【要約中間連結財務諸表注記】

 

1.重要な会計方針等

 

(1)作成の基礎

この要約中間連結財務諸表は、日本(東京)に所在し、東京証券取引所に上場(証券コード:4519)している中外製薬株式会社及びその子会社の要約中間連結財務諸表です。この要約中間連結財務諸表は、2025年7月25日に、当社最高経営責任者である代表取締役社長奥田修及び最高財務責任者である取締役上席執行役員谷口岩昭によって承認されております。

ロシュ・ホールディング・リミテッドはスイス証券取引所に上場し、IFRSに準拠し業績を開示しているロシュグループの親会社です。当社グループはロシュとの戦略的アライアンスの締結により2002年10月よりロシュグループの主要なメンバーになっております。ロシュ・ホールディング・リミテッドは、当社株式の発行済株式総数のうち、59.89%(発行済株式総数から自己株式を控除したベースでは61.10%)を所有しております。

当社グループは、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2第2号に定める指定国際会計基準特定会社の要件を満たすことから、同第312条の規定により、国際会計基準第34号「期中財務報告」に準拠して要約中間連結財務諸表を作成しております。

この要約中間連結財務諸表には、年次の連結財務諸表で要求される全ての情報が含まれていないため、2024年12月31日に終了した前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。

要約中間連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示し、百万円未満を四捨五入しております。公正価値による測定が要求されている一部の項目を除き、測定は取得原価に基づいております。

 

(2)重要な会計上の判断、見積り及び前提

要約中間連結財務諸表の作成にあたっては、収益、費用、資産、負債及び偶発事象に係る報告金額に影響を与える判断、見積り及び前提の設定を行うことを経営者に求めております。これらの見積りは実際の結果と異なる可能性があります。見積りやその基礎をなす前提は、過去の経験や多くの要因に基づいて設定しており、継続的に見直しを行っております。見積りの変更による影響は、見積りの変更が行われた会計期間に認識しております。

当社グループの要約中間連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える判断、見積り及び前提に関する情報は、原則として前連結会計年度と同様であります。

 

(3)会計方針の変更

当社グループの要約中間連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。

なお、一部の基準書において軽微な変更がありましたが、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響はありません。

 

 

2.セグメント情報

 

当社グループは、単一の医薬品事業に従事し、複数の事業セグメントを有しておりません。当社グループの医薬品事業は、新規の医療用医薬品の研究、開発、製造、販売活動から成り立っております。これらの機能的な活動は事業として統合した運営管理を行っております。

 

売上収益

(単位:百万円)

 

 

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年6月30日

 

前中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日

製商品売上高

 

その他の
売上収益

 

製商品売上高

 

その他の
売上収益

日本

223,346

 

1,117

 

217,160

 

935

海外

288,093

 

65,907

 

268,372

 

66,393

うちスイス

271,832

 

65,585

 

253,045

 

65,832

合計

511,439

 

67,025

 

485,532

 

67,328

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主要顧客に関する情報

(単位:百万円)

 

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年6月30日

 

前中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・
リミテッド

326,572

 

309,085

アルフレッサ ホールディングス
株式会社及びそのグループ会社

71,072

 

64,964

 

 

3.収益

 

 収益の分解

(単位:百万円)

 

 

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年6月30日

 

前中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日

顧客との
契約から
生じる収益

 

その他の
源泉から
生じる収益

 

合計

 

顧客との
契約から
生じる収益

 

その他の
源泉から
生じる収益

 

合計

製商品売上高

511,968

 

△530

 

511,439

 

502,691

 

△17,159

 

485,532

日本

223,346

 

 

223,346

 

217,160

 

 

217,160

海外

288,622

 

△530

 

288,093

 

285,531

 

△17,159

 

268,372

その他の売上収益

61,751

 

5,274

 

67,025

 

66,866

 

461

 

67,328

ロイヤルティ及び
プロフィットシェア
収入

57,035

 

5,274

 

62,309

 

54,357

 

461

 

54,818

その他の営業収入

4,716

 

 

4,716

 

12,509

 

 

12,509

 

 

その他の源泉から生じる収益は、相手先が顧客とはみなされない場合の協同パートナーとの利益分配契約からの収入及びヘッジ利得または損失から生じております。

 

 

4.その他の営業収益(費用)

 

その他の営業収益(費用)の内訳は以下のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年6月30日

 

前中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日

その他の営業収益

 

9,048

 

816

その他の営業費用

 

△40

 

△398

合計

 

9,008

 

419

 

 

 

 

 

 

 

当中間連結会計期間において、その他の営業収益のうち、主なものは固定資産売却益8,708百万円です。

 

5.無形資産

 

減損損失

当中間連結会計期間に、研究開発プロジェクトの中止等に伴い78百万円(前中間連結会計期間88百万円)の減損損失を研究開発費として認識しました。

 

6.当社の株主に帰属する資本

 

配当

決議

 

株式の種類

 

配当金の総額
(百万円)

 

1株当たり
配当額
(円)

 

基準日

 

効力発生日

2024年3月28日
定時株主総会

 

普通株式

 

65,813

 

40

 

2023年12月31日

 

2024年3月29日

2024年7月25日
取締役会

 

普通株式

 

67,464

 

41

 

2024年6月30日

 

2024年8月29日

2025年3月27日

定時株主総会

 

普通株式

 

93,795

 

57

 

2024年12月31日

 

2025年3月28日

2025年7月24日
取締役会

 

普通株式

 

205,713

 

125

 

2025年6月30日

 

2025年8月28日

 

 

 

7.1株当たり利益

 

基本的1株当たり利益

 

 

 

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年6月30日

 

前中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日

当社株主に帰属する中間利益
(百万円)

 

194,389

 

186,262

加重平均普通株式数(株)

 

1,679,057,667

 

1,679,057,667

加重平均自己株式数(株)

 

△33,443,407

 

△33,665,030

基本的加重平均普通株式数(株)

 

1,645,614,260

 

1,645,392,637

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基本的1株当たり中間利益(円)

 

118.13

 

113.20

 

 

 

 

 

 

 

希薄化後1株当たり利益

 

 

 

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年6月30日

 

前中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日

当社株主に帰属する中間利益
(百万円)

 

194,389

 

186,262

基本的加重平均普通株式数(株)

 

1,645,614,260

 

1,645,392,637

希薄化効果の影響調整:

 

 

 

 

ストック・オプション(株)

 

84,145

 

218,579

希薄化効果後
加重平均普通株式数(株)

 

1,645,698,405

 

1,645,611,216

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希薄化後1株当たり中間利益(円)

 

118.12

 

113.19

 

 

 

 

 

 

 

 

8.リスクマネジメント

 

公正価値で測定する金融商品

経常的な公正価値測定を行う際の評価技法へのインプットを3つのレベルに分類しております。

レベル1-活発な市場における同一資産及び負債の無修正の相場価格

レベル2-レベル1に含まれる相場価格以外で、直接または間接に観察可能なインプット

レベル3-観察不能なインプットを含む、評価技法を用いて測定された公正価値

(単位:百万円)

 

 

 

レベル1

 

レベル2

 

レベル3

 

合計

当中間連結会計期間末

2025年6月30日

 

 

 

 

 

 

 

有価証券

 

 

 

 

 

 

 

短期金融資産

 

519,988

 

 

519,988

負債性金融商品

269

 

10,000

 

 

10,269

その他の流動資産

 

 

 

 

 

 

 

デリバティブ金融資産

 

6,419

 

 

6,419

その他の非流動資産

 

 

 

 

 

 

 

資本性金融商品

 

 

6,350

 

6,350

負債性金融商品

 

10,745

 

2,547

 

13,292

金融資産合計

269

 

547,152

 

8,897

 

556,317

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他の流動負債

 

 

 

 

 

 

 

デリバティブ金融負債

 

47,862

 

 

47,862

金融負債合計

 

47,862

 

 

47,862

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

レベル1

 

レベル2

 

レベル3

 

合計

前連結会計年度末

2024年12月31日

 

 

 

 

 

 

 

有価証券

 

 

 

 

 

 

 

短期金融資産

 

454,991

 

 

454,991

負債性金融商品

769

 

 

130

 

899

その他の流動資産

 

 

 

 

 

 

 

デリバティブ金融資産

 

8,512

 

 

8,512

その他の非流動資産

 

 

 

 

 

 

 

資本性金融商品

 

 

3,913

 

3,913

負債性金融商品

 

10,202

 

2,500

 

12,703

金融資産合計

769

 

473,705

 

6,543

 

481,017

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他の流動負債

 

 

 

 

 

 

 

デリバティブ金融負債

 

23,811

 

 

23,811

金融負債合計

 

23,811

 

 

23,811

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レベル1の金融資産には、社債が含まれております。レベル2の金融資産には、主に譲渡性預金、金銭信託、コマーシャル・ペーパー、デリバティブが含まれております。

レベル2の公正価値測定は下記のように行っております。

有価証券、負債性金融商品及びデリバティブ金融商品は、観察可能な金利、イールド・カーブ、為替レートの市場のデータ、また測定日における類似の金融商品に含まれるボラティリティなどを指標とする評価モデルを使用しています。

当社グループでは、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替が生じた場合、各会計期間末にこれを認識しております。なお、レベル1とレベル2の間において振替はありません。

レベル3には主に出資金、非上場株式が含まれております。観察不能なインプットを含む、評価技法を用いて公正価値を測定しています。

 

9.関連当事者

 

配当

当社のロシュに対する配当は、2024年通年で81,459百万円、2025年は当中間連結会計期間末までに57,323百万円であります。

 

関連当事者との重要な取引及び債権債務

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド
に対する取引高

(単位:百万円)

 

 

 

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年6月30日

 

前中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日

売上収益

 

326,572

 

309,085

仕入高

 

85,786

 

86,390

 

 

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド
に対する債権・債務

(単位:百万円)

 

 

 

当中間連結会計期間末
2025年6月30日

 

前連結会計年度末
2024年12月31日

営業債権及びその他の債権

 

179,866

 

201,957

営業債務

 

23,035

 

7,327

 

 

10.後発事象

 

当社グループは、2025年7月24日開催の取締役会において、下記のとおり新研究棟の建設を決定いたしました。

 

(1)建設の目的

新たな研究棟(UKX)は、TOP I 2030実現に向けた医薬品製法開発機能の強化及び環境対策推進を目的としています。UKXでは、製法開発に関わる多機能間のコミュニケーションを活性化するオフィス設計を採用し、また、研究効率を高めるラボオートメーションの活用にも取り組んでいきます。これにより、イノベーションと研究生産性の向上を促進し、難易度の高まる原薬製法確立までのさらなるスピードアップを実現していきます。

 

(2)資産の内容

所在地:東京都北区浮間5-5-1

総投資額:800億円

 

 

(3)建設の日程

着  工:2026年5月

竣  工:2028年8月

 

2【その他】

中間配当

2025年7月24日開催の取締役会において、当期中間配当に関し、次のとおり決議いたしました。

(イ)中間配当による配当金の総額………………………205,713百万円

(ロ)1株当たりの金額……………………………………125

(ハ)支払請求の効力発生日及び支払開始日……………2025年8月28日

(注)2025年6月30日現在の株主名簿に記載または記録された株主に対し、支払いを行います。