当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度の業績は、爪白癬治療剤「クレナフィン」が寄与して、売上高は109,730百万円(対前年同期比16.9%増)、営業利益は35,146百万円(対前年同期比70.4%増)、経常利益は35,365百万円(対前年同期比73.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は21,143百万円(対前年同期比74.4%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 薬業
医薬品・医療機器につきましては、「クレナフィン」が順調に売上を伸ばしたほか、関節機能改善剤「アルツ」、癒着防止吸収性バリア「セプラフィルム」や後発医薬品も伸長し、また「クレナフィン」の海外導出先からの収入も増加したことなどにより増収となりました。
農業薬品につきましてはほぼ横ばいとなりました。
この結果、売上高は107,391百万円(対前年同期比17.4%増)、セグメント利益(営業利益)は33,633百万円(対前年同期比74.5%増)となりました。
なお、海外売上高は10,185百万円となりました。
② 不動産事業
不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,338百万円(対前年同期比3.8%減)、セグメント利益(営業利益)は1,513百万円(対前年同期比11.4%増)となりました。
なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ16,976百万円増加し、41,744百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比ベ12,329百万円収入が増加し、27,067百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、4,105百万円の支出(前連結会計年度は473百万円の収入)となりました。これは主に、前連結会計年度に有形固定資産を売却したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,916百万円支出が減少し、5,984百万円の支出となりました。これは主に、自己株式の買付額の減少によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
薬業 | 48,895 | + 52.3 |
不動産事業 | ― | ― |
合計 | 48,895 | + 52.3 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
薬業 | 33,441 | + 1.6 |
不動産事業 | ― | ― |
合計 | 33,441 | + 1.6 |
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、販売計画に基づく生産計画によって生産を行っており、受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
薬業 | 107,391 | + 17.4 |
不動産事業 | 2,338 | △ 3.8 |
合計 | 109,730 | + 16.9 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
アルフレッサ㈱ | 15,367 | 16.4 | 18,276 | 16.7 |
㈱スズケン | 14,133 | 15.1 | 16,959 | 15.5 |
㈱メディセオ | 13,546 | 14.4 | 16,444 | 15.0 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
医薬品業界におきましては、医療費抑制策が浸透する中で、企業間競争は一段と激しさを増しております。
このような状況の下、当社グループ(当社及び連結子会社)が企業価値の最大化をめざし、社会から信頼される企業であり続けるため、対処すべき当面の課題は、次のとおりであります。
① 研究開発への重点投資
研究開発面では、資源投入の集中と研究開発の効率化によりパイプラインの充実につとめるとともに、国内外の企業・研究機関との共同研究や戦略的提携を行い、テーマの早期導出入をはかってまいります。
また、基礎試験の社外委託、治験に関する外部受託機関の活用や、海外臨床試験及び国際共同治験を実施するなど研究開発のスピードアップをはかってまいります。
② 営業基盤の強化
営業面では、医療現場のニーズに即した付加価値の高い情報提供を行い、地域密着型の営業展開を行ってまいります。また、整形外科領域での地位を不動のものとするとともに、皮膚科領域でのプレゼンスを高めてまいります。情報提供の手段として、製品関連ウェブサイトやマスメディアなども活用してまいります。
③ 業務の適正化と効率化の推進
生産面では、設備投資の効率化、要員配置の最適化、品目、規格の見直しを進め、一層の原価率の低減につとめてまいります。農業薬品につきましては、海外企業への生産委託を進めております。
④ 環境保全の推進
環境保全の推進は企業の社会的責任との認識の下、「環境委員会」を中心に全社的に取り組んでおり、静岡事業所がISO14001の認証を取得しております。
なお、当社ウェブサイトにおきまして「環境・社会報告書」を公開しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす事項は、次のようなものがあります。なお、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において入手可能な情報により、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断し予想したものであります。また、次に記載したリスクが当社グループのすべてのリスクではありません。
① 新薬開発に関わるリスク
新薬が発売されるまでには、多額の資金と十数年という長い開発期間が必要となります。有効性と安全性を確認しながら慎重に開発を進めてまいりますが、途中で開発中止となる可能性があります。
② 副作用の発現によるリスク
開発段階で行われる臨床試験は試験的投与であり、限られた数の患者さんが対象となります。そこで、市販後にも臨床試験を補完する「市販後調査」が行われ、新たな副作用が発現した場合には、販売中止となる可能性があります。
③ 医療費抑制策の進展によるリスク
医療費抑制策として様々な医療制度改革が進展しており、市場環境の変化にともない業績が影響を受ける可能性があります。
④ 他社との競争にともなうリスク
他社との販売競争により、価格が下落する可能性があります。また、他社発売の後発医薬品により、先発の当社製品の売上高が減少し、業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 製品供給が遅滞または休止するリスク
自社及び製品調達先における生産設備の不具合あるいは原材料の入手の遅れ等により、製品供給が遅滞または休止し、業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 訴訟のリスク
企業活動を行うにあたり、訴訟を提起され、業績に影響を与える可能性があります。
① 技術導入
契約先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
アボット・アルツナイミッテル社 | ドイツ | イブプロフェンの商標の独占使用実施権 | 1976年7月から1992年7月まで |
アボット・アルツナイミッテル社 | ドイツ | フルルビプロフェンの商標の独占使用実施権 | 1976年8月から販売期間中 |
ロッタファーム・マダウス社 | イタリア | プログルミドの商標の独占使用実施権 | 1978年1月から1992年12月まで |
タケダ社 | ドイツ | ウラピジルの独占製造権及び準独占販売権 | 1989年から販売期間中 |
サイオス社 | アメリカ | bFGFの特許・ノウハウの実施権 | 1988年12月から2030年10月又は、新たなbFGF製品の発売後7.5年のいずれか遅い方の日まで |
カイロン社 | アメリカ | bFGFの特許の世界的独占実施権 | 2005年3月から最終特許満了日 |
チューレン大学 | アメリカ | 成長ホルモン放出ペプチド及び非ペプチドの特許の日本における独占実施権 | 1990年10月から当該ペプチドの販売開始後20年又は、最終特許終了日のいずれか遅い方の日まで |
ファイザー株式会社 | 日本 | ノルエチステロンの製造・販売権 | 1996年12月から2015年3月まで |
東レ株式会社 | 日本 | 肺高血圧症治療剤TRK-100STPの承認申請及び製造・販売権 | 2006年9月から販売開始後15年又は、全ての特許期間満了のいずれか遅い方の日まで |
株式会社ジーンテクノサイエンス | 日本 | 抗ヒトα9インテグリン抗体の開発及び製造・販売権 | 2007年6月から最終特許期間満了まで |
ブリッケル・バイオテック社 | アメリカ | 原発性局所多汗症治療剤BBI-4000の日本・アジアにおける独占的な開発及び製造・販売権 | 2015年3月から特許期間満了、販売開始後10年又は、データ保護期間終了のうち最も遅い方の日まで |
② 販売契約(導入)
契約先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
ジェンザイム社 サノフィ株式会社 | アメリカ 日本 | 術後癒着の予防製品セプラフィルム他の独占販売権 | 登録承認日から5年間 |
生化学工業株式会社 | 日本 | アルツの独占販売権 | 1987年3月から6年間 |
リードケミカル株式会社 | 日本 | アドフィードの独占販売権 | 1988年から2年間 |
あすか製薬株式会社 | 日本 | リピディルの準独占販売権 | 2005年1月から販売期間中 |
ファイザー株式会社 | 日本 | サイトテックの独占販売権 | 2002年1月から2015年12月まで |
サノフィ・アベンティス・シンガポール社 サノフィ株式会社 | シンガポ 日本 | クレキサンの独占販売権 | 2010年6月から2019年12月まで |
生化学工業株式会社 | 日本 | 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の独占販売権 | 2012年12月から製造販売承認取得後10年間 |
③ 販売契約(導出)
契約先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
バリアント社 | カナダ | 日本、中国、台湾及び韓国以外の全ての国でのKP-103の独占販売権並びに米国におけるKP-103の容器に関する技術供与及び製剤の供給 | 特許期間又は発売後15年間 |
北京泰徳製薬股份有限公司 | 中国 | フィブラストの中国での製剤化及び中国での独占販売権 | 2005年12月から製品上市後15年間 |
北京泰徳製薬股份有限公司 | 中国 | ロピオンの中国での製剤化及び中国での独占販売権 | 2010年9月から10年間 |
大熊製薬株式会社 | 韓国 | フィブラストの韓国での独占販売権 | 2006年12月から2021年12月まで |
サンスター株式会社 | 日本 | bFGFの欧米における歯科領域での独占的な開発、製造及び販売権 | 2007年6月から特許満了又は、販売開始後15年のいずれか遅い方の日まで |
オリンパス株式会社 | 日本 | bFGFの欧米における創傷治癒分野での独占的な開発、製造及び販売権 | 2009年11月から特許満了又は、販売開始後15年のいずれか遅い方の日まで |
④ その他の重要な契約
契約先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
独立行政法人都市再生機構 | 日本 | 文京グリーンコート内の住宅棟等の賃貸 | 1998年3月から2018年3月まで |
日本生命保険相互会社 | 日本 | 文京グリーンコート基本契約に基づく土地の賃貸 | 1990年6月から2033年2月まで |
日本生命保険相互会社 | 日本 | 文京グリーンコートの商業棟、オフィス棟等の共同所有を目的とした基本契約 | 1990年6月から2033年2月まで |
(注) ①から④についての契約会社名は、当社(提出会社)であります。
連結子会社の吸収合併
当社は、平成28年3月31日付で当社の100%連結子会社である科研不動産サービス株式会社を吸収合併しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、継続して新薬の創製ができる研究開発体制をめざし、研究員一人ひとりの自由な発想をもとに、大学や他企業との共同研究開発や技術導入などにより、世界に通用する真に有効で安全性の高い新薬を効率よく研究開発すべく、積極的な活動を展開しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は5,883百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1) 薬業
医薬品の研究開発(基礎的研究及び臨床試験の実施等)を中心に、農業薬品の開発も行っております。
当連結会計年度の研究開発等の状況は次のとおりであります。
医薬品における臨床開発段階のものといたしまして、歯周病治療剤(KCB-1D)は、承認申請中であります。潰瘍性大腸炎治療剤(KAG-308)は、フェーズⅡ試験を実施中であります。ブリッケル・バイオテック社と共同開発中の原発性局所多汗症治療剤(BBI-4000)は、国内においてはフェーズⅠ試験が終了し、フェーズⅡ試験を準備中であります。米国ではブリッケル・バイオテック社によるフェーズⅡ試験が終了し、フェーズⅢ試験を準備中であります。また、関節機能改善剤「アルツ」の効能追加(SI-657)として、生化学工業株式会社と共同で実施しておりました腱・靭帯付着部症を対象とする開発につきましては、期待していた有効性を明確には見いだせなかったことから、中止を決定いたしました。
当事業に係る研究開発費は5,883百万円であります。
(2) 不動産事業
研究開発活動は行っておりません。
なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。
(1) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前期末比17,856百万円増加し、132,991百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末比5,081百万円増加し、43,116百万円となりました。これは主に、未払法人税等の増加によるものであります。
正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、55,130百万円であり、流動比率は262.8%で財務の健全性は保たれております。
当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比12,775百万円増加し、89,875百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。
自己資本比率は、67.6%となりました。
(2) 経営成績
「1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照下さい。
(3) キャッシュ・フローの状況
「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照下さい。