当連結会計年度におけるわが国経済は、円安を背景とした企業収益の改善により、緩やかな回復基調が見られましたが、中国をはじめとする新興国等の景気の下振れや、これを起因とするリスクオフの円買い、米FRBの政策金利の据え置きによる円高の進行など、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような事業環境下におきまして、当社グループは、全社を挙げて各事業の特性及び付加価値性を活かした営業活動を推進いたしました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は21,401百万円(前連結会計年度比4.8%増)となり、利益面におきましては、営業利益6,219百万円(前連結会計年度比11.4%増)、経常利益5,985百万円(前連結会計年度比14.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,171百万円(前連結会計年度比5.6%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
・不動産事業
オフィスビルにおける事業環境は、底堅い需要に支えられ、入居率・賃料水準とも堅調に推移したものの、新築物件の供給が相次ぎ、一部空室率の上昇も見られました。一方、商業ビルにおける事業環境は、訪日外国人の増加によるインバウンド需要の高まりがあったものの、景気の先行き不透明感を背景に国内個人消費の鈍化傾向が見られました。
このような状況下、不動産事業におきましては、運営・管理面において高サービスと低コストとの両立を推し進めるとともに、所有ビル個々の特性を活かした高付加価値化を図るべく、継続的なリニューアル、安全対策、環境対策等に注力してまいりました。
建物の賃貸等では、ビルの特性に応じたテナント獲得の強化に取り組み、加えて、平成27年3月に開業した商業施設「ROX・3G」が売上に寄与したこともあり増収増益となりました。なお、期末時点における入居率は95.3%(前連結会計年度末91.0%)となりました。
展示場・会議室の賃貸に関しましては、新規顧客の獲得に努め、TOC五反田メッセの開業もあり、増収減益となりました。
駐車場の賃貸に関しましては、定期駐車契約台数の増加により増収増益となりました。
以上の結果、不動産事業の売上高は17,196百万円(前連結会計年度比5.7%増)となり、営業利益は5,907百万円(前連結会計年度比11.5%増)となりました。
・リネンサプライ及びランドリー事業
リネンサプライ及びランドリー事業におきましては、主要な取引先であるホテルの稼働が堅調に推移したことにより、売上高は1,710百万円(前連結会計年度比2.7%増)となり、営業利益は72百万円(前連結会計年度比86.8%増)と増収増益となりました。
・その他
スポーツクラブ及び温浴施設事業は、スポーツクラブ事業の会員数が堅調に推移したことにより、事業全体としても増収増益となりました。ビル管理関連サービス事業は、請負工事等の減少により減収減益となりました。製薬事業は、増収減益となりました。
この結果、その他の合計では、売上高は2,495百万円(前連結会計年度比0.8%増)、営業利益は227百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。
なお、当期の単体の業績につきましては、売上高は15,994百万円(前期比2.5%増)、営業利益5,350百万円(前期比5.7%増)、経常利益5,115百万円(前期比8.9%増)、当期純利益3,433百万円(前期比15.2%減)となりました。
当連結会計年度末おける現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ343百万円増加し13,193百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は7,490百万円(前連結会計年度比12.7%増)となりました。
主な内訳は、増加要因として税金等調整前当期純利益5,993百万円及び減価償却費3,255百万円の計上であり、減少要因として未払消費税等の減少額325百万円であります。また、前連結会計年度との比較では845百万円多い資金の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は1,804百万円(前連結会計年度は有形固定資産の売却による収入6,333百万円などの要因により3,834百万円の資金の増加)となりました。
主な内訳は、減少要因として有形固定資産の取得による支出1,812百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は5,343百万円(前連結会計年度比10.9%減)となりました。
主な内訳は、増加要因として長期借入れによる収入3,565百万円、社債の発行による収入1,986百万円及び短期借入金の純増額769百万円であり、減少要因は長期借入金の返済による支出10,462百万円及び配当金の支払額1,094百万円であります。また、前連結会計年度との比較では651百万円少ない資金の支出になりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) |
その他(製薬事業) | 193 | 77.9 |
(注) 金額は売価換算価格によっており、消費税等は含まれておりません。
上記その他(製薬事業)は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 比率(%) | 前年同期比(%) |
不動産事業 |
|
|
|
建物の賃貸等 | 14,864 | 69.4 | ∔5.2 |
展示場・会議室の賃貸 | 1,506 | 7.0 | ∔8.7 |
駐車場の賃貸 | 825 | 3.9 | ∔9.3 |
小計 | 17,196 | 80.3 | ∔5.7 |
リネンサプライ及びランドリー事業 | 1,710 | 8.0 | ∔2.7 |
その他 |
|
|
|
製薬事業 | 190 | 0.9 | ∔3.0 |
商品販売及び飲食事業 | 31 | 0.2 | △15.3 |
スポーツクラブ及び温浴施設事業 | 1,970 | 9.2 | ∔1.7 |
ビル管理関連サービス事業 | 303 | 1.4 | △2.1 |
情報処理関連事業 | - | - | - |
小計 | 2,495 | 11.7 | ∔0.8 |
合計 | 21,401 | 100.0 | ∔4.8 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、中長期的に安定的かつ持続的な成長を果たすため、収益性を向上させる施策を積極的に実施し、経営基盤の強化を図ってまいります。所有する個々のビルにおきましては、更なる運営の効率化、より木目細かなリニューアルの実施等により、ビル個々の付加価値を高める経営施策を推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 不動産市況(オフィスビル市況)
当社グループにおける営業利益の大半を、不動産事業におけるビル賃貸事業収益で占めております。所有する賃貸ビルはそれぞれ特性を持ち、その特性を生かした営業活動を行っておりますが、景気動向等によるビル需給の変動により業績に影響を受ける可能性があります。
(2) 商業ビルの事業環境
所有している商業ビルは、スポーツクラブ、温浴施設等を併設しており、より集客性の高い複合ビル(施設)となっておりますが、個人の消費動向または地域の景気動向により業績に影響を受ける可能性があります。
(3) 自然災害、人的災害による影響
所有している賃貸ビルは、横浜市所在の「TOCみなとみらい」を除く全てが東京都内に立地しております。日頃より安全管理推進室を中心に災害に対する対応等を研究しておりますが、地震、暴風雨その他自然災害、また、火災、事故、テロその他犯罪等人的災害が発生した場合には、想定との乖離により、その対応、対策に齟齬をきたし、大きな損害につながり経営に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法令・税制の変更
当社グループの事業に関連する法制度が変更され、事業において新たな義務、制約及び費用負担等が発生することになった場合、また、関連する税制度が変更された場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 製薬事業におけるリスク
製薬事業においては、市場動向により営業面に影響がありますが、この他に生産過程における事故等が発生した場合、大きなイメージの低下を招く恐れがあります。この場合、当社グループ全体の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 情報の管理
不動産事業及びスポーツクラブ及び温浴施設事業等において顧客情報を保有しております。セキュリティー対策等については万全を期しておりますが、不可抗力のシステムトラブルのみならず、内部・外部の要因により情報流出が発生した場合は、企業グループの信用低下、補償等コストの発生とともに、営業面においても影響を受ける可能性があります。
(7) 固定資産の減損リスク
「固定資産の減損に係る会計基準」により、当社グループが保有する固定資産が、不動産市況または収益状況の悪化等の事由により、帳簿価額を減額しなければならない可能性があります。
(8) 保有する投資有価証券の評価
当社グループが保有する投資有価証券について、時価のあるものについては期末時点の時価(株価等)の変動により、また、時価のないものについては期末時点での発行会社の財務状況等により評価しておりますが、市場動向等により損失が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。
資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,638百万円減少し132,576百万円となりました。主な減少は、有形固定資産が1,433百万円及び投資有価証券が1,213百万円であります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,998百万円減少し53,862百万円となりました。主な増加は、1年内償還予定の社債を含めた社債が1,900百万円及び短期借入金が769百万円であり、主な減少は、1年内返済予定の長期借入金を含めた長期借入金が6,897百万円及び繰延税金負債(固定負債)が518百万円であります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,360百万円増加し78,713百万円となりました。主な増加は、親会社株主に帰属する当期純利益4,171百万円であり、主な減少は、剰余金の配当1,098百万円であります。
自己資本比率は、前連結会計年度末の56.1%から当連結会計年度末は58.9%となりました。
(2) 経営成績の分析
①売上高及び営業利益
不動産事業では、オフィスの需給が堅調に推移しており、当社グループが所有するビルは全体の入居率が改善するなど増収要因となりました。また、平成27年3月に開業した「ROX・3G」が通期稼働し、売上高に寄与しました。
この結果、当事業での売上高は前連結会計年度に比べ922百万円増の17,196百万円となりました。
リネンサプライ及びランドリー事業は、主要取引先であるホテルの稼働が堅調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ44百万円増の1,710百万円となりました。
その他は、スポーツクラブ及び温浴施設事業において、スポーツクラブ事業の会員数が堅調に推移したため増収増益となりました。ビル管理関連サービス事業は、請負工事等の減少により減収減益となりました。製薬事業は、増収減益となりました。
この結果、当事業での売上高は、前連結会計年度に比べ19百万円増の2,495百万円となりました。
以上、当連結会計年度の売上高は21,401百万円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ2.5%増の13,149百万円となりました。売上原価率は1.4%減少し61.4%になりました。
販売費及び一般管理費は、租税公課の増加等により前連結会計年度に比べ1.3%増の2,032百万円となりました。
この結果、営業利益は6,219百万円(前連結会計年度比11.4%増)となりました。
セグメント別での売上高の構成は、不動産事業80.3%、リネンサプライ及びランドリー事業8.0%、その他11.7%となっております。
営業外収益は、受取配当金の増加等により、前連結会計年度に比べ15百万円増加しました。営業外費用は、支払利息の減少等により、前連結会計年度に比べ113百万円減少しました。
この結果、経常利益は5,985百万円(前連結会計年度比14.6%増)となりました。
当連結会計年度における特別損益は、特別利益として投資有価証券売却益7百万円を計上しました。この結果、税金等調整前当期純利益は5,993百万円となりました。なお、前連結会計年度に計上した特別利益1,701百万円は、固定資産売却益であります。
税金等調整前当期純利益から法人税等合計1,794百万円を差引き、非支配株主に帰属する当期純利益を除いた親会社株主に帰属する当期純利益は4,171百万円(前連結会計年度比5.6%減)となりました。自己資本利益率は5.4%(前連結会計年度比0.6%減)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。