第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

 

 

 

(単位:億円)

 

2019年
第3四半期実績

2018年
第3四半期実績

前年同期比

連結損益(Core実績)

 

 

 

 

売上収益

5,089

4,264

+19.3

製商品売上高

4,405

3,887

+13.3

ロイヤルティ等収入及び
その他の営業収入

684

377

+81.4

売上原価

△2,013

△1,943

+3.6

売上総利益

3,075

2,321

+32.5

販売費

△510

△504

+1.2

研究開発費

△720

△663

+8.6

一般管理費等

△135

△122

+10.7

営業利益

1,711

1,033

+65.6

四半期利益

1,245

746

+66.9

 

 

 

 

 

連結損益(IFRS実績)

 

 

 

 

売上収益

5,089

4,264

+19.3

営業利益

1,609

979

+64.4

四半期利益

1,174

709

+65.6

 

 

<連結損益の概要(IFRSベース)>

当第3四半期連結累計期間の売上収益は5,089億円(前年同期比19.3%増)、営業利益は1,609億円(同64.4%増)、四半期利益は1,174億円(同65.6%増)となりました。これらには当社が管理する経常的業績(Coreベース)では除外している無形資産の償却費9億円、無形資産の減損損失25億円、早期退職優遇措置51億円及び事業所再編費用17億円が含まれています。

 

<連結損益の概要(Coreベース)>

当第3四半期連結累計期間の売上収益は、製商品売上高やロイヤルティ等収入及びその他の営業収入が大きく伸長し、5,089億円(前年同期比19.3%増)となりました。

売上収益のうち、製商品売上高は、国内がん領域における新製品や主力品、その他領域の新製品等の好調な推移に加え、アレセンサのロシュ向け輸出の増加により、4,405億円(同13.3%増)となりました。また、ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入は、ヘムライブラに関するロイヤルティ及びプロフィットシェア収入が大幅に増加し、684億円(同81.4%増)となりました。

製品別売上構成比の変化等により、製商品原価率は45.7%と前年同期比で4.3%ポイント改善しました。その結果、売上総利益は3,075億円(同32.5%増)となりました。

 

経費については、1,365億円(同5.9%増)となりました。販売費は510億円(同1.2%増)、研究開発費は開発テーマの進展等により720億円(同8.6%増)、一般管理費等は諸経費等の増加により135億円(同10.7%増)となりました。この結果、Core営業利益は1,711億円(同65.6%増)、Core四半期利益は1,245億円(同66.9%増)となりました。

 

※Core実績について

当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とはIFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであり、ロシュが開示するCore実績の概念とも整合しております。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。

 

<製商品売上高の内訳>

 

 

 

(単位:億円)

 

2019年
第3四半期実績

2018年
第3四半期実績

前年同期比

製商品売上高

4,405

3,887

+13.3

国内製商品売上高

3,244

2,908

+11.6

がん領域

1,797

1,633

+10.0

骨・関節領域

805

724

+11.2

腎領域

259

263

△1.5

その他領域

384

288

+33.3

海外製商品売上高

1,160

979

+18.5

 

 

[国内製商品売上高]

国内製商品売上高は、がん領域における新製品や主力品、その他領域の新製品等の好調な推移により、3,244億円(前年同期比11.6%増)となりました。

がん領域の売上は、1,797億円(同10.0%増)となりました。昨年の薬価改定及び後発品発売の影響により抗悪性腫瘍剤/抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン」などの売上が減少したものの、主力品の抗悪性腫瘍剤/HER2二量体化阻害ヒト化モノクローナル抗体「パージェタ」や新製品の抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク」が好調に推移したことによります。なお、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「ロズリートレク」を本年9月に発売しました。

骨・関節領域の売上は、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」、経口骨粗鬆症治療剤「エディロール」などの主力品の堅調な推移により、805億円(同11.2%増)となりました。

腎領域の売上は、259億円(同1.5%減)、その他領域の売上は、昨年の長期収載品譲渡の影響を受けたものの、新製品の血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤「ヘムライブラ」の順調な市場浸透により384億円(同33.3%増)となりました。

 

[海外製商品売上高]

主にアレセンサのロシュ向け輸出の増加により、海外製商品売上高は1,160億円(同18.5%増)となりました。

 

 

(2)連結財政状態に関する説明

<資産、負債及び純資産の状況>

 

 

 

(単位:億円)

 

2019年
第3四半期末実績

2018年
期末実績

前期末比

純営業資産(NOA)及び純資産

 

 

 

 

純運転資本

2,394

2,351

+1.8

長期純営業資産

3,087

2,701

+14.3

純営業資産(NOA)

5,482

5,053

+8.5

ネット現金

2,862

2,492

+14.8

その他の営業外純資産

△212

21

純資産合計

8,131

7,565

+7.5

 

 

 

 

 

連結財政状態計算書(IFRS実績)

 

 

 

 

資産合計

10,253

9,195

+11.5

負債合計

△2,122

△1,630

+30.2

純資産合計

8,131

7,565

+7.5

 

 

当社グループは、第1四半期連結会計期間より、IFRS第16号「リース」を適用しました。この基準の適用の結果、2019年1月1日の連結財政状態計算書に使用権資産やリース債権などリース関連の資産として152億円及びリース負債146億円を計上しております。「会計方針の変更」についてはP.18をご覧ください。

 

当第3四半期連結会計期間末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ429億円増加し、5,482億円となりました。うち、純運転資本は、主に中外ライフサイエンスパーク横浜新設工事に係る未払金が増加した一方で、ヘムライブラの受取ロイヤルティの未収入金増加、製造委託に関わる長期前払費用の未払金精算等により前連結会計年度末に比べ43億円増加2,394億円となりました。また、長期純営業資産は主に中外ライフサイエンスパーク横浜への投資、使用権資産の増加により前連結会計年度末から386億円増加し、3,087億円となりました。

次項「キャッシュ・フローの状況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含むネット現金は前連結会計年度末に比べ370億円増加し、2,862億円となりました。その他の営業外純資産は、主にリース負債等の増加により前連結会計年度末から233億円減少し、△212億円となりました。

これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ566億円増加し、8,131億円となりました。

 

※純営業資産(NOA)及び純資産について

連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、純営業資産(NOA)及び純資産にはCore実績のような除外事項はありません。

 

※純営業資産(NOA)について

純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グループの業績を評価することを可能としております。純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。

 

 

<キャッシュ・フローの状況>

 

 

 

(単位:億円)

 

2019年
第3四半期実績

2018年
第3四半期実績

前年同期比

フリー・キャッシュ・フロー

 

 

 

 

営業利益

1,609

979

+64.4

調整後営業利益

1,868

1,164

+60.5

営業フリー・キャッシュ・フロー

1,310

907

+44.4

フリー・キャッシュ・フロー

971

607

+60.0

ネット現金の純増減

370

258

+43.4

 

 

 

 

 

連結キャッシュ・フロー計算書(IFRS実績)

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,280

868

+47.5

投資活動によるキャッシュ・フロー

△309

△452

△31.6

財務活動によるキャッシュ・フロー

△647

△342

+89.2

現金及び現金同等物の増減額

302

69

+337.7

現金及び現金同等物の四半期末残高

1,770

1,460

+21.2

 

 

営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、1,868億円(前年同期比60.5%増)となりました。純運転資本等の増加215億円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出276億円があったものの、営業利益の大幅な増益により、営業フリー・キャッシュ・フローは1,310億円(同44.4%増)の収入となりました。純運転資本等の増加要因は前項「資産、負債及び純資産の状況」に記載したとおりです。なお、IFRS第16号「リース」の適用により、営業フリー・キャッシュ・フローにはリース負債の支払による支出66億円が含まれております。

営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税345億円、移転価格税制調整金22億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは971億円(同60.0%増)の収入となりました。

フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払562億円及び非支配持分の取得23億円等を調整したネット現金の純増減は370億円の増加となりました。

また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は302億円増加し、当四半期末残高は1,770億円となりました。

 

※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について

連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づいて作成しております。一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、FCFにはCore実績のような除外事項はありません。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。

 

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるCoreベースの研究開発費は720億円(前年同期比8.6%増)、売上収益研究開発費比率は14.1%となりました。

 

2019年1月1日から2019年9月30日までの研究開発活動の進捗状況は以下のとおりであります。

 

「がん領域」

・ROS1/TRK阻害剤「RG6268」(製品名:「ロズリートレク」)は、2019年6月にNTRK 融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌を適応症として承認を取得し、9月に発売しました。2019年3月には非小細胞肺がんを予定適応症として承認申請を行いました。

・改変型抗PD-L1モノクローナル抗体「RG7446」(製品名:「テセントリク」)は、2019年8月に進展型小細胞肺癌の適応拡大、同年9月にPD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌の適応拡大及び840mg製剤の剤形追加について、承認を取得しました。また、2019年5月に非小細胞肺がん(ネオアジュバント)を予定適応症として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。第Ⅲ相国際共同治験IMbassador250の結果に鑑み、前立腺がんを対象とする開発を中止しました。

・抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体「RG3502」(製品名:「カドサイラ」)は、2019年8月にHER2陽性の早期乳がんにおける術後薬物療法を予定適応症として承認申請を行いました。

「自己免疫疾患領域」

・ヒトIL-22融合蛋白「RG7880」は、2019年7月に炎症性腸疾患を予定適応症として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。

・ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「MRA/RG1569」は、第Ⅲ相国際共同治験「focuSSced試験」の結果に鑑み、全身性強皮症を対象とする開発を中止しました。

「神経疾患領域」

・抗IL-6レセプターリサイクリング抗体「SA237/RG6168」は、米国及び欧州において視神経脊髄炎関連疾患を予定適応症として承認申請を行いました。

HTT mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド「RG6042」は、2019年3月にハンチントン病を予定適応症として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。

・「RG7906」は、精神疾患を予定適応症として、2019年1月に第Ⅰ相臨床試験を開始しました。

・バソプレシン1a 受容体アンタゴニスト「RG7314」は、2019年5月に自閉スペクトラム症を予定適応症として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。

「その他の疾患領域」

・抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ACE910/RG6013」(製品名:「ヘムライブラ」)は、血液凝固第Ⅷ因子に対するインヒビター非保有の成人あるいは小児の血友病Aに対する週1回、2週に1回または4週に1回の皮下投与による予防療法の効能・効果及び血液凝固第Ⅷ因子に対するインヒビター保有の成人あるいは小児の血友病Aに対する2週または4週に1回の用法用量の追加について、2019年3月に欧州で承認を取得しました。

・抗VEGF/Ang2 バイスペシフィック抗体「RG7716」は、2019年2月に滲出型加齢黄斑変性を予定適応症として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。

・抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子バイスペシフィック抗体「NXT007」は、2019年8月に血友病Aを予定適応症として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。

 

(5)生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、医薬品事業の商品仕入実績が著しく減少しております。これは、主に抗悪性腫瘍剤/抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン」によるものです。

 

 

(6)主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画は次のとおりであります。

 

(提出会社)

 

 

 

 

(単位:億円)

事業所名
(所在地)

設備の内容

投資予定金額

資金調達
方法

着手年月

完成予定
年月

総額

既投資額

藤枝地区

(静岡県藤枝市)

低・中分子原薬製造

182

57

自己資金

2019年

5月

2022年

3月

中外ライフサイエンスパーク横浜

(神奈川県横浜市戸塚区)

医薬品の研究

1,273

229

自己資金

2019年

6月

2022年

8月

 

(注)1.IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は消費税等抜きであります。

2.当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであるため、「セグメントの名称」の記載を省略しております。

 

(注)本項2「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位で表示された数字で計算しております。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。