第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期において、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の異常な変動等または、前年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 業績の概要

 

当期の連結業績は、以下のとおりとなりました。

 

(単位:億円)

前年同期

当期

対前年同期

売上収益

4,498

8,491

3,993

88.8%

売上原価

△1,206

△3,006

1,800

149.3%

販売費及び一般管理費

△1,450

△2,392

942

64.9%

研究開発費

△720

△1,169

449

62.4%

製品に係る無形資産償却費及び減損損失

△240

△1,483

1,242

517.2%

その他の営業収益

93

67

26

28.2%

その他の営業費用

14

△410

423

-

営業利益

989

99

890

90.0%

金融収益

62

87

24

39.2%

金融費用

△148

△461

313

211.4%

持分法による投資損益

36

23

12

34.2%

税引前四半期利益 (△は損失)

939

△252

1,190

126.8%

法人所得税費用

△158

46

203

128.8%

四半期利益 (△は損失)

781

△206

987

126.4%

 

 

〔売上収益〕

売上収益は、前年同期から3,993億円増収(88.8%)の8,491億円となりました。Shire社の買収により獲得した製品の3ヶ月分の売上収益(3,922億円)が増収に貢献しました。

 

各疾患領域における売上収益の前年同期からの増減は、主に以下の製品によるものです。

 

・消化器系疾患

消化器系疾患領域の売上収益は、前年同期から476億円増収(+38.4%)の1,716億円となりました。当社のトップ製品である潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」(国内製品名:「エンタイビオ」)の売上が伸長し、前年同期から226億円増収(+36.9%)の839億円となり、売上成長を牽引しました。米国においては、潰瘍性大腸炎とクローン病に対する生物学的製剤の新規患者シェアがさらに拡大したため、同剤の市場シェアが伸長しました。日本においては、クローン病の効能追加を取得したこともあり売上が伸長し、また、直近では中国において販売承認申請を行いました。酸関連疾患治療剤「タケキャブ」も、逆流性食道炎や低用量アスピリン投与時における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発抑制等の効能を中心として、日本において新規処方が拡大し、売上は40億円増収(+28.1%)の183億円となりました。また、Shire社買収により獲得した短腸症候群治療剤「GATTEX / REVESTIVE」の売上は151億円となり、当社の売上収益に寄与しました。

 

・希少疾患

Shire社買収により獲得した希少疾患領域の売上収益は1,707億円となりました。売上収益に最も寄与した製品は、希少代謝性疾患領域ではハンター症候群治療剤「エラプレース」、希少血液疾患領域では血友病A治療剤「アドベイト」、遺伝性血管浮腫領域では同疾患の発作予防剤「TAKHZYRO」であり、売上はそれぞれ188億円、427億円および145億円となりました。

 

・血漿由来の免疫疾患治療

血漿由来の免疫疾患治療領域の売上収益は、主にShire社買収により獲得した製品が加わったことにより、860億円増収の902億円となりました。免疫グロブリン製剤の売上合計は680億円となり、特に、原発性免疫不全症(PID)と多巣性運動ニューロパチー(MMN)の治療に主に用いられる静注製剤「GAMMAGARD LIQUID」は、これら疾患に対する米国における標準治療剤としてのポジションを強固なものにしました。また、主に血液量減少症と低アルブミン血症の治療に用いられる「ALBUMIN GLASS」と「FLEXBUMIN」を含むアルブミン製剤の売上合計は222億円となりました。

 

・オンコロジー

オンコロジー(がん)領域の売上収益は、前年同期から75億円増収(+7.6%)の1,065億円となりました。多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」の売上は、複数の地域、特に米国と中国での好調な業績が成長に寄与し、前年同期から43億円増収(+30.8%)の183億円となりました。また、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」の売上は、CD30陽性ホジキンリンパ腫に対する一次治療の効能追加を取得した日本において特に伸長し、18億円増収(+16.4%)の127億円となりました。非小細胞肺がん治療剤「アルンブリグ」の売上は、引き続き欧州諸国での上市があったことにより前年同期から6億円増収(+52.8%)の17億円となり、多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」の売上は、対前年同期3億円の微増(+1.0%)の317億円となりました。

 

・ニューロサイエンス

ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域の売上収益は、前年同期から876億円増収(+360.4%)の1,119億円となりました。注意欠陥/多動性障害(ADHD)治療剤「バイバンス」の売上688億円を含むShire社買収により獲得したポートフォリオが加わったことが増収の主な要因となりました。大うつ病(MDD)治療剤「トリンテリックス」の売上は、新規患者の増加と治療期間の拡大により、前年同期から33億円増収(+23.4%)の174億円となりました。

 

地域別売上収益

  (単位:億円、%は売上収益の構成比)

売上収益:

前年同期

当期

日本

1,443

32.1%

1,523

17.9%

米国

1,611

35.8%

4,157

49.0%

欧州およびカナダ

791

17.6%

1,652

19.5%

ロシア/CIS

141

3.1%

190

2.2%

中南米

185

4.1%

374

4.4%

アジア(日本を除く)

269

6.0%

410

4.8%

その他

58

1.3%

185

2.2%

合計

4,498

100.0%

8,491

100.0%

 

 

〔売上原価〕

売上原価は、前年同期から1,800億円増加(+149.3%)の3,006億円となりました。この増加は、Shire社の買収により取得した製品にかかる売上原価および棚卸資産の公正価値調整等にかかる非資金性の費用845億円が含まれております。これらの増加は、主に製品構成の改善等による旧武田薬品の製品にかかる売上原価の減少と一部相殺されております。

 

〔販売費及び一般管理費〕

販売費及び一般管理費は、主にShire社の販売費及び一般管理費が含まれた影響により、前年同期から942億円増加(+64.9%)の2,392億円となりました。この増加は、グローバル経費削減イニシアチブ(注1)による削減効果およびShire社との統合のコストシナジーにより一部相殺されております。

(注1)消費量の削減、購買価格低減による経費削減、および組織の最適化によって売上収益比率の向上を目指す当社グループのイニシアチブ

 

〔研究開発費〕

研究開発費は、主にShire社買収により取得した研究開発活動にかかる費用の影響により、449億円増加(+62.4%)の1,169億円となりました。

 

〔製品に係る無形資産償却費及び減損損失〕

製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、前年同期から1,242億円増加(+517.2%)の1,483億円となりました。この増加は、Shire社買収に伴い取得した無形資産の償却費1,091億円および2019年5月の中間解析結果を受けSHP616 AMRプログラムの開発中止を決定したことに伴い計上した減損損失156億円によるものです。

 

〔その他の営業収益〕

その他の営業収益は、26億円減少(△28.2%)の67億円となりました。当期においてAxcelead Drug Discovery Partners, Inc.の株式を譲渡したことに伴う売却益22億円を計上したものの、主に有形固定資産売却益が対前年同期比51億円減少したことによるものです。

 

〔その他の営業費用〕

その他の営業費用は、423億円増加の410億円となりました。この増加は、主にShire社にかかる統合費用により事業構造再編費用が275億円増加したこと、また、承認前在庫にかかる評価損が123億円増加したことによるものです。当期は承認前在庫にかかる評価損を31億円計上した一方、前年同期は承認取得に伴い過去の承認前在庫にかかる評価損の戻入92億円を計上しました。

 

〔営業利益〕

営業利益は、上記の要因を反映し、前年同期から890億円減少(△90.0%)の99億円となりました。

 

〔金融損益〕

金融収益と金融費用をあわせた金融損益は374億円の損失となり、前年同期から288億円の減益となりました。これは、主にShire社買収にかかる資金調達のための社債及び借入金やShire社から引き継いだ社債及び借入金にかかる利息費用を金融費用に計上したことによるものです。

 

〔法人所得税費用〕

法人所得税費用は、主にShire社買収に関連する、償却費および棚卸資産の公正価値調整等の企業結合会計影響、ならびに統合費用の計上に伴う税引前四半期利益の減少により、前年同期158億円から203億円減少(△128.8%)の△46億円となりました。

 

〔四半期利益(△は損失)〕

四半期利益(△は損失)は、上記の要因を反映し、前年同期から987億円減益(△126.4%)の△206億円となりました。

 

当期(2019年4-6月期)における実質的な成長の概要

 

Coreと実質的な成長の定義

当社は、事業の計画策定および業績評価において、「実質的な成長」(Underlying Growth)の概念を採用しております。

 

「実質的な成長」は、当年度と前年度(四半期もしくは年間)の業績を共通の基準で比較するものであり、マネジメントによる業績評価に使用されています。これら共通の基準で比較される業績は、為替レートを一定として、事業等の売却影響およびその他の非定常的もしくは特別な事象に基づく影響、本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を控除し算定されます。当社は、この「実質的な成長」が、事業活動のパフォーマンスを表す共通の基準を提供するため、投資家に有用であると考えています。なお、本指標は、国際会計基準(IFRS)に準拠したものではありません。

 

当社は、「Underlying Revenue Growth」(実質的な売上収益の成長)、「Underlying Core Operating Profit Growth」(実質的なCore営業利益の成長)および「Underlying Core EPS Growth」(実質的なCore EPSの成長)を重要な財務指標としています。

 

実質的な売上収益は、為替レートを一定として、財務ベースの売上収益に、報告期間における非定常的な事象に基づく影響および事業等の売却影響を調整して計算します。

 

実質的なCore営業利益は、為替レートを一定として、Core営業利益(以下に定義)に、報告期間における事業等の売却影響を調整して計算します。

 

Core営業利益(注1)は、純利益から、法人所得税費用、持分法にかかる投資損益、金融損益、その他の営業収益およびその他の営業費用、製品に係る無形資産償却費及び減損損失を控除して算出します。その他、企業買収に係る会計処理の影響や買収関連費用など、本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を調整します。

(注1) 2019年度より、「Core Earnings」の名称を「Core営業利益」に変更しました。なお、その定義に変更はありません。

 

実質的なCore EPSの算定にあたっては、為替レートを一定として、純利益から、事業等の売却影響、およびCore営業利益の算出において控除された項目と営業利益以下の各科目のうち、重要性のある、非定常的もしくは特別な事象に基づく影響、本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を調整します。これらには、条件付対価に係る公正価値変動(時間的価値の変動を含む)影響などが含まれます。さらに、これらの調整項目に係る税金影響を控除した後、比較年度末の自社株式控除後の発行済株式総数で除して算定します。

 

実質的な業績

当期

実質的な売上収益の成長(注2)

△0.8%

実質的なCore営業利益率

32.4%

実質的なCore EPS

123円56銭

 

(注2) 2018年度第1四半期の試算ベースの売上収益(2018年4-6月の旧武田薬品と、オンコロジー事業を除き、米国会計基準から国際会計基準に組み替えられた(重要な差異は認められていない)、同期間の旧Shire社の売上収益の合計)に対する成長率
 

 

実質的な売上収益の成長率〕

実質的な売上収益の成長率は、対前年同期△0.8%となりました。タケダの14のグローバル製品(注3)は、対前年同期+22.2%成長したものの、主に競争の激化や後発品浸透の減収影響により相殺されました。

(注3) タケダの14のグローバル製品
 消化器系疾患:エンティビオ、GATTEX/REVESTIVE、ALOFISEL
 希少疾患:NATPARA、アディノベイト/ADYNOVI、TAKHZYRO、エラプレース、VPRIV
 血漿由来の免疫疾患治療:GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、HYQVIA、CUVITRU、ALBUMIN/FLEXBUMIN
 オンコロジー:ニンラーロ、ALUNBRIG

 

・消化器系疾患

消化器系疾患領域の実質的な売上収益は、前年同期から+7.9%の成長となりました。後発品のさらなる浸透により、「パントプラゾール」(△25.0%)、「ランソプラゾール」(△18.9%)、「リアルダ」(△51.7%)などの特許満了製品の売上が減少したものの、「エンティビオ」(+36.8%)と「タケキャブ」(+28.1%)が、これらの減収影響を上回る増収となりました。

 

・希少疾患

希少疾患領域の実質的な売上収益は、競争圧力の高まりにより△9.9%の減収となりました。特に、希少血液疾患領域(△12.6%)ではこの影響が顕著であり、半減期延長型製剤「アディノベイト」の増収(+25.9%)により一部相殺したものの、血友病A治療剤である「アドベイト」(△18.1%)と「ファイバ」(△36.8%)の売上は、競合品の影響により大幅な減収となりました。また、遺伝性血管浮腫領域(△19.9%)の減収は、米国における「TAKHZYRO」の売上があったものの、前年同期の卸における在庫積み増し、「CINRYZE」投与患者数の減少および「フィラジル」の使用頻度の減少により、「CINRYZE」(△50.8%)と「フィラジル」(△60.4%)が減収となったことを反映したものとなりました。

 

・血漿由来の免疫疾患治療

血漿由来の免疫疾患治療領域の実質的な売上収益は、安定的な+1.6%の成長となりました。免疫グロブリン製剤は、皮下注製剤が患者数の増加により増収となったものの、静注製剤の出荷の期ずれがあり、△1.9%の減収となりました。一方、アルブミン製剤は+14.1%の増収となりました。

 

・オンコロジー

オンコロジー(がん)領域の実質的な売上収益は、「ニンラーロ」(+29.8%)と「アドセトリス」(+26.6%)が牽引し、前年同期から+8.1%の成長となりました。また、「ALUNBRIG」も+51.1%の増収となりました。オンコロジー製品の中では、唯一、「ベルケイド」(△1.3%)が減収となりましたが、これは、欧州において4月下旬に後発品が参入したことにより、米国外の売上にかかるロイヤルティ収益が△30.9%減少したことによります。

 

・ニューロサイエンス

ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域の実質的な売上収益は、それぞれ注意欠陥/多動性障害(ADHD)と大うつ病(MDD)治療の米国における主要製品である「バイバンス」(+12.8%)および「トリンテリックス」(+20.7%)の増収により、+10.1%の成長となりました。「ADDERALL XR」は、後発品との競合の影響が増大し、△36.6%の減収となりました。 
 

疾患領域別の実質的な売上収益の成長(注4)

当期

消化器系疾患

+7.9%

希少疾患

△9.9%

希少代謝性疾患

+3.9%

希少血液疾患

△12.6%

遺伝性血管浮腫

△19.9%

血漿由来の免疫疾患治療

+1.6%

オンコロジー

+8.1%

ニューロサイエンス

+10.1%

その他

△9.7%

合計

△0.8%

 

(注4) 2018年度第1四半期の試算ベースの売上収益(2018年4-6月の旧武田薬品と、オンコロジー事業を除き、米国会計基準から国際会計基準に組み替えられた(重要な差異は認められていない)、同期間の旧Shire社の売上収益の合計)に対する成長率

 

 実質的な売上収益の計算において控除した主な非定常的な事象に基づく影響および事業等の売却影響は次の通りです。

 

• 2019年3月期に連結子会社であった広東テックプール・バイオファーマCo,.Ltd.(以下、「テックプール社」)およびMultilab Indústria e Comércio de Produtos Farmacêuticos Ltda.(以下、「マルチラブ社」)を売却したため、前年同期における両社の売上収益を連結の売上収益から控除しています。
 
 • 2019年5月に売却に合意し、2020年3月期中の売却完了予定とした「XIIDRA」および「TACHOSIL」の売上を、当期および前年同期の売上収益から控除しています。なお、「XIIDRA」については2019年7月に売却を完了しました。

 

当期の実質的なCore営業利益率〕

当期の実質的なCore営業利益率は、グローバル経費削減イニシアチブおよびShire社との統合のコストシナジーを反映し、32.4%となりました。

 

Shire社の統合費用や企業結合会計に伴う非資金性の費用など、当社の本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を控除した当期のCore営業利益は2,830億円となりました。

 

当期の実質的なCore EPS〕

当期の実質的なCore EPSは、123円56銭となりました。

 

(2) 財政状態の分析

〔資産〕

当第1四半期における資産合計は、前年度末から3,496億円減少し、13兆5,504億円となりました。のれんおよび無形資産は、主に為替影響や無形資産の償却により、それぞれ1,058億円および2,800億円減少しました。また、主に配当の支払により現金及び現金同等物が1,083億円減少しております。これらの減少は、主に新リース会計基準(IFRS第16号)(注1)を適用したことによる有形固定資産の増加1,543億円により一部相殺されております。

(注1)IFRS第16号では、リースの評価額および関連する負債を連結財政状態計算書の非流動資産および非流動負債に計上することを規定しております。負債に関する説明は以下をご覧ください。

 

〔負債〕

当第1四半期における負債合計は、前年度末から605億円減少し、8兆6,760億円となりました。この減少は、主に為替の影響により社債及び借入金が983億円減少し5兆6,526億円(注2)となったことによるものです。なお、ハイブリッド社債5,000億円を6月に発行した一方、シンジケートローン5,000億円を返済しております。また、繰延税金負債および仕入債務及びその他の債務が、それぞれ661億円および485億円減少しております。これらの減少は、主に上述のIFRS第16号を適用したことによるその他の金融負債(非流動)の増加1,786億円により一部相殺されております。

(注2) 当第1四半期における社債および借入金の帳簿価格はそれぞれ3兆6,296億円および2兆231億円です。なお、社債および借入金の内訳は以下の通りです。

 

社債:

銘柄

 (外貨建発行額)

発行時期

償還期限

帳簿価額

14回 無担保社債

2013年7月

2019年7月

600億円

15回 無担保社債

2013年7月

2020年7月

600億円

米ドル建無担保普通社債

(1,925百万米ドル)

2015年6月

2020年6月

~2045年6月

2,066億円

米ドル建無担保普通社債

 (12,100百万米ドル)

2016年9月

2019年9月

~2026年9月

1兆2,500億円

米ドル建無担保普通社債

 (500百万米ドル)

2017年7月

2022年1月

537億円

ユーロ建無担保普通社債

(7,500 百万ユーロ)

2018年11月

2020年11月

~2030年11月

9,135億円

米ドル建無担保普通社債

 (5,500百万米ドル)

2018年11月

2020年11月

~2028年11月

5,895億円

ハイブリッド社債 (劣後特約付社債)

2019年6月

2079年6月

4,962億円

合計

3兆6,296億円

 

 

 

借入金:

名称

 (外貨建借入額)

借入時期

返済期限

帳簿価額

シンジケートローン

2013年7月

2019年7月

~2020年7月

1,200億円

2016年4月

2023年4月

~2026年4月

2,000億円

2017年4月

2027年4月

1,135億円

 

(1,500 百万米ドル)

2017年4月

2027年4月

1,613億円

 

 (3,987 百万米ドル)

2019年1月

2024年1月

4,297億円

 

 (3,047 百万ユーロ)

2019年1月

2024年1月

3,734億円

株式会社国際協力銀行

  (3,700 百万米ドル)

2019年1月

2025年12月

3,986億円

その他

2,267億円

合計

2兆231億円

 

 

〔資本〕

当第1四半期末における資本合計は、前年度末から2,891億円減少の4兆8,745億円となりました。この減少は、主に1,408億円の配当金の支払により利益剰余金が1,643億円減少したことや、円高の影響による為替換算調整勘定の変動によりその他の資本の構成要素が1,295億円減少したことによります。

 

〔キャッシュ・フロー〕

(単位:億円)

 

前年同期

当期

営業活動によるキャッシュ・フロー

405

1,208

投資活動によるキャッシュ・フロー

△171

△416

財務活動によるキャッシュ・フロー

△822

△1,777

現金及び現金同等物の増減額

△588

△985

現金及び現金同等物の期首残高

2,945

7,021

現金及び現金同等物に係る換算差額

△5

△105

売却目的で保有する資産の純増減額

△38

6

現金及び現金同等物の期末残高

2,315

5,937

 

 

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期405億円に対し、1,208億円となりました。前年同期から803億円の増加は、主にShire社買収に伴い計上した製品に係る無形資産にかかる償却費により減価償却費及び償却費が1,378億円増加したこと、Shire社買収日において公正価値評価された棚卸資産の減少により棚卸資産が651億円減少したこと、また、Shire社買収に伴う資金調達にかかる利息費用を含む金融費用(純額)288億円等のプラスの調整項目の影響によります。
これらの影響は、当期利益が987億円減少したことや、主に旧Shire社における法人所得税の支払いによる、法人所得税等の支払額の増加461億円により一部相殺されております。
 
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期171億円のマイナスに対して、当期は416億円のマイナスとなりました。これは、投資の売却、償還による収入が115億円減少したこと、また有形固定資産の取得による支出が103億円増加したこと等によります。
 
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期822億円のマイナスに対して、当期は1,777億円のマイナスとなりました。これは支払配当金が678億円増加したこと、主にShire社買収のための資金調達に伴い、利息の支払額が287億円増加したこと等によります。
なお、当期において、ハイブリッド社債の発行により5,000億円を調達した一方、短期シンジケートローン5,000億円を返済いたしました。

 

 

(3) 研究開発活動の内容および成果

当第1四半期の研究開発費の総額は1,169億円であります。

当社は、2016年7月より、研究開発体制の変革(5ヶ年計画)を開始し、パイプラインを再活性化するとともに、革新的なサイエンス主導の機動的でグローバルな研究開発組織の構築に取り組んできました。この研究開発体制の変革においては、以下の3つの優先事項にフォーカスしています。

1. 疾患領域の絞込み:疾患領域における専門性をいかした革新的研究開発課題の推進

2. パートナーシップと研究開発能力の強化:社内育成と外部提携を通じた研究開発力の強化

3. 革新的な研究エンジン:疾患治療のための新規技術の確立と新たなモダリティの取り込み

2019年1月8日に完了したShire社買収に伴い、当社の研究開発は、「オンコロジー(がん)」、「消化器系疾患」、「希少疾患」、「ニューロサイエンス(神経精神疾患)」の4つの重点疾患領域と「血漿分画製剤」および「ワクチン」の2つのビジネスユニットにフォーカスします。

当第1四半期における当社の主要な研究開発活動は、以下のとおりです。

 

研究開発パイプライン

オンコロジー

世界中のがん患者さんに革新的な新薬をお届けするために努力し、患者さんの生活を改善するという情熱をもって、画期的なイノベーションの探求に取り組んでいます。本疾患領域では、(1)既発売品である「ニンラーロ」、「アドセトリス」、「アイクルシグ」のライフサイクルマネジメントならびに多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群およびその他血液がんのパイプラインへの継続的な研究開発投資を通じた、血液がんにおける基盤的な専門性の構築、(2)肺がんを対象とするパイプラインのさらなる拡充、(3)社外との提携による新規のがん免疫療法標的および次世代基盤技術の追求ならびに革新的な細胞療法の探索、にフォーカスしています。

 

[ニンラーロ 一般名: イキサゾミブ]

・2019年4月、当社は、「ニンラーロ」について、厚生労働省に多発性骨髄腫に対する自家造血幹細胞移植後における維持療法の適応追加に係る製造販売承認事項一部変更承認の申請を行ったことを公表しました。

・2019年6月、当社は、再発又は難治性の全身性(AL)アミロイドーシス患者を対象とした臨床第3相試験である「TOURMALINE-AL1試験」において、2つの主要評価項目のうち最初の結果が主要評価項目を満たさなかったことを公表しました。「ニンラーロ」およびデキサメタゾンの併用群は、医師が選択した標準治療群と比較して、血液学的奏効率において有意な改善はみられませんでした。解析の結果より、当社は本試験を中止することを決定しましたが、副次評価項目の有望なデータについては、今後学会で発表する予定です。

 

 [一般名: カボザンチニブ]

2019年4月、当社は、「カボザンチニブ」について、切除不能又は転移を有する腎細胞がんに対する治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の申請は、海外第3相試験のMETEOR試験、海外第2相試験のCABOSUN試験、ならびに血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFR-TKI)による治療後に増悪した日本人進行腎細胞癌患者さん35名を対象に有効性と安全性を検討した国内第2相試験である「Cabozantinib-2001試験」の結果に基づくものです。

 

[開発コード: TAK-788]

2019年6月、当社は、「TAK-788」について、2019年米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会のオーラルセッションにおいて、新たなデータを発表しました。非盲検、多施設共同臨床第1/2相試験により、EGFR エクソン20挿入遺伝子変異を有する局所進行性あるいは転移性の非小細胞肺がん患者において、「TAK-788」の無増悪生存期間(PFS)の中央値が7.3ヵ月、客観的奏効率(ORR)が43%という結果が示されました。

 

消化器系疾患

消化器系疾患・肝疾患の患者さんに革新的で人生を変えうる治療法をお届けすることにフォーカスしています。「エンティビオ」および「アロフィセル」といった炎症性腸疾患におけるフランチャイズのポテンシャルを最大化するとともに、「ガテックス」のスペシャリティ消化器系疾患領域におけるポジショニングを拡大させ、社外との提携を通じて消化管運動関連疾患、セリアック病、肝疾患およびマイクロバイオーム(腸内細菌)における機会を探索し、パイプラインの構築を進めています。

 

[エンティビオ/エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ]

・2019年4月、当社は、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病患者に対する維持療法として、「ベドリズマブ」の皮下注射製剤の剤形追加を欧州医薬品庁(EMA)に申請し、受理されたことを公表しました。当社は、「ベドリズマブ」の皮下投与において、プレフィルドシリンジ製剤およびペン製剤の両製剤を申請しています。

・2019年5月、当社は、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者に対する維持療法として「ベドリズマブ」の皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請を米国食品医薬品局(FDA)に提出し、受理されたことを公表しました。当社は、「ベドリズマブ」の皮下投与において、プレフィルドシリンジ製剤およびペン製剤の両剤形を申請しています。

・2019年5月、当社は「エンタイビオ」中等症から重症の活動期のクローン病の治療及び維持療法の治療薬として、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを公表しました。

・2019年5月、当社は潰瘍性大腸炎を対象とした2つの生物学的製剤を初めて直接比較し、ベドリズマブがアダリムマブに対し52週時点で有意に高い臨床的寛解を達成したVARSITY試験から得た新たな探索的データを米国消化器病週間(Digestive Disease Week:DDW)2019において発表しました。

・2019年7月、当社は、ベドリズマブの皮下注射製剤の有効性および安全性を評価した「VISIBLE 2試験」の結果を公表しました。「VISIBLE 2試験」は、治療期開始時点(0週)および2週時点に非盲検下にてベドリズマブの静脈内投与を2回行った後、6週時点で臨床的改善(注1)が得られた成人の中等症から重症の活動期クローン病患者に対する維持療法として、ベトリズマブの有効性及び安全性を評価する試験です。本試験の主要評価項目において、52週時点で臨床的寛解(注2)が得られた患者の割合は、プラセボ投与群と比較して、ベドリズマブ皮下投与群で統計学的に有意に高い結果を示しました。

(注1) 臨床的改善は、クローン病活動指数(CDAI:Crohn's Disease Activity Index)のスコアがベースライン(0週)から70ポイント以上の減少として定義

(注2) 臨床的寛解は、クローン病活動指数(CDAI:Crohn's Disease Activity Index)のスコアが52週時点で150以下と定義

 

[ガテックス 一般名:teduglutide]

・2019年5月、当社は、「ガテックス」について、追加の栄養もしくは液体の静脈投与(非経口栄養補給)が必要な短腸症候群の1歳以上の小児患者への投与がFDAより追加で承認されたことを公表しました。 

 

希少疾患

Shire社の買収により、希少疾患領域のビジネスおよびパイプラインが加わりました。当社は、次の3治療分野に注力しています。(1)最近上市された「TAKHZYRO」を含む希少免疫疾患(例:遺伝性血管浮腫)、(2)血液疾患領域における競合他社と比較して幅広いポートフォリオを持つ希少血液疾患、(3)希少代謝性疾患(承認済みのファブリー病、ならびにハンター症候群、ゴーシェ病治療薬への注力を含む)。

 

 [アディノベイト 一般名:ルリオクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)]

・2019年7月、当社は、第27回国際血栓止血学会(ISTH:International Society on Thrombosis and Haemostasis Congress)年次総会において、アディノベイトの臨床第3b/4相試験である「PROPEL試験」の新たな成績を発表したことを公表しました。「PROPEL試験」は重症血友病A患者を対象とし、2つの異なる第Ⅷ因子トラフ値をターゲットとして、薬物動態(PK)に基づく定期補充療法後にアディノベイトの安全性および有効性を比較する前向き無作為化多施設共同試験です。

 

[TAKHZYRO 一般名:lanadelumab]

2019年6月、当社は、TAKHZYROの効果発現を評価する臨床第3相試験である「HELP試験」における投与0~69日データについて追加解析を行い、新たなデータを欧州アレルギー・臨床免疫学会(EAACI:European Academy of Allergy and Clinical Immunology)にて発表しました。追加解析によりTAKHZYROが、初期治療期間中において遺伝性血管性浮腫(HAE)の発症を防ぎ、プラセボ群と比較し、月間平均発作発現率を80.1%減少することが示唆されました。

 

[開発コード:BAX111 一般名:ボニコグ アルファ(遺伝子組換え)]

2019年7月、当社は、ヒトフォン・ヴィレブランド因子製剤であるボニコグ アルファ(遺伝子組換え)「BAX111」について、フォン・ヴィレブランド病治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。

 

ニューロサイエンス

本疾患領域では、治療法が確立していない神経疾患や精神疾患を患っている患者さんに革新的な医薬品を提供することを目指しています。当社では、大うつ病治療剤の「トリンテリックス」に対する継続的な投資、およびShire社買収を通じて取得した注意欠陥多動性障害治療剤のポートフォリオにより、精神疾患におけるプレゼンスを拡大していきます。また、社内の専門知識やパートナーとの提携をいかして、アルツハイマー病、パーキンソン病といった神経疾患や選択した希少中枢疾患に対するパイプラインを構築していきます。

 

[トリンテリックス 一般名:vortioxetine]

・2019年7月、当社は第16回日本うつ病学会総会において大うつ病性障害治療薬vortioxetineの国内第3相無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(NCT02389816)の結果を公表しました。本試験では、日本の成人再発うつ病患者さんをvortioxetine10mg群、20mg群、プラセボ群のいずれかに無作為に割り付け、1日1回投与で有効性・安全性を評価しました。主要評価項目は、投与8週時におけるMontgomery-Åsberg Depression Rating Scale(MADRS)合計スコアのベースライン(二重盲検期開始時)からの変化量で、プラセボ群との群間差がvortioxetine 10㎎、20㎎群でそれぞれ-2.66、-3.07であり、プラセボ群に対して統計学的に有意な低下が認められました(P値0.0080、0.0023)。

 

[インチュニブ 一般名:グアンファシン塩酸塩]

・2019年6月、当社は、塩野義製薬が製造販売承認を有し、塩野義製薬と当社が情報提供を行っている注意欠陥/多動性障害治療剤「インチュニブ」について、厚生労働省より成人患者(18歳以上)に対する適応追加による一部変更が承認されたことを公表しました。

 

血漿分画製剤

・2019年1月8日に完了したShire社の買収後、当社は、血漿分画製剤に注力する新たなグローバルビジネスユニットを加えました。同ビジネスユニットは、希少疾患、生命に関わる疾患、慢性疾患および遺伝性疾患といった様々な病気の患者さんを効果的に治療するうえで重要となる血漿分画製剤について、増加するニーズに応えていきます。

 

ワクチン

ワクチンでは、革新技術をいかして、デング熱、ジカウイルス感染、ノロウイルス感染、ポリオ感染など、世界で最も困難な感染症に取り組んでいます。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、政府機関(日本、米国、シンガポール)や主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップは、私たちのプログラムを実行しそれらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。

 

 

将来に向けた研究プラットフォームの構築/研究開発における提携の強化

自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。

 

・2019年7月、当社と京都大学iPS細胞研究所(「CiRA」(サイラ))は、新規iPS細胞由来キメラ抗原受容体(CAR)1遺伝子改変T細胞療法(iCART)に関する研究成果が、両社の共同研究プログラムであるT-CiRAから当社に継承されたことを公表しました。本プログラムの臨床試験に向けたプロセス開発が開始されます。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期において、経営上の重要な契約等の締結等はありません。