当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績に関する説明
[売上収益、利益の状況]
○ 当第1四半期連結累計期間(2021年4月1日~2021年6月30日)の連結業績は、次のとおりです。
(単位:億円、%)
|
|
|
2020年度 第1四半期 |
2021年度 第1四半期 |
前年同期比 |
|
売上収益 |
|
1,656 |
1,989 |
120.1 |
|
売上原価 |
|
383 |
392 |
102.5 |
|
売上総利益 |
|
1,273 |
1,596 |
125.4 |
|
販売費及び一般管理費 |
|
649 |
747 |
115.1 |
|
研究開発費 |
|
305 |
418 |
137.0 |
|
その他の収益 |
|
7 |
134 |
1892.7 |
|
営業利益 |
|
321 |
554 |
172.5 |
|
税引前四半期利益 |
|
324 |
558 |
171.9 |
|
四半期利益 |
|
248 |
423 |
170.9 |
|
親会社の所有者に帰属する 四半期利益 |
|
244 |
422 |
172.6 |
○ 売上収益は、抗がん剤「レンビマ」をはじめとするグローバルブランドが引き続き伸長したことに加え、抗体薬物複合体「MORAb-202」に関するBristol Myers Squibb(米国、以下 BMS社)との戦略的提携による契約一時金496億円を計上したことなどにより、大幅な増収となりました。
○ グローバルブランドの売上収益は、「レンビマ」が442億円(前年同期比127.4%)、抗がん剤「ハラヴェン」が102億円(同108.5%)、抗てんかん剤「フィコンパ」(英名「Fycompa」)が74億円(同116.0%)、不眠症治療剤「デエビゴ」(英名「Dayvigo」)が26億円(前年同期は1億円)となりました。
○ 販売費及び一般管理費は、「レンビマ」の売上拡大に伴うMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(以下 米メルク社)への折半利益の支払い増加や、Biogen Inc.(米国、以下 バイオジェン社)と共同開発・共同販促を行っているアルツハイマー病治療剤「ADUHELM」(一般名:アデュカヌマブ)の上市に係る投資を積極的に行ったことなどにより、大幅に増加しました。
○ 研究開発費は、米メルク社の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(一般名)との併用療法を開発中の「レンビマ」に加えて、「ADUHELM」ならびに、同じくバイオジェン社と共同開発を行っている抗アミロイドβプロトフィブリル抗体lecanemab(一般名)などへの積極的な資源投入により、大幅に増加しました。
○ その他の収益は、Advanz Pharma社(英国)への抗てんかん剤「Zonegran」の欧州、中東、ロシア、オーストラリアにおける権利の譲渡により、大幅に増加しました。
○ 以上の結果、営業利益は大幅な増益となりました。
[セグメントの状況]
(各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです)
当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成する日本、アメリカス(北米)、中国、EMEA(欧州、中東、アフリカ、ロシア、オセアニア)、アジア・ラテンアメリカ(韓国、台湾、香港、インド、アセアン、中南米等)、一般用医薬品等(日本)の6つの事業セグメントを報告セグメントとしています。
<日本医薬品事業>
○ 売上収益は496億円(前年同期比83.1%)、セグメント利益は156億円(同61.9%)となりました。薬価改定のほか、ファイザー社と共同販促を展開している疼痛治療剤「リリカ」のジェネリック品上市や2020年12月の抗がん剤「トレアキシン」の提携契約満了による販売移管の影響などにより、減収減益となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、不眠症治療剤「ルネスタ」が29億円(前年同期比81.1%)、「デエビゴ」は19億円(前年同期は1億円)となりました。アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は18億円(同62.1%)となり、「リリカ」の共同販促収入は16億円(同25.5%)、「フィコンパ」は12億円(同100.6%)となりました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が25億円(同67.7%)、「ハラヴェン」は20億円(同88.5%)となりました。ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」は114億円(同91.7%)となりました。
○ 2021年5月、抗がん剤「レミトロ」を新発売しました。
<アメリカス医薬品事業>
○ 売上収益は383億円(前年同期比112.1%)、セグメント利益は179億円(同104.2%)となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa」は34億円(前年同期比112.9%)と拡大しました。抗てんかん剤「Banzel」は28億円(同55.1%)となりました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が244億円(同113.1%)と拡大し、「ハラヴェン」は33億円(同102.5%)となりました。
<中国医薬品事業>
○ 売上収益は269億円(前年同期比112.6%)、セグメント利益は159億円(同114.9%)となりました。
○ 品目別売上収益については、「レンビマ」が国家保険償還医薬品リストに収載されたことによりアクセスが拡大し、105億円(前年同期比252.6%)と大幅に伸長しました。末梢性神経障害治療剤「メチコバール」は政府集中購買制度の対象となり販売価格が低下した影響で33億円(同47.7%)となりました。肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー/グリチロン錠」は23億円(同96.8%)、プロトンポンプ阻害剤「パリエット」は23億円(同132.2%)となりました。
<EMEA医薬品事業>
○ 売上収益は141億円(前年同期比105.2%)、セグメント利益は「Zonegran」の権利譲渡の影響により208億円(同315.7%)となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa」は22億円(前年同期比125.4%)と成長しました。オンコロジー領域では、「レンビマ/Kisplyx」が48億円(同123.7%)、「ハラヴェン」は34億円(同108.5%)と拡大しました。
<アジア・ラテンアメリカ医薬品事業>
○ 売上収益は131億円(前年同期比118.3%)、セグメント利益は59億円(同137.6%)となりました。
○ 品目別売上収益については、「レンビマ」が20億円(前年同期比140.6%)と大幅に成長しました。「アリセプト」は30億円(同117.2%)、「ヒュミラ」は21億円(同105.5%)となりました。
○ 2021年6月、香港において、「デエビゴ」を新発売しました。
○ 2021年7月、タイにおいて、胆汁酸トランスポーター阻害剤「Goofice」を新発売しました。
<一般用医薬品等事業>
○ 売上収益は52億円(前年同期比84.8%)、セグメント利益は7億円(同49.0%)となりました。
○ チョコラBBグループの売上収益は35億円(前年同期比113.5%)と拡大しましたが、「イータック抗菌化スプレーα」などのイータックグループの売上収益が減少しました。
② 財政状態の状況
○ 資産合計は、1兆1,293億円(前期末より393億円増)となりました。BMS社からの契約一時金および研究開発償還金の計上に伴い営業債権及びその他の債権が増加しました。
○ 負債合計は、3,820億円(前期末より199億円増)となりました。BMS社からの研究開発償還金を預り金として計上したことにより、その他の金融負債が増加しました。
○ 資本合計は、7,474億円(前期末より194億円増)となりました。支払配当金を上回る四半期利益を計上したことにより増加しました。
○ 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は64.0%(前期末より0.5ポイント減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
○ 営業活動によるキャッシュ・フローは、143億円の支出(前年同期は100億円の収入)となりました。税引前四半期利益が増加した一方で、BMS社からの契約一時金を計上したことなどにより運転資本が増加しました。
○ 投資活動によるキャッシュ・フローは、1億円の収入(前年同期は125億円の支出)となりました。研究設備および製造設備の増強を進め、設備投資に係る支出が発生した一方で、「Zonegran」の権利の譲渡に伴い有形固定資産・無形資産の売却による収入が発生しました。
○ 財務活動によるキャッシュ・フローは、225億円の支出(前年同期より29億円の支出減)となりました。主に配当金の支払いによるものです。
○ 以上の結果、現金及び現金同等物の残高は2,131億円(前期末より357億円減)、営業活動によるキャッシュ・フローから資本的支出等を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは141億円の支出となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について、前事業年度の有価証券報告書提出日からの重要な変更はありません。なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、当社グループ連結業績への重大な影響はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について、前事業年度の有価証券報告書提出日からの重要な変更はありません。
(4) 重要な会計上の見積り
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの重要な会計上の見積りについて、前連結会計年度からの重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費総額は、418億15百万円(前年同期比37.0%増)、売上収益比率は21.0%(前年同期より2.6ポイント増)です。
なお、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分していません。
[開発品の状況]
○ 抗がん剤「レンビマ」(欧州における腎細胞がんに係る製品名「Kisplyx」、一般名: レンバチニブ、米メルク社との共同開発)
・甲状腺がんに係る適応(単剤療法)において、日本、米国、欧州、中国、アジア等の75カ国以上で承認を取得しています。
・肝細胞がん(ファーストライン)に係る適応(単剤療法)において、日本、米国、欧州、中国、アジア等の70カ国以上で承認を取得しています。
・切除不能な胸腺がんに係る適応(単剤療法)において、日本で承認を取得しています。
・腎細胞がん(セカンドライン)を対象とした、エベロリムスとの併用療法に係る適応において、米国、欧州等の60カ国以上で承認を取得しています。
・2021年7月、米国において、米メルク社の抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用療法について、309試験(フェーズⅢ試験)に基づき、治療ラインに関わらず全身療法後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応な高頻度マイクロサテライト不安定性を有さない、またはミスマッチ修復機構欠損を有さない進行性子宮内膜がんの適応で承認を取得しました。なお、111試験(フェーズⅠ/Ⅱ試験)に基づき、同様の適応において、カナダ、オーストラリア等の10カ国以上で承認(条件付き承認を含む)を取得しています。
・ペムブロリズマブとの併用療法による進行性子宮内膜がんに係る適応追加について、欧州において申請中です。2021年4月、日本において、進行性子宮体がんに係る適応追加申請を行いました。当該適応について厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されています。
・ペムブロリズマブとの併用療法による進行性腎細胞がんに係る適応追加について、日本と欧州において申請中です。2021年4月、進行性腎細胞がんに係る適応追加申請が米国食品医薬品局(FDA)に受理されるとともに、優先審査に指定されました。
・ペムブロリズマブとの併用療法について、子宮内膜がん(ファーストライン)、肝細胞がん(ファーストライン)、メラノーマ(ファーストライン)、非扁平上皮非小細胞肺がん(ファーストライン)、非小細胞肺がん(セカンドライン)、頭頸部がん(ファーストライン)、膀胱がん(ファーストライン)、肝細胞がん(ファーストライン、肝動脈化学塞栓療法との併用)、胃腺がん・胃食道接合部腺がん(ファーストライン)、大腸がん(サードライン)を対象としたフェーズⅢ試験を米国、欧州等において進行中です。食道扁平上皮がん(ファーストライン)を対象としたフェーズⅢ試験を日本、米国、欧州、中国において開始しました。PD-L1陽性の非小細胞肺がん(ファーストライン)を対象として実施していたフェーズⅢ試験については、独立データモニタリング委員会の勧告に従い、中止を決定しました。
・ペムブロリズマブとの併用療法について、メラノーマ(セカンドライン)、頭頸部がん(セカンドライン)を対象としたフェーズⅡ試験、および複数のがん種を対象としたバスケット試験(フェーズⅡ試験)を米国、欧州等において進行中です。
○ 抗がん剤「ハラヴェン」(一般名:エリブリン)
・乳がんに係る適応において、日本、米国、欧州、中国、アジア等の75カ国以上で承認を取得しています。
・脂肪肉腫(日本では悪性軟部腫瘍)に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の75カ国以上で承認を取得しています。
・「ハラヴェン」のリポソーム製剤について、小野薬品工業株式会社(大阪府)の抗PD-1抗体ニボルマブとの併用療法に関するフェーズⅠ/Ⅱ試験が日本において進行中です。
○ 抗てんかん剤「フィコンパ」(英名「Fycompa」、一般名:ペランパネル)
・12歳以上の部分てんかん併用療法に係る適応において、日本、米国、欧州、中国、アジア等の70カ国以上で承認を取得しています。日本と米国においては、4歳以上の部分てんかんに対する単剤および併用療法の承認を取得しています。欧州においては、4歳以上の部分てんかんに対する併用療法の承認を取得しています。
・12歳以上の全般てんかんの強直間代発作に対する併用療法に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の70カ国以上で承認を取得しています。欧州においては、7歳以上の全般てんかんの強直間代発作に対する併用療法の承認を取得しています。
・2021年7月、中国において、てんかんの部分発作に対する単剤療法、および4歳以上の小児てんかんの部分発作に対する併用・単剤療法の2つの追加適応について承認を取得しました。
・レノックス・ガストー症候群を対象としたフェーズⅢ試験が日本、米国、欧州において進行中です。
○ オレキシン受容体拮抗剤「デエビゴ」(英名「Dayvigo」、一般名:レンボレキサント)
・入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその両方を伴う成人の不眠症の適応において、米国、カナダ、香港で承認を取得しています。
・不眠症の適応において、日本、インドで承認を取得しています。
・不眠症に係る適応において、オーストラリア、ブラジルのほか、アジア等で申請中です。
・アルツハイマー病/認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害を対象としたフェーズⅡ試験が終了し、今後の開発について検討中です。
○ アルツハイマー病(AD)治療剤「ADUHELM」(一般名:アデュカヌマブ、バイオジェン社との共同開発)
・2021年6月、米国においてAD治療剤として迅速承認を取得しました。なお、本迅速承認の要件として、今後検証試験による臨床的有用性の確認を行うこととなります。
・ADに係る適応で、日本、欧州、オーストラリア、ブラジル、カナダ、スイス、メキシコ、イスラエル、韓国、アラブ首長国連邦において申請中です。
○ 抗アミロイドβプロトフィブリル抗体lecanemab(一般名、開発品コード「BAN2401」、バイオジェン社との共同開発)
・ADによる軽度認知障害および軽度AD(総称して早期AD)を対象としたフェーズⅢ試験(Clarity AD)が日本、米国、欧州、中国において進行中です。
・Alzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)によって本剤が評価対象薬剤として選択されているプレクリニカル(無症状期)ADを対象とするフェーズⅢ試験(AHEAD 3-45)が進行中です。
・2021年6月、米国において、AD治療を対象としてブレイクスルーセラピーの指定を受けました。
○ 2021年6月、日本において、抗がん剤「タズベリク」(一般名:タゼメトスタット、開発品コード「E7438」)について、EZH2遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫に係る適応で製造販売承認を取得しました。
○ 2021年5月、日本において、当社の子会社であるEAファーマ株式会社(東京都)がキッセイ薬品工業株式会社(長野県)と共同開発している潰瘍性大腸炎治療剤「AJM300」(開発品コード、一般名:カロテグラストメチル)について、新薬承認申請を行いました。
○ 抗がん剤「MORAb-009」(開発品コード)について、米国、欧州でフェーズⅠ/Ⅱ試験段階にあった中皮腫を対象とした開発を終了しました。
(6) 従業員の状況
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい変動はありません。
(7) 生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、アメリカス医薬品事業およびアジア・ラテンアメリカ医薬品事業の生産実績が著しく増加しました。これは主に、抗がん剤「レンビマ」の販売増加などに伴うものです。
なお、販売実績については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績の状況」に記載しています。
(8) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。
当第1四半期連結会計期間において、新たに締結した重要な契約は、次のとおりです。
|
会社名 |
契約締結先 |
締結年月日 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
|
当社 |
Bristol Myers Squibb (米国) |
2021年 6月17日 |
当社が開発している抗がん剤「MORAb-202」に関する共同開発・共同販促等 |
契約締結日より共同開発・共同販促活動の終了まで |
契約一時金、開発・販売マイルストン他 |