当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済の景気は、踊り場を抜けて持ち直しの動きが見られ、内需主導で緩やかに回復しています。しかしながら、地政学的リスクの高まりによる燃料価格や原材料価格の上昇、それを受けての物価の上昇や名目賃金の上昇も今後も継続すると予想されます。
このような経済状況のもとで、当社グループは、コンシューマー事業におきましては、ナショナルブランド品の「ビフィーナ®」を主軸とし、国内販売が堅調に推移しております。2024年8月には、「JAPANドラッグストアショー」に出展し、次世代のスーパー物質として期待される「タンサ脂肪酸」をはじめとする新ブランドの商品ラインナップと、当社で培ってきた技術“届ける球体”腸テクノロジーの秘密について紹介いたしました。また、出展社の中から企画やデザインに優れたブースとして、当社のブースは実行委員長特別賞を受賞しました。今後も“届ける球体”技術を活用した腸テクノロジーによって、皆様の健康課題の解決を目指して製品及びサービス開発を進めてまいります。
2024年2月より「仁丹」のリブランディングに取り組んでおります。当社の技術力や品質、真心や熱意、挑戦心が詰まった“モノづくりの魂の原点”であり、社名の一部でもある「仁丹」をより身近に感じていただくため、「巨大ガチャイベント」に続き、8月に開催された「酒祭2024」にてサンプリングを行いました。今後も、若者をはじめ多くの方々に認知いただくべく、ステークホルダーの皆様とのリレーションを高めてまいります。
ソリューション事業におきましては、可食分野のジェネリック医薬品および機能性素材の販売と、非可食分野の化粧品用シームレスカプセルの販売が引き続き堅調に推移しております。2024年9月には、タイ・バンコクで開催されたアジア最大級の栄養補助食品イベント「Vitafoods Asia」に出展し、多くの治験と豊富な実績を持つ当社のシームレスカプセル技術について、その多様性と汎用性について幅広く情報発信しました。今後も、高付加価値シームレスカプセルの開発・製造、オープンイノベーションによるパートナーとの共創を推進してまいります。また、そこで得られた知見を新たなシームレスカプセル技術開発に応用するサイクルを構築して、社会へシームレスカプセル技術を通じたソリューションの提供を続けてまいります。
売上面では、ソリューション事業が増収したものの、コンシューマー事業が減収し、全体としては微増となりました。利益面では、当社で製造販売を行っている化粧品「販売名:仁丹パックシートH」の自主回収に伴う費用を計上したことにより、減益となりました。
この結果、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は7,046百万円となり、前連結会計年度末に比べ6百万円減少いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が338百万円増加しましたが、現金及び預金が248百万円、仕掛品が62百万円、商品及び製品が56百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は10,578百万円となり、前連結会計年度末に比べ447百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券の時価評価により投資有価証券が507百万円増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は、17,624百万円となり、前連結会計年度末に比べ441百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は3,178百万円となり、前連結会計年度末に比べ47百万円減少いたしました。これは主に短期借入金が500百万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が320百万円、未払費用が35百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は1,967百万円となり、前連結会計年度末に比べ154百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が192百万円増加しましたが、約定返済により長期借入金が45百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、負債合計は、5,146百万円となり、前連結会計年度末に比べ106百万円増加いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は12,478百万円となり、前連結会計年度末に比べ334百万円増加いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が344百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は70.8%(前連結会計年度末は70.7%)となりました。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高6,384百万円(前年同期比1.4%増)、営業利益244百万円(前年同期比60.6%減)、経常利益262百万円(前年同期比59.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益182百万円(前年同期比61.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同中間期比較については、前年同中間期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
① コンシューマー事業
コンシューマー事業は、ナショナルブランドを強化し、グローバルな視点で戦略を見直すことで収益性の見直しを推進しております。当セグメントにおきましては、「ビフィーナ®」を主軸とし、国内販売が堅調に推移しておりますが、一部のアジア地域では減収となりました。また、パックシートの自主回収に伴う費用を計上したことにより、利益面でも減益となりました。
当セグメントにおきましては、売上高は、2,387百万円(前年同期比9.9%減)、セグメント損失は、217百万円(前年同期比は、セグメント利益147百万円)となりました。
② ソリューション事業
ソリューション事業は、当社独自のシームレスカプセル技術や機能性素材を活かすことで、顧客の課題解決を実現しております。当セグメントにおきましては、機能性素材およびジェネリック医薬品の販売が前年同期と比べ増収となりました。
当セグメントにおきましては、売上高は、3,993百万円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益は、458百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
③ その他
当セグメントにおきましては、売上高は、3百万円(前年同期比4.8%減)、セグメント利益は、3百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、843百万円と前連結会計年度末と比べ248百万円(22.8%)の減少となりました。
当中間連結会計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における営業活動による資金の減少は117百万円(前年同期は163百万円の減少)となりました。その主な要因は、税金等調整前中間純利益262百万円、売上債権の増加額338百万円、仕入債務の減少額320百万円などによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は354百万円(前年同期は294百万円の減少)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出325百万円、無形固定資産の取得による支出24百万円などによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における財務活動による資金の増加は222百万円(前年同期は288百万円の減少)となりました。その主な要因は、短期借入金の純増加額500百万円、配当金の支払額194百万円、長期借入金の返済による支出82百万円によるものであります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、466百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主に異業種を含む大手企業の新規参入など、市場の競合激化などであります。
これらについて、当社グループとしては、「伝統と技術と人材力を価値にする」をビジョンとして、引き続き積極的な営業活動を展開するとともに、通販ECサイトの拡充、当社独自の機能性素材販売の拡大施策、アジア・ASEAN地域を中心とした海外事業の拡大などに取り組んでまいります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは健康関連商品の製造販売事業を行うための設備投資計画に照らして、必要な資金を主に銀行借入により調達を考えております。一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用しております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。