【要約四半期連結財務諸表注記】
1 報告企業
武田薬品工業株式会社(以下、「当社」)は、日本に所在する上場企業であります。当社および当社の子会社(以下、「当社グループ」)は、バリュー(価値観)、すなわち当社の経営の基本方針に基づき患者さんを中心に考える、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。当社グループは、革新的なポートフォリオを有し、医薬品の研究、開発、製造、および販売を主要な事業としております。当社グループは、既存事業の自立的な伸長とこれまで実施した複数の企業買収を通じて、疾患領域、地理的拠点、パイプラインの拡大を推進し、成長してまいりました。当社グループの主要な医薬品には、当社の主要なビジネスエリアである消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の医薬品が含まれております。
2 作成の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IAS第34号に準拠して作成しております。本要約四半期連結財務諸表は、年度の連結財務諸表で要求されるすべての情報を含んでいないため、2020年3月31日に終了した前年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
本要約四半期連結財務諸表は、2020年8月12日に代表取締役社長CEO クリストフ ウェバーおよび取締役CFO コンスタンティン サルウコスによって承認されております。
当社グループの要約四半期連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に記載のない限り、百万円未満を四捨五入して表示しております。
要約四半期連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の金額、ならびに偶発資産および偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行うことが要求されております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は、継続的に見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間および影響を受ける将来の会計期間に認識されます。
本要約四半期連結財務諸表における会計方針を適用する過程で行われた判断および見積り、並びに会計上の見積りおよび仮定は、前年度と同様であります。
なお、当社グループの事業活動は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の流行拡大により今後影響を受ける可能性がありますが、当社グループの業績に対する影響は限定的であると考えており、当要約四半期連結財務諸表に使用した会計上の見積りおよび仮定に与える重要な影響はありません。
3 重要な会計方針
本要約四半期連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、前年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
なお、当第1四半期の法人所得税費用は、見積年次実効税率を基に算定しております。
4 事業セグメントおよび売上収益
当社グループの顧客との契約から生じる売上収益の内訳は、以下のとおりであります。
財またはサービスの種類別の売上収益
(注)配合剤、パック製剤を含む。
(注)「その他」には、中東・大洋州・アフリカが含まれております。売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
5 その他の営業収益
前第1四半期のその他の営業収益は、6,666百万円となりました。これには、Axcelead Drug Discovery Partners, Inc.の株式を売却したことによる株式売却益2,156百万円が含まれております。
当第1四半期のその他の営業収益は、63,732百万円となりました。これには、 2020年5月に、SHP647および関連する権利の売却に関する当社グループの義務について、欧州委員会による解除が決定したことに伴い、臨床試験プログラムの中止コストなど将来発生が見込まれるSHP647の関連費用に対する負債の再見積もりを行った結果計上した益60,179百万円が含まれています。
6 その他の営業費用
前第1四半期および当第1四半期のその他の営業費用は、それぞれ40,992百万円および46,774百万円となりました。
その他の営業費用には、従業員の削減や事業拠点や機能の統合をはじめとする事業構造再編費用が含まれております。前第1四半期および当第1四半期における事業構造再編費用の計上額は、それぞれ33,462百万円および23,902百万円であります。前第1四半期および当第1四半期における事業構造再編費用は、主にShire社の買収に伴う統合コストであります。また、当第1四半期において、2019年7月に当社グループがNovartis社に譲渡したXIIDRAの欧州における販売許可申請を同社が取り下げたことに伴う条件付対価契約に関する金融資産の公正価値の変動により、18,562百万円の損失を計上しております。
7 持分法による投資損益
当第1四半期の持分法による投資損益には、長期収載品事業およびジェネリック医薬品事業を営む武田テバファーマ株式会社(その子会社である武田テバ薬品株式会社を含む)において、ジェネリック医薬品事業の一部および製造拠点の売却を決定したことに伴う、関連資産の回収可能価額の見直しにより認識した減損損失に対する当社グループ持分10,124百万円が含まれております。
8 法人所得税費用
実際税負担率は、主に外国子会社合算税制による課税額の増加により、前第1四半期30.5%に対して当第1四半期では36.7%となりました。
9 1株当たり利益
当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり四半期利益および希薄化後1株当たり四半期利益の算定基礎は以下のとおりであります。
10 共同研究開発契約およびライセンス契約
当社グループは、共同研究開発契約およびライセンス契約を締結しております。
導出契約
当社グループは、様々な導出契約を締結しており、特定の製品または知的財産権に関するライセンスを付与し、その対価として契約一時金、パートナーの株式、開発マイルストン、販売マイルストン、売上を基準とするロイヤルティ等を受領しております。これらのマイルストンにかかる変動対価の受取は不確実であり、ライセンシーによる特定の開発マイルストンの達成や、指定された年間正味売上水準の到達に左右されます。
当第1四半期における重要な導出契約は以下のとおりであります。
Neurocrine Biosciences, Inc.(以下、「Neurocrine Biosciences」)
2020年6月、当社グループは、TAK-041、TAK-653およびTAK-831を含む当社グループの早期から中期開発段階の精神疾患領域パイプラインの開発および製品化に関する、Neurocrine Biosciencesとの戦略的提携契約を締結いたしました。当社グループは一時金として現金を受け取り、また、一定の開発マイルストン、販売マイルストン、および売上高に応じたロイヤルティを取得する権利を有します。特定の開発段階において、当社グループは、すべての臨床試験プログラムについて、一つひとつのパイプラインごとに、50:50の利益配分を受ける、または受けない選択をすることができます。当社グループが50:50の利益配分の適用を受けるパイプラインについて、当社グループは開発マイルストンまたは販売マイルストンを受領する権利を有しません。
11 売却目的で保有する処分グループ
2020年3月31日現在の売却目的で保有する処分グループには、主に以下が含まれております。
・パイプライン化合物のSHP647および関連する権利(以下、「SHP647」)
・アイルランドの製造拠点および日本の湘南ヘルスイノベーションパーク設備に関連する有形固定資産
・ラテンアメリカで販売する一部の医療用医薬品および一般用医薬品製品のポートフォリオに関連する無形資産、のれん等の資産及び負債
・「TachoSil」(手術用パッチ剤)に関連する無形資産、のれん等の資産及び負債
2020年4月に、当社グループは、欧州で販売する一般用医薬品および医療用医薬品ポートフォリオの一部、ならびにデンマークおよびポーランドに所在する2つの製造拠点を譲渡する契約を締結しました。当該製品に関連するのれん、無形資産等の資産51,460百万円及び繰延税金負債2,804百万円を当第1四半期において売却目的で保有する処分グループに分類しました。
2020年5月に、欧州委員会は、2020年3月31日現在において売却目的で保有する処分グループに含まれていた、SHP647の売却に関する当社グループの義務について、解除することを決定しました。当該売却義務の解除の決定により、当第1四半期において関連する資産および負債の売却目的で保有する処分グループへの分類を中止し、60,179百万円の収益をその他の営業収益に計上しました(注記5)。
さらに、2020年6月に、アジア・パシフィックの国々のみで販売する当社ノン・コア資産である一部の一般用医薬品および医療用医薬品を譲渡する契約を締結し、当該製品に関連するのれん等の資産12,434百万円を当第1四半期において売却目的で保有する処分グループに分類しました。
12 資本金及びその他の資本項目
配当
13 金融商品
(1) 公正価値の測定方法
デリバティブおよび非デリバティブ金融商品は、公正価値測定を行う際のインプットの重要性を反映した、以下の3段階の公正価値階層に分類しております。レベル1は活発に取引される市場での同一の資産負債の取引相場価格などの観察可能なインプットとして定義されます。レベル2は、レベル1に含まれる相場価格以外のインプットのうち、資産又は負債について直接又は間接に観察可能なものとして定義されます。レベル3は資産又は負債に関する観察可能でないインプットであります。短期間で決済され、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている場合、金融商品の公正価値情報は下の表から除外しております。
(単位:百万円)
(2) 評価技法
デリバティブの公正価値は、取引先金融機関から入手した時価情報、またはブラック・ショールズ・モデルを用いて測定しております。これらの評価技法への重要なインプットは観察可能な市場情報に基づいております。
転換社債への投資の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法、オプション・プライシング・モデル等の評価技法を用いて算定しております。
資本性金融商品および負債性金融商品は売買目的保有ではありません。資本性金融商品または負債性金融商品が活発な市場で取引されている場合、公正価値は期末日の市場価格に基づいております。資本性金融商品または負債性金融商品が活発な市場で取引されていない場合、公正価値は各期末日現在の入手可能な情報および類似企業に基づき、修正簿価純資産法またはEBITDA倍率法を用いて算定しております。レベル3に分類された資本性金融商品または負債性金融商品の公正価値算定に用いた観察可能でない主なインプットは、EBITDA倍率法におけるEBITDA倍率であり、4.5倍から12.0倍の範囲に分布しております。
条件付対価契約に関する金融資産および金融負債は、売却時または企業結合における取得日時点の公正価値で測定しております。条件付対価が金融資産または金融負債の定義を満たす場合は、その後の各期末日において公正価値で再測定しております。公正価値はシナリオ・ベース・メソッドや割引後のキャッシュ・フロー等を基礎として算定しており、主な仮定として、各業績指標の達成可能性、将来収益予測および割引率が考慮されております。なお、条件付対価契約に関する金融資産は「XIIDRA」の売却に伴い認識した金融資産であります。条件付対価契約に関する金融負債の詳細は、(5) 条件付対価契約に関する金融負債 に記載しております。
公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類された、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の「その他」に含まれているジョイント・ベンチャーの売建オプション(ネット) は取得日時点の公正価値で測定し、その後の各期末日において公正価値で再測定しております。公正価値はモンテカルロ・シミュレーション・モデルを基礎として算定しており、主な仮定として、加重分布、利益予想および割引率が考慮されております。
(3) 公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替
当社グループは、報告期間に発生した公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を報告期間の末日において生じたものとして認識しております。当第1四半期において、レベル3からレベル1への振替がありました。当該振替は、以前取引所に上場しておらず、観察可能である活発な市場で取引がなかった企業の株式が取引所に上場したことによるものです。同社の株式は現在活発な市場において取引されており、活発な市場における取引相場価格を有しているため、公正価値の測定額を公正価値ヒエラルキーのレベル3からレベル1に振替えております。上記以外に、当第1四半期において公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替はありません。
(4) レベル3の金融資産の公正価値
① 増減
レベル3の金融資産の公正価値の期首残高から期末残高への調整は以下のとおりであります。レベル3の金融負債である条件付対価契約に関する金融負債については、(5) 条件付対価契約に関する金融負債 に記載しております。
(注)2019年7月において当社グループがNovartis社に売却した「XIIDRA」に関し、当第1四半期において、同社が欧州における販売許可申請を取り下げたことに伴い、条件付対価契約に関する金融資産に係る公正価値変動額18,562百万円をその他の営業費用に計上しております。
② 感応度分析
条件付対価契約に関する金融資産の公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合に、条件付対価契約に関する金融資産の公正価値に与える影響は以下のとおりです。なお、その他のレベル3の金融資産に関して、公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合における、公正価値の重要な変動はありません。
条件付対価契約に関する金融負債は、当社グループが買収した被買収企業における既存の条件付対価契約を含む、開発マイルストンおよび販売マイルストンの達成等の将来の事象を条件とする企業結合における条件付対価またはライセンス契約に基づき認識した金融負債であります。
各期末日において、条件付対価の公正価値は、リスク調整後の将来のキャッシュ・フローを適切な割引率を用いて割り引いた金額に基づいて再測定しております。
当四半期末の残高は主にShire社の過去の買収から生じた既存の条件付対価契約に関するものであります。Shire社の過去の買収から生じた既存の条件付対価契約に関する金融負債は、様々な開発および販売ステージにおける製品の開発、規制、販売開始およびその他の販売マイルストンに関連した特定のマイルストンの達成を条件としております。条件付対価契約に関する金融負債の公正価値は、公正価値測定の前提となる特定の仮定が変動することにより増減します。当該仮定には、マイルストンの達成可能性が含まれます。
条件付対価契約に関する金融負債の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
① 増減
② 感応度分析
条件付対価契約に関する金融負債の公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合に、条件付対価契約に関する金融負債の公正価値に与える影響は以下のとおりです。
(6) 公正価値で測定されない金融商品
要約四半期連結財政状態計算書上において公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
長期金融負債は帳簿価額で認識しております。社債の公正価値は、評価技法への重要なインプットが観察可能な市場情報に基づいている、取引先金融機関から入手した時価情報によっており、長期借入金の公正価値は、一定の期間ごとに区分した債務ごとに、その将来キャッシュ・フローを信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値によっております。社債および長期借入金の公正価値のヒエラルキーはレベル2であります。
14 後発事象
米ドル建無担保普通社債およびユーロ建無担保普通社債の発行
2020年7月9日、当社グループは、米ドル建無担保普通社債7,000百万米ドルおよびユーロ建無担保普通社債3,600百万ユーロ(以下、総称して「本社債」)を発行しました。
また、本社債の発行により調達した資金により、同年7月10日に、2019年におけるShire社の買収に関連して調達したシンジケート・タームローン(当第1四半期末残高:3,250百万米ドルおよび3,019百万ユーロ)を繰上返済するとともに、同年8月3日に、2016年9月発行の米ドル建無担保普通社債のうち2,400百万米ドルおよび2018年11月発行のユーロ建無担保普通社債のうち1,250百万ユーロを繰上償還しました。
これらの繰上返済および繰上償還が連結純損益計算書に与える重要な影響はありません。
発行した本社債の概要は以下の通りです。
米ドル建無担保普通社債
ユーロ建無担保普通社債