当事業年度の医薬品業界を取り巻く事業環境は、後発医薬品の使用促進策等の医療費適正化に向けた医療制度改
革の推進により、大変厳しいものとなりました。
このような状況の下、当社におきましては、重点領域である「レミッチ(透析患者における経口そう痒症改善剤)」「リオナ錠(高リン血症治療剤)」を中心とする腎・透析領域、「デシコビ配合錠(抗HIV薬)」「ゲンボイヤ配合錠(抗HIV薬)」を中心とするHIV感染症領域、「アンテベート(外用副腎皮質ホルモン剤)」を中心とする皮膚疾患領域、「シダトレン スギ花粉舌下液(アレルゲン免疫療法薬)」を中心とするアレルゲン領域において、主力製品の価値最大化及び新製品の早期市場浸透・拡大に注力してまいりました。
当事業年度の経営成績につきましては、以下のとおりです。
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区分 |
前事業年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
当事業年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
増減額 |
増減率 |
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売上高(百万円) |
60,206 |
64,135 |
3,928 |
6.5% |
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営業利益(百万円) |
3,819 |
6,281 |
2,462 |
64.5% |
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経常利益(百万円) |
3,999 |
6,403 |
2,403 |
60.1% |
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当期純利益(百万円) |
2,839 |
4,718 |
1,878 |
66.1% |
当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、35,895百万円と前事業年度末に比べ2,789百万円(7.2%)減少しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益が6,373百万円、減価償却費が1,174百万円、仕入債務の増加額が1,544百万円、長期前払費用の減少額が737百万円となり、売上債権の増加額が2,562百万円、法人税等の支払額が1,263百万円となったこと等により6,349百万円の収入となりました。(前事業年度は3,402百万円の収入)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却及び償還による収入が2,500百万円となりましたが、有価証券の取得による支出が5,463百万円、投資有価証券の取得による支出が4,642百万円となったこと等により7,593百万円の支出となりました。(前事業年度は1,361百万円の収入)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払額が1,346百万円となったことにより1,546百万円の支出となりました。(前事業年度は2,289百万円の支出)
生産実績は次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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医薬品事業 |
16,379 |
99.4 |
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合計 |
16,379 |
99.4 |
(注) 金額は正味販売価格換算によっており、消費税等は含まれておりません。
商品の仕入実績は次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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医薬品事業 |
22,602 |
103.9 |
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合計 |
22,602 |
103.9 |
(注) 金額は実際仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
販売実績は次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品事業 |
64,135 |
106.5 |
|
合計 |
64,135 |
106.5 |
(注) 1.金額には消費税等は含まれておりません。
2.医薬品事業の販売実績には不動産賃貸収入208百万円が含まれております。
3.主な相手先別販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
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相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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㈱メディセオ |
14,714 |
24.4 |
15,454 |
24.1 |
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アルフレッサ㈱ |
13,793 |
22.9 |
14,849 |
23.2 |
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㈱スズケン |
12,300 |
20.4 |
12,847 |
20.0 |
|
東邦薬品㈱ |
6,124 |
10.2 |
6,455 |
10.1 |
当社の企業ミッションは「世界に通用する医薬品を通じて、お客様、株主、社会、社員に対する責任を果たすとともに、人々の健康に貢献する」ことです。
お客様、株主、社会、社員に対する責任とは、高品質の事業活動によって生み出される資金を循環/拡大することを通じて、お客様、株主、社会、社員の四者に対する責任をバランス良く果たし、満足の総和を高めていくことであると考えます。
お客様に対しては、より良い薬、正しい情報を医療関係者を通じて患者様に提供することにより、人々のQOL(Quality Of Life)向上に貢献するように努めます。
株主に対しては、適時適切に会社情報を開示するとともに、適正な利潤の還元と企業価値の増大を図るように努めます。
社会に対しては、高度な倫理観を保持し、社会要請に応じた事業活動を通じて、より良き企業市民となるように努めます。
社員に対しては、個々人を尊重し、成長の機会を均等に与え、公正な評価に基づく処遇を推進することにより、働きがいを実感できるように努めます。
当社は、「中期経営計画2018」の対象である平成30年度までの3ヶ年において、持続的な事業成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、4つの重点領域(「腎・透析領域」「皮膚疾患領域」「アレルゲン領域」「HIV感染症領域」)に経営資源を集中させ、以下の重要課題に取り組んでおりますが、平成30年4月から実施される薬価制度の抜本改革を踏まえ、厳しさを増す事業環境の変化に対応すべく、更に取り組みを加速・強化してまいります。
・中長期的な成長に向けた積極的な事業投資の実施
・各重点領域における主力製品の価値最大化・開発の推進
・持続的成長に向けた事業体質の改善・強化
・ステークホルダーからの信頼の獲得・維持
探索・導入活動をより一層強化・推進し、将来の主力製品となり得る導入品(提携等を含む)の獲得及び開発を目指します。
新製品の市場浸透・拡大に注力するとともに、ライフサイクルマネジメント(適応拡大、剤形追加等)の取り組みを推進することにより、各重点領域における主力製品の製品価値最大化を図ります。また、既に獲得した導入品につき、JTとの日本国内における共同開発を積極的に推進し、早期の上市及び上市後の価値最大化を目指します。
・「リオナ錠」について、市場浸透・拡大に注力するとともに、鉄欠乏性貧血の適応拡大に向けた臨床試験を推進します。当初目標としていた平成30年度売上高100億円は未達となる見通しですが、「レミッチ」に続く主力製品とすべく、引き続き育成に注力します。
・後発品の発売が想定される「レミッチ」について、平成29年に発売した口腔内崩壊錠や、効能追加の承認を取得した「腹膜透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」において市場浸透に注力する等、既存製品の売上高の最大化を図ります。
・JTと共同開発中のHIF-PH阻害薬「JTZ-951」(腎性貧血を適応症とする経口剤)について臨床試験を推進します。
・「トルツ(乾癬治療薬)」のコ・プロモーション活動に注力するとともに、皮膚疾患領域における当社プレゼンスの維持・強化を図ります。
・「アンテベート」をはじめとする既存製品について、ライフサイクルマネジメントに注力することにより、製品価値の維持・向上を図ります。
・JTと共同開発中のJAK阻害剤「JTE-052」(アトピー性皮膚炎治療の皮膚外用製剤)について、第Ⅲ相臨床試験の成績等をもとに、日本国内における製造販売承認申請を目指します。
・Menlo Therapeutics社から導入し、JTと共同開発中のニューロキニン1(NK-1)受容体アンタゴニスト(国際一般名:serlopitant)(開発番号:JTS-661)について臨床試験を推進します。
・アレルゲン事業基盤の確立を図るため、アレルゲン免疫療法の普及に取り組むとともに、「シダトレン スギ花粉舌下液」「ミティキュア ダニ舌下錠(アレルゲン免疫療法薬)」の市場浸透・拡大に注力します。
・当初目標としていた、領域での平成30年度売上高50億円は未達となる見通しですが、国内製造販売承認を取得したスギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法薬「シダキュア スギ花粉舌下錠」(開発番号:TO-206)の円滑な上市、「ミティキュア ダニ舌下錠」(開発番号:TO-203)の小児適応に係る承認取得を通じて、領域としての育成を図ります。
・「スタリビルド配合錠(抗HIV薬)」及び「ツルバダ配合錠(抗HIV薬)」の後継品である、「tenofovir alafenamide」を含む新規抗HIV薬2品目(「ゲンボイヤ配合錠」「デシコビ配合錠」)の更なる市場浸透・拡大に注力することにより、HIV感染症領域における当社シェアの維持・拡大を図ります。
・一定水準の利益を確保しつつ、成長のための事業投資を継続的に実施するため、収益性改善に向けた意識改革に取り組むとともに、激変する事業環境を踏まえた、より高い生産性の追求・事業プロセスの構築に努めます。
・導入品(提携等を含む)の獲得等、将来の持続的成長のための事業投資を積極的・継続的に実施できる組織体制・能力の充実・強化を図るとともに、組織間連携の更なる強化、JTをはじめとする社外との連携・協業をより一層推進します。
・安定供給体制・品質保証体制の強化を継続的に図るほか、医療関係者や患者様のニーズを踏まえた適切で有用な情報提供と課題解決に努めるとともに、コンプライアンスのより一層の徹底を図ります。また、コーポレートガバナンスの充実・強化につきましても適切に取り組みます。
「中期経営計画2018」(平成28年2月に策定・公表)において、平成30年度の経営目標を、売上高620億円、営業利益(研究開発費控除前)80億円と掲げておりました。一方、平成30年度の業績予想は、売上高607億円、営業利益(研究開発費控除前)82億円となっております。売上高の差異につきましては、製品構成における見込みの違いはあるものの、主として中期経営計画策定時点で想定していなかった薬価制度の抜本改革の影響によるものです。
当社は、株主の皆様への適正な利潤の還元を経営の重要課題の一つと認識し、剰余金の配当につきましては、継続的かつ安定的に実施することを基本方針としております。
今後とも、上記基本方針の下、経営体質の強化や将来の事業展開等を目的とした中長期的な視野に立った投資等に備えることも勘案したうえで、継続的かつ安定的な配当に努めてまいります。
「中期経営計画2018」の3ヶ年における配当については1株当たり年間48円の維持に努めてまいります。
本項目における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年3月28日)現在において入手可能な情報に基づき当社が判断したものであり、実際の業績等は、「4 事業等のリスク」に挙げた事項等により、異なる結果となる可能性があります。
当社の業績は、今後起こりうる様々な要因により影響を受ける可能性があります。当社の業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクとしては、以下のようなものが考えられます。
なお、本項目における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年3月28日)現在において、当社が判断したものです。
医療用医薬品は、開発・製造・販売等において医薬品医療機器法等関連法規の規制を受けており、規制が強化された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の医療制度改正、後発品使用の促進及び薬価基準の改定等の行政施策の動向によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
新薬の研究開発は、長期に亘りかつ多額な費用の投入を必要としますが、上市までの過程で、遅れや変更が生じる可能性や、断念しなければならない可能性があります。さらには、製造販売承認申請を行っても承認されない可能性もあります。このような場合には、将来の成長性・収益性が低下することとなり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
医薬品には副作用発現の可能性があります。重篤な副作用が発現した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の販売する製商品は、当社唯一の製造工場である佐倉工場のほか、特定の製造元で生産しております。また、特定の製造元等から調達している原材料もあります。このため、技術上もしくは規制上の問題、又は火災、地震その他の災害等により、これらの工場が閉鎖又は操業停止となった場合、あるいは、原材料や光熱等の調達に支障が生じ生産の継続が困難となった場合、及び、物流機能等が停滞した場合には、製商品の供給が停止し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の製商品に関し、品質上の問題等が発生した場合、国又は地方自治体からの命令に基づき、あるいは当社が自主的に判断し、回収を行う場合があります。この場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が販売する製商品に関して、競合品や後発医薬品の上市、新規治療法や新技術の登場等により、製商品を取り巻く環境が変化した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の売上構成は抗HIV薬等の一部製商品が高い比率を占めていることから、当該製商品を取り巻く環境の変化により売上高の減少に繋がる要因が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、研究開発、製造、販売等において、他社と様々な形で業務提携を行っております。何らかの事情により提携関係が変更又は解消された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、親会社であるJTとの業務提携により、医療用医薬品事業における新薬の研究開発機能をJTへ集中化し、製造、販売機能は当社が担っております。また、JTと連携して新規導入品の探索及び共同開発も実施しております。何らかの事情により提携関係が変更又は解消された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、各種ITシステムを利用しているため、システムの障害やコンピューターウイルス等により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの機密情報を保有しており、予期せぬ事態によりその情報が社外に流出した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、事業活動を継続して行っていく過程において、製造物責任(PL)、副作用の発現、特許侵害等に関わる訴訟を提起される可能性があります。これにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
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相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約期間 |
対価の支払 |
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日本たばこ産業株式会社 |
日本 |
研究開発に関する基本契約 |
1999年10月~2009年9月 |
― |
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日本たばこ産業株式会社 |
日本 |
抗ウイルス化学療法剤「ツルバダ配合錠」の日本国内における独占的販売権に関する契約 |
2005年3月~2015年3月 |
契約一時金 |
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東レ株式会社 |
日本 |
経口そう痒症改善剤「レミッチカプセル」の血液透析患者におけるそう痒症を対象とする日本国内における共同開発及び販売権に関する契約 |
2005年3月~特許満了日 |
契約一時金他 |
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日本たばこ産業株式会社 |
― |
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Keryx Biopharmaceuticals, Inc. |
米国 |
高リン血症治療剤「リオナ錠」の日本国内における独占的開発・商業化権に関するライセンス契約 |
2007年9月~特許満了日 |
契約一時金他 |
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日本たばこ産業株式会社 |
日本 |
― |
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ALK-Abello A/S |
デンマーク |
室内塵ダニアレルギー疾患を対象としたアレルゲン免疫療法薬等の日本国内における独占的開発・販売権に関する契約 |
2011年1月~ |
契約一時金他 |
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日本たばこ産業株式会社 |
日本 |
抗ウイルス化学療法剤「ゲンボイヤ配合錠」及び「デシコビ配合錠」の日本国内における独占的販売権に関する契約 |
2015年3月~15年又は特許満了日のいずれか長い期間 |
契約一時金 |
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Menlo Therapeutics Inc. |
米国 |
ニューロキニン1(NK-1)受容体アンタゴニストの日本国内における独占的開発・商業化権に関するライセンス契約 |
2016年8月~販売開始後10年又は特許満了日のいずれか長い期間 |
契約一時金他 |
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日本たばこ産業株式会社 |
日本 |
― |
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日本たばこ産業株式会社 |
日本 |
JAK阻害剤「JTE-052」の皮膚外用製剤について、日本国内における今後の共同開発及び販売に関する契約 |
2016年10月~15年又は特許満了日のいずれか長い期間 |
契約一時金他 |
当社は、親会社であるJTと医薬事業の研究開発に係る機能分担を行っております。新規化合物の研究開発機能はJTに集中しておりますが、当社においては、既存製品の剤形改良や効能追加、得意とする領域における研究開発を実施しております。また、JTと連携して新規導入品の探索及び共同開発も実施しております。
当事業年度の研究開発費の総額は4,608百万円です。
なお、導入活動・研究(共同)開発活動の主な成果につきましては、以下のとおりです。
(腎・透析領域)
・東レ株式会社(以下、「東レ」)が製造販売承認を取得し、当社が日本国内において販売中の「レミッチ」(提携:JT)につきまして、東レは、平成29年3月に新たな剤形として口腔内崩壊錠の製造販売承認を取得しました。また、東レは、平成29年9月に「腹膜透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を適応症とした効能追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
・JTが日本国内で臨床開発を実施しているHIF-PH阻害薬「JTZ-951」の腎性貧血を適応症とする経口剤につきまして、平成29年10月に日本国内における今後の共同開発及び販売に関する契約を締結し、その後国内第Ⅲ相臨床試験を開始しております。本剤の開発についてはJTと当社が行い、販売については当社が行うことになります。
(皮膚疾患領域)
・JTと日本国内における共同開発を実施しているJAK阻害剤「JTE-052」の皮膚外用製剤につきまして、成人患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験及び小児患者を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験を実施しております。なお、平成30年1月に国内第Ⅲ相臨床試験のうち、比較試験の速報結果を得ました。今回得られた速報結果では、有効性の主要評価項目について、プラセボに対するJTE-052軟膏の優越性が確認され、安全性及び忍容性に関しても、特に大きな問題は認められませんでした。
・Menlo Therapeutics社と日本国内における独占的開発・商業化権に関するライセンス契約を締結し、当社とJTで共同開発を進めているニューロキニン1(NK-1)受容体アンタゴニスト(国際一般名:serlopitant)(開発番号:JTS-661)につきまして、国内第Ⅰ相臨床試験及び国内第Ⅱ相臨床試験を開始しております。
(アレルゲン領域)
・当社が日本国内において販売中の「ミティキュア ダニ舌下錠」につきまして、平成30年2月に小児適応追加に係る用法・用量の追加承認を取得しました。
・スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法薬「シダキュア スギ花粉舌下錠」につきまして、平成29年9月に日本国内における製造販売承認を取得しました。なお、本剤につきましては、平成29年11月の薬価収載を見送ることとしましたが、次回の薬価収載及び円滑な上市に向けた努力を続けてまいります。
当事業年度末の総資産は、104,741百万円と前事業年度末に比べ6,215百万円(6.3%)増加しました。流動資産につきましては、現金及び預金が15,935百万円減少しましたが、有価証券が13,855百万円、キャッシュ・マネージメント・システム預託金が2,744百万円、売掛金が2,555百万円増加したこと等により83,980百万円と前事業年度末に比べ3,856百万円(4.8%)増加しました。固定資産につきましては、長期前払費用が737百万円減少しましたが、投資有価証券が3,601百万円増加したこと等により20,761百万円と前事業年度末に比べ2,359百万円(12.8%)増加しました。
負債につきましては、17,622百万円と前事業年度末に比べ2,653百万円(17.7%)増加しました。これは、買掛金が1,544百万円、未払法人税等が629百万円、未払金が418百万円増加したこと等によるものです。
純資産につきましては、87,119百万円と前事業年度末に比べ3,562百万円(4.3%)増加しました。これは、剰余金の配当が1,346百万円、当期純利益が4,718百万円となったこと等によるものです。
売上高は、主力製品の価値最大化及び新製品の早期市場浸透・拡大に取り組んだ結果、販売数量が伸長し64,135百万円と前事業年度に比べ3,928百万円(6.5%)増加しました。
各重点領域における主要な製品・商品の販売状況につきましては、以下のとおりです。
・腎・透析領域におきましては、「レミッチ」及び「リオナ錠」が平成28年4月に実施された薬価改定において市場拡大再算定の影響を受けたものの、「リオナ錠」は市場浸透・拡大に注力したことにより6,245百万円と前事業年度に比べ611百万円(10.9%)、「レミッチ」は販売数量の伸長により13,838百万円と前事業年度に比べ192百万円(1.4%)それぞれ増加しました。なお、「レミッチ」につきましては、平成29年6月からカプセル剤に加え、新たな剤形として口腔内崩壊錠の販売を開始しております。
・皮膚疾患領域におきましては、「アンテベート」が6,282百万円と前事業年度に比べ4百万円(0.1%)増加しました。
・アレルゲン領域におきましては、アレルゲン免疫療法の普及に注力したことにより「シダトレン スギ花粉舌下液」が1,295百万円と前事業年度に比べ358百万円(38.2%)増加しました。
・HIV感染症領域におきましては、「ツルバダ配合錠」が3,941百万円と前事業年度に比べ8,813百万円(69.1%)減少しましたが、平成29年1月から販売を開始した後継品の「デシコビ配合錠」は9,218百万円となりました。また、「スタリビルド配合錠」が148百万円と前事業年度に比べ2,222百万円(93.7%)減少しましたが、平成28年7月から販売を開始した後継品の「ゲンボイヤ配合錠」は6,325百万円と前事業年度に比べ4,459百万円(239.0%)増加しました。
費用面におきましては、売上原価は販売数量が伸長したことや販売品目の構成が変化したこと等により31,293百万円と前事業年度に比べ1,006百万円(3.3%)増加し、販売費及び一般管理費は新製品の早期市場浸透に向けた販売費が増加したこと等により26,559百万円と前事業年度に比べ459百万円(1.8%)増加しました。
以上の結果、営業利益は6,281百万円と前事業年度に比べ2,462百万円(64.5%)増加し、経常利益は6,403百万円と前事業年度に比べ2,403百万円(60.1%)増加しました。当期純利益につきましては、4,718百万円と前事業年度に比べ1,878百万円(66.1%)増加しました。
「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」を参照下さい。