独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

 

2022年3月29日

中外製薬株式会社

取締役会 御中

 

有限責任 あずさ監査法人

 

東京事務所

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

大谷 秋洋

 

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

永峯 輝一

 

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

北村 雄二朗

 

 

 

<財務諸表監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている中外製薬株式会社の2021年1月1日から2021年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結財政状態計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結持分変動計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。

当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定された国際会計基準に準拠して、中外製薬株式会社及び連結子会社の2021年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する製品化の可否に関する判断の妥当性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 

連結財務諸表注記「9.無形資産」記載されているとおり、中外製薬株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書に計上されている無形資産21,974百万円には、進行中の研究開発資産である利用可能でない製品関連無形資産9,704百万円が含まれており、総資産の0.6%を占めている。

連結財務諸表注記「1.重要な会計方針等(3)会計方針 有形固定資産、使用権資産及び無形資産の減損損失」に記載されているとおり、利用可能でない製品関連無形資産については、毎年減損の判定が行われている。判定の結果、資産の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額が回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。

当該無形資産は、主に製品に係る技術導入契約又は個別の資産購入によって取得したものであり、取得時において事業性の評価が行われているが、研究開発競争の激化による新薬創出の難易度上昇や研究開発費の高騰等、研究開発プロセスに内在する不確実性のため、製品化に至らずに開発が中断されるリスクがある。このため、研究開発プロジェクトの製品化の可否に関する経営者による判断が、無形資産の減損の判定に重要な影響を及ぼす。

以上から、当監査法人は、利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する製品化の可否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。

 

 

当監査法人は、利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する、製品化の可否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。

(1)内部統制の評価

利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、最新の開発進捗状況や製品を取り巻く環境の変化を加味して減損の判定が行われることを担保する統制に、特に焦点を当てた。

(2)製品化の可否に関する判断の妥当性の評価

利用可能でない製品関連無形資産のうち一定の金額的重要性を有する資産について、経営者による減損の判定の前提となった研究開発プロジェクトの製品化の可否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。

・研究開発部門のプロジェクト責任者に対して、各研究開発プロジェクトの進捗状況、対象とする適応症の臨床試験結果、研究開発費の増加の有無、取得時の事業性評価以降における競合品やバイオ後発品の発売及び浸透状況、並びに新たな技術や治療手段の台頭の有無について質問した。また、研究開発活動の継続や事業性評価の見直しを検討するポートフォリオマネジメント委員会の議事録及び関連資料を閲覧した。

・各研究開発プロジェクトの進捗状況について、取得時の事業性評価において計画されていたマイルストンの達成予定時期とその当連結会計年度末までの達成実績を比較することにより、製品化の可否に関する判断に重要な影響を及ぼす計画との乖離の有無を確認した。

 

 

 

 

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドとの取引の移転価格調整に係る判断の妥当性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 

連結財務諸表注記「5.その他の費用」に記載されているとおり、中外製薬株式会社の当連結会計年度の連結損益計算書において、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド(以下「ロシュ社」という。)との取引に係る移転価格税制調整金2,540百万円が、その他の費用として計上されている。

中外製薬株式会社は、ロシュ社との取引に関して、日本及びスイス両税務当局に対して独立企業間価格の算定方法等に関する事前確認を申請し、①2016年から2020年の各事業年度において、中外製薬株式会社の課税所得を一定額減額して、ロシュ社の課税所得を同等額増額すること、及び②必要な場合には2021年に追加的調整を行うこととする旨の合意通知書を受領している。

移転価格税制調整金は、ロシュ社とのライセンス契約に基づいて、合意通知書の定めによって減額される法人所得税の一部を同社に対して支払うものであるが、経営者による当連結会計年度の法人所得税及び移転価格税制調整金の算定に当たっては、上記②の2021年における追加的調整は見込まれないとの判断から、上記①による課税所得の一定額の減額の影響のみが考慮されている。追加的調整の要否は、2021年までの累計期間の利益率に基づいて判定されるが、確認対象取引の集計に当たって税務上の高度な専門知識が必要となるほか、当連結会計年度末においては2021年の確認対象取引に係る売上高及び利益率の確定値をもって決算を行うことが実務的に困難なことから、それらの予測が必要となるため、その経営者による判断が、法人所得税及び移転価格税制調整金の算定に重要な影響を及ぼす。

以上から、当監査法人は、ロシュ社との取引の移転価格調整に係る判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。

 

 

当監査法人は、ロシュ社との取引の移転価格調整に係る判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。

(1)内部統制の評価

法人所得税及び移転価格税制調整金の算定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、確認対象取引に係る利益率の実績及び予測が、合意通知書に定められた独立企業間利益率の幅から外れているか否かをモニタリングする統制に、特に焦点を当てた。

(2)移転価格調整に関する判断の妥当性の評価

2021年までの累計期間の利益率に基づいた追加的調整について、その要否に関する経営者の判断の妥当性を評価するため、以下を含む手続を実施した。

・経営者が作成した確認対象取引に係る累計期間の利益率の算定資料を閲覧するとともに、財務経理部の担当者に対して、算定の基礎となる確認対象取引の集計方法を質問した。

・当監査法人が属する国内ネットワークファームの税務の専門家を利用して、合意通知書の内容及び税法解釈に照らして、経営者による確認対象取引の集計の適切性を評価した。

・累計期間の利益率の算定に含まれる2021年の確認対象取引に係る売上高及び利益率の予測について、その根拠を財務経理部責任者に対して質問したほか、確認対象取引に係る過去の事業計画の達成状況についての検討結果を踏まえて、当該予測の合理性を評価した。

・決算日後、監査報告書日までに集計された2021年の確認対象取引に係る売上高及び利益率の実績について、その算定資料を閲覧することにより、当連結会計年度末において、追加的調整を不要とした経営者の判断の合理性を事後的に評価した。

 

 

 

 

連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、経営者が清算若しくは事業停止の意図があるか、又はそれ以外に現実的な代替案がない場合を除いて、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

連結財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 

監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

 

<内部統制監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、中外製薬株式会社の2021年12月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。

当監査法人は、中外製薬株式会社が2021年12月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

 

内部統制監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以 上

 

 

※1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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