文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものです。
(1)企業理念
当社グループは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念としています。この理念のもとですべての役員および従業員が一丸となり、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足し、いかなる医療システム下においても存在意義のあるヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業となることをめざしています。当社グループの使命は、患者様満足の増大であり、その結果として売上や利益がもたらされ、この使命と結果の順序を重要と考えています。
当社グループは、このhhc理念の実現に向けて、主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主の皆様および社員との信頼関係の構築につとめるとともに、コンプライアンス(法令と倫理の遵守)を日々実践し、企業価値の向上に取り組んでいます。
本企業理念は、定款に定め、株主の皆様と共有化をはかっています。
(2)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
日本における薬価制度の抜本改革をはじめとし、グローバルに医療費抑制に向けた動きが強まるなど、製薬企業を取り巻く環境は大きく変化しています。また、当社グループは国連の持続可能な開発目標(SDGs)に賛同しており、目標の一つである「すべての人に健康と福祉を」については製薬企業が取り組むべき中心的な課題であると認識しています。当社グループは、製薬企業を取り巻く環境の変化に対応しつつ、中期経営計画「EWAY 2025」の推進を通じて、社会的課題の解決をめざしています。
① 中期経営計画「EWAY 2025」
2016年度にスタートした「EWAY 2025」では、以下の3つの戦略意思の実現をめざしています。
(a) 「病気になりたくない、罹っていれば早く知りたい、そして治りたい」に応える
(b) 「住み慣れた場所、地域やコミュニティで自分の病気を管理し、予後や老後を安心して過ごしたい」に応える
(c) 「hhc(ヒューマン・ヘルスケア)ニーズにもとづく立地(機会)が見出せ、それを満たすイノベーションが可能な事業分野」に集中する
これらの戦略意思の根本は、当社グループの企業理念hhc です。患者様とともに時間を過ごし、患者様の真のニーズを理解することによって生まれる強い動機付けが当社グループのイノベーションの源泉となります。当社グループは、ニューロロジー(神経)領域およびオンコロジー(がん)領域を戦略的重点領域と位置づけ、戦略的パートナーシップを活用した新薬創出の加速とその価値最大化をはかるとともに、エコシステムプラットフォームの構築に取り組んでいます。
② 「EWAY 2025」の主な進捗と取り組み
(a) ニューロロジー領域
ニューロロジービジネスグループでは、患者様視点からの包括的なアプローチによって認知症やてんかんなどの領域における研究開発が進展しています。最も注力しているアルツハイマー病/認知症領域では、早期アルツハイマー病を対象とした疾患修飾薬および新規症状改善薬を開発しています。疾患修飾薬としては、バイオジェン社と共同開発を進めているβサイト切断酵素阻害剤「elenbecestat(一般名)」および抗Aβプロトフィブリル抗体「BAN2401」について、いずれもフェーズⅢ試験が進行中です。また、University College London との共同研究により、抗タウ抗体「E2814」を創出し臨床試験の準備中です。また、早期アルツハイマー病の血液診断方法の確立に向けたシスメックス株式会社との共同研究にも取り組んでいます。一方、中・後期ステージのアルツハイマー病に対して、シナプス再形成を可能とする薬剤の創出をめざした複数のプロジェクトが当社および研究子会社のカン研究所において臨床試験導入に向けて進行中です。
近年、認知症は、その主たる症状である認知障害の発症以前に、睡眠障害、行動障害の順に障害が出現することが報告されています。睡眠障害については、オレキシン受容体拮抗剤「レンボレキサント(一般名)」の開発を進めており、不眠障害の適応で米国、日本で申請中です。また行動障害の一つであるてんかん等の神経疾患の治療をめざす「E2730」、「E2082」、レビー小体型認知症の症状の改善をめざすPDE9 阻害剤「E2027」なども含めて、認知症疾患に対する総合的なケアに向けたポートフォリオの展開もはかっています。
さらに、新たなアプローチとして、米国においては、認知症神経免疫療法にフォーカスした新たな探索研究所(Eisai Center for Genetics Guided Dementia Discovery:G2D2)を設立しました。日本においては、慶應義塾大学と共同で設立した産医連携拠点「エーザイ・慶應義塾大学 認知症イノベーションラボ(EKID)」における、脳の堅牢性・再生に関わる創薬ターゲットの探索研究も行っています。
(b) オンコロジー領域
オンコロジービジネスグループでは、自社創製の抗がん剤「レンビマ」、「ハラヴェン」の価値最大化に向けた取り組みが進行しています。Merck & Co., Inc., Kenilworth,N.J., U.S.A.(以下、米メルク社)とがん領域における戦略的提携を結んでいる「レンビマ」は、単剤療法ならびに米メルク社の抗PD-1抗体「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法について共同開発・共同販促を行っています。「レンビマ」は肝細胞がんに対する臨床試験における高い奏効率が実臨床においても確認されており、肝細胞がんの治療変革に貢献しています。「キイトルーダ」との併用療法については、実施中の6がん種を対象としたフェーズⅠb/Ⅱ試験(111試験)等において、各単剤療法を上回る顕著な抗腫瘍活性が示されています。すでに実施中の試験を含め2019年度までに合計13本(適応別)のフェーズⅡまたはフェーズⅢ試験が開始される予定であり、開発を加速していきます。米メルク社との共同によるメディカル・販促活動は、肝細胞がんの単剤療法をはじめ、世界各国で順次開始されており、「レンビマ」の患者様アクセスの早期最大化の実現をめざします。
「ハラヴェン」については、転移性トリプルネガティブ乳がんを対象にした「キイトルーダ」との併用療法の臨床試験などが進行しています。
「レンビマ」および「ハラヴェン」のトランスレーショナル研究の知見を生かし、既存の分子標的治療や腫瘍免疫療法とは異なる標的や作用機序を有する新薬候補群として「E7090」、「H3B-6527」、「E7386」などの臨床試験も進行中です。当社グループ初の抗体薬物複合体として、「ハラヴェン」と抗葉酸受容体α抗体「ファルレツズマブ(一般名)」を組み合わせた「MORAb-202」、および「ハラヴェン」同様、当社のハリコンドリン研究から創製された新規中分子化合物「E7130」が臨床導入を果たしました。また、腫瘍免疫を活性化させる免疫エンハンサーに関する研究として、インターフェロン遺伝子刺激因子作動薬「E7766」、H3 Biomedicine Inc.が保有するスプライシングプラットフォームを利用したがん免疫療法の効果を高める新規ネオアンチゲン療法に関して、Bristol-Myers Squibb Company との共同研究などの新たな取り組みも進めています。
(c) エコシステム プラットフォームの構築
当社グループは、中期経営計画「EWAY 2025」において、リアルワールドデータを含むビッグデータの解析をはじめ、様々なデジタル化の取り組みを行っています。特に、認知症領域においては、当社グループが有する認知症に関する経験、ノウハウ、臨床データなどに加えて、外部のビッグデータやゲノムデータ等を活用してプラットフォームを確立し、製薬企業のほか、行政、医療機関、介護施設、診断薬開発企業、IT企業、フィットネス、保険会社などのパートナーと連携して「エコシステム」を構築し、認知症当事者とそのご家族に新たな便益をお届けすることをめざしています。さらに、主に認知症の予知(Prediction)と予防(Prevention)に関するアルゴリズムなどの開発を行い、「エコシステム」に参加されている生活者の皆様に予知と予防に関する助言、推奨、提案を行うことで、認知症の発症遅延や経済的負担の軽減などにつなげ、well-being の実現に貢献したいと考えています。また、エコシステムプラットフォームは、今後、他領域への展開も検討していきます。
(d) 目標とする経営指標
中期経営計画「EWAY 2025」でめざす3つの戦略意思を実現するとともに、戦略投資と安定配当を担保する財務規律の実現により持続的な企業価値向上をめざすため、「EWAY 2025」の中間点である2020年度の数値目標を以下の通り設定しています。
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2020年度目標・ガイダンス |
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売上収益 |
8,000億円レベル |
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営業利益 |
1,020億円レベル |
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当期利益 |
740億円レベル |
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ROE*1 |
10%以上 |
*1 ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)
= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷親会社の所有者に帰属する持分
③ 医薬品アクセス改善に向けた取り組み
当社グループは、グローバルな医薬品アクセスの課題解決への取り組みを、我々の責務であるとともに、将来への長期的な投資であると考え、政府や国際機関、非営利民間団体等との官民パートナーシップのもと、積極的に推進しています。
当社グループは、開発途上国および新興国に蔓延する顧みられない熱帯病の一つであるリンパ系フィラリア症を制圧するため、その治療薬である「DEC(ジエチルカルバマジン)錠」を当社グループのインド・バイザッグ工場で製造し、本剤を必要とするすべての蔓延国において制圧が達成されるまで、世界保健機関(WHO)に「プライス・ゼロ(無償)」で提供しています。2019年3月末までに28カ国に16.6億錠を供給しました。さらに、その他の顧みられない熱帯病、結核、マラリアに対する新薬開発を推進するほか、認知症、がんといった非感染性疾患に対する疾患啓発・早期発見支援や患者様が購入しやすい価格設定(アフォーダブルプライシング)や所得別段階的価格設定(ティアードプライシング)による製品提供など、各国で様々な医薬品アクセス改善に向けた活動に取り組んでいます。
(3)資本政策の基本的な方針
当社の資本政策は、財務の健全性を担保した上で、株主価値向上に資する「中長期的なROE経営」、「持続的・安定的な株主還元」、「成長のための投資採択基準」を軸に展開しています。
① 中長期的なROE経営
当社は、ROEを持続的な株主価値の創造に関わる重要な指標と捉えています。「中長期的なROE経営」では、売上収益利益率(マージン)、財務レバレッジ、総資産回転率(ターンオーバー)を常に改善し、中長期的に資本コストを上回るROE(正のエクイティ・スプレッド*1の創出)をめざしていきます。
*1 エクイティ・スプレッド=ROE-株主資本コスト
② 持続的・安定的な株主還元
当社は、健全なバランスシートのもと、連結業績、DOE*2およびフリー・キャッシュ・フローを総合的に勘案し、シグナリング効果も考慮して、株主の皆様へ継続的・安定的な配当を実施します。DOEは、連結純資産に対する配当の比率を示すことから、バランスシートマネジメント、ひいては資本政策を反映する指標の一つとして位置づけています。自己株式の取得については、市場環境、資本効率等に鑑み適宜実施する可能性があります。なお、健全なバランスシートの尺度として、親会社所有者帰属持分比率、負債比率(Net DER)を指標に採用しています。
*2 DOE(親会社所有者帰属持分配当率)= 配当金総額÷親会社の所有者に帰属する持分
③ 成長のための投資採択基準
当社は、成長投資による価値創造を担保するために、戦略投資に対する投資採択基準を採用し、リスク調整後ハードルレートを用いた正味現在価値と内部収益率スプレッドにハードルを設定し、投資を厳選しています。
④ 「EWAY 2025」における財務目標・ガイダンス
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2020年度目標・ガイダンス |
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ROE |
10%以上 |
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DOE |
8%レベル |
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親会社所有者帰属持分比率 |
50%~60% |
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Net DER |
△0.3~0.3 |
(4)ESGをはじめとする非財務価値向上と情報開示
企業の価値は、財務価値に、ESG(環境、社会、ガバナンス)をはじめとする非財務価値を加味したものと考えています。当社グループは、hhc理念を根幹として事業を展開する中、地球環境の負荷低減(環境)、医薬品アクセス向上、社員の人材育成(社会)、経営の公平性と透明性の確保(ガバナンス)等、ESGへの取組みを強化してきました。また、これらの取組みは、国連サミットで採択された国際的な目標であるSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)と一貫したものと位置付けています。2018年度より、ESG、SDGsに関する全社戦略と推進を担うポリシー・アドボカシー&サステナビリティ部を新設しました。低炭素社会の形成に向け、産業革命時期と比較して気温上昇を2℃未満にするための国際イニシアチブであるScience Based Targets(SBT)の認定を申請し、承認されました。また、人権ガイドラインとして国際的に認知されている国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、当社グループの人権方針を作成するなど、さらなる非財務価値の向上に取り組んでいます。
なお、当社グループのESGをはじめとする非財務価値に関する情報は、IIRC(国際統合報告評議会)のフレームワークに基づき、統合報告書や環境報告などで開示しています。
(https://www.eisai.co.jp/ir/library/annual/index.html)
(5)株式会社の支配に関する基本方針
当社は、「財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を「当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針」(以下、「本対応方針」)として定めています。
① 導入と継続、一部変更の経緯
本対応方針は、2006年2月開催の取締役会において、社外取締役独立委員会より提案され、導入したものです。その後、2011年8月および2016年4月の取締役会において継続の決議をし、更新しました。
社外取締役独立委員会は、2017年6月定時株主総会における取締役選任議案に係る議決権行使の結果を受け、その分析、機関投資家と社外取締役との対話の充実、これらを含めた幅広い視点からの検討を実施し、2018年4月に以下の本対応方針の見直し、および株主の皆様に理解を深めていただくための対応を行いました。
(a) 有効期間を5年から1年に短縮
(b) 対象となる買付基準を15%から20%に引き上げ
(c) 2018年6月定時株主総会の招集通知に社外取締役の活動を含めた本対応方針に関する詳細な説明を記載
2019年6月20日に開催した取締役会において、社外取締役独立委員会より本対応方針を継続する旨の提案がなされ、審議の結果、提案通りに決議しました。なお、現在の本対応方針における有効期間は2019年6月30日までです。継続後の有効期間は2019年7月1日から2020年6月30日です。
② 濫用的な新株予約権の発行(いわゆる買収防衛策の発動)を防ぐ仕組み
社外取締役独立委員会が本対応方針の継続が妥当であると判断する理由は⑥に記載のとおりです。とりわけ、約400社にのぼる国内他社のいわゆる買収防衛策にはない「濫用的な新株予約権の発行を防ぐ仕組み」を有していることが本対応方針の大きな特徴であると考えています。また、社外取締役独立委員会は、もとよりすべての買収提案を否定するものではなく、当社の企業価値・株主共同の利益に資する提案であれば、積極的に検討すべきと考えています。このため、社外取締役独立委員会は、当社企業価値・株主共同の利益を維持・向上させるためには、本対応方針を保有している方が株主・投資家を含むステークホルダーズの皆様にとっても望ましいと考えています。
「経営陣の保身に利用される」という懸念が、いわゆる買収防衛策が批判される理由のひとつですが、当社の場合、経営陣から見れば、本対応方針を有しているほうが新株予約権の発行(いわゆる買収防衛策の発動)が容易にできない仕組みになっています。
その仕組みは以下のとおりです。
(a) 本対応方針がある場合
新株予約権の発行・不発行は、まず、社外取締役独立委員会が決定することとなります。社外取締役7名で構成する社外取締役独立委員会では、社外取締役4名が新株予約権の発行に反対すると、新株予約権の不発行が決定されます。そして、この決定は、取締役会で覆すことができない仕組みとなっています。
(b) 対応方針がない場合
新株予約権の発行・不発行は取締役会で決定されます。当社取締役会は11名の取締役(社外取締役7名、社内取締役4名)で構成されていますので、社内取締役4名が新株予約権発行に賛成した場合、社外取締役7名のうち6名が反対しなければ新株予約権の発行を止められません。
このように、本対応方針は、いわゆる買収防衛策と呼ばれるものとは全く異なる「濫用的な新株予約権の発行(いわゆる買収防衛策の発動)を防ぐ仕組み」を有しており、この点について、社外取締役独立委員会は、事業報告等における開示および株主の皆様との対話を通じて十分な説明に努めます。
③ 2018年度社外取締役独立委員会の検討の経緯
2018年6月定時株主総会の取締役選任議案の議決権行使結果から、前記①の本対応方針の見直し、および株主の皆様に理解を深めていただくための対応を実施してもなお、株主総会に付議せずに本対応方針を継続することについて、一部の株主様の反対意見があることを認識しました。一方で、社外取締役独立委員会の取り組みや考え方に対しては、一定の理解が得られたものと考えています。
このため、社外取締役独立委員会は、2018年度も機関投資家の皆様との対話をより一層拡充し、このような対話の場の設定を制度として定着させる活動に取り組むとともに、対話により得られた知見をすべての取締役と共有し、企業買収に関して、特にグローバルな医薬品業界、および法的な側面での情報収集と検討を行った上で、本対応方針の維持、見直し、廃止について検討しました。具体的には、独立社外取締役が過半数を占める当社のコーポレートガバナンス体制において、本対応方針を保有する目的と意義の確認、継続の可否、本対応方針の仕組みにおいて見直すべき内容、廃止した場合の代替プラン保有の可能性とその是非などについて検討を重ねました。
④ 意義、目的
本対応方針は、中期経営計画等の諸施策の実践で生み出される企業価値・株主共同の利益を守ることを企図し、当社株式を大量保有する場合の手続き等を定めたものです。
当社株式の大量買付が行われる場合に、買付者に対し、その買付が当社の企業価値や株主共同の利益を向上させるのか、あるいは毀損する恐れがあるのかを判断するための情報提供を求め、社外取締役独立委員会が、株主の皆様の負託に応えて、その内容を十分に検討する機会を確保することを目的としています。
社外取締役独立委員会において、買付者の提案が、本対応方針の手続き、基準等を満たし、企業価値の向上に資すると判断された場合は、新株予約権は発行されません。一方、それが本対応方針の手続き、基準等を満たさず、当社企業価値・株主共同の利益を毀損すると判断した場合には、新株予約権の発行を提案します。
⑤ 特長的な仕組み
(a) 取締役会で導入し、更新
本対応方針の導入、更新は、株主総会に諮るのではなく、社外取締役独立委員会からの提案にもとづき取締役会で決定することとしています。これは、株主の皆様から負託を受けた取締役が、当社企業価値・株主共同の利益向上の視点から、専門家の意見を求めることをはじめ、十分に情報を入手し、責任をもって慎重に検討することが適切であると判断したためです。当社の取締役会は、11名の取締役のうち7名が社外取締役であり、議長も社外取締役が務めています。当社の社外取締役7名は、いずれも、経営陣から独立した、経験と実績に富む経営者、学識者、および会計や法律の専門家等です。また、社内取締役4名のうち執行役を兼任する取締役は1名のみです。このような取締役構成であることから、当社の取締役会は、本対応方針に関しても、株主の皆様の利益を代表して、客観的かつ合理的な判断を行うことができると考えています。
(b) 株主の皆様の意思を反映できる仕組み
株主総会招集ご通知参考書類の取締役選任議案において、各取締役が本対応方針への賛否を表明することにより、取締役選任議案に対する議決権行使をもって、株主の皆様の意思を反映できる仕組みとしています。
(c) 経営陣の恣意的な運用ができない仕組み
本対応方針にもとづく新株予約権の発行・不発行の意思決定は社外取締役独立委員会で行います。買付提案が本対応方針の手続き、基準を満たし、当社の企業価値向上に資すると社外取締役独立委員会が判断すれば、新株予約権は発行されません。この新株予約権の不発行の決定は、再度、取締役会で審議されることもありません。このように、新株予約権を発行しないという決定に社内取締役、執行役は全く関与できず、経営陣による濫用的な本対応方針の運用(新株予約権の発行)を防ぐことが可能です。
(d) 有効期間は1年
本対応方針の有効期間は1年間であり、毎年、社外取締役独立委員会が本対応方針の維持、見直し、廃止を検討しています。なお、社外取締役独立委員会は、その判断により、いつでも本対応方針の見直し、廃止を取締役会に提案することが可能です。
⑥ 社外取締役独立委員会での判断
社外取締役独立委員会は、次のような議論を踏まえ、本対応方針の継続が妥当であると判断しています。
(a) 本対応方針は、買付者が現れた場合に買付者との交渉を通じて大多数の既存株主に有利な条件を引き出すことを可能とする施策になり得るものである一方、その運用において経営陣の恣意性が排除される仕組みを有し、経営陣による濫用的な新株予約権の発行(いわゆる買収防衛策の発動)を防ぐことが可能であることから、株主、投資家にとって、むしろこれを保有していることが望ましいと思われる。
(b) 当社のビジネス環境や業界動向より、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れのある買収リスクの存在は否定できず、患者様と生活者の皆様を含む当社の主要なステークホルダーズの安心と安全を守るという観点から、リスクに対する十分な備えを取締役会として行うのは必要かつ妥当である。
(c) 欧米各国の企業買収を取り巻く法制度と対比した場合、我が国でも金融商品取引法において大量買付時の手続きの整備はなされたものの、未だ当社の企業価値・株主共同の利益を守るために十分とはいえないと認識する。
(d) 当社株式の大量買付の手続き等を定めて開示することにより、買付者が現れた場合に、社外取締役独立委員会が買付者の提案内容を十分に検討する時間を確保することができる。
(e) 本対応方針は、株主総会における取締役選任議案に対する議決権行使をもって、株主の皆様の意思を反映できる仕組みとなっている。
[当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針]
1. 導入と継続の経緯
当社は、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業として、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを最優先の課題としておりますが、かかる企業価値・株主共同の利益の向上は、患者価値を創出することにより実現できるものと考えております。この患者価値を創出するためには、新薬の研究・開発の更なる推進、高品質な製品の生産・販売、医薬品の安全な使用を実現するための情報の管理・提供等が必要です。これらを実現するためには、長期的な視野のもとに大胆に企業施策を行わなければならず、また、株主価値を創出するためには、企業として安定的かつ継続的に成長していくことが不可欠の前提となります。さらに、当社は、企業としての社会的責任を全うしつつ、これらの課題を達成するため、2004年に委員会等設置会社(現指名委員会等設置会社)に移行し、透明性の高いガバナンス体制を志向しております。
また、当社は長期的視点に立って策定された中期戦略計画をはじめとする諸施策を遂行・実施することにより、企業価値を高め、株主の皆様の価値を向上する所存であります。しかし、当社事業を取り巻く競争関係の激化、企業買収に対するわが国における法制度・企業文化の変化・変容等を踏まえると、当社の経営方針に重大な影響を与える買付が行われることも予想されます。もとより当社は、当社の株式を大量に取得したり、当社の経営に関与しようとする買付については、それが当社の企業価値を大きく向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。しかし、株式を大量に取得する買付の中には、買付目的や買付後の経営方針等に鑑み、株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買付に応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、会社や株主に対して買付に係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないもの、買付条件が当社企業価値・株主共同の利益の確保の観点から不十分又は不適切であるもの等の不適切な買付も少なくないと考えられます。更に、当社が患者価値の創出を実現し、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるためには、上述のとおり新薬の研究・開発体制、高品質製品の安定供給、薬剤の安全性と有効性の情報の管理・提供の確保が必要不可欠であり、これらが確保されなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が毀損されることになります。
そこで、当社は、上記に記載した買付類型を含む当社企業価値・株主共同の利益に反する買付を防止するためには、当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針(以下「本対応方針」といいます。)を導入することが必要不可欠であると判断し、社外取締役7名のみで構成する社外取締役独立委員会の提案に基づき、2006年2月開催の取締役会において、その導入を決定致しました。
本対応方針は、当社に対するかかる買付が行われる場合には、買付者又は買付提案者(以下、公開買付者又はその提案者も含め、併せて「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付内容に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、必要に応じて、株主の皆様に事業計画等を説明したり、代替案を提示するとともに、買付者等と交渉を並行して行っていくことを可能とすることを狙うものです。これに対し、買付者等がこうした事前の情報提供なく買付を行う場合や、当該買付が当社の企業価値・株主共同の利益を毀損しないものとは認められない場合には、後述のとおり、当該買付者等及びその一定の関係者による権利行使は認められないとの行使条件が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)を、その時点の全ての株主に対して株主割当ての方法により発行します。本対応方針は、本新株予約権の発行により、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合を相当低下させ、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付行為の阻止を図るものです。
もっとも、こうした対応方針の導入、実際に買付がなされた場合の当該買付の検討、必要に応じた買付者等との協議・交渉、その結果等を踏まえた本新株予約権の発行の必要性の有無の判断については、経営陣の自己保身に利用されることがないように特に客観性・合理性が要求されるところです。この点、当社の取締役会は、過半数が社外取締役によって構成されています。当社社外取締役は、いずれも、会社経営陣から独立した、経験と実績に富む会社経営者、経営学者、公認会計士、法律家等であり、これらの者を過半数とし、かつ、社外取締役ではない4名も、業務執行に当たる取締役は1名のみであり、当社取締役会は、株主の皆様の利益を代表して上記の判断を客観的かつ合理的に行うことができるものと考えます。
本対応方針の導入に際しては、社外取締役のうち3名を構成員とする「特別委員会」を設置し、まず当該特別委員会にて、複数の外部専門家からもアドバイスを受け、検討致しました。その結果、特別委員会は、本対応方針が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付を防止するためには必要不可欠と判断しました。次に、本対応方針は社外取締役7名全員を構成員として設置された「社外取締役独立委員会」(その決議要件・決議事項等については(別紙1)「社外取締役独立委員会の概要」をご確認ください。)に対し提案され、社外取締役独立委員会は、本対応方針導入の可否を検討し、その結果本対応方針が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付を防止するためには必要不可欠と判断し、その導入を当社取締役会に提案致しました。取締役会は、審議の結果、本対応方針の導入を決定致しました。このように、本対応方針は当社の企業価値ひいては株主共同の利益のために、会社経営陣から独立した両委員会のイニシアティブにより採用されるに至ったものです。
加えて、本対応方針導入後においても、本対応方針の運用に際しての判断についてはその客観性・合理性が確保されるようにしております。実際に当社に対して買付がなされた場合には、社外取締役独立委員会が主体的に、下記4.に記載の各要件を満たすものであるか否かの判断を行います。
そして、社外取締役独立委員会は、当該買付が下記4.に記載のすべての要件を満たすと判断する場合を除き、原則として本新株予約権の発行を取締役会に提案いたします。取締役会は、これを受け本新株予約権の発行が必要であるかどうかを決議します。また、社外取締役独立委員会において、当該買付に対して本新株予約権を発行しない旨の決議をした場合には、取締役会では本新株予約権の発行に関する審議・決議は行いません。このように、本新株予約権を発行すべきか否かの判断に関しまして、経営陣の恣意的な判断を排除するとともに、本新株予約権の発行が容易にできない仕組みをとっております。
本対応方針導入以来、社外取締役独立委員会は、毎年、本対応方針の維持、見直し、廃止を検討しております。その結果として、取締役会は、本対応方針の継続を決定しております。
2. 本対応方針の対象となる買付
本対応方針においては、本新株予約権は、以下1)又は2)に該当する買付又はその提案(以下併せて「買付等」といいます。)がなされたときに、本対応方針に定められる手続に従い発行されることとなります。
1) 当社が発行者である株券等(1)について、保有者(2)の株券等保有割合(3)が20%以上となる買付その他取得
2) 当社が発行する株券等(4)について、公開買付け(5)に係る株券等(6)の株券等所有割合(7)及びその特別関係者(8)の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
(1) 金融商品取引法第27条の23第1項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(2) 金融商品取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。
(3) 金融商品取引法第27条の23第4項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(4) 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。
(5) 金融商品取引法第27条の2第6項に定義されます。
(6) 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。
(7) 金融商品取引法第27条の2第8項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(8) 金融商品取引法第27条の2第7項に定義されます。但し、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。
3. 本新株予約権の発行のプロセス
1) 買付者等から社外取締役独立委員会に対する事前の情報提供
上記2.に定める買付等を行う買付者等には、買付等の実行に先立ち、当社社外取締役独立委員会宛に、別紙2に定める当該買付者等の買付等の内容の検討に必要な情報(以下「本必要情報」といいます。)及び買付者等が買付等に際して本対応方針に定める手続を遵守する旨を記載した書面(以下併せて「買付説明書」といいます。)を提出していただきます。
当社社外取締役独立委員会が、当該買付説明書の記載内容が本必要情報として不十分であると判断した場合には、当社社外取締役独立委員会は買付者等に対し、適宜回答期限を定めた上で、本必要情報を追加的に提出するよう求めることがあります。この場合には、当該期限までに、買付者等より追加の本必要情報の提供をしていただくこととします。
なお、当社社外取締役独立委員会は、引き続き買付説明書(本必要情報を含みます)の提出を求めて買付者等と協議・交渉等を行うべき特段の事情がある場合を除き、買付者等が本対応方針に定められた手続に従うことなく買付等を開始したものと認められる場合には、原則として、下記3.3)(1)記載のとおり、当社取締役会に対して、本新株予約権を発行することを提案します。
2) 社外取締役独立委員会による当該買付者等の買付等の内容の検討・買付者等との交渉・株主の皆様への代替案の提示
当社社外取締役独立委員会は、買付者等から本必要情報が十分に記載された買付説明書及び社外取締役独立委員会から追加提出を求められた本必要情報が提出された場合、必要に応じ、当社の代表執行役CEOに対しても、買付者等の買付等の内容に対する意見及びその根拠資料、代替案その他社外取締役独立委員会が適宜必要と認める情報・資料等を30日以内に提出することを求めます。
社外取締役独立委員会は、買付者等及び代表執行役CEOからの必要な情報・資料を受領後、原則として60日間(但し、下記3.3)(3)に記載するところに従い、社外取締役独立委員会は当該期間について90日を限度として延長することができるものとします。)(以下「社外取締役独立委員会検討期間」といいます。)、買付者等の買付等の内容の精査・検討、当社代表執行役CEOが提出した代替案の精査・検討、買付者等と当社代表執行役CEOの事業計画等に関する情報収集・比較検討等を行います。また、社外取締役独立委員会は、必要があれば、直接又は間接に、当該買付者等と交渉を行い、また、株主の皆様に当社代表執行役CEOが提出した代替案の提示を行うものとします。
社外取締役独立委員会は、社外取締役独立委員会の判断が適切になされることを確保するために、自らの裁量により、当社の費用で、会社経営陣から独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができるものとします。
なお、買付者等は、社外取締役独立委員会検討期間が終了するまでは、上記2.に規定する買付等を実行することはできないものとします。
3) 社外取締役独立委員会の決議
社外取締役独立委員会は、買付者等が出現した場合において、以下の手続を行うものとします。
(1) 社外取締役独立委員会は、買付者等が上記3.1)及び2)に規定する手続を遵守しなかった場合を含め、下記3.3)(2)又は(3)のいずれにも該当しない限り、原則として、社外取締役独立委員会検討期間の開始又は終了の有無を問わず、当社取締役会に対して、本新株予約権を発行することを提案します。
但し、社外取締役独立委員会は、かかる提案の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、本新株予約権の発行の中止を含む別個の判断を行うことができるものとします。
(2) 社外取締役独立委員会は、買付者等の買付等の内容の検討、買付者等との交渉の結果、当該買付者等による買付等が下記4.1)から9)のいずれの要件も満たすと判断した場合には、社外取締役独立委員会検討期間の終了の有無を問わず、本新株予約権を発行しないことを決議いたします。この不発行の決議に関して、当社取締役会で本新株予約権の発行の有無について改めて審議等をすることはありません。
但し、社外取締役独立委員会は、かかる決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、本新株予約権の発行の提案を含む別個の判断を行い、これを当社取締役会に提案することができるものとします。
(3) 社外取締役独立委員会が、当初の社外取締役独立委員会検討期間終了時までに、本新株予約権の発行又は不発行の決議を行うに至らない場合には、社外取締役独立委員会は、当該買付者等の買付等の内容の検討・当該買付者等との交渉・代替案の提出要求及び検討等に必要な範囲内で、社外取締役独立委員会検討期間を延長する旨の決議を行います(なお、当該期間延長後、更なる期間の延長を行う場合においても同様の手続によるものとします。)。
上記決議により社外取締役独立委員会検討期間を延長した場合、社外取締役独立委員会は、引き続き、買付者等の買付等の内容の検討・必要な場合には買付者等との交渉・代替案の提出要求及び検討等を行うものとし、延長期間内に本新株予約権の発行の提案又は不発行の決定や当社の株主の皆様に代替案の提示等を行うよう努めるものとします。
4) 取締役会の決議
当社取締役会は、社外取締役独立委員会から上記本新株予約権発行の提案を受けた場合、速やかに決議を行うものとします。
但し、取締役会は、かかる決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、別個の判断を行うことができるものとします。
なお、当社社外取締役独立委員会が本新株予約権の不発行の決議をした場合には、上記3.3)(2)に記載のとおり、社外取締役独立委員会の決議によるものとし、当社取締役会で本新株予約権の発行の有無について審議等をすることはありません。
5) 情報開示
当社は、本対応方針の運用に際しては、法令又は金融商品取引所の規程・規則等に従い、以下に掲げる本対応方針の各手続きの進捗状況並びに当社社外取締役独立委員会及び当社取締役会が適切と考える事項について、適時に情報開示を行います。
(1) 上記2.の1)又は2)に該当する買付がなされた事実
(2) 買付者等から買付説明書が提出された事実及び本必要情報その他の情報のうち社外取締役独立委員会が適切と判断する事項
(3) 社外取締役独立委員会が検討を開始した事実及び検討期間の延長が行なわれた事実(その期間と理由を含む)
(4) 社外取締役独立委員会が、本新株予約権の発行を提案した事実及びその概要並びに本新株予約権を発行すべきと判断した理由その他社外取締役独立委員会が適切と判断する事項
(5) 取締役会が、本新株予約権の発行の決議を行った事実及びその概要並びに当該決定の判断理由その他取締役会が適切と判断する事項
(6) 社外取締役独立委員会が、本新株予約権の不発行を決議した事実及びその概要並びに本新株予約権を不発行とすべきと判断した理由その他社外取締役独立委員会が適切と判断する事項
(7) 上記(4)又は(6)の決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、社外取締役独立委員会が本新株予約権の発行の中止又は本新株予約権の発行の提案を含む別個の判断を下した場合に社外取締役独立委員会が必要と認める事項
(8) 上記(5)の決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、取締役会が別個の判断を下した場合に取締役会が必要と認める事項
4. 本新株予約権を発行する基準
社外取締役独立委員会は、本対応方針の対象となる買付等が、以下の全ての要件を満たすと判断する場合を除き、原則として本新株予約権を発行することを取締役会に提案する予定としております。
1) 本対応方針に定める手続を遵守した買付等である場合
2) 下記に掲げる行為等により当社企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらす虞のある買付等ではない場合
(1) 株式を買い占め、その株式について当社に対して高値で買取りを要求する行為
(2) 当社の経営を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等当社の犠牲の下に買付者等の利益を実現する経営を行うような行為
(3) 当社の資産を買付者等やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為
(4) 当社の経営を一時的に支配して当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって、一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為
3) 強圧的二段階買付(最初の買付で全株式の買付を勧誘することなく、二段階目以降の買付条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付け等の株式買付を行うことをいいます。)等株主に株式の売却を事実上強要する虞のある買付等ではない場合
4) 当社に、当該買付等に対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を与えない買付等ではない場合
5) 当社株主に対して、買付者等の概要(別紙2本必要情報1.の例示を含みます。)、買付等の価格の算定根拠(別紙2本必要情報3.の例示を含みます。)及び買付等の資金の裏付け(別紙2本必要情報4.の例示を含みます。)、買付等の後の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策等(別紙2本必要情報5.の例示を含みます。)の買付等の内容を判断するための情報が提供されない、又は提供された場合であっても当該買付者等の現在又は将来の株券等保有割合等に照らして提供された情報が不十分である買付等ではない場合
6) 買付等の条件(別紙2本必要情報2.及び6.の例示を含みます。)が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当である買付等ではない場合
7) 法令又は定款に違反する買付等ではない場合
8) 株主としての買付者等の行動が当社の経営に悪影響を及ぼし、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に重大な損害をもたらす虞のある買付等ではない場合
9) 買付等が行われる時点の法令、行政指導、裁判結果、証券取引所の規則により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に重大な損害をもたらす虞のある買付等であると明らかに認められている買付等ではない場合
5. 本対応方針の有効期間
本対応方針の有効期間は、2018年7月1日から2019年6月30日までの1年間とします。
社外取締役独立委員会は、毎年3月及び定時株主総会開催後に、本対応方針の継続、見直し又は廃止について検討するものとします。その結果は、取締役会に提案され、取締役会で審議の上、本対応方針は継続、見直し又は廃止されるものとします。当社では、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任されております。取締役の任期の期差別や解任制限等は存在しないことから、1回の株主総会により全取締役の選解任が可能であり、当該総会で選任された取締役により構成された取締役会において、社外取締役独立委員会の提案を受け、本対応方針を廃止する決議を行うことが可能であり、また社外取締役独立委員会において本新株予約権の発行を行わない旨の決議を行うことも可能であります。以上の点からしまして、本対応方針の継続、見直し又は廃止に関して当社の株主の皆様のご意向を十分に反映させることができるものと考えております。
なお、当社は、本対応方針の有効期間中であっても、社外取締役独立委員会の検討に基づき、必要に応じて、本対応方針を見直しもしくは変更し、又は別の対応策を導入する場合があります。
6. 本新株予約権の主要な条件
本対応方針に基づき発行する予定の本新株予約権の主要な条件等は以下のとおりです。また、当社は、機動的な発行を目的として、本新株予約権について予め発行登録を行っております。
1) 割当対象株主
本新株予約権の発行決議(以下「本発行決議」といいます。)において、当社取締役会が割当期日と定める日(以下「割当期日」といいます。)の最終の株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その所有株式(但し、当社の保有する当社株式を除きます。)1株につき本新株予約権1個の割合で割り当てます。
2) 本新株予約権の目的とする株式の種類及び数
本新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は1株又は本発行決議において当社取締役会が定める株数とします。
3) 本新株予約権の総数
割当期日における最終の発行済株式総数(但し、当社の保有する当社普通株式を除きます。)を上限とします。
4) 本新株予約権の発行価額
無償とします。
5) 本新株予約権の行使に際して払込をなすべき額
新株予約権1個当たり1円とします。
6) 本新株予約権の行使期間
本発行決議において当社取締役会が定める本新株予約権の発行日から、最短1ヶ月最長2ヶ月の間で、本発行決議において当社取締役会が定める期間とします。
7) 本新株予約権の行使条件
(1) ①割当期日又は本新株予約権の行使日において特定大量保有者(下記(ア)ないし(エ)の各号に記載される者を除き、(i)当社が発行者である株券等(9)の保有者(10)で、当該株券等に係る株券等保有割合(11)が20%以上となる者もしくは20%以上となると当社取締役会が認めた者、又は(ii)公開買付け(12)によって当社が発行者である株券等(13)の買付け等(14)を行う者で、当該買付け等の後におけるその者の所有(15)に係る株券等所有割合(16)及びその者の特別関係者(17)の株券等所有割合と合計して20%以上となる者)、②その共同保有者(18)(上記(i)に定めるとき)、③その特別関係者(上記(ii)に定めるとき)、④上記①ないし③記載の者から本新株予約権を当社取締役会の承認を得ることなく譲受もしくは承継した者、又は、⑤実質的に、上記の①ないし④記載の者が支配し、当該者に支配されもしくは当該者と共同の支配下にある者として当社取締役会が認めた者、もしくは当該者と協調して行動する者として当社取締役会が認めた者(以下、上記①ないし⑤を総称して「特定大量保有者等」といいます。)は、本新株予約権を行使することができません。
(ア) 当社、当社の子会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第3項に定義される。)又は当社の関連会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第5項に定義されます。)
(イ) 当社を支配する意図がなく上記(i)又は(ii)に該当することになった者である旨当社取締役会が認めた者であって、かつ、上記(i)又は(ii)に該当することになった後10日間(但し、当社取締役会はかかる期間を延長することができます。)以内にその保有する当社の株券等を処分することにより上記(i)及び(ii)に該当しなくなった者
(ウ) 当社による自己株式の取得その他の理由により、自己の意思によることなく、上記(i)又は(ii)に該当することになった者である旨当社取締役会が認めた者(但し、その後、自己の意思により当社の株券等を新たに取得した場合を除きます。)
(エ) その者が当社の株券等を取得又は保有することが当社の利益に反しないと当社取締役会が認めた者(一定の条件の下に当社の利益に反しないと当社取締役会が認めた場合には、当該条件が満たされている場合に限ります。)
(2) 上記(1)の規定のほか、自己が特定大量保有者等ではないことを表明していない者、その他本発行決議において当社取締役会が定める事項を誓約する書面を提出していない者は、本新株予約権を行使することはできません。
8) 本新株予約権の消却
本新株予約権については、消却事由及び消却の条件は定めません。
9) 本新株予約権の譲渡
本新株予約権を譲渡するには当社取締役会の承認を要します。
上記6.7)に基づき、特定大量保有者等は本新株予約権を行使することができないにも関わらず、特定大量保有者等において本新株予約権を自由に第三者に譲渡することができれば、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付行為の阻止を図るという目的が達成し得なくなります。従って、本新株予約権には譲渡制限が付されることになりますが、特定大量保有者等は、当社取締役会の承認する第三者には、本新株予約権を譲渡することができます。
(9) 金融商品取引法第27条の23第1項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(10) 金融商品取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。
(11) 金融商品取引法第27条の23第4項に定義されます。
(12) 金融商品取引法第27条の2第6項に定義されます。
(13) 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。
(14) 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。以下同じとします。
(15) これに準ずるものとして金融商品取引法施行令第7条第1項に定める場合を含みます。
(16) 金融商品取引法第27条の2第8項に定義されます。以下同じとします。
(17) 金融商品取引法第27条の2第7項に定義されます。但し、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。以下同じとします。
(18) 金融商品取引法第27条の23第5項に定義されるものをいい、同条第6項に基づき共同保有者と見なされる者を含みます。
7. 株主の皆様への影響
1) 本対応方針の導入時に株主の皆様に与える影響
本対応方針の導入時点においては、本新株予約権の発行自体は行われませんので、株主の皆様の権利・利益に直接具体的な影響が生じることはございません。
2) 本新株予約権の発行時に株主の皆様に与える影響
本新株予約権が発行される場合においては、取締役会の当該発行決議において別途設定する割当期日における株主の皆様に対し、その保有する株式1株につき1個の割合で本新株予約権が無償にて割り当てられます。仮に、株主の皆様が、権利行使期間内に、所定の行使価額相当の金銭の払込その他本新株予約権の行使に係る手続を経なければ、他の株主の皆様による本新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化することになります。
また、本新株予約権の発行は割当期日の4営業日前(割当期日を含む)において取り消し不能となります。割当期日において本新株予約権を取り消し不能とする理由は、買付者等以外の株主の皆様に損害を与えることとなる市場における混乱及び株式の流動性がなくなることを避けるためです。本新株予約権を取り消し不能とすることで、個々の株式に対して発生する希釈化の量及び時期に関する疑いが全くなくなります。個々の株式は希釈されますが、一人ひとりの株主の方は、少なくともその希釈化を相殺するに十分な株式を受領することになります。それぞれの株主の方の株券等保有割合は、変化しないか又はわずかに増加いたします。
なお、社外取締役独立委員会は、新株予約権の発行を決定した後でも、上記3.3)(1)に記載のとおり、買付者等からの提案を判断する前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、本新株予約権の発行の中止を含む別個の判断を行うことができます。本新株予約権の発行の中止を判断した場合には、当社1株あたりの価値の希釈化は生じませんので、こうした希釈化が生じることを前提に売買を行った投資家の皆様は、株価の変動により相応の損害を受ける可能性があります。
3) 発行に伴って株主の皆様に必要となる手続
(1) 株主名簿への記録又は記載
当社取締役会において、本新株予約権を発行することを決議した場合には、当社は、本新株予約権の割当期日を公告いたします。割当期日における最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様に本新株予約権の引受権が付与されます。
(2) 本新株予約権の申込の手続
当社は、割当期日における最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様に対して、本新株予約権の引受権の付与通知及び本新株予約権の申込書を送付いたします。株主の皆様においては、本新株予約権の引受けについて、別途定める取締役会決議で決定された申込期間内に、申込書に必要な事項を記載し、捺印の上、申込取扱場所に提出することが必要となります。当該申込期間内に申込が行われない場合には、申込の権利を失い、本新株予約権を引き受けることができなくなります。
(3) 本新株予約権の行使の手続
当社は、申込期間内に本新株予約権の申込を行った株主の皆様に対し、本新株予約権の行使請求書(株主ご自身が特定大量保有者でないこと等の誓約文言を含む当社所定の書式によるものとします。)その他本新株予約権の権利行使に必要な書類を送付いたします。本新株予約権の発行後、株主の皆様においては、権利行使期間内に、これら当社所定の本新株予約権の行使請求書等を提出した上、本新株予約権1個当たり1円を払込取扱場所に払い込むことにより、1個の本新株予約権につき、1株又は発行決議において別途定められる数の当社普通株式が発行されることになります。
上記のほか、申込方法、名義書換方法及び払込方法等の詳細につきまして、本新株予約権発行決議が行われた後、株主の皆様に対し、公表又は通知致しますので当該内容をご確認ください。
本新株予約権の発行及び行使の手続は、原則として以上の通りですが、取締役会は、株主の皆様が新株予約権の引受け、行使をしないことによる不利益をさけるために、その時の法令等の許す範囲内で、別の発行及び行使の手続をとることがあります。この場合にも必要事項の詳細につきまして、株主の皆様に対し、公表又は通知致しますので当該内容をご確認ください。
8. 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本対応方針は、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める3原則(①株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)に沿うものです。また、本対応方針は、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方について」も踏まえております。
以 上
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(別紙1) 社外取締役独立委員会の概要 |
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1. 構成員 当社社外取締役全員で構成される。 2. 決議要件 社外取締役独立委員会の決議は、原則として、社外取締役独立委員会の全員が出席し、その過半数をもってこれを行うものとする。但し、社外取締役独立委員会の全員が出席できない場合には、社外取締役独立委員会の決議は社外取締役独立委員会の過半数が出席し、その過半数をもってこれを行うものとする。 3. 決議事項その他 社外取締役独立委員会は、原則として以下の各号に記載される事項について決定し、その決定の内容をその理由を付して当社取締役会に提案するものとする。但し、本新株予約権の不発行の決議及び社外取締役独立委員会検討期間の延長については、取締役会への提案はせず、社外取締役独立委員会の決定によるものとする。なお、社外取締役独立委員会の各委員は、こうした決定にあたっては、企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うことを要し、専ら自ら又は当社取締役、執行役の個人的利益を図ることを目的としては行わないものとする。 1) 本対応方針の対象となる買付等の決定 2) 買付者等及び代表執行役CEOが社外取締役独立委員会に提供すべき情報の決定 3) 買付者等の買付等の内容の精査・検討 4) 買付者等との交渉 5) 買付者等による買付等に対して代表執行役CEOが提出する代替案の検討及び当社株主への当該代替案の提示 6) 本新株予約権の発行もしくは不発行又は社外取締役独立委員会検討期間の延長に係る決定 7) 本対応方針の導入・維持・見直し・廃止 8) 本対応方針以外の対応策の検討・導入 9) その他本対応方針又は本新株予約権に関連し、当社取締役会が判断すべき事項 また、社外取締役独立委員会は、適切な判断を確保するために、上記判断に際して、必要かつ十分な情報収集に努めるものとし、当社の費用で、会社経営陣から独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができる。 |
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(別紙2) 本必要情報 |
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1. 買付者等及びそのグループ(その共同保有者、その特別関係者及び(ファンドの場合は)組合員その他の構成員を含みます。)の概要(具体的名称、資本関係、財務内容を含み、(買付者等が個人である場合は)年齢と国籍、当該買付者等の過去5年間の主たる職業(当該個人が経営、運営又は勤務していた会社又はその他の団体(以下「法人」といいます。)の名称、主要な事業、住所等。)、経営、運営又は勤務の始期及び終期、(買付者等が法人である場合は)当該法人及び重要な子会社等について、当該法人の主要な事業、設立国、過去3年間の資本及び長期借入の財務内容、当該法人又はその財産にかかる主な係争中の法的手続、これまでに行った事業の概要、取締役、執行役等の役員の氏名を含み、(すべての買付者等に関して)過去5年間に犯罪履歴があれば(交通違反や同様の軽微な犯罪を除きます。)、その犯罪名、科された刑罰(その他の処分)、それに関係する裁判所、及び過去5年間に金融商品取引法、商法に関する違反等があれば、当該違反等の内容、違反等に対する裁判所の命令、行政処分等の内容を含みます。) 2. 買付等の目的、方法及びその内容(買付等の対価の価額・種類、買付等の時期、関連する取引の仕組み、買付等の方法の適法性、買付等の実行の蓋然性を含みます。) 3. 買付等の価格の算定根拠(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定に用いた数値情報並びに買付等に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジーの額及びその算定根拠を含みます。) 4. 買付等の資金の裏付け(買付等の資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。) 5. 買付等の後の当社の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策(株式の売却、事業の売却、合併、分割、株式交換、株式移転、資産の売却、会社更生、清算、現在の資本・配当性向・配当政策・負債額・資本総額の変更、当社の現在の経営陣の変更、当社の会社構造・事業・経営方針・事業計画の変更、当社の証券の取得もしくは処分、上場廃止、当社の基本文書の変更、通例的でない取引を含みます。) 6. 買付等の後における当社の従業員、取引先、顧客、地域社会その他の当社に係る利害関係者に関する方針 7. 買付等に関連した必要な政府当局の承認、事業の承認、及び規制遵守対応、第三者から取得しなければならない同意、合意ならびに承認、独占禁止法、その他の競争法ならびにその他会社が事業活動を行っている又は製品を販売している国又は地域の重要な法律の適用可能性に関する状況 8. その他社外取締役独立委員会が合理的に必要と判断する情報 |
当社グループの連結業績を大幅に変動させる、あるいは投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは、次のとおりです。なお、これらのリスクは、有価証券報告書提出日現在において判断、予想したものです。
(1)製品の安全性および品質に関するリスク
使用する原材料、製造プロセス等、何らかの原因で製品の安全性および品質に懸念が発生した場合、患者様の健康や製品の安定供給へ影響を及ぼす可能性のほか、製品の回収、販売の停止など業績へ影響を及ぼす可能性があります。
(2)副作用発現のリスク
製品に重大な副作用が発現した場合、販売の停止、製品の回収等の措置により、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)訴訟に関するリスク
現在関与している訴訟または将来関与する訴訟の結果が、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)法規制に関するリスク
医薬品事業は、薬事規制や製造物責任等の様々な法規制に関連しており、法規制の制定や改定により業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。法規制に適合しなくなった場合、製品の回収や製品の許認可の取り消し、または保険償還からの除外、さらには賠償請求を受ける等の可能性があります。
(5)知的財産に関するリスク
特許の不成立や特許成立後の無効審判、または取得した特許を適切に保護できない場合、想定より早く他社の市場参入を招き、売上収益が減少する可能性があります。また、当社グループの事業活動が第三者の知的財産権に抵触した場合、当該第三者から損害賠償請求などの権利行使を受ける可能性があります。
(6)新薬開発の不確実性に関するリスク
当社グループは、次世代アルツハイマー病治療剤候補をはじめとして、多くの新薬開発を行っています。次世代アルツハイマー病治療剤候補においては、当社グループがBAN2401 およびelenbecestat について、フェーズⅢ試験を主導して実施しています。また、当社の提携相手であるバイオジェン社がアデュカヌマブについて、フェーズⅢ試験を主導して実施していました。
新薬の研究開発には長い期間と多額の投資を必要とします。医薬品候補化合物は、有効性や安全性の観点から開発を中止する可能性があります。例えば、2019年3月21日、バイオジェン社と当社は、アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度アルツハイマー病患者様を対象にアデュカヌマブの有効性、安全性を評価するフェーズⅢ国際共同試験を中止することを発表しました。
また、臨床試験で良い結果が得られた場合であっても、各国の厳格な承認審査の結果、承認が得られない可能性があります。さらに、新薬開発の遅延、中止などの理由で、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
(7)医療費抑制策に関するリスク
日本では医療費抑制策の一環として、医療用医薬品の薬価引き下げや、ジェネリック医薬品使用促進などの施策がとられています。欧米、アジアの国々においても、医薬品の薬剤費低減への取り組みが行われており、売上収益を減少させる要因となります。特に欧州では、承認が得られた製品であっても、期待された薬価による医療保険償還がなされない場合があり、当初の見込んでいた収益が得られない可能性があります。
(8)ジェネリック医薬品に関するリスク
先発医薬品の特許やデータ保護には期限があります。通常、先発医薬品の特許およびデータ保護が切れると同成分のジェネリック医薬品が発売されます。また、特許期間内であっても、米国のようにジェネリック医薬品の申請が可能な国もあります。ジェネリック医薬品の低価格での販売により、当該国内の市場シェアが低下する可能性があります。
米国における制吐剤「Aloxi」については、連邦控訴裁判所で製剤特許無効の判決が確定し、ジェネリック医薬品が上市されました。
(9)海外展開におけるリスク
当社グループは、グローバルに製品の生産・販売活動を展開しています。グローバルな事業活動を展開する上で、法的規制、政情不安や事業環境の不確実性などのリスクがあります。このようなリスクに直面した場合、当該国における収益が当初の見込みを達成できない可能性があります。
(10)他社とのパートナーシップに関するリスク
当社グループは、ビジネスの効率性・生産性を向上する上で、パートナーシップは有効な手段と考えており、最先端のサイエンスや技術の活用を目的としたパートナーシップや、各リージョンでのリソースの効率的活用と製品価値最大化を目的としたパートナーシップを活用しています。これらパートナーシップに変更等が生じた場合、新薬の創出や売上収益など、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(11)企業買収や製品買収等に関するリスク
当社グループは、事業展開の手段として、企業買収や製品買収等を実施することがあります。しかし、事業環境や競合状況の変化等により、当初の事業計画に支障が生じたり、見込んだ相乗効果が実現できない可能性があります。
(12)外部への業務委託に関するリスク
当社グループでは研究や製造などの一部を外部へ業務委託しています。何らかの原因で業務委託先が操業を停止したり、提供される研究結果や製造物等に問題が発生した場合、当社グループの操業や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13)ITセキュリティおよび情報管理に関するリスク
当社グループでは業務上、各種ITシステムを駆使しているため、システムの不備やコンピューターウィルス等の外部要因により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの情報を保有していますが、事故等によりその情報が社外に流出した場合、信用を大きく失うことで業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(14)財務報告に係る内部統制の整備等に関するリスク
当社グループは、金融商品取引法にもとづく財務報告に係る内部統制の評価および監査の基準ならびに実施基準に準拠し、財務報告に係る有効な内部統制システムを整備し、その適正な運用につとめています。しかし、内部統制が有効に機能せず、あるいは予期しない内部統制上の問題により、多大な損失が発生した場合には、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(15)金融市況および為替の動向に関するリスク
輸出入等の外貨建取引および海外の連結子会社業績の円換算において、外国為替変動が業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、市場性のある株式等を保有しているため、株式市況の低迷によってはこれらの株式等の売却損や評価損が生じ、さらに、金利動向によって退職給付債務の増加など業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(16)工場の閉鎖または操業停止のリスク
技術上の問題、使用原材料の供給停止、インフルエンザ等のパンデミック、火災、地震、その他の災害等により工場が閉鎖または操業停止となる可能性があります。この場合、製品の供給が妨げられ、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(17)環境に関するリスク
当社グループの事業所が環境汚染の原因となった場合、周辺地域や環境へ重大な影響を与えるとともに、事業所の閉鎖等の法的処置、環境改善および周辺地域への補償等により、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(18)災害等に関するリスク
地震、台風等の自然災害および火災等の事故災害等、各種災害の発生により、事業所・営業所等が大規模な被害を受け、当社グループの活動に影響を及ぼす可能性があります。また、災害により損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績の状況
当期(2018年4月1日~2019年3月31日)の連結業績は、次のとおりとなりました。
|
売上収益 |
6,428億34百万円 |
|
( 前期比 |
7.1%増 ) |
|
|
営業利益 |
861億54百万円 |
|
( 同 |
11.6%増 ) |
|
|
税引前当期利益 |
894億54百万円 |
|
( 同 |
16.5%増 ) |
|
|
当期利益 |
664億84百万円 |
|
( 同 |
22.2%増 ) |
|
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
633億86百万円 |
|
( 同 |
22.3%増 ) |
|
|
当期包括利益 |
794億89百万円 |
|
( 同 |
47.7%増 ) |
|
|
基本的1株当たり当期利益 |
221円34銭 |
|
( 同 |
22.2%増 ) |
|
○ 売上収益は、抗がん剤「レンビマ」が肝細胞がんに係る適応を取得したことなどに伴い大幅な拡大を果たしたほか、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」および抗てんかん剤「フィコンパ」(英名「Fycompa」)が伸長したことなどにより、日本における薬価改定や米国における制吐剤「Aloxi」の販売権返還の影響を吸収し、増収となりました。なお、「レンビマ」に関するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(以下、米メルク社)との戦略的提携による特定のオプション権に対する一時金、開発マイルストンペイメントおよび販売マイルストンペイメントとして、累計で655億41百万円を計上しました。
○ セグメント別売上収益は、グローバルブランド4品目を中心とした成長により、「Aloxi」の減収による影響を受けたアメリカス医薬品事業を除くすべてのセグメントにおいて増収となりました。特に中国、EMEAおよびアジア・ラテンアメリカ医薬品事業がそれぞれ二桁成長を果たしたことにより、医薬品事業セグメント合計でも増収を達成しました。なお、医薬品事業セグメントの売上収益には上記「レンビマ」の一時金等は含まれていません。
○ グローバルブランド4品合計の売上収益は、前期から40.6%増の1,287億52百万円となりました。4品目の内訳は、「レンビマ」が625億57百万円、抗がん剤「ハラヴェン」が412億89百万円、「フィコンパ」が192億73百万円、肥満症治療剤「Belviq」が56億33百万円でした。
○ 研究開発費は、「レンビマ」の単剤療法および米メルク社の抗PD-1抗体「キイトルーダ」との併用療法ならびにβサイト切断酵素阻害剤「E2609」(一般名:elenbecestat)をはじめとしたアルツハイマー病領域などへの積極的な資源投入を行った一方、パートナーシップモデルを活用して費用を抑えました。販売費及び一般管理費は、グローバルブランド育成・拡大に向けた販促活動を行ったほか、「レンビマ」に関する米メルク社との戦略的提携に基づく折半利益を費用として計上したことなどにより増加しました。
○ 以上の結果、営業利益は前期比11.6%増の大幅な増益となりました。
[セグメントの状況]
(各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです)
当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成する日本(医療用医薬品、ジェネリック医薬品、一般用医薬品等)、アメリカス(北米)、中国、EMEA(欧州、中東、アフリカ、オセアニア)、アジア・ラテンアメリカ(韓国、台湾、香港、インド、アセアン、中南米等)の5つの事業セグメントを報告セグメントとしています。
<日本医薬品事業>
○ 売上収益は3,010億76百万円(前期比1.7%増)、セグメント利益は1,047億41百万円(同0.3%増)となりました。売上収益の主な内訳は、医療用医薬品が2,515億61百万円(同2.0%増)、ジェネリック医薬品が251億56百万円(同9.6%減)、一般用医薬品等が243億25百万円(同12.3%増)でした。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、ファイザー社と共同販促を展開している疼痛治療剤「リリカ」の共同販促収入が283億31百万円(前期比6.8%増)、不眠症治療剤「ルネスタ」が112億11百万円(同10.1%増)、「フィコンパ」は29億53百万円(同72.1%増)と成長しました。アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は179億25百万円(同26.4%減)でした。オンコロジー領域では、「レンビマ」が99億52百万円(同233.0%増)と大幅な拡大を果たしており、「ハラヴェン」は94億26百万円(同1.7%増)でした。さらに、「ヒュミラ」も469億13百万円(同8.2%増)と成長しました。なお、2018年4月に日本における膵消化酵素補充剤「リパクレオン」の販売権を返還しています。
○ 2018年5月、「ヒュミラ」について、オート・インジェクター製剤「ヒュミラ皮下注ペン」を新発売しました。
○ 2018年6月、「ヒュミラ」について、新たな小児用製剤「ヒュミラ皮下注20mg シリンジ0.2mL」を新発売しました。
<アメリカス医薬品事業>
○ 売上収益は978億59百万円(前期比14.1%減)、セグメント利益は463億46百万円(同6.3%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa」が92億94百万円(前期比34.6%増)と大幅に拡大しました。抗てんかん剤「Banzel」は174億76百万円(同5.5%増)、「Belviq」は39億10百万円(同9.9%増)とそれぞれ伸長しています。オンコロジー領域では、「レンビマ」が375億18百万円(同71.1%増)と大幅な拡大を果たしており、「ハラヴェン」は164億46百万円(同4.6%増)と伸長しました。なお、「Aloxi」については、2018年6月に販売権を返還したことにより減収となりました。
<中国医薬品事業>
○ 売上収益は662億99百万円(前期比17.9%増)、セグメント利益は244億9百万円(同57.8%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、末梢性神経障害治療剤「メチコバール」が199億64百万円(前期比6.4%増)、肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー/グリチロン錠」が107億26百万円(同5.3%増)、「アリセプト」が93億46百万円(同24.4%増)と引き続き成長を示しました。2018年11月に新発売した「レンビマ」(肝細胞がんに係る適応)は、発売後5カ月間で31億17百万円となり、順調に販売を拡大しています。
<EMEA医薬品事業>
○ 売上収益は497億93百万円(前期比12.4%増)、セグメント利益は197億43百万円(同27.9%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa」が61億35百万円(前期比13.8%増)、抗てんかん剤「Zebinix」が57億64百万円(同17.9%増)とそれぞれ成長しました。抗てんかん剤「Zonegran」は40億93百万円(同6.9%減)となりました。オンコロジー領域では、「ハラヴェン」が126億75百万円(同4.6%増)、「レンビマ/Kisplyx」が79億77百万円(同37.0%増)とそれぞれ拡大しました。
<アジア・ラテンアメリカ医薬品事業>
○ 売上収益は487億17百万円(前期比14.3%増)、セグメント利益は152億96百万円(同23.1%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、「ヒュミラ」が129億86百万円(前期比12.3%増)、「アリセプト」が118億10百万円(同5.2%増)と伸長したほか、「レンビマ」が39億93百万円(同167.8%増)と大幅な成長を果たしました。
○ 2018年7月にインドネシアにおいて「レンビマ」を新発売しました。
(2)財政状態の状況
○ 資産合計は、フリー・キャッシュ・フローの増大により現金及び現金同等物が増加したことに加え、売上収益の増加に伴う営業債権及びその他の債権の増加、円安による米ドル建て資産の増加などにより、1兆715億20百万円(前期末より224億89百万円増)となりました。
○ 負債合計は、主に借入金の返済による減少により、4,195億38百万円(前期末より153億94百万円減)となりました。
○ 資本合計は、支払配当金を大幅に上回る当期利益を計上したことに加え、円安により為替換算差額が増加したことにより、6,519億81百万円(前期末より378億83百万円増)となりました。
○ 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は58.6%(前期末より2.0ポイント増)となり、財務の健全性はより一層高まりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
○ 営業活動によるキャッシュ・フローは、売上収益の増加に伴い税引前当期利益が増加した一方で、前期は米メルク社からの契約一時金および研究開発償還金を受領していた反動により、前期より459億35百万円減となる1,037億14百万円の収入となりました。
○ 投資活動によるキャッシュ・フローは、79億18百万円の支出(前期は170億40百万円の収入)となりました。積極的な投資により資本的支出等は前期より56億77百万円増の186億53百万円、3カ月超預金の預入・払戻による純収入は前期より193億11百万円減の107億70百万円でした。
○ 財務活動によるキャッシュ・フローは、791億80百万円の支出(前期より26億70百万円の支出減)となりました。配当金の支払いは429億57百万円、長期借入金の返済による支出は382億70百万円でした。
○ 以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期末より213億99百万円増の2,919億24百万円となりました。
○ 営業活動によるキャッシュ・フローから資本的支出等を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、850億61百万円となり、年間配当予定額を大幅に上回るキャッシュを創出しました。
(4)生産、受注および販売の実績
① 生産実績
(a) 生産実績
当期における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本医薬品事業 |
152,924 |
94.4 |
|
アメリカス医薬品事業(注3) |
161,838 |
127.1 |
|
中国医薬品事業(注4) |
21,197 |
28.3 |
|
EMEA医薬品事業 |
62,619 |
118.0 |
|
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業 |
40,227 |
112.7 |
|
報告セグメント計 |
438,804 |
96.9 |
|
その他事業 |
2,046 |
569.3 |
|
合計 |
440,851 |
97.3 |
(注1) 金額は販売見込価格により算出し、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) アメリカス医薬品事業において、生産実績が著しく増加しました。これは主に、抗がん剤「レンビマ」の販売の増加に伴うものです。
(注4) 中国医薬品事業において、生産実績が著しく減少しました。これは主に、新蘇州工場の稼働準備に伴う生産停止期間があったことによるものです。
(b) 商品仕入実績
当期における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本医薬品事業 |
74,236 |
99.4 |
|
アメリカス医薬品事業(注3) |
21 |
0.3 |
|
中国医薬品事業 |
1,348 |
83.4 |
|
EMEA医薬品事業 |
2,739 |
87.1 |
|
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業 |
10,032 |
112.6 |
|
報告セグメント計 |
88,376 |
93.5 |
|
その他事業 |
416 |
128.4 |
|
合計 |
88,793 |
93.7 |
(注1) 金額は仕入価格により算出し、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) アメリカス医薬品事業の商品仕入実績が著しく減少しました。これは主に、制吐剤「Aloxi」の販売権返還によるものです。
② 受注実績
当社グループは販売計画に基づいた生産を行っているため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本医薬品事業 |
301,076 |
101.7 |
|
アメリカス医薬品事業 |
97,859 |
85.9 |
|
中国医薬品事業 |
66,299 |
117.9 |
|
EMEA医薬品事業 |
49,793 |
112.4 |
|
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業 |
48,717 |
114.3 |
|
報告セグメント計 |
563,745 |
101.9 |
|
その他事業(注3) |
79,090 |
168.9 |
|
合計 |
642,834 |
107.1 |
(注1) セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
|
相手先 |
当期 |
前期 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
アルフレッサ ホールディングス㈱ |
65,944 |
10.3 |
68,599 |
11.4 |
|
㈱スズケン |
56,183 |
8.7 |
59,515 |
9.9 |
|
㈱メディパル ホールディングス |
52,998 |
8.2 |
54,210 |
9.0 |
(注3) その他事業において、販売実績が著しく増加しました。これは主に、米メルク社との抗がん剤「レンビマ」に関する戦略的提携のオプション権行使に伴う一時金およびマイルストンによるものです。
(注4) 上記金額には消費税等を含めていません。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
連結財務諸表作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針、 4. 重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況、 (2)財政状態の状況、(3)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
③ 資本の財源および資金の流動性に係る情報
資金の流動性について、現時点では概ね月商の3倍を適正な運転資金の水準と考えています。2018年度末における現金及び現金同等物残高は2,864億円であり、支出予定の資金を控除した後も十分な流動性を確保しています。さらに当座借越、コミットメントラインなどによる信用補完を行うことで、流動性を一層強化しています。
実質的なキャッシュ残高であるネットキャッシュは2,002億円と、実質無借金を維持しています。引き続き財務の健全性を重視し、「ネットキャッシュの維持」を主要な財務規律として重視するとともに、Net DERを±0.3レベルにコントロールすることで財務の健全性を維持します。
また、当社グループは、資金調達手段をペッキング・オーダーに従って優先順位付けしています。2019年度の資本的支出は580億円を計画しており、手元資金を充当する予定です。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な株主価値創造に向けた取り組みのもと、中期経営計画「EWAY 2025」では、中間点である2020年度の数値目標を以下の通り設定しています。2018年度にはROE10%レベルを2年前倒しで達成しました。2019年度は、グローバルブランド「レンビマ」、「ハラヴェン」、「フィコンパ」のさらなる成長に加え、米メルク社との戦略的提携に伴うマイルストンの受領等により、売上収益は2018年度から5.8%増の6,800億円をめざします。同時に、戦略的重点領域であるニューロロジー領域およびオンコロジー領域における研究開発プロジェクトおよび「レンビマ」、「フィコンパ」などに対する販促活動の積極的な投資を進める中で、営業利益は2018年度から19.6%増の1,030億円と、2020年度の数値目標に対し1年前倒しの達成をめざしてまいります。
|
|
2016年度実績 |
2017年度実績 |
2018年度実績 |
2019年度予想 |
2020年度目標 |
|
売上収益 |
5,391億円 |
6,001億円 |
6,428億円 |
6,800億円 |
8,000億円レベル |
|
営業利益 |
591億円 |
772億円 |
862億円 |
1,030億円 |
1,020億円レベル |
|
当期利益 |
422億円 |
544億円 |
665億円 |
725億円 |
740億円レベル |
|
ROE |
6.8% |
8.8% |
10.4% |
11.2% |
10%以上 |
|
DOE |
7.4% |
7.3% |
7.0% |
6.7% |
8%レベル |
|
親会社所有者 帰属持分比率 |
56.7% |
56.6% |
58.6% |
- |
50~60% |
|
Net DER |
△0.11 |
△0.27 |
△0.32 |
- |
△0.3~0.3 |
(6)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章および第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんを償却していますが、IFRSでは非償却とし、毎年一定の時期および減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が当期において10,146百万円(前期は10,143百万円)減少しています。
製品名は主要な販売国での販売名を記載しています。
(1)技術導入等
|
会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
|
当社 |
富士フイルム 富山化学㈱ |
1998年 9月30日 |
リウマチ治療剤「T-614」(製品名「ケアラム」、一般名:イグラチモド)の日本における共同開発・販売提携 |
契約締結日より2022年9月11日まで |
契約一時金他 |
|
AbbVie Deutschland (ドイツ) |
1999年 6月16日 |
ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」(一般名:アダリムマブ)の日本、台湾および韓国における開発および販売 |
契約締結日より販売承認後15年が経過する日まで |
契約一時金他 |
|
|
Eurand (イタリア) |
2003年 5月2日 |
「ニトロールR」(一般名:硝酸イソソルビド)の輸入およびその製剤の製造・販売 |
契約締結日より10年間 以後2年ごとの更新 |
── |
|
|
Novartis (スイス) |
2004年 2月6日 |
抗てんかん剤「イノベロン」(一般名:ルフィナミド)の全世界における開発および製造・販売に関するライセンス |
契約締結日より国ごとに特許満了日または販売開始後10年が経過する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
|
|
Sunovion (米国) |
2007年 7月26日 |
不眠症治療剤「ルネスタ」(一般名:エスゾピクロン)の日本における独占的な開発および販売に関するライセンス |
契約締結日より販売承認後15年が経過する日または薬価収載後15年が経過する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
|
|
BioArctic AB (スウェーデン) |
2007年 12月3日 |
抗Aβプロトフィブリル抗体「BAN2401」の全世界におけるアルツハイマー病を対象とした研究・開発、製造・販売に関する独占的ライセンス |
契約締結日より国ごとに販売開始後15年が経過する日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
|
|
シンバイオ製薬㈱ |
2008年 8月18日 |
抗がん剤「トレアキシン」(一般名:ベンダムスチン)の日本における共同開発および販売に係る独占的ライセンス |
契約締結日より販売開始後10年が経過する日まで |
契約一時金他 |
|
|
当社、 EAファーマ㈱ |
㈱ミノファーゲン製薬 |
2016年 2月29日 |
肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー」(グリチルリチン酸、配合剤)および「グリチロン錠」(グリチルリチン酸、配合錠)の日本およびユーロアジア地域の未発売国における独占的な開発・販売権ならびに中国を含むユーロアジア地域の既販売国における独占的な販売権の優先交渉権取得のライセンス |
契約締結日より2023年3月31日まで |
契約一時金他 |
|
会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
|
Eisai Inc. (米国) |
FORMA Therapeutics (米国) |
2010年 11月15日 |
FORMA Therapeutics社の化合物ライブラリーおよびスクリーニング・プラットフォームに関する研究提携と、その成果化合物に関するライセンス |
契約締結日より提携終了日またはロイヤルティ支払が終了する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
(注1) 2018年6月、当社の連結子会社であるEisai Inc.(米国)は、同月末日をもってHelsinn Healthcare, S.A.(スイス)との制吐剤「Aloxi」(一般名:パロノセトロン)の米国におけるライセンス契約を終結しました。
(2)技術導出等
|
会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
|
当社 |
Pfizer Inc. (米国) |
1994年 10月5日 |
アルツハイマー型認知症治療剤「E2020」(製品名「アリセプト」、一般名:ドネペジル)の包括的提携 |
契約締結日より2022年7月17日まで ただし、日本においては2012年12月31日に終了 |
契約一時金他一定料率のロイヤルティ |
(3)販売契約等
|
会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
当社 |
杏林製薬㈱ |
2003年 7月30日 |
片頭痛治療剤「マクサルト」(一般名:リザトリプタン)の日本における販売 |
契約締結日より2022年1月31日まで |
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Pfizer Inc. (米国) |
2009年 9月24日 |
疼痛治療剤「リリカ」(一般名:プレガバリン)の日本における共同販促 |
契約締結日より2022年7月17日まで |
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Eisai Europe Ltd. (英国) |
Bial-Portela & Ca, S.A. (ポルトガル) |
2009年 2月19日 |
抗てんかん剤「Zebinix」(一般名:エシリカルバゼピン)の欧州における販売ライセンスおよび共同販促 |
契約締結日より12年間 |
(4)合弁関係
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
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当社 |
Bracco Industria Chimica S.p.A. (イタリア) |
1990年 11月30日 |
「イオメロン」(一般名:イオメプロール)他造影剤の日本における製造・販売に関する合弁事業 |
契約締結日より2024年12月31日まで |
(5)戦略的提携等
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
Quintiles (米国) |
2009年 10月29日 |
6種の抗がん剤候補化合物の開発に関する戦略的提携 |
契約締結日よりすべての予定された臨床試験が完了または終了する日まで |
開発費の一部負担 |
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世界保健機関 (WHO) (スイス) |
2012年 1月30日 |
リンパ系フィラリア症制圧プログラムへの支援のため、DEC(一般名:ジエチルカルバマジン)22億錠のWHOへの無償提供 |
2013年またはWHOによるDECの事前審査が終了した日のいずれか遅い日から7年間 |
―― |
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
Biogen Inc. (米国) |
2014年 3月4日 |
1. 当社が開発しているBACE阻害剤「E2609」(一般名:elenbecestat)、抗Aβプロトフィブリル抗体「BAN2401」に関する共同開発・共同販促およびBiogen社が開発している抗Aβ抗体「BIIB037」(一般名:aducanumab)の共同開発・共同販促 2. Biogen社が開発している抗tau抗体の共同開発・共同販促に関するオプション権の取得 |
対象化合物ごとおよび国ごとに以下1)か2)のいずれか遅い日まで 1) 発売開始後12年 2) 特許満了日か後発品発売開始日の早い方 |
契約一時金他 |
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米メルク社 |
2018年 3月7日 |
抗がん剤「レンビマ」の単剤療法および抗PD-1抗体「キイトルーダ」との併用療法についての複数のがん種に対する共同開発・共同販促 |
契約締結日より2036年3月31日まで |
契約一時金他 |
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日医工㈱ |
2018年 3月28日 |
1. 領域エコシステムの構築に向けた協業 2. 医薬品原薬事業における提携 3. エルメッド エーザイ株式の段階的譲渡 |
1. 契約締結日より2023年9月30日まで 2. 契約締結日より2028年9月30日まで 3. 2019年4月1日に完了 |
1. - 2. - 3. 株式譲渡 対価 |
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Eisai Inc. (米国) |
Purdue Pharma L.P. (米国) |
2015年 8月28日 |
当社が創製したオレキシン受容体拮抗剤「E2006」(一般名:レンボレキサント)に関する共同開発・共同販促 |
(注1)参照 |
契約一時金他 |
(注1) 2019年4月、オレキシン受容体拮抗剤「E2006」(一般名:レンボレキサント)について、Eisai Inc.がPurdue Pharma L.P.が有する共同開発・共同販促権を獲得し、同社とのグローバルな共同開発・共同販促契約を終結しました。
当期における研究開発費は、
なお、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分していません。
[開発品の状況]
○ 抗がん剤「レンビマ」(一般名:レンバチニブ、欧州における腎細胞がんに係る製品名:「Kisplyx」)
・甲状腺がんに係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の55カ国以上で承認を取得しています。中国において、甲状腺がんを対象としたフェーズⅢ試験が進行中です。
・腎細胞がん(セカンドライン)を対象とした、エベロリムスとの併用療法に係る適応において、米国、欧州等の45カ国以上で承認を取得しています。
・肝細胞がん(ファーストライン)に係る適応において、45カ国以上で承認を取得しています。2018年3月に日本で、同年8月に米国、欧州、韓国で、同年9月に中国で承認を取得しました。
・腎細胞がん(ファーストライン)を対象とした、エベロリムスあるいは米メルク社の抗PD-1 抗体ペムブロリズマブとの2つの併用療法に関するフェーズⅢ試験が日本、米国、欧州において進行中です。
・ペムブロリズマブとの併用療法による進行性または転移性腎細胞がんの適応に対して、米国においてブレイクスルーセラピーの指定を受けています。
・子宮内膜がん(セカンドライン)を対象としたペムブロリズマブとの併用療法に関するフェーズⅢ試験を日本、米国、欧州等において開始し、進行中です。2018年7月、マイクロサテライト不安定性が低頻度または陰性、あるいはDNA ミスマッチ修復機能を有し、少なくとも1回の全身治療歴がある進行性または転移性の子宮内膜がんに係る適応に対して、米国においてブレイクスルーセラピーの指定を受けました。
・ペムブロリズマブとの併用療法について、肝細胞がん(ファーストライン)を対象としたフェーズⅢ試験を日本、米国、欧州、中国で、メラノーマ(セカンドライン)を対象としたフェーズⅡ試験を米国、欧州で、それぞれ開始し、進行中です。また、子宮内膜がん(ファーストライン)、メラノーマ(ファーストライン)、非扁平上皮非小細胞肺がん(ファーストライン)、PD-L1 陽性の非小細胞肺がん(ファーストライン)、ならびに膀胱がん(ファーストライン)を対象としたフェーズⅢ試験を米国、欧州等で開始しました。さらに、複数のがん腫(セカンドライン)を対象としたバスケット試験(フェーズⅡ試験)を米国、欧州で開始しました。
・胆道がんを対象としたフェーズⅡ試験が日本において進行中です。
・RET 転座を有する非小細胞肺がんを対象としたフェーズⅡ試験が日本、米国、欧州、アジアにおいて進行中です。
○ 抗がん剤「ハラヴェン」(一般名:エリブリン)
・乳がんに係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の65カ国以上で承認を取得しています。中国における乳がんに係る適応について、承認申請中です。
・脂肪肉腫(日本では悪性軟部腫瘍)に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の60カ国以上で承認を取得しています。
・トリプルネガティブ乳がんを対象としたペムブロリズマブとの併用療法に関するフェーズⅠ/Ⅱ試験が米国において進行中です。
・HER2 ネガティブ乳がんを対象とした、Halozyme Therapeutics Inc.(米国)が開発中のPEG 化遺伝子組換えヒト型ヒアルロン酸分解酵素PEGPH20 との併用療法に関するフェーズⅠ/Ⅱ試験が米国において進行中です。
○ 抗てんかん剤「フィコンパ」(一般名:ペランパネル、英名「Fycompa」)
・12歳以上の部分てんかん併用療法に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の55カ国以上で承認を取得しています。
・12歳以上の全般てんかんの強直間代発作に対する併用療法に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の50カ国以上で承認を取得しています。
・米国において、部分てんかんの単剤療法での使用に関する承認を取得しています。
・2018年9月、米国において、4歳以上の小児てんかん患者様の部分発作に対する単剤および併用療法に関する承認を取得しました。
・2018年10月、中国において、部分てんかんの併用療法に係る適応の新薬承認申請が受理され、2019年1月に優先審査の指定を受けました。
・2019年1月、日本において、部分てんかんの単剤療法および小児適応(4歳以上)、並びに細粒剤に係る追加申請を行いました。
・2019年2月、欧州において、小児てんかんに係る適応拡大の追加申請を行いました。
・レノックス・ガストー症候群を対象としたフェーズⅢ試験が日本、米国、欧州において進行中です。
○ 2019年2月、日本において、「ヒュミラ」について、化膿性汗腺炎に関する効能・効果の追加承認を取得しました。
○ 2018年10月、デュアルオレキシン受容体拮抗剤「E2006」(一般名:レンボレキサント)について、不眠障害を対象とした2つ目のフェーズⅢ試験において主要評価項目を達成し、2018年12月に米国において、2019年3月に日本において、不眠障害に係る適応でそれぞれ新薬承認申請を行いました。
○ 2018年6月、βサイト切断酵素阻害剤「E2609」(一般名:elenbecestat)のアルツハイマー病による軽度認知障害および軽度から中等度アルツハイマー病を対象としたフェーズⅡ試験の18カ月時点トップライン解析において、安全性と良好な忍容性が確認されるとともに、アミロイドPET による脳内アミロイド蓄積量の統計学的に有意な減少が示されました。また、臨床症状に対する有効性については、臨床症状評価スケールにおいて、臨床的に重要な変化と考えうる数値的な悪化抑制が観察されました。また、2019年3月、進行中のアルツハイマー病による軽度認知障害および軽度アルツハイマー病(総称して早期アルツハイマー病)を対象としたフェーズⅢ試験(MISSION AD)について、8回目の独立安全性データモニタリング委員会において、認知機能の悪化の有無を含めた安全性データがレビューされ、本試験の継続が推奨されました。
○ 2018年7月、抗アミロイドβプロトフィブリル抗体「BAN2401」の早期アルツハイマー病を対象としたフェーズⅡ試験の18カ月時点の最終解析において、臨床症状および脳内アミロイド蓄積量の両エンドポイントを統計学的な有意差をもって達成し、疾患修飾効果を確認しました。2019年3月、「BAN2401」の早期アルツハイマー病を対象としたフェーズⅢ試験を開始しました。
○ 2018年7月、肥満症治療剤「Belviq」(一般名:lorcaserin)の安全性評価を主要目的とする市販後臨床試験として実施した心血管疾患アウトカム試験において、主要心血管イベント(MACE: Major Adverse Cardiovascular Events、心血管死、心筋梗塞、脳卒中)の発生頻度がプラセボ投与群と比較して増加しないことが確認され、主要安全性評価目的を達成しました。MACE に「入院を要する不安定狭心症もしくは心不全、または冠血行再建術」を加えた主要有効性評価項目であるMACE+の発生頻度については、プラセボ投与群と比較して統計学的非劣性が確認されました。
○ 2018年9月、中心循環系血管内塞栓促進用補綴材「ディーシー ビーズ」(高度管理医療機器)について、使用目的又は効果の一部削除が承認され、使用目的又は効果が「多血性腫瘍(子宮筋腫を除く)を有する患者に対する動脈塞栓療法」となりました。
○ 2019年4月、日本でフェーズⅠ試験が進行中である線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR1、FGFR2、FGFR3)選択的チロシンキナーゼ阻害剤「E7090」について、FGFR2 融合遺伝子を有する切除不能な胆道がんに対する治療を対象に、厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象に指定されました。
○ 神経疾患治療剤「E2730」について、てんかんを対象としたフェーズⅡ試験を米国において開始し、進行中です。
○ 神経疾患治療剤「E2082」について、てんかんを対象としたフェーズⅡ試験を米国において開始し、進行中です。
○ 抗フラクタルカイン抗体「E6011」について、クローン病を対象としたフェーズⅡ試験を日本と欧州において開始し、進行中です。日本で実施していた関節リウマチを対象としたフェーズⅡ試験については、試験が完了し、得られた結果を踏まえて、次の開発ステップを検討中です。また、日本でフェーズⅡ試験段階にありました原発性胆汁性胆管炎を対象とした開発を中止しました。
○ 2019年3月、バイオジェン社と共同開発している抗アミロイドβ抗体アデュカヌマブ(一般名)のアルツハイマー病による軽度認知障害および軽度アルツハイマー病を対象としたグローバルフェーズⅢ試験(ENGAGE 試験、EMERGE 試験)について、独立データモニタリングコミッティにより行われた無益性解析の結果、主要評価項目が達成される可能性が低いと判断されたことに基づき、中止を決定しました。
○ 分岐鎖アミノ酸製剤「リーバクト」について、中国でフェーズⅢ試験段階にありました低アルブミン血症を対象とした開発を中止しました。