【要約四半期連結財務諸表注記】
1 報告企業
武田薬品工業株式会社(以下、「当社」)は、日本に所在する上場企業であります。当社および当社の子会社(以下、「当社グループ」)は、バリュー(価値観)、すなわち当社の経営の基本方針に基づき患者さんを中心に考える、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。当社グループは、革新的なポートフォリオを有し、医薬品の研究、開発、製造、および販売を主要な事業としております。当社グループの主要な医薬品には、当社の主要なビジネスエリアである消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の医薬品が含まれております。
当社グループは、既存事業の自立的な伸長とこれまで実施した複数の企業買収を通じて、疾患領域、地理的拠点、パイプラインの拡大を推進し、成長してまいりました。2019 年1月には、希少疾患やその他特殊疾患に強みを持つグローバルなバイオ医薬品企業であるShire plc(以下、「Shire 社」)を6,213,335百万円で買収しております(注記12)。
2 作成の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IAS第34号に準拠して作成しております。本要約四半期連結財務諸表は、年度の連結財務諸表で要求されるすべての情報を含んでいないため、2019年3月31日に終了した前年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
当社グループの要約四半期連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に記載のない限り、百万円未満を四捨五入して表示しております。
本要約四半期連結財務諸表は、2019年8月9日に代表取締役社長CEO クリストフ ウェバーおよび取締役CFO コンスタンティン サルウコスによって承認されております。
要約四半期連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行うことが義務付けられております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は、継続的に見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間および影響を受ける将来の会計期間に認識されます。
本要約四半期連結財務諸表における会計方針を適用する過程で行われた判断および見積り、並びに会計上の見積りおよび仮定は、重要な会計方針(注記3)に記載されたIFRS第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」)の適用に関連する新たな重要な判断および見積りの不確実性を除き、前年度と同様であります。
3 重要な会計方針
本要約四半期連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、IFRS第16号による変更を除き、前年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
なお、当第1四半期の法人所得税費用は、見積年次実効税率を基に算定しております。
IFRS第16号「リース」
当社グループはIFRS第16号を2019年4月1日より適用しております。IFRS第16号はIAS第17号「リース」(以下、「IAS第17号」)および、IFRIC第4号「契約にリースが含まれるか否かの判断」(以下、「IFRIC第4号」)に代わる単一のリース会計モデルであり、ほとんどすべてのリース取引についてリース負債および使用権資産を認識することを借手に要求しております。これにより、従前、売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費、およびその他の営業費用に計上されていたオペレーティング・リースに係る費用のうち、財務的要素は金融費用として報告しております。また、連結キャッシュ・フロー計算書において、従前、営業活動によるキャッシュ・フローに含まれていたリース料の支払は、財務活動によるキャッシュ・フローに含めて報告しております。
当社グループは、2019年4月1日において、遡及修正による累積的影響額を適用日時点で認識する方法(修正遡及アプローチ)を選択してIFRS第16号を適用しております。これにより、リース負債は適用日時点の残存リース料を同時点の追加借入利子率で割り引いた現在価値で測定しております。また、使用権資産はリース負債の測定額に前払リース料、未払リース料、不利なリース契約、および企業結合にかかる公正価値の修正を調整した金額で認識しております。
IFRS第16号の適用により、2019年4月1日の連結財政状態計算書において、過去にIAS第17号を適用してファイナンス・リースとして認識していたリースを除き、リース負債(「その他の金融負債」に含まれております)が217,325百万円、使用権資産(「有形固定資産」に含まれております)が199,256百万円、それぞれ増加しております。2019年4月1日にリース負債に適用した借手の追加借入利子率の加重平均は2.8%であります。また、当第1四半期における要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書において、従前、営業活動によるキャッシュ・フローに含めていたキャッシュ・アウトフローが、財務活動によるキャッシュ・フローに7,572百万円含まれております。IFRS第16号の適用による本要約四半期連結財務諸表におけるその他の影響で重要なものはありません。
当社グループは、適用日時点において、従前、IAS第17号に基づきオペレーティング・リースに分類されていたリースについて、以下の移行時の実務上の便法を適用しております。
・適用日時点で残存リース期間が12ヶ月以内のリースに認識の免除を適用
・減損レビューの代替として、適用開始日の直前におけるIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に基づく不利な契約に係る引当金の金額で使用権資産を調整する
また、当社グループは、2019年4月1日より前に締結した契約について、適用日時点で、契約がリースまたはリースを含んだものであるかどうかの再評価を行わず、代わりに、IAS第17号及びIFRIC第4号の適用結果を引き継ぐことを選択しております。
IFRS第16号の適用の結果、2019年4月1日より、当社グループは関連する会計方針を次のとおり更新、改訂しております。
借手側
当社グループは、契約の開始時点において契約がリースまたはリースを含んだものであるかどうかを判断しております。借手として当社グループは、リース期間の開始時点において、当社グループがリース契約の借手となっているすべての契約について使用権資産及び関連するリース負債を連結財政状態計算書において認識しております。
使用権資産は、リース負債にリース開始日または開始日前に発生したリース料の支払を調整した金額で当初測定し、当該金額からリース開始日後に発生した減価償却累計額および、減損損失累計額を控除した金額で事後測定しております。使用権資産の減価償却費は、対象資産のリース期間と見積耐用年数のいずれか短いほうの期間にわたり定額法で計上しております。使用権資産は、減損テストの対象となります。
リース負債は、契約の開始時点において、リースの計算利子率を容易に算定可能な場合には当該利子率を、それ以外の場合には当社グループの追加借入利子率を用いて未決済のリース料総額を現在価値に割り引いて測定しております。当社グループは、一般的に当社の追加借入利子率を割引率として使用しております。リース期間は、リース契約の解約不能期間に、延長または解約オプションを行使することが合理的に確実である場合にこれらのオプションを加味した期間であります。当初認識後、リース負債は実効金利法により償却原価で測定され、リース期間の延長、解約オプションが行使されるかどうかの評価の見直しなどにより将来のリース料が変更された場合に再測定されます。再測定により生じた差額は、使用権資産を調整するか、または、使用権資産がすでにゼロまで償却済みである場合には純損益で認識しております。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内、または少額資産のリースについて認識の免除規定を適用しております。その結果、これらのリースに係る支払リース料はリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。また、実務上の便法として、当社グループは非リース構成部分をリース構成部分と区別せず、リース構成部分及び関連する非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理することを選択しております。
4 事業セグメントおよび売上収益
当社グループは、医薬品、一般用医薬品および医薬部外品ならびにその他のヘルスケア製品の研究開発、製造、販売に従事しており、単一の事業セグメントから構成されております。これは、資源配分、業績評価、および将来予測において最高経営意思決定者であるCEOの財務情報に対する視点と整合しております。
当社グループの顧客との契約から生じる売上収益の内訳は、以下のとおりであります。
(注)「その他」には、中東・大洋州・アフリカが含まれております。
5 その他の営業収益
前第1四半期のその他の営業収益は、主に有形固定資産の売却益の計上により9,284百万円となりました。
当第1四半期のその他の営業収益は、6,666百万円となりました。これには、Axcelead Drug Discovery Partners, Inc.,の株式を売却したことによる株式売却益2,156百万円が含まれております。
6 その他の営業費用
前第1四半期および当第1四半期のその他の営業費用は、△1,357百万円および40,992百万円となりました。
その他の営業費用には、従業員の削減や事業拠点や機能の統合をはじめとする事業構造再編費用が含まれております。前第1四半期および当第1四半期における事業構造再編費用の計上額は、それぞれ5,979百万円および33,462百万円であります。前第1四半期における事業構造再編費用は、主にグローバル経費削減イニシアチブや研究開発体制の変革にかかる費用であり、当第1四半期における事業構造再編費用は、主にShire社の買収に伴う統合コストであります。また、前第1四半期においては承認取得に伴い過去の承認前在庫にかかる評価損の戻入△9,209百万円を計上しております。
7 1株当たり利益
当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり四半期利益および希薄化後1株当たり四半期利益の算定基礎は以下のとおりであります。
8 売却目的で保有する処分グループ
2019年3月31日現在の売却目的で保有する処分グループには、主に当社の連結子会社であったAxcelead Drug Discovery Partners, Inc., に関連する処分グループおよびShire社買収後に売却することを公表した「Xiidra®」(Lifitegrast点眼薬)に関連する処分グループが含まれており、Axcelead Drug Discovery Partners, Inc.,は2019年4月に、「Xiidra®」は2019年7月に売却されております。なお、「Xiidra®」の売却が連結純損益計算書に与える影響は軽微であります。
また、2019年5月に「TachoSil™」(手術用パッチ剤)を譲渡する契約を締結し、当該製品に関連する無形資産等の資産46,082百万円および繰延税金負債5,337百万円を当第1四半期において売却目的で保有する処分グループに分類しました。
9 社債
当第1四半期において、当社は下記の無担保社債を発行いたしました。
利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債
下記社債を2019年8月9日および2019年8月29日において繰上償還することを決定しております。
これらの償還が連結純損益計算書に与える影響は軽微であります。
10 資本金及びその他の資本項目
(1) 新株の発行
当第1四半期において、当社は、当社グループ子会社のESOP信託である日本マスタートラスト信託銀行株式会社に対する第三者割当により、新たに11,350千株を発行しました。新株発行により、当社の資本金および資本剰余金は、それぞれ24,507百万円および24,507百万円増加しました。日本マスタートラスト信託銀行株式会社は、株式付与ESOP信託契約の共同受託者であります。当該新株発行は取締役会において決議されました。なお当社は、株式報酬制度に基づく株式交付を目的として本株式をESOP信託口より再取得し、これにより自己株式が49,009百万円増加しました。
(2) 配当
11 金融商品
(1) 公正価値の測定
デリバティブおよび非デリバティブ金融商品は、公正価値測定を行う際のインプットの重要性を反映した、以下の3段階の公正価値階層に分類しております。レベル1は活発に取引される市場での同一の資産負債の取引相場価格などの観察可能なインプットとして定義されます。レベル2は、レベル1に含まれる相場価格以外のインプットのうち、資産又は負債について直接又は間接に観察可能なものとして定義されます。レベル3は資産又は負債に関する観察可能でないインプットであります。短期間で決済され、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている場合、金融商品の公正価値情報は下の表から除外しております。
(単位:百万円)
(2) 評価技法
デリバティブの公正価値は、評価技法への重要なインプットが観察可能な市場情報に基づいている、取引先金融機関から入手した時価情報によっております。
転換社債への投資の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法、オプション・プライシング・モデル等の評価技法を用いて算定しております。
資本性金融商品および負債性金融商品は売買目的保有ではありません。資本性金融商品または負債性金融商品が活発な市場で取引されている場合、公正価値は期末日の市場価格に基づいております。資本性金融商品または負債性金融商品が活発な市場で取引されていない場合、公正価値は各期末日現在の入手可能な情報および類似企業に基づき、簿価純資産法またはEBITDA倍率法を用いて算定しております。レベル3に分類された資本性金融商品または負債性金融商品の公正価値算定に用いた観察可能でない主なインプットは、EBITDA倍率法におけるEBITDA倍率であり、3.7倍から12.0倍の範囲に分布しております。
条件付対価契約に関する金融負債は、企業結合における取得日時点の公正価値で測定しております。条件付対価が金融負債の定義を満たす場合は、その後の各報告日において公正価値で再測定しております。公正価値はシナリオ・ベース・メソッドや割引後のキャッシュ・フロー等を基礎として算定しており、主な仮定として、各業績指標の達成可能性、将来収益予測および割引率が考慮されております。条件付対価契約に関する金融負債の公正価値評価の詳細は、(5) 条件付対価契約に関する金融負債 をご参照ください。
公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類された、上表の「その他」に含まれているジョイント・ベンチャーの売建オプション(ネット) は公正価値で測定し、その後の各報告日において公正価値で再測定しております。公正価値はモンテカルロ・シミュレーション・モデルを基礎として算定しており、主な仮定として、加重分布、利益予想および割引率が考慮されております。
(3) 公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替
当社グループは、報告期間に発生した公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を報告期間の末日において生じたものとして認識しております。レベル3からレベル1への振替を除き、当第1四半期において、レベル1、レベル2およびレベル3の間の振替はありません。当該振替は、以前取引所に上場しておらず、観察可能である活発な市場で取引がなかった企業の株式が取引所に上場したことによるものです。同社の株式は現在活発な市場において取引されており、活発な市場における取引相場価格を有しているため、公正価値の測定額を公正価値ヒエラルキーのレベル3からレベル1に振替えております。
(4) レベル3の金融資産の公正価値
レベル3の金融資産の公正価値の期首残高から期末残高への調整は以下のとおりであります。企業結合から生じる条件付対価契約に関連するレベル3の金融負債については、(5) 条件付対価契約に関する金融負債 に記載しております。
条件付対価契約に関する金融負債は、当社グループが買収した被買収企業における既存の条件付対価契約を含む、開発マイルストンおよび販売マイルストンの達成等の将来の事象を条件とする企業結合における条件付対価またはライセンス契約に基づき認識した金融負債であります。
各報告日において、条件付対価の公正価値は、リスク調整後の将来のキャッシュ・フローを適切な割引率を用いて割り引いた金額に基づいて再測定しております。
当四半期末の残高は主にShire社の過去の買収から生じた既存の条件付対価契約に関連するものであります。
Shire社の過去の買収から生じた既存の条件付対価は、様々な開発および販売ステージにおける製品の開発、規制、販売開始およびその他の販売マイルストンに関連した特定のマイルストンの達成を条件としております。条件付対価契約に関する金融負債の公正価値は、公正価値測定の前提となる特定の仮定が変動することにより増減します。当該仮定には、マイルストンの達成可能性が含まれます。
条件付対価契約に関する金融負債の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
① 増減
② 感応度分析
条件付対価契約に関する金融負債の公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合に、条件付対価契約に関する金融負債の公正価値に与える影響は以下のとおりです。
(6) 公正価値で測定されない金融商品
要約四半期連結財政状態計算書上において公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
長期金融負債は帳簿価額で認識しております。社債の公正価値は、評価技法への重要なインプットが観察可能な市場情報に基づいている、取引先金融機関から入手した時価情報によっており、借入金の公正価値は、一定の期間ごとに区分した債務ごとに、その将来キャッシュ・フローを信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値によっております。社債、長期借入金の公正価値のヒエラルキーはレベル2であります。なお、当年度よりリース負債の公正価値の開示は要求されません。
12 企業結合
当第1四半期において重要な企業結合はありません。
当社グループは、2019年1月8日、現金及び株式等総額6,213,335百万円を対価とした取引により、Shire plc(以下、「Shire社」)の発行済普通株式の100%を取得しました。Shire社は希少疾患に注力したグローバルなバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。
前年度において、取得資産および引受負債の公正価値は暫定的な金額となっておりましたが、当第1四半期 において入手した新たな情報に基づき追加的な検証を行ったため、下記の通り、一部の取得資産及び引受負債の暫定的な公正価値を修正しております。
取得日における取得した資産、引き受けた負債の公正価値
当該修正に伴い、要約四半期連結財政状態計算書の前年度残高は、遡及修正を行う前と比べ、有形固定資産、のれん、売却目的で保有する資産、繰延税金負債および売却目的で保有する資産に直接関連する負債がそれぞれ10,244百万円、8,987百万円、10,475百万円、8,752百万円および18,949百万円増加した一方、棚卸資産が2,005百万円減少しております。
なお、当該企業結合に係る取得資産および引受負債の公正価値測定に必要となる基礎数値について詳細な検証を継続しており、当第1四半期においても取得対価の配分は完了しておりません。
13 後発事象
当第1四半期の四半期報告書提出日である2019年8月9日現在において、記載すべき重要な後発事象はありません。