第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等

① 経営成績

当中間連結会計期間(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)の経営成績は、以下のとおりであります。

なお、当中間連結会計期間より鳥居薬品を連結範囲に含めております。

(単位:百万円)

 

当中間連結会計期間

前中間連結会計期間

増減

増減率(%)

売上収益

212,965

213,970

△1,004

△0.5

営業利益

74,771

75,869

△1,098

△1.4

コア営業利益※1

75,667

76,374

△706

△0.9

税引前中間利益

98,384

93,833

4,551

4.9

親会社の所有者に

帰属する中間利益

83,542

83,133

409

0.5

EBITDA※2

85,838

86,665

△827

△1.0

 

※1 コア営業利益:営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益など)を調整した利益

※2 Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:コア営業利益に減価償却費を加えた利益

 

売上収益につきましては2,130億円となりました。売上収益の内訳について、国内医療用医薬品は368億円(前年同期比22.8%減)となりました。主な要因は、前年同期と比較してCOVID-19の流行が落ち着き、ゾコーバの売上が減少したことによります。一方で、海外子会社および輸出の売上収益は306億円(前年同期比8.1%増)となりました。米国・欧州ともにセフィデロコル(米国の製品名:Fetroja、欧州の製品名: Fetcroja)の販売が堅調に推移し、中国における売上の減少を補いました。また、ロイヤリティー収入は、ViiV社による長時間作用型製剤(Long Acting Injectable製剤:LAI製剤)や経口2剤合剤の販売の拡大、中国や米国におけるインフルエンザの流行に伴うRoche社からのロイヤリティー収入の増加により、1,293億円(前年同期比6.4%増)となりました。これらの結果より、売上収益全体としては前年同期比で0.5%の減収となりました。

利益面につきましては、研究開発費は減少したものの、売上収益の減収に加え、米国事業における販売関連費用や鳥居薬品の連結子会社化に伴う費用の計上により、販売費及び一般管理費が増加したため、営業利益は748億円(前年同期比1.4%減)となりました。また、ViiV社からの配当金の増加により金融収益が増加したことから、税引前中間利益は984億円(前年同期比4.9%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益につきましては835億円(前年同期比0.5%増)と、いずれも増益となりました。

 

② 財政状態

当中間連結会計期間末の資産合計は1兆6,167億3百万円で、前連結会計年度末に比べて813億53百万円の増加となりました。

非流動資産は、鳥居薬品の連結子会社化に伴い、のれんや無形資産、その他の金融資産等の増加により7,668億72百万円となり、前連結会計年度末に比べて900億27百万円の増加となりました。なお、当該のれん等の金額については取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定された金額であります。流動資産は3ヶ月超の定期預金および債券(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増加、鳥居薬品の連結子会社化に伴う現金及び現金同等物の減少により、8,498億31百万円となり、前連結会計年度末に比べて86億73百万円の減少となりました。

 

資本については1兆4,403億58百万円となり、配当金の支払による減少の一方で、中間利益の計上により、前連結会計年度末に比べて778億61百万円の増加となりました。

負債については1,763億44百万円で、前連結会計年度末に比べて34億92百万円の増加となりました。

非流動負債は444億50百万円で、前連結会計年度末に比べて9億91百万円の増加となりました。流動負債は1,318億93百万円となり、営業債務の増加、未払法人所得税の減少等により前連結会計年度末に比べて25億1百万円の増加となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前中間利益の増加、営業債権の増減の影響等により、前年同期に比べ126億93百万円多い914億91百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、鳥居薬品の連結子会社化に伴う持分法適用会社株式の取得による支出や有価証券の取得等により、前年同期に比べ945億8百万円多い2,029億88百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、支払配当金の増加等により、前年同期に比べ44億12百万円多い303億60百万円の支出となりました。

これらを合わせた当中間連結会計期間の現金及び現金同等物の増減額は1,409億30百万円の減少となり、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の中間期末残高は、2,338億64百万円となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

当中間連結会計期間は、COVID-19関連プロジェクトや重点領域のプロジェクトを中心に、積極的かつ着実に研究開発活動を推進しました。

① 研究

認知症領域において、アルツハイマー型認知症を対象としたS-898270の研究が進展し、第1相臨床試験を開始しました。本化合物は、神経・シナプス機能の亢進による認知機能改善が期待されます。

上記以外にも、複数の研究プロジェクトが順調に進捗しています。

② 開発

COVID-19に対する経口の抗ウイルス薬であるエンシトレルビル(日本での製品名:ゾコーバ)については、グローバル第3相曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)の良好な結果に基づき、COVID-19の予防を適応として2025年6月に米国で新薬承認申請を実施し、米国FDAにより申請が受理されました。欧州においては、曝露後予防および治療の両方の適応で申請を行いました。また、COVID-19に対する次世代の抗ウイルス薬S-892216については、経口薬による治療適応取得に向けた臨床試験とともに、感染予防を目的とした長時間作用型製剤における曝露前予防の適応取得に向けた開発を進めています。

JN.1系統に対応したCOVID-19予防ワクチンのS-268024は第3相臨床試験において主要評価項目を達成し、同じ組み換えタンパクワクチンであるヌバキソビッド筋注に対する非劣性および良好な安全性が確認されました。

インフルエンザ治療薬バロキサビル マルボキシル(日本での製品名:ゾフルーザ)については、小児患者への投与を想定した顆粒剤の製造販売承認を取得しました。これにより、より幅広い患者層への治療選択肢の提供が可能となります。

社会的影響度の高いQOL疾患領域においては、固形がんを対象にした抗CCR8抗体S-531011が第1/2相臨床試験の第1相臨床試験パートの結果を取得し、第2相臨床試験を開始しています。

また、鳥居薬品の開発品(タピナロフ、カンタリジン、TO-209、TO-210)が新たに加わりました。

上記の内容以外にも、順調に開発が進捗しました。

こうした活動の結果、当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発費は、524億37百万円となり、売上収益に対する比率は24.6%となりました。

 

 

3 【重要な契約等】

当社は、当中間連結会計期間において、以下の契約を締結いたしました。

 

(1)技術導入

相手先

国名

技術の内容

地域

対価の支払

契約期間

Apnimed, Inc.

アメリカ

睡眠障害アセットに関する知財の共同保有及びライセンス

全世界

一時金

マイルストン

2025.4.23~
LLC agreementが終了する日まで又はすべての研究プログラムが終了する日まで

 

 

(2)企業結合(吸収分割、公開買付け、株式取得)

相手先

国名

契約内容

締結日

日本たばこ産業株式会社

日本

医薬事業の吸収分割

鳥居薬品の普通株式の公開買付け

吸収分割に関する合意書及び公開買付けに係る合意書:2025.5.7

吸収分割契約:2025.9.25

JT AMERICA INC.

アメリカ

Akros Pharma Inc.株式の取得

2025.5.7

 

当社は、2025年5月7日開催の取締役会において、日本たばこ産業の医薬事業を吸収分割(簡易吸収分割)により当社へ承継すること及び米国の当社グループ会社Shionogi Inc.がAkros Pharma Inc.(日本たばこ産業の100%孫会社)の発行済株式全部を取得することに関する合意書を締結することを決議し、同日に締結しました。なお、本合意に関連して、当社は、2025 年5月7日開催の取締役会において、日本たばこ産業の連結子会社である鳥居薬品を当社の完全子会社とすることを目的として、鳥居薬品の普通株式に関する公開買付けを実施することを決議しております。

 

上記に伴い、当中間連結会計期間において連結子会社となった鳥居薬品における重要な契約等は以下のとおりであります。

相手先

国名

契約内容

契約期間

対価の支払

日本たばこ産業株式会社

日本

研究開発及び販売に関する基本契約

2018年6月~

期限の定めなし

東レ株式会社

日本

経口そう痒症改善剤「レミッチカプセル」の血液透析患者におけるそう痒症を対象とする日本国内における共同開発及び販売権に関する契約

2005年3月~特許満了日以後別途協議

契約一時金他

日本たばこ産業株式会社

Keryx

Biopharmaceuticals, Inc.

アメリカ

高リン血症治療剤「リオナ錠」の日本国内における独占的開発・商業化権に関するライセンス契約

2007年9月~特許満了日以後別途協議

契約一時金他

日本たばこ産業株式会社

日本

ALK-Abello A/S

デンマーク

室内塵ダニアレルギー疾患を対象としたアレルゲン免疫療法薬等の日本国内における独占的開発・販売権に関する契約

2011年1月~

期限の定めなし

契約一時金他

日本たばこ産業株式会社

日本

JAK阻害剤「コレクチム軟膏」の皮膚外用製剤について、日本国内における今後の共同開発及び販売に関する契約

2016年10月~15年間又は特許満了日のいずれか長い期間

以後1年毎更新

契約一時金他

BioCryst

Pharmaceuticals, Inc.

アメリカ

血漿カリクレイン阻害剤「オラデオカプセル」について、日本国内における独占的販売権に関するライセンス契約の一部変更契約

2023年11月~発売から10年間又は特許満了日のいずれか長い期間

一定料率のロイヤリティ

日本たばこ産業株式会社

日本

アトピー性皮膚炎治療剤、尋常性乾癬治療剤「ブイタマークリーム」について、日本国内における共同開発及び販売に関する契約

2020年1月~15年間又は特許満了日のいずれか長い期間

以後1年毎更新

契約一時金

 

 

 

相手先

国名

契約内容

契約期間

対価の支払

Verrica

Pharmaceuticals Inc.

アメリカ

皮膚疾患治療薬「TO-208」につい

て、伝染性軟属腫及び尋常性疣贅を対象とした日本国内における独占的開発・商業化権に関するライセンス契約(上記治療薬の国際共同治験に要する費用の負担及び支払方法に関する同修正契約を含む)

2021年3月~発売から10年間又は特許満了日のいずれか長い期間

契約一時金他

Nogra Pharma Limited

アイルランド

尋常性ざ瘡治療薬「TO-210」について、尋常性ざ瘡を対象とした日本国内における独占的開発・商業化権に関するライセンス契約

2023年1月~発売から12年間又は特許満了日のいずれか長い期間

契約一時金他

ALK-Abello A/S

デンマーク

イネ科花粉を原因抗原とする花粉症を対象としたアレルゲン免疫療法薬の日本国内における独占的開発・商業化権に関するライセンス契約

2023年12月~

期限の定めなし

開発マイルストーン他