1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………7
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 ………………………………………………………9
(4)キャピタルアロケーションに関する基本方針及び当期・次期の配当 ………………………………11
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………12
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………13
(1)連結純損益計算書 …………………………………………………………………………………………13
(2)連結包括利益計算書 ………………………………………………………………………………………14
(3)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………15
(4)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………17
(5)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………19
(6)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………20
(継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………………………20
(セグメント情報) ……………………………………………………………………………………………22
(1株当たり当期利益) ………………………………………………………………………………………23
(重要な後発事象) ……………………………………………………………………………………………23
① 当期の連結業績の概況
<連結業績(コアベース(注))>
当期(2024年4月1日から2025年3月31日)の連結業績(コアベース)は下表のとおりです。
売上収益、コア営業利益、コア当期利益はいずれも増加しました。
(注)第1四半期からコアベースの業績の定義を変更し、フルベースの業績から新たに無形資産償却費、無形資産譲渡益、持分法による投資損益を、当社が定める特定の重要な調整項目として除外しています。新定義によるコアベースの業績は、当社の収益力を示す指標として、フルベースの業績から当社が定めた特定の重要な調整項目を除外したものです。調整項目には、無形資産償却費、無形資産譲渡益、持分法による投資損益、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、当社が除外すべきと判断する項目が含まれます。前期の金額は当該変更を反映しています。なお、フルベースの実績からコアベースの実績への調整表は、決算補足資料に記載しています。
【売上収益】
・ 主要製品の前立腺がん治療剤XTANDI、尿路上皮がん治療剤PADCEV、急性骨髄性白血病治療剤XOSPATAの売上が拡大しました。また、前期に発売となった閉経に伴う血管運動神経症状治療剤VEOZAHと地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAY、当期に発売となった胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤VYLOYも売上収益の拡大に貢献しました。
・ これらによって、米国における過活動膀胱治療剤ミラベトリックの後発品の影響による売上の減少を補いました。
以上の結果、売上収益は1兆9,123億円(前期比19.2%増)となりました。
【コア営業利益/コア当期利益】
・ 売上総利益は、1兆5,631億円(同19.2%増)となりました。
・ 販売費及び一般管理費は、8,430億円(同13.9%増)となりました。SMT*によるコスト最適化を推進するなかで、グローバル組織改革(同約150億円減)や成熟製品における費用の見直し(同約100億円減)、デジタル及びAI活用による全社的な業務効率化(同約60億円減)などの削減効果があった一方で、為替の影響(同349億円増)や重点戦略製品**の販促費用の増加により、総額として増加しました。なお、XTANDIの米国での共同販促費用を除いた販売費及び一般管理費は、5,905億円(同8.3%増)となりました。
・ 研究開発費は、3,277億円(同11.4%増)となりました。為替の影響(同111億円増)に加え、Primary Focus(標的タンパク質分解誘導、がん免疫など)や重点戦略製品のライフサイクルマネジメント、研究開発の機能強化への投資を拡充(同約150億円増)したことなどにより、総額として増加しました。また、第1四半期に発生した一過性の共同開発費用の支払いも増加要因となりました。
以上の結果、コア営業利益は3,924億円(同41.7%増)、コア当期利益は2,957億円(同32.5%増)となりました。
* SMT:Sustainable Margin Transformation
** 重点戦略製品:PADCEV、IZERVAY、VEOZAH、VYLOY、XOSPATA
【為替の業績への影響】
当期の為替レートは、下表のとおりです。これらの結果、前期の為替レートを適用した場合と比べ、売上収益においては681億円の増加、コア営業利益においては151億円の増加の影響がありました。
<連結業績(フルベース)>
当期の連結業績(フルベース)は下表のとおりです。
営業利益及び当期利益はいずれも増加しました。
フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の収益」、「その他の費用」等に加えて、第1四半期から新たにコアベースの業績から除外される「無形資産償却費」や「無形資産譲渡益」、「持分法による投資損益」も含まれます。
当期における「無形資産償却費」は1,368億円(前期:988億円)、「その他の収益」は203億円(同:87億円)、「その他の費用」は2,358億円(同:1,678億円)となりました。
「その他の費用」として、第3四半期において、主に米国外IZERVAY(1,151億円)、AT466(518億円)、iota(80億円)に関する無形資産の減損損失を計上したことに加え、主に外貨建貨幣性資産の評価において為替レートの変動に伴い発生した為替差損(186億円)やリストラクチャリング費用(155億円)を計上しました。
「法人所得税費用」には、Ganymed Pharmaceuticals GmbHの清算を意思決定したことによる従前は未認識であった同社に対する投資に係る一時差異等から生じた税務便益(206億円)が含まれています。
2025年1月24日に公表したフルベースの通期連結業績予想との差異は下表のとおりです。
「その他の収益」として、条件付対価に係る公正価値変動額(167億円)を計上したことなどに伴い、フルベースの各段階利益は最新の予想を上回りました。
【主要製品の売上】
<XTANDI>
・ 全ての地域で売上が拡大し、グローバル売上は大きく拡大しました。
<PADCEV>
・ 全ての地域で売上が拡大し、グローバル売上は大きく拡大しました。
・ 1L mUC(転移性尿路上皮がん患者を対象とした一次治療)の承認国が拡大し、各国での市場浸透が売上伸長に貢献しました。
<IZERVAY>
・ 発売している米国において、売上は着実に拡大しました。
<VEOZAH>
・ 発売国の拡大も堅調に推移し、グローバル売上は着実に拡大しました。
<VYLOY>
・ グローバル全体で期待以上に売上が拡大しました。
・ 想定を上回るClaudin 18.2検査の普及率が、期待以上の売上伸長に貢献しました。
<XOSPATA>
・ グローバル売上は着実に拡大しました。
<ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ>
・ 米国における後発品参入の影響で、グローバル売上は減少しました。
<プログラフ>
・ グローバル売上は前期と比べ同水準でした。
*1 VEOZAH:米国以外ではVEOZAの製品名で承認取得
*2 プログラフ:アドバグラフ、グラセプター、アスタグラフXLを含む
【地域別売上収益の状況】
地域別の売上収益は下表のとおりです。
日本は減少した一方で、その他の地域はいずれも増加しました。
(注)第1四半期から、グレーターチャイナの名称をチャイナに変更しています。
加えて、台湾のコマーシャル区分をチャイナからインターナショナルマーケットに変更し、前期の金額は当該変更を反映しています。
*1 エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ 等
*2 チャイナ:中国、香港
*3 インターナショナルマーケット:中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、ロシア、韓国、台湾、オーストラリア、輸出売上 等
① 資産、資本及び負債の概況
当期末(2025年3月31日時点)の連結財政状態計算書の概要及び前期末からの主な変動は以下のとおりです。
【資産】
総資産は3兆3,395億円(前期末比2,301億円減)となりました。
<非流動資産>当期末:2兆1,382億円(同2,367億円減)
・ 有形固定資産は、3,289億円(同352億円増)となりました。
・ のれんは4,152億円(同35億円減)、無形資産は1兆1,237億円(同3,301億円減)となりました。
<流動資産>当期末:1兆2,013億円(同66億円増)
・ 現金及び現金同等物は1,884億円(同1,473億円減)となりました。
【資本】
資本合計は、1兆5,133億円(同827億円減)となり、親会社所有者帰属持分比率は45.3%となりました。
・ 当期利益507億円を計上した一方で、剰余金の配当1,290億円を実施しました。
【負債】
負債合計は、1兆8,263億円(同1,473億円減)となりました。
<非流動負債>当期末:7,647億円(同768億円増)
・ 社債及び借入金は5,649億円(同1,172億円増)となりました。そのうち、社債は3,200億円(同700億円増)、長期借入金は2,449億円(同472億円増)となりました。
<流動負債>当期末:1兆616億円(同2,241億円減)
・ 社債及び借入金は2,665億円(同2,057億円減)となりました。そのうち、短期借入金は200億円(同1,154億円減)、コマーシャル・ペーパーは1,649億円(同1,201億円減)、1年以内償還予定の社債は300億円(同300億円増)、1年以内返済予定の長期借入金は517億円(同2億円減)となりました。
② キャッシュ・フローの概況
【営業活動によるキャッシュ・フロー】
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,945億円(前期比220億円増)となりました。
・ 法人所得税の支払額は855億円(同474億円増)となりました。
【投資活動によるキャッシュ・フロー】
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、△894億円(同7,564億円支出減)となりました。
【財務活動によるキャッシュ・フロー】
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、△2,614億円(前期は6,141億円の収入)となりました。
・ 配当金の支払額は1,290億円(同123億円増)となりました。
以上の結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、1,884億円(前期末比1,473億円減)となりました。
当社は、次期の連結業績予想について、コアベース及びフルベースでの業績予想を開示しています。
通期連結業績予想は以下のとおりです。
(注) 基本的1株当たりコア当期利益の予想は、2025年3月末発行済株式数(自己株式を除く)により算定しています。
[通期の想定為替レート]
2026年3月期(想定):140円/米ドル、160円/ユーロ
2025年3月期(実績):152円/米ドル、164円/ユーロ
売上収益、コア営業利益及びコア当期利益はいずれも増加を予想しています。
次期の為替レートは、当期実績に比べドル、ユーロともに円高になることを想定していることから、当期の為替レートを適用した場合と比べ、売上収益においては1,057億円の減少、コア営業利益においては250億円の減少の影響を見込んでいます。
【売上収益】
・ IZERVAY、PADCEV、VYLOYを中心に重点戦略製品*の売上が大きく拡大する見通しです。これらがミラべグロンの売上減少や為替の影響を吸収し、売上収益は増加する見込みです。
以上の結果、売上収益は1兆9,300億円(当期比0.9%増)を予想しています。
* 重点戦略製品:PADCEV、IZERVAY、VEOZAH、VYLOY、XOSPATA
【コア営業利益/コア当期利益】
・ 販売費及び一般管理費については、インフレに伴う費用増加を見込む一方で、SMT**を通じたコスト最適化の継続による費用削減効果により、8,050億円(同4.5%減)を予想しています。
・ 研究開発費は、重点戦略製品のライフサイクルマネジメントやPrimary Focusへの投資が引き続き拡大することから、3,420億円(同4.4%増)を予想しています。
以上の結果、コア営業利益は4,100億円(同4.5%増)を予想しています。また、コア当期利益は3,040億円(同2.8%増)、基本的1株当たりコア当期利益は169.80円(同2.8%増)を予想しています。
** SMT:Sustainable Margin Transformation
通期連結業績予想(フルベース)は以下のとおりです。
(注)基本的1株当たり当期利益の予想は、2025年3月末発行済株式数(自己株式を除く)により算定しています。
[通期の想定為替レート]
2026年3月期(想定):140円/米ドル、160円/ユーロ
2025年3月期(実績):152円/米ドル、164円/ユーロ
当期における営業利益410億円には、コア営業利益で除外された3,514億円の費用(純額)が含まれています。
次期においては、営業利益、税引前利益及び当期利益はいずれも増加を予想しています。営業利益は1,600億円を予想しており、コア営業利益では除外される約2,500億円の費用を見込んでいます。主な調整項目として、無形資産償却費約1,400億円、加えて減損損失リスクや組織改編に伴う費用、為替差損などのその他の費用として約1,100億円を織り込んでいます。
当社は、企業価値の持続的向上に努めるとともに、株主還元にも積極的に取り組んでいます。成長を実現するための事業投資を優先しながら、配当については、連結ベースでの中長期的な利益成長に基づき、安定的かつ持続的な向上に努めます。また、自己株式の取得を必要に応じて機動的に実施し、資本効率の改善と1株当たり利益の向上を図ります。
当期の年間配当金については、1株当たり74円(うち期末配当金として37円)としました。次期の年間配当金については、1株当たり78円(うち中間配当金として39円、期末配当金として39円)を予想しています。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目指し、2014年3月期決算から国際会計基準(IFRS)を適用しています。
該当事項はありません。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
IVERIC bio, Inc. の取得
(1)企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
② 取得日
米国東部時間 2023年7月11日
③ 取得した議決権付資本持分の割合
100%
④ 被取得企業の支配の獲得方法
現金を支払対価とする株式取得
⑤ 企業結合を行った主な理由
当社は、VISION「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの『価値』に変える」の実現に向け、最先端の「価値」駆動型ライフサイエンス・イノベーターを目指しています。研究開発戦略であるFocus Areaアプローチとして、多面的な視点でバイオロジーとモダリティ/テクノロジーの独自の組み合わせを見出し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます。現在、「再生と視力の維持・回復」を含む5つのPrimary Focusを特定し、優先的に経営資源を投下しています。Iveric Bio社買収は、当社が掲げる重点領域における製品ポートフォリオ構築のための重要なステップとなります。
Iveric Bio社は、眼科領域において新規治療薬の研究開発に注力しています。地図状萎縮 (Geographic Atrophy:GA) を伴う加齢黄斑変性 (Age-related Macular Degeneration:AMD) の治療薬として開発中のIZERVAY (一般名:avacincaptad pegol、以下「ACP」) 硝子体内注射液について、米国食品医薬品局 (FDA) から2023年8月4日 (現地時間) に承認を取得しました。
補体因子C5阻害剤であるACPは、GAを伴うAMDの治療薬候補であり、十分な治療を受けていない多くの患者さんに価値を提供できる可能性があります。ACPは、これまでに2つのピボタル試験 (GATHER1, 2試験) において、主要評価項目 (GAの進行抑制) を統計学的に有意に達成し、この適応症についてFDAからブレークスルーセラピー指定 (Breakthrough Therapy Designation) を受けています。
Iveric Bio社のリードプログラムであるACPを獲得することが、当社の経営計画2021で定める2025年度までの売上目標に貢献するだけでなく、ACPは、fezolinetantやPADCEVとともに収益を生み出す柱として、2020年代後半に控えるXTANDIの独占期間満了による売上減少を補うことが期待されています。
また、Iveric Bio社の買収により、当社は、コマーシャルチームや、専門家との広範なネットワーク、医療機関とのパートナーシップを含む、眼科領域における基盤ケイパビリティを獲得します。このようなケイパビリティ獲得を通じて、当社は、Primary Focus「再生と視力の維持・回復」における目標達成に向け、臨床開発・市場アクセスを加速させていきます。
(2)取得日現在における取得資産、引受負債及び支払対価の公正価値
(単位:百万円)
前連結会計年度では一部の金額については暫定的な公正価値となっていましたが、当連結会計年度においては取得日現在における取得資産、引受負債及び支払対価の公正価値の測定が完了しています。
のれんの主な内容は、個別に認識要件を満たさない、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果及び超過収益力です。
(3)キャッシュ・フロー情報
上記のほか、Iveric Bio社の権利確定前のストック・オプション等の株式報酬に係る支払33,434百万円を企業結合とは別個に認識し、連結純損益計算書の「その他の費用」に計上しています。
(4)取得関連費用
3,614百万円
取得関連費用は、連結純損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。
(5)連結純損益計算書に与える影響
① 前連結会計年度の連結純損益計算書で認識されている取得日以降の被取得企業の税引前利益 (△は損失)
△107,506百万円
(注) 上記には、企業結合とは別個に認識されたIveric Bio社の権利確定前のストック・オプション等の株式報酬に係る支払33,434百万円が含まれています。
② 企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の前連結会計年度の連結純損益計算書の税引前利益に与える影響額 (△は損失)
△52,765百万円
(注) この影響額は、Iveric Bio社の2023年4月1日から取得日までの業績に基づいて算定しています。
当社グループの主要な事業内容は医薬品の研究開発、製造及び販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、報告セグメントは医薬品事業単一となっています。
製品及びサービスごとの外部顧客への売上収益は次のとおりです。
売上収益及び非流動資産の地域別内訳は次のとおりです。
地域別売上収益
(注) 地域別売上収益は、当社グループ各社の所在地を基礎として分類しています。
地域別非流動資産(有形固定資産・のれん及び無形資産)
連結純損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先は次のとおりです。
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は次のとおりです。
該当事項はありません。