当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大による事業への影響については、「2[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)業績の状況」をご覧ください。
<連結損益の概要(IFRSベース)>
当第1四半期連結累計期間の売上収益は1,794億円(前年同期比16.3%増)、営業利益は724億円(同57.0%増)、四半期利益は515億円(同47.1%増)となりました。これらには当社が管理する経常的業績(Coreベース)から除外している無形資産の償却費4億円、無形資産の減損損失1億円及び事業所再編費用12億円が含まれています。
<連結損益の概要(Coreベース)>
当第1四半期連結累計期間の売上収益は、製商品売上高、ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入ともに伸長し、1,794億円(前年同期比16.3%増)となりました。
売上収益のうち、製商品売上高は、国内のがん領域における新製品や主力品、その他領域の新製品の好調な推移に加え、ヘムライブラの通常出荷価格によるロシュ向け輸出の開始により、1,445億円(同4.9%増)となりました。ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入は、ヘムライブラに関するロイヤルティ及びプロフィットシェア収入の大幅な増加と、一時金収入によるその他の営業収入の増加により、349億円(同110.2%増)となりました。加えて、製品別売上構成比の変化等により、製商品原価率が42.2%と前年同期比で4.1%ポイント改善した結果、売上総利益は1,185億円(同30.8%増)となりました。
経費については、444億円(同4.0%増)となりました。販売費は155億円(同0.6%増)、研究開発費は開発テーマの進展に伴う治験薬製造費用の増加等により250億円(同5.9%増)、一般管理費等は主に法人事業税(外形標準課税)の増加により39億円(同5.4%増)となりました。以上から、Core営業利益は741億円(同54.7%増)、Core四半期利益は527億円(同45.2%増)となりました。
※Core実績について
当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とはIFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであり、ロシュが開示するCore実績の概念とも整合しております。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
<製商品売上高の内訳>
[国内製商品売上高]
国内製商品売上高は、主にがん領域における新製品や主力品、その他領域の新製品の好調な推移により、1,019億円(前年同期比2.6%増)となりました。
がん領域の売上は、547億円(同5.2%増)となりました。主に後発品発売の影響により抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体「ハーセプチン」などの売上が減少したものの、新製品の抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク」や主力品の抗悪性腫瘍剤/HER2二量体化阻害ヒト化モノクローナル抗体「パージェタ」が好調に推移したことによります。
骨・関節領域の売上は、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」、経口骨粗鬆症治療剤「エディロール」といった主力品の堅調な推移により、249億円(同2.9%増)となりました。
腎領域の売上は、昨年10月の薬価改定に加え、後発品発売に伴う価格競争の激化による持続型赤血球造血刺激因子製剤「ミルセラ」の売上減少などにより67億円(同15.2%減)となりました。
その他領域の売上は、抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」の通常シーズン向けの売上が前年を大幅に下回ったものの、新製品の血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤「ヘムライブラ」の順調な市場浸透により、155億円(同2.0%増)となりました。
[海外製商品売上高]
抗悪性腫瘍剤/ALK阻害剤「アレセンサ」のロシュ向け輸出は輸出単価の低下などにより減少したものの、ヘムライブラの通常出荷価格によるロシュ向け輸出の開始により、海外製商品売上高は426億円(前年同期比10.9%増)となりました。
<新型コロナウイルスの感染拡大による事業及び業績への影響>
新型コロナウイルスへの当社の対応といたしましては、緊急対策本部を設置し、従業員及び事業関係者への感染防止対策を行うとともに、製品供給体制維持を中心とした事業継続体制を構築しております。現時点においては国内及び海外ともに製品供給体制への懸念はなく、また今後、事態が長期化もしくは深刻化した場合においても、対策本部を中心に製品の安定供給体制維持に取り組んでまいります。
当第1四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルスの業績への影響は軽微であります。一方で、事態が深刻化した4月以降につきましては事業への影響が広範囲に出てくると予想しております。具体的な事業及び業績への影響につきましては、現在、国内及び海外からの情報収集を行っておりますが、以下に示すとおり、多方面にわたる事業影響の可能性が考えられます。
販売面につきましては、国内における感染拡大が長期化もしくは深刻化した場合には、営業活動の自粛や抑制、また入院及び外来患者数の減少などにより、テセントリク、ヘムライブラなどの新製品や適応拡大品の市場導入の遅れによる国内製商品売上高への影響が想定されます。また、海外においても感染拡大が長期化もしくは深刻化した場合には、市場浸透期にあるヘムライブラの新規患者獲得の遅れ等により、輸出やロイヤルティ及びプロフィットシェア収入への影響が予想されます。承認申請や審査対応などの薬事関連業務につきましても、各国の規制当局による審査・承認時期の遅延等が懸念されます。開発中のプロジェクトでは、医療施設による訪問規制や患者の来院自粛などにより、新規臨床試験の立ち上げや実施中の臨床試験の進捗が影響を受ける可能性があります。創薬研究活動を実施しているプロジェクトにおいては、中長期的に開発段階への移行時期の遅延が考えられます。設備投資等プロジェクトは、進捗の遅れやスケジュールの見直しなどの影響を受けることがあります。なお、既に当社ニュースリリースにて公表しておりますとおり、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」の新型コロナウイルス肺炎を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験を実施する予定ですが、現時点においては業績に与える影響は未定です。
以上のように、新型コロナウイルスの影響は様々な事業活動領域において想定されております。今後とも対策本部を中心として対応・支援を継続するとともに、引き続き事業及び業績への影響を精査してまいります。
<資産、負債及び純資産の状況>
当第1四半期連結会計期間末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ391億円増加し、5,861億円となりました。うち、純運転資本は、営業債権及び棚卸資産の増加等により前連結会計年度末に比べ144億円増加し、2,516億円となりました。また、長期純営業資産は主に中外ライフサイエンスパーク横浜への投資により前連結会計年度末から247億円増加し、3,345億円となりました。
次項「キャッシュ・フローの状況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含むネット現金は前連結会計年度末に比べ604億円減少し、2,727億円となりました。その他の営業外純資産は、主に未払法人所得税の減少により前連結会計年度末から214億円増加し、△47億円となりました。
これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ1億円増加し、8,541億円となりました。
※純営業資産(NOA)及び純資産について
連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、純営業資産(NOA)及び純資産にはCore実績のような除外事項はありません。
※純営業資産(NOA)について
純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グループの業績を評価することを可能としております。純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。
<キャッシュ・フローの状況>
営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、810億円(前年同期比49.7%増)となりました。営業利益の大幅な増益等があったものの、純運転資本等の増加348億円を減算したこと、有形固定資産及び無形資産の取得による支出123億円等により、営業フリー・キャッシュ・フローは318億円(同17.0%減)の収入に留まりました。純運転資本等の増加要因は前項「資産、負債及び純資産の状況」に記載したとおりです。
営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税410億円、移転価格税制調整金5億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは91億円の支出となりました。
フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払501億円等を調整したネット現金の純増減は604億円の減少となりました。
また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は652億円減少し、当四半期末残高は1,387億円となりました。
※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について
連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づいて作成しております。一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、FCFにはCore実績のような除外事項はありません。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間におけるCoreベースの研究開発費は250億円(前年同期比5.9%増)、売上収益研究開発費比率は13.9%となりました。
2020年1月1日から2020年3月31日までの研究開発活動の進捗状況は以下のとおりであります。
「がん領域」
・ROS1/TRK阻害剤「RG6268」(製品名:「ロズリートレク」)は、2020年2月にROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの適応拡大について承認を取得しました。
・改変型抗PD-L1モノクローナル抗体「RG7446」(製品名:「テセントリク」)は、2020年2月に、切除不能な進行・再発の肝細胞がんを対象として承認申請を行いました。第Ⅲ相国際共同治験IMvigor010の結果に鑑み、筋層浸潤尿路上皮がん(アジュバント)を対象とする開発を中止しました。
・抗VEGF(血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体「RG435」(製品名:「アバスチン」)は、2020年2月に切除不能な進行・再発の肝細胞がんを対象として承認申請を行い、同年1月に小細胞肺がんを対象として第Ⅲ相国際共同治験(「RG7446」との併用)を開始しました。
・抗TIGITヒトモノクローナル抗体「RG6058」は、2020年2月に小細胞肺がん、同年3月に非小細胞肺がんを対象としてそれぞれ第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・腫瘍溶解性5型アデノウイルス「OBP-301」は、2020年3月に食道がんを対象として第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
・「AMY109」は、2020年3月に固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・「STA551」は、2020年3月に固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体「RG6026」は、2020年3月に血液がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・Raf/MEK阻害剤「CKI27」は、2020年1月に、全世界における製造・開発・販売の独占的実施権を許諾するグローバルライセンス契約をVerastem Oncology社と締結しました。
「神経疾患領域」
・「RG7906」は、2020年2月に統合失調症を対象として第Ⅱ相国際共同治験を開始しました。
・抗ミオスタチンadnectin「RG6206」は、第Ⅱ/Ⅲ相国際共同治験「SPITFIRE試験」の結果に鑑み、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象とする開発を中止しました。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大による研究開発活動への影響については、「2[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)業績の状況」をご覧ください。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画はありません。
(注)本項2「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位で表示された数字で計算しております。
当第1四半期連結会計期間において、変更した重要な契約は次のとおりであります。
2020年3月にサノフィ株式会社との選択的SGLT2阻害剤に関するライセンス契約を解約しております。これにより、当社は下記の契約内容を一部変更しております。
技術導出契約等
(注) 相手方の名称を興和株式会社及びサノフィ株式会社から、興和株式会社に変更しております。