第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針
  当企業集団は「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」ことを経営理念とし、ヘルスケア分野で社会になくて
はならない事業体として、社会から信頼され、尊敬される存在、すなわち「存在意義のある会社」を目指していま
す。この経営理念のもと、目指す姿を実現するための基本方針として以下の3項目を「経営方針」に掲げています。
  ■ 高品質で特長のある製品を提供する(顧客)
  ■ 社会からの信頼を得る(社会)
  ■ 一人ひとりが成長する(社員)
  この経営方針に基づき、当社は医薬品事業ならびに機能食品事業を事業内容として、患者様やお客様のニーズにお応えする製品を提供してまいります。そのことにより社会からの信頼を得るとともに競争力と収益性を高め、企業価値の最大化を目指します。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

第六次5ヵ年中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)の最終年度である2024年3月期の数値目標として、売上高1,500億円、営業利益400億円、親会社株主に帰属する当期純利益300億円、EPS(1株当たり当期純利益)445円、ROE(自己資本利益率)10%以上を目指しております。

 

   (3) 経営環境

当企業集団を取り巻く環境は、医薬品業界においては、後発品の使用促進策の強化など、医療費抑制のための諸施策が引き続き推進され、厳しい環境下にあります。

機能食品事業においても、輸入原材料の購入価格上昇の中、消費者の低価格志向は変わらず、市場の競争がさらに激化することで、同じく厳しい環境が続いております。

 

   (4) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

当社は、医療制度の抜本改革、技術革新の進展、業界再編など変化の激しい経営環境の中、ヘルスケア分野で社会になくてはならない事業体として、社会から信頼され、評価される組織、すなわち「ヘルスケア分野で存在意義のある会社」になることを強く意識して、その実現を目指してまいりました。第152期(2015年3月期)からスタートしました第五次5ヵ年中期経営計画では、自社創薬品の肺動脈性肺高血圧症治療剤「ウプトラビ」、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤「ザルティア」、骨髄異形性症候群治療剤「ビダーザ」等の新製品群の国内売上の伸長に加えて、「ウプトラビ」の海外売上に伴うロイヤリティ収入や肺動脈性肺高血圧症治療剤「オプスミット」の共同販促収入等が寄与し、売上高1,100億円、営業利益180億円、ROE10%をいずれも達成し、企業価値の指標の1つである時価総額も大きく増加したことが示すように、社会に対する存在意義を高めることができました。

2019年度からスタートした第六次5ヵ年中期経営計画では、今までに築き上げてきた経営基盤をベースとして、持続的な成長基盤を強固なものにするために『6つの取り組み』( (1) 研究開発を通じた新しい価値の創造、(2) グローバル事業の推進、(3) ESG経営への取り組み強化による企業価値の向上、(4) 一人ひとりが活躍できる組織風土の醸成、(5) AIの積極的活用とIT化の推進、(6) さらなる経営基盤の強化)に挑戦することにより、社会からの存在感をさらに高め、特長のある製品をグローバルに展開することで、目指すべき姿である「ヘルスケア分野で存在意義のある会社」として、世界における存在意義を高めることを目指してまいります。

医薬品事業では、注力する4領域(泌尿器科、血液内科、難病・希少疾患、婦人科)を中心として治療ニーズが満たされていない疾患領域を主なターゲットに、病気で困っている患者様の福音となる高品質で特長のある医薬品を提供してまいります。研究開発においては創薬技術の新規モダリティを視野に入れた自社創薬、導入、プロダクト・ライフサイクル・マネジメント(PLCM)により、研究開発パイプラインの充実を図るとともに、継続的に市場へ新製品を投入していきます。販売については、製品の多様化や創薬技術の高度化に対応し、必要としている患者様に医師などの医療関係者を通じて、医薬品とその情報を適切に届けることで製品価値の最大化を目指していきます。国内医薬品事業については医療提供体制の変化への対応と、エリアマーケティングの強化により、新製品の早期市場浸透を図っていきます。海外医薬品事業については米国子会社を米国の事業拠点とし、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「NS-065/NCNP-01」とそれに続く核酸医薬品の販売体制を構築していきます。また、欧州、中国などについては各国の状況に応じて最適な展開の方法を選択し事業の拡大を図ります。サプライチェーンにおいては、製品や原薬のグローバル展開に伴い、サプライチェーン・信頼性保証体制のグローバル化の推進とグローバル供給体制を構築していきます。

機能食品事業では、製薬企業としての高い技術力を活かし、注力4分野(健康食品素材、品質安定保存剤、プロテイン製剤、サプリメント)を中心として、市場ニーズに応える高付加価値製品を市場へ投入していきます。

グループの人事政策については、「特長のある製品は個性あふれる人材から」との考えから、性別、国籍、文化などの区別なく、従業員の多様性を尊重し、個性を活かして前向きにチャレンジする機会を提供することで、一人ひとりが活躍し、成長する組織風土の醸成を目指します。

第六次5ヵ年中期経営計画は、持続的な成長を支える強固な経営基盤の構築を成し遂げるために、本計画を他社との違いを明確にし、さらなる独自性を追求するためのシナリオと位置付けました。全社員がこれまでの仕事の進め方や考え方にとらわれず、一人ひとりが自らの壁を乗り越えて『6つの取り組み』に果敢に挑戦することで、目指すべき姿の実現に向けて邁進してまいります。

第六次5ヵ年中期経営計画の最終年度である2024年3月期に売上高1,500億円、営業利益400億円、親会社株主に帰属する当期純利益300億円、EPS(1株当たり当期純利益)445円、ROE(自己資本利益率)10%以上を目指します。

 

 

 

2【事業等のリスク】

   有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす
   可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
   なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

(1) 法的規制等に関するリスク
 当企業集団の主事業である医薬品事業と機能食品事業は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」あるいは「食品衛生法」等の関連法規による厳格な規制があります。これらの関連法規の改正等が行われる場合、製品の回収や販売の中止を余儀なくされることがあり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 (2) 知的財産権に関するリスク

当企業集団では、知的財産権を適切に管理し、第三者からの侵害に注意を払っていますが、第三者から侵害を受けた場合は、当企業集団の売上減少にもつながることもあるため、その保護のため訴訟を提起する場合があります。また、当企業集団の事業活動が第三者の知的財産権に抵触することのないように注意を払っていますが、万が一抵触した場合は、係争やこれによる損害賠償や当該事業の中止につながるリスクがあります。これらのリスクは、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

  (3) 訴訟に関するリスク

当企業集団の事業活動に関連して、将来において、医薬品の副作用、製造物責任、環境、労務問題、公正取引等に関する訴訟を提起される可能性があります。その動向によっては、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 研究開発に関するリスク
 医薬品の研究開発には、巨額の資金と長い期間を要します。しかし、それが成果として新製品発売や技術導出として結実する確率は、決して高くありません。有用性が認められなかったり、安全性の問題により途中で研究開発を断念する事態に至ったりした場合は、投下した資金が回収できず、場合によっては経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 副作用に関するリスク
 医薬品は、十分な安全性試験と厳しい審査を経て販売が承認されます。しかし、市販後に予測されなかった副作用が発現し、製品回収や販売中止を余儀なくされた場合は、当企業集団の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 医療費抑制策等の行政動向に関するリスク
 医薬品事業は、薬事行政のもと様々な規制を受けています。その中の医療費抑制策の一環として、医療用医薬品の薬価引き下げやジェネリック医薬品の使用促進等の政策が取られており、さらなる医療制度改革の議論が続けられています。これら医療費抑制策を含めた医薬品の開発・製造・販売に関連する規制の厳格化など、医療制度改革の動向によっては、当企業集団の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 製造と仕入れに関するリスク
 当企業集団は製造拠点を集約化し、生産効率を向上させております。その反面、自然災害等により製造拠点の操業が停止した場合、製品の供給が停止して経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また商品や重要な原料には、特定の取引先から供給されているものがありますので、その仕入れが停止した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 金融市況および為替の動向に関するリスク

        株価・金利・外国為替等の金融市場の変動によって、保有する資産や年金資産の時価の下落や、外貨建ての取引における為替リスク等があります。これらの動向によっては、当企業集団の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 (9) ITセキュリティおよび情報管理に関するリスク

       当企業集団では、各種情報システムを使用しており、システム障害やサイバー攻撃等により業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの機密情報を保有しており、これらが事故等により社外に流出した場合には、損害賠償や社会的信用の毀損等により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、雇用や所得環境は堅調に推移していますが、海外経済は英国のEU離脱問題や、米中貿易摩擦による中国経済の減速など不透明な状況が続いています。
 当企業集団を取り巻く医薬品業界においては、薬価制度の抜本改革、後発品の使用促進策等、医療費抑制策のための諸施策が推進され、厳しい環境下にあります。

機能食品事業は、健康志向の高まりにより機能性食品へのニーズは強いものがありますが、節約志向による家計消費の伸び悩みや、運送コストや人件費の上昇、企業間の競争の激化等、厳しい事業環境が続いています。
このような環境の中、当企業集団は、ヘルスケア分野になくてはならない事業体として社会から信頼される会
社、すなわち「存在意義のある会社」になることを強く意識して、その実現を目指してまいりました。
その結果、当企業集団の業績は、国内医薬品新製品群の伸長に加え、共同販促収入や自社創薬品の肺動脈性肺高
血圧症治療剤「ウプトラビ」の海外売上に伴うロイヤリティ収入、マイルストン収入等が寄与し、売上高は1,147
億1千6百万円と対前連結会計年度比13.1%の増収となりました。利益面では、導入契約一時金の支払および臨床試験の進展に伴う研究開発費の増加、新製品群の販売促進費等が増加しましたが、増収によって営業利益は206億4千4百万円、対前連結会計年度比20.9%の増益、経常利益は215億4千万円、対前連結会計年度比23.4%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は163億2百万円、対前連結会計年度比25.9%と大幅な増益となりました。

 

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

  (医薬品事業)
 医薬品事業では、自社創薬品の肺動脈性肺高血圧症治療剤「ウプトラビ」、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤
「ザルティア」、ED治療剤「シアリス」、「ウプトラビ」の海外売上に伴うロイヤリティ収入および共同販促収入
等が伸長しました。加えて、昨年8月に中外製薬株式会社と共同で販売を開始したCD20陽性の濾胞性リンパ腫治療剤「ガザイバ」の売上および「ウプトラビ」のマイルストン収入等が寄与し、売上高は1,002億2千3百万円と対前連結会計年度比14.6%の増収となりました。

 (機能食品事業)
 健康食品素材、プロテイン製剤、品質安定保存剤等の売上が増加し、売上高は144億9千2百万円と対前連結会計年度比3.3%の増収となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが153億1千万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが5億1千1百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが37億8百万円の支出となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ121億2千2百万円増加し、396億3千2百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 153億1千万円の収入(前連結会計年度67億1千9百万円の収入)となりました。主な内訳は、収入項目では税金等調整前当期純利益215億4千万円、減価償却費34億1千8百万円、たな卸資産の減少9億7千2百万円、支出項目では、売上債権の増加額63億9千1百万円、法人税等の支払額43億5千5百万円でした。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 5億1千1百万円の収入(前連結会計年度113億4千2百万円の支出)となりました。主な内訳は、有価証券の償還による収入44億2千万円、支出は有形固定資産の取得による支出13億5千1百万円がありました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 37億8百万円の支出(前連結会計年度37億8千7百万円の支出)となりました。配当金の支払等によるものです。

③生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

対前年比(%)

医薬品事業

42,947

△1.4

機能食品事業

7,460

6.7

合計

50,408

△0.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

    2.上記の金額は、消費税等抜きであります。

    3.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

対前年比(%)

医薬品事業

37,041

3.7

機能食品事業

7,789

0.6

合計

44,831

3.1

 (注)1.金額は販売価格によっております。

    2.上記の金額は、消費税等抜きであります。

    3.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

(3)受注実績

 当企業集団のほとんどは販売計画に基づいた生産であり、受注実績の記載を省略しております。

(4)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

対前年比(%)

医薬品事業

100,223

14.6

機能食品事業

14,492

3.3

合計

114,716

13.1

 (注)1.上記の金額は、消費税等抜きであります。

    2.セグメント間取引については相殺消去しております。

    3.主な相手先への販売実績及び当該販売実績の総販売高に占める割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アクテリオンファーマシューティカルズ社

14,406

14.2

21,827

19.0

アルフレッサ㈱

15,763

15.5

17,511

15.3

㈱スズケン

15,896

15.7

17,309

15.1

㈱メディセオ

16,461

16.2

16,980

14.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

   経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り
  当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産・負債の計上額、および連結損益計算書上の収益・費用の計上額に影響を与える見積りおよび仮定の設定を行っております。

当社では、以下の重要な会計方針が、特に当企業集団の連結財務諸表の見積りおよび判断に重要な影響を及ぼしていると考えております。

  (1)収益
  当企業集団の売上は、製・商品出荷時を基準としており、卸売業者への販売手数料を回収実績に応じ、見積り控除しております。
(2)引当金
  「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 4.会計方針に関する事項 (ハ)重要な引当金の計上基準」に記載のとおりです。
(3)投資
  円滑な長期的取引関係の維持のため上場・非上場株式の少数持分を所有しており、通常時価相当額が簿価の一定率を下回った場合、減損処理をしております。

また、その他の重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりです。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  (1)経営成績等

 1)経営成績

当連結会計年度のわが国経済は、雇用や所得環境は堅調に推移していますが、海外経済は英国のEU離脱問題や、米中貿易摩擦による中国経済の減速など不透明な状況が続いています。当企業集団を取り巻く医薬品業界においては、薬価制度の抜本改革、後発品の使用促進策等、医療費抑制策のための諸施策が推進され、厳しい環境下にあります。機能食品事業は、健康志向の高まりにより機能性食品へのニーズは強いものがありますが、節約志向による家計消費の伸び悩みや、運送コストや人件費の上昇、企業間の競争の激化等、厳しい事業環境が続いています。このような環境の中、当企業集団は、ヘルスケア分野になくてはならない事業体として社会から信頼される会社、すなわち「存在意義のある会社」になることを強く意識して、その実現を目指してまいりました。その結果、当企業集団の業績は、国内医薬品新製品群の伸長に加え、共同販促収入や自社創薬品の肺動脈性肺高血圧症治療剤「ウプトラビ」の海外売上に伴うロイヤリティ収入、マイルストン収入等が寄与し、売上高は1,147億1千6百万円と対前連結会計年度比13.1%の増収となりました。利益面では、導入契約一時金の支払および臨床試験の進展に伴う研究開発費の増加、新製品群の販売促進費等が増加しましたが、増収によって営業利益は206億4千4百万円、対前連結会計年度比20.9%の増益、経常利益は215億4千万円、対前連結会計年度比23.4%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は163億2百万円、対前連結会計年度比25.9%と大幅な増益となりました。


(売上高)
(医薬品事業)

医薬品事業では、自社創薬品の肺動脈性肺高血圧症治療剤「ウプトラビ」、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤
「ザルティア」、ED治療剤「シアリス」、「ウプトラビ」の海外売上に伴うロイヤリティ収入および共同販促収入
等が伸長しました。加えて、昨年8月に中外製薬株式会社と共同で販売を開始したCD20陽性の濾胞性リンパ腫治療剤「ガザイバ」の売上および「ウプトラビ」のマイルストン収入等が寄与し、売上高は1,002億2千3百万円と対前連結会計年度比14.6%の増収となりました。

 

 (機能食品事業)
 健康食品素材、プロテイン製剤、品質安定保存剤等の売上が増加し、売上高は144億9千2百万円と対前連結会計年度比3.3%の増収となりました。

 

 (販売費及び一般管理費)
  臨床試験の進展に伴う研究開発費の増加、新製品群の販売促進費等が増加し、431億1千9百万円と前連結会計年度に比べ56億8千万円の増加となりました。
(営業外損益)
  営業外収益は主に為替差益等が増加したことにより、14億3千5百万円と、前連結会計年度に比べ3億1千3百万円増加しました。また、営業外費用は為替差損等が減少したことにより、5億3千9百万円と前連結会計年度に比べ2億1千1百万円減少しました。
(法人税等)
  税金等調整前当期純利益が増加したことにより、法人税等は、52億1千7百万円と前連結会計年度に比べ7億3千5百万円増加しました。

 

 2)財政状態

(資産)
  流動資産は、前連結会計年度末に比べ、有価証券、たな卸資産等は減少しましたが、現金及び預金、受取手形及び売掛金などが増加し、1,107億2千万円となりました。固定資産は前期末に比べ、投資有価証券、長期前払費用、有形固定資産等が減少し、580億4千2百万円となりました。その結果、総資産は前連結会計年度末に比べ128億7千6百万円増加し、1,687億6千3百万円となりました。

(負債)
  流動負債は、前連結会計年度末に比べ、支払手形及び買掛金は減少しましたが、未払法人税等が増加し、254億6百万円となりました。固定負債は前連結会計年度末に比べ退職給付に係る負債等が増加し81億6千5百万円となりました。その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ、33億7千5百万円増加し、335億7千2百万円となりました。

(純資産)
  株主資本は前連結会計年度末に比べ、125億9千3百万円増加し、1,288億2千7百万円となりました。その他の包括利益累計額は前連結会計年度末に比べ31億7百万円減少し、61億9百万円となりました。その結果、純資産は前連結会計年度末に比べ95億1百万円増加し、1,351億9千万円となりました。

 

 

(2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績に重要な影響を与える要因について、医薬品事業においては、薬価引き下げ、後発医薬品の使用促進などの医療費抑制策が一層強化される中、一方では新製品開発に伴う研究開発費が増大するなど、業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。機能食品事業においても、消費の低迷など厳しい経済環境の中、お客様からの品質や食の安全に対する要求はますます厳格化することが予想されます。
 翌連結会計年度の見通しについて、医薬品事業においては、10月に予定されている薬価改定の影響はあるものの、「ウプトラビ」、「ガザイバ」、「ザルティア」等新製品群の伸長、ウプトラビの海外売上に伴うロイヤリティ収入の伸長等によって、増収を見込んでいます。

機能食品事業においては、新製品開発・投入に一層注力し重点品目への取組みを強化することで、増収を見込
んでいます。

 

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

1)キャッシュ・フロー
 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

2)資金需要
 当企業集団の事業活動における運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入れのほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、従業員給付費用、研究開発費、販売促進費などであります。
 また、当企業集団は、生産設備の拡充・合理化及び研究開発力の強化などを目的とした継続的な設備投資のほか、新薬候補物質や上市品の導入など、開発パイプライン及び製品ポートフォリオの価値最大化に向けた戦略的な投資を実施しております。

 

3)財務政策
 当企業集団は現在、運転資金につきましては内部資金より充当しております。設備資金につきましては、設備資金計画に基づき、資本コスト等も意識して内部資金で不足感が生じる場合には、銀行借入等又は社債等で調達する方針です。

 また、当社は取引銀行5行と当座貸越契約(当座貸越極度額5,740百万円)を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ、機動的な資金調達を行なってゆく考えです。現在のところ設備資金につきましても外部調達の必要は生じておりません。
 なお、国内外子会社の運転資金、設備資金に不足が生じる場合には、必要に応じて親会社より貸付を行なうなど、できる限り企業集団の中で資金を手当てしております。

 

(4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 第五次5ヵ年中期経営計画(2014年4月~2019年3月)の最終年度である2019年3月期は、売上高1,100億円、営業利益180億円、親会社株主に帰属する当期純利益120億円、ROE10%をいずれも達成することができました。

2019年度からスタートした第六次5ヵ年中期経営計画では、最終年度である2024年3月期に売上高1,500億円、営業利益400億円、親会社株主に帰属する当期純利益300億円、EPS(一株当たり当期純利益)445円、ROE(自己資本利益率)10%以上を目指します。

 1年目となる2020年3月期の連結予想につきましては、売上高1,160億円、営業利益210億円、親会社株主に帰属する当期純利益165億円を見込んでおります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術導出契約等

相手先

(国名)

契約の内容

対価の受取

締結年月

有効期間

Meiji Seika ファルマ株式会社
(日本)

NM441(プルリフロキサシン)の共同開発及び製剤に関する特許権の実施許諾

契約一時金

売上高に応じた一定料率のロイヤリティ

1990.8

特許の存続期間又は再審査期間のいずれか長い期間

以後1年毎更新

アンジェリーニ社

(イタリア)

NM441(プルリフロキサシン)に関する特許権の実施許諾

契約一時金

原末供給(ロイヤリティ含む)

1993.7

発売から15年又は対象特許の満了日までのいずれか長い期間

泰俊製薬

(韓国)

ガスロンN(イルソグラジンマレイン酸塩)の製造、販売の実施許諾

契約一時金

原末供給

2002.9

発売から10年

以後2年毎更新

アクテリオンファーマシューティカルズ社

(スイス)

ウプトラビ(セレキシパグ)に関する特許権の実施許諾

契約一時金
原末供給

売上高に応じた一定料率のロイヤリティ

2008.4

発売から10年又は対象特許の満了日までのいずれか長い期間

柳英製薬

(韓国)

エリザス(デキサメタゾンシペシル酸エステル)に関する特許権の実施許諾

契約一時金
製剤供給

売上高に応じた一定料率のロイヤリティ

2008.6

発売から15年

以後2年毎更新

BL&H社

(韓国)

トリセノックス注(三酸化二ヒ素注射液)の独占販売権許諾

契約一時金
製品供給(ロイヤリティ含む)

2008.11

オーファンドラッグの指定が満了する日まで又は販売承認から10年のいずれか長い期間

以後1年前に通知がない限り継続

リーズ・ファーマ社

(香港)

NM441(プルリフロキサシン)に関する特許権の実施許諾

契約一時金
原末供給

売上高に応じた一定料率のロイヤリティ

2009.3

輸入承認から10年

以後1年毎更新

ガスロンN(イルソグラジンマレイン酸塩)の販売権許諾

製剤供給(ロイヤリティ含む)

2011.2

2024年12月まで

以後3年毎更新

アルゴリズム社

(レバノン)

NM441(プルリフロキサシン)に関する特許権の実施許諾

契約一時金

原末供給(ロイヤリティ含む)

2010.10

発売から15年

以後1年毎更新

 

 

(2)販売契約等(導入)

相手先

(国名)

契約の内容

締結年月

有効期間

エバース社

(ドイツ)

エビプロスタット錠の供給、販売契約

1968.4

2008年4月まで

以後5年毎更新

エビプロスタット配合錠DBの供給、

販売契約

2005.11

2015年11月まで

以後5年毎更新

ファイザー社

(アメリカ)

エストラサイトの供給、販売契約

1980.7

2020年6月まで

ヤンセンファーマ株式会社

(日本)

リボスチン点鼻液の供給、販売契約

2000.1

2010年12月まで

以後1年毎更新

リボスチン点眼液の供給、販売契約

2000.9

2011年1月まで

以後1年毎更新

株式会社日本点眼薬研究所

(日本)

アズノールうがい液4%の供給、

販売契約

2001.7

販売終了まで

東光薬品工業株式会社

(日本)

アムノレイク錠2mgの供給、販売契約

2001.12

2020年6月まで

以後1年毎更新

セファロン社

(アメリカ)

トリセノックス注の供給、販売契約

2002.8

2023年9月、承認から10年、特許満了日の長い方

以後1年毎更新

株式会社メドレックス

(日本)

ヨードコート軟膏0.9%の供給、販売契約

2004.7

2020年8月まで

ロンザ社

(スイス)

ハイペンの供給契約

2007.4

2019年12月まで

ノーベルファーマ株式会社

 (日本)

ルナベル錠の供給、販売契約

2007.11

2028年9月まで、

以後1年毎更新

イーライリリーアンドカンパニー社

 (アメリカ)

ザルティア、シアリス、アドシルカの供給、販売契約

2009.4

2024年4月まで

以後1年毎更新

日本イーライリリー株式会社

 (日本)

グリュネンタール社

 (ドイツ)

トラマールOD錠、トラマール注の供給、製剤の製造、販売契約

2010.1

2025年9月又は特許満了日の長い方

以後2年毎更新

セルジーン・ロジスティクス社

(スイス)

ビダーザ注射用の供給、販売契約

2006.11

2026年3月まで

メルクセローノ社

(ドイツ)

レグテクトの供給、販売契約

2013.1

2023年5月まで

アクテリオンファーマシューティカルズ社

(スイス)

オプスミット錠の共同販促契約

2010.2

2025年6月又は特許満了日までの長い方

以後3年毎更新

エンド社

(アイルランド)

ワントラム錠の供給、販売契約

2010.3

2029年11月又は特許満了日の長い方

以後1年毎更新

中外製薬株式会社

(日本)

ガザイバ点滴静注の共同開発および共同販売契約

2012.11

2033年8月又は特許満了日の長い方

以後1年毎更新

 

 

 

相手先

(国名)

契約の内容

締結年月

有効期間

ファーマコスモス社

(デンマーク)

「NS-32」(鉄欠乏性貧血治療剤)の独占的開発権および独占的販売権の許諾契約

2016.12

発売から15年又は特許満了日の長い方

以後1年毎更新

ジャズ・ファーマシューティカルズ社

(アイルランド)

 

「NS-73」(肝中心静脈閉塞症治療剤)の独占的開発権および独占的販売権の許諾契約

2017.3

発売から15年

以後1年毎更新

「NS-87」(二次性急性骨髄性白血病治療剤)の独占的開発権および独占的販売権の許諾契約

2017.3

発売から15年

以後1年毎更新

デルタフライファーマ株式会社

(日本)

「NS-917」(再発・難治性急性骨髄性白血病治療剤)の独占的開発権および独占的販売権の許諾契約

2017.3

発売から15年又は特許満了日の長い方

以後1年毎更新

ゾゲニクス社

(アメリカ)

「ZX008」(ドラベ症候群及びレノックス・ガストー症候群治療剤)の独占的販売権の許諾契約

2019.3

2045年9月まで

 

 

(3)販促委託契約

相手先

(国名)

契約の内容

締結年月

有効期間

ファイザー株式会社

(日本)

トラマールOD錠、ワントラム錠の販促活動委託契約

2013.9

2026年3月まで

以後1年毎更新

ヤンセンファーマ株式会社

(日本)

アーリーダ錠60mgの共同販促契約

2019.1

2027年4月まで

 

 (注)上記の契約は、全て提出会社に係るものであります。

 

 

5【研究開発活動】

当企業集団は、人々の健康と豊かな生活創りに貢献することを基本理念として、国際的視野に基づく研究開発を志向し、ターゲットを絞った国際的新薬の創製、高品質の機能食品素材の開発に努めております。
 当連結会計年度における研究開発費は
16,701百万円で、対売上高比率14.6%であります。

①医薬品事業

 注力する5領域(泌尿器科、血液内科、難病・希少疾患、婦人科、耳鼻咽喉科)に対して、自社創薬、導入、
プロダクト・ライフサイクル・マネジメント(PLCM)を3本柱に開発パイプラインの充実を図り、着実かつ継続的
な新製品の上市を目指しています。

 当連結会計年度末における研究開発活動の進捗は次の通りです。

 

(国内開発状況)

・肝中心静脈閉塞症 (VOD) 治療剤「NS-73(一般名:デフィブロチドナトリウム)」については、2017年3月にジャ
ズ・ファーマシューティカルズ社(アイルランド)より導入し、昨年9月に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指
定を受け、昨年10月17日に承認申請を行いました。また、昨年6月よりVODの予防を対象とした第三相試験を、ジ
ャズ・ファーマシューティカルズ社と共同で開始しました。

・「NS-304(一般名:セレキシパグ)」については、慢性血栓塞栓性肺高血圧症を対象とした第三相試験を、アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社と共同で実施中です。同効能・効果については、2016年6月に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けました。また閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第二相試験
を、日本新薬が単独で実施中です。さらに腰部脊柱管狭窄を対象とした前期第二相試験を、日本新薬が単独で昨
年2月より開始しました。

・鉄欠乏性貧血治療剤「NS-32」については、2016年12月にファーマコスモス社(デンマーク)から導入し、本年3月より、第三相試験を開始しました。

・難治てんかん(ドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群)治療剤「ZX008」については、本年3月にゾゲニクス社(米国)から導入し、ゾゲニクス社が第三相試験を実施中です。

・子宮内膜症治療剤「NS-580」については、2017年7月より前期第二相試験を実施中です。

・「NS-17(一般名:アザシチジン)」については、昨年1月より急性骨髄性白血病を対象とした第二相試験を開始しました。

・デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「NS-065/NCNP-01(一般名:ビルトラルセン)」については、第一/二相試験を終了しました。本剤は、2015年10月に厚生労働省より「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定されました。

・再発・難治性急性骨髄性白血病治療剤「NS-917」については、2017年3月にデルタフライファーマ株式会社(徳島
市)より導入し、開発準備中です。

・二次性急性骨髄性白血病治療剤「NS-87」については、2017年3月にジャズ・ファーマシューティカルズ社から導入し、開発準備中です。

 

(海外開発状況)

・合成抗菌剤「プルリフロキサシン」については、中国において導出先のリーズ・ファーマ社(香港)が第三相試験を終了し、2017年9月に承認申請しました。

・「NS-304」については、慢性血栓塞栓性肺高血圧症を対象とした第三相試験を導出先のジョンソン&ジョンソン社が本年3月より開始しました。

・「NS-065/NCNP-01(一般名:ビルトラルセン)」については、米国において第二相試験を実施し、本年2月より段階的承認申請を開始しました。本剤は、FDAより2016年10月にファストトラック指定を受け、さらに2017年1月にはオーファンドラッグ指定および希少小児疾患指定を受けました。

・骨髄線維症治療剤「NS-018」については、米国において次試験を準備中です。

 

  当連結会計年度の研究開発費は、16,360百万円であります。
 

②機能食品事業
医薬品事業で培った高度な技術と厳しい品質管理ノウハウを活用し、機能食品素材の研究開発を行っております。
当連結会計年度における研究開発費は
340百万円であります。