文中の将来に関する事項は、当事業年度末の末日現在において当社が判断したものです。
(1)経営方針
当社は、セルフメディケーションを推進し人々の健康に対するニーズに合わせ、医療用医薬品、OTC医薬品、その他の健康関連商品等、幅広い製品の開発、販売を行っていきます。高度な技術と高い倫理観のもと、健康関連の医薬品メーカーとして長年の経験を活かして、誇りと責任を持ち続け、社会に貢献します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
① 競争力あるスペシャリティファーマとしての企業体質を強化
② 眼科領域の新薬開発を基本に永続的企業発展
③ セルフメディケーション推進に貢献すべくOTC医薬品・ヘルスケア製品の市場獲得
④ 活力ある企業風土の醸成
(3)経営環境及び対処すべき課題
医薬品業界は医療費抑制のなか依然として厳しい状況が続くものと予想され、当社においても主力点眼剤の後発品への切り替え等、さらに厳しさが加速する状況にあります。このような経済状況のもとで当社は、医薬事業、ヘルスケア事業、国際事業を中心に事業を推進してまいりました。国際事業の分野では、第3四半期会計期間より、更なるグローバル事業展開を強化するために海外の開発部門と営業部門を統合し、「国際事業本部」を新設いたしました。このため、第3四半期会計期間より、経営管理の観点から従来の報告セグメントである「特販事業」を「国際事業」に名称変更し、従来「特販事業」に区分していた国内向けの医薬品原料の販売ならびに受託製造販売に関わる事業を「医薬事業」に変更しております。
医薬事業につきましては、眼科領域での医療ニーズにあった製品の上市と眼科関連製品の全国的な販売活動を行うこと等により相乗効果を上げ、幅広い市場浸透を目指してまいります。
ヘルスケア事業につきましては、消費者のニーズにあった製品を上市し、「強力わかもと」「アバンビーズ」をはじめとする当社製品の特長が分かりやすい店頭啓蒙と通販事業の早期事業確立を通じて、愛用者の拡大に努めてまいります。
国際事業につきましては、当社で培われた乳酸菌製剤技術に基づく製品及び眼科関連製品の海外での浸透に努めてまいります。
またスピード感ある経営の実践、全社的な業務改革を継続的に進め、コスト削減、製品の高品質・低原価に努めてまいります。
(4)中期経営計画(2019年度~2023年度)
当社は、おかげさまをもちまして2019年4月に創立90周年を迎えました。これを機に2019年5月15日、新たな中期計画を策定しました。本中期経営計画は、前中期経営計画で推し進めてまいりました眼科領域の新薬開発及び眼科領域での後発医薬品事業強化を引き続き推進するとともに、昨年新設した国際事業本部でグローバル展開を加速せんとするものです。また、ヘルスケア事業では、新規に立ち上げた通販事業を確立させ、本中期経営計画を推進し、次の創立100周年に向けた基盤を固めてまいります。
この数値目標としては2023年度を最終年度として、売上高17,700百万円、営業利益2,200百万円、経常利益2,200百万円を掲げております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
①法的規制について
当社は薬機法をはじめとする、各種の薬事関連の規制のもとにあり、医薬品の開発、製造、流通、その他の段階で、様々な承認・認可制度や監視制度が設定されております。これらの規制の新設及び強化等により財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②薬価改定について
医療用医薬品では、毎年実施される薬価改定により医薬品の薬価が下がる可能性があります。販売価格の下落により財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③医薬品の開発について
医薬品の開発には多くの費用・労力・時間を要しますが、それにもかかわらず、商業的に成功する製品とならない可能性があります。研究開発の成果を享受できない場合、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④訴訟リスクについて
当社が営業活動を行なうにあたり、製造物責任(PL)関連、環境関連等に関し、訴訟を提起される可能性があります。訴訟を提起された場合、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤災害・事故等について
当社の生産拠点は相模大井工場の1ヵ所のみであるため、この地域において大規模災害の発生や事故等により、操業中断に追い込まれる事態になった場合、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑥製商品の販売状況について
当社医療用医薬品事業の主力点眼剤の後発品切り替え等により、これら競合品との競争激化が、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
これらの他にも様々なリスクが存在しており、ここに記載されたリスクが当社の全てのリスクではありません。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀による金融緩和策を背景に、企業収益や雇用環境の改善等により緩やかな回復基調で推移しましたが、海外の政治・経済動向の不確実性が高まっており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。このような経済状況のもとで当社は、医薬事業、ヘルスケア事業、国際事業を中心に事業を推進してまいりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末における総資産は、177億6千4百万円となり前事業年度末比9千万円(0.5%減)の減少となりました。
当事業年度末における総負債は、40億3百万円となり前事業年度末比2億5千5百万円(6.8%増)の増加となりました。
当事業年度末における純資産は、137億6千万円となり前事業年度末比3億4千6百万円(2.5%減)の減少となりました。
b.経営成績
当事業年度の売上高は107億3千9百万円(前期比1.5%減)、営業損失3億9千1百万円(前年同期は営業損失7千3百万円)、経常損失4億9百万円(前年同期は経常損失8千万円)、当期純損失1億8千1百万円(前年同期は当期純利益1億2千5百万円)となりました。
セグメント別の売上高の状況につきましては、医薬事業では売上高は68億3千3百万円(前年同期比0.1%減)となりました。ヘルスケア事業では、売上高は30億7千4百万円(前期比1.6%増)となりました。国際事業では、売上高は6億4千5百万円(前年同期比24.1%減)となりました。不動産賃貸業では、売上高は1億8千7百万円(前年同期比1.3%増)となりました。なお、第3四半期会計期間より報告セグメントの区分を変更し、また、第4四半期会計期間より不動産賃貸業を報告セグメントに追加しており、前事業年度との比較については変更後の報告セグメントの区分に基づいております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末から5億8千6百万円減少し、32億6千1百万円となりました。その内容の主なものは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により減少した資金は1億1千4百万円となりました。(前年同期に比べ収入が6億7千万円減少)
税引前当期純損失が2億2千9百万円あり、非資金支出項目である減価償却費が4億6千8百万円である一方で、たな卸資産の増加額が3億6千万円あったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により減少した資金は2億5百万円となりました。(前年同期に比べ支出が1億5千8百万円増加)
有形固定資産の取得による支出が3億7千1百万円ありましたが、保有資産の効率化を図り、不動産の売却による収入が2億8千万円あったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により減少した資金は2億6千6百万円となりました。(前年同期に比べ支出が3百万円減少)
長期借入金の返済による支出が1億6千万円、配当金の支払額が1億3百万円あったことが主な要因であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績及び仕入実績
イ 生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
医薬事業(千円) |
6,441,472 |
118.2 |
|
ヘルスケア事業(千円) |
3,287,213 |
104.4 |
|
国際事業(千円) |
578,505 |
68.0 |
|
不動産賃貸業(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
10,307,191 |
109.1 |
(注)1.金額は売価換算であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ 仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
医薬事業(千円) |
380,976 |
115.5 |
|
ヘルスケア事業(千円) |
57,304 |
109.2 |
|
国際事業(千円) |
- |
- |
|
不動産賃貸業(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
438,280 |
114.7 |
(注)1.金額は実際仕入額であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)受注実績
販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産を行っております。従って受注生産は行っておりません。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
医薬事業(千円) |
6,833,136 |
99.9 |
|
ヘルスケア事業(千円) |
3,074,209 |
101.6 |
|
国際事業(千円) |
645,072 |
75.9 |
|
不動産賃貸業(千円) |
187,559 |
101.3 |
|
合計(千円) |
10,739,976 |
98.5 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱メディセオ |
1,406,179 |
12.9 |
1,373,020 |
12.8 |
|
㈱スズケン |
1,281,294 |
11.8 |
1,342,486 |
12.5 |
|
アルフレッサヘルスケア㈱ |
1,279,394 |
11.7 |
1,141,973 |
10.6 |
3.上記の金額には消費税は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討
1)財政状態
(資産合計)
当事業年度末における総資産は177億6千4百万円となり前事業年度末比9千万円(0.5%減)の減少となりました。流動資産は96億2千4百万円となり4千5百万円(0.5%増)の増加、固定資産は81億3千9百万円となり1億3千5百万円(1.6%減)の減少となりました。
流動資産が増加いたしましたのは、現金及び預金が減少した一方、原材料及び貯蔵品、売掛金が増加したことが主たる要因であります。固定資産が減少いたしましたのは、投資有価証券、不動産売却による建物、土地が減少したことが主たる要因であります。
(負債合計)
負債合計は、40億3百万円となり前事業年度比2億5千5百万円(6.8%増)の増加となりました。流動負債は27億8百万円となり2億9千4百万円(12.2%増)の増加、固定負債は12億9千4百万円となり3千8百万円(2.9%減)の減少となりました。
流動負債が増加いたしましたのは、未払費用が増加したことが主たる要因であります。一方、固定負債が減少いたしましたのは、長期借入金が減少したことが主たる要因であります。
(純資産合計)
純資産合計は、137億6千万円となり前事業年度末比3億4千6百万円(2.5%減)の減少となりました。繰越利益剰余金が減少したことが主たる要因であります。
この結果、自己資本比率は、前事業年度末の79.0%から77.5%となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、前事業年度に比べ 1.5%減の107億3千9百万円となりました。
医薬事業では「マキュエイド眼注用40mg」、「ドルモロール配合点眼液」、「カルテオロール塩酸塩LA点眼液」の売上が増加いたしましたが、契約期間終了によるロイヤリティ収入が減少、ならびに長期収載品である「ジクロード点眼液0.1%」、「リズモンTG点眼液」の売上が減少いたしました。その結果、売上高は68億3千3百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
ヘルスケア事業では、主力製品の「強力わかもと」の売上が減少しましたが、通販事業における「アバンビーズ オーラルタブレット」の売上が増加いたしました。その結果、売上高は30億7千4百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
国際事業では、輸出用の「マキュエイド眼注用40㎎」が増加いたしましたが、海外向け「わかもと」及び輸出用原料薬品が減少いたしました。その結果、売上高は6億4千5百万円(前年同期比24.1%減)となりました。
不動産賃貸業の主たる収入はコレド室町関連の賃貸料であります。売上高は1億8千7百万円(前年同期比1.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、通販事業の事業拡大及び新製品発売等により、広告宣伝費及び販売費が増加いたしました。また、医薬事業の緑内障新薬開発において、臨床試験フェーズⅢに入り、研究開発費が増加いたしました。このため前事業年度に比べて5.7%増の65億9百万円となりました。
(営業利益・経常利益・当期純利益)
上記の結果により営業損失3億9千1百万円、経常損失4億9百万円とともに損失となりました。また当期純損失は固定資産売却益を含め1億8千1百万円となりました。
(業績予想との比較)
期初業績予想では売上高111億円、営業損失5億1千万円、経常損失5億1千万円を想定しておりました。これに対しヘルスケア事業・国際事業の売上は減少しましたが、治験計画の見直しにより、今期予定しておりました研究開発費(臨床試験費用)が期ずれにより減少したことから営業損失・経常損失ともに当初の予想より損失幅が縮小いたしました。
3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
資金需要のうち主なものは、原材料購入費用等の製造費、販売費及び一般管理費、設備投資及び無形固定資産の購入等によるものであります。特に、販売費及び一般管理費の研究開発費は会社の将来に繋がる重要な投資であります。
短期運転資金は自己資金及び金融関係からの短期借入を基本としており、投資資金や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
当社は、資金調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう、借入の一部分については金利スワップなどの手段を活用しております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1億4千5百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は32億6千1百万円となっております。
該当事項はありません。
当社は医療用医薬品及びヘルスケア関連製品を通じて人々の健康に奉仕することを自らの使命とし、常に時代のニーズに即応した高品質医薬品の研究開発に努めております。
当事業年度の研究開発費の総額は
研究開発につきましては、新たな中期経営計画では、永続的企業発展の為に眼科領域の新薬開発を基本に、成長分野での長期的視点に立った研究開発を推進してまいります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1)医薬事業
医薬事業では、中期経営計画期間中、WP-1108、WP-1303を上市し、次の新薬開発に着手します。また、営業戦略に沿った眼科領域のジェネリック医薬品を開発します。
(2)ヘルスケア事業
ヘルスケア事業では、「わかもと」ブランドと乳酸菌の機能に着目した製品ラインナップを機動的に拡充します。
(3)国際事業
国際事業では、グローバルなライセンスアウトに寄与する研究開発を推進します。
(4)不動産賃貸業
研究開発活動は行っておりません。