【添付資料】

添付資料の目次

 

1.経営成績等の概況

 

(ページ)

1) 当期の経営成績・財政状態の概況

 

 

(1) 経営成績の概況

………………

2

(2) 財政状態の概況

………………

4

(3) 研究開発などの状況

………………

4

2) 今後の見通し

………………

8

3) 利益配分に関する考え方および当期・次期の配当

………………

9

2.経営方針

 

 

1) 企業理念

………………

10

2) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

………………

10

3) 資本政策の基本的な方針

………………

12

4) ESGをはじめとする非財務価値向上と情報開示

………………

13

5) コンプライアンス・リスク管理

………………

13

3.会計基準の選択に関する基本的な考え方

………………

14

4.連結財務諸表及び主な注記

 

 

1) 連結損益計算書

………………

15

2) 連結包括利益計算書

………………

16

3) 連結財政状態計算書

………………

17

4) 連結持分変動計算書

………………

19

5) 連結キャッシュ・フロー計算書

………………

21

6) 連結財務諸表に関する注記事項

 

 

(継続企業の前提に関する注記)

………………

22

(連結財務諸表作成の基礎)

………………

22

(重要性のある会計方針)

………………

23

(重要な会計上の見積り及び判断)

………………

31

(セグメント情報)

………………

33

(連結損益計算書)

………………

35

(1株当たり当期利益)

………………

38

(連結キャッシュ・フロー計算書)

………………

39

(重要な後発事象)

………………

39

 

1.経営成績等の概況

1)当期の経営成績・財政状態の概況

1)経営成績の概況

[売上収益、利益の状況]

○ 当期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績は、次のとおりです。

(単位:億円、%)

 

 

2022年度

2023年度

前期比

売上収益

7,444

7,418

99.6

売上原価

1,778

1,553

87.3

売上総利益

5,666

5,864

103.5

販売費及び一般管理費

3,583

3,744

104.5

研究開発費

1,730

1,690

97.7

営業利益

400

534

133.4

税引前当期利益

450

618

137.3

法人所得税

△118

180

当期利益

568

438

77.0

親会社の所有者に帰属する当期利益

554

424

76.5

当期包括利益

969

1,228

126.7

基本的1株当たり当期利益

193円31銭

147円86銭

76.5

 

○ 売上収益は、抗がん剤「レンビマ」および不眠症治療剤「デエビゴ」(英名「Dayvigo」)が引き続き伸長したことに加え、選択的エストロゲン受容体分解薬elacestrant(一般名)に係る経済的収益受領権の譲渡による一時金を計上した一方で、前期に抗てんかん剤「フィコンパ」(英名「Fycompa」)の米国における権利の譲渡による一時金を計上した影響などにより、前期と同水準となりました。なお、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(以下 米メルク社)からの販売マイルストンペイメント(当期189億円、前期167億円)を計上しました。医薬品事業の売上収益は6,915億円(前期比101.0%)となりました。

○ グローバルブランドの売上収益は、「レンビマ」が2,976億円(前期比119.3%)、「デエビゴ」が418億円(同142.3%)、抗がん剤「ハラヴェン」が375億円(同90.7%)、「フィコンパ」が259億円(同69.7%)となりました。アルツハイマー病(AD)治療剤「レケンビ」の売上収益は43億円(前期は0.2億円)となりました。

○ 販売費及び一般管理費は、AD治療剤「Aduhelm」および米国における「Fycompa」の関連費用が無くなった一方で、「レケンビ」の米国と日本での上市による販売費の増加や「レンビマ」の売上拡大に伴う米メルク社への折半利益の支払いが増加したことなどにより、増加となりました。

○ 研究開発費は、「レケンビ」への積極的な資源投入を行った一方で、パートナーシップモデルの活用や優先度を踏まえた資源投入等により効率性を高めた結果、減少となりました。

○ 以上に加え、製品ミックスの改善により売上総利益が増加するとともに、精神疾患治療剤「Loxapac」およびパーキンソン病治療剤「Parkinane LP」に係るフランス等における権利の譲渡益をその他の収益に計上した結果、営業利益は大幅な増益となりました。また、医薬品事業のセグメント利益は3,436億円(前期比105.5%)となりました。

○ 当期利益については、税引前当期利益が大幅な増益となった一方で、前期に一時的な要因により税金費用の減少が生じた影響で、減益となりました。

 

[セグメントの状況]

(各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです)

当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成する日本、アメリカス(北米)、中国、EMEA(欧州、中東、アフリカ、ロシア、オセアニア)、アジア・ラテンアメリカ(韓国、台湾、インド、アセアン、中南米等)の5つの事業セグメントを報告セグメントとしています。なお、当連結会計年度における日本事業の再編に伴い、一般用医薬品等事業を日本医薬品事業へ統合しています。前連結会計年度のセグメント情報は、当該変更を反映しています。

 

<日本医薬品事業>

○ 売上収益は2,169億円(前期比90.8%)、セグメント利益は728億円(同99.9%)となりました。売上収益の主な内訳は、医療用医薬品が1,943億円(同90.2%)、一般用医薬品等が227億円(同96.5%)でした。

○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「デエビゴ」が355億円(前期比146.7%)、「フィコンパ」が69億円(同114.8%)と、共に大幅に伸長しました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が155億円(同113.3%)と大幅に伸長し、「ハラヴェン」は79億円(同93.7%)となりました。ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」は、2023年6月にアッヴィ合同会社(東京都)との共同販促契約が満了した影響により134億円(同28.4%)となりました。ヤヌスキナーゼ阻害剤「ジセレカ」は126億円(同171.2%)と大幅に伸長し、慢性便秘症治療剤「グーフィス」は70億円(同106.4%)と伸長しました。一般用医薬品等では、チョコラBBグループの売上収益が150億円(同106.1%)と伸長しました。

○ 2023年12月、「レケンビ」を新発売しました。

 

<アメリカス医薬品事業>

○ 売上収益は2,324億円(前期比109.2%)、セグメント利益は1,472億円(同110.3%)となりました。

○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Dayvigo」は51億円(前期比108.3%)と伸長しました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が2,041億円(同126.3%)と大幅に伸長し、「ハラヴェン」は124億円(同89.1%)となりました。

 

<中国医薬品事業>

○ 売上収益は1,119億円(前期比101.0%)、セグメント利益は577億円(同103.7%)となりました。

○ 品目別売上収益については、「レンビマ」がジェネリック品の影響などにより269億円(前期比83.5%)となりました。めまい・平衡障害治療剤「メリスロン」は、外部パートナーとの連携で販路が拡大した影響などにより132億円(同134.1%)と大幅に伸長しました。末梢性神経障害治療剤「メチコバール」は126億円(同87.1%)、プロトンポンプ阻害剤「パリエット」は82億円(同98.4%)となり、胃炎・胃潰瘍治療剤「セルベックス」は73億円(同144.9%)と大幅に伸長しました。

○ 2023年10月、香港において、パーキンソン病治療剤「エクフィナ」を新発売しました。

 

<EMEA医薬品事業>

○ 売上収益は760億円(前期比105.3%)、セグメント利益は420億円(同101.0%)となりました。

○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa」は128億円(前期比109.4%)と伸長しました。オンコロジー領域では、「レンビマ/Kisplyx」が382億円(同123.4%)と大幅に伸長し、「ハラヴェン」は117億円(同85.8%)となりました。

 

<アジア・ラテンアメリカ医薬品事業>

○ 売上収益は542億円(前期比108.8%)、セグメント利益は240億円(同108.4%)となりました。

○ 品目別売上収益については、「レンビマ」が130億円(前期比116.8%)と伸長しました。アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は135億円(同103.8%)と伸長しました。

○ 2023年10月に台湾、同年11月に韓国において、「ジセレカ」を新発売しました。

○ 2024年2月、シンガポールにおいて、「グーフィス」を新発売しました。

 

(2)財政状態の概況

[資産、負債および資本の状況]

○ 資産合計は、1兆3,938億円(前期末より1,304億円増)となりました。円安の進行により海外連結子会社の資産が増加したことに加え、「レケンビ」の生産を進めたことなどにより棚卸資産が増加したほか、パートナーに対する未収金等が増加しました。

○ 負債合計は、4,948億円(前期末より540億円増)となりました。営業債務及びその他の債務が減少した一方で、サステナビリティ・リンク・ローンを実行したことにより借入金が増加したことに加え、未払費用が増加しました。

○ 資本合計は、8,990億円(前期末より764億円増)となりました。円安の進行に伴い在外営業活動体の換算差額が増加しました。

○ 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は62.8%(前期末より0.5ポイント減)となりました。

 

[キャッシュ・フローの状況]

○ 営業活動によるキャッシュ・フローは、560億円の収入(前期は18億円の支出)となりました。運転資本は、「レケンビ」についての棚卸資産の増加などにより増加となりました。

○ 投資活動によるキャッシュ・フローは、253億円の支出(前期より26億円の支出増)となりました。研究設備および製造設備の増強を進め、設備投資に係る支出が発生しました。

○ 財務活動によるキャッシュ・フローは、227億円の支出(前期より18億円の支出減)となりました。主に配当金の支払いによるものです。

○ 以上の結果、現金及び現金同等物の残高は3,047億円(前期末より373億円増)、営業活動によるキャッシュ・フローから資本的支出等を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは304億円の収入となりました。

 

(3)研究開発などの状況

[開発品の状況]

○ 抗がん剤「レンビマ」(欧州における腎細胞がんに係る製品名「Kisplyx」、一般名:レンバチニブ、米メルク社との共同開発)

◇ 甲状腺がんに係る適応(単剤療法)において、日本、米国、欧州、中国、アジア等の80カ国以上で承認を取得しています。

◇ 肝細胞がん(ファーストライン)に係る適応(単剤療法)において、日本、米国、欧州、中国、アジア等の80カ国以上で承認を取得しています。

◇ 切除不能な胸腺がんに係る適応(単剤療法)において、日本で承認を取得しています。

◇ 腎細胞がん(セカンドライン)を対象とした、エベロリムスとの併用療法に係る適応において、米国、欧州、アジア等の65カ国以上で承認を取得しています。

◇ 腎細胞がん(ファーストライン)を対象とした、米メルク社の抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用療法に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の50カ国以上で承認を取得しています。

◇ 子宮内膜がん(全身療法後)を対象とした、ペムブロリズマブとの併用療法に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の50カ国以上で承認(条件付き承認を含む)を取得しています。

◇ 2023年4月、ペムブロリズマブとの併用療法は、高頻度マイクロサテライト不安定性を有さない/ミスマッチ修復機構を有する大腸がん(サードライン)を対象とするフェーズⅢ試験において、レゴラフェニブまたはTAS-102(トリフルリジンとチピラシル塩酸塩の合剤)に対して主要評価項目である全生存期間(OS)について改善傾向を示しましたが、事前に設定した統計学的有意性の基準を満たさず、主要評価項目は未達となりました。また、メラノーマ(ファーストライン)を対象とするフェーズⅢ試験について、事前に規定された中間解析の結果に基づいて、主要評価項目の一つであるOSの改善を示さないと判断した独立データモニタリング委員会の推奨に従い、中止を決定しました。

◇ 2023年8月、ペムブロリズマブとの併用療法は、PD-L1陽性の再発または転移性頭頸部扁平上皮がん(ファーストライン)を対象としたフェーズⅢ試験において、ペムブロリズマブ単剤療法に対して主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)、奏効率について統計学的に有意な改善を示しましたが、もう一つの主要評価項目であるOSの改善を示さず、プロトコルで指定された統計学的有意性の閾値に達する可能性は低いと判断したことから、本試験の中止を決定しました。

◇ 2023年9月、ペムブロリズマブとの併用療法にペメトレキセドおよびプラチナ製剤を含む化学療法を加えた療法は、転移性非扁平上皮非小細胞肺がん(ファーストライン)を対象としたフェーズⅢ試験において、ペムブロリズマブ単剤にペメトレキセドおよびプラチナ製剤を含む化学療法を加えた併用療法に対して主要評価項目であるOSおよびPFSについて事前に設定した統計学的有意性の基準を満たしませんでした。また、転移性非小細胞肺がん(セカンドライン)を対象とするフェーズⅢ試験について、ペムブロリズマブとの併用療法は、ドセタキセルと比較して、主要評価項目であるOSおよびPFSについて事前に設定した統計学的有意性の基準を満たしませんでした。

◇ 2023年12月、ペムブロリズマブとの併用療法は、進行または再発子宮内膜がんの一次治療を対象としたフェーズⅢ試験において、プラチナ製剤をベースとした2剤併用化学療法に対して主要評価項目であるOSおよびPFSについて事前に設定した統計学的有意性の基準を満たしませんでした。

◇ ペムブロリズマブとの併用療法について、肝細胞がん(ファーストライン、肝動脈化学塞栓療法との併用)、食道がん(ファーストライン、化学療法併用)、胃がん(ファーストライン、化学療法併用)を対象としたフェーズⅢ試験が米国、欧州等において進行中です。

◇ ペムブロリズマブとの併用療法について、頭頸部がん(セカンドライン)を対象としたフェーズⅡ試験が米国、欧州において進行中です。メラノーマ(セカンドライン)を対象としたフェーズⅡ試験および複数のがん種を対象としたバスケット試験(フェーズⅡ試験)については、開発を終了しました。

○ 抗がん剤「ハラヴェン」(一般名:エリブリン)

◇ 乳がんに係る適応において、日本、米国、欧州、中国、アジア等の85カ国以上で承認を取得しています。

◇ 脂肪肉腫(日本では悪性軟部腫瘍)に係る適応において、日本、米国、欧州、アジア等の85カ国以上で承認を取得しています。

◇ 「ハラヴェン」のリポソーム製剤について、小野薬品工業株式会社(大阪府)の抗PD-1抗体ニボルマブとの併用療法に関するフェーズⅠ/Ⅱ試験が日本において進行中です。

○ AD治療剤「レケンビ」(一般名:レカネマブ、開発品コード「BAN2401」、Biogen Inc.(米国)との共同開発)

◇ 2023年7月、米国において、Clarity AD試験(フェーズⅢ試験)に基づき、ADの治療を適応として、迅速承認からフル承認への変更に向けた申請について承認を取得し、同時にメディケアによる幅広い保険適用が可能となりました。本剤は、ADの進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを示し、フル承認を取得した世界初かつ唯一の治療薬となります。本剤による治療は、臨床試験と同様、ADによる軽度認知障害または軽度認知症の当事者様において開始する必要があります。

◇ 2023年9月、日本において、ADによる軽度認知障害および軽度の認知症の進行抑制の適応で製造販売承認を取得しました。

◇ 2024年1月、中国において、ADによる軽度認知障害及び軽度の認知症の治療の適応で承認を取得しました。

◇ 早期ADに係る適応で、欧州、カナダ、英国(北アイルランドを除く)、オーストラリア、スイス、韓国、イスラエル、台湾、シンガポール、ブラジル、香港、ロシア、サウジアラビア、インドにおいて申請中です。イスラエルにおいては優先審査に、英国においてはILAP(Innovative Licensing and Access Pathway)に指定されています。

◇ 2024年3月、米国において、静注維持投与に関する生物製剤承認一部変更申請を提出しました。

◇ 利便性向上をめざし開発を進めている皮下注射(SC)製剤について、2024年5月、米国において、Fast Track 指定の下でSCオートインジェクターによる週一回維持投与に関する生物製剤承認申請の段階的申請を開始しました。

◇ Alzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)によって本剤が評価対象薬剤として選択されているプレクリニカル(無症状期)ADを対象とするAHEAD 3-45(フェーズⅢ試験)が日本、米国、欧州等において進行中です。

 

○ オレキシン受容体拮抗剤「デエビゴ」(英名「Dayvigo」、一般名:レンボレキサント)

◇ 不眠症に係る適応において、日本、米国、アジア等の15カ国以上で承認を取得しています。

◇ 2024年1月、中国において、不眠症に係る適応の新薬承認申請が受理されました。

◇ フェーズⅡ試験段階にあったアルツハイマー病/認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害を対象とした開発を終了しました。

○ 抗てんかん剤「フィコンパ」(英名「Fycompa」、一般名:ペランパネル)

◇ 部分てんかん併用療法に係る適応において、日本、欧州、中国、アジア等の75カ国以上で承認を取得しています。日本、中国においては、単剤療法の承認も取得しています。

◇ 全般てんかんの強直間代発作に対する併用療法に係る適応において、日本、欧州、アジア等の75カ国以上で承認を取得しています。2024年4月、中国において、「12歳以上のてんかんの強直間代発作に対する併用療法」の適応拡大に関する承認を取得しました。

◇ 2024年1月、日本において、新投与経路医薬品として注射剤の承認を取得しました。

◇ 日本、米国、欧州でフェーズⅢ試験段階にあったレノックス・ガストー症候群を対象とした開発を終了しました。

 

○ 2023年12月、抗がん剤タスルグラチニブ(開発品コード「E7090」)について、日本においてFGFR2融合遺伝子を有する胆道がんに係る適応で新薬承認を申請しました。

○ 2024年1月、ドチヌラド(一般名)について、中国において、痛風に係る適応で新薬承認を申請し、受理されました。本剤については、フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシアにおいて、痛風・高尿酸血症に係る適応で申請を行っています。

○ 2024年1月、メコバラミン(開発品コード「E0302」)の高用量製剤について、日本において筋萎縮性側索硬化症(ALS)に係る適応で新薬承認を申請しました。

○ 2024年2月、抗リウマチ剤メトジェクト皮下注の剤形追加として、ペン型自動注入器注射剤「メトジェクト皮下注ペン」(一般名:メトトレキサート)について、日本メダック株式会社(東京都)が日本において製造販売承認を取得しました。エーザイは販売を担当します。

 

○ 慢性便秘症治療剤「モビコール配合内用剤」について、日本において、EAファーマ株式会社(東京都、以下 EAファーマ)が2歳未満の小児の慢性便秘症を対象としたフェーズⅢ試験を開始し、進行中です。

○ Bliss Biopharmaceutical (Hangzhou) Co., Ltd.(中国)と共同開発している抗体薬物複合体「BB-1701」について、日本、米国において、乳がんを対象としたフェーズⅡ試験を開始し、進行中です。

 

○ ホスホジエステラーゼ(PDE)9阻害剤「E2027」について、米国においてフェーズⅡ段階にあったレビー小体型認知症・パーキンソン病認知症を対象とした開発を終了しました。

○ 抗がん剤「H3B-6545」について、米国、欧州においてフェーズⅠ/Ⅱ段階にあった乳がん(単剤療法)を対象とした試験を終了しました。

 

[主な提携など]

○ 2023年4月、「BB-1701」について、Bliss Biopharmaceutical (Hangzhou) Co., Ltd.と、中国、香港、マカオおよび台湾を除くグローバルにおける開発・商業化のオプション権を有する共同開発契約を締結しました。

○ 2023年6月、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」について、日本におけるアッヴィ合同会社(東京都)との共同販促契約の満了に伴い、販売提携を終了しました。

○ 2023年6月、東京都文京区が実施する2023年度認知症検診事業において、当社が開発した認知機能のデジタルチェックツール「のうKNOW」(非医療機器)による脳の健康度測定が継続実施されることを発表しました。

○ 2023年6月、Gates Ventures(米国)、Health Data Research UK(英国)、LifeArc(英国)およびエジンバラ大学(英国)と認知症関連疾患における既存の治療法を補完し、予測、予防、管理、治療に関する課題を解決するデータの創出およびデジタル・ソリューションの開発に向けた共同研究契約を締結しました。

○ 2023年6月、当社が創出した選択的エストロゲン受容体分解薬elacestrant(一般名)について、当社が保有する全ての経済的収益受領の権利をDRI Healthcare Trust(カナダ)に譲渡する契約を締結しました。

○ 2023年9月、認知症エコシステム構築の加速を企図してデジタル事業会社であるTheoria technologies株式会社(東京都)を当社の完全子会社として設立しました。

○ 2023年9月、EAファーマがTransThera Sciences (Nanjing) Inc.(中国)と、肝・消化器領域における新薬の創出をめざし、創薬研究に関する共同研究契約を締結しました。

○ 2023年9月、東京海上日動火災保険株式会社(東京都)と、認知症との共生社会実現に向けた業務提携の一環として、「認知症治療支援保険」を共同開発したことを発表しました。

○ 2023年11月、タイの販売子会社Eisai(Thailand)Marketing Co., Ltd.が、タイ保健省医療サービス局とADをはじめとする認知症の治療に対するアクセス改善に向け協働することに合意しました。

○ 2023年12月、株式会社みずほ銀行(東京都)とシンジケーション方式によるサステナビリティ・リンク・ローンの融資契約を締結し、実行しました。

○ 2024年1月、南アフリカの販売子会社Eisai Pharmaceuticals Africa (Pty) Ltd(ヨハネスブルク市)が本格稼働しました。また、2024年3月にケニア支店(ナイロビ市)のオフィスも設置し、今後のアフリカにおける患者様貢献の基盤を整備しました。

○ 2024年3月、C2N Diagnostics LLC(米国)への出資を決定したことを発表しました。

○ 2024年3月、ライフネット生命保険株式会社(東京都)と、認知症や軽度認知障害(MCI)の早期発見・早期治療をサポートする認知症保険を共同開発したことを発表しました。

○ 2024年3月、米国における高純度のレンバチニブメシル酸塩に関する特許侵害訴訟について、SUN Pharmaceutical Industries Ltd.およびSUN Pharmaceutical Industries Inc.と和解契約を締結しました。

○ 2024年3月、めまい・平衡障害治療剤「メリスロン」(一般名:ベタヒスチンメシル酸塩)および筋緊張改善剤「ミオナール」(一般名:エペリゾン塩酸塩)の日本における権利を、科研製薬株式会社(東京都)に譲渡する契約を締結しました。

〇 2024年3月、フランスの販売子会社Eisai S.A.S.が、精神疾患治療剤「Loxapac」およびパーキンソン病治療剤「Parkinane LP」の権利をCNX Therapeutics社(英国)に譲渡しました。

○ 2024年4月、当社の完全子会社である株式会社カン研究所(兵庫県)を当社へ吸収合併し、名称を神戸研究所に変更しました。

○ 2024年4月、サウジアラビアにおける医薬品販売会社Eisai Pharmaceuticals Single Person Limited Liability Companyを英国子会社 Eisai Europe Ltd.の完全子会社として設立しました。

○ 2024年5月、今後の業績見通しと株主還元のバランス等を総合的に勘案し、中長期的なROEマネジメントを見据えて、300億円(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合2.3%)を上限とする自己株式の取得および取得株式の消却を取締役会にて決議しました。

 

2今後の見通し(2024年4月1日~2025年3月31日)

[通期連結業績予想]

(%表示は、対前期増減率)

 

売上収益

営業利益

税引前

当期利益

当期利益

親会社の所有者

に帰属する

当期利益

基本的

1株当たり

当期利益

 

百万円   %

百万円   %

百万円   %

百万円   %

百万円   %

通期

754,000  1.7

53,500   0.2

60,000  △2.9

44,500  1.6

43,000   1.4

152.50

*前提為替レート:1米ドル145.0円、1ユーロ155.0円、1英ポンド180.0円、1人民元20.4円

 

<売上収益>

〇 「レンビマ」については、日本における薬価改定に加えて、中国においてジェネリック製品の影響を受けるものの、欧米を中心に腎細胞がん適応の継続的な成長を企図し、前期と同水準を予想しています(2,965億円、同0.4%減)。「レケンビ」は、米国や日本におけるアルツハイマー病の診断・治療パスウェイ構築の進展による処方拡大に加え、中国など上市国の増加により、前期から大幅に成長(565億円、前期から522億円増)することを見込んでいます。また、「デエビゴ」は、日本を中心に引き続き高い成長(520億円、前期比24.4%増)を見込んでいます。これらにより、戦略的オプション等による一時金の減少を吸収し、連結売上収益は7,540億円(前期比1.7%増)を予想しています。

 

<利益>

〇 費用については、財務規律を遵守し、中長期的な成長への最適な資源配分を徹底します。研究開発費については、「レケンビ」をはじめ、当社グループの今後の成長を支える認知症領域およびがん領域における重要プロジェクトへの積極的な資源投入を継続する一方、開発テーマの見直しや費用の効率化により、前期から0.9%減の1,675億円を予想しています。

〇 販売費及び一般管理費については、デジタルを活用したマーケティング戦略の推進やグローバルでの調達コスト最適化などによる費用の効率化をめざす一方、「レケンビ」の米国における営業体制の強化や中国、欧州での上市をはじめ、患者様貢献の早期拡大に向けた前期以上の費用の投入を企図し、前期から2.2%増の3,825億円を予想しています。

〇 上記のとおり、売上収益の増加を見込む一方で、製品構成の変化にともなう売上原価の変動や費用の増加を反映し、営業利益は535億円(前期比0.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、430億円(前期比1.4%増)を予想しています。ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は5.2%を見込んでいます。

 

[将来予想に関する事項と事業等のリスク]

 本発表において提供される資料ならびに情報は、現在における予想、目標、評価、見通し、リスクを伴う想定などの不確実性に基づくものを含んでいます。従って、さまざまな要因の変化により、将来予想などが実際の結果と大きく乖離する可能性があります。リスクや不確実性には、一般的な業界ならびに市場の状況、金利、通貨為替変動といった日本および国際的な経済状況が含まれています。

 当社グループの業績を大幅に変動させる、あるいは投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクや不確実性の詳細に関しては、当社の前期有価証券報告書および当期第3四半期報告書の「事業等のリスク」をご参照ください。ただし、当該記載は当社グループに係るすべてのリスクや不確実性を網羅したものではなく、現時点において予見できない、あるいは重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があります。また、当該記載は本発表日現在において判断したものであり、文中の将来に関する事項はその発生あるいは達成を保証するものではありません。

 

3)利益配分に関する考え方および当期・次期の配当

 当社は、剰余金の配当等に関しては取締役会決議とすることを定款に定めています。2024年3月期の期末配当金は、従来の予想どおり1株当たり80円とさせていただきます。1株当たり中間配当金80円と合わせ、年間配当金は1株当たり160円(前期と同額)、DOE(親会社所有者帰属持分配当率)は5.5%となります。次期の配当については、1株当たり年間配当金160円(当期と同額)とし、中間配当金80円、期末配当金80円を見込んでいます。

 また、2024年5月15日開催の取締役会において、300億円(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合2.3%)を上限とする自己株式の取得および取得株式の消却を決議しました。

 なお、利益配分に関する考え方については、12頁の「2.経営方針 3)資本政策の基本的な方針 (2)持続的・安定的な株主還元」をご参照ください。

 

2.経営方針

1)企業理念

当社グループは、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念としています。この理念のもとですべての役員および従業員が一丸となり、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足し、いかなる医療システム下においても存在意義のあるヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業となることをめざしています。当社グループの使命は、患者様と生活者の皆様の満足の増大であり、他産業との連携によるhhcエコシステムを通じて、日常と医療の領域で生活する人々の「生ききるを支える」ことです。その結果として売上や利益がもたらされ、この使命と結果の順序を重要と考えています。

当社グループは、このhhc理念の実現に向けて、主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主の皆様および社員との信頼関係の構築に努めるとともに、コンプライアンス(法令と倫理の遵守)を日々実践し、企業価値の向上に取り組んでいます。本企業理念は、定款に定め、株主の皆様と共有化をはかっています。

当社グループは、hhc理念に基づき、人々の「健康憂慮の解消」と「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現し、社会的インパクトを創出することで、長期的な企業価値の増大をめざします。

 

2)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

(1) 中期経営計画「EWAY Future & Beyond」

当社グループは、中期経営計画「EWAY Future & Beyond」を2021年4月よりスタートしました。「EWAY Future & Beyond」では、2021年度からの5年間を「EWAY Future」、2026年度以降を「EWAY Beyond」とし、当社グループが貢献すべき主役を「患者様とそのご家族」から「患者様と生活者の皆様」に拡大しました。患者様と生活者の皆様の「生ききるを支える」という想いとともに、アンメット・メディカルニーズが極めて高く、当社グループが最も強みを持つ認知症領域とがん領域に立脚したサイエンスとデータに基づくソリューションを創出し、他産業やグループとの連携によるエコシステムの構築を通じて、hhceco(hhc理念+エコシステム)企業へと進化することをめざしています。

2023年にはhhcエコシステムを通じて社会善を効率的に実現するための新たなマテリアリティを策定しました。認知症領域、がん領域、グローバルヘルス領域における社会善の実現に加え、人財価値の最大化、および財務戦略を重要マテリアリティとして特定し、2030年度に向けた長期目標とKPIおよびリスクを設定・特定しました。これらのマテリアリティを羅針盤とし、社会善の効率的な実現に取り組んでいきます。

 

(2) 中期経営計画「EWAY Future & Beyond」の主な進捗と取り組み

病態生理学に基づき疾患を連続体(Disease Continuum)として捉え、ヒューマンバイオロジーエビデンスに基づく創薬研究を実践するDeep Human Biology Learning(DHBL)研究開発体制のもと、当社グループが当該領域のヒューマンバイオロジーに最も早く深くアクセスすることが可能な5つの創薬領域(ドメイン)にフォーカスし、創薬仮説の構築・検証から承認取得までの創薬活動を推進しています。具体的には、「微小環境」、「タンパク質恒常性破綻」、「細胞系譜や細胞分化」、「細胞老化を伴う炎症、低酸素、酸化ストレス」、「顧みられない熱帯病やパンデミックの制圧」の創薬領域で構成され、アルツハイマー病(AD)に代表される神経変性疾患と難治性がんの分野でフロントランナーになるとともに、グローバルヘルスにおいても継続的な貢献を果たしていくことをめざしています。

また、人々の日常領域から医療領域までの全てのライフステージを支えるエコシステムを、アカデミア、企業、自治体などのパートナーと連携して構築することで、価値創造をめざします。

 

① 認知症領域

レカネマブ(ブランド名:「レケンビ」)について、早期ADを対象に、2023年7月に米国において、米国食品医薬品局(FDA)よりフル承認を取得しました。2023年9月に日本、2024年1月には中国においても承認を取得しています。現在、欧州、英国(北アイルランドを除く)、カナダなど14の国と地域で申請中です。ADは、早期の診断と治療が必要な進行性の疾患であり、既に上市を果たしている米国、日本では、AD領域におけるパイオニアとして、認知機能検査、アミロイドβ(Aβ)検査(PET、CSF)、APOE4検査、投薬、ARIAモニタリングと続く、一連の診断・治療パスウェイの構築に取り組んでいます。また、血液によるAβテストの共同開発や血液バイオマーカーを用いた認知症診断ワークフロー構築に向けた共同研究を複数のパートナー企業と進め、診断・治療パスウェイの簡素化をめざしています。

AD Continuumに基づく他のプロジェクトの開発も進行中です。レカネマブについては、プレクリニカル(無症状期)ADを対象とするAHEAD 3-45試験(フェーズⅢ試験)も進行中です。また、優性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット(DIAN-TU)が実施し、抗MTBR(Microtubule binding region: 微小管結合領域)タウ抗体「E2814」の効果を評価するTau NexGen試験(フェーズⅡ/Ⅲ試験)が日本、米国、欧州において進行中です。同試験の基礎療法となる抗アミロイド療法にはレカネマブが選定されています。孤発性ADを対象としたフェーズⅡ試験についても計画中です。また、ダメージを受けたコリン作動性神経の機能を回復し、コリン作動性神経の変性を予防することが期待される選択的Tropomyosin receptor kinase A(TrkA)結合シナプス再生剤「E2511」については、フェーズⅠ試験が米国において進行中です。日本においては、慶應義塾大学と共同で設立した産医連携拠点「エーザイ・慶應義塾大学 認知症イノベーションラボ(EKID)」における、脳が本来備えている防御機構、堅牢性の維持・強化に関わる創薬ターゲットの探索研究や創薬研究も行っています。

 

② 認知症エコシステム

認知症エコシステムを通じて、認知症発症前の日常領域における健康状態の維持、疾患啓発、予防から、発症後の医療領域における正確な診断、治療(薬物・非薬物)効果の確認、QOL(Quality of Life)の向上に寄与する施策といったソリューションの提供をめざしています。2023年9月には、デジタル事業会社Theoria technologies株式会社を当社の完全子会社として設立し、事業活動を開始しました。認知症の診療における当事者様・医師・介護者間のコミュニケーション円滑化を支援するアプリ「ササエル」の開発・提供や、MCI・認知症の早期発見に向けた認知機能低下リスク予測AI等の開発を推進しています。

日本においては、保険、金融、自動車などの他産業や自治体と共に、デジタルツール「のうKNOW」(非医療機器)の活用を中心に、認知症エコシステム拡大に向けた様々な連携を進めています。中国においては、日常生活から医療までのワンストップオンライン健康プラットフォームである銀髪通(Yin Fa Tong)を通じてオンライン診療を提供し、デジタル技術を活用した医療較差の是正に取り組んでいます。アジア地域においても、他産業や非営利団体とのエコシステム構築を拡大し、認知症の疾患認知率向上、早期発見、早期診断に向けた取り組みを進めています。

 

③ がん領域

抗がん剤「レンビマ」(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAと共同開発)については、単剤療法としての甲状腺がん、肝細胞がん、胸腺がん(日本)やペムブロリズマブとの併用療法による腎細胞がん、子宮内膜がん等の既存適応症における価値最大化に引き続き取り組む一方、肝動脈化学塞栓療法併用肝細胞がん、胃がん、食道がんなど、複数の適応追加に向けた臨床試験(LEAP試験)が進行中です。さらに、次世代オンコロジー製品の開発では、「レンビマ」や「キイトルーダ」に抵抗性を示す難治性がんに対するファーストインクラスの中分子治療薬「E7386」や、当社グループが強みを持つケミストリー力を具現化するモダリティーとしてエリブリン、スプライシングモジュレーター、タンパク質分解誘導剤をペイロードに有する独自の抗体薬物複合体(ADC)の創製に注力しています。エリブリンをペイロードとしたADCとして、「MORAb-202」および「BB-1701」について、外部パートナーと共同開発を進めています。

 

④ グローバルヘルス領域

グローバルな医薬品アクセスの課題解決への取り組みを、当社グループの責務であるとともに、将来への長期的な投資であると考え、政府や国際機関、非営利民間団体等との官民パートナーシップのもと、積極的に推進しています。開発途上国および新興国に蔓延する顧みられない熱帯病(NTDs)の一つであるリンパ系フィラリア症を制圧するため、その治療薬である「DEC(一般名:ジエチルカルバマジン)錠」を当社グループのインド・バイザッグ工場で製造し、本剤を必要とするすべての蔓延国において制圧が達成されるまで、世界保健機関(WHO)に「プライス・ゼロ(無償)」で提供することにコミットしています。2024年3月末までに30カ国に22.8億錠を供給しました。さらに、日本発のグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)、NTDsに対する新薬開発の経験豊富な非営利団体/非政府組織とのパートナーシップのもと、マイセトーマ(菌腫)をはじめとするNTDs、結核、マラリアに対する新薬開発を推進しているほか、疾患啓発活動にも取り組んでいます。当社グループは、2022年6月、NTDs制圧に関する「キガリ宣言」に署名し、今後もNTDs制圧支援を継続することを表明しました。

 

⑤ 人財価値の最大化

当社は、定款において社員を主要なステークホルダーの一つと定め、「安定的な雇用の確保」に加え、「人権および多様性の尊重」、「自己実現を支える成長機会の充実」、「働きやすい環境の整備」に努めることを明記するとともに、「統合人事戦略」を策定し、「社員の健康を含めたウェルビーイング」、「多様な働き方」、「社員の成長」、「組織、事業の成長」を柱とした、個と組織が共に成長するための人事施策を実行しています。DE&I(ダイバ―シティ、エクイティ、インクルージョン)は、当社のイノベーション創出の源泉であるとともに、企業理念の実現に向けた重要なアプローチであり、グローバルに推進体制を構築し、国籍・性別・年齢などを問わず多様な価値観を持つ人財が活躍できる風土づくりを進めています。さらにグローバルエンゲージメントサーベイを実施し、人事戦略の検証・強化に活用するなど、中長期的な人財価値の最大化を推進しています。2023年度からは「Human Capital Report」を発行し、人事戦略と連動する人的資本に関する取り組みやKPIを開示し、その改善に向けて継続的に取り組んでいます。

 

3) 資本政策の基本的な方針

当社グループの資本政策は、財務の健全性を担保した上で、株主価値向上に資する「中長期的なROE*1経営」、「持続的・安定的な株主還元」、「成長のための投資採択基準」を軸に展開しています。

(1) 中長期的なROE経営

当社グループは、ROEを持続的な株主価値の創造に関わる重要な指標と捉えています。「中長期的なROE経営」では、売上収益利益率(マージン)、財務レバレッジ、総資産回転率(ターンオーバー)を常に改善し、中長期的に正のエクイティ・スプレッド *2を創出すべく、資本コストを上回るROEをめざしていきます。

 

(2) 持続的・安定的な株主還元

当社グループは、健全なバランスシートのもと、連結業績、DOE*3およびフリー・キャッシュ・フローを総合的に勘案し、シグナリング効果も考慮して、株主の皆様への還元を継続的・安定的に実施します。DOEは、連結純資産に対する配当の比率を示すことから、バランスシートマネジメント、ひいては資本政策を反映する指標の一つとして位置づけています。自己株式の取得については、市場環境、資本効率等に鑑み適宜実施する可能性があります。なお、健全なバランスシートの尺度として、親会社所有者帰属持分比率、負債比率(Net DER)を指標に採用しています。

 

(3) 成長のための投資採択基準

当社グループは、成長投資による価値創造を担保するために、戦略投資に対する投資採択基準を採用し、リスク調整後ハードルレートを用いた正味現在価値と内部収益率スプレッドにハードルを設定し、投資を厳選しています。

 

*1 ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)

= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷親会社の所有者に帰属する持分

*2 エクイティ・スプレッド=ROE-株主資本コスト

*3 DOE(親会社所有者帰属持分配当率)

= 配当金総額÷親会社の所有者に帰属する持分

4) ESGをはじめとする非財務価値向上と情報開示

当社グループは、革新的な新薬創出等により、人々の「健康憂慮の解消」と「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現し、社会にポジティブなインパクトをもたらすことで長期的な企業価値の向上をめざしています。当社グループは、米国における「レケンビ」およびDEC錠無償提供がもたらす社会的インパクトのほか、従業員に対する賃金が社会にもたらす価値を可視化した従業員インパクトを算出し、売上や利益には表れない本源的な企業価値を示すことに努めています。また、革新的な新薬の創出には長い期間と膨大な研究費を必要とするため、中長期的な視点での企業価値評価が重要であると考え、知的資本や人的資本などの非財務資本の充実の重要性を訴求しています。

当社グループは、地球環境の負荷低減(環境)、医薬品アクセス向上、人権の尊重、社員の人財育成(社会)、経営の公平性と透明性の確保(ガバナンス)等、ESGへの取り組みを強化してきました。これらの取り組みは、国連サミットで採択された国際的な目標であるSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)と一貫したものであり、非財務価値として当社グループの企業価値向上にもつながっていると考えています。

環境については、「エーザイネットワーク(ENW)環境方針」を制定し、2022年4月には「エーザイ環境経営ビジョン」を策定し、全社一丸となって環境保全に取り組んでいます。2023年11月には、Science Based Targets(SBT)イニシアティブより、当社グループの新たな温室効果ガス削減目標について、SBT1.5℃目標として承認を取得しました。また、2023年12月には、2050年までのネットゼロ(SBTイニシアティブネットゼロ基準による定義)達成にコミットするJCI Race to Zero Circleへの参加承認を取得しました。これらに加え、水の効率的利用、資源の循環利用、生物多様性の保全、化学物質の適正管理等の環境課題に対する中長期目標を定めて取り組みを進めています。さらに2022年度には、気候変動が企業に与える影響についてリスクと機会を分析し、情報開示を求める国際的なフレームワークTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosure)に沿った再評価を行い、気候戦略の強靭性を高めるべく検討を重ねています。

人権については、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った人権方針を策定し、人権デューデリジェンスの継続的な実施など、人権尊重への取り組みをさらに強化しています。また当社は、サプライチェーン全体で、人権、労働・安全、環境、倫理などのサステナビリティを重視した調達活動(サステナブル調達)を推進するため、製薬・ヘルスケアセクターの国際非営利団体であるPSCI(Pharmaceutical Supply Chain Initiative)に加盟しています。

当社グループのESGをはじめとする非財務価値に関する情報は、IIRC(国際統合報告評議会)のフレームワークに基づき、価値創造レポート(旧統合報告書)や環境報告などでの開示に加え、当社ホームページに掲載しています。

(https://www.eisai.co.jp/ir/library/annual/index.html)

(https://www.eisai.co.jp/sustainability/index.html)

当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。当社は、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより、経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営の活力を増大させることがコーポレートガバナンスの要諦であると考え、コーポレートガバナンスの充実に向け、経営の監督をはじめとする社外取締役の機能を最大限に活用していきます。当社におけるコーポレートガバナンスの基本的な考え方および行動指針を「コーポレートガバナンスプリンシプル」に定め、その実践により、コーポレートガバナンスの充実をはかっています。

当社のコーポレートガバナンスに関する取り組みは、「コーポレートガバナンス報告書」をはじめとして、当社のホームページに掲載しています。

(https://www.eisai.co.jp/company/governance/index.html)

 

5) コンプライアンス・リスク管理

当社グループは、コンプライアンスを「法令と倫理の遵守」と定義し、経営の根幹に据えています。また、内部統制を「企業活動を適正かつ効率的に遂行するために、社内に構築され運用されている体制およびプロセス」と定義し、「ENW内部統制ポリシー」をグループの役員および全従業員で共有しています。あわせてチーフコンプライアンスオフィサーおよび内部統制担当執行役を任命し、コンプライアンスとリスク管理を推進しています。また、第三者で構成されるコンプライアンス委員会より客観的な評価を受け、継続的な向上をめざしています。

 

3.会計基準の選択に関する基本的な考え方

財務情報の国際的な比較可能性の向上や開示の拡充により、国内外の株主・投資家などの様々なステークホルダーズの皆様の利便性を高めることを目的として、2014年3月期連結会計年度から国際会計基準(IFRS)を適用し、2015年3月期第1四半期の連結財務諸表よりIFRSにて開示しています。

4.連結財務諸表及び主な注記

1) 連結損益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

 当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

売上収益

741,751

744,402

売上原価

△155,333

△177,837

売上総利益

586,417

566,566

 

 

 

販売費及び一般管理費

△374,421

△358,292

研究開発費

△169,021

△172,999

その他の収益

11,998

8,313

その他の費用

△1,566

△3,548

営業利益

53,408

40,040

 

 

 

金融収益

10,804

7,239

金融費用

△2,388

△2,266

税引前当期利益

61,823

45,012

 

 

 

法人所得税

△18,040

11,824

当期利益

43,784

56,836

 

 

 

当期利益の帰属

 

 

親会社所有者

42,406

55,432

非支配持分

1,377

1,404

 

 

 

1株当たり当期利益

 

 

基本的1株当たり当期利益(円)

147.86

193.31

希薄化後1株当たり当期利益(円)

147.86

193.31

 

2) 連結包括利益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

 当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

当期利益

43,784

56,836

 

 

 

その他の包括利益

 

 

損益に振り替えられることのない項目

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で

測定する金融資産

1,707

5,541

確定給付制度に係る再測定

5,353

1,055

小計

7,059

6,596

 

 

 

損益にその後に振り替えられる可能性の

ある項目

 

 

在外営業活動体の換算差額

71,924

33,424

キャッシュ・フロー・ヘッジ

△5

37

小計

71,919

33,461

その他の包括利益合計

78,978

40,057

当期包括利益

122,762

96,893

 

 

 

当期包括利益の帰属

 

 

親会社所有者

121,493

95,500

非支配持分

1,269

1,393

 

3) 連結財政状態計算書

 

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

資産

 

 

非流動資産

 

 

有形固定資産

164,894

166,633

のれん

236,366

208,817

無形資産

85,493

89,230

その他の金融資産

57,674

52,463

その他

25,564

21,412

繰延税金資産

100,826

102,592

非流動資産合計

670,816

641,148

 

 

 

流動資産

 

 

棚卸資産

174,651

140,417

営業債権及びその他の債権

217,208

187,256

その他の金融資産

445

540

その他

26,001

26,639

現金及び現金同等物

304,678

267,350

流動資産合計

722,983

622,202

資産合計

1,393,799

1,263,350

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

資本

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

 

 

資本金

44,986

44,986

資本剰余金

78,863

78,813

自己株式

△33,612

△33,638

利益剰余金

526,490

522,774

その他の資本の構成要素

258,886

187,024

親会社の所有者に帰属する持分合計

875,614

799,959

非支配持分

23,361

22,612

資本合計

898,975

822,571

 

 

 

負債

 

 

非流動負債

 

 

借入金

134,773

84,904

その他の金融負債

38,548

36,989

引当金

1,413

1,299

その他

14,915

17,978

繰延税金負債

704

664

非流動負債合計

190,352

141,834

 

 

 

流動負債

 

 

借入金

24,632

41,201

営業債務及びその他の債務

72,249

86,826

その他の金融負債

34,250

34,668

未払法人所得税

8,718

2,223

引当金

31,195

22,994

その他

133,428

111,033

流動負債合計

304,472

298,945

負債合計

494,825

440,779

資本及び負債合計

1,393,799

1,263,350

 

4) 連結持分変動計算書

当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

親会社の所有者に帰属する持分

 

資本金

資本剰余金

自己株式

利益剰余金

その他の資本の構成要素

 

その他の包括利益を通じて公正価値で

測定する

金融資産

確定給付

制度に係る

再測定

期首残高

(2023年4月1日)

44,986

78,813

△33,638

522,774

当期利益

42,406

その他の包括利益合計

1,707

5,518

当期包括利益

42,406

1,707

5,518

 

 

 

 

 

 

 

剰余金の配当

△45,915

自己株式の取得

△21

自己株式の処分

50

48

振替

7,224

△1,707

△5,518

所有者との取引額等合計

50

27

△38,691

△1,707

△5,518

期末残高

(2024年3月31日)

44,986

78,863

△33,612

526,490

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

非支配持分

資本合計

 

その他の資本の構成要素

親会社の所有者に帰属する持分合計

 

在外営業

活動体の

換算差額

キャッシュ

・フロー

・ヘッジ

その他の資本の構成要素

合計

期首残高

(2023年4月1日)

186,988

37

187,024

799,959

22,612

822,571

当期利益

42,406

1,377

43,784

その他の包括利益合計

71,867

△5

79,086

79,086

△108

78,978

当期包括利益

71,867

△5

79,086

121,493

1,269

122,762

 

 

 

 

 

 

 

剰余金の配当

△45,915

△520

△46,435

自己株式の取得

△21

△21

自己株式の処分

98

98

振替

△7,224

所有者との取引額等合計

△7,224

△45,838

△520

△46,359

期末残高

(2024年3月31日)

258,855

32

258,886

875,614

23,361

898,975

 

前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

親会社の所有者に帰属する持分

 

資本金

資本剰余金

自己株式

利益剰余金

その他の資本の構成要素

 

その他の包括利益を通じて公正価値で

測定する

金融資産

確定給付

制度に係る

再測定

期首残高

(2022年4月1日)

44,986

77,605

△33,936

506,583

当期利益

55,432

その他の包括利益合計

5,541

1,086

当期包括利益

55,432

5,541

1,086

 

 

 

 

 

 

 

剰余金の配当

△45,893

株式報酬取引

△27

自己株式の取得

△20

自己株式の処分

43

73

支配継続子会社に対する

持分変動

1,192

244

振替

6,627

△5,541

△1,086

その他

25

所有者との取引額等合計

1,208

298

△39,241

△5,541

△1,086

期末残高

(2023年3月31日)

44,986

78,813

△33,638

522,774

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

非支配持分

資本合計

 

その他の資本の構成要素

親会社の所有者に帰属する持分合計

 

在外営業

活動体の

換算差額

キャッシュ

・フロー

・ヘッジ

その他の資本の構成要素

合計

期首残高

(2022年4月1日)

153,584

153,584

748,821

22,712

771,534

当期利益

55,432

1,404

56,836

その他の包括利益合計

33,404

37

40,068

40,068

△11

40,057

当期包括利益

33,404

37

40,068

95,500

1,393

96,893

 

 

 

 

 

 

 

剰余金の配当

△45,893

△44

△45,937

株式報酬取引

△27

△27

自己株式の取得

△20

△20

自己株式の処分

116

116

支配継続子会社に対する

持分変動

1,437

△1,449

△13

振替

△6,627

その他

25

25

所有者との取引額等合計

△6,627

△44,362

△1,493

△45,855

期末残高

(2023年3月31日)

186,988

37

187,024

799,959

22,612

822,571

 

5) 連結キャッシュ・フロー計算書

 

 

(単位:百万円)

 

 当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

 

税引前当期利益

61,823

45,012

減価償却費及び償却費

39,398

39,981

減損損失

2,398

2,019

運転資本の増減額(△は増加)

△27,249

△61,514

利息及び配当金の受取額

9,611

4,561

利息の支払額

△1,558

△1,484

法人所得税の支払額

△12,732

△22,612

法人所得税の還付額

3,527

その他

△19,225

△7,735

営業活動によるキャッシュ・フロー

55,993

△1,772

 

 

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 

有形固定資産の取得による支出

△14,321

△22,576

無形資産の取得による支出

△10,502

△11,983

有形固定資産・無形資産の売却による収入

1,964

576

子会社の売却による収入

5,035

関連会社の売却による収入

175

金融資産の取得による支出

△6,492

△3,701

金融資産の売却・償還による収入

3,795

9,907

3カ月超預金の預入による支出

△3

△0

3カ月超預金の払戻による収入

90

139

その他

148

△295

投資活動によるキャッシュ・フロー

△25,321

△22,723

 

 

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

 

短期借入金の増減額(△は減少)

△6,569

31,201

長期借入れによる収入

49,825

長期借入金の返済による支出

△10,000

△29

リース負債の返済による支出

△9,584

△9,884

配当金の支払額

△45,915

△45,893

その他

△477

83

財務活動によるキャッシュ・フロー

△22,720

△24,522

 

 

 

現金及び現金同等物に係る換算差額

29,375

6,735

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

37,328

△42,282

現金及び現金同等物の期首残高

267,350

309,633

現金及び現金同等物の期末残高

304,678

267,350

 

6) 連結財務諸表に関する注記事項

(継続企業の前提に関する注記)

該当事項はありません。

(連結財務諸表作成の基礎)

(1) 準拠の表明

当社は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしているため、同第93条の規定により、当社グループの連結財務諸表をIFRSに準拠して作成しています。

(2) 測定の基礎

当社グループの連結財務諸表は、公正価値で測定されている金融商品、退職後給付制度に係る資産及び負債等を除き、取得原価を基礎として作成しています。

(3) 表示通貨及び表示単位

当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示し、百万円未満を四捨五入しています。

(4) 会計方針の変更

当社グループが当連結会計年度より適用している主な基準書及び解釈指針は次のとおりです。当社グループが、当該基準書及び解釈指針を適用したことによる、当連結財務諸表への重要な影響はありません。

基準書及び解釈指針

強制適用開始時期

(以降開始年度)

当社グループ

適用開始時期

概要

IAS第1号

財務諸表の表示

2023年1月1日

2024年3月期

重要性のある会計方針の情報を開示する旨の改訂

IAS第8号

会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬

2023年1月1日

2024年3月期

会計方針の変更及び会計上の見積りの変更についての区別の明確化

IAS第12号

法人所得税

2023年1月1日

2024年3月期

繰延税金資産及び繰延税金負債の認識に係る会計処理の明確化

IAS第12号

法人所得税

2023年1月1日

2024年3月期

経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税の開示

 

 

(5) 未適用の公表済み基準書及び解釈指針

当社グループの連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針は次のとおりです。

基準書及び解釈指針

強制適用開始時期

(以降開始年度)

当社グループ

適用開始時期

概要

IAS第1号

財務諸表の表示

2024年1月1日

2025年3月期

負債の流動または非流動の分類を明確化

IFRS第16号

リース

2024年1月1日

2025年3月期

セール・アンド・リースバック取引におけるリース負債の会計処理の明確化

IAS第7号

IFRS第7号

キャッシュ・フロー計算書

金融商品:開示

2024年1月1日

2025年3月期

サプライヤー・ファイナンス契約に係る開示の改訂

IAS第21号

外国為替レート変動の影響

2025年1月1日

2026年3月期

ある通貨が他の通貨への交換可能性が欠如している場合に使用する為替レートの明確化及び開示

IFRS第18号

財務諸表における表示及び開示

2027年1月1日

2028年3月期

財務諸表における表示及び開示の改訂

IFRS第10号

IAS第28号

 

連結財務諸表

関連会社及び共同支配企業に対する投資

未定

未定

関連会社等に対する資産の売却等の会計処理の改訂

当連結会計年度末現在において、当社グループはこれらの基準書及び解釈指針を適用していません。上記基準書及び解釈指針を適用することによる連結財務諸表への影響は検討中です。

 

(重要性のある会計方針)

当社グループの重要性のある会計方針は次のとおりであり、当連結財務諸表が表示されているすべての期間について適用しています。

(1) 連結の基本方針

当社グループの連結財務諸表は、当社、連結子会社、関連会社及び共同支配企業に対する持分(以下、「持分法適用会社」という。)の財務諸表に基づき、統一された会計方針を用いて作成しています。連結子会社及び持分法適用会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて各社の財務諸表に調整を加えています。また、連結財務諸表の作成にあたり、連結会社間の内部取引高、債権債務残高及び内部取引によって発生した未実現損益を消去しています。

① 連結子会社

連結子会社とは、当社グループにより支配されている企業です。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動にさらされ、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を与える能力を有する場合をいいます。

連結子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結財務諸表に含めています。支配の喪失を伴わない連結子会社に対する持分の変動は、資本取引として非支配持分の修正額と支払対価または受取対価の公正価値との差額を資本剰余金に直接認識し、親会社の所有者に帰属させています。

② 関連会社

関連会社とは、当該企業の経営方針に対して、当社グループが重要な影響力を有するが、当社グループにより支配されていない企業です。すべての関連会社に対して、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法を適用して会計処理しています。

③ 共同支配の取決め

共同支配の取決めとは、当社グループが共同支配を有する取決めをいいます。共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有であり、取決めのリターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。

当社グループは、その共同支配の取決めへの関与を、当該取決めの当事者の権利及び義務に応じて、共同支配事業(取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めに関する資産に対する権利及び負債に対する義務を有している場合)と共同支配企業(当社グループが取決めの純資産に対する権利のみを有する場合)に分類しています。

共同支配事業については、共同支配事業に関する資産、負債、収益及び費用のうち、当社グループの持分相当額を認識しています。

共同支配企業に対する持分については、持分法を適用して会計処理しています。

 

(2) 企業結合

当社グループは、取得法により企業結合の会計処理をしています。

取得法に基づき、取得日の公正価値で測定された支払対価と被取得企業に対する非支配持分の金額の合計を取得原価としています。非支配持分は、その公正価値または被取得企業の識別可能資産及び負債の公正価値に対する持分割合相当額で測定しています。企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しています。

支払対価の公正価値、被取得企業の非支配持分及び取得企業が以前より保有していた被取得企業の支配獲得日の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額をのれんとして認識しています。一方、この対価の総額が、識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、その差額は損益として認識しています。

企業結合が発生した報告年度末までに企業結合の当初の会計処理が完了しない場合、未完了な項目については暫定的な金額で報告しています。取得日時点で認識された暫定的な金額を測定期間の間に修正する場合、取得日に遡って修正しています。測定期間とは、取得日から当社グループが取得日に存在した事実や状況に関する完全な情報を入手する日までの期間であり、最長で1年間です。

(3) 外貨換算

当社グループにおける個々の企業の財務諸表は、それぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引を当該機能通貨により表示しています。一方、当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円により表示しています。

外貨建取引は、取引日における為替レートまたはそれに近似するレートにより機能通貨に換算しています。外貨建ての貨幣性資産及び負債は、連結決算日の為替レートにより機能通貨に換算しています。当該換算及び決済から生じる換算差額は、損益として認識しています。

在外営業活動体の業績及び財政状態を連結財務諸表に組み込むにあたり、当社グループの在外営業活動体の資産及び負債は、連結決算日の為替レートにより日本円に換算しています。また、損益項目は、期中平均為替レートで換算しています。この結果生じる為替差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素として認識しています。なお、累積された為替換算差額は、その在外営業活動体が処分された時点で損益として認識しています。

(4) 収益の認識

当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客との契約から生じる収益を認識しています。なお、当社グループが認識した収益に係る対価は、通常、履行義務の充足から1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。

ステップ1: 顧客との契約を識別する

ステップ2: 契約における履行義務を識別する

ステップ3: 取引価格を算定する

ステップ4: 取引価格を契約における履行義務に配分する

ステップ5: 企業が履行義務を充足した時に(または充足するにつれて)収益を認識する

 

① 医薬品販売による収益

当社グループは、医薬品販売については、通常、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、当社グループの履行義務が充足されると判断していることから、当該製品の引渡時点で収益を認識しています。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、契約条件及び過去の実績等に基づき最頻値法を用いて見積もった値引、リベート及び返品などを控除した金額で測定しています。

② ライセンス供与による収益

当社グループは、当社グループの開発品または製品に係るライセンスの供与による収益(契約一時金、マイルストン及び売上高ベースのロイヤルティに係る収益)を認識しています。

契約一時金及びマイルストンに係る収益は、ライセンスの供与時点において、顧客が当該ライセンスに対する支配を獲得することで当社グループの履行義務が充足されると判断した場合、当該時点で収益を認識しています。

また、売上高ベースのロイヤルティに係る収益は、算定基礎となる売上が発生した時点と売上高ベースのロイヤルティが配分されている履行義務が充足される時点のいずれか遅い時点で収益を認識しています。

③ 共同販促(サービスの提供)による収益

当社グループは、顧客に対し共同販促活動を提供する場合、当社グループが共同販促活動を実施した時点において、当社グループの履行義務が充足されると判断していることから、共同販促活動の実施時点で収益を認識しています。また、この共同販促により発生する費用の当社グループ負担分を、販売費及び一般管理費として認識しています。

(5) 共同開発及び共同販促

当社グループは、当社グループの開発品及び製品について、提携企業との間で共同開発及び共同販促契約を締結しています。この場合、当社グループは医薬品販売(物品の販売)による収益を売上収益として計上し、関連する当社グループの費用を原価、販売費及び一般管理費、研究開発費として計上し、総額で表示しています。また、当社グループは、当該医薬品販売による収益に対する提携企業の持分を、共同販促費用として販売費及び一般管理費に計上しています。

上記契約に基づき、当社グループが提携企業から契約の対価として契約一時金及びマイルストン等を受領する場合、契約での取決め及び取引の経済実態に照らし、これらの契約の対価をライセンス供与、共同開発活動または共同販促活動のいずれかに配分しています。

① ライセンス供与

上記「(4)収益の認識 ②ライセンス供与による収益」に従い、売上収益として計上しています。契約での取決め及び取引の経済実態に照らし、顧客との契約から生じる収益に該当しない場合、その他の源泉から生じる売上収益に区分しています。

② 共同開発活動

当社グループは、共同開発に配分した対価を共同開発活動の進捗に応じて、研究開発費の戻入として計上しています。

③ 共同販促活動

当社グループは、共同販促に配分した対価を共同販促活動の進捗及び成果に応じて、その他の収益または関連する費用(売上原価、販売費及び一般管理費)の戻入として計上しています。

抗がん剤「レンビマ」に関するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとの戦略的提携

2018年3月、当社は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(以下、「米メルク社」という。)と抗がん剤「レンビマ」に関してがん領域における戦略的提携に合意しました。本契約に基づき、両社は、「レンビマ」の単剤療法、ならびに米メルク社の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(一般名)との併用療法における共同開発と共同販促を行います。

本契約における当社グループの会計処理は次のとおりです。

・本提携以降、当社グループは、「レンビマ」の販売に係る売上収益及び売上原価を計上します。また、当社グループで発生した「レンビマ」の販売費及び一般管理費に加え、当社グループが米メルク社に支払う「レンビマ」の折半利益を販売費及び一般管理費に計上します。

・当社グループは、「レンビマ」の単剤療法及びペムブロリズマブとの併用療法に関する研究開発費についても、米メルク社と折半します。ただし、折半した後の研究開発費のうち、当社グループが負担する研究開発費の償還として、契約締結時に米メルク社より450百万米ドルを受領し、預り金に計上しました。当社グループは、「レンビマ」に係る当社グループが負担する研究開発費が発生する都度、当該預り金を取り崩し、研究開発費の戻入処理をします。なお、米メルク社から受領した預り金全額の取り崩しが完了しています。

・本契約に基づき、当社グループは、米メルク社から受領する契約一時金、特定のオプション権行使に係る一時金及び販売マイルストンを、ライセンス供与に対する対価に配分します。また、開発マイルストンについては、当該マイルストンそれぞれの内容に応じて、ライセンス供与または共同開発活動に対する対価に配分します。

アルツハイマー病治療剤「レケンビ」に関するBiogen Inc.(米国)との戦略的提携

当社は、Biogen Inc.(以下、「バイオジェン社」という。)と締結したアルツハイマー病治療剤「レケンビ」(一般名:レカネマブ)に関する共同開発・共同販促契約に基づき、当社が開発および薬事申請をグローバルに主導し、当社の最終意思決定権のもとで、当社とバイオジェン社が共同商業化・共同販促を行います。

本契約における当社グループの会計処理は次のとおりです。

・本提携以降、当社グループは、販売承認取得後の地域における「レケンビ」の販売に係る売上収益及び売上原価を計上します。また、当社グループで発生した「レケンビ」の販売費及び一般管理費に加え、当社グループがバイオジェン社に支払う折半利益を販売費及び一般管理費に計上します。なお、折半利益がマイナスとなりバイオジェン社から受領する場合は、販売費及び一般管理費の戻入として計上します。

・「レケンビ」に係る研究開発費は、当社グループとバイオジェン社で折半し、当社グループの負担金額を研究開発費に計上します。また、販売承認取得前の地域における共同商業化費用についても両社で折半し、当社グループの負担金額を販売費及び一般管理費に計上します。

・当社が「レケンビ」の導入元であるBioArctic AB(スウェーデン)に支払うマイルストンについてもバイオジェン社と折半し、当社負担金額を無形資産として計上します。当該無形資産の償却費は、売上原価として計上します。

アルツハイマー病治療剤「Aduhelm」に関するバイオジェン社との戦略的提携

当社は、バイオジェン社と締結したアルツハイマー病治療剤に関する共同開発・共同販促契約に基づき、バイオジェン社とアルツハイマー病治療剤「Aduhelm」(一般名:アデュカヌマブ)の共同開発及び共同販促を行ってきましたが、2022年3月に当該共同開発・共同販促契約を見直し、2023年1月1日以降当社が「Aduhelm」の売上に応じたロイヤルティを受領するスキームに変更されました。

これに伴い、2023年1月1日以降当社は「Aduhelm」の売上に応じたロイヤルティを売上収益として計上します。

また、2022年12月31日までの期間の当社グループの会計処理は下記のとおりです。

・各社で発生する「Aduhelm」に係る損益は合算され、地域別の損益配分比率を用いて配分されます。当社には、米国における損益の45%、欧州における損益の31.5%、日本とアジア(中国、韓国を除く)における損益の80%、その他の地域における損益の50%が配分されます。

・「Aduhelm」の販売を開始した米国においては、バイオジェン社が「Aduhelm」の販売に係る売上収益を計上します。当社グループは、当社グループの共同販促活動で生じた費用(販売費及び一般管理費)に、「Aduhelm」に係る営業損益(研究開発費を除く)の当社グループ帰属分を加えた金額を売上収益として計上します。なお、当該金額がマイナスとなる場合は、販売費及び一般管理費に計上します。

・当社グループは、「Aduhelm」に係る研究開発費の45%を当社グループの負担金額として研究開発費に計上します。また、販売承認取得前の地域における共同商業化費用について、上記の地域別の損益配分比率に応じた当社グループの負担金額を販売費及び一般管理費に計上します。

・当社グループは、バイオジェン社が「Aduhelm」の導入元であるNeurimmune社(スイス)に対して支払うマイルストンについても、上記の地域別の損益配分比率に応じて負担し、当社負担金額は無形資産として計上します。当該無形資産の償却費は、売上原価として計上します。

抗体薬物複合体「MORAb-202」に関するBristol Myers Squibb(米国)との戦略的提携

2021年6月、当社は、Bristol Myers Squibb(以下、「BMS社」という。)と抗体薬物複合体「MORAb-202」に関してグローバルな独占的戦略的提携契約を締結しました。本契約に基づき、両社は、「MORAb-202」について、コラボレーションテリトリーにおける共同開発及び共同商業化を行います。また、コラボレーションテリトリー以外の地域については、BMS社が単独で開発及び商業化を行います。

BMS社は、当社に対し、契約締結時に一時金として650百万米ドルを支払いました。そのうち、200百万米ドルが、契約締結日以降の当社の本剤に関する研究開発費に充当されます。また、当社は、開発、薬事及び販売マイルストンの達成により最大で2,450百万米ドルを受け取ります。すべての開発、薬事及び販売マイルストンを達成した場合には、契約締結時の一時金を含め、最大で総額3,100百万米ドルが当社に支払われます。

本契約における当社グループの会計処理は次のとおりです。

・本提携以降に発生する「MORAb-202」に係る研究開発費は、当社グループとBMS社が共同で負担します。当社グループは、本契約に基づき、当社グループの負担金額を研究開発費に計上します。

・当社グループが負担する研究開発費の償還として、契約締結時にBMS社より受領した200百万米ドルを預り金として計上しました。当社グループは、「MORAb-202」に係る当社グループが負担する研究開発費が発生する都度、当該預り金を取り崩し、研究開発費の戻入処理をします。

・本契約に基づき、当社グループは、BMS社から受領する契約締結時の一時金(研究開発費の償還金を除く)及び販売マイルストンをライセンス供与に対する対価に配分します。また、開発及び薬事マイルストンについて、当該マイルストンそれぞれの内容に応じて、ライセンス供与または共同開発活動に対する対価に配分します。

(6) 研究開発費

① 研究費

当社グループは、研究活動(共同研究及び委託研究を含む)に係る支出を研究開発費として認識しています。

② 開発費

当社グループは、開発活動に係る支出が自己創設無形資産の要件を満たした場合に、当該支出を無形資産として認識しています。当社グループの社内発生開発費は、承認が得られないリスク及び開発が遅延または中止となるリスクがあるため、自己創設無形資産の要件を満たしておらず、研究開発費として認識しています。

他社から取得した仕掛中の研究開発投資については、無形資産として認識しています。

また、共同研究開発契約等により、当社グループが提携企業から開発負担金を受領した場合は、当該開発負担金を開発活動の進捗に応じて、研究開発費から差し引いています。

(7) 従業員給付

① 退職後給付

当社グループの退職後給付制度は、確定給付型制度と確定拠出型制度があります。

確定給付型制度においては、各連結決算日に実施する年金数理計算で予測単位積増方式を使用して当期勤務費用を算定し、費用として認識しています。当期に発生したすべての数理計算上の差異は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素として認識後、利益剰余金に振り替えています。退職後給付に係る負債または資産は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しています。確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの返還または将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としています。

確定拠出型制度においては、従業員が受給権を得る役務を提供した時点で当社グループの拠出額を費用として認識しています。

② 解雇給付

当社グループは、当社グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、または従業員が給付と引き換えに自発的に退職する場合に解雇給付を支給します。当社グループは、(a)当社グループが当該給付の申し出を撤回できなくなった時、または、(b)当社グループが、解雇給付の支払いを伴うリストラクチャリングに係るコストを認識した時のいずれか早い方の日に解雇給付を費用として認識しています。従業員に対して自発的退職を奨励する募集を行った場合、当社グループの申し出を受け入れると予想される従業員数に基づいて解雇給付を測定しています。

(8) 株式報酬費用

① ストック・オプション制度

当社は、2013年3月期まで取締役、執行役及び使用人の一部に対して、持分決済型の株式報酬(ストック・オプション)を付与しています。

当社グループは、ストック・オプションの対価として受領したサービスは費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しています。当該費用は、付与日において適切な価格モデルにより評価されたストック・オプションの公正価値であり、制度の権利確定期間まで、定額法により費用として認識されます。この評価に際しては、最終権利確定時の失効率を見積っており、その見積りを修正した場合は、残りの権利確定期間にて調整を行っています。

② 業績連動型株式報酬制度

当社は、2014年3月期より当社株式を業績に応じて毎年、執行役に交付する業績連動型株式報酬制度を導入しており、2024年3月期より当該制度を改定しています。当社グループは、受領したサービスの対価を、付与する当社株式の公正価値を参照して測定しています。算定されたサービスの対価は費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しています。

なお、上記の業績連動型株式報酬制度には該当しませんが、当社は2024年3月期より当社の取締役の報酬制度を改定し、取締役の報酬等は定額の基本報酬のみとし、その一部を株式で支払うものとしています。当社グループは、受領したサービスの対価を、付与する当社株式の公正価値を参照して測定しています。算定されたサービスの対価は費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しています。

 

(9) 法人所得税

法人所得税は当期税金費用及び繰延税金費用の合計金額です。

① 当期税金費用

当社グループは、当期の課税所得に基づき当期税金費用を認識しています。税額の算定には連結決算日において制定され、または実質的に制定されている税率を用いています。未収法人所得税及び未払法人所得税は、税務当局から還付もしくは税務当局に対する納付が予想される金額で測定しています。

② 繰延税金費用

当社グループは、税務上と会計上の資産及び負債の金額に係る一時差異に対して、資産負債法により繰延税金費用を認識しています。原則として、繰延税金負債はすべての将来加算一時差異について認識し、繰延税金資産は、将来減算一時差異が利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識しています。ただし、次の一時差異に係る繰延税金資産及び負債は認識していません。

・のれんから生じる一時差異

・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引によって発生する資産及び負債の当初の認識により生じる一時差異

連結子会社及び持分法適用会社への投資に関する将来加算一時差異に係る繰延税金負債は、一時差異の解消時期を当社がコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識していません。

また、連結子会社及び持分法適用会社への投資に関する将来減算一時差異に係る繰延税金資産は、予測可能な将来の期間に当該一時差異が解消し、かつ、当該一時差異からの便益を利用できる十分な課税所得が生じる可能性が高い範囲でのみ認識しています。

繰延税金資産及び負債は、連結決算日において制定され、または実質的に制定されている法令に基づき、関連する一時差異が解消される時に適用されると予想される税率を使用して算定しています。

当社または連結子会社が未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法的権利を有し、かつ企業が純額により決済することを意図する場合、繰延税金資産及び負債を相殺表示しています。

(10) 有形固定資産

当社グループは、有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額にて表示しています。

取得原価には、資産の取得に直接要した費用、資産除去及び原状回復費用の見積金額の現在価値を含めています。また、一定の要件を満たした場合、資産の取得や建設などに直接起因した借入コストを当該資産の取得原価の一部として認識しています。

減価償却費は、資産の残存価額控除後の取得原価を償却するために、定額法により見積耐用年数にわたって認識しています。見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、連結決算日に見直し、見積りの変更による影響は、見積りを変更した期間及び将来の期間において認識しています。

主な見積耐用年数は次のとおりです。なお、使用権資産の詳細は、「(18) リース」に記載しています。

・建物     15~50年

・機械装置    5~20年

・使用権資産   3~20年

有形固定資産の売却または除却から生じる損益は、その他の収益またはその他の費用として認識しています。

(11) 無形資産

当社グループは、無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額にて表示しています。

個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しています。企業結合で取得した無形資産は、取得時点の公正価値で測定しています。

償却費は、定額法により見積耐用年数にわたって認識しています。見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、連結決算日に見直し、見積りの変更による影響は、見積りを変更した期間及び将来の期間において認識しています。

主な見積耐用年数は次のとおりです。

・販売権     5~15年

・技術資産     20年

・ソフトウェア    5年

当社グループが取得した仕掛中の研究開発投資の会計処理は、次のとおりです。

① 個別に取得した仕掛中の研究開発投資(In-process research and development project:IPR&D資産)

当社グループは、個別に取得した仕掛中の研究開発投資を、以下の認識要件を満たした場合に資産として認識しています。

・将来の経済的便益をもたらす蓋然性が高いこと

・取得原価について信頼性をもって測定できること

他社から仕掛中の研究開発投資を取得する際の支出(契約一時金及びマイルストン)は、上記の認識要件を満たしているため、IPR&D資産として認識しています。

当社グループの取得後のIPR&D資産に対する社内発生開発費は、研究開発費として認識しています。

IPR&D資産は、販売可能となった時点で販売権に振り替え、その見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。見積耐用年数は、関連する特許権の法的保護期間などを考慮したキャッシュ・フローの予測期間に基づいて決定しています。

② 企業結合で取得した仕掛中の研究開発投資

企業結合により取得し、のれんとは区別して認識される仕掛中の研究開発投資は、上記①に記載された無形資産の認識要件を満たしています。そのため、当社グループは、当該研究開発投資を取得日の公正価値で測定し、IPR&D資産として認識しています。

IPR&D資産は、販売可能となった時点で販売権に振り替え、その見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。見積耐用年数は、関連する特許権の法的保護期間などを考慮したキャッシュ・フローの予測期間に基づいて決定しています。

(12) 有形固定資産及び無形資産の減損

当社グループは、各会計期間末に有形固定資産及び無形資産の減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候がある場合には、減損テストを実施しています。耐用年数が確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、毎年一定の時期及び減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。

減損テストでは、回収可能価額を見積り、帳簿価額と回収可能価額の比較を行います。回収可能価額は、売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方です。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことによって算定しています。資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合、資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しています。

(13) のれん

当社グループは、企業結合で発生したのれんを支配獲得日(取得日)に資産として認識しています。のれんは、移転対価の公正価値、被取得企業の非支配持分及び取得企業が以前より保有していた被取得企業の支配獲得日の公正価値の合計が、支配獲得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定されます。一方、この対価の総額が、識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、その差額は損益として認識しています。

のれんは、企業結合によるシナジーを享受できると見込まれる資金生成単位または資金生成単位グループに配分しています。のれんは償却していませんが、のれんを配分した資金生成単位または資金生成単位グループについては毎年一定の時期及び減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。資金生成単位または資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合、その差額を減損損失として認識しています。

(14) 棚卸資産

当社グループは、棚卸資産を取得原価または正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しています。取得原価は総平均法により評価しています。正味実現可能価額は、棚卸資産の見積販売価額から製品完成までのすべての製造費用及び販売費用を控除した後の金額です。

(15) 金融資産

① 金融資産の分類

当社グループは、すべての金融資産を当初認識時において、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(以下、「FVTOCI金融資産」という。)、損益を通じて公正価値で測定する金融資産(以下、「FVTPL金融資産」という。)に分類しています。

(a) 償却原価で測定する金融資産

当社グループは、以下の条件をともに満たす負債性金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。

・契約上のキャッシュ・フローの回収を保有目的とする事業モデルの中で保有している

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローが特定の日に生じる

償却原価で測定する金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識し、当初認識後は実効金利法による償却原価から減損損失累計額を控除した金額で認識しています。

(b) FVTOCI金融資産 (負債性金融資産)

当社グループは、以下の条件をともに満たす負債性金融資産を、FVTOCI金融資産に分類しています。

・契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方によって保有目的が達成される事業モデルの中で保有している

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローが特定の日に生じる

当該金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識しています。当初認識後の公正価値の変動及び認識の中止に係る利得または損失をその他の包括利益において認識しています。

(c) FVTOCI金融資産 (資本性金融資産)

当社グループは、すべての資本性金融資産をFVTOCI金融資産に指定しています。

当該金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識しています。当初認識後の公正価値の変動及び認識の中止に係る利得または損失をその他の包括利益において認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、利益剰余金に振り替えています。

当該金融資産に係る受取配当金は、当該配当金が明らかに投資の取得原価の回収を示している場合を除いて、配当受領権が確定した時点で金融収益として認識しています。

(d) FVTPL金融資産

当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びFVTOCI金融資産に分類されない負債性金融資産を、FVTPL金融資産に分類しています。

FVTPL金融資産は、公正価値で当初認識し、当初認識後の公正価値の変動及び売却損益は金融損益として認識しています。

② 金融資産の減損

当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びFVTOCI金融資産(負債性金融資産)について、予想信用損失に対する損失評価引当金を認識しています。当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、その損失評価引当金を12カ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かにかかわらず、損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。

金融資産に係る損失評価引当金の繰入額は、損益で認識しています。また、損失評価引当金を減額する事象が生じた場合は、損失評価引当金の戻入額を損益で認識しています。

③ 認識の中止

当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、または金融資産を譲渡し、ほとんどすべてのリスクと経済価値が受取人に移転した場合にのみ、金融資産の認識を中止しています。金融資産の認識の中止に係る利得または損失は、償却原価で測定する金融資産及びFVTPL金融資産については損益として認識し、FVTOCI金融資産についてはその他の包括利益として認識しています。

(16) ヘッジ会計

当社グループは、金利スワップ及び先物為替予約等のデリバティブ取引を使用し、金利及び為替レートの変動によるリスクに対処しています。これらのデリバティブは、契約が締結された日の公正価値で資産または負債として認識しています。

当初認識後の公正価値の変動は、ヘッジ対象とヘッジ手段がヘッジ会計の要件を満たさない場合は損益として認識しています。ヘッジ会計の要件を満たす場合の会計処理は、次のとおりです。

① 公正価値ヘッジ

ヘッジ対象の公正価値の変動リスクをヘッジする目的のデリバティブは、その公正価値の変動を損益として認識しています。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動は、ヘッジ対象の帳簿価額を修正し、損益として認識しています。

② キャッシュ・フロー・ヘッジ

ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的のデリバティブは、ヘッジ対象の公正価値の変動が損益として認識されるまで、その変動をその他の包括利益として認識し、その累計額をその他の資本の構成要素として認識しています。その他の資本の構成要素として認識された金額は、ヘッジ対象の公正価値の変動が損益として認識される場合に、その影響を相殺するよう損益に振り替えています。

(17) 引当金

当社グループは、過去の事象の結果として、合理的に見積り可能な法的または推定的債務を現在の負債として負っており、当該債務を決済するために経済的便益の流出が生じる可能性が高い場合に、引当金を認識しています。

引当金として認識された金額は、連結決算日における現在の債務を決済するために要する支出に関して、リスク及び不確実性を考慮に入れた最善の見積りです。引当金は見積キャッシュ・フローにより測定しており、貨幣の時間価値の影響が大きい場合、引当金の帳簿価額はそのキャッシュ・フローの現在価値で測定しています。割引計算を行った場合、時の経過による引当金の増加は金融費用として認識しています。

① 売上割戻引当金

当社グループは、販売済の製品及び商品に対する連結決算日以降に予想される売上割戻に備えるため、対象となる売上収益に見積割戻率を乗じた金額を売上割戻引当金として認識しています。主に連結決算日より1年以内に支払うことを見込んでいます。

② 資産除去債務引当金

当社グループは、当社グループが使用する賃借建物及び敷地等に対する原状回復義務及び固定資産に関連する有害物質の除去に備え、過去の原状回復実績及び事務所等に施した内部造作の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間等を基礎として、各物件の状況を個別に勘案して資産除去費用を見積り、資産除去債務引当金として認識しています。主に連結決算日より1年を経過した後に支払うことを見込んでいます。

③ リストラクチャリング引当金

当社グループは、組織構造改革に関連する費用等をリストラクチャリング引当金として認識しており、主に連結決算日より1年以内に支払うことを見込んでいます。リストラクチャリング引当金は、詳細な公式の計画を有し、かつ計画の実施や公表を通じて、影響を受ける関係者に当該リストラクチャリングが確実に実施されると予期させた時点で認識しています。

(18) リース

① 借手の会計処理

当社グループは、リース取引におけるリース開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しています。

当社グループは、使用権資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額にて表示しています。取得原価には、リース負債の当初測定額、資産の取得に直接要した費用、資産除去及び原状回復費用の見積金額の現在価値を含め、受領済みのリース・インセンティブを控除しています。減価償却費は、定額法により、リース開始日から使用権資産の見積耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い方までの期間にわたって認識しています。

リース負債は、リース開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割引いた現在価値で当初測定しています。リースの計算利子率が容易に算定できない場合は、当社グループの追加借入利子率を割引率として使用しています。当初認識後のリース負債は、リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額し、支払われたリース料を反映するように帳簿価額を減額しています。また、リース契約の変更や更新があった場合には、事後的な見直しを行い、リースの条件変更を反映するようにリース負債を再測定し、同時に、使用権資産の修正を認識しています。

なお、当社グループは、リース期間が12カ月以内の短期リース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択し、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しています。

② 貸手の会計処理

当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを借手に移転するリースは、ファイナンス・リースに分類しています。ファイナンス・リースについては、ファイナンス・リースに基づいて保有している資産を認識し、正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示しています。

原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを借手に移転するものではないリースは、オペレーティング・リースに分類しています。オペレーティング・リースについては、リース料をリース期間にわたり、定額法により収益として認識しています。

(重要な会計上の見積り及び判断)

当社グループの連結財務諸表は、経営者の見積り及び判断を含んでいます。

(1) 重要な会計上の見積り及び仮定

当連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが行った重要な会計上の見積り及び使用した仮定は次のとおりです。見積りの基礎となる仮定は継続的に見直しています。見積りの変更による影響は、見積りを変更した期間及び将来の期間において認識しています。なお、これらの見積り及び仮定に関する不確実性により、将来の期間において資産または負債の帳簿価額に対して重要な修正が求められる結果となる可能性があります。

① のれん及び無形資産の減損テスト

当社グループは、資金生成単位または資金生成単位グループより生じることが予想される将来キャッシュ・フロー、成長率及び現在価値の算定をするための割引率を見積り、のれん及び無形資産の減損テストを実施しています。

② 有形固定資産及び無形資産の見積耐用年数

当社グループは、連結決算日において、有形固定資産及び無形資産の見積耐用年数を見直しています。

③ 金融商品の公正価値評価

当社グループは、特定の金融資産の公正価値を見積るために、観察可能な市場データに基づかないインプットを含む評価技法を使用しています。

④ 退職後給付

確定給付制度債務は、年金数理計算に用いられる仮定に左右されます。当社グループは、仮定に用いる割引率、将来の給与水準、退職率及び死亡率等を、直近の市場データ、統計データなどに基づき設定しています。

⑤ 法人所得税

当社グループは、各国の税務当局に納付すると予想される金額を法令等に従って合理的に見積り、法人所得税を認識しています。

当社グループは、税務調査の結果により修正される法人所得税の見積額に基づいて負債を認識し、同一の単位で評価される繰延税金資産と当該負債を純額で表示しています。税務調査による最終税額が当該負債の金額と異なる場合、その差額を税額が決定する期間において認識しています。

また、繰延税金資産は、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲においてのみ認識しています。当社グループは、事業計画等に基づいて将来獲得しうる課税所得の時期及びその金額を合理的に見積り、課税所得が生じる可能性を判断しています。

(2) 会計方針を適用する際の重要な判断

当連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが行った顧客との契約から生じる収益の金額及び認識時期の決定に重要な影響を与える判断は、「重要な会計方針 (4)収益の認識及び(5)共同開発及び共同販促」に記載のとおりです。

(セグメント情報)

(1) 一般情報

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、トップマネジメントが定期的に検討を行う対象となっているものです。

当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成する日本、アメリカス(北米)、中国、EMEA(欧州、中東、アフリカ、ロシア、オセアニア)、アジア・ラテンアメリカ(韓国、台湾、インド、

アセアン、中南米等)の5つの事業セグメントを報告セグメントとしています。

なお、当連結会計年度における日本事業の再編に伴い、一般用医薬品等事業を日本医薬品事業へ統合しています。

前連結会計年度のセグメント情報は、当該変更を反映しています。

 

(2) 報告セグメントに関する情報

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

 

売上収益

セグメント利益

売上収益

セグメント利益

医薬品事業

 

 

 

 

日本

216,935

72,781

238,927

72,880

アメリカス

232,381

147,184

212,742

133,420

中国

111,928

57,680

110,768

55,623

EMEA

75,989

41,976

72,159

41,553

アジア・ラテンアメリカ

54,226

23,977

49,839

22,119

 報告セグメント計

691,458

343,598

684,434

325,595

その他事業(注1)

50,293

40,188

59,969

48,484

 事業計

741,751

383,786

744,402

374,079

研究開発費(注2)

△169,021

△172,999

親会社の本社管理費等(注3)

△161,357

△161,040

連結損益計算書の営業利益

53,408

40,040

(注1) その他事業は、親会社のライセンス収入及び医薬品原料などに係る事業です。当連結会計年度の売上収益及びセグメント利益には、米メルク社との抗がん剤「レンビマ」に関する戦略的提携のマイルストン18,926百万円(前連結会計年度は16,691百万円)を含めています。

(注2) 当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分していません。

(注3) 親会社の本社管理費等は、当社グループ全体の運営に係る費用等であり、その他の収益及び費用ならびにパートナーとの戦略的提携に伴う利益及び費用の折半金額を含めています。当連結会計年度の親会社の本社管理費等には、当社グループが米メルク社に支払う抗がん剤「レンビマ」の折半利益141,586百万円(前連結会計年度は121,279百万円)を含めています。

 

(3) 主要な製品に関する情報

外部顧客への売上収益

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

ニューロロジー

領域製品

オンコロジー

領域製品

その他

合計

 当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

145,720

343,174

252,857

741,751

 前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

144,502

299,074

300,827

744,402

 

 

(4) 主要な顧客に関する情報

  連結損益計算書における売上収益の主な相手先(グループ会社を含む)は、次のとおりです。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称

売上収益

関連するセグメント名

McKesson Corporation

58,287

アメリカス医薬品事業

㈱メディパルホールディングス

53,482

日本医薬品事業

Cencora,Inc.

51,209

アメリカス医薬品事業

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称

売上収益

関連するセグメント名

㈱メディパルホールディングス

56,025

日本医薬品事業

McKesson Corporation

52,968

アメリカス医薬品事業

アルフレッサ ホールディングス㈱

51,046

日本医薬品事業

 

(5) 主要な地域に関する情報

売上収益(注1)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

日本

米州

(注2)

欧州

(注3)

中国

その他

合計

 当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

226,445

253,756

90,528

109,283

61,739

741,751

 前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

250,327

239,293

86,026

108,562

60,195

744,402

(注1) 売上収益を顧客等の所在地により、主要な地域に分類しています。

   日本及び中国以外の区分に属する主な国または地域は、次のとおりです。

   ① 米州:北米、中南米

   ② 欧州:イギリス、フランス、ドイツ、スペイン

   ③ その他:アジア、中東、オセアニア

(注2) 米州のうち、米国における当連結会計年度の売上収益は243,142百万円(前連結会計年度は231,356百万円)です。

(注3) 当連結会計年度の売上収益には、米メルク社との抗がん剤「レンビマ」に関する戦略的提携のマイルストン18,926百万円(前連結会計年度は16,691百万円)を含めています。

 

非流動資産(注1)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

日本

米州

(注2)

欧州

中国

その他

合計

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

165,661

279,357

19,300

16,121

8,093

488,532

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

172,418

254,734

16,839

16,043

7,187

467,220

(注1) 非流動資産を資産の所在地により、主要な地域に分類しています。

   日本及び中国以外の区分に属する主な国または地域は、次のとおりです。

   ① 米州:北米、中南米

   ② 欧州:イギリス、フランス、ドイツ、スペイン

   ③ その他:アジア、中東、オセアニア

   なお、非流動資産は、主に有形固定資産、のれん及び無形資産で構成されており、金融資産、繰延税金資産及び退職後給付に係る資産を除いています。

(注2) 米州のうち、米国における当連結会計年度末の非流動資産は278,965百万円(前連結会計年度末は254,587百万円)で

す。

 

(連結損益計算書)

(1) 売上収益

当社グループは、売上収益を財またはサービスの種類別に分解しています。分解した売上収益と報告セグメントとの関係は、次のとおりです。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

医薬品販売

による収益

ライセンス供与

による収益

その他の収益

合計

医薬品事業

 

 

 

 

日本

 213,412

 1,878

 1,645

 216,935

アメリカス

 231,904

 476

 232,381

中国

 111,921

 6

 111,928

EMEA

 75,989

 75,989

アジア・ラテンアメリカ

 54,072

 154

 54,226

 報告セグメント計

 687,298

 2,515

 1,645

 691,458

その他事業(注1)

 37,652

 12,641

 50,293

 合計

 687,298

 40,167

 14,285

 741,751

(注1) その他事業は、親会社のライセンス収入及び医薬品原料などに係る事業です。当連結会計年度のライセンス供与による収益には米メルク社との抗がん剤「レンビマ」に関する戦略的提携のマイルストン18,926百万円を含めています。

(注2) 当連結会計年度の売上収益は、すべて顧客との契約から認識しています。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

医薬品販売

による収益

ライセンス供与

による収益

その他の収益

合計

医薬品事業

 

 

 

 

日本

 232,781

 2,819

 3,327

 238,927

アメリカス

 212,232

 509

 -

 212,742

中国

 110,748

 20

 -

 110,768

EMEA

 72,159

 -

 -

 72,159

アジア・ラテンアメリカ

 49,454

 384

 -

 49,839

 報告セグメント計

 677,374

 3,732

 3,327

 684,434

その他事業(注1)

 -

 49,525

 10,443

 59,969

 合計

 677,374

 53,258

 13,771

 744,402

うち顧客との契約から認識した収益

 677,374

 52,258

 13,771

 743,402

うちその他の源泉から認識した収益(注2)

 -

 1,000

 -

 1,000

(注1) その他事業は、親会社のライセンス収入及び医薬品原料などに係る事業です。前連結会計年度のライセンス供与による収益には米メルク社との抗がん剤「レンビマ」に関する戦略的提携のマイルストン16,691百万円を含めています。

(注2) その他の源泉から認識した収益は、契約の相手方が顧客ではなく、共同販促活動に係るリスクと便益を共有する提携企業からの収益です。

 

(2) 従業員給付

前連結会計年度において、当社グループは当社の米国連結子会社であるH3 Biomedicine Inc.のオフィス及び研究所の閉鎖に伴い、1,367百万円の解雇給付を計上しています。詳細は「(4)研究開発費」に記載しています。

 

(3) 販売費及び一般管理費

当連結会計年度において、当社グループが米メルク社に支払う抗がん剤「レンビマ」の折半利益141,586百万円(前連結会計年度は121,279百万円)を販売費及び一般管理費に計上しています。

(4) 研究開発費

当連結会計年度において、当社の米国連結子会社であるEisai Inc.において賃貸借契約を締結している旧本社の一部の研究施設の遊休化に伴い、当社グループは当該施設に係る使用権資産の回収可能価額をゼロとし、使用権資産に係る減損損失2,248百万円を研究開発費に計上しています。

前連結会計年度において、当社の米国連結子会社であるH3 Biomedicine Inc.について、Eisai Inc.に吸収合併しました。H3 Biomedicine Inc.が有する研究機能のほか、創薬基盤及び研究開発品等の資産はグループ内に移転・移管し、オフィス及び研究所は閉鎖しました。当社グループは、オフィス及び研究所の閉鎖に伴い発生した解雇給付1,367百万円を研究開発費に計上しています。また、前連結会計年度において、当社の連結子会社であるEAファーマ株式会社(東京都)は、一部の医療機器の開発を中止しました。これに伴い、当該開発品の回収可能価額をゼロとし、IPR&D資産に係る減損損失1,410百万円を研究開発費に計上しています。

(5) 費用の性質に関する情報

各連結会計年度における売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費の性質に関する情報は、次のとおりです。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

売上原価

販売費及び

一般管理費

研究開発費

合計

減価償却費及び償却費

16,754

10,337

12,307

39,398

減損損失(注1)

2,398

2,398

短期従業員給付

16,621

112,886

63,456

192,962

退職後給付

754

4,192

2,173

7,119

解雇給付

154

1,224

1,378

(注1) 研究開発費に計上した減損損失はセグメントに配分していませんなお主な減損損失については、「(連結損益計算書) (4)研究開発費に記載しています

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

売上原価

販売費及び

一般管理費

研究開発費

合計

減価償却費及び償却費

16,830

10,153

12,998

39,981

減損損失(注1)

75

1

1,943

2,019

減損損失戻入(注2)

△14

△14

短期従業員給付

15,857

95,705

61,051

172,612

退職後給付

739

3,893

2,268

6,899

解雇給付(注3)

574

1,367

1,940

(注1) 各セグメントで認識した減損損失の金額は、日本医薬品事業62百万円、欧州医薬品事業13百万円です。また研究開発費に計上した減損損失はセグメントに配分していませんなお主な減損損失については、「(連結損益計算書) (4)研究開発費に記載しています

(注2) 減損損失戻入の金額は中国医薬品事業14百万円です

(注3) 主な解雇給付については、「(連結損益計算書) (2)従業員給付」に記載しています。

 

(6) その他の収益

当連結会計年度において、当社グループは当社のフランス子会社Eisai S.A.S.における精神疾患治療剤「Loxapac」及びパーキンソン病治療剤「Parkinane LP」のフランス、フランス海外領土及びアルジェリアにおける権利の譲渡に伴い、固定資産売却益8,859百万円を計上しています。また、当連結会計年度において、為替差益464百万円を計上しています。

前連結会計年度において、当社グループは当社の連結子会社であるエーザイ物流株式会社(神奈川県)の全株式譲渡に伴う子会社売却益3,803百万円を計上しています。

 

(7) その他の費用

前連結会計年度において、為替差損2,199百万円を計上しています。

 

(8) 法人所得税

 前連結会計年度において、当社グループの資本政策の一環としてグローバルな資金配分の最適化を企図し、米国連結子会社から資金を回収するため、当社は、米国連結子会社であるEisai Corporation of North Americaから払込資本の払戻し63,622百万円を受領しました。この結果、当社にて税務上の譲渡損失等が発生し、法人所得税が21,588百万円減少しています。

 

(1株当たり当期利益)

(1) 基本的1株当たり当期利益

各連結会計年度における基本的1株当たり当期利益の算定の基礎は、次のとおりです。

 

 当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)

42,406

55,432

期中平均普通株式数(千株)(注1)

286,803

286,757

基本的1株当たり当期利益(円)

147.86

193.31

(注1) 上記1株当たり情報の算出において控除する自己株式には、信託として保有する当社株式を含めています。

 

(2) 希薄化後1株当たり当期利益

各連結会計年度における希薄化後1株当たり当期利益の算定の基礎は、次のとおりです。

 

 当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)

42,406

55,432

当期利益調整額(百万円)

希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円)

42,406

55,432

期中平均普通株式数(千株)(注1)

286,803

286,757

 ストック・オプションに係る調整株数(千株)(注2)

4

希薄化後の期中平均普通株式数(千株)

286,803

286,761

希薄化後1株当たり当期利益(円)

147.86

193.31

(注1) 上記1株当たり情報の算出において控除する自己株式には、信託として保有する当社株式を含めています。

(注2)前連結会計年度において、希薄化効果を有しないため、希薄化後1株当たり当期利益の算定から除外したストック・オプションに係る株数はありません。

(連結キャッシュ・フロー計算書)

(1) 各連結会計年度における運転資本の増減内容は、次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

営業債権の増減額(△は増加)

1,496

37,386

棚卸資産の増減額(△は増加)

△21,718

△36,885

その他の債権の増減額(△は増加)

△6,162

△8,842

営業債務の増減額(△は減少)

△11,067

4,571

預り金の増減額(△は減少)

△1,295

△1,911

その他の債務の増減額(△は減少)

11,497

△55,834

運転資本の増減額(△は増加)

△27,249

△61,514

 

(2) 子会社の売却による収入

前連結会計年度における子会社の売却による収入5,035百万円は、当社の連結子会社であるエーザイ物流株式会社の全株式譲渡に伴う子会社の売却による収入です。

(重要な後発事象)

当社は、2024年5月15日開催の取締役会において、会社法第459条第1項の規定及び当社定款第40条の定めに基づき、自己株式取得に係る事項について決議しました。また、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議しました。

 

(1) 自己株式の取得および消却を行う理由

今後の業績見通しと株主還元のバランス等を総合的に勘案し、中長期的なROEマネジメントを見据えて自己株式の取得および消却を行うものです。

 

(2) 取得に係る事項の内容

① 取得対象株式の種類:    当社普通株式

② 取得し得る株式の総数:   6,500,000株(上限)

(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合:2.3%)

③ 株式の取得価額の総額:   300億円(上限)

④ 取得期間:         2024年5月16日から2024年11月15日まで

⑤ 取得方法:         東京証券取引所における取引一任契約に基づく市場買付

 

(3) 消却に係る事項の内容

① 消却する株式の種類:    当社普通株式

② 消却する株式の数:     上記(2)により取得した自己株式の全株式数

③ 消却予定日:        2024年11月29日(予定)