文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものです。
(1)企業理念
当社グループは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念としています。この理念のもとですべての役員および従業員が一丸となり、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足し、いかなる医療システム下においても存在意義のあるヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業となることをめざしています。当社グループの使命は、患者様満足の増大であり、その結果として売上や利益がもたらされ、この使命と結果の順序を重要と考えています。
当社グループは、このhhc理念の実現に向けて、主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主の皆様および社員との信頼関係の構築につとめるとともに、コンプライアンス(法令と倫理の遵守)を日々実践し、企業価値の向上に取り組んでいます。
本企業理念は、定款に定め、株主の皆様と共有化をはかっています。
(2)経営環境、経営方針・経営戦略、ならびに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等
製薬産業に対しては、革新的な新薬による疾病治療への貢献にとどまらず、予防・先制医療の実現による健康寿命の延伸に対しても、より一層大きな役割を果たすことが期待されています。一方、医療費抑制に向けた動きがグローバルで強まるなど、製薬企業を取り巻く環境が大きく変化しています。当社グループは、中期経営計画「EWAY 2025」の推進を通じて、社会的課題の解決をめざしています。
① 中期経営計画「EWAY 2025」
2016年度にスタートした「EWAY 2025」では、以下の3つの戦略意思の実現をめざしています。
(a) 「病気になりたくない、罹っていれば早く知りたい、そして治りたい」に応える
(b) 「住み慣れた場所、地域やコミュニティで自分の病気を管理し、予後や老後を安心して過ごしたい」に応える
(c) 「hhc(ヒューマン・ヘルスケア)ニーズにもとづく立地(機会)が見出せ、それを満たすイノベーションが可能な事業分野」に集中する
これらの戦略意思の根本は、当社グループの企業理念hhcです。患者様とともに時間を過ごし、患者様の真のニーズを理解することによって生まれる強い動機付けが当社グループのイノベーションの源泉となります。当社グループは、ニューロロジー(神経)領域およびオンコロジー(がん)領域を戦略的重点領域と位置づけ、戦略的パートナーシップを活用した新薬創出の加速とその価値最大化をはかるとともに、エコシステムプラットフォームの構築に取り組んでいます。
② 「EWAY 2025」の主な進捗と取り組み
(a) ニューロロジー領域
ニューロロジー領域において、当社グループはアルツハイマー病(AD)/認知症領域に最も注力しています。ADは、アミロイド(A)からタウタンパク質(T)、神経炎症(I)、神経変性/神経損傷(N)へと病理上の連続性(AT(I)N)をもって進行する疾患であり、当社グループはこれらのAT(I)Nを標的とした包括的な創薬を行っています。
アミロイド(A)に対しては、バイオジェン社との提携による早期ADを対象とした2つの疾患修飾剤の開発が進展しています。抗アミロイドβ抗体アデュカヌマブは、米国では早期の申請完了をめざす作業が進行するとともに、日本、欧州の規制当局と申請に向けた協議が継続して進行中です。また抗アミロイドβプロトフィブリル抗体「BAN2401」は、良好な大規模フェーズⅡ試験の結果に基づき、検証用の1本のフェーズⅢ試験(Clarity AD)が進行中であり、2022年度第2四半期でのトップライン結果取得をめざしています。
「BAN2401」については、米国の認知症の臨床試験に関するアカデミアのネットワークであるAlzheimer’s Clinical Trials Consortium(ACTC)と共同で実施予定のAD発症予防に関するフェーズⅢ試験(AHEAD 3-45試験)が開始準備中です。
また、疾患修飾剤の価値最大化に向けて、認知機能検査・診断法の確立をめざしています。ADにおける病勢ステージ診断については、脳脊髄液によるバイオマーカー診断のほか、血液での簡便なアミロイドβ測定技術として、シスメックス株式会社と共同開発を進めています。
タウタンパク質(T)に対するアプローチとしては、University College Londonとの共同研究から創出された抗タウ抗体「E2814」のフェーズⅠ試験が進行中です。また、認知症神経免疫療法にフォーカスした探索研究所として、2019年に米国マサチューセッツ州ケンブリッジにEisai Center for Genetics Guided Dementia Discovery(G2D2)を設立し、神経炎症に関わるミクログリアの制御を標的とした創薬研究を進めています。シナプス関連の再生・修飾プロジェクトとして、筑波研究所創製の「E2511」やカン研究所による「EphA4プロジェクト」について、臨床試験導入に向けた研究が進展しています。さらに、レビー小体型認知症に対しても自社創製のPDE9阻害剤「E2027」についてフェーズⅡ/Ⅲ試験が進行中です。
(b) オンコロジー領域
オンコロジー領域では、米メルク社とグローバルな共同開発・共同販促を行っている自社創製の抗がん剤「レンビマ」の価値最大化に向けた取り組みが順調に進展しています。単剤療法では、「レンビマ」の臨床試験における肝細胞がんに対する高い奏効率が実臨床においても確認されており、肝細胞がんの治療変革に貢献しています。米メルク社の抗PD-1抗体「キイトルーダ」との併用療法に関する試験(LEAP試験)では、2019年9月に併用療法として初めての適応となる子宮内膜がんに対する承認を取得したほか、米国FDAからブレイクスルーセラピーの指定を受けている肝細胞がん(ファーストライン)、腎細胞がん(ファーストライン)、子宮内膜がんをはじめとする7がん腫13適応を対象とした試験や、胃がんを含むバスケット試験が順調に進行しています。「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用によりバックボーンセラピーの確立をめざします。
「前がん状態」、「超早期がん」、「早期がん」、「進行がん」など、それぞれのがんステージにおいて、がん化や増殖、浸潤、再発、転移、治療抵抗性などを引き起こすがんの遺伝子変化をリキッドバイオプシーで把握し、創薬のターゲットとする活動を開始しました。米国研究子会社H3 Biomedicine, Inc.が保有するスプライシングプラットフォームを活用したがん免疫療法の効果を高める新規治療法の共同研究をブリストル・マイヤーズ スクイブ社と進めています。また、WNT/β-カテニンシグナル経路の遺伝子変化に対するモジュレーター「E7386」について、フェーズI試験が進行中です。乳がんにおいては、野生型および変異型のエストロゲン受容体(ER)αに共有結合することで、その下流シグナルを阻害し、乳がん細胞の増殖を抑制する「H3B-6545」について、フェーズⅡ試験が進行中です。
(c) 認知症エコシステム プラットフォームの構築
当社グループは、企業理念に基づき、認知症の当事者様やご家族と共に時間を過ごすことで得た「共感」を通じて、以下の3つの「憂慮」を把握しました。
1) 私の症状はいつ出現するのか
2) それを防ぐには何をすればよいか
3) 家族の重荷になりたくない
近年、様々な研究において、定期的な運動、バランスの良い食事など生活習慣を見直すことにより、脳の健康度低下のリスクを減らすことができる可能性が示されていますが、当社の調査によれば、正しい予防行動を理解し、習慣化している方、認知機能をチェックしている方は少なく、予防行動の実践と習慣化に向けて大きな溝(キャズム)が存在しています。これを解消するため、双方向コミュニケーションにもとづく認知症プラットフォームである「easiit」の構築を進めています。開発中の疾患修飾剤に関するバイオマーカーを含むデータセットをベースに、日本で新発売した脳の健康度をセルフチェックするデジタルツール「のうKNOW」(非医療機器)と連携した認知機能データや睡眠、食事、運動といった利用者データを「easiit」に取り込み、適切な予知や予防に関する情報をお届けしていきます。認知症プラットフォームを基盤とし、製薬、行政、医療、介護、診断薬、IT、保険会社などをパートナーとする「認知症エコシステム」を構築することで、疾患修飾剤の価値最大化による医療イノベーションのみならず、社会を変えるイノベーションの実現をめざします。
(d) 目標とする経営指標
中期経営計画「EWAY 2025」でめざす3つの戦略意思を実現するとともに、戦略投資と安定配当を担保する財務規律の実現により持続的な企業価値向上をめざすため、「EWAY 2025」の中間点である2020年度の数値目標・ガイダンスを以下の通り設定しています。
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2020年度目標・ガイダンス |
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売上収益 |
8,000億円レベル |
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営業利益 |
1,020億円レベル |
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当期利益 |
740億円レベル |
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ROE*1 |
10%以上 |
*1 ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)
= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷親会社の所有者に帰属する持分
③ 医薬品アクセス改善に向けた取り組み
当社グループは、グローバルな医薬品アクセスの課題解決への取り組みを、我々の責務であるとともに、将来への長期的な投資であると考え、政府や国際機関、非営利民間団体等との官民パートナーシップのもと、積極的に推進しています。
当社グループは、開発途上国および新興国に蔓延する顧みられない熱帯病の一つであるリンパ系フィラリア症を制圧するため、その治療薬である「DEC(ジエチルカルバマジン)錠」を当社グループのインド・バイザッグ工場で製造し、本剤を必要とするすべての蔓延国において制圧が達成されるまで、WHO(世界保健機関)に「プライス・ゼロ(無償)」で提供しています。2020年3月末までに28カ国に19.9億錠を供給しました。さらに、マイセトーマ(菌腫)をはじめとする顧みられない熱帯病、結核、マラリアに対する新薬開発を推進するほか、認知症、がんといった非感染性疾患に対する疾患啓発・早期発見支援や患者様が購入しやすい価格設定(アフォーダブルプライシング)や所得別段階的価格設定(ティアードプライシング)による製品提供など、各国で様々な医薬品アクセス改善に向けた活動に取り組んでいます。
④ 新型コロナウイルス感染症の影響
上記の経営方針・経営戦略等について、有価証券報告書提出日現在では新型コロナウイルス感染症による見直しはありませんが、デジタルトランスフォーメーションを加速させるなどの対応により、このような環境下においても中期経営計画「EWAY 2025」を着実に進めていきます。なお、新型コロナウイルス感染症が経営環境・事業活動等に与える影響については、「2 事業等のリスク(2)事業戦略 デジタルトランスフォーメーション、(4)その他 新型コロナウイルス感染症」に、将来業績や会計上の見積りに与える影響については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計方針及び見積り」にそれぞれ記載しています。
(3)資本政策の基本的な方針
当社の資本政策は、財務の健全性を担保した上で、株主価値向上に資する「中長期的なROE経営」、「持続的・安定的な株主還元」、「成長のための投資採択基準」を軸に展開しています。
① 中長期的なROE経営
当社グループは、ROEを持続的な株主価値の創造に関わる重要な指標と捉えています。「中長期的なROE経営」では、売上収益利益率(マージン)、財務レバレッジ、総資産回転率(ターンオーバー)を常に改善し、中長期的に正のエクイティ・スプレッド*1を創出すべく、資本コストを上回るROEをめざしていきます。
*1 エクイティ・スプレッド=ROE-株主資本コスト
② 持続的・安定的な株主還元
当社グループは、健全なバランスシートのもと、連結業績、DOE*2およびフリー・キャッシュ・フローを総合的に勘案し、シグナリング効果も考慮して、株主の皆様への還元を継続的・安定的に実施します。DOEは、連結純資産に対する配当の比率を示すことから、バランスシート・マネジメント、ひいては資本政策を反映する指標の一つとして位置づけています。自己株式の取得については、市場環境、資本効率等に鑑み適宜実施する可能性があります。なお、健全なバランスシートの尺度として、親会社所有者帰属持分比率、負債比率(Net DER)*3を指標に採用しています。
*2 DOE(親会社所有者帰属持分配当率)= 配当金総額÷親会社の所有者に帰属する持分
*3 負債比率(Net DER)= (有利子負債(借入金)-現金及び現金同等物-3カ月超預金等
-親会社保有投資有価証券)÷親会社の所有者に帰属する持分
③ 成長のための投資採択基準
当社グループは、成長投資による価値創造を担保するために、戦略投資に対する投資採択基準を採用し、リスク調整後ハードルレートを用いた正味現在価値と内部収益率スプレッドにハードルを設定し、投資を厳選しています。
④ 「EWAY 2025」における財務目標・ガイダンス
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2020年度目標・ガイダンス |
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ROE |
10%以上 |
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DOE |
8%レベル |
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親会社所有者帰属持分比率 |
50%~60% |
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Net DER |
△0.3~0.3 |
(4)ESGをはじめとする非財務価値向上と情報開示
企業の価値は、財務価値に、ESG(環境、社会、ガバナンス)をはじめとする非財務価値を加味したものと考えています。当社グループは、hhc理念を根幹として事業を展開する中、地球環境の負荷低減(環境)、医薬品アクセス向上、人権の尊重、社員の人材育成(社会)、経営の公平性と透明性の確保(ガバナンス)等、ESGへの取り組みを強化してきました。また、これらの取り組みは、国連サミットで採択された国際的な目標であるSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)と一貫したものと位置づけています。
環境については、2030年度に向けた科学的根拠にもとづく温室効果ガス削減目標を設定し、Science Based Targets(SBT)イニシアチブから承認を取得しました。また、再生可能エネルギーの導入率を計画的に高めるなど、当社グループ全体で、低炭素社会の形成に向け積極的に取り組んでおり、CDPによる気候変動レポート2019において最高評価のAリストに選定されました。さらに、気候変動が企業に与える影響についてリスクと機会を分析し情報開示を求める国際的なフレームワークTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosure)に賛同を表明し、気候戦略の強靭性を高めるべく検討を重ねています。
人権については、ガイドラインとして国際的に認知されている国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った人権方針の作成、デューデリジェンスの仕組み構築など、さらなる非財務価値の向上に取り組んでいます。なお、当社グループのESGをはじめとする非財務価値に関する情報は、IIRC(国際統合報告評議会)のフレームワークに基づき、統合報告書や環境報告などで開示しています。
(https://www.eisai.co.jp/ir/library/annual/index.html)
当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。当社のコーポレートガバナンスに関する取り組みについては、「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しているほか、「コーポレートガバナンス報告書」をはじめとして、当社のホームページに掲載しています。
(https://www.eisai.co.jp/company/governance/index.html)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクや不確実性は、次のとおりです。ただし、これらは当社グループにかかるすべてのリスクや不確実性を網羅したものではなく、現時点において予見できない、あるいは重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があります。
当社グループを取り巻くリスクや不確実性に関して、当社グループでは執行役会などの意思決定機関において定期的に議論し、これらのリスクや不確実性を機会として活かす、あるいは低減するための対応を検討しています。その検討結果は取締役会へ報告・議論されており、以下に記載したリスクや不確実性には執行側だけでなく取締役会における議論も反映しています。
なお、これらは有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、文中の将来に関する事項はその発生あるいは達成を保証するものではありません。
(1)企業理念
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企業理念に もとづく経営 |
当社は、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念として、定款にも規定しステークホルダーズと共有しており、これらを「Purpose」として捉えています。その実現の結果として得られる患者様とそのご家族のベネフィット向上が、長期的に当社グループの業績および企業価値の向上につながると考えています。中期経営計画「EWAY 2025」の戦略意志も企業理念であるhhcに依拠したものであり、患者様の真のニーズを理解することによって生まれる強い動機付けが当社グループのイノベーションの源泉となっています。また、患者様価値を創出するための新薬の研究・開発の更なる推進、高品質な製品の生産・販売、医薬品の安全な使用を実現するための情報の管理・提供等を統制のもとで推進する重要性を「Integrity」としてとらえています。リンパ系フィラリア症の治療薬の無償提供をはじめとする医薬品アクセス向上や、認知症と共生する「まちづくり」への取り組みなど、ESGへの取り組みもこの理念を根幹として展開しています。 従って、企業理念の当社グループへの浸透の不徹底と理念実現に向けた経営の実践の停滞など、患者様とそのご家族がベネフィット向上を十分に得るうえでの阻害要因が生じた場合には、当社グループの業績のみならず非財務価値を含めた企業価値向上に重要な影響を及ぼす可能性があります。 |
(2)事業戦略
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ADフランチャイズの構築 |
当社グループは、中期経営計画「EWAY 2025」において、次世代アルツハイマー病(AD)治療剤の価値最大化を最重要戦略の一つと定めています。しかしながら、治療対象となる患者様を鑑みると、従来の販売およびプロモーション戦略では、あまねく患者様に次世代AD治療剤をお届けできない可能性があります。すなわち、新たに疾患を認識してから診断、治療、その後の生活に至るまでに患者様がたどる道のり(ペイシェント・ジャーニー)に則った疾患啓発と浸透、認知機能検査・PET(陽電子放射断層診断)・CSF(脳脊髄液)等による診断法の確立、安全性確保のためのフォローアップ体制の整備や、社会一般における認知機能を計測する文化の醸成等を踏まえたエコシステムの整備(ADフランチャイズの構築)が実現されない場合、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。 |
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レンビマの 価値最大化 |
当社グループと米メルク社は、抗がん剤「レンビマ」と抗PD-1抗体「キイトルーダ」の併用療法に関して7種類のがんの13適応を対象とした試験を実施または計画しており、このうち、肝細胞がん(ファーストライン)、腎細胞がん(ファーストライン)、子宮内膜がんについては米国食品医薬品局(FDA)からのブレイクスルーセラピー指定を受領しています。しかしながら、競合品の予期せぬ試験結果や承認タイミングによってポジショニングが変化し、当初想定した時期に「レンビマ」が追加の適応症に関する承認を取得できないことで製品の競争力が減弱し、「レンビマ」の売上計画を達成できない可能性があります。「レンビマ」のパートナーシップモデルによって得られる収益にはオプション権に対する一時金、開発マイルストン、販売マイルストンなどが設定されており、販売目標や承認が未達成となることで実現されない場合、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。 |
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パートナーシップモデル |
当社グループは、ビジネスの効率性・生産性を向上させる上で、パートナーシップは有効な手段と考えており、最先端のサイエンスやテクノロジーの活用による新薬開発の加速を目的としたパートナーシップや、各リージョンでのリソースの効率的活用と事業価値最大化を目的としたパートナーシップを活用しています。 パートナーシップを活用した医薬品研究開発、生産、販売活動において、パートナーとの意見の相違が生じた場合には、上記活動に遅延や非効率が生じるほか、予測外のパートナー費用負担が発生することで計画された利益が想定外に減少するなど、事業価値最大化に支障をきたす可能性があります。また、契約の解釈の相違などが生じた場合には、パートナーとの間で訴訟や仲裁に発展し、最終的にはパートナーシップの解消をもたらす可能性もあります。この場合、将来に期待されていた新薬の創出や売上収益が実現できないなど、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 |
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デジタルトランスフォーメーション |
当社グループは、中期経営計画「EWAY 2025」において、バリューチェーンモデルからエコシステム プラットフォームモデルへの転換を図り、Medico Societal Innovatorとなることを大きなテーマとして掲げています。第4次産業革命が着実に進行する中、AIの活用により創薬から患者様に薬をお届けするまでの全局面におけるパラダイムシフトの実現を企図し、デジタルトランスフォーメーションを実現させることが重要課題です。当社ではチーフデジタルオフィサーを設置し、全社デジタル戦略を加速します。 今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらした経営環境の変化を見据えれば、デジタルトランスフォーメーションの必要性は明白であり、その実現に向けた取り組みの停滞や、実現するうえでの阻害要因が生じた場合には、当社グループの業績のみならず非財務価値を含めた企業価値向上に重要な影響を及ぼす可能性があります。 |
(3)医薬品の研究開発、生産および販売活動
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新薬開発 |
当社グループは、次世代AD治療剤候補をはじめとして、多くの新薬開発を行っています。次世代AD治療剤候補においては、当社グループが「BAN2401」についてフェーズⅢ試験を主導して実施しています。また、当社グループの提携相手であるバイオジェン社が「アデュカヌマブ」について、フェーズⅢ試験を主導して実施してきました。 新薬の研究開発には長い期間と多額の投資を必要とします。医薬品候補化合物は、有効性や安全性の観点から開発を中止する可能性があります。例えば、2019年9月13日、バイオジェン社と当社は、早期ADを対象にした「エレンベセスタット」の有効性、安全性を検証するフェーズⅢ試験を中止することを発表しました。 また、臨床試験で期待された結果が得られた場合であっても、各国の厳格な承認審査の結果、承認が得られない可能性があります。現在、バイオジェン社が「アデュカヌマブ」について、米国ではBLA(生物製剤ライセンス)申請における各モジュールの申請を既に開始しています。さらに、新薬開発の遅延、中止などの理由で、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。 |
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副作用 |
医薬品は承認・販売された場合でも、その後のデータ・事象により、医薬品としてのベネフィットとリスクのプロファイルが承認時とは異なってくる場合がありえます。重大な副作用の発現・集積により、製品の添付文書の変更、販売停止、回収等の措置を実施する場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、製品に関するすべての有害事象や安全性に関する情報を科学的に評価し、規制当局へ報告する体制としてすべての地域の安全管理責任者等で編成するセーフティ・エグゼクティブ・コミッティ、および製品毎の安全性医学評価責任者等で編成するグローバル・セーフティ・ボードを設置しています。これらの体制を中心として、製品のグローバルな安全性監視体制を確立し、製品の適正使用の徹底に努めています。 |
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製品品質および安定供給 |
医薬品は、患者様へ高品質な製品を確実にお届けする必要がありますが、使用する原材料、製造プロセス等、何らかの原因により製品品質に懸念が生じた場合や、使用原材料の供給停止や製造工程における技術上の問題、あるいは重大な災害等により工場の操業停止などサプライチェーンに断絶が生じた場合には、患者様の健康に支障をきたす可能性があるほか、製品の回収、販売停止などにより業績へ影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、安心してご使用いただける高品質な医薬品の供給を可能とする品質保証活動を展開しており、グローバル基準のGMP(製造管理および品質管理に関する基準)に準拠した製造および品質管理を行っています。製造委託先についても、定期的なGMP監査に加え技術者を派遣して製造現場を確認するなどの活動を実施しています。さらに、流通段階での品質確保にも取り組んでいます。また、当社グループは、世界の主要地域に自社工場を保有し、各工場からタイムリーな製品供給を行える体制を整えています。加えて、事業継続計画(BCP)を定めており、重大な災害等が発生した場合においても安定供給を確保する体制の整備に取り組んでいます。 |
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知的財産 |
通常、先発医薬品の特許期間およびデータ保護期間が切れると同一成分のジェネリック医薬品の販売が可能となります。しかし、特許の不成立や特許成立後の無効審判の結果等により取得した特許権を適切に保護できない場合、想定より早くジェネリック医薬品やバイオシミラー品の市場参入を招き、売上収益が減少する可能性があります。例えば、ファイザー社と共同販促を展開している疼痛治療剤「リリカ」は、2022年に特許満了を迎える日本の用法特許に対して無効審判が請求されています。 また、特許期間内であっても、米国のようにジェネリック医薬品やバイオシミラー品の申請が可能な国もあり、そのような国では、ジェネリック医薬品やバイオシミラー品の申請を行った企業との間で特許侵害訴訟が起こる可能性があります。それら特許訴訟の結果によっては、ジェネリック医薬品やバイオシミラー品が当該特許期間満了より早期に参入し、当該国内の市場シェアが大幅かつ急速に低下する可能性があります。例えば2018年には、米国における制吐剤「Aloxi」について、連邦控訴裁判所で製剤特許無効の判決が確定し、ジェネリック医薬品が上市されました。また、当社グループの医薬品を保護する物質特許が無効と判断された場合、当該国内における当該医薬品の市場価値が失われ、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 一方、当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害することのないように常に注意を払っていますが、万が一当社グループの事業活動が第三者の知的財産権を侵害した場合、第三者から当該事業活動を中止することを求められたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。 |
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訴訟 |
当社グループは、その事業運営に関し、製造物責任その他の人身被害等の製品に関する事項、消費者保護、商業規制、証券法、データ保護、契約違反、法令違反、環境規制など様々な事由に関連して、政府を含む第三者の提訴や調査等に起因する訴訟、仲裁その他の法令上や行政上の手続きに関与し、または関与する可能性があります。訴訟等の法的手続きは、その性質上、不確実性を伴います。当社グループはこれらの手続きに適切に対応し、正当な主張を行って参りますが、将来的に当社グループに賠償金支払いを命じる判決や、和解による支払いなどが生じる可能性があり、この結果、当社グループの経営状況、業績、社会的評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。 例えば、プロトンポンプ阻害剤「パリエット」(米国名「Aciphex」)について、当社は、他のプロトンポンプ阻害剤に係る他の製造業者とともに、人身被害を受けたとする訴訟を提起されています。米国連邦裁判所に提訴された訴訟は、ニュージャージー州の地方裁判所における広域係属訴訟として併合されています。ある訴訟は、様々な種類のプロトンポンプ阻害剤を用いた治療に伴い様々な被害の診断を受けたとする複数の原告から複数の製薬企業に対して米国の連邦裁判所および州裁判所へ提起されている他の訴訟と併合される可能性があり、また、ある訴訟は終了したり訴えが却下されたりし、さらに別の訴訟が提起される可能性があるため、係属中の訴訟の数は大きく変動する可能性があります。「パリエット/Aciphex」に係る訴訟に関して生じうる負債を算定することはできないのが現状です。 |
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データの信頼性 |
製薬企業にとって、研究データや生産データ等のインテグリティ(完全性、一貫性、正確性)の確保は、製品の安全性や信頼性の根拠となるため極めて重要であり、これら重要データのインテグリティが確保できないことにより、新薬開発の遅延・中止や、製品の回収、販売の停止など業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、データインテグリティ推進委員会やデータインテグリティ推進室を設置し、データの記録・検証・承認・保管のシステム化、適切な内部統制体制の確立と運用等により、特に、製品品質を裏付けるデータおよび臨床試験データのインテグリティの強化を図るとともに、国内外の重要データに携わる社員を対象とした研修を継続して実施しています。 |
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医療費抑制策 |
各国政府は、増大する医療費を抑えるため、さまざまな薬剤費抑制策を導入・検討しています。例えば、日本では医療用医薬品の薬価引き下げや、後発医薬品の使用促進などの施策がとられており、中国においても、価格談判制度による大幅な価格引き下げや集中購買制度による後発医薬品使用促進が行われています。欧州では、新薬承認が得られた製品であっても、期待した価格による保険償還がなされない場合があります。これらの施策の推進ならびに新たな施策の導入により、当初の見込んでいた売上収益が得られない可能性があります。 当社グループでは、各国の制度や政策動向を把握しつつ、有効性や安全性に加え、介護の軽減や対象疾患の重篤度など、新薬のもつ価値の立証を目指して検討を進めています。そして、それらが適切に価格に反映されるよう、製薬業界全体で行政等への働きかけを行っています。 |
(4)その他
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サクセッション |
当社グループは、30年超の長期にわたり、現代表執行役CEOが強いリーダーシップを発揮してグローバルに事業を展開し成長を遂げてきました。 今後、代表執行役CEO自らが計画的に将来の代表執行役CEOの育成を図ることに加え突発的事態に対しても万全な備えを行うこと、および取締役会が代表執行役CEOの選定における客観性や公正性を確保することが重要ですが、これらができない場合、当社グループの企業理念の実現や経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 このため、当社取締役会は代表執行役CEOの選定を取締役会の最も枢要な意思決定事項のひとつと位置づけるとともに、サクセッションプランに関するルール、手続きを定めて、将来の代表執行役CEOの育成等においても独立社外取締役がそのプロセスに関与してその監督機能を発揮しています。具体的には年に2回、社外取締役ミーティングにおいて代表執行役CEOから提案されるサクセッションプランを全取締役と情報共有するとともにその検討を行っています。 上記の代表執行役CEOのサクセッションへの取り組みに加え、執行役を含む全社的重要ポジションにおける計画的なリーダーシップの継承を企図して、後継候補者の選定と育成、リテンション施策などの進捗状況を確認するサクセッションプランニングを年に1回実施しています。 |
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情報セキュリティ |
当社グループにおけるデジタルプラットフォーム戦略、5D(Data Driven Drug Discovery & Development)戦略、エーザイデータレイク構想等の新たな事業展開に伴い、AIやビッグデータ、クラウドの活用など、ITインフラ活用の機会が高まっています。このようにサイバー空間を活用したビジネスが進展する一方、当社グループへのサイバー攻撃が高度化・巧妙化しており、セキュリティ上の脅威は深刻化し、営業停止等による事業活動への影響が生じる可能性が高まっています。その結果、以前にも増して情報セキュリティ体制の強化が必要となっています。 また、当社グループは、個人情報や未公開情報を含めた多くの重要情報を保有していますが、そのような重要情報が社外に流出した場合、信頼や競争優位性を大きく失うこととなります。特に、近年は個人情報保護に関するグローバルな要請に的確に対応することが求められてきています。また、創薬段階の未公開構造式などの流出は特許の申請・取得に対して影響を及ぼします。当社グループの信頼あるいは競争優位性の低下が生じた場合には、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 サイバー攻撃等による重要業務の中断や個人情報・秘密情報等の漏えいを防止するため、新たに設置したCISO(Chief Information Security Officer)がセキュリティ体制の強化を主導し、情報管理に関する規程等を整備して役員・従業員へ日常業務における情報管理の重要性を周知徹底するなどの対応により、グローバルな情報セキュリティに関する継続的なガバナンス強化と施策の実行に取り組んでいます。 |
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新型コロナ ウイルス感染症 |
2020年初頭より拡大し、数カ月で世界的流行となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、当社グループの事業活動にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。例えば、研究開発活動においては臨床試験での治験参加者の登録や試験の進行が遅延する可能性、生産活動においては仕入先を含めた工場の操業停止などサプライチェーンに影響が生じて製品の安定供給に支障をきたす可能性、販売活動においてはMRが医療従事者に適時適切な情報収集・提供ができなくなる可能性などがあります。 当社ではCOVID-19に関する危機対策本部を立ち上げ、各国の子会社と連携しながら正確な情報を収集し、従業員の安全確保に努めるとともに、ICT技術等の活用を積極的に推進して事業活動に対する影響を最小限に留めるための取り組みを行っています。また、当社グループの各工場においては、日頃より製品の安定供給を図るために必要な在庫量を確保しており、あらかじめ定められた事業継続計画(BCP)にもとづく体制整備・運用を実施しています。 |
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気候変動 |
気候変動は、企業活動に影響を与える重要な課題であると認識しています。 気候変動により大規模な台風、大雨、洪水等の自然災害が増加した場合、当社グループの製造拠点を含む国内外事業所の操業への障害や原料等の調達の遅延、および輸送に関する障害等が起こり、製品の安定供給に悪影響を及ぼす可能性があります(物理的リスク)。また、低炭素社会への移行のための炭素税の導入や環境規制の強化は、当社グループの国内外事業所および調達先におけるコスト増の可能性があります(移行リスク)。 当社グループは、2019年6月に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明し、組織横断型のプロジェクトを立ち上げTCFDのフレームワークを活用した気候変動による長期的な影響についてのシナリオ分析を実施中です。 |
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のれんや 無形資産の減損 |
当社グループは、企業買収や製品・開発品の導入を通じて獲得したのれんおよび無形資産を計上しています。これらの資産については、計画と実績の乖離や市場の変化等により回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には減損処理をする必要があり、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 例えば、当社グループにおけるのれん(2019年度末残高:1,687億円)の多くはアメリカス医薬品事業に配分しています。その公正価値は、経営者により承認された事業計画を基礎としたアメリカス医薬品事業の将来キャッシュ・フロー、割引率および成長率等の仮定を用いて算定しており、それらの仮定は、将来における新薬の承認取得・適応追加の有無および時期、上市後の薬価および販売数量、競合品の状況や金利の変化等の影響を受けます。 |
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)事業の概況
○ 当社グループは中期経営計画「EWAY 2025」(2016年度~2025年度)において、「Medico Societal Innovator(薬とソリューションで社会を変える企業)」を目指し、戦略的パートナーシップによる神経領域とがん領域に集中したイノベーション創出の取り組みを進めています。
○ 神経領域では、Biogen Inc.(米国、以下バイオジェン社)と共同で早期アルツハイマー病を対象に開発している抗アミロイドβ抗体アデュカヌマブ(一般名)について、米国ではBLA(生物製剤ライセンス)申請における各モジュールの申請を既に開始し、2020年度第2四半期の申請完了を予定しています。日本、欧州においては規制当局と申請に向けた協議を進めています。同じくバイオジェン社との共同開発品である抗アミロイドβプロトフィブリル抗体「BAN2401」は、フェーズⅢ試験(Clarity AD試験)が進行しており、2022年度第2四半期にトップライン結果を取得することをめざしています。当社グループが開発を進めていた自社創製の新規不眠症治療剤「デエビゴ」(英名「DAYVIGO」)は、日本および米国で承認を取得しました。抗てんかん剤「フィコンパ」(英名「Fycompa」)は、発売国の拡大、新適応および剤形の追加が進展しています。
○ がん領域では、抗がん剤「レンビマ」について、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(以下、米メルク社)の抗PD-1抗体「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法による子宮内膜がんに係る適応を米国で新たに取得したほか、米メルク社との共同販促の進展により各国において患者様アクセスが順調に拡大し、売上収益は1,119億円となりました。
○ 以上の結果、当期の営業利益ならびに当期利益が過去最高を更新するとともに、中期経営計画「EWAY 2025」で2020年度の達成を目指していた営業利益、当期利益およびROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を1年前倒しで達成しました。
(2)経営成績の状況
当期(2019年4月1日~2020年3月31日)の連結業績は、次のとおりとなりました。
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売上収益 |
6,956億21百万円 |
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( 前期比 |
8.2%増 ) |
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営業利益 |
1,255億 2百万円 |
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( 同 |
45.7%増 ) |
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税引前当期利益 |
1,280億63百万円 |
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( 同 |
43.2%増 ) |
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当期利益 |
1,224億67百万円 |
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( 同 |
84.2%増 ) |
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親会社の所有者に帰属する当期利益 |
1,217億67百万円 |
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( 同 |
92.1%増 ) |
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当期包括利益 |
961億90百万円 |
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( 同 |
21.0%増 ) |
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基本的1株当たり当期利益 |
425円 1銭 |
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( 同 |
92.0%増 ) |
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○ 売上収益は、主に「レンビマ」が引き続き大幅に伸長したことにより、2019年4月にジェネリック医薬品事業子会社を譲渡したことなどによる減収要因を吸収し、増収となりました。なお、米メルク社からの戦略的提携による特定のオプション権に対する一時金およびマイルストンペイメントとして761億81百万円(前期は655億41百万円)を計上しました。
○ 主なグローバルブランドの売上収益は、「レンビマ」が1,118億94百万円(前期比78.9%増)、抗がん剤「ハラヴェン」が402億13百万円(同2.6%減)、「フィコンパ」が252億52百万円(同31.0%増)となりました。
○ 研究開発費は、次世代アルツハイマー病疾患修飾剤として開発中の「BAN2401」、および米メルク社の抗PD-1抗体「キイトルーダ」との併用療法を開発中の「レンビマ」を中心に、積極的な資源投入を行った一方、パートナーシップモデルによる費用抑制効果により減少しました。
○ 販売費及び一般管理費の増加は、主に「レンビマ」の売上拡大に伴う米メルク社への折半利益の支払い増加によるものです。
○ 以上の結果、営業利益は前期比45.7%増の大幅な増益となりました。加えて、米国法人税に対する会計上の引当金を戻入した影響、および当社グループ内の資金偏在解消のため米国の連結子会社から当社へ払込資本の払戻しを行った結果、税務上の譲渡損失等が当社にて発生した影響により、法人所得税が減少し、当期利益は同84.2%増のさらなる増益となりました。
[セグメントの状況]
(各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです)
当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成する日本、アメリカス(北米)、中国、EMEA(欧州、中東、アフリカ、オセアニア)、アジア・ラテンアメリカ(韓国、台湾、香港、インド、アセアン、中南米等)、一般用医薬品等(日本)の6つの事業セグメントを報告セグメントとしています。当連結会計年度において、より機動的な戦略遂行のため日本医薬品事業から一般用医薬品等事業を分離し、新たな報告セグメントとしています。なお、本資料のセグメント情報に関する対前期の数値は新たな報告セグメントに基づいて記載しています。
<日本医薬品事業>
○ 売上収益は2,471億34百万円(前期比10.7%減)、セグメント利益は941億98百万円(同6.0%減)となりました。ジェネリック医薬品事業子会社の譲渡などの影響により減収となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、ファイザー社と共同販促を展開している疼痛治療剤「リリカ」の共同販促収入が285億92百万円(前期比0.9%増)、不眠症治療剤「ルネスタ」が126億28百万円(同12.6%増)、「フィコンパ」は39億50百万円(同33.7%増)と成長しました。アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は132億69百万円(同26.0%減)となりました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が131億7百万円(同31.7%増)と大幅な拡大を果たし、「ハラヴェン」は92億46百万円(同1.9%減)となりました。ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」は518億53百万円(同10.5%増)と成長しました。
○ 2019年11月、パーキンソン病治療剤「エクフィナ」を新発売しました。
<アメリカス医薬品事業>
○ 売上収益は1,279億31百万円(前期比30.7%増)、セグメント利益は599億69百万円(同29.4%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、抗てんかん剤「Banzel」が223億52百万円(前期比27.9%増)、「Fycompa」が130億23百万円(同40.1%増)と大幅に拡大しました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が680億40百万円(同81.4%増)と大幅な拡大を果たしました。「ハラヴェン」は146億57百万円(同10.9%減)となりました。
<中国医薬品事業>
○ 売上収益は770億4百万円(前期比16.1%増)、セグメント利益は327億67百万円(同34.2%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、2018年11月に新発売した「レンビマ」(肝細胞がんに係る適応)が132億64百万円(前期は31億17百万円)と順調に拡大しました。末梢性神経障害治療剤「メチコバール」は201億18百万円(前期比0.8%増)、「アリセプト」は97億13百万円(同3.9%増)と成長しました。肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー/グリチロン錠」は102億91百万円(同4.1%減)となりました。
○ 2019年12月、「ハラヴェン」および「Fycompa」を新発売しました。
<EMEA医薬品事業>
○ 売上収益は536億51百万円(前期比7.7%増)、セグメント利益は229億90百万円(同16.4%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa」が71億30百万円(前期比16.2%増)、抗てんかん剤「Zebinix」が64億95百万円(同12.7%増)と成長しました。抗てんかん剤「ゾネグラン」は38億84百万円(同5.1%減)となりました。オンコロジー領域では、「ハラヴェン」が138億10百万円(同9.0%増)と成長し、「レンビマ/Kisplyx」は126億85百万円(同59.0%増)と大幅に拡大しました。
<アジア・ラテンアメリカ医薬品事業>
○ 売上収益は466億43百万円(前期比4.3%減)、セグメント利益は159億61百万円(同4.3%増)となりました。2019年8月、台湾において、「ヒュミラ」の開発および販売契約が終結した影響により減収となりました。
○ 品目別売上収益については、「レンビマ」が47億98百万円(前期比20.2%増)と大幅に成長した一方、「アリセプト」が108億21百万円(同8.4%減)、「ヒュミラ」が95億82百万円(同26.2%減)となりました。
○ 2019年9月、インドネシアにおいて、「Fycompa」を新発売しました。
<一般用医薬品等事業>
○ 売上収益は249億4百万円(前期比2.4%増)、セグメント利益は45億48百万円(同0.3%増)となりました。
○ チョコラBBグループの売上収益は、154億78百万円(前期比0.9%増)となりました。
○ 2019年8月、「ザーネクリーム」(医薬部外品)を20年ぶりにリニューアルし、発売しました。
○ 2019年8月、「イータック抗菌化ウエットシート」(雑貨)を新発売しました。
(3)財政状態の状況
○ 資産合計は、1兆621億40百万円(前期末より93億80百万円減)となりました。売上収益の増加に伴い営業債権及びその他の債権が増加し、IFRS第16号「リース」の適用により有形固定資産も増加した一方で、長期借入金の返済などにより現金及び現金同等物が減少したほか、ジェネリック医薬品事業子会社の譲渡により売却目的で保有する資産が減少しました。
○ 負債合計は、3,595億10百万円(前期末より600億28百万円減)となりました。IFRS第16号「リース」の適用によりその他の金融負債が増加した一方で、長期借入金が減少したほか、ジェネリック医薬品事業子会社の譲渡により売却目的で保有する資産に直接関連する負債が減少しました。
○ 資本合計は、支払配当金を大幅に上回る当期利益を計上したことにより、7,026億30百万円(前期末より506億49百万円増)となりました。
○ 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は63.8%(前期末より5.2ポイント増)となり、財務の健全性はより一層高まりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
○ 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,027億82百万円の収入(前期より9億32百万円の収入減)となりました。税引前当期利益が増加した一方で、売上収益の増加に伴う売掛金の増加や預り金(米メルク社からの研究開発償還金)の取崩しなどにより運転資本が増加しました。
○ 投資活動によるキャッシュ・フローは、276億25百万円の支出(前期より197億7百万円の支出増)となりました。資本的支出等は無形資産の取得など積極的な投資により345億51百万円(前期より158億98百万円の支出増)となりました。
○ 財務活動によるキャッシュ・フローは、1,035億28百万円の支出(前期より243億47百万円の支出増)となりました。配当金の支払い458億49百万円のほか、長期借入金400億円を返済しました。
○ 以上の結果、現金及び現金同等物の残高は2,542億44百万円(前期末より376億80百万円減)、営業活動によるキャッシュ・フローから資本的支出等を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは682億31百万円となり、年間配当額を大幅に上回るキャッシュを創出しました。
(5)生産、受注および販売の実績
① 生産実績
(a) 生産実績
当期における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本医薬品事業 |
160,518 |
112.4 |
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アメリカス医薬品事業(注3) |
322,185 |
199.1 |
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中国医薬品事業(注3) |
80,147 |
378.1 |
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EMEA医薬品事業(注3) |
85,606 |
136.7 |
|
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業 |
45,234 |
113.4 |
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一般用医薬品等 |
9,997 |
100.3 |
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報告セグメント計 |
703,687 |
160.6 |
|
その他事業 |
3,794 |
146.9 |
|
合計 |
707,482 |
160.5 |
(注1) 金額は販売見込価格により算出し、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) 前期より生産実績が増加した理由は、主に抗がん剤「レンビマ」の販売の増加に伴うものです。
(b) 商品仕入実績
当期における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本医薬品事業(注3) |
49,504 |
72.2 |
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アメリカス医薬品事業 |
21 |
101.2 |
|
中国医薬品事業 |
2,370 |
175.5 |
|
EMEA医薬品事業 |
3,540 |
129.2 |
|
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業 |
8,623 |
85.5 |
|
一般用医薬品等 |
5,910 |
104.5 |
|
報告セグメント計 |
69,968 |
79.2 |
|
その他事業 |
358 |
86.1 |
|
合計 |
70,326 |
79.2 |
(注1) 金額は仕入価格により算出し、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) 前期より商品仕入実績が減少した理由は、主にジェネリック医薬品事業子会社の譲渡によるものです。
② 受注実績
当社グループは販売計画に基づいた生産を行っているため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本医薬品事業 |
247,134 |
89.3 |
|
アメリカス医薬品事業 |
127,931 |
130.7 |
|
中国医薬品事業 |
77,004 |
116.1 |
|
EMEA医薬品事業 |
53,651 |
107.7 |
|
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業 |
46,643 |
95.7 |
|
一般用医薬品等 |
24,904 |
102.4 |
|
報告セグメント計 |
577,267 |
102.4 |
|
その他事業(注4) |
118,355 |
149.6 |
|
合計 |
695,621 |
108.2 |
(注1) セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
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相手先 |
当期 |
前期 |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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米メルク社 |
76,181 |
11.0 |
65,541 |
10.2 |
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アルフレッサ ホールディングス㈱ |
59,304 |
8.5 |
65,944 |
10.3 |
(注4) 前期より販売実績が増加した理由は、主に米メルク社との抗がん剤「レンビマ」に関する戦略的提携のオプション権行使に伴う一時金およびマイルストンによるものです。
(6)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針、 4. 重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による翌期にわたる事業活動への影響として、売上収益に3%程度のマイナス要因を織り込んでいます。一方、販売管理費の低減等も見込まれるため、営業利益における影響は軽微と見込んでいます。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)事業の概況、(2)経営成績の状況、 (3)財政状態の状況、(4)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、資金調達手段について、「手元現金」、次に「負債による資金調達(デット)」、最後に「株式の新規発行による資金調達(エクイティ)」とするペッキング・オーダー理論にもとづく優先順位付けをしております。原則として、手元現金の活用および負債が優先であり、既存株主の価値を毀損する可能性があるエクイティによる資金調達は最終手段として考えています。
そのため、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)管理による運転資本のコントロール、投資有価証券を含む資産売却などによるバランスシート・マネジメントを継続的かつグローバルに推進することで資産効率を高め、最適資本構成にもとづく最適配当政策と積極的な成長投資の両立を可能としています。
2019年度において、株主還元については、健全なバランスシートを維持していることから、10年ぶりの増配(150円から160円へ10円増配)を行いました。成長投資については、将来の成長のための川島工園・筑波研究所の設備・施設への投資をはじめ、レンボレキサントの販売権獲得など積極的に実施しました。2020年度においても積極的な成長投資を継続する計画で、資本的支出は560億円を見込み、手元資金を充当する予定です。
資金の流動性については、現時点では概ね月商の3倍を適正な運転資金の水準と考えています。2019年度末における現金及び現金同等物残高は2,542億円であり、十分な流動性を確保しています。さらに、当座借越・コミットメントラインなどの流動性補完により、流動性を一層強化しています。また、手元資金の効率的な活用を企図して、日本国内・EMEA域内におけるキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)に加え、グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム(GCMS)を導入しています。
2019年度末時点での実質的なキャッシュ残高である有利子負債控除後のネットキャッシュは1,946億円と、実質無借金を維持しています。引き続き、「ネットキャッシュの維持」を主要な財務規律として重視するとともに、Net DERを±0.3レベルにコントロールすることで財務の健全性を維持します。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な株主価値創造に向けた取り組みのもと、中期経営計画「EWAY 2025」の中間点である2020年度における数値目標・ガイダンスを設定しています。利益目標(営業利益:1,020億円レベル、当期利益:740億円レベル、ROE:10%以上)に関しては、2019年度は主に抗がん剤「レンビマ」の成長により、それぞれ1,255億円、1,225億円、18.6%となり、すべて1年前倒しで達成しました。このうち、ROEに関しては、「EWAY 2025」の最終年度である2025年度における目標(15%レベル)をも上回りました。売上収益に関しては、当初目標(8,000億円レベル)には届いていないものの、「レンビマ」を中心に更なる拡大を見込み、2020年度は7,190億円(前期比3.4%増)をめざします。
財務指標(上記ROEに加えて、DOE:8%レベル、親会社所有者帰属持分比率:50~60%、Net DER:△0.3~0.3)に関しては、2019年度はそれぞれ7.0%、63.8%、△0.29となりました。財務の健全性を維持しながら利益目標を達成したことを示しています。
なお、「EWAY 2025」の後半期間「EWAY FUTURE」においては、パートナーシップモデルにより積極的な研究開発投資を続けてきた次世代認知症治療薬や、アンメット・メディカル・ニーズの高いがん腫を標的とした「レンビマ」と抗PD-1抗体「キイトルーダ」の併用療法での患者様貢献により、前半期間を上回る成長を見込んでいます。
製品名は主要な販売国での販売名を記載しています。
(1)戦略的提携
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
Biogen Inc. (米国) |
2014年 3月4日 |
1. 当社が開発している抗Aβプロトフィブリル抗体「BAN2401」、BACE阻害剤「E2609」(一般名:エレンベセスタット)(注1)に関する共同開発・共同販促およびBiogen Inc.が開発している抗タウ抗体の共同開発・共同販促に係るオプション権の取得 2. Biogen Inc.が開発している抗Aβ抗体「BIIB037」(一般名:アデュカヌマブ)の共同開発・共同販促 |
対象化合物ごとおよび国ごとに以下1)または2)のいずれか遅い日まで 1) 発売開始後12年 2) 特許満了日または 後発品発売開始日の早い方 |
契約一時金他 |
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米メルク社 |
2018年 3月7日 |
当社の抗がん剤「レンビマ」の単剤療法および米メルク社の抗PD-1抗体「キイトルーダ」との併用療法についての複数のがん種に対する共同開発・共同販促 |
契約締結日より2036年 3月31日まで |
契約一時金、開発・販売マイルストン他 |
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|
日医工㈱ (注2) |
2018年 3月28日 |
1. 領域エコシステムの構築に向けた協業 2. 医薬品原薬事業における提携 |
1. 契約締結日より 2023年9月30日まで 2. 契約締結日より 2028年9月30日まで |
- |
(注1)2019年9月、Biogen Inc.と当社は、「E2609」(一般名:エレンベセスタット)の有効性、安全性を検証するフェーズⅢ試験を中止しました。
(注2)2019年4月、当社によるエルメッド エーザイ株式の段階的譲渡を完了しました。
(2)ライセンス導入
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
富士フイルム 富山化学㈱ |
1998年 9月30日 |
リウマチ治療剤「ケアラム」(一般名:イグラチモド)の日本における共同開発・販売提携 |
契約締結日より2022年 9月11日まで |
契約一時金他 |
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AbbVie Deutschland (ドイツ) |
1999年 6月16日 |
ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」(一般名:アダリムマブ)の日本、台湾(注1)および韓国における開発および販売 |
契約締結日より販売承認後15年が経過する日まで(台湾は終了) |
契約一時金他 |
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Novartis (スイス) |
2004年 2月6日 |
抗てんかん剤「イノベロン」(一般名:ルフィナミド)の全世界における開発および製造・販売に関するライセンス |
契約締結日より国ごとに特許満了日または販売開始後10年が経過する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
(注1)2019年8月、台湾における「ヒュミラ」の開発および販売契約を終結しました。
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社 |
Sunovion (米国) |
2007年 7月26日 |
不眠症治療剤「ルネスタ」(一般名:エスゾピクロン)の日本における独占的な開発および販売に関するライセンス |
契約締結日より販売承認後15年が経過する日または薬価収載後15年が経過する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
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BioArctic AB (スウェーデン) |
2007年 12月3日 |
抗Aβプロトフィブリル抗体「BAN2401」の全世界におけるアルツハイマー病を対象とした研究・開発、製造・販売に関する独占的ライセンス |
契約締結日より国ごとに販売開始後15年が経過する日まで |
契約一時金他 一定料率のロイヤルティ |
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シンバイオ 製薬㈱ |
2008年 8月18日 |
抗がん剤「トレアキシン」(一般名:ベンダムスチン)の日本における共同開発および販売に係る独占的ライセンス |
契約締結日より販売開始後10年が経過する日まで |
契約一時金他 |
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Pfizer Inc. (米国) |
2009年 9月24日 |
疼痛治療剤「リリカ」(一般名:プレガバリン)の日本における共同販促 |
契約締結日より2022年 7月17日まで |
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㈱Prism BioLab |
2011年 4月1日 |
抗がん剤「E7386」の全世界における開発および製造・販売に関する独占的ライセンス |
契約締結日より対象特許の有効期間がすべて満了する日または国ごとに販売開始後10年が経過する日まで |
開発マイルストン、一定料率の販売ロイヤルティ |
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ロンドン大学 (英国) |
2015年 10月16日 |
共同研究および抗タウ抗体「E2814」の共同開発 |
2023年12月5日まで |
開発マイルストン、販売ロイヤルティ |
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Meiji Seika ファルマ㈱ |
2017年 3月31日 |
パーキンソン病治療剤「エクフィナ」(一般名:サフィナミド)の日本における独占的販売権およびアジア7か国における独占的開発・販売権に係るライセンス |
契約締結日より国ごとに販売開始後15年が経過する日まで |
契約一時金、開発マイルストン、一定料率の販売ロイヤルティ |
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ハーバード 大学(米国) |
2018年 6月15日 |
抗がん剤「E7130」の全世界における開発および製造・販売に関する独占的ライセンス |
契約締結日より対象特許の有効期間がすべて満了する日または販売開始後15年が経過する日のいずれか遅い日まで |
契約一時金、開発マイルストン、一定料率の販売ロイヤルティ |
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ギリアド・ サイエンシズ㈱ |
2019年 12月24日 |
ヤヌスキナーゼ1選択的阻害剤「フィルゴチニブ(一般名)」の日本における販売提携契約 |
契約締結日より最初の薬価収載後12年が経過する日まで |
契約一時金、開発・売上マイルストン |
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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当社、 EAファーマ㈱ |
㈱ミノファーゲン製薬 |
2016年 2月29日 |
肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー」(グリチルリチン酸、配合剤)および「グリチロン錠」(グリチルリチン酸、配合錠)の日本およびユーロアジア地域の未発売国における独占的な開発・販売権ならびに中国を含むユーロアジア地域の既販売国における独占的な販売権の優先交渉権取得のライセンス |
契約締結日より2023年 3月31日まで |
契約一時金他 |
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Eisai Europe Ltd. (英国) |
Bial-Portela & Ca, S.A. (ポルトガル) |
2009年 2月19日 |
てんかん治療剤「Zebinix」(一般名:エスリカルバゼピン)の欧州における販売ライセンスおよび共同販促 |
契約締結日より12年が 経過する日まで |
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(3)合弁関係
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
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当社 |
味の素(株) |
2015年 10月15日 |
当社を吸収分割会社とし、味の素製薬㈱を吸収分割承継会社とする吸収分割に関する統合契約等 |
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(4)その他経営上の重要な契約
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会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
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当社 |
世界保健機関 (WHO)(スイス) |
2012年 1月30日 |
リンパ系フィラリア症制圧プログラムへの支援のため、DEC(一般名:ジエチルカルバマジン)錠のWHOへの無償提供 |
2013年またはWHOによるDECの事前審査が終了した日のいずれか遅い日から7年間 |
当期における研究開発費は、
なお、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分していません。
[開発品の状況]
○ 抗がん剤「レンビマ」(欧州における腎細胞がんに係る製品名:「Kisplyx」、一般名:レンバチニブ)
・甲状腺がんに係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の60カ国以上で承認を取得しています。2019年11月、中国において、分化型甲状腺がんに係る適応追加申請が受理されました。2019年12月、日本において、甲状腺がんに係る適応の承認条件となっていた特定使用成績調査(全例調査)に関し、厚生労働省から解除通達を受領しました。
・腎細胞がん(セカンドライン)を対象とした、エベロリムスとの併用療法に係る適応において、米国、欧州等の55カ国以上で承認を取得しています。
・肝細胞がん(ファーストライン)に係る適応において、日本、米国、欧州、中国、アジア等の60カ国以上で承認を取得しています。
・2019年9月、米メルク社の抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用療法について、全身療法後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応な高頻度マイクロサテライト不安定性を有さない、またはミスマッチ修復機構欠損を有さない進行性子宮内膜がんの適応について、米国食品医薬品局(FDA)が主導する「プロジェクトOrbis」のもと、米国、オーストラリア、カナダで承認を取得しました。また、フィリピンと韓国でも承認を取得しています。
・ペムブロリズマブとの併用療法について、子宮内膜がん(セカンドライン)に係る適応を対象としたフェーズⅢ試験が日本、米国、欧州等において進行中です。
・エベロリムスあるいはペムブロリズマブとの2つの併用療法について、腎細胞がん(ファーストライン)を対象としたフェーズⅢ試験が日本、米国、欧州において進行中です。
・ペムブロリズマブとの併用療法について、進行性または転移性腎細胞がんの適応に対して、米国においてブレイクスルーセラピーの指定を受けています。
・ペムブロリズマブとの併用療法について、肝細胞がん(ファーストライン)を対象としたフェーズⅢ試験が日本、米国、欧州、中国において進行中です。
・2019年7月、ペムブロリズマブとの併用療法について、局所治療に適さない切除不能な進行性肝細胞がん(ファーストライン)の適応に対して、米国においてブレイクスルーセラピーの指定を受けました。
・ペムブロリズマブとの併用療法について、メラノーマ(ファーストライン)、非扁平上皮非小細胞肺がん(ファーストライン)、PD-L1陽性の非小細胞肺がん(ファーストライン)を対象としたフェーズⅢ試験を米国、欧州等で、メラノーマ(セカンドライン)を対象としたフェーズⅡ試験、複数のがん腫を対象としたバスケット試験(フェーズⅡ試験)を米国、欧州等において進行中です。また、子宮内膜がん(ファーストライン)、膀胱がん(ファーストライン)、非小細胞肺がん(セカンドライン)、頭頸部がん(ファーストライン)を対象としたフェーズⅢ試験を日本、米国、欧州等で開始し、進行中です。肝細胞がん(肝動脈化学塞栓療法との併用)を対象としたフェーズⅢ試験を日本、米国、欧州、中国で開始しました。
・フェーズⅡ試験段階にありました胆道がん(単剤療法)および非小細胞肺がん(RET転座を有する非小細胞肺がんを含む、単剤療法)に係る適応の開発は、ペムブロリズマブとの併用療法の開発を優先し終了しました。
○ 抗がん剤「ハラヴェン」(一般名:エリブリン)
・乳がんに係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の75カ国以上で承認を取得しています。2019年7月、中国における乳がんに係る適応について、承認を取得しました。
・脂肪肉腫(日本では悪性軟部腫瘍)に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の65カ国以上で承認を取得しています。
・トリプルネガティブ乳がんを対象としたペムブロリズマブとの併用療法に関するフェーズⅠ/Ⅱ試験が米国において進行中です。
・HER2陰性乳がんを対象とした、Halozyme Therapeutics Inc.(米国)が開発中のPEG化遺伝子組換えヒト型ヒアルロン酸分解酵素PEGPH20との併用療法に関するフェーズⅠ/Ⅱ試験が米国において進行中です。
・「ハラヴェン」のリポソーム製剤について、小野薬品工業株式会社(大阪府)の抗PD-1抗体ニボルマブとの併用療法に関するフェーズⅠ/Ⅱ試験を日本において開始し、進行中です。
・米国および欧州でフェーズⅠ/Ⅱ試験段階にありました膀胱がんを対象とした開発を中止しました。
○ 抗てんかん剤「フィコンパ」(英名「Fycompa」、一般名:ペランパネル)
・12歳以上の部分てんかん併用療法に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の65カ国以上で承認を取得しています。2019年9月、中国において、部分てんかんの併用療法に係る適応で新薬承認を取得しました。米国においては、4歳以上の部分てんかんに対する単剤および併用療法の承認を取得しています。
・12歳以上の全般てんかんの強直間代発作に対する併用療法に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の60カ国以上で承認を取得しています。
・2020年1月、日本において、部分てんかんの単剤療法および小児適応ならびに細粒剤について追加の承認を取得しました。
・小児適応について、欧州において追加申請中です。
・レノックス・ガストー症候群を対象としたフェーズⅢ試験が日本、米国、欧州において進行中です。
○ オレキシン受容体拮抗剤「デエビゴ」(英名「DAYVIGO」、一般名:レンボレキサント、開発コード: 「E2006」)
・2019年12月、米国において、入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその両方を伴う成人の不眠症の適応で新薬承認を取得しました。本剤は、米国麻薬取締局によるスケジュール審査が完了し、2020年6月に新発売しました。
・2020年1月、日本において、不眠症の適応で新薬承認を取得し、発売準備中です。
・アルツハイマー病/認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害を対象としたフェーズⅡ試験が、日本と米国において進行中です。
○ 抗アミロイドβプロトフィブリル抗体「BAN2401」
・アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度アルツハイマー病(総称して早期アルツハイマー病)を対象とした1本のフェーズⅢ試験(Clarity AD)が日本、米国、欧州、中国において進行中です。
・Alzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)によって本剤が評価対象薬剤として選択されているアルツハイマー病のプリベンション試験(AHEAD 3-45試験)が開始に向けて準備中です。
○ 抗アミロイドβ抗体アデュカヌマブ(一般名)
・2019年10月、バイオジェン社と共同開発しているアデュカヌマブについて、当社とバイオジェン社は、新薬承認をめざすことを発表しました。米国ではBLA(生物製剤ライセンス)申請における各モジュールの申請を既に開始し、2020年度第2四半期の申請完了を予定しています。日本、欧州においては規制当局と申請に向けた協議を進めています。
○ 2019年7月、韓国において、パーキンソン病に係る適応でサフィナミド(一般名)の新薬承認申請を行いました。
○ 2020年3月、日本において、抗がん剤「E7777」(一般名:デニロイキン ジフチトクス(遺伝子組換え))について、皮膚T細胞性リンパ腫および末梢性T細胞リンパ腫に係る適応で、新薬承認申請を行いました。
○ 線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR1、FGFR2、FGFR3)選択的チロシンキナーゼ阻害剤「E7090」について、FGFR2融合遺伝子を有する切除不能な胆管がん(胆道がんの一種)を対象としたフェーズⅡ試験を日本、中国において開始しました。なお、本剤は、2019年4月、FGFR2融合遺伝子を有する切除不能な胆道がんに対する治療を対象に、厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されました。
○ 2019年9月、バイオジェン社と共同開発していたβサイト切断酵素阻害剤「E2609」(一般名:エレンベセスタット)の早期アルツハイマー病を対象とした2本のフェーズⅢ試験(MISSION AD1、MISSION AD2)について、独立安全性データモニタリング委員会による安全性レビューにおいて、本試験を継続しても最終的にベネフィットがリスクを上回ることはない(an unfavorable risk-benefit ratio)との判断から試験中止が勧告されたことに基づき、中止を決定しました。
○ 2020年2月、肥満症治療剤「BELVIQ」および「BELVIQ XR」(一般名:lorcaserin)について、心血管疾患アウトカム試験(CAMELLIA-TIMI61試験)のデータ解析を踏まえたFDAからの要請を受け、米国での承認を自主的に取り下げ、販売を中止しました。当社は本剤が対象患者様に対する良好なベネフィット-リスクプロファイルを有していると考えています。
○ 抗てんかん剤「E2082」について、全ての開発プログラム(日本、米国)を終結しました。
○ 抗フラクタルカイン抗体「E6011」について、日本でフェーズⅡ試験段階にありました関節リウマチを対象とした開発を中止しました。
○ 抗がん剤「MORAb-003」および「MORAb-004」について、フェーズⅡ試験段階にありました開発を中止しました。