当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
<連結損益の概要(IFRSベース)>
当第1四半期連結累計期間の売上収益は3,122億円(前年同期比13.3%減)、営業利益は983億円(同47.4%減)、四半期利益は735億円(同44.2%減)となりました。これらには当社が管理する経常的業績(Coreベース)では除外している無形資産の償却費5億円、無形資産の減損損失47億円及び事業所再編費用19億円が含まれています。なお、前年同期に当社とアレクシオン ファーマスーティカルズ インコーポレーテッドとの間において締結した和解契約による一時金収入919億円を計上したことによる単発的な影響により売上収益、営業利益、四半期利益は前年同期比で大きく減少しています。
<連結損益の概要(Coreベース)>
当第1四半期連結累計期間の売上収益は、その他の売上収益は減少したものの、製商品売上高が伸長し、3,122億円(前年同期比16.3%増)となりました。
売上収益のうち、製商品売上高は2,915億円(同20.1%増)となりました。国内製商品売上高は、昨年4月の薬価改定や後発品の影響を受けたものの、新製品のポライビー、バビースモ等の順調な市場浸透やロナプリーブの政府納入の計上に加え、主力品のヘムライブラ、テセントリク等の好調な推移により前年比で増加しました。海外製商品売上高は、ロシュ向けのアレセンサ輸出及びアクテムラ輸出が増加したため、前年を上回りました。その他の売上収益は、主にヘムライブラの知的財産権に関するロイヤルティ及びプロフィットシェア収入が増加した一方、前年同期に計上のあった同製品の初期出荷分に関するロイヤルティ収入の終了により、207億円(同19.5%減)となりました。製商品原価率は、製品別売上構成比の変化及び為替影響等により51.8%と前年同期比で4.8%ポイント上昇しました。結果、売上総利益は1,612億円(同4.5%増)となりました。
研究開発費は中外ライフサイエンスパーク横浜の稼働を含む創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展に伴う費用の増加等により361億円(同9.7%増)、販売費及び一般管理費は諸経費等の減少により210億円(同7.5%減)となりました。その他の営業収益(費用)は有形固定資産の売却益等が発生し13億円の収益(前年同期は2億円の収益)となりました。以上から、Core営業利益は1,054億円(同6.6%増)、Core四半期利益は784億円(同11.0%増)となりました。
※Core実績について
当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
※連結経営成績に関する表示方法の変更について
当第1四半期連結会計期間より、連結経営成績に関する表示方法の変更を行っております。当第1四半期連結累計期間においては、比較情報である前第1四半期連結累計期間についても当該変更を適用した金額を表示しております。なお、本変更による営業利益から四半期利益までの項目、1株当たり四半期利益及びCoreベースの概念への影響はありません。
<製商品売上高の内訳>
[国内製商品売上高]
国内製商品売上高は、昨年4月の薬価改定や後発品浸透の影響を受けたものの、新製品及び主力品の好調な市場浸透により、1,927億円(前年同期比19.2%増)となりました。
オンコロジー領域の売上は、600億円(同2.7%増)となりました。後発品浸透及び薬価改定の影響により、抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「アバスチン」や抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体「ハーセプチン」などの売上が減少したものの、新製品の抗悪性腫瘍剤/微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体「ポライビー」や主力品の抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク」が堅調に推移しました。
スペシャリティ領域の売上は、1,327億円(同28.6%増)となりました。薬価改定及び後発品浸透の影響により、骨粗鬆症治療剤「エディロール」や持続型赤血球造血刺激因子製剤「ミルセラ」などの売上が減少したものの、新製品の眼科用VEGF/Ang-2阻害剤抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「バビースモ」、脊髄性筋萎縮症治療剤「エブリスディ」が順調に市場浸透したことに加え、抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体「ロナプリーブ」の政府納入による売上が寄与しました。また、主力品の血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ヘムライブラ」やpH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「エンスプリング」は引き続き堅調に推移しました。
[海外製商品売上高]
海外製商品売上高は988億円(前年同期比22.0%増)となりました。ロシュ向け輸出については、抗悪性腫瘍剤/ALK阻害剤「アレセンサ」が前年比で大幅に増加し、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」も堅調に推移しました。
<資産、負債及び純資産の状況>
当第1四半期連結会計期間末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ1,235億円減少し、8,758億円となりました。うち、純運転資本は、主にロナプリーブ等の営業債権の減少などにより前連結会計年度末に比べ1,374億円減少し、4,142億円となりました。また、長期純営業資産は主に藤枝工場における合成原薬製造棟(FJ3)等への投資により前連結会計年度末から137億円増加し、4,615億円となりました。
次項「キャッシュ・フローの状況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含むネット現金は前連結会計年度末に比べ515億円増加し、5,546億円となりました。その他の営業外純資産は、主に未払法人所得税の減少により前連結会計年度末から846億円増加し、65億円となりました。
これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ125億円増加し、14,369億円となりました。
※純営業資産(NOA)及び純資産について
連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、純営業資産(NOA)及び純資産にはCore実績のような除外事項はありません。
※純営業資産(NOA)について
純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グループの業績を評価することを可能としております。純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。
<キャッシュ・フローの状況>
営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、1,268億円(前年同期比35.9%減)となりました。
有形固定資産の取得による支出272億円等があった一方で、純運転資本等の減少1,242億円等により、営業フリー・キャッシュ・フローは2,218億円(同75.8%増)の収入となりました。純運転資本等の減少要因は前項「資産、負債及び純資産の状況」に記載したとおりです。
営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税956億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは1,152億円(同239.8%増)の収入となりました。
フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払654億円等を調整したネット現金の純増減は515億円の増加となりました。
また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は255億円増加し、当四半期末残高は2,477億円となりました。
※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について
連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づいて作成しております。一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、FCFにはCore実績のような除外事項はありません。
※連結キャッシュ・フロー計算書に関する表示方法の変更について
当第1四半期連結累計期間より、売上収益のうち、従来「ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入」「その他の収入」としていた項目について、「その他の売上収益」へ名称を変更し、当該項目から製品譲渡に係る収益を除外しております。これに伴い、製品譲渡に係る収益に関連するキャッシュ・フローは、従来の「営業活動によるキャッシュ・フロー」から、「投資活動によるキャッシュ・フロー」へ区分を変更しております。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について、重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間におけるCoreベースの研究開発費は361億円(前年同期比9.7%増)、売上収益研究開発費比率は11.6%となりました。
2023年1月1日から2023年3月31日までの研究開発活動の進捗状況は以下のとおりです。
「がん領域」
・ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「MRA/RG1569」(製品名:「アクテムラ」)は、2023年2月に、悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群を対象として承認申請を行いました。
・「ALPS12/RG6524」は、2023年1月に、固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・改変型抗PD-L1モノクローナル抗体「RG7446」(製品名:「テセントリク」)は、第Ⅲ相国際共同治験「CONTACT-01試験」の結果に鑑み、非小細胞肺がん[二次治療](カボザンチニブ併用)を対象とする開発を、第Ⅲ相国際共同治験「IMvigor130試験」の結果に鑑み、尿路上皮がん[一次治療]を対象とする開発を中止しました。
・AKT阻害剤「RG7440」は、第Ⅲ相国際共同治験「IPATential150試験」の結果に鑑み、前立腺がん[一次治療](アビラテロン併用)を対象とする開発を中止しました。
「免疫疾患領域」
・糖鎖改変型タイプⅡ抗CD20モノクローナル抗体「RG7159」(製品名:「ガザイバ」)は、2023年3月に小児特発性ネフローゼ症候群を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・抗補体C5リサイクリング抗体「SKY59/RG6107」は、2023年2月にループス腎炎を対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
「神経疾患領域」
・HTTmRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド「RG6042」は、2023年1月に、ロシュがハンチントン病を対象として第Ⅱ相国際共同治験を開始したことを受け、当社の開発ステージを第Ⅱ相へ変更しました。
・抗潜在型ミオスタチンスイーピング抗体「GYM329/RG6237」は、2023年3月に顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)を対象として第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
・抗アミロイドベータヒトモノクローナル抗体「RG1450」は、第Ⅲ相国際共同治験「GRADUATE1/2試験」の結果に鑑み、アルツハイマー病を対象とする開発を中止しました。
「血液疾患領域」
・抗factor IXa/Xバイスペシフィック抗体「ACE910/RG6013」(製品名:「ヘムライブラ」)は、2023年1月に重度の出血の表現型を伴う中等症の血友病Aの適応拡大について、欧州委員会より承認を取得しました。
「眼科領域」
・抗VEGF/抗Ang-2バイスペシフィック抗体「RG7716」(製品名:「バビースモ」)は、2023年3月に網膜色素線条を対象として国内第Ⅲ相臨床治験を開始しました。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
当第1四半期連結累計期間において、医薬品事業の生産が著しく増加しております。
これは、主に抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体「ロナプリーブ」の政府納入によるものです。
当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画はありません。
(注)本項2「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位で表示された数字で計算しております。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。