文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
■経営の基本方針
当社グループ(当社及び連結子会社)は、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」ことを基本方針としております。そのためには、益々よい薬を創り、かつ製造するとともに、多くの方々に知らせ使って頂くことが必要であります。このことを成し遂げるために、シオノギのあらゆる人々が日々技術を向上させることが、すべてのステークホルダー(顧客、株主、取引先、社会、従業員など)の利益の拡大につながるものと考えております。
■2030年に成し遂げたいビジョン
当社グループは、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」ことをビジョンとして掲げ、事業の変革を進めております。医薬品ビジネスには、主力製品の特許切れという事業のサステイナビリティに関わる課題が常に存在します。また、社会保障費に対する懸念の高まりや医療ニーズの高度化、多様化が進む中で懸命にこれに対処し、人々の健康と持続可能な社会の実現に貢献し続けることが製薬会社としての社会的使命であると認識しております。したがって、従来の医療用医薬品を中心に提供する「創薬型製薬企業」から、ヘルスケアサービスを提供する「ヘルスケアプロバイダー」へと自らを変革し、社会に対して新たな価値を提供し続けていくことで、患者さまや社会の抱える困り事をより包括的に解決したいと考えております。そのためには、創造力と専門性をベースとした創薬型製薬企業としての強みをさらに進化させ、ヘルスケア領域の新たなプラットフォーム構築に向けて、異なる強みを持つ他社・他産業から選ばれる「協創の核」とならねばなりません。
当社グループは、変化を恐れず、多様性を受容し、既成概念を超えて自らを「Transform」することで、新たなビジョンの実現に取り組んでまいります。
■経営環境及び経営戦略
医薬品産業を取り巻く外部環境は、世界人口の増加と高中所得国における少子高齢化の進行、過去10年とは異なる速度、地球規模で起こる気候変動等の環境変化と、それに伴う疾病構造やヘルスケアに求められるニーズの変化、情報技術の進化とデータ活用によるイノベーション、人々の価値観の多様化等、急速に変化しております。昨今の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のパンデミックを例にしても、一つの出来事が社会システムや人々の価値観に及ぼす影響を従来の物差しで測ることは困難であることが明らかになっております。加えて、医療保険財政のひっ迫に伴い、先進諸国で薬剤費抑制の圧力が強まる中、我が国においては医療用医薬品について2021年度より毎年薬価改定が実施されるなど、経営を取り巻く環境は厳しさを増しております。このような中で企業が社会の要請に応え、持続的に成長していくためには、ステークホルダーとの対話の中から世の中の変化に対する予見力を高め、ビジネスにおけるリスクを低減し、強みを活かして新たな事業機会を継続的に創出していかねばなりません。
そこで、ビジネスの変革により前中期経営計画「Shionogi Growth Strategy 2020(SGS2020)」で積み残した課題である「新製品売上」並びに「海外事業の成長」、それに伴う「生産性の向上」を早期に克服し、2028年ごろに訪れるHIV製品の特許切れによる影響(パテントクリフ)を乗り越え、さらなる成長を達成するための戦略として、2020年度を起点とする新中期経営計画「Shionogi Transformation Strategy 2030(STS2030)」を策定し、当連結会計年度に公表いたしました。
STS2030の最初の5ヵ年の計画であるSTS Phase 1では、グループ一丸でビジネスの変革を強力に推し進め、「トータルヘルスケア企業として持続的な成長へのTransformationを具現化する」ことをテーマに、新たな価値創造に向けた「R&D戦略」及び「トップライン(売上)戦略」と、価値創造を実現するための「経営基盤戦略」を進めております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「(1)経営方針・経営戦略等」に記載したとおり、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては、新製品売上並びに海外事業の成長、それに伴う生産性の向上が挙げられます。当社グループは特定の薬剤クラスの中では最も優れた薬を創るcapabilityを有していると考えております。ただし、その優位性をもって、国内を含むグローバル市場の中で効率的に販売を拡大するには至っておりません。上記に挙げた3つの課題は、創薬から販売に至るビジネスのフローにおいてすべてつながっている課題であり、その克服如何が次の10年の成長確度を大きく左右するものだと認識しております。
こうした課題を克服し、2030年におけるビジョンを達成するための戦略として、前述のSTS2030を策定しており、STS Phase 1で定めた3つの戦略(「R&D戦略」、「トップライン(売上)戦略」及び「経営基盤戦略」)に則り事業活動を推進しております。
■R&D戦略
R&Dにおける疾患戦略として、感染症、精神・神経疾患をコア疾患として経営資源を集中する一方で、がんなどの社会的ニーズの大きい疾患に対する挑戦を継続し、アライアンスの活用も含めて創製・獲得したパイプラインの潜在的価値に応じて柔軟かつ大胆に注力プログラムの優先度を変更しております。現在、注力している8つのパイプライン* は、いずれもより良い治療法の開発が強く望まれている疾患を対象としており、現状の疾患治療に対する捉え方(パラダイム)を変え得るものです。また、60年以上にわたり積み上げてきた感染症領域における強みを発揮し、社会や医療のニーズに応える感染症トータルケアの実現に取り組んでおります。その一環として、現在、世界的な脅威となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して、治療薬並びに予防ワクチンの研究開発を最優先で進めております。これらの革新的なパイプラインの研究開発を促進し、引き続きHIV製品のパテントクリフへの対応を強化してまいります。
*:注力する8つのパイプライン(注力8プロジェクト)
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S-531011 |
既存品目とのシナジーによりがん治療パラダイムを変える |
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S-005151 |
再生医療のパラダイムを変える |
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S-600918 |
多くの疾患にパラダイムチェンジを起こす |
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S-637880 |
精神・神経疾患の新たなキーメカニズムへの作用 |
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S-812217 |
うつ病治療の既成概念を変える有効性 |
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S-540956 |
幅広い疾患で免疫療法の有効性を向上させるプラットフォーム |
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BPN14770 |
認知機能改善作用による、アルツハイマー治療の新たな選択肢 |
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S-874713 |
新しいメカニズムにより依存症など幅広い精神疾患を改善 |
■トップライン戦略
「最適な疾患戦略を地域に応じたパートナリングを通して実現する」ことを掲げ、当社グループの重点疾患である感染症、精神・神経・疼痛疾患をベースに、日本・米国・中国を強化地域として取り組んでおります。STS2030では、各疾患に対して、従来の強みである治療薬を軸に、未病・ケア、予防、診断といった多様なアプローチで疾患全体をケアし、「ヘルスケアプロバイダー」としての新たなポジションを開拓します。この疾患戦略を統括・推進するヘルスケア戦略本部を中心に、人々の健康に必要な製品や情報をより多くの方に届ける仕組みを構築し、各地域のビジネス強化につなげていく取り組みが進行中です。また、これらの戦略を加速するために、当連結会計年度においては、中国平安保険(集団)股份有限公司(以下「平安グループ」という)との資本業務提携に関する基本合意書に則り、今後の中国並びにアジア事業の起点となる2つの合弁会社を上海及び香港に設立いたしました。引き続き、当社グループがこれまでに培ったアライアンスの強みを駆使し、地域ごとの最適なパートナリングを展開してまいります。
■経営基盤戦略
STS Phase 1において、Transformationの具現化を早期に実現する上では、ダイナミックな経営基盤の改革が必要不可欠であり、その根幹を担うのは「変革の仕組み」と「人材の成長」となります。変革の仕組みとしては、意思決定システムの刷新やデータ活用の環境整備を始めとした意思決定の高度化、及び社内外の連携を促進する業務プロセスの改革に取り組んでおります。また、新たな人材像(Shionogi Way)として、「一人ひとりが他者を惹きつける尖った強みを持ち、新しいことにチャレンジを続ける人」を掲げ、成長・変革の源泉となる人材を育成・強化する施策を展開しております。
当社グループは、経営理念である基本方針「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」ことをグローバルで実現するため、創薬型製薬企業としての強みを磨き、ヘルスケア領域の新たなプラットフォームを構築することで、持続的な成長を目指します。そして、世界中の患者さまやそのご家族、医療関係者の方々等、あらゆるステークホルダーの皆様に信頼されるグローバル企業を目指し、日本経済の成長・発展に貢献してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
STS Phase 1で達成すべき経営指標として、8つの経営指標を設定いたしました。
成長性を測る指標として、売上収益、コア営業利益、コア営業利益率、ロイヤリティー収入を除く海外売上高比率、自社創薬比率の5つを設定しております。2024年度に向けて各事業年度の売上目標を達成し、HIV製品のパテントクリフを乗り越える上で必要十分なR&D投資を行いながら、コア営業利益率30%以上を堅持することを目指しております。また、市場が大きい海外での売上収益を高めるための投資効果を測る指標として海外売上高比率を設定しております。さらに、ヘルスケア領域の新たなプラットフォーム構築に向けて、異なる強みを持つ他社・他産業から選ばれる条件として、自社創薬比率を高水準で維持することを目指します。
株主還元を測る指標としては、事業成長と財務施策の観点から基本的1株当たり当期利益(EPS)、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)の3つを設定しております。
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業績評価指標(KPI) |
2020年度 |
2022年度 |
2024年度 |
2030年度 |
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成長性 |
売上収益 |
3,235億円 |
4,000億円 |
5,000億円 |
6,000億円 |
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コア営業利益* |
1,103億円 |
1,200億円 |
1,500億円 |
2,000億円 |
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コア営業利益率 |
34.1% |
30%以上 |
30%以上 |
- |
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海外売上高比率** |
13.7% |
25%以上 |
50%以上 |
- |
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自社創薬比率 |
60%以上 |
60%以上 |
60%以上 |
- |
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株主 |
EPS |
330円以上 |
370円以上 |
480円以上 |
- |
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DOE |
4%以上 |
4%以上 |
4%以上 |
- |
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ROE |
12.5%以上 |
13%以上 |
15%以上 |
- |
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(注)1.STS Phase 1(2020年度~2024年度)、STS Phase 2(2025年度~)
2.数値はIFRSベースとなります。
*:営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益等)を調整した利益となります。
**:ロイヤリティー収入を除きます。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、各組織が主体的にリスク管理・対応策を講じることを基本としております。機会の創出とリスクの回避や低減など、適切な対応を行うとともに、グループ全体を統括する全社リスクマネジメント体制を経営戦略の一環として構築し、その推進を図っております。特に経営に影響を及ぼすような重要なリスクやその対応方針については取締役会及び経営会議にて審議・決定し、対応方針に基づき、主管組織が関連組織と協働し対策を実施しております。
また、事業活動を通じて経済、社会、環境等の様々な社会課題の解決及び医療ニーズに応えることで、社会の持続可能性への貢献と当社グループの持続的な成長を目指すサステイナビリティ活動を推進しております。
以下では、業績及び経営に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを記載しており、それぞれのリスクに対し、記載の取り組みによりその低減に努めております。
なお、文中の将来に関する事項及びリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)制度・行政に関するリスク
医薬品事業は、各国の政策により様々な規制を受けております。医療保険財政のひっ迫に伴い、先進諸国で薬剤費抑制の圧力が強まる中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する多額の財政出動はこの圧力をさらに強める可能性があります。我が国においては高齢化の更なる進展に伴う医療費の増加を見越した医療保険制度の改革が進められており、医療用医薬品については2021年度より毎年薬価改定が実施されるなど、これら行政施策の動向が業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の厳格化により、追加的な費用の発生や製品が規制に適合しなくなる等の事態が、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、革新的な新薬を社会が許容できる価格で提供し、社会保障の維持に貢献することを重視する一方で、創出したイノベーションの価値を示す科学的根拠となるエビデンスの構築に努めるとともに、国内外の業界団体活動を通じてイノベーションの価値を訴求する取り組みを推進しております。また、薬価制度を含む医療保険制度改革や研究開発、製造、販売等に関する規制等の動向について常に最新の情報を入手し、その変化に迅速かつ適切に対処するよう努めております。
(2)医薬品の副作用等に関するリスク
医薬品は、世界各国の所管官庁の厳しい審査を受けて承認されておりますが、市販後に予期せぬ副作用等で販売中止、製品回収などの事態に発展し、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、医薬情報担当者に限らず、副作用情報などを入手した場合、適切に情報を伝えるシステムを構築し、毎年全社員への教育を実施しております。これらの活動を通じて、予期せぬ副作用等の拡大や被害を最小限に抑えるよう努力しております。なお、副作用等に基づく医療被害補償に関しては、保険に加入しておりますが、それに伴うレピュテーションの低下などに起因する売上減少に関しては予想できておりません。
(3)医薬品の研究開発に関するリスク
医薬品の研究開発には、多大な経営資源の投入と時間を必要とします。また、新薬が実際に上市され、売上を計上するまでには様々な不確実性が存在します。さらに、新型コロナウイルスの世界的な蔓延を解決するべく、ワクチン、治療薬の研究開発が異次元のスピードで進められている現状から、今後の研究開発に求められるスピードが劇的に速まることが予想され、その対応如何では企業の存在価値を毀損することもリスクとして想定しなければなりません。
当社グループでは、長年にわたり蓄積した疾患領域の強み、低分子創薬の基盤を活かし、効率的な創薬研究を展開することでグローバルでもトップレベルの研究開発生産性を維持・向上させてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下において、グローバルに展開された研究開発の加速は著しく、ワクチンの研究開発では海外他社が先行しましたが、治療薬については必要なデータを確認しつつ、優先度を考慮した研究開発の加速を進めており、これらの知見を感染症以外も含めた研究開発全体に拡大することによってさらなる生産性の改善に結びつけてまいります。一方で、新たな成長領域の育成や創薬確率の更なる向上に向けては、経営資源の適正な配分、低分子以外の創薬モダリティ、すなわち中分子医薬や抗体医薬のような新しい創薬技術の強化が必要となります。そのため、新型コロナウイルス感染症関連(治療薬、ワクチン等)を含む、注力する創薬プログラムや開発化合物を明確にし、自社の経営資源を集中的に投下するとともに、多様なベンチャーやアカデミア等とのアライアンスを活用しつつ、ペプチド医薬、ワクチン、細胞医療(再生医療)といった技術の獲得や、新たな疾患領域における研究展開を加速しております。また、多額の費用を要する臨床開発におけるリスク低減に向けて、データと経験に基づく試験計画のデザイン、試験結果に基づく厳格な見極めを適宜行い、適切な開発可否判断により開発の生産性を高めるとともに、化合物の導入や導出により研究開発の加速や価値最大化、様々な不確実性に対するリスク低減に取り組んでおります。
(4)知的財産に関するリスク
当社グループの製品は、知的財産権(特許権)により保護されて利益を生み出しますが、種々の知的財産が充分に保護できない恐れや第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。
そのため、保有する知的財産の価値を毀損することのないよう、知的財産権を適切に管理する体制を整え、第三者からの侵害にも継続的に注意を払っております。また、事業活動にあたっては、侵害予防調査の実施や、導出入活動における知財デューデリジェンスの実施など、侵害予防のための体制を整え、第三者の知的財産権を侵害することのないように注意を払っております。これらを通じて、知的財産に関するリスク低減に努めております。
(5)特定製品への依存に関するリスク
サインバルタ、インチュニブの製品売上収益及び、テビケイ、トリーメク等のHIV製品のロイヤリティー収入が、売上収益合計の約55%(2021年3月期現在)を占めております。これらの品目において、知的財産権(特許権)の満了及びそれに伴う後発品の発売、薬価改定や競合品の出現、その他予期せぬ事情により売上減少や販売中止となった場合には、業績に影響を与える可能性があります。
これら医薬品事業において必然または予期せぬ形で起こり得るリスクに対して、薬価制度や競合状況等の最新情報をもとに、次なる製品群の市場投入や契約の見直し等の打ち手を検討し、その影響の低減に努めております。また、薬価制度の大幅な見直し等、事業の継続性に大きな影響を与える議論がなされる際は、(1)に記載のとおりイノベーション創出の重要性とその価値を訴求すべく業界団体で連携して意見の表明等を行っております。さらに、上記の事業リスクを孕む医薬品中心の事業から、医薬品を含むヘルスケアサービス全般を提供できる企業へと事業の変革を進め、リスクの低減に努めてまいります。
(6)他社とのパートナーシップに関するリスク
医薬品の研究、開発、製造、販売等において、共同研究、共同開発、技術導出入、共同販売等、様々な形で他社との提携を行っております。何らかの事情により提携先との契約が変更・解消され、これら企業との提携に遅延または停滞等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、提携に際し多方面からの分析・評価を行ったうえで、提携可否を判断しております。また、契約締結においては、発生しうるリスクを想定し、これを低減するための協議と合意形成に努め、その内容を契約書に定めております。さらに、提携中も提携先との間で様々な機能・階層を通じた強固なガバナンス体制を構築し、提携におけるリスクの把握と解決策の協議を密に行い、必要な打ち手を講じることで、業績への影響を最小化するよう努めております。
(7)自然災害やパンデミックに関するリスク
突発的に発生する大地震や気候変動に伴う暴風雨、洪水等の自然災害、不慮の事故、パンデミックの発生等による事業所の閉鎖または工場の操業停止に伴い市場への製品供給に支障をきたした場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、研究所や臨床試験実施施設等が被害を被った際には、創薬研究または臨床開発の進展に影響が生じる可能性があります。
そのため、経営層が重要と判断した業務を明確にしたうえで、自然災害及びパンデミックに対応するBCP(事業継続計画)を組織単位で策定しており、継続的な訓練の実施や定期的な計画の見直しを行うことにより、有事への備えを強化しております。また、自社工場のみならず、重要なサプライヤーについても、自然災害の影響や、その他環境・安全に対する状況等について、EHS(環境・安全衛生)監査等を通じて確認しており、必要に応じて改善要求をしております。サプライチェーンマネジメントの観点においては、製品の安定供給のため、複数社から原材料の調達を検討し、リスクの低減を図っております。
(8)環境に関するリスク
医薬品の研究、製造の過程等で使用・生成する物質には、人体や生態系に影響を及ぼすものがあります。事業活動を行う過程において環境汚染やそれに伴う危害等が顕在化した場合、施設の一時閉鎖や対策・復旧費用の発生、法的責任を負うこと等により、当社の信用または業績に影響を与える可能性があります。2021年1月に発生しましたシオノギファーマ(株)金ケ崎工場における溶剤 ジクロロメタンの漏出に関しては、回収と漏洩防止に努めており、現時点で工場敷地外への漏洩は確認されておりませんが、敷地外への漏洩のリスクに対して、今後も継続して監視活動を行い適切な対応を実施いたします。
環境・安全衛生に関するリスクを低減するために、当社グループ統括管理体制及び管理規程を設定し、法令遵守はもとより、より厳しい自主管理基準・目標を策定し、対応・対策の実行とそれらの適切性の確認を行っております。加えて、サプライヤーにも同様な対応を依頼し、当社グループを含めたサプライチェーン全体でリスクの低減を進めております。
更に、製薬企業として革新的な新薬を創出し社会課題の解決に努めるだけでなく、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)に代表されるグローバルなフレームワークに沿った取り組みを進めることは地球の持続的可能性のためにも重要であると考えております。具体的には環境マテリアリティ(重要課題)として特定したAMR※1や気候変動、プラスチック廃棄物対策などに長期目標を設定し、サステイナビリティ課題に取り組んでおります。特に気候変動においては、温室効果ガスの削減の目標を設定し、SBT※2を取得いたしました。
※1 AMR:Antimicrobial Resistance(薬剤耐性)
※2 SBT:Science Based Targets(パリ協定の水準に科学的に整合する温室効果ガス排出削減目標)
(9)金融市場及び為替動向に関するリスク
予測の範囲を超える金融市場や為替市場の変動があった場合には、退職給付債務の増加や海外提携先からのロイヤリティー収入への影響等、業績、財産に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、年金資産を複数の運用商品に分散投資することで、退職給付債務が増加するリスクの低減に努めております。また、外貨建取引及び外貨建金銭債権債務の為替変動リスクに対して、為替予約取引を活用して対応しております。
(10)人材確保・育成に関するリスク
雇用情勢の変化やESG経営への要請の高まり等の環境変化に加え、ポストコロナ時代を見据えた働き方の変化により、労働に対する価値観や必要となる専門性も変わりつつあります。そのような中では、環境変化を好機と捉え社会課題の解決を加速させる人材、HaaS(Healthcare as a Service)企業として持続的に成長していく当社グループのトランスフォーメーションを具現化できる人材、全社視点で論理的に考えグループの高効率経営を支える人材などが求められますが、それら人材を十分に確保・育成できない場合は、競争優位性のある組織が実現できず、中長期的には会社の業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、経営ビジョンの実現に必要な多様な人材の確保・育成に努めております。社会に新たな価値を生み出し、企業価値を高めるために何よりも大切な資本は従業員です。STS2030の達成に向けて新たに定めた人材像「Shionogi Way:一人ひとりが他者を惹きつける尖った強みを持ち、新しいことにチャレンジを続ける人」を実現するために、自ら成長していく機会や自己投資支援の充実、育成を支えるマネジャーへの重点トレーニングに加え、STS2030で目指すHaaS(Healthcare as a Service)企業の実現に資する人材育成プログラムの一つとしてIT/デジタル技術活用による業務変革/価値創造トレーニングなど、種々の施策を実行することで人材育成の強化を図っております。さらに、経営トップ自らが開催する社長塾や経営幹部候補者のグループ会社役員への登用による会社経営の実践を通じて、将来の経営幹部育成にも取り組んでおります。
(11)ITセキュリティ・情報管理に関するリスク
当社グループでは、各種ITシステム(アウトソーシング先を含む)を利用し、かつ個人情報を含む多くの機密情報を保有している中、従業員及びアウトソーシング企業等の不注意または故意による行為、あるいは悪意をもった第三者によるサイバー攻撃やウイルスの感染等によるシステムの停止及びセキュリティ上の問題が発生した場合、事業活動、経営成績及び財政状態、信用に重大な影響を及ぼし、さらには損害賠償請求等の法的な損害や、事後対応に係る費用等が発生する可能性があります。
本リスクを低減するために、情報管理を統括する責任者として情報の保全及び情報セキュリティの確保に関する方針を定めるCIO(Chief Information Officer)、データ及び文書類の利用並びに管理を統制する責任者としてCDO(Chief Data Officer)、IT運営の責任者としてグローバルITヘッドをそれぞれ任命し、法規制やガイドラインを踏まえた情報管理に関する規程等を整備し、従業員へ情報管理の重要性を周知徹底しております。また、個人情報に関しては、グローバルプライバシーポリシーを策定し、個人情報の重要性に対する認識及び個人情報の保護に関する法令を遵守する必要性を従業員に周知しております。
加えて、サイバー攻撃や大規模災害等の危機事象が発生した際の事業継続をより確実に遂行するためのIT-BCP体制構築のプロジェクトを立ち上げ、ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用の改善を図るとともに、台湾拠点におけるサイバー攻撃の実例から、再発防止及びグローバル各拠点での未然防止に向けた対策としてグローバルセキュリティアセスメントの実施と対応、グループ全体でのネットワーク体制の抜本的見直し等の対策を行っております。
(12)コンプライアンスに関するリスク
事業活動の遂行にあたって、薬事規制や製造物責任等の様々な法規制の適用を受けるだけでなく、生命に直結する医薬品産業として社会から極めて高い倫理観を求められます。そのため、法令違反だけでなく、社会の要請に反するような行動は、ステークホルダーからの当社グループに対する信頼の失墜や低下を招き、結果として業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、事業活動の中でコンプライアンスの遵守を常に最優先事項として定め、四半期ごとの社長メッセージの中で必ずコンプライアンスについて言及し、従業員のコンプライアンス意識の強化を図っております。またシオノギグループ行動憲章の項目としてコンプライアンスを定め、コンプライアンスポリシーを制定し、コンプライアンス委員会、内部通報窓口(社内、社外)を設置しております。コンプライアンス委員会は、代表取締役社長をコンプライアンス委員長として年4回開催し、コンプライアンス上の課題を協議し、必要な教育(ハラスメント・情報漏洩・贈収賄防止など)や取り組みを実施しております。
(13)訴訟に関するリスク
事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引などに関して訴訟を提起される可能性があり、その動向によって、当社グループの信用または業績に影響を与える可能性があります。
本リスクを低減するために必要な社内体制を構築するとともに、適宜、弁護士や弁理士などの専門家と協議のうえ、適切な対応をとっております。なお、現在、係争中の主な訴訟に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2)その他 ②重要な訴訟」に記載しております。
(14)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大
今後、更なる感染拡大に伴い事業活動が制限された場合、原材料の調達などのサプライチェーンの停止・停滞により、医薬品の安定供給に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、研究・臨床試験の遅延やMRによる情報提供活動の制限により、新製品等の承認・上市や市場浸透、医薬品の安全性情報や適正使用情報の収集・提供に重大な影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクを低減するために、感染拡大防止に向けた出社率抑制などの政府・行政の要請に応えつつ、生産性を維持・向上するために必要な新しい働き方に取り組んでおります。加えて、製薬企業として社会的責任を果たすため、自社医薬品の安定供給を最優先とした対応を行うことを目的に、これまでに想定していたパンデミックBCPの活用により、安定供給を含む重要業務に影響を及ぼさないよう、事業継続を進めております。また、コロナ禍における販売活動は、厚生労働省による販売情報提供活動に関するガイドラインの発出下で情報提供の仕組みや内容を変更し、対応しております。
上記以外にも、事業活動に関連した様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、当社グループの事業は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は9,989億92百万円で、前連結会計年度末に比べて1,252億97百万円増加しました。
非流動資産は、ワクチン製造設備による有形固定資産の増加、Tetra Therapeutics Inc.(以下「Tetra」という)の連結子会社化による無形資産の増加及びシオノギ渋谷ビル再開発による投資不動産の増加等により前連結会計年度末に比べて850億85百万円増加となりました。流動資産は、現金及び現金同等物、3ヶ月超の定期預金(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増減等の結果、前連結会計年度末に比べて402億11百万円増加しました。
資本については8,645億50百万円となり、当期利益の計上と配当金の支払、自己株式の取得及び第三者割当による自己株式の処分を行いました。また、平安グループとの子会社設立に伴う非支配持分が増加した結果、前連結会計年度末に比べて993億47百万円増加しました。
負債については1,344億42百万円で、前連結会計年度末に比べて259億49百万円増加しました。
非流動負債は繰延税金負債の増加等により68億89百万円増加、流動負債は未払法人所得税及びデリバティブ負債(流動負債のその他の金融負債に含みます)の増加等により190億60百万円増加となりました。
なお、当連結会計年度に連結子会社としたTetra及びナガセ医薬品株式会社(以下「ナガセ医薬品」という)について、取得対価の配分が完了しております。また、前第3四半期連結会計期間より暫定的な会計処理をしておりました株式会社UMNファーマにつきましても、当連結会計年度において取得対価の配分を完了し、取得した資産及び引き受けた負債の暫定的な公正価値を遡及修正しております。
b.経営成績
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の経営成績は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
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当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
増減率(%) |
|
売上収益 |
297,177 |
333,371 |
△36,193 |
△10.9 |
|
営業利益 |
117,438 |
130,628 |
△13,190 |
△10.1 |
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コア営業利益 ※ |
93,963 |
127,383 |
△33,419 |
△26.2 |
|
税引前利益 |
143,018 |
158,516 |
△15,498 |
△9.8 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
111,858 |
122,193 |
△10,334 |
△8.5 |
※会社の経常的な収益性を示す利益指標として「コア営業利益」を設定し、これを当社独自の業績管理指標として採用しております。「コア営業利益」は、営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益等)を調整した利益となります。
売上収益は、2,972億円(前期比10.9%減)となりました。国内医療用医薬品売上は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けた感染予防対策の励行による市中感染症市場の大幅な縮小や受診抑制の影響、薬価改定の影響を受け947億円(前期比10.9%減)となりました。
営業利益はシオノギ渋谷ビル再開発に伴う交換益の発生等もあり、1,174億円(前期比10.1%減)となりました。それらの特殊要因を除くコア営業利益は940億円(前期比26.2%減)となりました。
税引前利益は1,430億円(前期比9.8%減)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益の減少に伴い1,119億円(前期比8.5%減)となり、減益となりました。
・国内医療用医薬品
コロナ禍での社会全般の感染予防対策の励行による市中感染症市場の大幅な縮小や受診抑制の影響を受け、国内の医療用医薬品売上収益は947億円(前期比10.9%減)となりました。インフルエンザに関しましては、昨シーズン以上の極めて小規模な流行にとどまり、インフルエンザ関連製品群は3億円(前期比89.1%減)となりました。また、インフルエンザ関連製品群を含む感染症薬に関しましては、98億円(前期比39.1%減)となりました。一方で、戦略品であるサインバルタとインチュニブの売上収益はそれぞれ265億円(前期比0.9%増)、131億円(前期比22.8%増)と伸長しました。
コロナ禍においては、MRの医療機関への訪問規制が強化され、病院を中心に医療従事者との面談が難しい状況でしたが、このような状況においても医療従事者に各製品の情報を届けるために、デジタル環境下での情報提供体制を整備し、適正使用に向けた情報の伝達と面談機会の確保に注力しました。
・輸出/海外子会社
輸出/海外子会社の売上収益は、COVID-19における環境変化の影響を受け246億円(前期比20.0%減)となりました。米国においては、Fetrojaの売上収益が17億円と伸長し、当連結会計年度の売上は75億円となりましたが、前連結会計年度はBDSI社よりSymproic関連の一時金を受領したため、前期比26.3%減となりました。欧州では、英国とドイツでFetcrojaを販売開始しました。また、英国とスウェーデンでサブスクリプション型償還モデル* に採択されました。中国では、病院市場におけるラベプラゾールの売上収益が大きく減少し、全体で101億円(前期比23.3%減)となりました。また、2020年内に平安グループとの合弁会社を設立いたしました。
* :抗菌薬の処方量と切り離し、国が開発企業に対して固定報酬を支払う代わりに、必要なときに抗菌薬を受け取ることができるサブスクリプション型の償還モデル
・ロイヤリティー収入及びヴィーブ社からの配当金収入
英国ヴィーブヘルスケア社(以下「ヴィーブ社」という)に導出したHIVフランチャイズの売上が伸長しました。一方で為替変動の影響により、同社からのロイヤリティー収入は1,234億円(前期比3.7%減)、同社からの配当金については234億円(前期比11.3%減)となりました。
スイス ロシュ社からのロイヤリティー収入は、前連結会計年度に抗インフルエンザウイルス薬Xofluzaの承認取得に伴うマイルストンを受領したことにより、当連結会計年度は9億円(前期比91.8%減)となりました。
また英国アストラゼネカ社からのクレストールのロイヤリティーにつきましては、契約に基づき第4四半期連結会計期間より受領額が減少したことから、166億円(前期比25.7%減)となりました。
以上のように当連結会計年度のロイヤリティー、マイルストン及び配当金収入全体としては、HIVフランチャイズの販売が引き続き順調に推移する中、為替変動や前連結会計年度の一時金収入の影響により、1,680億円(前期比13.1%減)となりました。
・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しましたとおり、当社グループは、2020年6月に新中期経営計画「Shionogi Transformation Strategy 2030(STS2030)」を策定しております。
成長性を測る指標として、売上収益、コア営業利益、コア営業利益率、ロイヤリティー収入を除く海外売上高比率、自社創薬比率の5つを設定しており、また株主還元を測る指標として、事業成長と財務施策の観点から基本的1株当たり当期利益(EPS)、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)の3つを設定しております。
当連結会計年度におけるこれらの指標に対する結果は、以下のとおりとなりました。
|
業績評価指標(KPI) |
2020年度目標 |
2020年度実績 |
|
|
成長性 |
売上収益 |
3,235億円 |
2,972億円 |
|
コア営業利益* |
1,103億円 |
940億円 |
|
|
コア営業利益率 |
34.1% |
31.6% |
|
|
海外売上高比率** |
13.7% |
16.2% |
|
|
自社創薬比率 |
60%以上 |
71% |
|
|
株主 |
EPS |
330円以上 |
365.03円 |
|
DOE |
4%以上 |
4.1% |
|
|
ROE |
12.5%以上 |
13.9% |
|
*:営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益等)を調整した利益となります。
**:ロイヤリティー収入を除きます。
売上収益は、前述の通りCOVID-19の拡大や為替変動等の理由により、大幅な未達となりました。コア営業利益に関する指標につきましても、売上収益の減少並びに研究開発や新規事業への積極投資により、いずれも未達となりました。株主還元指標であるEPS、DOE及びROEにつきましては、ヴィーブ社からの配当金収入やシオノギ渋谷ビル再開発に伴う交換益の発生、期末配当の増加、約500億円の自己株式の取得等が寄与し、いずれも目標を達成しております。引き続き、STS2030で掲げたこれら指標の達成に向けて取り組みを進めてまいります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の減少、営業債権及びその他の債権の回収額の減少等により、前連結会計年度に比べ229億円少ない1,090億39百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、余資運用に係る定期預金及び有価証券の取得・売却、ワクチン製造設備等の有形固定資産の取得支出等により、前連結会計年度に比べ238億82百万円少ない52億61百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び自己株式の取得、第三者割当による自己株式の処分及び平安グループとの子会社設立に伴う株式発行収入等により、前連結会計年度に比べ442億83百万円少ない438億91百万円の支出となりました。
これらを合わせた当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は673億12百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、2,761億73百万円となりました。
また、財務政策に関して、当社グループは事業活動に必要な運転資金・設備投資資金を自己資金で賄っております。今後も財務の健全性を保ちながら、サステナブルな成長モデルの確立と株主還元の両立を目指しており、内部留保を中心としながら必要に応じて借入等の資金調達を行います。
〔キャッシュ・フロー指標のトレンド〕
|
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
|
親会社所有者 |
86.2% |
87.6% |
84.7% |
|
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率 |
227.3% |
184.9% |
179.6% |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
237.8 |
378.1 |
425.6 |
(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。
②生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
92,671 |
△13.7 |
|
(注)1.金額は、正味販売見込価格により算出したものであります。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
13,069 |
△7.4 |
|
(注)1.金額は、実際仕入額によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注状況
当社グループは、主として販売計画に基づいて生産計画をたてて生産しております。
当社及び一部の連結子会社で受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
297,177 |
△10.9 |
|
(注)1.販売金額は、外部顧客に対する売上収益を表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
ViiV Healthcare Ltd. |
128,107 |
38.4 |
123,361 |
41.5 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。
1.当社の当連結会計年度における経営上の重要な契約等は次のとおりです。
(1) 技術導入等
|
相手先 |
国名 |
技術の内容 |
地域 |
対価の支払 |
契約期間 |
|
MUNDIPHARMA B.V. |
オランダ |
硫酸モルヒネ徐放錠に関する技術及び商標使用許諾 |
日本 |
一定料率のロイヤリティー |
1986.7~ |
|
MUNDIPHARMA B.V. |
オランダ |
塩酸オキシコドンに関する技術及び商標使用許諾 |
日本 |
契約金 一定料率のロイヤリティー 一時金 |
1992.12~2025.6 |
|
SANOFI AVENTIS |
フランス |
降圧剤イルベサルタンに関する技術及び商標使用許諾 |
日本 |
契約金 原薬購入 |
1996.3~ 製品の承認取得日から15年又は特許権存続期間のどちらか長い方 以降5年毎の自動更新 |
|
MARNAC, INC. /KDL, INC. |
アメリカ 日本 |
抗線維化剤ピルフェニドンに関する技術 |
日本 韓国 台湾 |
契約金 |
1996.11~ |
|
バイエル薬品株式会社 |
日本 |
抗アレルギー剤ロラタジンの共同開発・販売権及び商標使用許諾 |
日本 |
製品購入 |
1999.1~ 以降3年毎の自動更新 |
|
BIOCRYST PHARMACEUTICALS, INC. |
アメリカ |
抗インフルエンザウイルス剤ペラミビルに関する技術 |
日本 台湾 |
契約金 一定料率のロイヤリティー |
2007.2~ 製品の発売から10年又は特許権存続期間のどちらか長い方 |
|
オンコセラピー・サイエンス株式会社 |
日本 |
癌ペプチドワクチンに関する技術 |
全世界 |
契約金 一定料率のロイヤリティー |
2009.2~ 製品の最初の承認取得日から15年 以降2年毎の自動更新 |
|
STALLERGENES SA |
フランス |
イエダニによるアレルギー性鼻炎に対する減感作治療剤 |
日本 台湾 |
契約金 マイルストン 製品購入 |
2010.9~ 製品の発売から15年 以降3年毎の自動更新 |
|
SHIRE AG |
スイス |
ADHD(注意欠陥・多動性障害)治療剤 |
日本 |
契約金 製品購入 一定料率のロイヤリティー |
2011.11~ 製品の発売から10年又は特許の存続期間のどちらか長い方 |
|
MUNDIPHARMA B.V. |
オランダ |
塩酸オキシコドン乱用防止製剤及び塩酸オキシコドン/ナロキソン配合剤に関する技術及び商標使用許諾 |
日本 |
契約金 マイルストン 一定料率のロイヤリティー |
2013.11~ 各製品の発売から10年 以降5年毎の自動更新 |
|
ペプチドリーム株式会社 |
日本 |
創薬開発プラットフォームシステムに関するライセンス及び共同研究 |
全世界 |
技術移管費、共同研究費等 マイルストン 一定料率のロイヤリティー |
2017.6~ ロイヤリティー支払義務消滅まで |
|
Hsiri Therapeutics,Inc. |
アメリカ |
抗酸菌症治療薬の開発候補品 |
全世界 |
契約金 マイルストン 一定料率のロイヤリティー |
2018.5~ ロイヤリティー支払義務消滅まで |
|
Sage Therapeutics,Inc. |
アメリカ |
新規抗うつ薬 SAGE-217 |
日本 台湾 韓国 |
契約金 マイルストン 一定料率のロイヤリティー |
2018.6~ ロイヤリティー支払義務消滅まで |
(2) 技術導出等
|
相手先 |
国名 |
技術の内容 |
地域 |
対価の受取 |
契約期間 |
|
AstraZeneca UK Limited |
イギリス |
高コレステロール血症治療薬の開発、製造及び販売権 |
全世界 |
契約金 一定料率のロイヤリティー |
1998.4~ 2023年末まで |
|
ViiV Healthcare Ltd. |
イギリス |
HIVインテグレース阻害薬ドルテグラビル及び関連製品の開発、製造及び販売権 |
全世界 |
一定料率のロイヤリティー |
2012.10.26~ |
|
MedImmune,LLC |
アメリカ |
急性冠症候群治療薬の研究、開発、製造及び販売権 |
全世界 |
契約金 マイルストン 一定料率のロイヤリティー |
2014.9.29~ 製品の発売から10年、 データ保護期間又は特許権存続期間のどちらか長い方 |
|
Hoffmann-La Roche Inc./F. Hoffmann-La Roche Ltd |
スイス アメリカ |
S-033188(インフルエンザ感染症治療薬)の開発、製造及び販売権 |
全世界 (日本及び 台湾を 除く) |
契約金 マイルストン 一定料率のロイヤリティー |
2016.2~ 最初の上市から12年又は、医療用医薬品品質情報集に記載される製品をカバーする最後の特許権存続期間のどちらか長い方 |
(3) 共同開発及び共同販売
|
相手先 |
国名 |
技術の内容 |
地域 |
契約期間 |
|
IPR Pharmaceuticals, Inc. |
プエルトリコ |
高コレステロール血症治療薬の販売権 |
日本 |
2002.4~ 製品の発売から10年又は特許権存続期間のどちらか長い方 |
|
大日本住友製薬株式会社 |
日本 |
降圧剤イルベサルタン/アムロジピンベシル酸塩配合錠の共同販売権 |
日本 |
2012.6~ 製品の発売から10年 以降1年毎の自動更新 |
|
ヴィーブヘルスケア株式会社 |
日本 |
HIVインテグラーゼ阻害薬ドルテグラビル及びその合剤を含む抗HIV薬の共同販促権 |
日本 |
2016.4~2021.3 (注)2021年4月1日付で、2021.4~2022.3間の共同販促契約を更新しております。 |
|
ELI LILLY AND COMPANY /日本イーライリリー株式会社
|
アメリカ 日本 |
デュロキセチン塩酸塩の共同開発・共同販促権 |
日本 |
2015.4~ 製品が販売されている期間 |
|
ムンディファーマ株式会社 |
日本 |
殺菌消毒薬イソジンの販売権及び共同販促権 (医療用医薬品) |
日本 |
2015.12~ 製品の発売から5年 以降2年毎の自動更新 |
|
Eddingpharm |
中国 |
ルストロンボパグの販売権 |
中国 |
2019.3.29~ 製品の発売から15年 以降3年毎の自動更新(合計24年を超えない) |
(4) 出資契約
|
相手先 |
国名 |
内容 |
備考 |
|
Tetra Discovery Partners Inc. |
アメリカ |
優先株の取得 |
既所有株式と合計で対象会社の総議決権の50%保有 一定条件達成時に、対象会社の全株式の取得 |
当社は2020年3月5日に締結した上記出資契約を基に出資条件を検討し、同年5月25日開催の取締役会においてTetraの全株式を取得する旨を決議し、同年5月26日付で出資契約を締結しました。なお、同社は同日付で連結子会社となりました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 33.企業結合」に記載しております。
(5) 資本業務提携
当社は、2020年3月30日付で、平安グループ及び平安グループの子会社である中国平安人寿保険股份有限公司(以下「平安人寿」という)との間で資本業務提携に関する基本合意書を締結しました。
当該基本合意書に基づき、当社の子会社である塩野義(香港)と平安人寿は、2020年7月24日に合弁会社(上海)の設立に関する契約を締結しました。さらに、塩野義(香港)と平安グループの関係会社であるTutum Japan Healthcare Limitedは、同日、合弁会社(香港)の設立に関する契約を締結しました。それにより、2020年8月に平安塩野義(香港)有限公司、2020年11月に平安塩野義有限公司を設立しております。
上記合弁契約の締結により、当社の平安人寿に対する第三者割当による自己株式の処分の実行前提条件が全て満たされたため、自己株式の処分を実行しました。
なお、2020年12月18日付で、シオノギヘルスケア株式会社の株式を平安塩野義(香港)有限公司へ、C&Oファーマシューティカル テクノロジー ホールディングス Ltd.傘下の事業会社の株式を平安塩野義有限公司へ譲渡する契約を締結し、それぞれ2021年1月29日付、2021年3月31日付で実行しております。
2.連結子会社の当連結会計年度における経営上の重要な契約等は次のとおりです。
(1) 技術導出等
|
会社名 |
相手先 |
国名 |
技術の内容 |
地域 |
対価の支払 |
契約期間 |
|
シオノギINC. |
DUCHESNAY INC. |
カナダ |
膣萎縮症治療薬オスペミフェンの開発・製造及び販売権 |
アメリカ カナダ |
契約金 一定金額及び年間売上に応じた追加支払 |
2017.3.10~ 支払義務満了まで |
(2) 共同販売
|
会社名 |
相手先 |
国名 |
技術の内容 |
地域 |
契約期間 |
|
シオノギヘルスケア株式会社 |
ムンディファーマ株式会社 |
日本 |
殺菌消毒薬イソジンの販売権及び共同販促権 (OTC) |
日本 |
2015.10~ 製品の発売から5年 以降2年毎の自動更新 |
(3) 買収
当社は、2020年8月31日開催の取締役会において、当社の100%子会社であるシオノギファーマ株式会社がナガセ医薬品の全株式を取得し子会社化することを決議しました。2020年10月1日付でナガセ医薬品は当社の連結子会社となりました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 33.企業結合」に記載しております。
現状の疾患治療の捉え方(パラダイム)を変える可能性のある8つの注力プロジェクト* を設定し、COVID-19関連プロジェクトとともに最優先で取り組んでおります。当連結会計年度もこれらの研究開発への積極的な投資を行うとともに、COVID-19による環境変化に適切に対処することで、ほぼ予定通り進捗させることができました。
* :注力8プロジェクト:S-531011、S-005151、S-600918、S-637880、S-812217、S-540956、BPN14770、S-874713
(1)研究
研究ステージにある注力8プロジェクトとして、S-531011は、大阪大学との共同研究から見出した、がんを標的とする抗体であり、現在のがん治療では満たされない患者さまのニーズに応えることを目指しております。S-874713は、ADHD(注意欠陥/多動性障害)や依存症等の複数の精神神経症状に対する効果が期待できる自社創出製品です。核酸アジュバント** S-540956については、がん領域及びHIV機能的根治等の感染症領域への適応を目指しております。当連結会計年度は、いずれのプロジェクトにおきましても2021年度の臨床試験開始に向けて非臨床試験が進展しました。
当社グループは、株式会社UMNファーマを完全子会社化し、ワクチン事業に本格的に参入しました。当期は、COVID-19ワクチン及びインフルエンザワクチンの創製に取り組みました。
また、注射による痛みを回避し、簡便に投与できる「経鼻ワクチン」の開発にも取り組んでおり、HanaVax社と経鼻ワクチンの製剤技術に関するライセンス契約を締結し、肺炎球菌ワクチンの研究を進めております。
上記COVID-19ワクチンをはじめ、有効性・安全性ともに既存薬を上回る治療薬の創出並びに速やかな臨床試験開始に向けて取り組んでおります。
** :アジュバント:免疫を活性化させ薬物の効果を補強させる物質
(2)開発
注力8プロジェクトの進捗としましては、sivopixant(S-600918)の難治性慢性咳嗽(せき)を対象としたグローバル第Ⅱb相臨床試験が進展し全患者の観察が完了しました。また、睡眠時無呼吸症候群を対象とした国内第Ⅱa相臨床試験が進展しました。ステムリム社から導入した再生誘導医薬ペプチドであるレダセムチド(S-005151)については、栄養障害型表皮水泡症に対する適応取得に向けて申請準備中です。また、急性期脳梗塞を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験が進展しました。当連結会計年度は、変形性膝関節症、慢性肝疾患に対する医師主導治験も新たに開始しました。米国Sage社から導入したうつ病・うつ状態治療薬候補であるzuranolone(S-812217)については、大うつ病性障害者を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験が進展しました。子会社化したTetraから導入した認知機能改善薬候補であるBPN14770については、国内において第Ⅰ相臨床試験が完了し、アルツハイマー型認知症を対象とする第Ⅱ相臨床試験を準備中です。また、脆弱X症候群を対象とした米国での第Ⅲ相臨床試験を準備中です。S-637880については、神経障害性腰痛を対象とした第Ⅱ相臨床試験を国内にて実施中です。
COVID-19ワクチンであるS-268019は、国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始しました。また、米国BioAge社と提携し、COVID-19の重症化を抑える治療薬候補(asapiprant:S-555739)の開発を進めております。2021年4月にBioAge社が米国でCOVID-19に罹患した高齢者を対象に第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
(3)COVID-19に対する研究開発の取り組み
当社グループは、STS2030の中でHaaS(Healthcare as a Service)企業へとTransformすることを掲げておりますが、医療用医薬品にとどまらない製品・サービスを提供していくためには、これまで以上に患者さまの視点に立って考えることが重要です。その観点から、疾患に関連する種々の困りごとの解決も含めたトータルケアの取り組みを強化しております。
COVID-19に対しても、一貫したバリューチェーンを強みとして治療薬の創製に取り組むとともに、予防や診断、重症化抑制にも取り組みを広げております。さらに、未病の観点から、感染症の流行状況及び変異株の侵入・発生動向を早期に検知することが可能な下水モニタリングの社会実装に向けて取り組んでいます。
これらの取り組みを通じて、COVID-19の早期終息による社会の安心・安全の回復にグループ一丸となって貢献してまいります。また、その他の新興感染症及び再興感染症にも鋭意取り組み、「感染症の脅威からの解放」を当社グループが果たすべき使命と位置づけ、努力を継続してまいります。
開発品(2021年5月10日現在)
|
領域 |
開発No. (一般名) [製品名] |
作用機序 (剤型) |
適応症 |
ステージ |
起源 |
開発 |
|
感染症 |
S-649266 (セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物) [米国:Fetroja®] [欧州:Fetcroja®] |
細胞壁合成阻害(注射) |
他の治療がないまたは限定される腎盂腎炎を含む複雑性尿路感染症、院内肺炎 (米国) 治療が限定される好気性グラム陰性菌による感染症 (欧州) |
グローバル:フェーズⅢ (小児) 米国:承認 (複雑性尿路感染症)(2019年11月) 米国:承認 (院内肺炎) (2020年9月) 欧州:承認 (2020年4月) |
自社 |
自社 |
|
S-033188 (バロキサビル マルボキシル) [日本:ゾフルーザ®] |
キャップエンドヌクレアーゼ阻害(経口・顆粒) |
インフルエンザウイルス感染症 |
日本:承認 (体重20kg以上)(2018年9月) 日本:申請 (体重20kg 未満)(2018年8月) |
自社 |
自社/Roche (スイス) |
|
|
S-648414
|
未公表(経口) |
HIV感染症 |
米国・日本:フェーズⅠ |
自社 |
自社 |
|
|
S-268019 |
ワクチン(筋注) |
新型コロナウイルス感染症の予防 |
日本:フェーズⅠ/Ⅱ |
自社 |
自社 |
|
|
疼痛・神経 |
S-297995 (ナルデメジントシル酸塩) [日本:スインプロイク®] [米国:Symproic®] [欧州:Rizmoic®] |
末梢性オピオイド受容体アンタゴニスト (経口・散剤) |
オピオイド誘発性便秘症 (小児) |
欧州:フェーズⅠ/Ⅱ |
自社 |
自社 |
|
S-120083 |
未公表(経口) |
炎症性疼痛 |
日本:フェーズⅠ 米国:フェーズⅡ |
自社/Purdue (米国) |
自社/Purdue |
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S-010887
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未公表(経口) |
神経障害性疼痛 |
日本:フェーズⅠ |
自社 |
自社 |
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S-117957 |
未公表(経口) |
不眠症 |
米国:フェーズⅠ |
自社/Purdue(米国) |
自社/Purdue |
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S-600918 (sivopixant) |
P2X3受容体アンタゴニスト(経口) |
神経障害性疼痛 |
日本:フェーズⅠ |
自社 |
自社 |
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S-600918 (sivopixant) |
P2X3受容体アンタゴニスト(経口) |
難治性・原因不明慢性咳嗽 |
グローバル:フェーズⅡ |
自社 |
自社 |
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S-600918 (sivopixant) |
P2X3受容体アンタゴニスト(経口) |
睡眠時無呼吸症候群 |
日本:フェーズⅡ |
自社 |
自社 |
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S-637880
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未公表(経口) |
神経症状を伴う慢性腰痛 |
日本:フェーズⅡ |
自社 |
自社 |
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S-812217 (zuranolone) |
GABAA受容体ポジティブアロステリックモジュレータ(経口) |
うつ病・うつ状態 |
日本:フェーズⅡ |
Sage(米国) |
自社/Sage |
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SDT-001
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中枢作用に基づく、治療用デジタルアプリ |
ADHD患者の不注意症状 (小児) |
日本:フェーズⅡ |
Akili(米国) |
自社/Akili |
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BPN14770 |
PDE4Dネガティブアロステリックモジュレータ (経口) |
脆弱X症候群 |
米国:フェーズⅡ |
Tetra(米国) |
自社/Thera Therapeutics Inc. |
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BPN14770 |
PDE4Dネガティブアロステリックモジュレータ (経口) |
アルツハイマー型認知症 |
米国:フェーズⅡ 日本:フェーズⅡ |
Tetra(米国) |
自社/Tetra Therapeutics Inc. |
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代謝疾患 |
S-237648 |
ニューロペプチド Y Y5受容体アンタゴニスト(経口) |
肥満症 |
日本:フェーズⅡ |
自社 |
自社 |
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ADR-001 |
ヒト他家脂肪組織由来の間葉系幹細胞 (注射) |
非代償性肝硬変 |
日本:フェーズⅠ/Ⅱ |
ロート |
自社/ロート |
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S-723595 |
アセチルCoAカルボキシラーゼ2阻害(経口) |
非アルコール性脂肪肝炎 |
日本:フェーズⅠ |
自社 |
自社 |
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領域 |
開発No. (一般名) [製品名] |
作用機序 (剤型) |
適応症 |
ステージ |
起源 |
開発 |
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フロンティア |
S-588410 |
がんペプチドワクチン (注射) |
食道がん |
日本:フェーズⅢ |
オンコセラピー・サイエンス (日本) |
自社 |
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S-588410 |
がんペプチドワクチン (注射) |
膀胱がん |
日欧:フェーズⅡ |
オンコセラピー・サイエンス (日本) |
自社 |
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S-488210 |
がんペプチドワクチン (注射) |
頭頸部がん |
欧州:フェーズⅠ/Ⅱ |
オンコセラピー・サイエンス (日本) |
自社 |
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S-588210 |
がんペプチドワクチン (注射) |
固形がん |
英国:フェーズⅠ |
オンコセラピー・サイエンス (日本) |
自社 |
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S-222611 (epertinib) |
HER2/EGFRデュアル阻害薬(経口) |
悪性腫瘍 |
欧州:フェーズⅠ/Ⅱ |
自社 |
自社 |
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S-770108
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抗線維化作用(吸入) |
特発性肺線維症 |
日本:フェーズⅠ |
自社 |
自社 |
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SR-0379 |
肉芽形成促進作用 (外用) |
皮膚潰瘍 (褥瘡、糖尿病性潰瘍) |
日本:フェーズⅡ |
ファンぺップ (日本) |
自社/ファンペップ |
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S-005151 (レダセムチドトリフルオロ酢酸塩) |
間葉系幹細胞を末梢血に動員(注射) |
脳梗塞 |
日本:フェーズⅡ |
ステムリム (日本) |
自社 |
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S-005151 (レダセムチドトリフルオロ酢酸塩) |
間葉系幹細胞を末梢血に動員(注射) |
表皮水疱症 |
日本:フェーズⅡ(申請準備中) |
ステムリム (日本) |
自社 |
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<導出品> |
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開発No. (一般名) [製品名] |
作用機序 (剤型) |
適応症 |
ステージ |
起源 |
開発 |
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S/GSK1265744 LAP*1 (cabotegravir) |
インテグラーゼ阻害 (注射) |
HIV感染症(治療及び予防) |
(CAB*2 LAP+RPV*3 LAP 2剤療法) カナダ:承認 (2020年3月) 米国:承認 (2021年1月) 欧州:承認 (2020年12月) (CAB LAP、予防適応) グローバル:フェーズⅢ |
Shionogi-ViiV Healthcare |
治療:ViiV Healthcare Ltd.(英国) 予防:ViiV Healthcare Ltd.、HPTN、NIAID、Gilead (米国) |
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S-0373 |
非ペプチド型TRHミメティック(経口) |
脊髄小脳変性症 |
日本:フェーズⅢ (申請準備中) |
自社 |
キッセイ薬品 (日本) |
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S-033188 (バロキサビルマルボキシル) [米国:XofluzaTM] |
キャップエンドヌクレアーゼ阻害(経口) |
インフルエンザウイルス感染症 |
米国:承認 (2018年10月) 米国:承認 (ハイリスク患者)(2019年10月) 米国:申請 (小児、1歳以上)(2020年3月) 米国:承認 (顆粒、12歳以上)(2020年11月) 米国:承認 (予防投与、12歳以上)(2020年11月) 欧州:承認 (治療、12歳以上)(予防投与、12歳以上)(2021年1月) グローバル:フェーズⅢ (小児、1歳未満) グローバル:フェーズⅢ (伝播抑制) |
自社 |
自社/Roche (スイス) |
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S-555739 (asapiprant) |
プロスタグランジンD2 DP1受容体拮抗(経口) |
COVID-19の重症化抑制 |
米国:フェーズⅡ |
自社 |
BioAge (米国) |
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*1 Long acting parenteral formulation、*2 Cabotegravir、*3 Rilpivirine |
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