当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期累計期間における日本経済は、コロナ禍からの経済正常化の動きにより、緩やかな回復基調となりました。その一方で、ウクライナ情勢や中東情勢は緊迫した状況が続いており、原材料価格・エネルギー価格および人件費の高騰による物価高の影響で、個人消費の低迷が続いており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社を取り巻く環境は、医薬事業では毎年の薬価改定による薬剤費の引き下げが継続的に推し進められ厳しい状況にありますが、ヘルスケア事業では国内消費が緩やかに持ち直しつつある事に加え、インバウンド需要が回復しております。
この結果、当第3四半期累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当第3四半期会計期間末における総資産は、152億5千4百万円となり前事業年度末比4億5千6百万円(2.9%
)の減少となりました。流動資産は86億5千3百万円となり7億円(7.5%)の減少、固定資産は66億1百万円となり2億4千3百万円(3.8%)の増加となりました。
流動資産が減少いたしましたのは、現金及び預金、売掛金が減少したことが主たる要因であります。固定資産が増加いたしましたのは、ソフトウエア、投資有価証券が増加したことが主たる要因であります。
一方、負債の部は、35億5千3百万円となり前事業年度末比2億5千1百万円(6.6%)の減少となりました。流動負債は19億1千4百万円となり3億2千4百万円(14.5%)の減少、固定負債は16億3千8百万円となり7千2百万円(4.6%)の増加となりました。
流動負債が減少いたしましたのは、買掛金、未払費用、賞与引当金が減少したことが主たる要因であります。一方、固定負債が増加いたしましたのは、繰延税金負債が増加したことが主たる要因であります。
純資産の部は、117億1百万円となり前事業年度末比2億5百万円(1.7%)の減少となりました。繰越利益剰余金が減少したことが主たる要因であります。
この結果、自己資本比率は、前事業年度末の75.8%から76.7%となりました。
b.経営成績
当第3四半期累計期間の売上高は55億8千6百万円(前年同期比10.9%減)、営業損失は2億5千9百万円(前年同期は営業利益3千3百万円)、経常損失は2億2千5百万円(前年同期は経常利益1億2千8百万円)、法人税等調整額として9千5百万円計上したため四半期純損失は2億5百万円(前年同期は四半期純利益1億1千万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
医薬事業では、その活動として、医療機関や卸へこれまでの医療用医薬品の適正使用の推進と副作用関連の情報提供活動に加え、主力製品である眼科手術補助剤・眼科用副腎皮質ホルモン剤「マキュエイド眼注用40㎎」の供給停止に関する情報提供を引き続き推進してまいりました。また、卸との連携をより一層強化し、既存の後発医薬品、体外診断用医薬品などの売上伸長に努めてまいりました。前年度より新規参入した医療機器の分野においても、ターゲット施設を明確にしたプロモーション活動を推進してまいりました。
不採算品算定の特例措置により薬価が引き上がった「ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「わかもと」」の売上が増加、アデノウイルス感染症拡大の影響によりアデノウイルスキット「キャピリアアデノアイNeo」の売上も増加いたしました。一方で、製品供給停止の影響により「マキュエイド眼注用40㎎」の売上が減少、薬価引き下げに加えて、花粉飛散状況の影響等を受け、抗アレルギー点眼薬「ゼペリン点眼液0.1%」及び「エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%「わかもと」」の売上が減少いたしました。その結果、売上高は24億9千万円(前年同期比23.7%減)となりました。
ヘルスケア事業では、インバウンド需要の取り込み、店頭での販促活動やSNSを活用した広告宣伝による国内向けの認知拡大を図ってまいりました。これまで企業努力により原材料・エネルギー価格の高騰に対応してまいりましたが、10月に32年ぶりに主力製品である「強力わかもと」の価格改定を行いました。また、通販では女性特有の悩みに寄り添うことを目的にフェムテックブランド「フェミフローラ」の育成を行ってまいりました。
戦略的に広告宣伝費を抑制したことにより、通販事業における「アバンビーズ オーラルタブレット」の売上が減少いたしましたが、主力製品の「強力わかもと」の売上が増加いたしました。その結果、売上高は17億6千8百万円(前年同期比25.5%増)となりました。
グローバル事業では、台湾などアジア圏での「強力わかもと」の販売に加え、欧米、アジア圏におけるライセンスイン・アウトの活動、また中国越境ECビジネスでの代理店との協働を促進した営業活動を行い、国内では乳酸菌原料を始めとし、医薬品原料の販売や受託製造を推進してまいりました。
輸出用原料薬品の売上が増加いたしましたが、輸出用の「強力わかもと」および国内における点眼薬の受託製品の売上が減少いたしました。その結果、売上高は11億9千8百万円(前年同期比18.1%減)となりました。
不動産賃貸業の主たる収入はコレド室町関連の賃貸料であります。オフィス賃貸料及び商業賃貸料はテナント入 替の影響により減少いたしました。その結果、売上高は1億2千8百万円(前年同期比3.8%減)となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図る上で、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」が重要であると認識し、当社取締役会として、優先的に対処すべき課題として、その取組につき、議論を重ねております。
(3)研究開発活動
当第3四半期累計期間における当社の研究開発活動の金額は3億6千7百万円であります。なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
今後につきましては、引き続き永続的企業発展のために眼科領域の新薬開発を基本に、成長分野での長期的視点に立った研究開発を推進してまいります。
当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。