第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において新たに発生した事業等のリスク、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、ギリアード サイエンシズ社とのアンフォテリシンB(アンビソーム)に関する技術導入契約の契約期間を変更しました。変更後の契約の概要は以下のとおりです。

契約会社名

相手先

国名

技術の種類

対価

契約期間

アステラスUS LLC

ギリアード サイエンシズ社

米国

アンフォテリシンB(アンビソーム)に関する技術

なし

1991年8月~2026年10月まで(その後、別途の合意がなければ5年間延長)

 

当第3四半期連結会計期間において、アムジェン社とのエボロクマブ(レパーサ)等に関する技術導入契約の技術の種類を変更しました。変更後の契約の概要は以下のとおりです。

契約会社名

相手先

国名

技術の種類

対価

契約期間

当社

アムジェン社

米国

エボロクマブ(レパーサ)、ロモソズマブ及びブリナツモマブに関する技術

一定率のロイヤリティー及び一定率の費用負担

2013年5月~規制上の独占期間又は最長特許満了の遅い日まで

 

当第3四半期連結会計期間において、当社子会社のアステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.がドイツのグルネンタール社との間で、欧州、中東及びアフリカにおけるキューテンザの商業化に関する独占的な権利を同社へ譲渡することに関し、契約を締結しました。これに伴い、ヘルスケア ロイヤリティー パートナーズ社との以下のキューテンザに関する技術導入契約については2016年12月7日にグルネンタール社へ譲渡しました。

契約会社名

相手先

国名

技術の種類

対価

契約期間

アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.

ヘルスケア ロイヤリティー パートナーズ社

米国

キューテンザに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2009年6月~発売後10年間又は特許満了日まで

 

当第3四半期連結会計期間において、株式会社UMNファーマとのASP7373及びASP7374に関する技術導入契約について解約権を行使しました。

契約会社名

相手先

国名

技術の種類

対価

契約期間

当社

株式会社UMNファーマ

日本

ASP7373及びASP7374に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2010年9月~当社が製品の販売を終了する日まで

 

当第3四半期連結会計期間において、当社は、ドイツ マインツに拠点を置くバイオ医薬品企業であるガニメド ファーマシューティカルズ社の株主との間で、当社が同社を買収することで合意し、2016年10月28日に契約を締結しました。この契約に基づき、当社は同社の全株式を取得するための契約一時金として422百万ユーロを支払い、2016年12月20日に買収を完了しました。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

[連結経営成績]

<連結業績(コアベース)>

当第3四半期連結累計期間の連結業績(コアベース)は、以下のとおり、売上高については減収、コア営業利益、コア四半期純利益については増益となりました。

 

[連結業績(コアベース)]

 

 

(単位:百万円)

 

前第3四半期

連結累計期間

当第3四半期

連結累計期間

増減額

(増減率)

売上高

1,065,666

1,005,587

△60,079

△5.6%

コア営業利益

233,863

241,837

7,974

3.4%

コア四半期純利益

169,379

177,189

7,810

4.6%

基本的1株当たり

コア四半期純利益(円)

78.16

83.62

5.46

7.0%

 

当社は、会社の経常的な収益性を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定める非経常的な項目を調整項目として除外したものです。調整項目には、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟などによる多額の賠償又は和解費用などのほか、会社が除外すべきと判断する項目が含まれます。

 

売上高

連結売上高は1兆56億円(対前年同四半期連結累計期間比5.6%減)となりました。

・為替の影響に加え、昨年4月に日本で実施された薬価改定の影響などもあり、減収となりました。

・グローバル製品については、前立腺がん治療剤XTANDI/イクスタンジ、ベシケアとベタニス/ミラベトリック/ベットミガを合わせた過活動膀胱(OAB)治療剤の売上は、それぞれ為替の影響を受けましたが、為替の影響を除いたベースでは着実に伸長しました。免疫抑制剤プログラフの売上が減少しました。

 

(地域別売上高の状況)

※地域別売上高については売上元会社の所在地に基づき集計しています。

 

◇日本

日本の売上高は3,801億円(同4.2%減)となりました。このうち、日本市場での売上高は薬価改定の影響などもあり3,582億円(同7.2%減)となりました。

・ベシケアとベタニスを合わせたOAB治療剤、消炎鎮痛剤セレコックス、成人気管支喘息治療剤シムビコート、2型糖尿病治療剤スーグラなどの売上が拡大しました。

・イクスタンジの売上が薬価改定の影響を受け減少しました。

・また、ワクチンの売上が昨年度実施された製造元の出荷自粛(一部の製品では出荷再開)の影響が続いたことなどにより減少したほか、高コレステロール血症治療剤リピトールや消化性潰瘍・胃炎治療剤ガスターなどの売上が、後発医薬品の影響などにより減少しました。

 

◇米州

米州の売上高は3,081億円(同11.6%減)となりました。なお、米ドルベースでの売上高は2,889百万米ドル(同0.8%増)となりました。

・XTANDI、ベシケアとミラベトリックを合わせたOAB治療剤のほか、心機能検査補助剤レキスキャンなどの売上が為替の影響により減少しましたが、米ドルベースでの売上はそれぞれ拡大しました。

・プログラフの売上は減少しました。

・アゾール系抗真菌剤クレセンバが売上に貢献しました。

 

◇EMEA(欧州・中東・アフリカ)

EMEAの売上高は2,529億円(同0.6%増)となりました。なお、ユーロベースでの売上高は2,143百万ユーロ(同14.6%増)となりました。

・XTANDIの売上が拡大しました。

・ベシケアとベットミガを合わせたOAB治療剤、プログラフの売上は為替の影響などもあり減少しました。

 

◇アジア・オセアニア

アジア・オセアニアの売上高は645億円(同6.3%減)となりました。なお、為替の影響を除くと9.5%の増収となりました。

・XTANDI、ベシケアとベットミガを合わせたOAB治療剤の売上は増加しました。

・プログラフ、前立腺肥大症の排尿障害改善剤ハルナールの売上は為替の影響などもあり減少しました。

 

コア営業利益/コア四半期純利益

・売上高の減少に伴い、売上総利益は7,548億円(同5.1%減)となりました。なお、売上原価率は製品構成の変化などにより、前年同四半期連結累計期間に比べ0.4ポイント低下し、24.9%となりました。

・販売費及び一般管理費、研究開発費は為替の影響などにより、それぞれ3,367億円(同7.2%減)、1,483億円(同10.1%減)となりました。なお、対売上高研究開発費比率は、前年同四半期連結累計期間に比べ0.7ポイント低下し、14.7%となりました。

・無形資産償却費は、267億円(同19.3%減)となりました。

 

以上の結果、コア営業利益は2,418億円(同3.4%増)となりました。

また、コア四半期純利益は1,772億円(同4.6%増)、基本的1株当たりコア四半期純利益は83.62円(同7.0%増)となりました。

 

昨年4月にグローバル皮膚科事業を譲渡したことに伴い、譲渡された製品の売上、諸経費が計上されない一方で、受領した譲渡対価を一定期間にわたり収益として認識しています。この結果、当第3四半期連結累計期間において売上高、利益に一定程度のプラスの影響がありました。

 

<連結業績(フルベース)>

当第3四半期連結累計期間の連結業績(フルベース)は、以下のとおり、売上高については減収、営業利益、税引前四半期利益、四半期純利益については増益となりました。

フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の収益」(為替差益など)、「その他の費用」(減損損失、有形固定資産売却損、リストラクチャリング費用、為替差損など)、売却可能金融資産の売却益(「金融収益」に計上)などが含まれています。

当第3四半期連結累計期間における、「その他の収益」は66億円(前年同四半期連結累計期間:11億円)、「その他の費用」は171億円(前年同四半期連結累計期間:194億円)、売却可能金融資産の売却益は127億円(前年同四半期連結累計期間:121億円)でした。

 

 

[連結業績(フルベース)]

 

 

(単位:百万円)

 

前第3四半期

連結累計期間

当第3四半期

連結累計期間

増減額

(増減率)

売上高

1,065,666

1,005,587

△60,079

△5.6%

営業利益

215,599

231,289

15,690

7.3%

税引前四半期利益

228,463

243,898

15,435

6.8%

四半期純利益

164,547

178,800

14,253

8.7%

基本的1株当たり

四半期純利益(円)

75.93

84.38

8.45

11.1%

四半期包括利益

166,544

170,919

4,375

2.6%

 

[セグメント情報]

当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりとなりました。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,864億円(対前年同四半期連結累計期間比117億円増)となりました。

・法人所得税の支払額が527億円となりました。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

投資活動によるキャッシュ・フローは、△708億円(同23億円支出増)となりました。

・主な支出として、ガニメド ファーマシューティカルズ AG買収に伴う子会社株式の取得による支出509億円、有形固定資産の取得による支出211億円、無形資産の取得による支出152億円がありました。

・一方で、売却可能金融資産の売却による収入175億円がありました。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,202億円(同429億円支出減)となりました。

・配当金の支払額は701億円となりました。また、自己株式の取得による支出467億円などがありました。

 

以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、3,487億円(対前連結会計年度末比114億円減)となりました。


(3)研究開発活動

持続的な成長の源泉である「イノベーションの創出」では、新薬創出力の一層の強化とともに、新たな機会へも積極的に挑戦しています。

これまで注力してきた領域に加え、新たな疾患領域である「筋疾患」「眼科」や、次世代型ワクチンや細胞医療などの新技術・新治療手段に対しても、外部パートナーとの提携機会も活用しながら、イノベーション創出のための投資を行っています。

臨床開発においては、より優先度の高いプロジェクトに経営資源を集中することにより、開発のスピードアップを図っています。

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は1,483億円となりました。