第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第2四半期累計期間における日本経済は、コロナ禍からの経済正常化の動きにより、緩やかな回復基調となりました。その一方、原材料・エネルギー価格の高騰による物価の上昇や金融引き締め等による景気後退リスクなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社事業を取り巻く環境は、医薬事業においては、毎年の薬価改定による薬剤費の引き下げが継続的に推し進められ、引き続き、厳しい環境下にありますが、ヘルスケア事業では、国内消費が緩やかに持ち直していることに加え、インバウンド需要が回復しております。

 

 a.財政状態

 当第2四半期会計期間末における総資産は、158億1千1百万円となり前事業年度末比9千9百万円(0.6%)の増加となりました。流動資産は88億4千7百万円となり5億5百万円(5.4%)の減少、固定資産は69億6千3百万円となり6億5百万円(9.5%)の増加となりました。

 流動資産が減少いたしましたのは、現金及び預金が増加した一方、売掛金が減少したことが主たる要因であります。固定資産が増加いたしましたのは、投資有価証券が増加したことが主たる要因であります。

 一方、負債の部は、37億7千9百万円となり前事業年度末比2千5百万円(0.7%)の減少となりました。流動負債は20億9百万円となり2億2千9百万円(10.3%)の減少、固定負債は17億6千9百万円となり2億4百万円(13.0%)の増加となりました。

 流動負債が減少いたしましたのは、買掛金が減少したことが主たる要因であります。一方、固定負債が増加いたしましたのは、繰延税金負債が増加したことが主たる要因であります。

 純資産の部は、120億3千2百万円となり前事業年度末比1億2千5百万円(1.1%)の増加となりました。その他有価証券評価差額金が増加したことが主たる要因であります。

 この結果、自己資本比率は、前事業年度末の75.8%から76.1%となりました。

 

 b.経営成績

 当第2四半期累計期間の売上高は36億1千8百万円(前年同期比10.0%減)、営業損失3億2千8百万円(前年同期は営業損失8千5百万円)、経常損失3億1千9百万円(前年同期は経常損失2千7百万円)、四半期純損失は2億2千2百万円(前年同期は四半期純損失2千1百万円)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 医薬事業では、その活動として、医療機関や卸へこれまでの医療用医薬品の適正使用の推進と副作用関連の情報提供活動に加え、主力製品である眼科手術補助剤・眼科用副腎皮質ホルモン剤「マキュエイド眼注用40㎎」の供給停止に関する情報提供を引き続き推進してまいりました。また、卸との連携をより一層強化し、既存の後発医薬品、体外診断用医薬品などの売上伸長に努めてまいりました。前年度より新規参入した医療機器の分野においても、ターゲット施設を明確にしたプロモーション活動を推進してまいりました。

 不採算品算定の特例措置により薬価が引き上がった「ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「わかもと」」の売上が増加、アデノウイルス感染症拡大の影響によりアデノウイルスキット「キャピリアアデノアイNeo」の売上も増加いたしました。一方で、製品供給停止の影響により「マキュエイド眼注用40㎎」の売上が減少、薬価引き下げに加えて、花粉飛散状況の影響等を受け、抗アレルギー点眼薬「ゼペリン点眼液0.1%」及び「エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%「わかもと」」の売上が減少いたしました。その結果、売上高は16億2千5百万円(前年同期比23.7%減)となりました。

 ヘルスケア事業においては、主力製品の「強力わかもと」を軸にインバウンド需要に対応した店頭での販促活動やSNSを活用した広告宣伝による国内向けに認知拡大を図ってまいりました。また通販では4月に女性特有の悩みに寄り添うことを目的にフェムテックブランド「フェミフローラ」の発売を開始いたしました。

 戦略的に広告宣伝費を抑制したことにより、通販事業における「アバンビーズ オーラルタブレット」の売上が減少いたしましたが、インバウンド需要を的確に取り込み、主力製品の「強力わかもと」の売上が増加いたしました。その結果、売上高は10億7千4百万円(前年同期比26.4%増)となりました。

 グローバル事業にあっては、台湾などアジア圏での「強力わかもと」の販売に加え、欧米、アジア圏におけるライセンスイン・アウトの活動、また中国越境ECビジネスでの代理店との協働を促進した営業活動を行い、国内では乳酸菌原料を始めとし、医薬品原料の販売や受託製造を推進してまいりました。

 輸出用の点眼剤の売上が増加いたしましたが、輸出用の「強力わかもと」及び国内における抗アレルギー点眼薬の受託製品の売上が減少いたしました。その結果、売上高は8億3千1百万円(前年同期比12.3%減)となりました。

 不動産賃貸業の主たる収入はコレド室町関連の賃貸料であります。オフィス賃貸料及び商業賃貸料はテナント入替の影響により減少いたしました。その結果、売上高は8千6百万円(前年同期比3.5%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末から8千2百万円増加し、39億6千1百万円となりました。その内容の主なものは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期累計期間において営業活動により増加した資金は1億8百万円となりました。(前年同期に比べ収入が1億4千5百万円減少)

 この主な要因は、税引前四半期純損失が1億6千9百万円、非資金支出項目である減価償却費が1億9千9百万円、売上債権の減少が7億3千6百万円、仕入債務の減少が1億4千6百万円あったためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期累計期間において投資活動により増加した資金は7千8百万円となりました。(前年同期に比べ収入が7千1百万円減少)

 この主な要因は、投資有価証券の売却による収入が2億2千9百万円あったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期累計期間において財務活動により減少した資金は1億4百万円となりました。(前年同期に比べ支出が1億3百万円増加)

 この主な要因は、配当金の支払額が1億3百万円あったためであります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図る上で、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」が重要であると認識し、当社取締役会として、優先的に対処すべき課題として、その取組につき、議論を重ねております。

 

(4)研究開発活動

 当第2四半期累計期間における当社の研究開発活動の金額は2億7千万円であります。なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 今後につきましては、引き続き永続的企業発展のために眼科領域の新薬開発を基本に、成長分野での長期的視点に立った研究開発を推進してまいります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。