当連結会計年度におけるわが国の経済は、中国経済の減速や新興国の景気低迷への警戒感及び中東情勢への不安感など海外情勢の影響により、株価や為替といった金融市場の動向が不安定となりました。また、個人消費についても実質賃金の伸び悩みから消費支出は足踏み状態にあり全体として景気は先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの属する健康関連業界も、健康意識の高まりが持続し、昨年4月から新たな機能性表示食品制度が始まる等大きな変革期を迎えました。但し、異業種を含む大手企業の新規参入等による業界内の競合は激化しており、当社グループを取り巻く環境は依然として厳しい状況下にあります。
このような状況のなか、当社グループとしては、「伝統と技術と人材力を価値にする」をビジョンとして積極的な諸施策・諸活動を展開してまいりました。
その結果、当連結会計年度は、機能性表示食品「ヘルスエイド シリーズ」の新発売を背景としたヘルスケア事業並びにカプセル受託事業とも売上は好調に推移し、売上高は、10,432百万円(前年同期比6.3%増)と前年同期と比べ614百万円の増収となりました。
利益面においては、原価のコストダウンに注力した結果、売上総利益率の増加が大きく影響し、効果的なプロモーション活動など費用の効率化を図ったこともあり営業利益は、391百万円(前年同期比258.4%増)と前年同期と比べ282百万円の増益となりました。
また、営業外損益を加えた経常利益は、408百万円(前年同期比224.0%増)と前年同期と比べ282百万円の増益となりました。
さらには投資有価証券評価損63百万円の特別損失を加えた税金等調整前当期純利益は、344百万円と前年同期と比べ220百万円の増益となり、法人税等並びに法人税等調整額を加えた親会社株主に帰属する当期純利益は、375百万円(前年同期比276.7%増)と前年同期と比べ276百万円の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① ヘルスケア事業
当セグメントにおきましては、機能性表示食品「ヘルスエイド シリーズ」が順調に推移しており、その結果、売上高は、6,621百万円と前年同期と比べ275百万円の増収となりました。
損益面では、機能性表示食品のプロモーション活動の先行投資的な費用負担が影響し、当連結会計年度のセグメント損失は、212百万円と前年同期と比べ41百万円の減益となりました。
なお、セグメント利益は、上期単独では△244百万円でしたが、下期単独では32百万円と黒転し、着実に利益体質への転換が進んでおります。
② カプセル受託事業
当セグメントにおきましては、医薬品カプセルの受託は落ち込みましたが、フレーバーカプセルは引き続き順調に推移した結果、売上高は、3,796百万円と前年同期と比べ354百万円の増収となりました。
損益面では、コストダウン諸施策による原価率の改善等により、当連結会計年度のセグメント利益は、600百万円と前年同期と比べ326百万円の増益となりました。
③ その他
当セグメントにおきましては、売上高は、14百万円と前年同期と比べ15百万円の減収となりました。
損益面では、当連結会計年度のセグメント利益は、3百万円と前年同期と比べ2百万円の減益となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は1,586百万円と前年同期と比べ85百万円の増加となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、969百万円の増加(前連結会計年度は1,070百万円の増加)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益344百万円、減価償却費718百万円、売上債権の減少173百万円、たな卸資産の増加386百万円、仕入債務の増加127百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、440百万円の減少(前連結会計年度は218百万円の減少)となりました。その主な要因は、設備更新投資など有形固定資産の取得による支出335百万円、投資有価証券の取得による支出59百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、442百万円の減少(前連結会計年度は533百万円の減少)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出380百万円、配当金支払61百万円によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
ヘルスケア事業 | 8,037 | 32.7 |
カプセル受託事業 | 3,452 | 2.3 |
合計 | 11,490 | 21.8 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
カプセル受託事業 | 3,931 | 15.5 | 822 | 19.8 |
合計 | 3,931 | 15.5 | 822 | 19.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
ヘルスケア事業 | 6,621 | 4.3 |
カプセル受託事業 | 3,796 | 10.3 |
その他 | 14 | △52.5 |
合計 | 10,432 | 6.3 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
三菱商事プラスチック(株) | - | - | 1,657 | 15.9 |
前連結会計年度は、総販売実績の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
以下の基本方針に沿って、施策の具体化やグループ業績目標を実現していくために課題解決に取り組んでまいります。
(1) 事業領域の拡充
既存のヘルスケア事業・カプセル受託事業に加え、当社の技術のルーツである生薬(原材料ビジネスを含む)やシームレスカプセルを中心とした当社ならではの事業領域への拡充に取り組んでまいります。特にシームレスカプセルは従前の食品・医薬品から産業用途への領域拡大を積極的にビジネス展開してまいります。
(2) 研究開発及び製品開発の更なる推進
ヘルスケア事業及びカプセル受託事業の拡大には、ともに顧客満足(クライアントを含む)に資する新機能、新用途を持つ高付加価値製品の開発が必須条件であり、研究開発体制を充実させ、開発資源の投資配分に留意しつつ新製品や新分野への展開を積極的に進めてまいります。
なお、研究開発投資に際しては、様々な形での外部資源の有効活用を検討してまいります。
(3) 人材の確保及び育成
当社は製造販売業という業種並びに通信販売・国内小売店向販売、かつ受託事業をも営む性格上、各部門では各々専門知識を有する人材の育成が必要であることから、引き続き教育訓練を充実し、人材育成に注力してまいります。
(4) 内部統制体制の充実
コンプライアンスの徹底を図るとともに金融商品取引法に規定される財務報告に係る内部統制の適切な整備・運営を続けてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 医薬品医療機器等法などの法的規制について
当社グループは医薬品・医薬部外品・健康食品等の健康関連商品の製造販売を主な事業としており、製商品の多くが「医薬品医療機器等法」の規制を受けております。また、製商品によっては「JAS法」「食品衛生法」や「保健機能食品制度」などの規制を受けております。
さらには、通信販売などを公正に行い消費者の保護を目的とする「特定商取引に関する法律」や不当な景品・表示による顧客の誘引防止を目的とする「不当景品類及び不当表示防止法」などの規制を受けております。
このため行政の動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また当社グループは「コンプライアンス・マニュアル」を制定し、法令遵守を徹底しておりますが、万一これらに抵触することがあった場合も業績に影響を与える可能性があります。
(2) 個人情報について
当社グループは、健康関連商品の通信販売及びインターネット販売事業を行っており、多くの個人情報を保有しております。当社グループは、「個人情報保護規程」を制定し厳格な個人情報の管理の徹底を図っておりますが、何らかの原因により個人情報が流失した場合、社会的信用の失墜、訴訟提起による損害賠償等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) カプセル受託事業について
カプセル受託事業は、当社滋賀工場が世界最大級規模のシームレスカプセル専用工場であることから、食品及び非食品の海外大手メーカー等からの大口受託が多く、受託先の需要動向により受託高が大きく増減する傾向があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループはリスクの分散を図るため、国内外において受託先の拡大を図る一方、工業用などの用途の多様化を目指したカプセル技術開発を積極的に推進しております。
(4) 新製品開発と競争激化について
当社グループが製造販売している健康関連商品は、異業種を含む大手企業の進出や様々な新興企業の業界参入など競争は年々激化しております。
当社グループは、新製品の研究開発により市場の要請に合った製商品の開発に努めておりますが、市場の動向や需要の変化等を十分に予測し魅力ある製商品を開発できず他社との差別化の対応が不十分な場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 知的財産権について
当社グループでは、特許権や商標権等の知的財産権の確保を重要な事項として認識しており、当社グループ独自の技術・ノウハウの保護や第三者の知的財産権を侵害しないように注意を払っています。
但し、当社グループにおいて知的財産権に関する問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループにおいては、当社のみが「医薬品、健康関連商品及びカプセル受託品の製造」事業に関する研究開発活動を行っており、セグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
ヘルスケア事業に関しては、医薬品、医薬部外品、医療機器、化粧品、健康食品、食品のカテゴリーにおいて、当社独自の「機能性素材」及び基幹技術である「シームレスカプセル技術」を応用した健康関連商品の開発を進めております。
当連結会計年度においては、腸内環境デザインのバイオベンチャー「メタジェン」と、ビフィズス菌摂取時のヒト腸内環境の変動をメタボロゲノミクスにより詳細に解析する、世界初となる共同研究を開始しました。当社主力商品であるプロバイオ商品「ビフィーナ」を摂取することにより、ヒトの腸内環境に与える影響を詳細に明らかにすることで新たな機能性の解明が期待され、将来的には腸内フローラを改善する有用素材(プレバイオティクスやバイオジェニックス)などを組み合わせて配合した、いわゆる「オーダーメイドプロバイオティクス」を提供することを目指します。
平成27年4月より施行された「機能性表示食品制度」に基づき、食品が持つ機能性を解り易く表示することが可能となる新ブランド「ヘルスエイド」として、「ビフィーナ」、「ローズヒップ」、「ヒアルロン酸」、「テアニン」、「サラシア」、「還元型コエンザイムQ10」の販売を開始しました。この制度は、科学的根拠を基に適正な表示をする必要があり、臨床試験又は研究レビュー(システマティックレビュー)によって説明が必要となりますが、エビデンスに基づく信頼性の高い素材を厳選し開発に注力いたしました。特に「ローズヒップ」「サラシア」等の独自素材は自社商品のみならず、この機能性表示食品制度に適合した高付加価値素材として、素材販売・OEM開発への拡大も今後さらに展開してまいります。
医薬品分野では当社と神戸大学が共同特許出願した経口ワクチンに関する研究開発の取り組みで、経口ワクチンのプラットフォーム技術を基にしたC型肝炎治療ワクチンなどへ、実用化を目指して取り組んでおります。
当社健康関連商品や機能性素材のエビデンス取得に関しましては、当分野の差別化戦略において、今後ますます重要になってくると考えており、お客様により確実な商品をお届けするためにも、積極的に取り組んでおります。エビデンスの取得に際しては、研究を加速するため多くの大学や企業との共同研究を行っており、前述のメタジェンをはじめとして理化学研究所、神戸大学、東北大学、九州大学、岐阜大学等と取り組んできました。
当連結会計年度におけるヘルスケア事業に関する研究開発費の金額は368万円であります。
カプセル受託事業に関しては、当社独自の「シームレスカプセル技術」を基盤として技術展開を進めております。医薬品分野においては、前述の経口ワクチンをはじめとする当社特許技術である腸溶性カプセルなどを応用したDDS(ドラッグデリバリーシステム)カプセルのさらなる活用を目指し、研究開発を推進し、展示会等を通じて技術紹介を積極的に行っております。平成27年3月に「農林水産業の革新的技術緊急展開事業(農林水産省)」に採択されました「牛へのカプセル投与による高付加価値牛乳の生産技術の研究開発」においても、腸溶性シームレスカプセル技術を応用し牛の反芻胃(ルーメン)での分解を避け、腸まで有効成分(αリノレン酸)を届けることができるカプセル(ルーメンバイパス製剤)の実証実験を行っております。ビタミンやプロバイオティクス由来の様々な有効成分を含む高付加価値牛乳生産に繋がり、酪農分野の市場拡大と健康増進に寄与するものと考えられます。
また、多様な産業用途に適合した非食用皮膜カプセルの応用研究のうち、微生物等を包含したシームレスカプセル利用のレアメタル(希少金属)回収研究に関しては、長浜工場における実証プラントを整備し、リサイクル事業を展開する企業と共同で実証研究を行っております。それ以外にも、建築用資材、一般日用品、医療機器、農林水産用途など、さまざまな分野で各企業・大学の技術ニーズに合わせて研究開発を行っております。
当連結会計年度におけるカプセル受託事業の研究開発費の金額は403百万円であります。
結果として、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は771百万円であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第一部 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は13,668百万円となり、前連結会計年度末と比べ315百万円の増加となりました。その内訳は、流動資産が4,809百万円(前年同期比7.7%増)、固定資産が8,858百万円(前年同期比0.3%減)であり、流動資産の主な変動要因は、売上債権の減少、たな卸資産の増加、現金及び預金の増加であり、固定資産の主な変動要因は、減価償却費の進捗による固定資産の減少及び投資有価証券の増加であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は4,533百万円となり、前連結会計年度末と比べ207百万円の減少となりました。その内訳は、流動負債が2,428百万円(前年同期比2.5%増)、固定負債が2,105百万円(前年同期比11.2%減)であり、流動負債の主な変動要因は、仕入債務の増加であり、固定負債の主な変動要因は、長期借入金の減少等であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は9,134百万円となり、前連結会計年度末と比べ523百万円の増加となりました。これは、利益剰余金の増加及びその他有価証券評価差額金の増加等によるものであります。
「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。