文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループは「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる」を企業理念として、株主の皆様から負託された企業活動を行うにあたり、経営の基本方針として次の三つの方針を掲げております。この基本方針に則り、企業価値の最大化をはかり、ステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。
① 患者さんと医療関係者のニーズに即した、有用な医薬品の創製・提供につとめる。
② 医薬品企業としての社会的責任を自覚し、高い倫理観をもって企業活動を行い、社会から信頼される企業をめざす。
③ 社員がその仕事に歓びと誇りをもち、活力あふれる存在感のある企業をめざす。
当社グループは、2016年を起点とする3か年の中期経営計画において、次の3点に重点的に取り組んでまいりました。
① 開発パイプラインの充実
爪白癬治療剤(KP-607)が臨床試験を開始し、アーバー社からアタマジラミ症治療剤イベルメクチン0.5%外用剤(KAR)、コーバス社から全身性強皮症及び皮膚筋炎治療剤レナバサムを導入いたしました。
② クレナフィン及び新製品の価値最大化、既存製品の営業基盤の強化と効率化
クレナフィンは国内売上が伸長するとともに、海外(韓国、台湾、香港、マカオ、中国)への導出活動が進み、そのうち韓国、台湾におきましては、導出先企業による販売が開始されました。
③ 変革の時代にふさわしい、創造力豊かな人材の育成
次世代を牽引するリーダーの育成に注力するなど、グループ全体で人材力の強化に取り組みました。
また、本中期経営計画の当初数値目標は、連結売上高1,100億円としておりましたが、想定以上の薬価改定の影響、競合環境の変化により、941億円という結果でありました。
2019年を起点とする3か年の中期経営計画においては、その期間の業績だけにとらわれず、厳しい時代を乗り切るための「成長基盤の確立」を重要課題と位置付け、次の4点に重点的に取り組んでまいります。
① 開発パイプラインの充実を最優先課題とし、可能な限りの経営資源を配分する。
② クレナフィンの海外展開、新製品の海外展開や適応拡大により、価値最大化をはかる。
③ 連結売上高945億円達成に向け、営業基盤の強化と効率化をはかり、生産性の向上をめざす。
④ 人材育成・人材教育により全社員の生産性を高め、存在感のある社員を育成するとともに、組織のスリム化・人員配置の適正化をはかる。
また、2021年度経営数値目標として、連結売上高945億円、連結営業利益250億円、連結ROE12%以上をめざします。
医薬品業界におきましては、医療費抑制策が浸透する中で、企業間競争は一段と激しさを増しております。
このような状況の下、当社グループが企業価値の最大化をめざし、社会から信頼される企業であり続けるため、対処すべき当面の課題は、次のとおりであります。
① 研究開発への重点投資
研究開発面では、資源投入の集中と研究開発の効率化によりパイプラインの充実につとめるとともに、国内外の企業・研究機関との共同研究や戦略的提携を行い、テーマの早期導出入をはかってまいります。
また、基礎試験の社外委託、治験に関する外部受託機関の活用や、海外臨床試験及び国際共同治験を実施するなど研究開発のスピードアップをはかってまいります。
② 営業基盤の強化
営業面では、医療現場のニーズに即した付加価値の高い情報提供を行い、地域密着型の営業展開を行ってまいります。また、整形外科領域での地位を不動のものとするとともに、皮膚科領域でのプレゼンスを高めてまいります。情報発信の手段として、製品関連ウェブサイトやマスメディアなども活用してまいります。
③ 業務の適正化と効率化の推進
生産面では、設備投資の効率化、要員配置の最適化、品目、規格の見直しを進め、一層の原価率の低減につとめてまいります。
④ 環境保全の推進
環境保全の推進は企業の社会的責任との認識の下、「環境委員会」を中心に全社的に取り組んでおり、静岡事業所がISO14001の認証を取得しております。
なお、当社ウェブサイトにおきまして「環境・社会報告書」を公開しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 新薬開発に関わるリスク
新薬が発売されるまでには、多額の資金と十数年という長い開発期間が必要となります。有効性と安全性を確認しながら慎重に開発を進めてまいりますが、途中で開発中止となる可能性があります。
(2) 副作用の発現によるリスク
開発段階で行われる臨床試験は試験的投与であり、限られた数の患者さんが対象となります。そこで、市販後にも臨床試験を補完する「市販後調査」が行われ、新たな副作用が発現した場合には、販売中止となる可能性があります。
(3) 医療費抑制策の進展によるリスク
医療費抑制策として様々な医療制度改革が進展しており、市場環境の変化にともない業績が影響を受ける可能性があります。
(4) 他社との競争に伴うリスク
他社との販売競争及び他社発売の後発医薬品により、当社製品の売上高が減少し、業績に影響を与える可能性があります。
(5) 製品供給が遅滞または休止するリスク
自社及び製品調達先における生産設備の不具合あるいは原材料の入手の遅れ等により、製品供給が遅滞または休止し、業績に影響を与える可能性があります。
(6) 訴訟のリスク
企業活動を行うにあたり、訴訟を提起され、業績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は薬価改定の影響等により、94,165百万円(対前年同期比4.3%減)となりました。
利益面では、売上原価率は前年並みであったものの、売上高の減少と販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は24,592百万円(対前年同期比10.6%減)となりました。販売費及び一般管理費が増加した主たる要因は、研究開発費が10,261百万円(対前年同期比25.9%増)となったためであります。経常利益は24,972百万円(対前年同期比10.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17,775百万円(対前年同期比6.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
薬業
医薬品・医療機器につきましては、爪白癬治療剤「クレナフィン」の売上は増加しましたが、関節機能改善剤「アルツ」、高脂血症治療剤「リピディル」の売上減少などにより減収となりました。
その背景としましては、薬価改定による影響が大きく、また、国の後発医薬品使用促進策の影響も継続していることなどがあげられます。
農業薬品につきましては売上が前年並みとなりました。
この結果、売上高は91,804百万円(対前年同期比4.4%減)、セグメント利益(営業利益)は23,116百万円(対前年同期比10.5%減)となりました。
なお、海外売上高は9,016百万円となりました。
不動産事業
不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,360百万円(対前年同期比1.9%減)、セグメント利益(営業利益)は1,476百万円(対前年同期比10.8%減)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前期末比3,567百万円増加し、155,985百万円となりました。これは主に、有価証券の増加によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末比3,688百万円減少し、34,854百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少によるものであります。
正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、76,151百万円であり、流動比率は376.1%で財務の健全性は保たれております。
当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比7,256百万円増加し、121,131百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。
自己資本比率は、77.7%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5,860百万円増加し、58,555百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比ベ573百万円収入が減少し、21,129百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ2,498百万円支出が増加し、5,744百万円の支出となりました。これは主に、長期前払費用の取得額の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ5百万円支出が減少し、9,524百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額の減少によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、主として販売計画に基づく生産計画によって生産を行っており、受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
a. 経営成績等の状況
中期的な重点課題として、パイプラインの充実やクレナフィン及び新製品の価値最大化などに取り組んできました。
パイプラインの充実については、資源投入の集中と研究開発の効率化により、最優先課題として活動しております。当連結会計年度においては、原発性腋窩多汗症治療剤(BBI-4000)及び熱傷焼痂除去剤(KMW-1)はフェーズⅢ試験を実施中、爪白癬治療剤(KP-607)はフェーズⅠ試験を実施中であり、既存のテーマについては順調に推移いたしました。
また、アーバー社からアタマジラミ症治療剤イベルメクチン0.5%外用剤(KAR)、コーバス社から全身性強皮症及び皮膚筋炎治療剤レナバサムを導入いたしました。
クレナフィンの価値最大化については、国内では競合環境が厳しくなる中、営業基盤の強化と効率化に取り組むとともに、海外展開を推進しております。当連結会計年度においては、中国の萬聯行社及び天津泰普滬亜医薬知識産権流転儲備中心社へ導出いたしました。
中期的な数値目標につきましては、連結売上高1,100億円を最終年度の2019年3月期は連結売上高948億円に修正しておりましたが、941億円という結果でありました。薬価改定の影響があり、また、後発医薬品を含めた他社製品との競合関係が激化していることが主な要因であります。2019年を起点とする3か年の中期経営計画では、将来の成長基盤の確立のため、引き続きパイプラインの充実等に取り組んでまいります。
経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は94,165百万円(対前年同期比4.3%減)、営業利益は24,592百万円(対前年同期比10.6%減)、経常利益は24,972百万円(対前年同期比10.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17,775百万円(対前年同期比6.7%減)となりました。
主要科目の状況は、次のとおりであります。
(売上高)
薬業
医薬品・医療機器につきましては、爪白癬治療剤「クレナフィン」の売上は増加しましたが、関節機能改善剤「アルツ」、高脂血症治療剤「リピディル」の売上減少などにより減収となりました。
減収の主な要因としては、国内においては、薬価改定による影響が大きく、また、長期収載品が国の後発医薬品使用促進策の影響を受けていることなどがあげられます。国内のクレナフィン、医薬品輸出は堅調でしたが、それらの減収分を補うには至りませんでした。
農業薬品につきましては売上が前年並みとなりました。
この結果、売上高は91,804百万円(対前年同期比4.4%減)となりました。
なお、海外売上高は9,016百万円となりました。
不動産事業
不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,360百万円(対前年同期比1.9%減)となりました。
(売上原価)
当社グループの売上原価は、主に工場の製造原価、仕入商品原価、不動産事業の役務収益原価から構成されます。売上原価は40,366百万円であり、売上高に対する売上原価の比率は、当連結会計年度42.9%、前連結会計年度43.1%とほぼ前年並みとなりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費については、主に人件費、研究開発費、広告宣伝費や販売促進費などの営業活動費用であり、当連結会計年度は29,209百万円と前連結会計年度比2.4%増加いたしました。主たる要因は、研究開発費がパイプラインの充実、研究開発の進展に伴い、前連結会計年度比25.9%増加し10,261百万円となったためであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源
当社グループの主要な資金需要は、製品製造費用、商品仕入、販売費及び一般管理費、設備投資であります。特に、販売費及び一般管理費の研究開発費は会社の将来に繋がる重要な投資であり、パイプライン充実に向け、導入も含め積極的に進めていく方針であります。
資金需要への対応は、基本的には自己資金で賄う予定であります。もし不足が生じる場合には、銀行等金融機関からの借入、社債発行及び増資等、外部から様々な資金調達に対応できる体制を整えております。
資金の流動性
事業リスクの高い業界であるため、自己資本の充実に配慮しております。当連結会計年度末の自己資本比率は77.7%とほぼ前年並みを維持しており、良好な水準と考えております。
また、キャッシュ・フローも重視しており、その結果、現金及び現金同等物の期末残高は58,555百万円と増加いたしました。重要度の高い研究開発投資には機動的に対応できるよう、高い流動性を保つことにつとめております。
(1) 技術導入
(2) 販売契約(導入)
(3) 販売契約(導出)
(4) コ・プロモーション契約
(5) その他の重要な契約
(注) (1)から(5)についての契約会社名は、当社(提出会社)であります。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、継続して新薬の創製ができる研究開発体制をめざし、研究員一人ひとりの自由な発想をもとに、大学や他企業との共同研究開発や技術導入などにより、世界に通用する真に有効で安全性の高い新薬を効率よく研究開発すべく、積極的な活動を展開しております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1) 薬業
医薬品の研究開発(基礎的研究及び臨床試験の実施等)を中心に、農業薬品の開発も行っております。
当連結会計年度の研究開発等の状況は次のとおりであります。
臨床開発段階のものといたしまして、ブリッケル・バイオテック社と共同開発中の原発性腋窩多汗症治療剤(BBI-4000)は、国内においてフェーズⅢ段階であり、米国においてブリッケル・バイオテック社がフェーズⅢを準備中であります。メディウンド社より導入した熱傷焼痂除去剤(KMW-1)は、フェーズⅢ段階であります。コーバス社より導入したレナバサムはフェーズⅢ段階で、全身性強皮症については同社が日本を含めたグローバル試験を実施中であり、皮膚筋炎については同社が日本を含めたグローバル試験を計画中であります。
自社創薬の爪白癬治療剤(KP-607)は、フェーズⅠ段階であります。ボシュ・ヘルス社と独占的ライセンス実施許諾契約を締結いたしました自社創薬の乾癬治療剤(KP-470)は、カナダにおいてボシュ・ヘルス社が探索的な治験を実施中であります。
アーバー社から導入したアタマジラミ症治療剤イベルメクチン0.5%外用剤(KAR)は、治験準備中であります。
潰瘍性大腸炎治療剤(KAG-308)は、共同開発会社との共同開発契約を終了しました。
当連結会計年度の研究開発費は
(2) 不動産事業
研究開発活動は行っておりません。