文中において将来について記載した事項は、提出日現在において判断したものです。
当社の経営理念は、「存在意義」「使命」「信条」の3つのパートから構成されています。
アステラスの存在意義:先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する
・生命科学の未知なる可能性を、誰よりも深く究めたい。
・新しい挑戦を続け、最先端の医薬品を生み出したい。
・高い品質を確かな情報と共に届け、揺るぎない信頼を築きたい。
・世界の人々の健やかな生活に応えていくために。
・世界で輝き続ける私たちであるために。
アステラスの使命:企業価値の持続的向上
・アステラスは、企業価値の持続的向上を使命とします。
・アステラスは、企業価値向上のため、お客様、株主、社員、環境・社会など、すべてのステークホルダーから選ばれ、信頼されることを目指します。
アステラスの信条
アステラスの「信条」は、私たちが常に大事にする行動規範です。
アステラスは、これらの信条に共鳴し実践する人々の集団であり続けます。
高い倫理観: 常に、高い倫理観をもって、経営活動に取り組みます。
顧客志向: 常に、お客様のニーズを把握し、お客様の満足に向かって行動します。
創造性発揮: 常に、現状を是とせず、未来志向で自己革新に挑戦し、新しい価値を創造します。
競争の視点: 常に、視野広く外に目を向け、より優れた価値を、より早く生み出し続けます。
アステラスは、信条に則した行動を通じて、ステークホルダーの皆様への責任を適切に果たし続けるとともに、積極的な情報開示を行います。
製薬産業を取り巻く事業環境は時代とともに大きく変化しています。当社は、これらの変化に柔軟に対応しながら、中長期的な視点で経営課題を的確に捉え、必要な対策を講じることにより、企業価値を持続的に向上させ、革新的な医療ソリューションを患者さんに届け続けていきます。
①経営計画2026
当社は、経営計画2026 (対象期間:2026年度~2030年度) を新たに策定しました。経営計画2026の戦略目標及び成果指標は以下のとおりです。
1) 戦略目標
・高い収益成長によるキャッシュの創出
経営計画2026では、収益性の高い5つの重点戦略製品 (PADCEV、IZERVAY、VYLOY、VEOZAH、XOSPATA) を軸に売上収益を最大化し、5つの重点戦略製品の2030年度の売上を2025年度比で2倍に拡大することを目指します。成長ドライバーとしては、PADCEV及びVYLOYの追加適応症の可能性に加え、成長市場における重点戦略製品の新規上市を見込んでいます。重点戦略製品は、収益性の高い持続的な成長の源泉となるとともに、パイプライン主導による当社の成長を支える資本を創出します。
・パイプライン主導による成長の加速
成長加速に向けた研究開発投資により、2029年度からの成長をパイプラインで牽引します。2024年度末から2025年度に、Focus Areaアプローチから生み出された複数のプログラムが臨床PoC (Proof of Concept) を達成し、第Ⅲ相試験へ移行しています。研究開発への継続的な投資と生産性の向上を通じて、経営計画2026期間中に10件以上の第Ⅲ相試験/ピボタル試験を開始し、そのうち5件以上を2027年度までに開始することを目指します。後期パイプライン価値の向上を目的として、自社創薬に加えて、自社の強みを生かすことで付加価値を創出できる「価値付加型事業開発」も実行しています。2030年代半ばにパイプラインの売上ポテンシャル約1兆円の実現を目指します。
・規律あるキャッシュアロケーション
当社は、十分な成長投資の確保と持続的な株主価値の向上を目指します。2027年度までにコア営業利益率 (注) 30%を達成し、経営計画2026期間中、研究開発費控除前のコア営業利益として累計4.3兆円以上を創出することで、当社の戦略を支える強固な内部資金基盤を確保します。研究開発投資前のコア営業利益率を50%に維持しつつ、パイプラインの進展に応じて研究開発投資を柔軟に拡大できる体制へと変革します。また、収益性の確保・維持、成長への投資、株主還元の実現に向け、経営計画2026期間中に累計2,000億円のコスト最適化を目指します。株主還元については、年間2円以上の増配を継続的に実施します。
(注) 当社は、当社の収益力を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定めた特定の重要な調整項目を除外したものです。調整項目には、無形資産償却費、無形資産譲渡益、持分法による投資損益、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、当社が除外すべきと判断する項目が含まれます。
・全社的な生産性向上
当社は、働き方・企業文化・ガバナンスを基盤とした組織力を強化します。患者さんを中心に据えた「患者軸」への組織変革を経て、バリューチェーン全体にわたる成果の創出を加速させてきました。また、機能横断型のAsset Maximization Teamsに権限を委譲するなど、業務モデルの在り方を進化させています。その強固な組織基盤のもと、当社の「組織における価値観と行動」を羅針盤とし、持続的な成長を実現するとともに、VISION「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの『価値』に変える」の実現を目指します。
2) 成果指標
・10件以上の第Ⅲ相/ピボタル試験 (注) を開始
‐2027年度までに5件以上の第Ⅲ相/ピボタル試験
(注) 第Ⅲ相/ピボタル試験の数は適応症ベース、重点戦略製品のライフサイクルマネジメントは含めない
・研究開発費控除前コア営業利益:累計4.3兆円以上
‐重点戦略製品の売上:2倍に拡大 (2025年度比)
‐経常的なコスト最適化目標:2,000億円
‐研究開発費控除前コア営業利益率:50%
・配当の継続的な引き上げ
‐毎年2円以上の増配
②経営計画2021の振り返り
売上収益については、2025年度のXTANDI及び重点戦略製品の売上は1兆4,411億円となり、成果目標「XTANDI及び重点戦略製品の売上は2025年度に1.2兆円以上」を達成しました。
パイプライン価値については、経営計画2021の発表当時に既に開発が進行していたプロジェクトの中止が主要因となり、成果目標「Focus Areaプロジェクトからの売上は2030年度に5,000億円以上」には及びませんでした。しかしながら、Focus Areaアプローチにより、3つのPrimary Focusの旗艦プログラムから計4つの臨床PoCを達成し、将来の成長に向けた重要なマイルストンを積み上げました。
コア営業利益率に関しては、成果目標「2025年度に30%以上」の達成には至りませんでしたが、“Sustainable Margin Transformation”を通じて継続的に財務基盤の改善を進めてきたことで、2025年度のコア営業利益率は26.0%に到達しました。
③株主還元方針
当社は、企業価値の持続的向上に努めるとともに、株主還元にも積極的に取り組んでいます。成長を実現するための事業投資を優先しながら、配当については、連結ベースでの中長期的な利益成長に基づき、安定的かつ持続的な向上に努めます。経営計画2026期間中は、毎年2円以上の増配を目指します。
また、自己株式の取得を必要に応じて機動的に実施し、資本効率の改善と1株当たり利益の向上を図ります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末において判断したものです。
(1) サステナビリティ
①サステナビリティに関する考え方
当社は社会のサステナビリティの向上に貢献していくことが、事業を継続していく上で極めて重要であると考えます。具体的には、アンメットメディカルニーズ (満たされない医療ニーズ) に応える革新的なヘルスケアソリューションを提供することや、事業活動において製薬会社としての社会的責任を果たすことにより、当社は社会のサステナビリティの向上に貢献しています。その結果、自社や自社の製品等に対する社会からの信頼が得られ、当社のサステナビリティを向上させると考えています。このように、本業を通じて社会と当社の双方の持続可能性を向上させる好循環を生み出していくことが当社にとってのサステナビリティの考え方です。このような好循環を生み出すことは、当社の存在意義である「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを通じた「企業価値の持続的向上」 (注) という私たちの使命を果たすことにつながります。
(注) 当社が推進する財務・非財務活動の取り組みは全て、当社の企業価値向上へとつながっています。それぞれの取り組みが互いに関連し、作用し合いながら企業価値を向上させていく流れを表現した「企業価値向上ロジックツリー (下記
https://www.astellas.com/content/dam/astellas-com/jp/ja/documents/integrated-reports/integrated-report-2025-jp.pdf
②サステナビリティに関するガバナンス・リスク管理
当社のサステナビリティに関する重要事項は、コーポレートガバナンス体制に基づき、代表取締役社長CEOが議長を務めるエグゼクティブ・コミッティにて協議し、取締役会にて承認します。取締役会が承認する案件例として、サステナビリティの取り組みの指針となるマテリアリティ・マトリックスやサステナビリティ方針が該当します。また、サステナビリティの年度活動実績及び次年度活動計画は、業務執行の監督機能を果たす取締役会へ報告しています。長期的、戦略的かつ全社的な視点から各部門によるサステナビリティ向上のための活動を推進するため、推進体制として「サステナビリティ コミッティ」と 「環境・社会・ガバナンスワーキンググループ (E・S・Gワーキンググループ) 」 を設置しています。
サステナビリティ コミッティでは機会やリスクを含め、業務執行に関わる当社の重要なサステナビリティ事項に関しての協議を行います。サステナビリティ コミッティは、経営戦略担当 (CStO: Chief Strategy Officer) によって任命されたファンクショナルユニット (注) 長レベルのメンバーで構成される部門横断の組織であり、委員長及びメンバーは専門的かつ実行性を伴った議論を行っています。
E・S・Gワーキンググループは、案件ごとに部門横断のメンバーで構成され、外部の環境変化や各種原則・ガイドラインを参考にしながら、当社の環境・社会・ガバナンスの取り組むべき課題や機会の特定、関連部門と改善計画の立案と目標の設定、取り組みの進捗確認を実施します。サステナビリティ部門は、サステナビリティ コミッティを主管するファンクショナルユニットとしてE・S・Gワーキンググループの事務局業務を含めたグループ全体のサステナビリティ課題に対応し、活動全体を管理します。
また、コミュニケーション機能と協働しながら社内外へ当社のサステナビリティ活動を展開しています。経営に与える影響が高いリスクが特定された場合は、サステナビリティ コミッティから、グローバル・リスク&レジリエンス委員会事務局へ共有され、必要な検討がなされます。また、コンプライアンスに関連する事項は、グローバル・コンプライアンス委員会事務局へ共有され、必要な検討がなされます。
(注) 各トップマネジメントに直接レポートするビジネス遂行のための組織
サステナビリティ会議体制

(注1) 年に一度、取締役会に年度活動実績及び次年度活動計画を報告する。重要度の高い案件は、案件ごとに決裁権限規程に従って、エグゼクティブ・コミッティにおける協議を経て、取締役会で承認される。
(注2) 環境 (Environment) 、社会 (Social) 、ガバナンス (Governance)
(注3) サステナビリティ部門に所属するサステナビリティ・センターオブエクセレンス長はサステナビリティ長の管理下でESGの取り組みをグローバルに主導する責任を持つ。
<当事業年度 サステナビリティに関する取締役会の具体的な検討内容>
・サステナビリティ・ミーティング開催概要の確認
・マテリアリティ改定の協議と決定
・サステナビリティ活動計画・活動状況の確認
③サステナビリティに関する戦略・指標及び目標
当社はサステナビリティの向上の取り組みは、企業価値を持続的に向上させることにつながっていると考えており、経営計画2021の戦略目標4として「サステナビリティ向上の取り組みを強化」を設定していました。
社会及び事業を取り巻く環境が著しく変化するなか、社会と当社の双方にとって最も重要な課題を特定・優先順位付けしたマテリアリティ・マトリックスを策定しています。マテリアリティ・マトリックスでは、19の重要な課題を特定し、うち9つを最重要課題 (マテリアリティ) としました。マテリアリティ・マトリックスの各課題に取り組むことが企業価値にどのようにつながるかを検討し、サステナビリティ向上のための2つの柱としてまとめています。1つ目は「最先端の『価値』駆動型ライフサイエンス・イノベーターへの変革」で、2つ目は「社会の期待に応える強靭で持続可能な事業活動の強化」です。サステナビリティ向上のための中期計画として、2つの柱に関連する9つの最重要課題 (マテリアリティ) 及び社会からの要請が高い環境に関する重要課題について、「中期的に優先する項目」「具体的な取り組み」「2025年度までのコミットメント」を定め、サステナビリティ方針として取り組みを推進しています (注1) 。さらに「2025年度までのコミットメント」に対してはサステナビリティ方針業績評価指標 (SDPIs: Sustainability Direction Performance Indicators) (注2) を設定し、測定可能かつ適切な具体的アクションを開示することで、サステナビリティ向上に向けた取り組みを着実に推進しています。2026年度中に総括を開示予定です。
(注1) 環境の課題の詳細については、(3) 環境 (気候変動) をご参照ください。
(注2) SDPIsの詳細については下記をご参照ください。
1. 最先端の「価値」駆動型ライフサイエンス・イノベーターへの変革
(注) 人的資本の考え方や取り組みの詳細については、 (2) 人的資本をご参照ください。
2. 社会の期待に応える強靭で持続可能な事業活動の強化
(2) 人的資本
①人的資本に関する考え方
当社では、採用・配置、評価・処遇、人材・組織開発の3つの領域を適切にバランスよく推進することによって、期待する人材像、目指す組織像を実現し、「Employer of Choice:現在そして未来の社員に選ばれる会社」を目指しています。当社において、人的資本への投資は、今日の実行力の強化に加えて、将来の組織をかたちづくる重要な投資として位置づけられており、短期的及び中長期的な視点をもって継続的に実施しています。
②人的資本に関する戦略・指標及び目標
当社では、経営計画2021の実現に向け、「組織健全性目標」を設定しました。これは、イノベーションの促進、人材の活躍、コラボレーションの浸透を通して意欲的な目標の実現を目指す企業文化を醸成し、当社の実行力を向上させることを目指すものです。人事部門では、設定した目標の実現に向けて、以下に示している、カルチャー、マインドセットの変革、グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築、イノベーティブな組織への戦略的改革を最優先事項として取り組んできました。
また、これら主な3つの取り組みを基盤として支えているのが、データに基づく確実な進捗の確認です。確実な進捗確認の一つの施策として、グローバル・エンゲージメント・サーベイを実施しており、従業員のエンゲージメント向上への取り組みに注力し、各設問項目の進捗を可視化して、強みと改善点の分析結果に応じて具体的な対策を講じています。
A. カルチャー、マインドセットの変革
当社は、従業員に賢いリスクテイクと学びによる成長を促すため、心理的安全性の確保とフィードバック文化の促進に注力しています。イノベーションを生み出し続ける組織を作るには、誰もが結果を恐れずに大胆なアイデアを共有し、現状に疑問を持って声を上げ、互いにフィードバックを伝え合うことのできる環境と、他者からのフィードバックを自らの成長につなげていくマインドセットが重要だと考えています。
A-1. カルチャー、マインドセットの変革に関する目標
当社は果敢なチャレンジで大きな成果を追求します。適切なリスクを取ることができるよう従業員に権限が与えられるとともに、成果を追求し、イノベーションに注力できる環境の構築を目指します。
A-2. カルチャー、マインドセットの変革に関する状況
One Astellasを実現するため、これまで共通の行動規範として導入してきたAstellas Wayを「組織における価値観と行動」に置き換え、2025年4月から統一しました。新しい「組織における価値観と行動」では、当社の従業員が大切にする価値観として「誠実さ」「イノベーション」「変革への挑戦」の3つを掲げ、従業員がすべき行動として「勇気」「迅速な対応」「One Astellas」「成果に拘る」「責任感」の5つを設定しています。
また、トップマネジメントとの双方向のコミュニケーションを促進するため、対話型のセッションである“Ask Me Anything”を継続して実施しています。
日本においては、人的資本への投資の一環として健康経営にも力をいれています。従業員一人ひとりが高い生産性や創造性を発揮し、自己実現が可能な働き方を実現するための前提として、従業員の健康と健全な組織風土の醸成があります。健全な組織風土は、心理的安全性が高く、従業員が互いに尊重し合い、安心して活発なコミュニケーションができる環境を必要とします。当社では、多様な働き方と従業員の健康増進を支援し、組織の健全化を推進しています。当社の健康経営推進体制は、代表取締役社長を最高責任者とし、人事担当 (CPO: Chief People Officer) の下で、人事部門と健康保険組合、労働組合が主体となって企画・運営しています。
健康経営の取り組みの推進の結果、経済産業省の健康経営優良法人 (大規模法人部門) の上位500社 (ホワイト500) に2年連続で認定されました。健康経営推進の取り組みによる成果は下記
https://www.astellas.com/jp/sustainability/astellas-and-society/our-people
B. グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築及び多様性の確保
当連結会計年度の地域別売上収益比率では、日本が約15%、海外が約85%となっており、当社のビジネスはグローバルに広がっています。それに伴い、従業員構成もグローバル化が進んでいます。ビジネス及び人材の変化に伴い、グローバルに通用する人事戦略・施策の構築が必須のため、グローバル規模で当社のビジネスを支える人事制度・システムの構築に取り組んでいます。
また、人種・国籍・性別・年齢を問わず多様な人材が自分らしさを大切にしながら活躍できるよう、ダイバーシティの推進に取り組んでいます。多様な価値観・考え方・バックグラウンド等を尊重し活かし合うことは、組織の創造性を高めるだけでなく優秀な人材の確保や競争力の向上にもつながると考えています。多様性確保に向けた人材育成と社内環境整備及び報酬制度について、下記の方針に従って推進しています。
・人材育成方針:属性によらず、自己責任を基本とする各人の意思・能力・適性に応じたキャリア形成機会を提供し、マネジャーはそのキャリア形成を支援します。高い成果を発揮し続ける能力・意欲のある人材に対して魅力ある成長機会を積極的に提供することで、多様な人材の活躍につながっています。また、次世代リーダー育成に注力しており、グローバルに選抜された参加者に対して約半年間のNext Generation Leadershipプログラムを提供しています。当社の実際のビジネス課題への解決策をグループで検討し、経営陣への最終発表で承認された提案を実行に移すという実践的な内容で、企画運営を全て自社で行う独自のプログラムとなっています。多様なバックグラウンドと専門性を持つ人材が結集することで、個々の知見の拡大やネットワークの形成に寄与しています。
・社内環境整備方針:多様な人材が活躍できるよう、グローバルで統制・整合性の取れた評価プロセスを設定し、個々人の属性に関係なく役割と成果に基づく公正な評価を徹底しています。さらに、グローバル共通のジョブポスティングシステムの提供や、異なる国や地域での業務を行うグローバルアサインメント等を行っています。国や地域によらないグローバルなメンバーでのチームやグループの形成が進むことで、各組織における多様化にもつながっています。また、組織における多様性を実現するだけでなく、従業員一人ひとりが活躍するために、一人ひとりの強みや違いを理解し、受け入れ、尊重し、活かし合うインクルーシブな組織づくりも心掛けています。日本においては副業制度を活用し、社内外の人材・知識・経験のネットワークの構築を推進しています。また、2024年度から日本において、居住地選択のフレキシビリティを高める「My Workplace制度」を導入し、社員の多様な働き方を推進することで、社員のエンパワーメントを高めるとともに、パフォーマンスの向上・優秀な人材の獲得を試みています。
・報酬制度:社内の公平性及び市場競争力の確保を重視し、市場のベストプラクティスを反映した、グローバルで整合性のある報酬制度の運用と継続的な高度化を進めています。高い市場競争力を維持・向上させるため、外部専門機関による報酬調査データを活用するとともに、最新の市場動向や外部環境の変化を踏まえながら、報酬水準の妥当性を継続的に検証し、適宜見直しを行っています。また、報酬制度は、個人の成果及び会社業績に連動する仕組みとしており、組織における3つの価値観 (誠実さ、イノベーション、変革への挑戦) に基づいた高いパフォーマンスの発揮を促進しています。
B-1. グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築に関する目標
当社は、本人事制度の構築を通じて、従業員一人ひとりがイノベーティブな活動に取り組み、意欲的な目標にチャレンジし、適切なリーダーシップの下、周囲とコラボレーションできる環境を目指しています。部門単位では、個別部門に閉じない部門横断型の目標を設定し、個人単位では意欲的な目標設定とフィードバックシステムの展開を推進し、One Astellasでパフォーマンスの向上を目指しています。
また、多様性を確保するために、下記3つの目標があります。
a. 女性のマネジャー職への登用
グローバルレポートラインの体制で設計されたポジションに対し、実力主義の下、ジェンダーにかかわらず適所適材の考え方に基づき登用を行っています。日本では、女性の活躍推進を優先度の高い課題と位置づけ、取り組んでいます。詳細な取り組みについては、下記
https://www.astellas.com/jp/sustainability/astellas-and-society/our-people
b. 外国人、中途採用者のマネジャー職への登用
グローバルレポートラインの体制で設計されたポジションに対し、実力主義の下、適切に登用を行っています。このことにより、当社ではグローバルで数多くの外国籍従業員、中途採用者がマネジャー職へ登用されており、今後も継続して取り組んでいきます。
c. サクセッションプランニングと運用
当社では、経営計画を実行するために必要なリーダーの要素として、「組織における価値観と行動」とともに、「変革的リーダーシップ」、「結果志向」、「グローバル・マインドセット」を重要視し、それを踏まえてサクセッションプランニングを行っています。当社のサクセッションプランニングの特徴として、1.完全なグローバル統合プラン、2.社内外問わず最適な人材を後継者候補に、3.完全な自由競争による人材配置、4.毎年の見直しにより常に最適な人材による適所適材を実現、があげられます。当社ではファンクショナルユニット長クラス以上のポジションについて後継者プランの作成をグローバルで行っています。適所適材の考え方の下、グローバルに展開した後継者プランに基づき、各ポジションに対し国籍や性別を問わない多様性に富んだ後継者の選定、育成を目指しています。
B-2. グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築に関する状況
グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築に向けた取り組みの一つとして、グローバルでタレントマネジメントのプロセス統合を行っています。2022年度に目標管理と評価制度、報酬・レコグニション制度を改訂し、これまで部門業績を賞与支給金額の算定要素にしていたところを、全社業績に変更し、2023年度から運用を開始しています。社員同士のレコグニション制度として、Shining Star制度を導入し社員同士がお互いに称賛し合える風土を醸成しています。そして、これらの柱を支え、グローバルでの適所適材を実現する基盤として、グローバルで人事システムの統合を進めています。
また、多様性確保に関しては、下記のとおりに取り組んでいます。
a. 女性のマネジャー職への登用
日本を含む各地域の女性従業員比率、女性のマネジャー職比率については、下記
https://www.astellas.com/jp/sustainability/esg/esg-data-social
b. 外国人、中途採用者のマネジャー職への登用
当社では、国籍にとらわれずさまざまな従業員が中核人材として活躍しています。2026年4月1日現在、ファンクショナルユニット長クラス以上の68%、マネジャー職以上の72%が日本人以外の従業員です。また、積極的に多くの中途採用者を、中核人材へ登用しています。
c. サクセッションプランニングの実績
2025年10月時点では、ファンクショナルユニット長クラス以上のポジションが47ポジションあり、後継者候補として200人を選定しています。その内、外国籍従業員が59%を占めています。
d. 日本国内の各制度の利用実績
各種制度及びその利用実績については、下記
https://www.astellas.com/jp/sustainability/esg/esg-data-social
C. イノベーティブな組織への戦略的改革
当社では、イノベーティブな組織への戦略的改革のため、組織のフラット化に取り組んでいます。社長からの階層を減らし、マネジャー1人が管理する部下の数を増やすことで、意思決定の迅速化と現場への権限委譲をねらいとしています。また、肩書にとらわれず、より効果的に協力・協働する組織に向けて、2024年4月から、階層ではなく役割を表すPosition Titleを用いています。
C-1. 組織のフラット化のための指標及び目標
組織のフラット化による意思決定の迅速化を促すため、社長からの階層数を6以下とすることを目指し、スパン・オブ・コントロール (SPOC:Span of Control) (注) については、6人以上を目指しています。

(注) スパン・オブ・コントロール (SPOC:Span of Control):マネジャー1人が管理する部下の人数
C-2. 組織のフラット化の状況
2026年4月時点では、6階層以下の組織の割合が71%、スパン・オブ・コントロールの全組織の平均値が、6.1人となっています。2025年4月付の組織変更に伴い、部門レベルでの組織の統合が発生し、社長から6階層以下の組織の割合が低下しています。引き続きビジネスのニーズに沿って調整を行っていきます。
(3) 環境 (気候変動)
①環境 (気候変動) に関する考え方
当社は持続的な成長を続けていくためには、エネルギーや気候変動、環境汚染、廃棄物処理など地域環境に影響を与える課題を企業活動の重要な要素と認識することが必要だと考えています。
また、世界的な環境問題である気候変動及びそれによってもたらされる結果は、患者さんに貢献していくための当社の事業の継続性に対して脅威となり得ると考えています。具体的には、気候システムの変化によって生じる極端な天候、降雨変化、伝染病の拡大、エネルギーポートフォリオの変化等があげられます。このような影響を低減するために、事業活動由来の温室効果ガスが気候システムに対して危険な人為的影響を及ぼさないよう、温室効果ガスの排出を削減することを目標としています。当社は、気候変動を低減し、また、気候変動に適応していくために、長期的で幅広い視野をもって環境に対する企業の責任を果たしていきます。
②環境 (気候変動) に関するガバナンス・リスク管理
当社は、2020年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース (Task Force on Climate-related Financial Disclosures:TCFD) の提言に対し賛同を表明し、気候変動に対する情報は、TCFDの提言に沿って開示しています。
気候変動等の環境への取り組みは、当社が取り組むサステナビリティの重要な課題として位置づけられています。気候変動を含めたさまざまな環境課題への対応や実行計画の策定は、サステナビリティ コミッティで議論されます。気候変動に関する取り組み及び高い透明性をもった情報開示は戦略目標の一つとして取締役会の定期的な議題とされ、また気候変動のリスクと機会の評価を含むTCFD提言に沿った開示はサステナビリティ活動の一つとして取締役会に報告されています。
環境に関するリスク管理はサステナビリティ部門によりモニタリングされ、経営戦略担当に定期的に報告されます。特定されたリスクへの対応等は、課題の重要度に応じてエグゼクティブ・コミッティや取締役会にて決定されます。
③環境 (気候変動) に対する戦略・指標及び目標
経営計画2021の戦略目標4「サステナビリティ向上の取り組みを強化」において、「環境 (気候変動対策) 」を重点テーマの一つとして設定していました。また、マテリアリティ・マトリックスでは、「気候変動とエネルギー」を「非常に重要」な課題として位置づけています。
気候変動によって発生する事業のリスク及び機会は、2つのシナリオをもとに分析しています。気候変動に関する1.5℃シナリオでは移行リスクが顕在化すると仮定し、また4℃シナリオでは物理的リスクが顕在化すると仮定して、分析しています。
当社の事業と気候変動によって発生する事業のリスク及び機会の分析の詳細については、下記
https://www.astellas.com/jp/sustainability/the-environment
また、サステナビリティ方針として策定した環境に関する課題の中期的に優先する項目、具体的な取り組み、2025年度までのコミットメントは下記のとおりです。
④温室効果ガス (GHG) 排出量
気候変動に関する環境行動計画は自社の事業活動による排出 (スコープ1、2) に加え、サプライチェーン全体での排出 (スコープ3) も対象にしています。スコープ3の重要な排出源からのGHG排出についてもSBT (Science Based Target) を設定し、生産委託先をはじめ取引先にもGHG排出削減に向けた取り組みに賛同・協力いただく働きかけを行っています。
当社の2024年度のバリューチェーン全体での温室効果ガス排出量
2025年度の実績は、下記
https://www.astellas.com/jp/sustainability/esg/esg-data-environment
■ 第三者保証について
当社の2024年度環境データの実績については信頼性向上を目的として、EY新日本有限責任監査法人に第三者検証を依頼し、独立した第三者報告書を取得しています。
2024年4月1日から2025年3月31日までを対象とした環境パフォーマンス指標に対して限定的保証業務が実施されました。当社の集計データ及び算定方法について、国際保証業務基準 (ISAE) 3000及びISAE3410に準拠した検証となります。
第三者報告書の詳細については下記
https://www.astellas.com/jp/sustainability/esg/esg-data-environment
(1) リスク・ガバナンス
当社では、グローバル・リスク&レジリエンス委員会 (GRRC) 及び部門別リスク&レジリエンス委員会を設置し、重要なリスク及びその低減活動の監視を行っています。これらの委員会には監査部門がオブザーバー出席することで、監査計画立案時に、それらのリスクを適宜反映することを可能にしています。GRRCは、トップマネジメントの一部及びリスク関連部門の代表者により構成されています。GRRCにおいて検討されたリスクは、最終的に取締役会へ報告されます。
当社のリスク・ガバナンス体制図は以下のとおりです。

(2) エンタープライズ・リスク管理プロセス
エンタープライズ・リスク管理 (ERM) においては、経営企画部門に設置されているリスク管理チームが社内ステークホルダーと連携の下、年次プロセスを進めています。リスク評価はトップダウン及びボトムアップの両面から実施しています。既存のリスク低減活動を加味した上でリスクの影響度及び発生可能性を評価することで、リスク対応における優先順位付けを行っています。リスク・オーナーは、必要に応じリスク・エクスポージャーを更に低減し、レジリエンスを強化するための行動計画を策定します。
グローバル・リスク (全社レベルの注視が必要なリスク) は、GRRCにおいて議論し、承認されます。また、GRRCは、エマージング・リスク (当社が把握しているものの、その全容及び影響がまだ明らかではないトレンドから生じる不確実性) のモニタリングも行っています。GRRCでの議論後、特定のエマージング・リスクがグローバル・リスク又は部門リスクとしてリスクレジスターに追加される場合もあります。
エンタープライズ・リスク管理プロセスについてはさらなる高度化・効率化のため随時見直しを行っております。2025年度には、内部監査部門によりエンタープライズ・リスク管理プロセスに対する監査を実施しました。
グローバル・リスクの概要は下表のとおりです。なお、文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末において判断したものです。また、ここに記載されたものが当社の全てのリスクではありません。これらのリスクに加え、研究開発の不確実性、知的財産権を侵害される又は侵害するリスク、製品に副作用や安全性の問題が生じるリスク、当社グループのビジネスが他社の開発した医薬品のライセンス及び販売に一部依存するリスク等、製薬産業に特有のリスクのほか、競合品との競争、環境・安全衛生に関する関係法令違反、事業を行う過程において訴訟を提起されるリスク、災害等による製造の遅滞や休止、為替レートの変動等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるさまざまなリスクが存在しています。
グローバル・リスクの概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下「経営成績等」) の状況の概要は次のとおりです。
[財政状態]
当連結会計年度末の連結財政状態計算書の概要及び前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
総資産は3兆5,670億円 (前連結会計年度末比2,275億円増) となりました。
非流動資産は、2兆1,451億円 (同69億円増) となりました。有形固定資産は、3,584億円 (同295億円増) となりました。のれんは4,412億円 (同260億円増) 、無形資産は9,969億円 (同1,268億円減) となりました。
流動資産は、1兆4,219億円 (同2,206億円増) となりました。現金及び現金同等物は2,816億円 (同932億円増) となりました。
資本合計は、1兆8,309億円 (同3,176億円増) となり、親会社所有者帰属持分比率は51.3%となりました。当期利益2,916億円を計上した一方で、剰余金の配当1,361億円を実施しました。
負債合計は、1兆7,362億円 (同901億円減) となりました。
非流動負債は5,178億円 (同2,469億円減) 、流動負債は1兆2,184億円 (同1,568億円増) となりました。
社債及び借入金の増減は以下のとおりです。
[経営成績]
<連結業績 (コアベース) >
当連結会計年度の連結業績 (コアベース) は下表のとおりです。売上収益、コア営業利益及びコア当期利益はいずれも増加しました。
(注) 当社は、当社の収益力を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定めた特定の重要な調整項目を除外したものです。調整項目には、無形資産償却費、無形資産譲渡益、持分法による投資損益、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、当社が除外すべきと判断する項目が含まれます。
売上収益
・重点戦略製品の尿路上皮がん治療剤PADCEV、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAY、胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤VYLOY、及び閉経に伴う血管運動神経症状治療剤VEOZAHの売上が伸長したことに加え、前立腺がん治療剤XTANDIの売上が拡大したことも、増収要因となりました。
以上の結果、売上収益は2兆1,392億円 (前連結会計年度比11.9%増) となりました。
コア営業利益/コア当期利益
・売上総利益は、1兆7,308億円 (同10.7%増) となりました。
・販売費及び一般管理費は、8,603億円 (同2.0%増) となりました。SMT (注1) によるコスト最適化 (約110億円) を行った一方で、重点戦略製品 (注2) の更なる成長のための投資 (同約100億円増) や為替の影響 (同36億円増) などにより、総額として増加しました。なお、XTANDIの米国での共同販促費用を除いた販売費及び一般管理費は、6,121億円 (同3.7%増) となりました。
・研究開発費は、3,148億円 (同3.9%減) となりました。SMTによるコスト最適化 (約100億円) をはじめ、重点戦略製品の臨床開発費の減少 (同約50億円減) や為替の影響 (同5億円減) などにより、総額として減少しました。
以上の結果、コア営業利益は5,557億円 (同41.6%増) 、コア当期利益は4,244億円 (同43.5%増) となりました。
(注) 1.SMT:Sustainable Margin Transformation
2.重点戦略製品:PADCEV、IZERVAY、VYLOY、VEOZAH、XOSPATA
<連結業績 (フルベース) >
当連結会計年度の連結業績 (フルベース) は下表のとおりです。営業利益及び当期利益はいずれも増加しました。
フルベースの業績は、コアベースの業績に「無形資産償却費」、「無形資産譲渡益」、「持分法による投資損益」、「その他の収益」、「その他の費用」を戻し入れたものです。
当連結会計年度における「無形資産償却費」は1,360億円 (前連結会計年度:1,368億円)、「その他の収益」は328億円 (同:203億円) 、「その他の費用」は724億円 (同:2,358億円) となりました。
「その他の収益」として、第3四半期において膵腺がんを対象疾患としたプログラムの開発中止に伴うVYLOYの条件付対価の公正価値の変動 (128億円) 及び第4四半期において米国における過活動膀胱治療剤ミラベグロンの訴訟解決金 (92億円) を計上しました。また、「その他の費用」として、第1四半期において当社の子会社であるXyphos Biosciences, Inc.関連の一部プログラムに関する無形資産の減損損失 (120億円) 及び第4四半期において遺伝子治療薬resamirigene bilparvovec (AT132) の戦略的中断に伴う資産価値の見直しによる無形資産の減損損失 (164億円) を計上しました。
<主要製品の売上>
(注) VEOZAH:米国外ではVEOZAの製品名で承認取得
<PADCEV>
・1L mUC (転移性尿路上皮がん患者を対象とした一次治療) の浸透に加え、米国でのシスプラチン不適応のMIBC (筋層浸潤性膀胱がん) における立ち上がりが順調に進んだことから、グローバル売上は大きく増加しました。
<IZERVAY>
・発売している米国において、着実に売上が拡大しました。
<VYLOY>
・Claudin 18検査が大きく浸透したことを背景に、発売しているすべての地域で売上が拡大し、グローバル売上は大きく増加しました。
<VEOZAH>
・米国を中心に、グローバル売上は着実に拡大しました。
<XOSPATA>
・地域ごとの増減はあったものの、グローバル全体の売上は堅調に推移しました。
<XTANDI>
・欧州を中心に米国以外の地域で売上が堅調に拡大し、グローバル売上は増加しました。
<地域別売上収益の状況>
地域別の売上収益は下表のとおりです。全ての地域において、売上が増加しました。
(注) エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ 等
チャイナ:中国、香港
インターナショナルマーケット:中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、ロシア、韓国、台湾、
オーストラリア、輸出売上 等
[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、記載を省略しています。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5,602億円 (前連結会計年度比3,657億円増) となりました。
・法人所得税の支払額は986億円 (同131億円増) となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、△667億円 (同227億円支出減) となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、△4,048億円 (同1,434億円支出増) となりました。
・社債及び借入金によるキャッシュ・フローは、2,674億円の支出 (同1,789億円増) となりました。
・配当金の支払額は1,361億円 (同71億円増) となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,816億円 (前連結会計年度末比932億円増) となりました。
当連結会計年度における生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 金額は、販売価格に基づいています。
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、以下のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。また、文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
[キャッシュ・フロー]
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
[財務政策]
当社グループは、企業価値の持続的向上に努めるとともに、株主還元にも積極的に取り組んでいます。
成長を実現するための事業投資を優先しながら、配当については、連結ベースでの中長期的な利益成長に基づき、安定的かつ持続的な向上に努めます。また、自己株式の取得を必要に応じて機動的に実施し、資本効率の改善と1株当たり利益の向上を図ります。資金の流動性については、コマーシャル・ペーパー及び借入金による資金調達を行い、また流動性リスクに備えるため取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、当面の運転資金及び設備資金に加え、一定の戦略的投資機会にも備えられる現預金水準を確保しています。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの事業等は医薬品事業に特有のさまざまなリスクを伴っています。事業展開にあたっては、必要資金を円滑にかつ低利で調達できるよう財務基盤の健全性の維持に努めます。
当社グループは、IFRS会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載のとおりです。
(3) その他
・ミラベトリック特許侵害訴訟に関する和解契約
当連結会計年度において、当社は、過活動膀胱治療剤ミラベトリックの特許に関する米国特許侵害訴訟について、Lupin Limited (インド) 及びLupin Pharmaceuticals, Inc. (米国) 並びにZydus Lifesciences Limited (インド) 及びZydus Pharmaceuticals (USA) Inc. (米国) それぞれとの間で、和解契約を締結しました。この契約に基づき、当社は、両社が米国内で販売する対象製品1単位当たりのライセンス料を受領します。
当社は、2021年5月に発表した経営計画2021において、「患者さんのより良いアウトカムの実現」「科学の進歩を確かな『価値』(注) へ」「Rx+ビジネスの進展」「サステナビリティ向上の取り組みを強化」の4つを戦略目標として掲げ、「価値」の創造と提供の実現に取り組みました。
(注) 患者さんにとって真に重要なアウトカム (治療等による臨床上の成果) を、それを提供するためにヘルスケアシステムが負担するコストで除したもの
当連結会計年度における研究開発活動をはじめとする持続的な成長に向けた主な取り組みは以下のとおりです。
(1) 戦略目標1:患者さんのより良いアウトカムの実現
中長期にわたり成長を支える重点戦略製品 (注) に優先的に経営資源を振り向けました。尿路上皮がん治療剤PADCEVや地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAY、胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤VYLOY等、当社の成長をけん引する製品の育成と製品価値の最大化を図りました。
また、開発後期段階においては、下記等の進展がありました。
・尿路上皮がん治療剤PADCEVとMerck社 (米国) のPD-1阻害剤Keytruda (一般名:ペムブロリズマブ) との併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法の追加適応としての、米国での承認取得並びに欧州及び日本における承認申請
・地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAYについて、「萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制」を効能・効果とした日本における発売
(注) PADCEV、IZERVAY、VYLOY、VEOZAH、XOSPATA (2026年3月31日現在)
当連結会計年度における主要製品の売上及び主な進捗状況は以下のとおりです。
・尿路上皮がん治療剤PADCEV (一般名:エンホルツマブ ベドチン)
当連結会計年度売上:2,212億円 (前連結会計年度比34.8%増)
全ての地域で売上が着実に拡大し、グローバル売上は大きく増加しました。転移性尿路上皮がん患者を対象とした一次治療の着実な浸透や、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者における術前術後の補助療法の承認取得等が売上伸長に貢献しました。追加適応症の承認取得、承認申請及び開発の進捗状況は以下のとおりです。
2025年7月 筋層非浸潤性膀胱がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発と、その他の種類の固形がんを対象として第Ⅱ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2025年11月 米国において、本剤とKeytruda又はKeytruda QLEX (ペムブロリズマブ+ベラヒアルロニダーゼ アルファ-pmph) の併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者における術前術後の補助療法として、米国食品医薬品局から適応追加に関する承認を取得しました。
2025年11月 欧州において、本剤とKEYTRUDAの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として、欧州医薬品庁が適応追加に関する申請を受理した旨の通知を受領しました。
2026年1月 日本において、本剤とキイトルーダの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として適応追加に関する製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。
2026年3月 欧州において、本剤とKEYTRUDAの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に適応のある筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として、欧州医薬品庁が適応追加に関する申請を受理した旨の通知を受領しました。
2026年4月 米国において、本剤とKeytruda又はKeytruda QLEXの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に適応のある筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として、米国食品医薬品局により生物学的製剤一部変更承認申請が受理され、優先審査の指定を受けました。
2026年4月 筋層浸潤性膀胱がんの膀胱温存療法を対象として、第Ⅱ相段階に移行したことを公表しました。
・地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAY (一般名:アバシンカプタド ペゴルナトリウム)
当連結会計年度売上:776億円 (前連結会計年度比33.2%増)
売上は着実に拡大しました。追加適応症の開発の進捗及び発売状況は以下のとおりです。
2025年10月 Stargardt病を対象として第Ⅱ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2025年11月 日本において、「萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制」を効能・効果として発売しました。
・胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤VYLOY (一般名:ゾルベツキシマブ)
当連結会計年度売上:631億円 (前連結会計年度比415.6%増)
2026年4月現在、日本、欧州及び米国を含む30か国以上で発売されており、グローバル売上は大きく拡大しました。Claudin 18検査率の向上と治療中止率の低さなどが売上伸長に貢献しました。追加適応症の開発の進捗状況は以下のとおりです。
2026年2月 膵腺がんを対象とした第Ⅱ相GLEAM試験の結果を受けて、本試験に基づく開発を中止したことを公表しました。
・閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状治療剤VEOZAH (一般名:フェゾリネタント)
当連結会計年度売上:466億円 (前連結会計年度比37.7%増)
米国を中心に、グローバル売上は着実に拡大しました。開発の進捗状況は以下のとおりです。
2026年2月 日本において、閉経に伴う血管運動神経症状を有する女性患者を対象とした第Ⅲ相STARLIGHT 2試験について、主要評価項目を達成したことを公表しました。
2026年4月 中国において、閉経に伴う血管運動神経症状を有する女性患者を対象とした第Ⅱ相試験について、主要評価項目を達成したことを公表しました。
・急性骨髄性白血病治療剤XOSPATA (一般名:ギルテリチニブフマル酸塩)
当連結会計年度売上:718億円 (前連結会計年度比5.7%増)
地域ごとの増減はあったものの、グローバル全体の売上は順調に推移しました。追加適応症の開発の進捗状況は以下のとおりです。
2025年10月 ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がんを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年3月 強力な化学療法に適応のある未治療FLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病患者を対象とした第Ⅲ相PASHA試験について、主要評価項目を達成しなかったことを公表しました。
・前立腺がん治療剤XTANDI (一般名:エンザルタミド)
当連結会計年度売上:9,608億円 (前連結会計年度比5.3%増)
グローバル売上は増加しました。
その他の主要製品の売上は以下のとおりです。
・過活動膀胱治療剤ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ (一般名:ミラベグロン)
当連結会計年度売上:1,897億円 (前連結会計年度比11.6%増)
グローバル売上は増加しました。
・免疫抑制剤プログラフ (一般名:タクロリムス水和物)
当連結会計年度売上:2,077億円 (前連結会計年度比3.3%増)
グローバル売上は前連結会計年度と比べ同水準でした。
上記以外に、医療用医薬品事業に関する以下の取り組みを行いました。
2026年3月 明治安田生命保険相互会社との間で、最先端の医療が必要な人に届く持続可能な社会の実現を目指した協業に関する基本合意書を締結しました。
2026年3月 高岡工場における医薬品の生産活動を終了しました。
(2) 戦略目標2:科学の進歩を確かな「価値」へ
当社は、Focus Areaアプローチという当社固有の研究開発戦略の下、多面的な視点で創薬ターゲットを絞り込む新しいアプローチで革新的な製品の創出に取り組んでいます。2026年3月現在、特定のバイオロジー (注1)、モダリティ (注2)、疾患の組み合わせであるFocus Areaアプローチから生まれたものの中でPrimary Focus (注3) として「がん免疫」「標的タンパク質分解誘導」「遺伝子治療」「再生と視力の維持・回復」の4つを認定しています。
(注) 1.疾患の原因のより深い理解
2.汎用性のある治療手段・基盤技術
3.Focus Areaの中における特定の組合せで、科学的妥当性、研究開発や商業化の実現可能性、プロジェクトの充実度や進捗度の観点から選択され、優先的な投資対象となるもの
当連結会計年度における各Primary Focusの主な進展は以下のとおりです。
・Primary Focus がん免疫
2025年7月 レプチン-IL-2遺伝子を搭載した腫瘍溶解性ウイルスASP1012について、がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2026年2月 抗Claudin 18.2/CD3二重特異性抗体ASP2138について、胃腺がん及び食道胃接合部腺がんにおいて臨床PoC (注) 達成を公表しました。
2026年2月 Vir Biotechnology社 (米国) との間で、二重マスキング前立腺特異的膜抗原を標的とした二重マスキングCD3 T細胞エンゲージャーVIR-5500の開発・商業化に関するグローバルの戦略的提携契約を締結しました。
2026年4月 二重マスキング前立腺特異的膜抗原を標的とした二重マスキングCD3 T細胞エンゲージャーVIR-5500について、前立腺がんを対象として第Ⅰ相段階にプログラムを追加したことを公表しました。
2026年4月 TROP2を標的とするデュアルペイロード免疫刺激性抗体-薬物複合体ASP2998について、がんを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年4月 DGKζ阻害薬ASP1570について、がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
(注) コンセプト検証
・Primary Focus 標的タンパク質分解誘導
2025年4月 KRAS G12D分解誘導薬ASP3082 (一般名:setidegrasib) について、膵腺がんにおいて臨床PoC達成を公表しました。
2025年7月 KRAS G12D分解誘導薬ASP3082について、非小細胞肺がんにおいて臨床PoC達成を公表しました。
2025年10月 Pan-KRAS分解誘導薬ASP5834について、がんを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年1月 Pan-KRAS分解誘導薬ASP5834について、非小細胞肺がんにおいて米国食品医薬品局からファストトラック指定を取得しました。
2026年2月 KRAS G12D分解誘導薬ASP4396について、がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2026年4月 KRAS G12D分解誘導薬ASP3082について、膵腺がんを対象として第Ⅲ相段階に移行したことを公表しました。
・Primary Focus 遺伝子治療
2025年4月 遺伝子治療薬AT845について、ポンペ病を対象として第Ⅱ相段階に移行したことを公表しました。
2026年4月 MTM1遺伝子補充によるミオチュブラリン発現亢進薬ASP2957について、X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年4月 MTM1遺伝子補充によるミオチュブラリン発現亢進薬AT132について、X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを対象として第Ⅱ相段階にあった開発を戦略的に中断したことを公表しました。
・Primary Focus 再生と視力の維持・回復
2026年3月 細胞医療ASP7317について、重度の視力低下を有する、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性において、臨床PoC達成を公表しました。
当連結会計年度におけるPrimary Focus以外の研究開発活動の主な進展は以下のとおりです。
2025年4月 公益財団法人がん研究会との間で、トランスレーショナルリサーチ (橋渡し研究) 及びがんの臨床研究の加速を目指す戦略的提携に関する契約を締結しました。
2025年5月 Evopoint Biosciences社 (中国) との間で、CLDN18.2を標的とした新規の抗体-薬物複合体XNW27011の独占的なライセンス契約を締結しました。
2025年6月 株式会社三菱総合研究所との間で、同社が厚生労働省より委託を受けて実施する「医療系ベンチャー・トータルサポート事業」における創薬スタートアップ支援業務での提携に関する基本合意書を締結しました。
2025年7月 韓国の行政機関である中小ベンチャー企業部の傘下機関である創業振興院 (韓国) との間で、韓国の創薬スタートアップの発掘、事業拡大及びグローバル展開支援を目的とした「グローバル企業パートナーシッププログラム」の運営に関する基本合意書を締結しました。
2025年7月 Claudin 18.2を標的とする抗体-薬物複合体ASP546Cについて、がんを対象として第Ⅰ相段階にプログラムを追加したことを公表しました。
2025年10月 CYP17リアーゼ阻害剤アビラテロンデカン酸エステル/ASP5541について、前立腺がんを対象として第Ⅱ相に移行したことを公表しました。
2025年12月 株式会社安川電機の子会社であるロボティック・バイオロジー・インスティテュート株式会社が開発したヒト型汎用ロボット「まほろ」によるロボット式細胞培養自動化システムが、米国食品医薬品局の生物製剤評価研究センターから先進製造技術指定を取得しました。当社と株式会社安川電機の合弁会社であるセラファ・バイオサイエンス株式会社が、この技術を活用した細胞医療の実用化を主導します。
2026年4月 STING阻害薬ASP5502について、原発性シェーグレン症候群を対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
(3) 戦略目標3:Rx+ビジネスの進展
当社は、医療用医薬品 (Rx) に留まらず、ペイシェントジャーニー (診断、予防、治療及び予後管理を含む医療シーン) 全体において、様々な方法で患者さんに「価値」を届けることを目指しています。私たちはこの取り組みをRx+事業と呼んでいます。経営計画2021では、戦略目標3「Rx+ビジネスの進展」として、患者さんが医療従事者とともに治療計画に積極的に参加できるよう、臨床研究や患者視点に基づく利用しやすい技術、ツール、リソースを提供することで、患者自身が自らの健康をより良くコントロールできるよう支援することを目指し、Rx+プログラムの事業化に取り組んできました。
当連結会計年度における主な進展は以下のとおりです。
・埋め込み型医療機器
2025年10月 低活動膀胱を対象とした体内埋め込み型医療機器について、オーストラリアで被験者の組み入れを開始したことを公表しました。
・その他
2025年5月 塩野義製薬株式会社と株式会社NTTデータとの間で、デジタル治療サービスの普及を目指し、「DTx (注) 流通プラットフォーム」の開発・運用に向けた検討を開始する基本合意書を締結しました。
(注) Digital Therapeutics
(4) 戦略目標4:サステナビリティ向上の取り組みを強化
当連結会計年度における代表的なサステナビリティ向上の取り組みとその結果は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。
なお、当連結会計年度の研究開発費は