(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、緩やかな回復基調にあるものの、年初以降は急速に円高・株安が進み、景気の先行きは不透明な状況です。
当企業集団を取り巻く環境は、医薬品業界においては、後発品の使用促進策の強化など、医療費抑制のための諸施策が引き続き推進され、厳しい環境下にあります。
機能食品事業においても、輸入原材料の購入価格上昇の中、消費者の低価格志向は変わらず、市場の競争がさらに激化することで、同じく厳しい環境が続いております。
このような環境の中、当企業集団の売上高は842億9百万円、対前連結会計年度比5.3%の増収となりましたが、予定していました導出自社創製品の欧州での承認に伴う工業所有権等収益計上が次期の見込みとなったことから、営業利益は85億4千9百万円、対前連結会計年度比0.2%の減益、経常利益は89億5千2百万円、対前連結会計年度比0.3%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は税負担の軽減もあり、63億4千万円、対前連結会計年度比7.8%の増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①医薬品事業
医薬品事業では、長期収載品の売上は減少しましたが、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤「ザルティア」、骨髄異形成症候群治療剤「ビダーザ」、がん疼痛・慢性疼痛治療剤「トラマール」・「ワントラム」等新製品群の売上が伸長、また導出自社創製品の米国での承認取得に伴う工業所有権等収益を計上しました。その結果、売上高は704億8千9百万円と対前連結会計年度比6.3%の増収となりました。
②機能食品事業
機能食品事業では、ニュートリション素材等の売上は減少しましたが、たん白製剤、健康食品素材等の売上が伸長し、売上高は137億2千万円と対前連結会計年度比0.5%の増収となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが89億1千5百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが39億7千8百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが19億7百万円の支出となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ28億3千3百万円増加し、247億4千8百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
89億1千5百万円の収入(前連結会計年度61億1千3百万円の収入)となりました。主な内訳は、収入項目では税金等調整前当期純利益89億5千2百万円、減価償却費24億5千2百万円、その他の流動負債の増加8億3千5百万円、支出項目では、法人税等の支払額26億5千7百万円、退職給付に係る負債の減少額10億2千1百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
39億7千8百万円の支出(前連結会計年度37億1千8百万円の支出)となりました。主な内訳は有価証券の取得による支出14億5千万円(純額)、有形固定資産の取得による支出15億1千7百万円、長期前払費用の取得による支出6億5千万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
19億7百万円の支出(前連結会計年度17億7千3百万円の支出)となりました。配当金の支払等によるものです。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前年比(%) |
|
医薬品事業 |
39,112 |
0.1 |
|
機能食品事業 |
6,602 |
△0.7 |
|
合計 |
45,714 |
△0.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額は、消費税等抜きであります。
3.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前年比(%) |
|
医薬品事業 |
30,207 |
2.3 |
|
機能食品事業 |
6,818 |
△18.9 |
|
|
37,025 |
△2.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額は、消費税等抜きであります。
3.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(3)受注状況
当企業集団のほとんどは販売計画に基づいた生産であり、受注状況の記載を省略しております。
(4)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前年比(%) |
|
医薬品事業 |
70,489 |
6.3 |
|
機能食品事業 |
13,720 |
0.5 |
|
合計 |
84,209 |
5.3 |
(注)1.上記の金額は、消費税等抜きであります。
2.セグメント間取引については相殺消去しております。
3.主な相手先への販売実績及び当該販売実績の総販売高に占める割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱メディセオ |
15,510 |
19.4 |
15,485 |
18.4 |
|
アルフレッサ㈱ |
13,616 |
17.0 |
13,966 |
16.6 |
|
㈱スズケン |
12,821 |
16.0 |
13,480 |
16.0 |
|
東邦薬品㈱ |
8,237 |
10.3 |
8,777 |
10.4 |
(1)現状認識と対処方針について
当社は、厳しい経営環境の中、ヘルスケア分野で社会になくてはならない事業体として、社会から信頼され、評価される組織、すなわち「ヘルスケア分野で存在意義のある会社」になることを強く意識して、その実現を目指してまいりました。平成27年3月期からスタートしました第五次5ヵ年中期経営計画では、第四次中期経営計画において築いた土台を礎に、新たな成長を目指してまいります。
医薬品事業では、注力する5領域(泌尿器科、血液内科、難病・希少疾患、婦人科、耳鼻咽喉科)を中心として、治療ニーズが満たされていないニッチ領域を主なターゲットに、病気で困っている患者さんの福音となる、高品質で特長のある医薬品を提供してまいります。研究開発においては、自社創薬、導入、プロダクト・ライフサイクル・マネジメント(PLCM)を3本柱として、新製品を投入するとともに、自社創薬に加えて積極的な導入活動を行い、研究開発パイプラインの充実を図ります。販売面では、注力領域に経営資源を投入し、医薬品の価値を最大化するとともに、3つの製品群(ザルティア、ビダーザ、肺動脈性肺高血圧症治療薬群)を成長ドライバーとして育成していきます。サプライチェーンにおいては、高生理活性医薬品の製造設備への投資を行い、自社創薬品の製造および受託製造の拡大を図り、製品の安定供給はもとより、調達・製造・物流の各段階において、業務の効率化とコストマネジメントを推進していきます。海外事業においては、上市予定の自社創薬品の展開については、各国の状況等に応じて最適な展開の方法を選択し事業の拡大を図ります。
機能食品事業では、製薬企業としての高い技術力を活かし、注力する3分野(健康食品素材、品質安定保存剤、ニュートリション素材)を中心として、「健康長寿」「アクティブライフ」「食の安全・安心」「食品ロスの削減」に貢献する高品質で高付加価値の差別化できる機能食品素材を市場へ投入していきます。
グループの人事政策については、女性社員および高年齢再雇用者を積極的に活用するとともに、独自性をつくるのは人材との認識のもと、採用、育成等を強化していきます。
第五次中期経営計画を、全ての業務において他社との違いを明確にし、独自基盤を構築するシナリオと位置付け、全員で共有しベクトルをあわせて、「ヘルスケア分野で存在意義のある会社」の実現に向けて邁進してまいります。
(2)株式会社の支配に関する基本方針について
-当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)-
当社は、平成19年6月28日開催の当社定時株主総会において「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」(以下「本対応方針」といいます。)を導入し、その後、平成22年6月29日開催の当社定時株主総会、平成25年6月27日開催の当社定時株主総会において株主の皆様からご承認を受け、本対応方針に所要の変更を加え、更新いたしました。その有効期限が本年6月29日開催の当社定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)終結の時までとなっており、本対応方針の有効期間の満了を迎えるにあたり、その取扱いについて、当社の企業価値の向上および株主共同の利益確保の観点から、国内外の機関投資家をはじめとする株主の皆様のご意見や買収防衛策をめぐる近時の動向などを考慮しつつ、継続的に検討してまいりました。
かかる検討の結果、当社を取り巻く経営環境等が本対応方針更新時から変化するとともに、本対応方針の導入目的である当社株式に対する大規模買付行為が行われた場合における株主の皆様の検討に必要な情報と時間の確保については、金融商品取引法によりある程度担保されていることなどから、当社としましては、本対応方針の意義が相対的に低下してきていると判断し、平成28年5月12日開催の当社取締役会において、本定時株主総会終結の時をもって、本対応方針を終了し更新しないことを決議しました。
当社は、本対応方針終了後も当社株式の大規模買付を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他の関係法令並びに当社定款の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいりますとともに、引き続き企業価値の向上及び株主共同の利益の確保に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす
可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
(1) 法的規制などに関するリスク
当企業集団の主事業である医薬品事業と機能食品事業は、医薬品・医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保に関する法律あるいは食品衛生法等の関連法規による厳格な規制があり、これらの法規の変更が行われる場合、製品の回収や販売の中止を余儀なくされることがあり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、知的財産権の侵害や製造物責任等に関するリスクもあり、これらが発生したときも、場合によっては経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 研究開発に関するリスク
医薬品の研究開発には、巨額の資金と長い期間を要します。しかし、それが成果として新製品発売や技術導出として結実する確率は、決して高くありません。有用性が認められなかったり、安全性の問題で、途中で研究開発を断念する事態にいたった場合、投下した資金が回収できず、場合によっては当企業集団の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 副作用に関するリスク
医薬品は、十分な安全性試験と厳しい審査を経てから販売が承認されます。しかし、市販後に予測されなかった副作用があらわれ、販売中止・製品回収を余儀なくされた場合には、当企業集団の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 薬価改定に関するリスク
医療用医薬品の販売価格は、わが国の医療保険制度における薬価基準に基づいて設定しますが、この薬価基準は通常2年に一度の改定で概ね引き下げられます。この引き下げ幅の大きさによっては、当企業集団の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 製造と仕入れに関するリスク
当企業集団は製造拠点を集約化し、生産効率を向上させております。その反面、自然災害等により製造拠点の操業が停止した場合、製品の供給が停止して経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また商品や重要な原料には、特定の取引先から供給されているものがありますので、その仕入れが停止した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)技術導出契約等
|
相手先 (国名) |
契約の内容 |
対価の受取 |
締結年月 |
有効期間 |
|
Meiji Seika ファルマ株式会社 |
プルリフロキサシンの共同開発及び製剤に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 売上高に応じた一定料率のロイヤリティ |
1990.8 |
特許の存続期間又は再審査期間のいずれか長い期間 |
|
アンジェリーニ社 (イタリア) |
プルリフロキサシン製剤に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 原末供給(ロイヤリティ含む) |
1993.7 |
発売から15年又は対象特許の満了日までのいずれか長い期間 |
|
泰俊製薬 (韓国) |
イルソグラジンマレイン酸塩製剤の製造、販売の実施許諾 |
契約一時金 原末供給 |
2002.9 |
発売から6年 |
|
アクテリオンファーマシューティカルズ社 (スイス) |
NS-304製剤に関する特許権の |
契約一時金 売上高に応じた一定料率のロイヤリティ |
2008.4 |
発売から10年又は対象 |
|
柳英製薬 (韓国) |
デキサメタゾンシペシル酸エステル製剤に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 売上高に応じた一定料率のロイヤリティ |
2008.6 |
発売から15年 |
|
BL&H社 (韓国) |
トリセノックス製剤の独占販売権許諾 |
契約一時金 |
2008.11 |
オーファンドラッグの指定が満了する日まで又は販売承認から10年のいずれか長い期間 |
|
リーズ・ファーマ社 (香港) |
プルリフロキサシン製剤に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 売上高に応じた一定料率のロイヤリティ |
2009.3 |
輸入承認から10年 |
|
イルソグラジンマレイン酸塩製剤の販売権許諾 |
製剤供給(ロイヤリティ含む) |
2011.2 |
契約発効日から10年 |
|
|
アルゴリズム社 (レバノン) |
プルリフロキサシン製剤に関する特許権の実施許諾 |
契約一時金 原末供給(ロイヤリティ含む) |
2010.10 |
発売から15年 |
(2)販売契約等(導入)
|
相手先 (国名) |
契約の内容 |
締結年月 |
有効期間 |
|
エバース社 (ドイツ) |
エビプロスタット錠の供給、販売契約 |
1968.4 |
2008年4月まで 以降5年毎更新 |
|
エビプロスタット配合錠DBの供給、 販売契約 |
2005.11 |
2015年11月まで 以降5年毎更新 |
|
|
ファイザー社 (アメリカ) |
エストラムスチン製剤の供給、販売契約 |
1980.7 |
2018年6月まで 以降更新 |
|
ヤンセンファーマ株式会社 (日本) |
リボスチン点鼻液の供給、販売契約 |
2000.1 |
2010年12月まで 以降1年毎更新 |
|
リボスチン点眼液の供給、販売契約 |
2000.9 |
2011年1月まで 以降1年毎更新 |
|
|
株式会社日本点眼薬研究所 (日本) |
アズノールうがい液4%の供給、 販売契約 |
2001.7 |
2017年8月まで 以降1年毎更新 |
|
相手先 (国名) |
契約の内容 |
締結年月 |
有効期間 |
|
東光薬品工業株式会社 (日本) |
アムノレイク錠2mgの供給、販売契約 |
2001.12 |
2020年6月まで 以降1年毎更新 |
|
サノフィ株式会社 (日本) |
オドリック錠の供給、販売契約 |
2002.8 |
2012年9月まで 以降1年毎更新 |
|
セファロン社 (アメリカ) |
トリセノックス製剤の供給、販売契約 |
2008.9 |
2023年9月まで |
|
株式会社メドレックス (日本) |
ヨードコート軟膏0.9%の供給、販売契約 |
2004.7 |
2020年8月まで |
|
バイエル薬品株式会社 (日本) |
バイナス錠の供給、販売契約 |
2006.4 |
2018年12月まで |
|
ロンザ社 (スイス) |
エトドラクの供給契約 |
2007.4 |
2018年12月まで 以降更新 |
|
ノーベルファーマ株式会社 (日本) |
ルナベル錠の供給、販売契約 |
2007.11 |
2023年7月まで 以降1年毎更新 |
|
イーライリリーアンドカンパニー社 (アメリカ) |
タダラフィル製剤の供給、販売契約 |
2009.4 |
2024年4月まで 以降1年毎更新 |
|
日本イーライリリー株式会社 (日本) |
|||
|
グリュネンタール社 (ドイツ) |
トラマドール塩酸塩の供給、製剤の 製造・販売契約 |
2010.1 |
2025年9月まで 以降2年毎更新 |
|
セルジーン・ロジスティクス社 (スイス) |
アザシチジン製剤の供給、販売契約 |
2010.8 |
2026年3月まで |
|
メルクセローノ社 (ドイツ) |
アカンプロサートカルシウム製剤の 供給、販売契約 |
2013.1 |
2023年5月まで |
|
アクテリオンファーマシューティカルズ社 (スイス) |
オプスミット錠の共同販促契約 |
2010.2 |
発売から10年又は対象特許の満了日までのいずれか長い期間 |
|
エンド社 (アイルランド) |
トラマドール塩酸塩徐放性製剤の供給、 販売契約 |
2010.3 |
発売から15年又は対象特許の満了日までのいずれか長い期間 |
(3)販促委託契約
|
相手先 (国名) |
契約の内容 |
締結年月 |
有効期間 |
|
ファイザー株式会社 (日本) |
トラマドール塩酸塩製剤の販促活動 委託契約 |
2013.9 |
2026年3月まで |
(注)上記の契約は、全て提出会社に係るものであります。
当企業集団は、人々の健康と豊かな生活創りに貢献することを基本理念として、国際的視野に基づく研究開発を志向し、ターゲットを絞った国際的新薬の創製、高品質の機能食品素材の開発に努めております。
当連結会計年度における研究開発費は97億3千9百万円で、対売上高比率11.6%であります。
①医薬品事業
注力する5領域(泌尿器科、血液内科、難病・希少疾患、婦人科、耳鼻咽喉科)に対して、自社創薬、導入、プロダクト・ライフサイクル・マネジメント(PLCM)を3本柱に開発パイプラインの充実を図り、着実かつ継続的な新製品の上市を目指します。
当連結会計年度末における研究開発活動の進捗は次の通りです。
(国内開発状況)
・肺高血圧症治療剤「NS-304(一般名:セレキシパグ)」については、アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社と共同で実施した肺動脈性肺高血圧症を対象とした第二相試験の有効性評価期間を終了し、平成28年1月に製造販売の承認申請を行いました。また、慢性血栓塞栓性肺高血圧症を対象とした第二相試験についても同社と共同で実施中です。閉塞性動脈硬化症を対象とした第二相の探索的試験は、日本新薬が単独で実施中です。
・非ホジキンリンパ腫治療剤「GA101(一般名:オビヌツズマブ)」については、中外製薬株式会社と共同で、低悪性度・中高悪性度非ホジキンリンパ腫を対象とした第三相試験(国際共同治験)を実施中です。
・抗そう痒剤「NS-141」については、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒を対象とした第二相の探索的試験(追加試験)を実施中です。
・デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「NS-065」については、平成27年10月27日に厚生労働省より「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定され、平成28年1月には治験届を提出し、第一/二相試験を開始しました。
・子宮内膜症治療剤「NS-580」については、平成27年4月に第一相試験を開始しました。
(海外開発状況)
・「NS-304」について、導出先のアクテリオン ファーマシューティカルズ社(スイス)が、米国で平成27年12月に販売承認を取得し、平成28年1月に販売を開始しました。また、欧州では平成28年1月に承認勧告を受けました。
・合成抗菌剤「プルリフロキサシン」については、中国において導出先のリーズ・ファーマ社(香港)が第三相試験を終了し、現在申請準備中です。
・骨髄線維症治療剤「NS-018」については、米国において第一/二相試験を実施中です。
・「NS-065」については、平成28年3月に治験届を米国食品医薬品局(FDA)に提出し、前期第二相試験を開始しました。
当連結会計年度の研究開発費は、94億2千4百万円であります。
②機能食品事業
医薬品事業で培った高度な技術と厳しい品質管理ノウハウを活用し、機能食品素材の研究開発を行っております。
当連結会計年度における研究開発費は3億1千4百万円であります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示、ならびに当該会計期間における収益・費用の報告数値に与える見積りおよび仮定の設定を行っております。諸取引額および当該引当計上額、投資等に関する見積りおよび判断に対して、継続的に評価しております。その見積りおよび判断は過去の実績ならびに状況に即して合理的と考えられるものを基礎としておりますが、見積り等の不確実性があり、実際の結果は異なる場合があります。
当社では、以下の重要な会計方針が、特に当企業集団の連結財務諸表の見積りおよび判断に重要な影響を及ぼしていると考えております。
①収益
当企業集団の売上は、製・商品出荷時を基準としており、卸売業者への販売手数料を回収実績に応じ、見積り控除しております。
②諸引当金
別掲しております引当金の計上基準に基づいて計上しております。
③投資
円滑な長期的取引関係の維持のため上場・非上場株式の少数持分を所有しており、通常時価相当額が簿価の一定率を下回った場合、減損処理をしております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①概要
売上高は842億9百万円、対前連結会計年度比5.3%の増収となりましたが、予定していました導出自社創製品の欧州での承認に伴う工業所有権等収益計上が次期の見込みとなったことから、営業利益は85億4千9百万円、対前連結会計年度比0.2%の減益、経常利益は89億5千2百万円、対前連結会計年度比0.3%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は税負担の軽減もあり、63億4千万円、対前連結会計年度比7.8%の増益となりました。
②売上高
<医薬品事業>
長期収載品の売上は減少しましたが、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤「ザルティア」、骨髄異形成症候群
治療剤「ビダーザ」、がん疼痛・慢性疼痛治療剤「トラマール」・「ワントラム」等新製品群の売上が伸長、また
導出自社創製品の米国での承認取得に伴う工業所有権等収益を計上しました。その結果、売上高は704億8千9百万
円と対前連結会計年度比6.3%の増収となりました。
<機能食品事業>
機能食品事業では、ニュートリション素材等の売上は減少しましたが、たん白製剤、健康食品素材等の売上が
伸長し、売上高は137億2千万円と対前連結会計年度比0.5%の増収となりました。
③販売費及び一般管理費
販売促進費等の増加により、316億4千3百万円と前連結会計年度に比べ4.8%の増加となりました。
④営業外損益
営業外損益の純額では、4億3百万円の利益と、前連結会計年度に比べ3千7百万円増加しました。
⑤法人税等
法人税率等引下げにより、法人税等が前連結会計年度に比べ4億3千3百万円減少しました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
医薬品事業においては、薬価引き下げ、後発医薬品の使用促進などの医療費抑制策が一層強化される中、一方では新製品開発に伴う研究開発費が増大するなど、業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。機能食品事業においても、消費の低迷など厳しい経済環境の中、お客様からの品質や食の安全に対する要求はますます厳格化することが予想されます。
(4)戦略的現状と見通し
当企業集団は、「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」ことを経営理念とし、ヘルスケア分野で社会になくてはならない事業体として、社会から信頼され、尊敬される存在、すなわち「存在意義のある会社」を目指しています。この経営理念のもと、目指す姿を実現するための基本方針として以下の3項目を「経営方針」に掲げています。
■ 高品質で特長のある製品を提供する (顧客)
■ 社会からの信頼を得る (社会)
■ 一人ひとりが成長する (社員)
この経営方針に基づき、当社は医薬品事業ならびに機能食品事業を事業内容として患者様やお客様のニーズにお応えする製品を提供してまいります。それにより社会からの信頼を得るとともに競争力と収益性を高め、企業価値の最大化を目指します。
翌連結会計年度の見通しについて、医薬品事業においては、引き続き後発品処方促進策の影響はあるものの、「ビダーザ」や「ザルティア」等新製品群の伸長に加えて、導出自社創製品の欧州での承認取得に伴う一時金収入および海外売上に伴うロイヤリティ収入の寄与等により増収を見込んでいます。
機能食品事業においては、新製品開発・投入に一層注力し重点品目への取組みを強化するものの、一部製品の販売価格低下の影響もあり、微減収を見込んでいます。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当企業集団の資金状況は、前連結会計年度6億8千4百万円の収入に対して、当連結会計年度は28億3千3百万円の収入となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、89億1千5百万円の収入となりました。主な内訳は、収入項目では税金等調整前当期純利益89億5千2百万円、減価償却費24億5千2百万円、その他の流動負債の増加8億3千5百万円、支出項目では、法人税等の支払額26億5千7百万円、退職給付に係る負債の減少額10億2千1百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、39億7千8百万円の支出となりました。主な内訳は有価証券の取得による支出14億5千万円(純額)、有形固定資産の取得による支出15億1千7百万円、長期前払費用の取得による支出6億5千万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、19億7百万円の支出となりました。配当金の支払等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は247億4千8百万円となりました。