【連結財務諸表注記】
この連結財務諸表は、日本(東京)に所在し、東京証券取引所に上場(証券コード:4519)している中外製薬株式会社及びその子会社の連結財務諸表です。この連結財務諸表は、2019年3月28日に、当社最高経営責任者である代表取締役社長小坂達朗及び最高財務責任者である上席執行役員板垣利明によって承認されております。
ロシュ・ホールディング・リミテッドはスイス証券取引所に上場し、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠し業績を開示しているロシュグループの親会社です。当社グループはロシュとの戦略的アライアンスの締結により2002年10月よりロシュグループの主要なメンバーになっております。ロシュ・ホールディング・リミテッドは、当社株式の発行済株式総数のうち59.89%(発行済株式総数から自己株式を控除したベースでは61.25%)を所有しております。
当社グループは、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。)第1条の2に定める指定国際会計基準特定会社の要件を満たすことから、同第93条の規定によりIFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示し、百万円未満を四捨五入しております。公正価値による測定が要求されている一部の項目を除き、測定は取得原価に基づいております。
連結財務諸表の作成にあたっては、収益、費用、資産、負債及び偶発事象に係る報告金額に影響を与える判断、見積り及び前提の設定を行うことを経営者に求めております。これらの見積りは実際の結果と異なる可能性があります。見積りやその基礎をなす前提は、過去の経験や多くの要因に基づいて設定されており、継続的に見直されます。見積りの変更による影響は、見積りの変更が行われた会計期間に認識しております。
現時点で入手可能な情報に基づき適切に設定されていると考える重要な会計上の判断、見積り及び前提に関する情報は以下のとおりです。
収益:
2018年1月1日より適用される方針
製商品売上高は、売上割戻や値引、返品等を見積り控除した金額で計上しております。見積った売上割戻等は、流動負債へ計上しております。これらの見積りは、契約上または法律上の義務や過去の傾向・実績値に基づく分析を基礎に行っております。製商品売上高から控除される金額は経営者の見積りに基づいているため、より有用な情報を入手できる場合に変更される可能性があります。このような変更が生じた場合、将来の製商品売上高に影響を与える可能性があります。
技術等の導出契約には、導出以降の義務が一切ない場合、または研究、後期開発、規制当局承認、共同販促、製造への関与を含んでいる場合があります。これらは、契約一時金やマイルストン収入、サービス償還費の組み合わせによって決まります。これらの関与が単一もしくは複数の履行義務かについては、単純なものではなく、判断が必要となります。この判断に基づいて、収益は一時の収益として、または、履行義務が充足される一定期間に渡る収益として認識されることになります。
なお、当社グループは約束した財又はサービスを顧客に移転する時点と顧客が当該財又はサービスに対して支払を行う時点との間の期間が1年以内となると見込んでいる場合には、約束した対価の金額を重大な金融要素の影響について調整しないことを認める実務上の便法を採用しております。
2018年1月1日より前に適用されていた方針
売上収益に係る収益認識は、経営者の判断として、所有に伴う重要なリスクと経済価値が第三者に移転し、かつ、当社グループが販売した製商品に対し継続した管理を行わず、事実上の支配を有さなくなった時点または取引の義務が果たされた時点に行っております。
当社グループは技術導出契約により契約一時金や複数年にわたるマイルストンの支払を受けるとともに、将来の債務を負うことがあります。このため、一部の取引については、対価をその受取時に一旦繰延収益として認識したうえで、その後の期間の収益として契約に定められた成果に応じて振替を行っております。
製商品売上高に対する割戻に係る流動負債を計上しております。割戻に係るこの見積りは、契約上または法律上の義務や過去の傾向・実績値に基づく分析を基礎に行っております。製商品売上高から控除される金額は経営者の見積りに基づいているため、より有用な情報を入手できる場合に変更される可能性があります。このような変更が生じた場合、連結財政状態計算書に計上していた流動負債の将来の金額に影響を与え、その結果として将来の連結損益計算書の製商品売上高に影響を与える可能性があります。
減損損失:利用可能でない製品関連無形資産は、減損の判定を毎年行っております。有形固定資産及び利用可能な無形資産は、減損の兆候がある場合に減損の判定を行っております。減損の必要性を評価するため、将来キャッシュ・フローの見積りを行っております。割引将来キャッシュ・フローによるこのような見積りは、実際の結果と大きく異なる可能性があります。割引率の変更、建物、機械装置及び備品等について予定していた使用方法からの変更、使用中止、競合相手の有無、技術の陳腐化、または資産計上にあたって想定した製商品売上高からの低下といった変化がある場合には、耐用年数の短縮または減損を行う可能性があります。
退職後給付:当社グループは、確定給付型の退職後給付制度を設けており、当該制度から認識される資産及び負債の公正価値は、統計及び年金数理計算に基づいて測定されております。確定給付負債(資産)の測定にあたっては、割引率及び死亡率の変動などの影響を受けます。年金数理計算上使用される仮定は、市場や経済状況、加入者の余命及びその他の評価に含まれる要素により、実際の結果と大きく異なる可能性があります。このような前提に変更があった場合には、連結財政状態計算書に計上される将来の資産または負債に影響を与える可能性があります。
訴訟:訴訟関連損失は、資源の流出の可能性が高く、信頼性のある金額を見積ることができる場合に計上されます。信頼できる見積りができない場合、引当金は計上されませんが、重要性がある場合には偶発負債として開示しております。重要な訴訟事件につきましては、後述の「(2)[その他]」に記載したとおりです。これらの見積りにあたり、個々の訴訟案件の特徴や関連する法的判断を考慮しております。しかし、訴訟には高度な複雑性があるため、訴訟関連損失の見積りは判断に大きく依拠しております。また、新たな事実の発見や訴訟案件の進展により、時間の経過に伴い見積りが大幅に変更される可能性があります。
環境対策:環境修復費用は、資源の流出の可能性が高く、金額を合理的に見積ることができる場合に計上されます。環境対策引当金の主なものは、汚染場所の原状回復、埋め立て、特定の場所に存在する汚染物質の処理等のための費用です。これらの見積りは、新たな汚染場所の検出、修復の方法や程度、修復場所にある問題物質のうち当社グループに帰属する割合、潜在的な責任当事者の財政能力等の不確実性に大きく依拠しております。また、新たな事実の発見や個々の環境修復の進展により、時間の経過に伴い見積りが大幅に変更される可能性があります。
法人所得税:法人所得税に係る未収及び未払法人所得税並びに繰延税金資産及び負債の測定について重要な見積りが必要となります。このような見積りは、見積時点で適用される税法や規制等に関する解釈に基づいて行っております。税務ポジションが不確実である場合、未払法人所得税には特定の状況や当社グループの過去の経験に基づいて生じると見込まれる最終的な債務に関する経営者の最善の見積りが含まれます。税法や規制もしくは税率の改定、税法もしくは規制の解釈の変更、研究開発費の動向または税引前利益の変化といった要因が未収及び未払法人所得税並びに繰延税金資産及び負債に影響を与える可能性があります。
リース:リース取引の会計処理は、主にオペレーティング・リースに該当するか、ファイナンス・リースに該当するかの判断によって決まります。この評価では、経営者は、法的形式に加えリースの実態をみて、所有に伴うすべてのリスクと経済価値が実質的に移転されているかどうかを判断しております。リースの法的形式はないが、資産を使用する権利が移転する取決めについても、同様な判断を行っております。
連結の基礎
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動にさらされ、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンの額に影響を与える能力を有する場合をいいます。会計期間内に買収した企業は当社グループに支配が移行した日をもって連結を行い、一方、売却する子会社は当社グループの支配が喪失する日まで連結しております。
子会社との債権債務残高、取引高及びグループ内取引によって発生した未実現利益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。親会社の子会社に対する持分の変動は、子会社の支配の獲得後に生じ、子会社に対する支配の喪失とならない場合は資本取引としております。
関連会社とは、当社グループにより支配されていないが、その財務及び経営方針に対して重要な影響力を行使している、または行使するパワーを有している企業をいい、関連会社への投資は持分法によって処理しております。
外貨換算
当社グループの在外子会社は、原則として現地通貨を機能通貨としておりますが、一部、その企業の活動する経済環境が主に現地通貨以外(例えばユーロ)である場合には、現地通貨以外を機能通貨としております。当社グループの外貨建取引は取引日時点での為替レートを適用してそれぞれの機能通貨に換算しております。適格なキャッシュ・フロー・ヘッジはその他の包括利益として繰り延べられますが、外貨建取引の決済並びに外貨建貨幣性資産及び負債の期末日における評価で生じる損益はその期間の純損益に認識しております。
連結財務諸表作成に際し、日本円以外を機能通貨としている在外子会社の資産及び負債は、期末時点の為替レートを適用し日本円に換算しております。損益及びキャッシュ・フローは、期中平均為替レートで日本円に換算しております。期首と期末の換算レートの差による換算差額及び損益に係る期中平均為替レートと期末時点の為替レートによる換算差額はその他の包括利益に直接計上しております。
収益
2018年1月1日より適用される方針
製商品売上高:製商品の販売は「製商品売上高」として計上しております。
製商品売上高は、製商品の支配が顧客に移転することによって顧客との契約における約束(履行義務)が充足されたときに認識しております。約束された製商品の支配とは、当該製商品の使用を指図し、当該製商品からの残りの便益のほとんどすべてを獲得する能力を指しております。支配は、引き渡しと顧客検収条項に従い、一般的に出荷もしくは引き渡し、顧客の製商品の受領時に移転します。
製商品売上高(取引価格)は製商品と交換に当社グループが受け取ると見込んでいる対価の金額であり、消費税など第三者のために回収する金額を除いております。当社グループは約束した製商品が顧客に移転する前に対価を受領、もしくは受領が確定している場合は繰延収益(契約負債)を認識しております。
ロイヤルティ及びその他の営業収入:ロイヤルティ及びその他の営業収入にはロイヤルティ収入、ライセンス導出契約からの収入、製品の製造販売権等の譲渡からの収入等が含まれます。
知的財産のライセンスと交換に約束した売上高ベースまたは使用量ベースのロイヤルティに係る収入は、その後の売上または使用に基づき認識しております。
ライセンス導出契約からの収入は通常、製品や技術に関する知的財産をライセンスとして第三者に供与し、契約一時金、マイルストン及びその他類似した支払いの受領から発生します。ライセンス導出契約には、導出以降の義務が一切ない場合、または研究、後期開発、規制当局承認、共同販促、製造への関与を含んでいる場合があります。導出されるライセンスは、通常は知的財産を使用する権利であり、一般的に固有のものであります。そのため、ライセンス導出契約に複数の履行義務が含まれている場合、残余アプローチによりそれぞれの履行義務に対する取引価格を配分しております。契約一時金及びその他のライセンス収入は、残余アプローチを使用し収入の一部を他の履行義務に繰り延べない限り、通常はライセンスの供与をもって認識しております。導出以降の履行義務に対応する繰延収益に関しては、それぞれの履行義務を充足した時に、負債の認識の中止及び収益の認識をしております。マイルストン収入はマイルストン条件を達成する可能性が非常に高く、収益の戻入のリスクが非常に低くなった時点で認識しております。
製品の製造販売権等を譲渡して受領した金額は製造販売権等に対する支配の移転をもって収入として認識しております。譲渡後に履行義務が存在する場合、残余アプローチにより対応する取引価格を繰り延べ、当該履行義務を充足した時に収益として認識しております。
協同パートナーとの利益分配契約からの収入は、協同パートナーが売上と売上原価を計上する際に認識しております。
2018年1月1日より前に適用されていた方針
製商品売上高は、取引店への値引・割戻等を控除した後の金額で表示しております。売上収益には消費税や付加価値税等は含めておりません。
製商品売上高に係る収益認識は、所有に伴う重要なリスクと経済価値が第三者に移転した場合に行っております。取引店への値引・割戻等は、発生主義により関連する製商品売上高の計上と同一の会計期間に計上しております。返品やリベート等は、製商品売上高から減額すると同時に営業債権から減額または流動負債として計上しております。
ロイヤルティ及びその他の営業収入は、その収入の獲得時点または履行義務を果たした時点で認識しております。取引の実質によっては、単一の取引に関する収益を複数回に分けて計上することがあります。一方で取引全体の価値を反映するために、複数回にわたる受取りを一括して収益に計上する場合があります。
ロイヤルティ収入は、それぞれのライセンス契約の実質に従って、発生主義により計上しております。対価の回収可能性が確実でない場合には、入金をもって収益として計上しております。
当社グループは、製商品や技術の譲渡、またはこれらの許諾に関連する契約一時金、マイルストン収入、ライセンス料及びその他類似した収入を第三者より得ております。成果のマイルストンに関連して受領する収益は、当事者間で合意したマイルストンの達成に従い計上しております。後続期間を通じて成果が存在する契約一時金やライセンス料は、当初は繰延収益として計上し、その後の開発協力や製造義務の期間にわたって収益を認識しております。
売上原価
売上原価は、売上収益に対応する直接原価、製造間接費及びサービス費用を含みます。支払ロイヤルティをはじめ、売上収益の計上に係る業務提携や技術導入等に由来する費用についても売上原価として計上しております。設備のバリデーション(性能が確保されていることを検証すること)完了から生産能力を通常生産レベルに引き上げるための製法検討費用は、発生主義で費用としております。
研究開発
次のような内部研究開発活動は、発生した時点で費用としております。
・新しい科学的または技術的知識の取得のための内部研究費用
・商用生産に向けた研究成果やその他知識の応用により発生する内部開発費用
当社グループで実行される開発プロジェクトに係る費用は、技術、薬事規制及びその他の不確実性に左右されるため、主要市場での規制当局による販売承認を得るまでは無形資産の計上要件を満たしていないと判断しております。
・医薬品として製造販売承認後の臨床試験(フェーズ4)等に係る費用
通常、当該費用には承認後の安全性調査や承認条件として承認後も継続される臨床試験等を含みます。フェーズ4試験は、規制当局から実施を要求されることがあるほか、安全性または適正使用の検証のために自ら実施することもあります。これらのフェーズ4試験の結果からは、信頼性をもって測定でき、単独で識別可能な将来の経済的便益の増加を見込むことができないと判断しているため、これに係る費用は無形資産として資産化しておりません。
技術導入契約、企業結合または個別の資産購入によって獲得された仕掛中の研究開発は無形資産として資産化しております。これらの獲得された資産は、当該研究開発が最終的に製品になるかどうかの不確実性は存在したとしても、当社グループによって支配されており、かつ単独で識別可能で、将来の経済的便益の流入が期待されます。したがって、承認前の医薬品や化合物に係る第三者への契約一時金やマイルストンの支払は、無形資産として認識しております。このような契約を通じて獲得された資産は無形資産の会計方針に基づいて測定しております。無形資産の取得後、当社グループ内部で引き続き行われる研究開発の費用は、他の内部研究及び内部開発と同様に処理しております。研究開発が戦略的提携の契約に係る場合、当社グループは契約一時金またはマイルストンの支払が研究開発への資金提供に該当するか、それとも資産獲得に該当するかの検討を行っております。
従業員給付
短期従業員給付である賃金及び給料、社会保険料、有給休暇、賞与並びにその他の非貨幣性給付は、当社グループの従業員が勤務を提供した期間に費用として計上しております。当社グループは、賞与等の支払について、契約上の義務や過去の勤務の結果、推定的債務を負っている場合に負債として認識しております。
当社グループが通常の退職日より前に従業員の雇用を終了する場合または従業員が給付と引き換えに自主退職を受け入れる場合には、割増退職金が支払われることがあります。割増退職金は、当社グループが当該給付の申し出を撤回できなくなった時点または関連する事業所再編費用を認識した時点のいずれか早い時点で認識しております。
退職後給付
確定拠出制度については、当社グループが支払う拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した会計期間の営業損益に含めて計上しております。
確定給付制度については、制度債務の現在価値と制度資産の公正価値の純額を、負債または資産として連結財政状態計算書に計上しております。
確定給付負債(資産)の純額の変動は次のように計上しております。当期勤務費用は営業損益に含めております。過去勤務費用及び制度清算に伴う損益は発生時に一般管理費等として認識しております。また、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は金融費用として計上しております。数理計算上の仮定の変更や見積りと実績との差異に基づく数理計算上の差異及び制度資産に係る収益(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる金額を除く)は、その他の包括利益に計上しております。確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は、制度資産に係る利息収益及び制度債務に係る利息費用から構成されております。利息純額は、期首の確定給付負債(資産)の純額に期中の拠出及び給付支払いによる変動を考慮し、制度債務の現在価値の測定に用いられるものと同じ割引率を乗じて算定しております。
ある確定給付制度の積立超過を他の制度の債務を決済するために使用できる法的権限を当社グループが有している場合を除いて、制度間の資産と負債は相殺しておりません。
株式報酬
取締役及び一部の従業員に付与される新株予約権及び譲渡制限付株式は、付与日の公正価値で見積り、権利確定までの期間にわたり営業費用として計上し、同額を連結財政状態計算書の資本として認識しております。確定した権利の行使が発生した際のキャッシュ・フローについても、資本の増加として計上しております。
有形固定資産
有形固定資産の取得原価は、当初、購入に要した支出または建設に要した原価により計上しております。取得原価には、会社が意図した場所や状態で稼動を可能にするために必要となる費用、例えば、準備、据付、組立の費用や専門家への報酬を含みます。バリデーション(性能が確保されていることを検証すること)費用を含む、取得した資産が適切に機能しているかどうか確認を行う試験の費用は、当初の建設に要した取得原価に含めております。
土地を除く有形固定資産は、定額法により減価償却を行っております。減価償却に係る見積耐用年数の主なものは以下のとおりです。
構築物 40年
建物 10年~50年
機械装置及び備品 3年~15年
有形固定資産が複数の構成要素に分割できる場合には、その構成要素ごとに、それぞれ該当する耐用年数を適用しております。資産の耐用年数の見積りは定期的に見直しを行い、必要がある場合には耐用年数の短縮を行っております。修繕及び保守費用は発生した時点で費用としております。
リース(借手)
ファイナンス・リースとは、所有に伴うリスクと経済価値のすべてが当社グループに移転するリースを指します。ファイナンス・リースは、リース開始時に算定したリース物件の公正価値または最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額で資産計上し、リース期間及び耐用年数のいずれか短い期間で償却しております。リース債務については、金融費用を除いた金額を有利子負債として認識しております。支払リース料のうち金融費用に相当する部分は、実効金利法を用いてリース期間にわたり費用としております。
オペレーティング・リースとは、所有に伴うリスクと経済価値が当社グループに移転しないリースを指します。オペレーティング・リース料の支払は、リース期間にわたり定額で費用としております。
無形資産
購入した特許権、商標権、許諾権及びその他の無形資産は取得原価で計上しております。これらの無形資産を企業結合を通じて取得した場合は公正価値で計上しております。無形資産は利用可能となった時点から耐用年数にわたり定額法により償却しております。耐用年数は、法的存続期間または経済的耐用年数のうちいずれか短い年数を採用し、定期的に見直しを行っております。
主な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりです。
製品関連無形資産 10年~17年
マーケティング関連無形資産等 5年
技術関連無形資産 7年~9年
有形固定資産及び無形資産の減損損失
有形固定資産及び利用可能な無形資産について減損の兆候がある場合、各会計期間末に減損の判定を実施しております。また、利用可能でない無形資産は、毎年、減損の判定を行っております。資産の回収可能価額(公正価値から売却費用を控除した額または使用価値のいずれか高い方)が帳簿価額を下回った場合は帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として純損益で認識しています。使用価値は将来のキャッシュ・フローを見積り、適切な長期金利を使用し、時間的価値を考慮したうえで算定しております。減損損失が発生した場合、当該資産の耐用年数を見直し、必要に応じて耐用年数を短縮しております。
減損の戻入は、減損の額が減少し、その減少が減損後に発生した事象に客観的に関連付けることができる場合に連結損益計算書を通じて認識しております。
棚卸資産
棚卸資産は取得原価または正味実現可能価額のいずれか低い方で計上しております。製品、仕掛品及び半製品の取得原価は、原材料費、直接労務費、直接経費及び正常生産能力に基づく製造間接費を含んでおります。取得原価は総平均法で計算しております。正味実現可能価額は、見積売価から完成までの見積原価及び通常の営業過程における販売に要する見積費用を控除した額となります。
営業債権及びその他の債権
2018年1月1日より適用される方針
営業債権及びその他の債権は、当初の請求金額から貸倒引当金、値引及び一部の割戻等を控除とした金額で計上しております。債権は、対価に対する企業の権利のうち無条件のものであり、契約資産は含みません。当社グループは、IFRS第15号の範囲に含まれる取引から生じた営業債権及びその他の債権に対する貸倒引当金を、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。予想信用損失の見積りには、営業債権及びその他の債権の回収までに必要と見込まれる期間や実際の回収状況、過去の顧客別損失実績率、将来の経済情勢等の指標を用いております。一方、IFRS第15号の範囲に含まれない取引から生じたその他の債権に対する貸倒引当金については、当該債権に係る信用リスクが当初認識時以降に著しく増大していない場合、当該金融商品に係る損失評価引当金を12か月の予想信用損失と同額で測定しております。
営業債権に対する貸倒引当金繰入額は、販売費に計上しております。値引・割戻等は、契約上の義務、過去の傾向や実績等を考慮したうえで、関連する売上収益が計上される会計期間に計上しております。営業債権及びその他の債権は、全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合、直接償却をしております。営業債権及びその他の債権を直接償却した場合においても、当社グループは継続して当該債権を回収することができるよう努めております。当該営業債権及びその他の債権が回収された場合、利得または損失として計上しております。
2018年1月1日より前に適用されていた方針
営業債権及びその他の債権は、当初の請求金額から貸倒引当金、値引及び一部の割戻等を控除した金額で計上しております。貸倒引当金は、当社グループが期日までに全額を回収できないという客観的証拠のある取引について計上しております。回収可能価額の見積りには、営業債権及びその他の債権の回収までに必要と見込まれる期間や実際の回収状況、過去の実績、経済情勢等の指標を用いております。
営業債権に対する貸倒引当金繰入額は、販売費に計上しております。値引・割戻等は、契約上の義務、過去の傾向や実績等を考慮したうえで、関連する売上収益が計上される会計期間に計上しております。
現金及び現金同等物
現金及び現金同等物には、現金、当座預金及びその他の預金等が含まれます。現金同等物は、現金化することが容易で、大幅な価値の変動が起こるリスクが低く、預入日から満期日が3か月以内の預金等が該当します。
引当金及び偶発負債・資産
引当金は、経済的資源の流出が生じる可能性が高く、法的または推定的債務があり、これに係る債務の金額を確実に見積ることができる場合に計上しております。事業再編引当金は、当社グループが事業再編に伴う詳細な計画を発表または開始した時点で計上しております。引当金は、最終的に生じると見込まれる債務の見積額を、貨幣の時間的価値に重要性がある場合には割り引いて計上しております。
偶発負債は、将来の事象によって債務の存在が確認されるか、または債務の金額を合理的に見積ることができない場合に注記で開示しております。偶発資産は、経済的資源の流入が生じる可能性が高くなった場合に注記で開示しております。
公正価値
公正価値とは、測定日において市場参加者間で秩序ある取引が行われた場合に、資産の売却によって受け取るであろう価格、または負債の移転のために支払うであろう価格です。公正価値は、活発な市場における相場価格が入手できない場合には、その市場価格を参考にする評価方法、またはオプション・プライシング・モデル、もしくは割引キャッシュ・フロー法等、確立された評価方法を用いることにより決定しております。
金融商品
2018年1月1日より適用される方針
当社グループはデリバティブ以外の金融資産を事後に償却原価で測定するもの、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するもの、または純損益を通じて公正価値で測定するもののいずれかに分類しております。
金融資産は、金融資産の管理に関する企業の事業モデル、及び契約上のキャッシュ・フローの特性に基づき分類されます。当社グループは負債性金融商品、及び償却原価で測定される金融資産につき、これらの資産の管理に関する事業モデルを変更した場合に、かつ、その場合にのみ、分類を変更します。
当初認識時、当社グループは金融資産を公正価値で測定しております(当初認識時に取引価格で測定される重大な金融要素を有しない営業債権を除く)。また、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を除き、金融資産の取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算しております。
償却原価で測定する金融資産:
以下の要件がともに満たされる場合、「償却原価で測定する金融資産」に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている場合
・契約条件により元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合
これらは当初認識後、償却原価で測定され、ヘッジの対象となっていない金融資産による収入または損失は、その資産の認識の中止をした、あるいは減損された際に認識しております。これらの金融資産による利息収入は、実効金利法に基づき、その他の金融収入に計上しております。この分類には主に営業債権、現金及び現金同等物、預入期間が3か月超の定期預金が該当します。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCI金融資産):
以下の要件がともに満たされる場合、「FVTOCI金融資産」に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている場合
・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合
これらは認識時点での公正価値で当初測定した後、各会計期間末の公正価値で再測定しております。公正価値の変動は、純損益に計上される減損、利息、外国為替損益を除き、その他の包括利益として認識しております。資産の認識を中止する場合には、それまでその他の包括利益として認識されていた累積損益を、資本から純損益に組替えております。FVTOCI金融資産に分類された金融資産から生じる実効金利法による金利収益はその他の金融収入として計上しております。この分類には主に短期金融資産が該当します。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品(FVTOCI資本性金融商品):
資本性金融商品については、当初認識時に、事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取り消し不能の選択を行った場合に、「FVTOCI資本性金融商品」に分類しております。これらは認識時点での公正価値で当初測定した後、各会計期間末の公正価値で再測定しております。FVTOCI資本性金融商品に係る受取配当金は純損益にその他の金融収入として計上しております。これらの資産に係るその他の損益は、その他の包括利益として計上しており、純損益に振替えられることはありません。なお、認識を中止した場合にはその他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えております。
当社グループはデリバティブを除くすべての金融負債を、「償却原価により測定する金融負債」に分類しております。金融負債は認識時点での公正価値で当初測定し取引コストを除いた後、実効金利法による償却原価で測定しております。この分類には主に営業債務が該当します。
為替リスクを管理するために活用されているデリバティブ金融商品は、認識時点での公正価値で当初測定した後、各会計期間末の公正価値で再測定しております。適格なキャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段に指定されたデリバティブを除き、公正価値の変動はその他の金融収入(支出)として計上しております。
2018年1月1日より前に適用されていた方針
金融商品を次のように分類しております。
売却可能金融資産:売却可能金融資産に指定されている、または以下のいずれにも分類されない、非デリバティブ金融資産です。これらは認識時点での公正価値で当初測定した後、各会計期間末の公正価値で再測定しております。公正価値の変動は、減損、金利及び為替レートの変動を除き、その他の包括利益として認識しております。資産の認識を中止する場合には、それまでその他の包括利益として資本で認識されていた累積損益をその他の金融収入(支出)に組替えております。この分類には、有価証券及び長期金融資産の大部分が該当します。
公正価値で測定する金融商品-ヘッジ手段:為替リスクを管理するために活用されているデリバティブ金融商品です。これらは認識時点での公正価値で当初測定した後、各会計期間末の公正価値で再測定しております。適格なキャッシュ・フロー・ヘッジに指定されたデリバティブを除き、公正価値の変動はその他の金融収入(支出)として計上しております。
公正価値で測定する金融商品-その他:当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定する金融商品として指定された非デリバティブ金融商品です。これらは認識時点での公正価値で当初測定した後、各会計期間末の公正価値で再測定しております。公正価値の変動は純損益で認識されます。この分類には、売買目的として分類された金融資産が該当します。
貸付金及び債権:活発な市場における公表価格がなく、支払額を固定または確定し得る非デリバティブ金融商品です。これらは認識時点での公正価値で当初測定され、各会計期間末に、減損損失を控除したうえで、実効金利法を用いて償却原価で測定しております。この分類には、営業債権及びその他の債権、現金及び現金同等物並びに長期金融資産の一部が該当します。
その他の金融負債:非デリバティブ債務です。これらは認識時点での公正価値で当初測定され、各会計期間末に実効金利法を用いて償却原価で測定しております。この分類には、営業債務及びその他の債務並びに有利子負債が該当します。
金融商品の認識中止
2018年1月1日より適用される方針
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産の所有に係るリスクと経済的価値のほとんどすべてを移転する取引において当該金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合、金融資産の認識を中止しております。
金融負債は、契約上の義務が免責、取消、または失効となった場合に、認識を中止しております。
2018年1月1日より前に適用されていた方針
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、または金融資産の所有に伴うリスクと経済価値を実質的にすべて移転するような取引で当社グループが金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡した場合、金融資産の認識を中止しております。
金融負債は、契約上の義務が免責、取消、または失効となった場合に、認識を中止しております。
金融資産の減損損失
2018年1月1日より適用される方針
当社グループは、償却原価で測定する金融資産、及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品について、予想信用損失に対する減損損失を認識しております。
当社グループは、IFRS第15号の範囲に含まれる取引から生じた営業債権に対する損失評価引当金を、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
その他の償却原価で測定する金融資産、及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品については、これらに係る信用リスクが会計期間末において、当初認識時以降に著しく増大していない場合、当該金融商品に係る損失評価引当金を12か月の予想信用損失と同額で測定しております。当社グループは、金融商品がグローバルに認識されている“投資適格”に値する場合、信用リスクは低いとみなしております。当社グループでは“投資適格”をMoody's社でBaa3以上、S&P社でBBB-以上とみなしております。一方、金融資産に係る信用リスクが当初認識時以降に著しく増大している場合に、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。当社グループは、契約上の支払の期日経過が30日超である場合、当該金融資産の信用リスクが著しく増大したとみなしております。また、取引の相手方が債務を完全に支払う見込みがない場合、当該金融資産は債務不履行の状態にあるとみなしております。取引先が債務不履行に陥っているかの判定は、当社で作成したデータに基づき定性的・定量的に行っております。一部の金融資産については、外部データを用いて判定しております。
ある金融資産の全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、当該金額を金融資産の帳簿価額から直接償却しております。これは顧客が直接減額の対象となる金額を支払うに足る十分なキャッシュ・フローを生み出す資産あるいは収入源がない場合であると当社グループはみなしております。しかし、当社グループの債権を回収する方針を遵守し、直接減額された金融資産であってもなお、債務の履行を促す活動の対象となります。
2018年1月1日より前に適用されていた方針
金融資産は各会計期間末に個別に減損テストを行っております。発行者の倒産、デフォルトまたは重要な財政状態の悪化が認められた場合には減損の客観的な証拠があるものとして、減損損失を認識しております。加えて、売却可能な資本性金融商品が、当初認識時の取得価額の25%を下回る時価となった場合、または6か月以上当初認識時の取得価額を継続して下回る場合にも、減損したものとみなします。
償却原価で測定している金融資産については、当初の実効利子率を用いて割引いた見積将来キャッシュ・フローを使用して計算された回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その差額を減損損失として計上しております。売却可能金融資産については、その他の包括利益として認識していた当初取得原価または過去の減損を控除した帳簿価額と公正価値との差額を、減損認識時に連結損益計算書に振り替えております。
公正価値の回復が減損を認識した後に発生した事象に客観的に関連付けることができる場合には、減損損失の戻入を行っております。売却可能な資本性金融商品に係る減損後の公正価値の回復はその他の包括利益に計上しております。償却原価で測定している負債性金融商品または売却可能な負債性金融商品の場合には、減損損失の戻入はその他の金融収入(支出)として計上しております。
ヘッジ会計
当社グループは為替リスクに対するヘッジを目的とし、先物為替予約取引を行っております。ヘッジ会計の利用は特定の重要な取引に制限しております。ヘッジ会計の要件を満たすには、ヘッジ関係の文書化、高い発生可能性、ヘッジの有効性及び測定の信頼性等、いくつかの厳しい基準を満たす必要があります。経済的観点からヘッジ関係にあると考えられる取引であっても、これらの要件が満たされていない場合、当該ヘッジ関係はヘッジ会計として適格ではありません。この場合のヘッジ手段とヘッジ対象は、ヘッジ会計を適用していない独立の項目として認識されます。このようなヘッジ会計を適用していないデリバティブは公正価値で測定され、公正価値の変動はその他の金融収入(支出)で認識されます。
キャッシュ・フロー・ヘッジ:キャッシュ・フローの変動可能性のうち、認識されている資産・負債に関連する特定のリスクまたは可能性の非常に高い予定取引に起因し、純損益に影響し得るものに対するヘッジです。ヘッジ手段は公正価値で測定されます。ヘッジとして有効な部分の公正価値の変動はその他の包括利益として認識され、非有効部分はその他の金融収入(支出)に計上しております。ヘッジ関係が、非金融資産・非金融負債の為替リスクをヘッジする確定約定または可能性が高い予定取引である場合には、それらが認識される際に、それまでその他の包括利益で認識されていたヘッジ手段の公正価値の累積変動額を非金融資産・非金融負債の当初の帳簿価額に振り替えており、また、それ以外の予定取引である場合には、ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同じ期の純損益に振り替えております。その他のヘッジされた予定キャッシュ・フローについては、純損益に影響を与えるのと同じ期に、それまでその他の包括利益で認識されていたヘッジ手段の公正価値の累積変動額をその他の金融収入(支出)に振り替えております。
法人所得税
法人所得税は、課税所得を基礎に課税される税金をすべて含んでおります。課税所得に連動しない税金である固定資産税及び資本課税等は、営業費用としております。子会社で発生する内部留保の配分である子会社配当金等に対する所得税の負担は、当該子会社が将来配当を実施する確実性が高まったときのみ計上しております。納税義務が不確実である場合、未払法人所得税には特定の状況やグループの過去の経験に基づいて生じると見込まれる最終的な債務に関する経営者の最善の見積りが含まれます。
繰延税金資産及び負債は、税務上の資産及び負債の帳簿価額と会計上の資産及び負債の帳簿価額との間に生じた一時差異について認識しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に対して未使用の欠損金が利用できる範囲で認識しております。
繰延税金資産及び負債並びに未収及び未払法人所得税は、同一の税務当局に法人所得税を徴税され、法的に相殺する権利がある場合にのみ相殺しております。繰延税金資産及び負債は、当社グループが事業を行うそれぞれの国において現時点で適用されるべき税率に基づいております。
自己株式
当社グループは、自己株式を資本の控除項目としております。自己株式を取得または売却した場合には、資本の変動として認識しております。取締役及び一部の従業員に付与した新株予約権が行使された場合には、自己株式から割り当てを行っております。
当社グループの連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、(5)会計方針の変更に記載のあるものを除き、前連結会計年度において適用した会計方針と同一であります。
2018年1月1日において当社グループは、以下の新しい会計基準及び当該基準に係る修正項目について準拠しました。
IFRS第9号「金融商品」
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
当社グループの連結財務諸表への重要な会計方針の変更の内容及び影響は以下のとおりです。
当社グループは2018年1月1日よりIFRS第9号「金融商品」を適用しました。この新しい基準はIAS第39号「金融商品:認識及び測定」を置き換えたものです。この基準は、金融商品の分類、認識及び測定(減損を含む)に対応したものであり、新たなヘッジ会計のモデルを明示したものです。
この基準の適用による当社グループの業績又は財政状態に対する重要な影響はありません。
従来のIAS第39号において売却可能金融資産として分類していた資本性金融商品、負債性金融商品などは、経過措置に従い、適用開始日現在の事実及び状況に基づいて、預入期間が3か月超の定期預金を除き、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCI金融資産)として分類しています。預入期間が3か月超の定期預金については償却原価で測定する金融資産に分類しています。これらの分類及び測定の変更に関して過年度の連結財務諸表を修正再表示しないことを認める経過措置を適用しますが、変更に伴う帳簿価額の変動はないため、2018年1月1日時点の利益剰余金の修正額に該当する金額はありません。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品については、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合にはその他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えます。
当社グループは2018年1月1日より金融資産の減損損失の測定手法を、IAS第39号が規定する発生損失モデルからIFRS第9号が規定する予想信用損失モデルに移行しました。新しい減損モデルは、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品には適用されますが、資本性金融商品には適用されません。2018年1月1日に移行の経過措置に従い過年度の連結財務諸表の修正は行わず、予想損失モデルに基づいて損失評価引当金を測定しております。
IFRS第9号を初度適用する際に、IFRS第9号のヘッジ会計に関する規定の代わりに、IAS第39号のヘッジ会計に関する規定を引き続き適用するという会計方針を選択することができるため、当社グループは引き続きIAS第39号のヘッジ会計に関する規定を適用しています。
当社グループは2018年1月1日より、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用しました。新しい基準はIAS第18号「収益」及びIAS第11号「工事契約」を置き換えたものです。IFRS第15号は財務諸表の表示を含む収益認識の金額、収益認識の時期を決定する包括的フレームワークを定めています。
この基準の中心となる原則は、収益は顧客と約束した財又はサービスの移転によって、当該財又はサービスと交換に得る対価を反映する金額で認識することにあります。
本基準の目的は、収益を以下の5ステップアプローチに基づいて認識することです。
ステップ1:顧客との契約の識別
ステップ2:履行義務の識別
ステップ3:取引価格の算定
ステップ4:履行義務への取引価格の配分
ステップ5:履行義務の充足による収益認識
見積りや仮定、履行義務の識別、変動対価の見積りの制限、取引価格の履行義務への配分には判断が伴います。
この基準の適用により、開示を要する項目が増加します。
この基準書は以下のように当社グループに関連する新しい要求事項やガイダンスについて規定しております。
・ライセンス契約から生じる収益(売上高ベースのロイヤルティ、開発マイルストンのような変動対価の見積りの制限)は、それぞれの履行義務に分けて変動対価を認識することになります。この変更による重要な影響はありません。
・この基準書は、値引き等を含む売上を複数の履行義務へ配分する方法、履行義務それぞれに係る売上の認識時期などのガイダンスを示しています。このようなガイダンスを実際に適用するためには、見積り、仮定、判断の使用が求められます。このガイダンスによる重要な影響はありません。
・技術等の導出契約には、導出以降の義務が一切ない場合、又は研究、後期開発、規制当局承認、共同販促、製造への関与を含んでいる場合があります。これらは、契約一時金やマイルストン収入、サービス償還費の組み合わせによって決まります。これらの関与が単一もしくは複数の履行義務かについては、単純なものではなく、判断が必要となります。この判断に基づいて、収益は一時の収益として、又は、履行義務が充足される一定期間に渡る収益として認識されることになります。この基準書の適用により、従来は繰延収益として一定期間に渡り収益を認識していた契約一時金について、導出時に一時の収益として認識しています。
この基準書の適用にあたり、当社グループは経過措置として認められている累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用いたしました。当該方法の採用により、この基準書の適用開始の累積的影響である2017年12月31日の連結財政状態計算書に計上されている繰延収益の税効果考慮後の金額10,606百万円を当連結会計年度の利益剰余金期首残高へ表示を修正しています。なお、この修正以外にこの基準書の適用による当社グループの業績又は財政状態に対する重要な影響はありません。
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた重要な基準書のうち、当社グループが2019年から適用するものは下記のとおりです。
そのほかにも、基準書の新設、基準書の軽微な変更等がありましたが、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与えるものではないと考えております。
① 2019年度に適用となる基準書
IFRS第16号「リース」
新しい基準の主な影響は、借手のオペレーティング・リース取引がオフバランス処理からオンバランス処理へ変更となることです。移行に当たっては、経過措置として認められている累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用する予定であります。
当社グループは潜在的な影響を評価しておりますが、現在のところ、新しい基準の適用により、リース関連の資産の帳簿価額が約150億円増加し、同時にリース負債もほぼ同額増加するという見込みであります。
また、新しい基準の適用により、これまでのオペレーティング・リースのリース料の一部については、支払利息に計上されることになります。当社グループはリース契約の規模及び現在の低金利の経済状況を鑑みると、この変更による影響には重要性はないと考えております。
この基準の適用により、開示を要する項目が増加します。
② 2020年度以降に適用となる基準書
当社グループは2020年度以降に適用となる新たな基準書による影響を調査中です。
当社グループは、単一の医薬品事業に従事し、複数の事業セグメントを有しておりません。当社グループの医薬品事業は、新規の医療用医薬品の研究、開発、製造、販売活動から成り立っております。これらの機能的な活動は事業として統合した運営管理を行っております。
IFRS第15号の適用開始が顧客との契約から生じる収益に与える影響については、注記1.重要な会計方針等(5)会計方針の変更で説明しております。IFRS第15号の適用にあたり選択した移行方法に基づき、新しい規定を反映するための比較情報の修正再表示は行っておりません。また、その他の源泉から生じる収益は、相手先が顧客とはみなされない場合の協同パートナーとの利益分配契約からの収入及びヘッジ利得または損失から生じております。
過去の期間に充足された(または部分的に充足された)履行義務に関して当連結会計年度に認識した収益の金額は17,364百万円です。
これは、主に受取ロイヤリティやマイルストン収入で構成されています。
残存履行義務に配分した取引価格
当初の予想期間が1年を超える残存履行義務に配分した取引価格の2018年12月31日現在の総額に重要性はありません。なお、当社グループでは、当初の予想期間が1年以内である残存履行義務に関しては開示しない実務上の便法を採用しております。
また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
当社は、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドとの取引において、日本及びスイス両税務当局に対し、独立企業間価格の算定方法等に関する事前確認を申請しておりましたが、2017年第1四半期に、2016年から2020年の各事業年度において、当社の課税所得を一定額減額して、ロシュの課税所得を同等額増額すること、必要な場合には2021年に追加的調整を行うこと、とする旨などの合意通知書を受領いたしました。
これにより、両社間でのライセンス契約の取決めに基づき、当社で減額される法人税等の一部を、ロシュにおいて納付すると見込まれる税額等としてロシュへ支払うこととし、移転価格税制調整金3,212百万円を計上しております。
その他の一時差異の主なものは、税務上の前払費用額、繰延資産の償却限度超過額、税務上の未確定費用です。
将来減算一時差異のうち1,749百万円(前連結会計年度1,601百万円)は繰延税金資産を計上しておりません。
税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産は、将来の回収可能性が確実であると判断した場合に認識しております。
繰越税額控除に係る繰延税金資産は、将来の回収可能性が確実であると判断した場合に認識しております。
当社グループは、100%出資の在外子会社における利益剰余金を将来にわたり再投資する方針であるため、これに係る繰延税金負債を認識しておりません。在外子会社の未処分利益に係る一時差異の総額は2,107百万円(前連結会計年度2,042百万円)です。
当連結会計年度及び前連結会計年度において、有形固定資産として資産化した借入コストはありません。
減損損失
資産の回収可能額が帳簿価額を下回ったため、帳簿価額を使用価値まで減額しております。
ファイナンス・リース
有形固定資産に計上したファイナンス・リース資産の取得価額は701百万円(前連結会計年度759百万円)、帳簿価額は198百万円(前連結会計年度311百万円)です。
負債に計上したリース債務の帳簿価額は214百万円(前連結会計年度336百万円)です。ファイナンス・リース債務は注記16に記載しております。
オペレーティング・リース
主に設備や機械、車両、建物に係るオペレーティング・リースを契約しております。これらの契約が当社グループの意思決定に重要な制限を課すことはありません。
オペレーティング・リース費用は7,184百万円(前連結会計年度7,013百万円)です。
資本的支出コミットメント
有形固定資産の購入または建設に係る解約不能の資本的支出契約を6,362百万円(前連結会計年度13,995百万円)締結しております。
重要な無形資産
主な製品関連無形資産及び利用可能でない製品関連無形資産は、関連当事者との製品に係る技術導入契約により取得したものです。
製品関連無形資産の残存耐用年数は3年~16年です。
減損損失
当連結会計年度及び前連結会計年度の主な減損損失は、研究開発プロジェクトの中止や収益見込みの不確実性等によるものです。
自己創設無形資産
当社グループの開発プロジェクトから生じる支出は、資産の認識基準を満たさないため、資産計上しておりません。
耐用年数を確定できない無形資産
耐用年数を確定できない無形資産はありません。
利用可能でない製品関連無形資産
利用可能でない製品関連無形資産は、主に製品に係る技術導入契約または個別の資産購入のいずれかにより取得した進行中の研究開発資産です。研究開発プロセスに内在する不確実性のため、研究開発中の資産は製品化に至らず減損損失が発生するリスクがあります。
無形資産の減損損失
減損損失は、資産の使用及び資産の最終的な処分から生み出される将来キャッシュ・フローの見積りの変更により生じます。競合相手の有無、技術的陳腐化または資産計上にあたって想定した製商品売上高からの低下といった要因により、資産の耐用年数の短縮または資産の減損を行います。
アライアンスによる潜在的コミットメント
当社グループは、アライアンスのパートナーと技術導入契約及び類似の契約を締結しております。これらの契約により、合意された目標や成果を達成した場合、特定のマイルストンまたは同様の支払を行います。
このような第三者への支払に関するコミットメントの現在の見積りは以下のとおりです。下記の金額は、割引前のものであり、また成功確率の調整は行わず、現在開発中であるすべてのプロジェクトが成功すると仮定した場合に生じる潜在的な支払をすべて含めております。また、支払時期は現時点における当社グループの最善の見積りに基づいております。
長期金融資産は資本性金融商品であり、純投資目的ではなく、取引関係の維持・強化等のために保有していることを考慮し、すべての資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品へ指定しております(前連結会計年度においては売却可能金融資産)。
長期前払費用は、主に製造委託先における設備のバリデーション(性能が確保されていることを検証すること)費用であり、当社グループが関連当事者に支払ったものです。
売上原価に計上した棚卸資産の金額は245,919百万円(前連結会計年度241,487百万円)です。また、費用計上した棚卸資産損失は1,051百万円(前連結会計年度630百万円)です。
有価証券は資金運用目的で保有しております。主な短期金融資産は、譲渡性預金、金銭信託及びコマーシャル・ペーパーです。主な負債性金融商品は、社債です。
環境対策引当金
環境対策引当金は、当社グループに関係する環境問題に対する引当金です。その性質から、支出の金額及びその時期を具体的に予測することは容易ではありません。重要な環境対策引当金のうち、貨幣の時間的価値に重要性がある場合には割引計算を行っております。
その他の引当金
その他の引当金の主なものは資産除去債務です。支出の時期はそれらの性質により不確実です。重要なその他の引当金のうち、貨幣の時間的価値に重要性がある場合には割引計算を行っております。
偶発負債
当社グループの事業及び業績は、環境保護に関連するものをはじめ、常に様々な程度で政治、法制度、財政や規制等の変化による影響を受け続けております。当社グループが参入している産業は、これらの影響以外にも様々な種類のリスクにさらされております。これらの変化やリスク事象の頻度及び性質は、予測することが困難であり、また保険ですべてをカバーできないため、将来の事業や業績に与える影響も同様に予測することは困難です。
当社グループは、潜在的な新製品の権利を得るため、また、当社グループ独自の潜在的な新製品の開発支援に他の企業の参画を得るため、様々な企業と戦略的アライアンスを締結しております。アライアンス契約の条項に従い、アライアンスパートナーが特定のマイルストンを達成することで、将来支払が生じる可能性があります。当社グループの潜在的コミットメントの最善の見積りは注記8に記載しております。
その他の資本構成要素
公正価値評価:その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(前連結会計年度においては売却可能金融資産)について、売却、減損及びその他の処分が行われるまでに生じた公正価値の累積的な変動額を表示しております。
ヘッジ:未認識のヘッジ対象に係るキャッシュ・フロー・ヘッジ手段から生じる公正価値の累積的な純変動額のうち、ヘッジが有効である部分を表示しております。
為替換算差額:日本円以外の機能通貨を用いる在外子会社を連結する際に生じる累積的な通貨換算差額を表示しております。
非支配持分は中外サノフィ-アベンティス・エスエヌシーの非支配株主に帰属するものです。
その他の従業員給付の主なものは福利厚生費です。
退職後給付制度のうち、第三者である金融機関に固定額の拠出を行い、それ以上の拠出を行う法的または推定的債務を有しないものは確定拠出制度に分類しております。それ以外のすべての制度は、当社グループの潜在的な債務の金額が比較的小さい場合またはそのような債務が発生する可能性が相対的に低い場合であっても確定給付制度に分類しております。当社グループは、従業員に対して確定拠出型及び確定給付型の退職後給付制度を設けておりますが、その大部分は確定給付制度に該当します。
なお、当社は2009年3月開催の第98回定時株主総会の決議により取締役に対する退職慰労金制度を、2006年3月開催の第95回定時株主総会の決議により社外取締役及び監査役(社外監査役を含む)に対する退職慰労金制度をそれぞれ廃止しております。
確定拠出制度
確定拠出制度は、当社グループによる第三者への掛金の拠出からなり、その費用は973百万円(前連結会計年度1,029百万円)です。
確定給付制度
当社グループは、確定給付制度として企業年金基金制度及び退職一時金制度を設けております。
企業年金基金制度では、従業員は退職までの雇用期間に付与された制度ポイントの累計に基づく金額について、退職時に一時金として給付を受けることができます。雇用期間が一定以上となる従業員は、この金額の一部または全部について有期または終身年金として給付を受けることを選択できます。退職一時金制度では、従業員は制度ポイントの累計に基づく金額について、退職時に一時金として給付を受けることができます。退職一時金制度に対しては、退職給付信託を設定しております。なお、従業員の退職等に際して、確定給付制度の対象とされない割増退職金を支払う場合があります。
確定給付制度に関する基金及び信託は当社グループから独立していますが、当社グループからの拠出のみを財源としております。
年金資産の運用の目的は、長期的な視点に立ち、制度債務の特性などの諸条件を総合的に勘案し許容しうるリスクの範囲で運用を行い、一定の目標収益率を達成するためにリスクの最小化、運用機関の選別等を通じて効率化を図ることです。同時に、短期的な運用実績の変動ではなく長期の運用目標を達成できるよう、十分な検討を行っております。この目的、検討などを勘案し、適切な分散投資を図りながら基本資産の配分を策定しております。
年金資産の積立状況は、責任部門で管理し報告日時点での評価を毎年実施しております。
確定給付制度債務は予測単位積増方式を用いて算定しています。計算の結果、潜在的な資産が生じる場合、制度からの返還または将来の制度への掛金の減額から得られる経済的便益の現在価値を限度として、資産を認識しております。
制度資産で保有している資本性金融商品及び負債性金融商品は相場価格を入手できるものであり、公正価値ヒエラルキーのレベル1に該当する金融商品です。
年金数理計算上の仮定
年金数理計算上の仮定は、退職後給付の最終的な費用を決定するために用いられる客観的かつ相互に矛盾のない見積変数であり、年金数理人の助言に基づき責任部門により毎年見直されます。この仮定は、死亡率や退職率などの人口統計上の仮定と、金利などの財政上の仮定で構成されています。
人口統計上の仮定:人口統計上の仮定には、死亡率や退職率などがあります。死亡率は確定給付企業年金法施行規則に定める基準死亡率を使用しております。退職率は退職後給付制度における過去の実績に基づいております。
財政上の仮定:財政上の仮定には割引率があります。主に優良社債の利回りを参照し、退職後給付の支給見込期間などを反映しております。
年金数理計算上の仮定の感応度
使用した数理計算上の仮定が変化した場合の制度債務への影響額は以下のとおりです。計算にあたり使用した仮定以外の変数は一定であるとしております。
将来キャッシュ・フロー
最新の数理計算によると、当社グループは、確定給付制度に対して2019年度に2,443百万円の拠出が求められることが予想されております。
当社グループは取締役及び一部の従業員に対する持分決済型株式報酬制度を設けております。これらはIFRS第2号(株式に基づく報酬)に従って、権利付与日の公正価値で評価し、権利確定期間にわたり費用計上しております。
2017年度から、取締役等に対し、株主のさらなる価値共有を進めること及び当社の中長期の業績との連動性を一層高め、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることを目的として、現行ストック・オプション報酬に代えて譲渡制限付株式報酬を新たに導入いたしました。
(1)ストック・オプション制度
一般型ストック・オプション
当社グループは、2003年から取締役及び一部の従業員に対する一般型ストック・オプションとして新株予約権を発行しております。付与対象者は、新株予約権1個当たり普通株式100株を特定の行使価格で購入する権利を有しております。この権利は譲渡できず、権利行使期間は権利付与後約10年間、権利行使の確定条件は付与日以降約2年間継続して勤務することです。
一般型ストック・オプションの未行使残高
未行使の一般型ストック・オプション(当連結会計年度末)
株式報酬型ストック・オプション
当社グループは、取締役への退職慰労金制度を廃止し、これに代わり2009年から取締役に対する株式報酬型ストック・オプションとして新株予約権を発行しております。付与対象者は、新株予約権1個当たり普通株式100株を100円の行使価格で購入する権利を有しております。この権利は譲渡できず、権利行使期間は新株予約権付与後約30年間であり、取締役を退任後に行使することができます。
株式報酬型ストック・オプションの未行使残高
未行使の株式報酬型ストック・オプション(当連結会計年度末)
新株予約権の行使
(2)譲渡制限付株式報酬制度
譲渡制限付株式は、一定期間継続して当社の取締役等を務めることを条件とする取締役等を対象とする「勤務継続型譲渡制限付株式」と、当該条件に加えて当社の中長期的な業績目標達成を条件とする取締役のみを対象とする「業績連動型譲渡制限付株式」により構成されます。対象となる取締役等は、本制度に基づき当社から支給された金銭報酬債権又は金銭債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受けることとなります。
また、本制度による当社の普通株式の処分に当たっては、当社と取締役等との間で譲渡制限付株式割当契約(以下「本割当契約」といいます。)を締結するものとし、その内容としては、①取締役等は、一定期間、本割当契約により割当てを受けた当社の普通株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないこと、②一定の事由が生じた場合には当社が当該普通株式を無償で取得すること等が含まれております。
付与年度ごとの株式付与数及び付与日における公正な評価単価
譲渡制限付株式の内容(各付与年度共通)
(*)TSRの計算式
TSR=(評価期間中の株価上昇額(B-A)+ 評価期間中の配当額)÷ 当初株価(A)
A:当初株価(評価期間開始前3カ月の平均株価終値)
B:最終株価(評価期間終了前3カ月の平均株価終値)
基本的1株当たり利益
希薄化後1株当たり利益
希薄化効果を有さないとして、希薄化後加重平均普通株式数の算定から除外されているストック・オプションはございません。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、当社グループの主要な事業活動である医薬品の研究開発・製造・販売活動から生じます。営業活動による現金創出額は、営業利益に有形固定資産の減価償却費、無形資産の償却費や減損損失等の非資金損益項目の調整を行う間接法によって計算しております。営業キャッシュ・フローには、当社グループのすべての活動によって生じる法人所得税の支払を含んでおります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは主に有形固定資産及び無形資産への投資です。また、有価証券等への投資、投資から得られる受取利息及び受取配当金を含んでおります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは主に配当の支払です。
重要な非資金取引
当連結会計年度及び前連結会計年度において、重要な非資金取引はありません。
(1)財務リスク管理
事業及び財務活動に伴い、当社グループはさまざまな財務リスクにさらされております。財務リスクは、主に為替レート、金利、株価、取引相手の信用度及び支払能力の変化に起因するものです。
当社グループにおける財務リスク管理は、取締役会によって承認を受けた方針に基づいて行われております。当該方針は信用リスク、流動性リスク及び市場リスクに対応しており、リスクの上限、投資適格な金融商品やモニタリング手続きについての指針を提供しております。方針の遵守及び日々のリスク管理は関連する部門によって行われており、これらのリスクに関する定期的な報告は財務経理部門及び管理部門によって行われております。
①信用リスク
営業債権及びその他の債権は取引先の信用リスクにさらされております。営業債権は主に売掛金です。営業債権は、カントリー・リスクの評価、与信限度額の設定、継続した信用調査及び取引先のモニタリングに重点を置いた管理を行っております。モニタリングとは、営業管理部門が経理規程に従い、主要な取引先ごとに営業債権の期日及び残高を管理し、延滞状況及び財務状況等の悪化による回収懸念を早期に把握し軽減を図ることであります。
営業債権の管理は、リスクを許容可能な水準に保ちながら資産の利用を最適化することによって、当社グループの成長及び収益性を維持することを目的としております。営業債権の回収を担保することが適切な場合には、信用保険及び類似の信用補完手続きを実施しております。なお、当連結会計年度末及び前連結会計年度末において、担保として保有している重要な資産はありません。
当社グループが有する営業債権のうち第三者に対する売掛金は、主に日本の顧客に対するものです。当連結会計年度末における主要顧客に対する売掛金は、第三者に対する売掛金のうち、70%を占めております。
IFRS第15号の範囲に含まれる取引から生じた営業債権に対する貸倒引当金の期日別分析
予想信用損失レートは、当社グループの過去の経験と、債権が支払われるまでの経済状況の動向に基づいて決定しております。
また、デリバティブ取引の利用及び短期金融資産への投資にあたっては、カウンター・パーティー・リスクを軽減するために、信用力の高い金融機関と取引しております。
担保、その他の信用補完措置を考慮しない場合に、財務活動から生じる信用リスクの最大エクスポージャーは、当社グループが保有する金融資産の帳簿価額になります。
信用リスクのある金融資産(IFRS第15号の範囲に含まれる取引から生じた営業債権除く)
現金及び現金同等物はS&P社及びMoody's社の格付けにおいて、主に投資適格に格付けられている銀行や金融機関において保持しております。現金及び短期の定期預金の預け入れは当社のエクスポージャーを管理する規定に従い、個別に金融機関を選定しております。
有価証券(資本性金融商品を除く)への投資は、流動性、質、及び投資額の上限に関する規定に基づいて行っております。原則として、当社グループは十分な流動性がある質の高い有価証券にのみ投資をし、Moody's社でBaa3以上、S&P社でBBB-以上の格付を保有する信用力の高い金融機関と取引しております。
IFRS第15号の範囲に含まれる取引から生じた営業債権以外の債権に関する信用リスクについては、外部情報や過去の経験等に基づいて管理しております。
投資適格に満たないあるいは格付のない取引先については個別のモニタリングを行っております。
償却原価で測定する金融資産及び、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(資本性金融商品を除く)は投資適格でありリスクは低いとみなしております。従って、外部評価機関による信用格付に基づき12か月の予想信用損失と同額で測定しております。全期間の予想信用損失と同額で測定する必要のある、信用リスクが著しく増大した金融資産はありませんでした。IFRS第9号に基づく、改訂された減損アプローチの適用による重要な影響はありませんでした。また、当期間内で損失評価引当金に重要な増減はありませんでした。
金融資産の減損損失
前連結会計年度の売却可能金融資産の減損は97百万円です。
②流動性リスク
流動性リスクは、支払義務が即時に利用可能な金融資産の金額を超過する場合に発生します。流動性リスクに対する当社グループのアプローチは、流動性の需要に即時に対応できるだけの十分な手許資金を維持することにあります。財務経理部門が各部門からの報告に基づき資金繰り計画を作成及び更新することにより、流動性リスクを管理しております。
当社は1社以上の格付機関によって高い信用格付を受けております。この結果、重要な資金調達を行う必要が生じた場合には、国際的な資本市場への効率的なアクセスが可能となっております。また、当社は複数の金融機関に対して未使用のコミットメントラインを有しており、その金額は合計で40,000百万円(前連結会計年度40,000百万円)です。
(注)リスク管理目的で保有する、通常契約満期前に処分することのないデリバティブ金融負債に関連する契約上の割引前キャッシュ・フローです。
③市場リスク
市場リスクは、当社グループが保有する金融資産及び金融負債の市場価格の変動から生じます。市場価格の変動は、主に為替レート及び金利の変動によるものであり、当社グループの純損益及び資本に影響を与えます。
為替リスク
外貨建ての営業債権及びその他の債権並びに営業債務及びその他の債務は、為替リスクにさらされております。為替リスク管理活動の目的は、当社グループが保有する現在及び将来の資産の経済的価値を維持し、当社グループの業績の変動を最小化することにあります。
当社グループは、外貨建債権及び外貨建債務それぞれに係る為替リスクに対するヘッジを目的とし、先物為替予約取引を行っております。また、その一部はキャッシュ・フロー・ヘッジとして予定取引の段階でヘッジ指定しております。
外貨建債権債務の為替リスクをヘッジするために用いるデリバティブ取引は、当社グループ内で規定された管理体制に基づいて実施しており、取引残高・評価損益等の取引の状況を、月次で公正価値を用いて把握しております。なお、子会社はデリバティブ取引を行っておりません。
為替感応度分析
機能通貨である円が主要通貨に対して1%円高になった場合、当社の保有する外貨建金融商品が税引前当期利益に与える影響額は以下のとおりです。また、ヘッジ会計を適用したデリバティブ金融商品のうち、ヘッジ関係が有効な部分は影響額の計算から除外しております。なお、計算にあたり使用した通貨以外の通貨は変動しないものと仮定しております。
(注)上記でプラスの数値は、1%円高になった場合に、当社が保有する外貨建金融商品が税引前当期利益に与えるプラスの影響を示しております。なお、これらは当社のキャッシュ・フローや経営への影響を表したものではありません。
機能通貨である円が主要通貨に対して1%円高になった場合の、当社が保有する外貨建金融商品に与える影響額の内訳は以下のとおりです。
金利リスク
当社グループが保有する有利子負債及び貸付金の残高は僅少であり、当社グループにおける金利リスクは軽微です。
(2)金融商品
金融商品の帳簿価額及び公正価値
当社グループが保有する金融商品として、長期金融資産、営業債権及びその他の債権、有価証券、現金及び現金同等物、その他の流動資産に含まれるデリバティブ金融資産、営業債務及びその他の債務、その他の流動負債に含まれるデリバティブ金融負債、有利子負債があります。これらの帳簿価額は公正価値と一致または近似しております。
公正価値で測定する金融商品
経常的な公正価値測定を行う際の評価技法へのインプットを3つのレベルに分類しております。
レベル1-活発な市場における同一資産及び負債の無修正の相場価格
レベル2-レベル1に含まれる相場価格以外で、直接又は間接に観察可能なインプット
レベル3-観察不能なインプットを含む、詳細技法を用いて測定された公正価値
公正価値ヒエラルキーはIFRS第9号「金融商品」の適用による表示要件の変更に合わせて調整しております。
IFRS第9号適用により「3か月超の定期預金」を償却原価法で測定するため、当連結会計年度以降の公正価値ヒエラルキーに含めません。
レベル1の金融資産には、社債、上場株式が含まれております。レベル2の金融資産には、主に譲渡性預金、金銭信託、コマーシャル・ペーパー、デリバティブが含まれております。
レベル2の公正価値測定は下記のように行っております。
有価証券及びデリバティブ金融商品は、観察可能な金利、イールド・カーブ、為替レートの市場のデータ、また測定日における類似の金融商品に含まれるボラティリティなどを指標とする評価モデルを使用しています。
当社グループでは、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替が生じた場合、各会計期間末にこれを認識しております。なお、レベル1とレベル2の間において重要な振替はありません。
レベル3には非上場株式が含まれております。観察不能なインプットを含む、評価技法を用いて公正価値を測定しています。
レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
(3)デリバティブ
ヘッジ会計
ヘッジの有効性は、ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係が存在することを、各報告日における定期的な有効性評価によって判断しております。当社グループは、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているかどうかの定性的な評価によってヘッジの有効性を確認しております。
当社グループは外国為替変動リスクを管理する目的でキャッシュ・フロー・ヘッジを適用しており、ヘッジ対象がヘッジされた額より少ない場合、非有効部分が生じる可能性があります。ヘッジ会計の非有効部分は損益計算書に認識され、その他の金融収入(支出)に計上しております。キャッシュ・フロー・ヘッジにおいては仮想デリバティブ法を用い測定します。なお、当連結会計年度及び前連結会計年度において、非有効部分の発生はありません。またヘッジ会計の適用が中止されたヘッジ関係もありません。
以下の表はキャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段として指定されたデリバティブ商品の、想定元本、帳簿価額(公正価値)及び契約上の満期日の範囲を示しております。2018年12月31日現在、当社グループは以下のとおり、有効なヘッジ関係にあるキャッシュ・フロー・ヘッジを保持しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは、海外の関連当事者と棚卸資産等を外貨建てで取引しているため、為替リスクにさらされております。為替リスクを軽減するために、当社グループは先物為替予約によるヘッジを行っております。ヘッジ手段の公正価値は109百万円(前連結会計年度456百万円)です。
適格なキャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段から予想される将来キャッシュ・フローの現在価値は以下のとおりです。
(4)資本管理
当社グループの資本管理の対象は有利子負債と非支配持分を含む資本の合計である投下資本です。当社グループが資本管理を行う際の方針は以下のとおりです。
・患者さんに便益及び投資家にリターンを継続的に提供するため、継続企業としての当社グループの能力を維持する
・投資家が引き受けるリスクの水準に応じて適切なリターンを提供する
・将来、患者さんへの便益や投資家へのリターンをもたらすであろう領域に、当社グループが投資することを可能とするために必要な資金を利用可能とする
・リスク及び予測できない事象の悪影響を緩和するために十分な資金を維持する
投下資本は当社グループの内部経営報告の一環として定期的に最高財務責任者へ報告されます。
なお、当社グループは資本規制の対象にはなっておりません。
研究基盤を強化した日本のトップ製薬企業となるべく、当社はロシュと戦略的アライアンスの契約を締結しております。この契約に基づき、当社は2002年10月、ロシュの日本における医薬品事業の子会社であった日本ロシュと合併し、合併後は中外製薬としてロシュ・グループの一員となりました。
当社はロシュと以下を合意しております。
アライアンス基本契約(Basic Alliance Agreement)
当社とロシュは、2001年12月にアライアンスに関する基本契約を締結し、戦略的アライアンスに基づく事業活動を開始いたしました。本基本契約では、以下の各項目を含む、当社のガバナンス及び業務運営に関する合意事項を定めております。
・アライアンスのストラクチャー
・ロシュの株主権
・ロシュによる当社取締役推薦権
・ロシュによる当社普通株式売買の制限事項
当社は、新株予約権付社債及びストック・オプションの行使並びにその他の目的により、普通株式を追加で発行することがあります。この場合、ロシュが保有する当社株式の割合が変動することになりますが、当基本契約では、その割合が50.1%を下回らないとするロシュの権利を保障しております。
ライセンス契約
2001年12月に調印した日本包括的権利契約(Japan Umbrella Rights Agreement)により、当社は、ロシュの日本市場における唯一の医薬品事業会社となり、ロシュが有する開発候補品の日本における開発・販売について第一選択権を保有しております。
また、2002年5月に調印した(日本、韓国を除く)世界包括的権利契約(Rest of the World Umbrella Rights Agreement)を修正し、2014年8月に(日本、韓国、台湾を除く)改訂世界包括的権利契約(Amended and Restated Rest of the World Umbrella Rights Agreement)を締結しました。これにより、ロシュは当社が有する開発候補品の海外(韓国、台湾を除く)における開発・販売について第一選択権を保有しております。
これらの包括契約に加え、当社とロシュは個別の製品ごとに契約を締結しております。この契約条項及び個別の事情に基づき、第三者間取引価格の原則に沿って、以下の項目の支払が行われることがあります。
・第一選択権行使による製品導入時の契約一時金
・開発目標達成によるマイルストン
・売上に対するロイヤルティ
これらの個別契約は、第三者間取引価格の原則に基づき生産・供給等についても包含する場合があります。
研究協力契約
当社とロシュは、バイオ医薬品探索及び低分子合成医薬品研究における研究協力契約を締結しております。
配当
当社のロシュに対する配当は21,454百万円(前連結会計年度18,437百万円)です。
前連結会計年度より、取締役に対し、株主のさらなる価値共有を進めること、及び当社の中長期の業績との連動性を一層高め、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることを目的として、現行ストック・オプション報酬に代えて譲渡制限付株式報酬を新たに導入いたしました。
(注)2019年1月に中外サノフィ-アベンティス・エスエヌシーは中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドによって株式を追加取得され、完全子会社となり、社名を中外ファーマ・ヨーロッパ・ロジスティクス・エスエーエスに変更しております。また、2019年2月に中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドの子会社である中外ファーマ・ジャーマニー・ジーエムビーエイチが新設されました。
当連結会計年度において、該当事項はありません。