第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の回復に伴う企業収益の改善、原油価格上昇に伴うガソリンや灯油の大幅上昇を主因とした消費者物価の上昇など、緩やかな回復基調が続いております。また、雇用情勢も有効求人倍率が上昇を続けるなど、雇用所得環境の改善を背景にした個人消費の持ち直しについても回復の兆しがみられるようになりました。

当社グループの属する業界も、健康意識の高まりが持続し、平成27年4月より食品の新たな機能性表示制度が始まる等大きな変革期を迎えました。但し、異業種を含む大手企業の新規参入など更なる競合激化は続いており、当社グループを取り巻く環境は依然として厳しいものとなっております。

このような状況のなか、当社グループとしては、「伝統と技術と人材力を価値にする」をビジョンとして平成27年機能性表示制度開始直後の6月に販売を開始しました「ヘルスエイド® シリーズ」が引き続き好調に推移したこと、また、機能性素材であるローズヒップ、サラシアといった当社独自の素材販売を強化することにより、売上高は、10,967百万円(前年同期比5.1%増)と前年同期と比べ535百万円の増収となりました。

利益面においては、効率的なプロモーション活動及びコストダウン諸施策による原価率の低減により営業利益は、427百万円(前年同期比9.0%増)と前年同期と比べ35百万円の増益となりました。

また、営業外損益を加えた経常利益は、443百万円(前年同期比8.5%増)と前年同期と比べ34百万円の増益となりました。

さらには投資有価証券評価損59百万円等の特別損失を加えた税金等調整前当期純利益は、379百万円と前年同期と比べ34百万円の増益となり、法人税等並びに法人税等調整額を加えた親会社株主に帰属する当期純利益は、240百万円(前年同期比35.9%減)と前年同期と比べ135百万円の減益となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① ヘルスケア事業

当セグメントにおきましては、機能性表示食品「ヘルスエイド® シリーズ」が引き続き順調に推移し、また機能性素材の販売強化により、売上高は、7,751百万円と前年同期と比べ411百万円の増収となりました。

損益面では、回転率の悪い商品を評価減するなど在庫の整理をしましたが、効率的なプロモーション活動等により、当連結会計年度のセグメント利益は、51百万円と前年同期と比べ155百万円の増益となりました。

 

② カプセル受託事業

当セグメントにおきましては、医薬品カプセルやその他の受託については前年並みに推移し、またフレーバーカプセルも引き続き順調に推移し、その結果、売上高は、3,191百万円と前年同期と比べ112百万円の増収となりました。

損益面では、コストダウン諸施策による原価率の改善に努めた結果、当連結会計年度のセグメント利益は、497百万円と前年同期と比べ5百万円の増益となりました。

 

③ その他

当セグメントにおきましては、売上高は、24百万円と前年同期と比べ10百万円の増収となりました。

損益面では、主には長期にわたる創薬事業の知財取得に費用を支出した結果、当連結会計年度のセグメント損失は、122百万円と前年同期と比べ125百万円の減益となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は2,877百万円と前年同期と比べ1,291百万円の増加となりました。

当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、1,301百万円の増加(前連結会計年度は969百万円の増加)となりました。その主な変動要因は、税金等調整前当期純利益379百万円、減価償却費708百万円、返品調整引当金の増加113百万円、売上債権の増加171百万円、たな卸資産の減少377百万円、仕入債務の減少209百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、227百万円の減少(前連結会計年度は440百万円の減少)となりました。その主な変動要因は、設備更新投資など有形固定資産の取得による支出189百万円、無形固定資産の取得による支出73百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、216百万円の増加(前連結会計年度は442百万円の減少)となりました。その主な変動要因は長期借入による収入962百万円、長期借入金の返済による支出592百万円、配当金支払152百万円によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は変更後の区分により作成した情報に基づいて記載しております。

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

ヘルスケア事業

8,379

△4.1

カプセル受託事業

2,736

△0.7

合計

11,116

△3.3

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

ヘルスケア事業

822

10.9

202

2.4

カプセル受託事業

3,306

3.6

549

△12.0

合計

4,128

5.0

752

△8.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ヘルスケア事業

7,751

5.6

カプセル受託事業

3,191

3.7

その他

24

72.6

合計

10,967

5.1

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

三菱商事プラスチック(株)

1,657

15.9

1,820

16.6

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の基本方針に沿って、施策の具体化やグループ業績目標を実現していくために課題解決に取り組んでまいります。

(1) 事業領域の拡充

既存のヘルスケア事業・カプセル受託事業に加え、当社の技術のルーツである生薬(原材料ビジネスを含む)やシームレスカプセルを中心とした当社ならではの事業領域への拡充に取り組んでまいります。特にシームレスカプセルは従前の食品・医薬品から産業用途への領域拡大を積極的にビジネス展開してまいります。

 

(2) 研究開発及び製品開発の更なる推進

ヘルスケア事業及びカプセル受託事業の拡大には、ともに顧客満足に資する新機能、新用途を持つ高付加価値製品の開発が必須条件であり、研究開発体制を充実させ、開発資源の投資配分に留意しつつ新製品や新分野への展開を積極的に進めてまいります。

なお、研究開発投資に際しては、様々な形での外部資源の有効活用を検討してまいります。

 

(3) 人材の確保及び育成

当社は製造販売業という業種並びに通信販売・国内小売店向販売、かつ受託事業をも営む性格上、各部門では各々専門知識を有する人材の育成が必要であることから、引き続き教育訓練を充実し、人材育成に注力してまいります。

 

(4) 内部統制体制の充実

コンプライアンスの徹底を図るとともに金融商品取引法に規定される財務報告に係る内部統制の適切な整備・運営を続けてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 医薬品医療機器等法などの法的規制について

当社グループは医薬品・医薬部外品・健康食品等の健康関連商品の製造販売を主な事業としており、製商品の多くが「医薬品医療機器等法」の規制を受けております。また、製商品によっては「JAS法」「食品衛生法」や「保健機能食品制度」などの規制を受けております。

さらには、通信販売などを公正に行い消費者の保護を目的とする「特定商取引に関する法律」や不当な景品・表示による顧客の誘引防止を目的とする「不当景品類及び不当表示防止法」などの規制を受けております。

このため行政の動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また当社グループは「コンプライアンス・マニュアル」を制定し、法令遵守を徹底しておりますが、万一これらに抵触することがあった場合も業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 個人情報について

当社グループは、健康関連商品の通信販売及びインターネット販売事業を行っており、多くの個人情報を保有しております。当社グループは、「個人情報保護規程」を制定し厳格な個人情報の管理の徹底を図っておりますが、何らかの原因により個人情報が流失した場合、社会的信用の失墜、訴訟提起による損害賠償等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) カプセル受託事業について

カプセル受託事業は、当社滋賀工場が世界最大級規模のシームレスカプセル専用工場であることから、食品及び非食品の海外大手メーカー等からの大口受託が多く、受託先の需要動向により受託高が大きく増減する傾向があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、当社グループはリスクの分散を図るため、国内外において受託先の拡大を図る一方、工業用などの用途の多様化を目指したカプセル技術開発を積極的に推進しております。

 

(4) 新製品開発と競争激化について

当社グループが製造販売している健康関連商品は、異業種を含む大手企業の進出や様々な新興企業の業界参入など競争は年々激化しております。

当社グループは、新製品の研究開発により市場の要請に合った製商品の開発に努めておりますが、市場の動向や需要の変化等を十分に予測し魅力ある製商品を開発できず他社との差別化の対応が不十分な場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 知的財産権について

当社グループでは、特許権や商標権等の知的財産権の確保を重要な事項として認識しており、当社グループ独自の技術・ノウハウの保護や第三者の知的財産権を侵害しないように注意を払っています。

但し、当社グループにおいて知的財産権に関する問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおいては、当社のみが「医薬品、健康関連商品及びカプセル受託品の製造」事業に関する研究開発活動を行っており、セグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

ヘルスケア事業に関しては、医薬品、医薬部外品、医療機器、化粧品、健康食品、食品のカテゴリーにおいて、当社独自の「機能性素材」及び基幹技術である「シームレスカプセル技術」を応用した健康関連商品の開発を進めております。

当連結会計年度においては、昨年から継続して腸内環境デザインのバイオベンチャー「メタジェン」とのビフィズス菌摂取時のヒト腸内環境の変動をメタボロゲノミクスにより詳細に解析する、世界初となる共同研究を継続しております。当社根幹技術であるシームレスカプセルを用いて、生きたまま様々な菌を腸内に届けることが、ヒトの腸内環境にどのように影響するのかを詳細に明らかにすることで、新たな機能性の解明を期待し、将来的には腸内フローラを改善する有用素材(プレバイオティクスやバイオジェニックス)などを組み合わせて配合した、いわゆる「オーダーメイドプロバイオティクス」を提供し、当社主力のプロバイオ商品である「ビフィーナ」の強化を目指します。

平成27年4月より施行された「機能性表示食品制度」に基づき、食品が持つ機能性を解り易く表示することが可能となる新ブランド「ヘルスエイド」を立ち上げ、昨年は9商品を発売しましたが、今期はさらに1品「DHA&EPA」の販売を開始しました。またヘルスエイド以外の食品としても3品「アスパラメタロック」「サラシア珈琲」「テアニンゼリー」が受領されました。この制度は、科学的根拠を基に適正な表示をする必要があり、臨床試験又は研究レビュー(システマティックレビュー)によって説明が必要となりますが、エビデンスに基づく信頼性の高い素材を厳選し開発に注力おります。特に「ローズヒップ」「サラシア」等の独自素材は自社商品のみならず、この機能性表示食品制度に適合した高付加価値素材として、数品届出受領されており、シームレスカプセルの受託を含め、素材販売・OEM開発への拡大も広がっており、今後もさらに展開してまいります。

医薬品分野では、昨年12月にアンジェスMG株式会社と、同社の保有する日本、その他における経口投与型子宮頸部前がん病変治療ワクチンのライセンス等に関する契約を締結しましたが、当該治療ワクチンの実用化を目指し、開発を推進しております。また、当社と神戸大学が共有する特許に基づく経口ワクチンプラットフォーム技術を基に、各種疾患に対応した経口ワクチンの実用化も目指しており、引き続き研究開発に取り組んでおります。これらに加え、ジェネリック医薬品やOTC医薬品の開発も進めており、多くの利益を期待しております。

当社健康関連商品や機能性素材のエビデンス取得に関しましては、当分野の差別化戦略において、今後ますます重要になってくると考えており、お客様により確実な商品をお届けするためにも、積極的に取り組んでおります。エビデンスの取得に際しては、研究を加速するため多くの大学や企業との共同研究を行っており、前述のメタジェンをはじめとして理化学研究所、神戸大学、東北大学、九州大学、岐阜大学等と取り組んできました。

当連結会計年度におけるヘルスケア事業に関する研究開発費の金額は512百万円であります。

 

カプセル受託事業に関しては、当社独自の「シームレスカプセル技術」を基盤として技術展開を進めております。医薬品分野においては、前述の経口ワクチンをはじめとする当社特許技術である腸溶性カプセルなどを応用したDDS(ドラッグデリバリーシステム)カプセルのさらなる活用を目指し、研究開発を推進し、展示会等を通じて技術紹介を積極的に行っております。また特許出願も積極的に行っており、「ビフィーナ」を強化する特許も取得致しました。これはこれまでの腸溶性の機能を担保したまま、カプセル中の菌粉末含有量を飛躍的に向上させることを可能にするものであり、この技術を用いることで、サプリメントとして摂取する際のカプセルの量を減らすことが可能となり、飲みやすさの改善や少量のカプセルで効果が得られる商品の開発など、商品開発の応用範囲の更なる拡充を期待しております。

また、多様な産業用途に適合した非食用皮膜カプセルの応用研究のうち、微生物等を包含したシームレスカプセル利用のレアメタル(希少金属)回収研究に関しては、長浜工場における実証プラントを整備し、リサイクル事業を展開する企業と共同で実証研究を行っております。それ以外にも、建築用資材、一般日用品、医療機器、農林水産用途など、さまざまな分野で各企業・大学の技術ニーズに合わせて研究開発を行っております。

当連結会計年度におけるカプセル受託事業の研究開発費の金額は363百万円であります。

結果として、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は1,031百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第一部 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は14,320百万円と、前連結会計年度末と比べ652百万円(4.8%)の増加となりました。その内訳は、総資産の内訳は、流動資産が5,976百万円と前連結会計年度末と比べ1,167百万円(24.3%)の増加となり、固定資産が8,343百万円と前連結会計年度末と比べ514百万円(5.8%)の減少となりました。流動資産の主な変動要因は、現金及び預金の増加によるもので、固定資産の主な変動要因は、減価償却費の進捗による固定資産の減少によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は5,035百万円と前連結会計年度末と比べ502百万円(11.1%)の増加となりました。その内訳は、流動負債が2,881百万円と453百万円(18.7%)の増加となり、固定負債が2,154百万円と49百万円(2.3%)の増加となりました。これは、長期借入金の新規借入962百万円の増加によるもので、また、長期借入金の約定返済による1年内返済予定額の増加により、固定負債から流動負債へ692百万円が移行した事が主な変動要因であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は9,284百万円となり、前連結会計年度末と比べ149百万円(1.6%)の増加となりました。

 

(3) 経営成績の分析

「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。