん患者さんのニーズに応える重要な機会となり得る新規の細胞療法に関する研究を含みます。
•当社は、Memorial Sloan Kettering Cancer Centerと共に、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、その他の固形がんの治療に向けた新規キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法の創出と開発に関する共同研究を行います。
•当社は、ノイルイミューン・バイオテック社との、2017年9月に開始した既存の共同研究契約におけるオプション権を行使しました。本共同研究の成果を受け、当社はノイルイミューン社が独自に開発した「Prime (Proliferation-inducing and migration-enhancing)」 CAR-T基盤技術を活用した、各種固形がんを治療標的とするNIB-102およびNIB-103の独占的ライセンスを取得し、今後、これらのCAR-T細胞療法の共同開発を進めます。
•当社は、Crescendo Biologics社が持つオンコロジー領域におけるHumabody®技術の独占的ライセンスについてオプション権を行使し、これにより新規CAR-T治療の開発に向けたHumabody® VHs(完全ヒト型VHドメイン)のさらなる評価を行います。
新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期累計に著しい変動があった設備は、次のとおりであります。
以下の計画が新たに確定しております。
当第3四半期における、経営上の重要な契約等の締結等は次のとおりであります。
(1)技術導出
該当事項はありません。
(2)共同研究
該当事項はありません。
(3)技術導入
該当事項はありません。
(4)販売契約
該当事項はありません。
(5)その他
当第3四半期に締結した契約
当第3四半期に終了・解約した契約
(注)2018年12月に総借入限度額が消滅しております。