第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

 (1)会社の経営の基本方針

1907年の「朝日万金膏」発売以来、「サロンパス」に代表される経皮鎮痛消炎剤は、「貼る」ことで痛みやコリを治療する医薬品として、多くのお客さまにご愛用いただいています。

当社グループは、世界に誇るTDDS(経皮薬物送達システム)に基づく貼付剤の創薬・育薬と製剤技術の向上に努め、製造・販売を通じて、「世界の人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)向上を目指す」ことを経営理念とし、健やかな社会の形成に貢献してまいります。

当社グループが大事にしていく文化は、「手当て」の文化です。大切な人に手を添え、「がんばれ」、「元気になって」と、心を込めて癒やす。「手当て」に込められているのは、相手への思いやりです。それが「貼る」の原点であり、創業以来大切にしてきた、いたわりの治療文化です。相手を思いやり、やすらぎと驚きと感動を与えられる「手当て」の文化を広く世界の人々に伝えるべく、「「手当て」の文化を、世界へ。」を企業使命と定め、事業を積極的に展開してまいります。

 


 無形の貯蓄:久光製薬の「創業の精神」と位置づけ、企業価値は企業の考え方とそれに基づく行動に対する信頼であり、高い倫理観を持って歩みを続けていけば大きな支持と信頼を得ることができるという考え

 

 (2)目標とする経営指標

新型コロナウイルス感染症の拡大に端を発した急激な外部環境の変化や競争の激化を受け、社会の在り方やお客様のニーズが大きく変容しました。そこで当社は、進行中であった第6期中期経営方針を見直し、新しく認識した課題の克服と、2022年2月期(2021年度)を起点とした5ヵ年最終年度(2025年度)の目標を確実に達成すべく、2021年9月17日に「第7期中期経営方針 ~HX2025(Hisamitsu Transformation 2025)~」を発表しました。

第7期中期経営方針において、最終年度である2025年度に連結売上高のCAGR(年平均成長率)5%以上、ROE(自己資本利益率)8%以上、海外売上高比率50%以上を目標としています。新型コロナウイルス感染症の拡大による経済への影響や活動の停滞により減少した売上高を回復させると同時に、収益性を高めていくことで変革を遂げる5年間と位置付けて活動していきます。

 

 

 (3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症の収束時期等を予測することは依然として困難な状況にあります。国内需要の減少は段階的に回復するものと想定していますが、訪日外国人の大幅な減少、医療費抑制策の影響、企業間競争の激化など引き続き厳しい事業環境が続くと想定しており、当社グループでは次のように取り組んでいきます。

医療関係者への学術情報活動を一段と強化するとともに、医療関係者や患者さんのニーズに合致した新しい全身性及び局所性の貼付剤開発を目指します。また、営業、生産及び研究開発の機能を強化するとともに、収益の一層の向上を目指し、更なる成長に努めます。

国内の一般用医薬品事業につきましては、市場の低迷が長期化し企業間競争が激化する中で、当社は、既存商品の売上伸長を図るとともに、お客様のニーズにお応えできるよう商品の改良及び新商品の開発を行います。

当社は、鳥栖工場で製造する一般用医薬品において、規格に適合しない原料(着色料)を使用し製造及び製造販売したことにより、2021年8月に佐賀県から医薬品医療機器等法違反に基づく行政処分を受けました。当社では今回の行政処分を重く受け止め、お客さまをはじめとするすべてのステークホルダーの皆さまに心からお詫び申し上げますとともに、経営陣及び従業員一人ひとりが再発防止に誠心誠意努め、社会からの信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります。

海外の事業展開につきましては、知的財産、製造技術及び品質管理技術を含めた当社ブランドの確立を図るとともに、海外生産工場の一層の充実と海外における臨床試験の強化を図ります。

特に、米国の医療用医薬品事業においては、ノーベン社を拠点とし、双方の得意な技術を融合させることで、研究開発の機能を高めるとともに製造を強化してまいります。

当社は、引き続き製薬企業としての使命と責任を自覚し、営業基盤の強化及び生産体制の拡充を図るとともに、研究開発につきましては、貼付剤に留まらない様々な新商品及びサービスの開発や、環境に配慮した商品開発及び商品改良に取り組みます。

当社グループは、医薬品などの創製・育薬・製造・販売を通じて「世界の人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)向上を目指す」を経営理念と定めています。また、当社は非連続的な変化に適応し、多様化するお客様のニーズに応えるべく企業使命を「「手当て」の文化を、世界へ。」と発展的に変更し、当社が培ってきた貼付剤技術をベースに事業活動を積極的に展開してまいります。2021年9月には、社会課題の解決及び当社が持続的な成長を遂げていくためのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。マテリアリティへの取り組みを通じて、ESG(環境・社会・ガバナンス)及びSDGs(持続可能な開発目標)を推進することで、企業としての社会的責任を果たすとともに、持続可能な社会の構築に貢献してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、当社グループはこれらのリスクの発生可能性を認識したうえで、経営リスクマネジメントの方針を制定し、リスクへの適切かつ効果的な対応を行うとともに、発生した場合の対応に努める方針です。

また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

リスク

リスクの内容

リスクへの対応策

各種の法的規制に関するリスク

・薬価制度や医療保険制度等の規制
 の変更により、当社グループの業
 績に影響を及ぼす可能性がありま
 す

・薬事関連規制の改正の方向を早期
 に捉えて、追加対応の要否検討な
 ど事前に改正に備えています

副作用に関するリスク

・予期せぬ副作用等で発売中止、製
 品回収等の事態に発展する可能性
 があります

・製品に関する有害事象に注意を払
 い、迅速に回収等の措置を実施す
 ることで影響を最小限にとどめる
 よう備えています

研究開発活動に関するリスク

・新製品や新技術の研究開発活動に
 おいて、期待された効果が得られ
 ない等様々な要因によりそれらの
 研究開発活動を中止することによ
 って、研究開発投資を回収できな
 い可能性があります

・開発パイプラインを拡充し、資源
 及びリスクを分散し、適切にポー
 トフォリオ管理を行っています

・ステージ移行時期においてパイプ
 ラインの事業性を確認しています

製造又は仕入に関するリスク

・何らかの原因によって製造又は仕
 入が停止等することで、当社の業
 績に影響を及ぼす可能性がありま
 す

・安定供給体制の維持のため、製造
 拠点におけるBCP(事業継続計
 画)の策定・訓練を実施するとと
 もに安全在庫の確保に努めていま
 す

環境問題に関するリスク

・研究開発活動や製造の過程におい
 て使用する化学物質が周囲の環境
 に悪影響を与えていると判断され
 た場合、当社の業績に影響を及ぼ
 す可能性があります

・定期的に保管場所の点検を行い、
 環境保全に努めており、緊急時の
 対応訓練も実施しています

知的財産権に関するリスク

・当社の事業活動が他社の特許等の
 知的財産権に抵触する場合、事業
 を中止又は係争する可能性があり
 ます

・他社が当社の知的財産権に抵触す
 る場合、訴訟を提起する可能性が
 あります

・必要に応じて弁護士等の外部の専
 門家と連携して最善策を講じるた
 めの体制を整えています

訴訟に関するリスク

・事業活動に関連して、医薬品の副
 作用や製造物責任等について訴訟
 が提起される可能性があります

・必要に応じて弁護士等の外部の専
 門家と連携して最善策を講じるた
 めの体制を整えています

新型コロナウイルス感染症に
関するリスク

・新型コロナウイルス感染症の感染
 拡大に伴い、従業員の罹患等によ
 り当社の業績に影響を及ぼす可能
 性があります

・新型コロナウイルス感染症対策室
 を設置し、在宅勤務・時差出勤の
 推進、出張の制限等の対策を継続
 的に実施しています

その他のリスク

・自然災害やサイバー攻撃等により
 当社の事業活動が停滞する可能性
 があります

・BCP(事業継続計画)の策定と
 継続的改善を行っています

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。

①経営成績等

(財政状態)

当社は「医薬品事業」のみを報告セグメントとしており、当連結会計年度の連結業績は以下の通りです。

当連結会計年度末の総資産は3,028億5千8百万円となり、前連結会計年度末と比べて29億9千7百万円増加しました。これは主に、有価証券の償還による現金及び預金の増加、売上増加に伴い製品及び商品が減少したことによるものです。

当連結会計年度末の負債合計は479億7千2百万円となり、前連結会計年度末と比べて19億2千万円増加しました。これは主に、未払法人税等の増加によるものです。

当連結会計年度末の純資産合計は2,548億8千5百万円となり、前連結会計年度末と比べて10億7千6百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加、自己株式の取得による自己株式の増加及び為替の変動に伴う為替換算調整勘定の増加によるものです。

(経営成績)

売上高は、1,201億9千3百万円(前年同期比5.0%増)となりました。

国内市場において、医療用医薬品事業は、今年度に初めて実施された薬価の中間年改定や、継続的な後発品使用促進策による影響を引き続き受けましたが、経皮吸収型ドパミン作動性パーキンソン病治療剤「ハルロピテープ」の売上が伸長したことや、デジタルマーケティングを効果的に活用したことに加え、2020年4月の全国を対象とした緊急事態宣言下における受診抑制の反動もあり、前年同期比4.5%の増収となりました。なお、経皮吸収型持続性がん疼痛治療剤「ジクトルテープ」は2021年3月に製造販売承認を取得し、同年5月に販売を開始しました。また、経皮吸収型 持続性疼痛治療剤「フェントステープ」は2021年8月に小児がん疼痛患者への適応拡大に関する承認事項一部変更承認を取得しました。一般用医薬品事業は、厳しい販売競争に加え、昨年に限定商品を発売したことの反動等を受け「サロンパス」の売上が減少しましたが、昨年と比べて鼻炎市場が回復傾向にある影響によって「アレグラFX」が売上を伸ばしたこと等により、前年同期比5.1%の増収となりました。今後も引き続き、店頭・デジタルマーケティングの双方を活用した効果的な販促活動を行っていきます。また、2021年9月には機能性表示食品「Hisamitsu歩かんと」を当社の通信販売サイト「HisamitsuいきいきOnline」限定で発売し、さらに2021年10月には当社の貼り薬で使用している“伸縮性不織布”を採用した「貼り薬の不織布で作ったマスク」を発売しました。特にひもがない「貼るタイプ」のマスクは当社が培ってきた貼付剤技術を活用した、耳のかぶれや痛みなど、耳へのストレスがかからない商品です。このように当社は医薬品の枠を超えて、お客様のQOL向上に貢献できる様々な商品をお届けしてまいります。

一方、海外市場において、医療用医薬品事業は、米国で後発品の影響を受けたものの、その他の地域では売上を伸ばし、前年同期比0.3%の増収となりました。一般用医薬品事業は、一部地域において新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けたものの、米国及びアジアを中心としたその他の地域で売上を伸ばし、前年同期比8.2%の増収となりました。

営業利益は、93億3千7百万円(前年同期比12.5%減)となりました。主な要因は売上構成の変化及び薬価改定の影響による売上原価率の増加に加え、世界的な物流網の混乱の影響による物流費の増加や販促活動の増加に伴う販売促進費の増加により販売費及び一般管理費が増加したことによるものです。

経常利益は、126億3千8百万円(前年同期比6.8%増)となりました。主な要因は為替差損が為替差益に転じたことによるものです。

親会社株主に帰属する当期純利益は、96億5千8百万円(前年同期比4.4%増)となりました。経常利益の増加に加えて、投資有価証券売却益を計上したことによるものです。

 

 

 

〔地域別売上高〕

(単位:百万円)

 

2021年2月

2022年2月

増減額

増減率

売上高

114,510

120,193

+5,683

+5.0%

医療用医薬品

日本

52,181

54,546

+2,365

+4.5%

海外

13,885

13,923

+37

+0.3%

 米国

10,169

9,586

△583

△5.7%

 その他地域

3,715

4,336

+621

+16.7%

一般用医薬品

その他

日本

20,239

21,280

+1,041

+5.1%

海外

25,454

27,541

+2,086

+8.2%

 米国

12,087

12,519

+432

+3.6%

 その他地域

13,367

15,021

+1,654

+12.4%

その他事業

日本

2,749

2,901

+152

+5.5%

 

 

[医薬品事業]

当連結会計年度の国内の医療用医薬品事業につきましては、今年度に初めて実施された薬価の中間年改定や継続的な医療費抑制策の推進による影響もあり、先行きが不透明な環境下で推移しました。

このような状況の中、当社は、経皮吸収型貼付剤を中心として、デジタルマーケティングを効果的に活用しながら、医療関係者への適正かつ、きめ細やかな学術情報活動、すなわち有効性・安全性に関する情報の提供・収集活動を展開するとともに、ケトプロフェン含有の経皮鎮痛消炎剤「モーラステープ」及び「モーラスパップXR」、経皮吸収型エストラジオール製剤「エストラーナテープ」、鎮痛効果の高いフェンタニルクエン酸塩含有の経皮吸収型持続性疼痛治療剤「フェントステープ」、オキシブチニン塩酸塩含有の経皮吸収型過活動膀胱治療剤「ネオキシテープ」、エメダスチンフマル酸塩含有の経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤「アレサガテープ」などの適正使用促進活動に努めました。

2021年5月には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を含有する経皮吸収型製剤として、本邦初のがん疼痛治療剤となる経皮吸収型持続性がん疼痛治療剤「ジクトルテープ」の販売を開始しました。さらに、2021年8月に腰痛症、肩関節周囲炎、頚肩腕症候群及び腱鞘炎への効能追加に関する承認事項一部変更承認申請を行いました。

次に、国内の一般用医薬品事業につきましては、経皮鎮痛消炎剤などの販売に加えて、新商品を投入し、店頭・デジタルマーケティングの双方を活用して新規顧客創造活動に努めました。

2021年8月には、当社従来品に比べサイズを縮小し、シップ剤をティッシュの様に1枚ずつ取り出すことができる利便性の高い新パッケージを採用した「のびのびサロンシップフィット10枚入」、同年9月には、機能性表示食品の「Hisamitsu歩かんと」、同年10月には、当社の貼り薬で使用している伸縮性不織布を採用した「貼り薬の不織布で作ったマスク」を新発売しました。同年10月には、健康食品を中心に通信販売を行っていた「HisamitsuいきいきOnline」にて、医薬品の取扱いを開始しました。

また、2022年1月には鎮痛消炎プラスター剤「ら・サロンパス」をリニューアル発売しました。今回のリニューアルではESG推進の一環として、従来のパッケージサイズを縮小し、紙の使用量を低減するとともに、薬袋の開封口を広げて使いやすくしております。

海外の一般用医薬品事業につきましては、販売促進活動に努め、米国のOTC医薬品(一般用医薬品)市場の鎮痛消炎貼付剤市場においてサロンパスブランドが販売額シェア1位(2021年1月から12月累計販売金額)を獲得しています(Information Resources,Inc.)。

また、ユーロモニター社より、「Salonpas」がOTC医薬品(一般用医薬品)市場の鎮痛消炎貼付剤カテゴリーにおいて、5年連続で販売シェア世界No1ブランドの認定を受け、また、同カテゴリーにおいて「久光製薬」が4年連続で販売シェア世界No1企業の認定を受け、2021年5月18日に認定証を授与されました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して51億6百万円減少し、862億4千7百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは191億9千9百万円の収入(前連結会計年度は52億8千9百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(129億5千6百万円)、減価償却費(43億2千1百万円)、売上債権の減少額(21億9千1百万円)、たな卸資産の減少額(30億7千3百万円)、仕入債務の減少額(21億9千6百万円)などによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは130億6千万円の支出(前連結会計年度は78億1千5百万円の収入)となりました。これは主に、定期預金の増加額(110億7百万円)、有形固定資産の取得による支出(36億1千万円)、有価証券の減少額(14億9千8百万円)などによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは151億8千9百万円の支出(前連結会計年度は71億8千7百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出(80億4千3百万円)、配当金の支払額(68億3千9百万円)などによるものです。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2018年2月

2019年2月

2020年2月

2021年2月

2022年2月

自己資本比率(%)

82.3

83.5

80.9

84.1

83.5

時価ベースの

自己資本比率(%)

218.4

153.7

128.4

181.0

96.4

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率(%)

0.07

0.12

0.06

0.30

0.13

インタレスト・カバ

レッジ・レシオ(倍)

935.7

800.5

1,387.1

531.8

936.7

 

自己資本比率 : 自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

(生産実績)

当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

医薬品事業

101,710

0.2

合計

101,710

0.2

 

(注) 1 金額は販売価格により算定したものです。

2 上記金額には消費税等は含まれていません。

 

(受注実績)

当社グループは受注生産は行わず、全て一般市場の動向等を勘案し、見込生産を行っています。

 

(販売実績)

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

医薬品事業

117,291

4.9

その他

2,901

5.5

合計

120,193

5.0

 

 

(注) 1 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱メディパルホールディングス

15,928

13.9

15,331

12.8

アルフレッサホールディングス㈱

14,535

12.7

13,823

11.5

 

2 上記金額には消費税等は含まれていません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループ経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載しています。

 

②資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、円滑な事業活動に必要となる流動性の確保と財務の健全性及び安全性の確保を資金調達の基本方針としており、市場環境等を考慮した上で、有効かつ機動的な資金調達を実施していきます。資金需要としては、製品製造費用、商品仕入、研究開発費及び販売費などの運転資金のほか、事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資が中心となりますが、資金の源泉については、内部資金を充当しています。

 

③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、2021年9月17日発表の「第7期中期経営方針」において、ROE(自己資本利益率)8%以上を2025年度の目標としています。

当連結会計年度における、ROE(自己資本利益率)は3.8%(前年同期比0.1ポイント増)となりました。

目標達成に向けた主な取組課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。

この連結財務諸表の作成に際し、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いています。会計上の見積り及び該当見積りに用いられた仮定が特に重要な影響を及ぼすと考えられる、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りは、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき合理的に判断し実施していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しています。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(共同販売契約)

(1)当社は、2008年6月18日に協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区)と、経皮吸収型持続性疼痛治療剤「フェントステープ」について、日本国内における共同販売契約を締結しました。

①契約の相手会社の名称

協和キリン株式会社

②契約内容

当社が製造販売承認を取得した経皮吸収型持続性疼痛治療剤「フェントステープ」についての協和キリン株式会社との日本国内における共同販売契約。

③対価の金額

契約一時金として対価を受け取っています。

 

(販売契約)

(1)当社は、2019年2月5日に協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区)と、経皮吸収型ドパミン作動性パーキンソン病治療剤「ハルロピテープ」について、日本国内での販売に関する契約を締結しました。

①契約の相手会社の名称

協和キリン株式会社

②契約内容

当社が製造販売承認を取得した経皮吸収型ドパミン作動性パーキンソン病治療剤「ハルロピテープ」についての日本国内での販売に関する契約。

③対価の金額

契約一時金の他、承認取得時マイルストン、売上高に応じたマイルストンを受け取ります。

 

 

5 【研究開発活動】

〔医薬品事業〕

当社は、貼付剤の開発を中心に、医療現場のニーズに基づいた研究開発活動を行っています。また、新企業使命「「手当て」の文化を、世界へ」のもと、貼付剤にとどまらない様々な商品やサービスを生み出すため、他社とのパートナーリングなどの手段を活用した取り組みを開始しました。

国内の医療用医薬品につきましては、経皮吸収型持続性疼痛治療剤「フェントステープ」(開発コード:HFT-290、一般名:フェンタニルクエン酸塩)は、2021年8月25日に小児がん疼痛患者への適応拡大に関する承認事項一部変更承認を取得しました。経皮吸収型非ステロイド性疼痛治療剤「ジクトルテープ」(開発コード:HP-3150、一般名:ジクロフェナクナトリウム)は、2021年8月20日に腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎への効能追加に関する承認事項一部変更承認申請を行いました。原発性手掌多汗症治療剤HP-5070(一般名:オキシブチニン塩酸塩)は、国内第Ⅲ相臨床試験を終了し、2022年4月21日に製造販売承認申請を行いました。

米国の医療用医薬品につきましては、経皮吸収型帯状疱疹後の神経疼痛治療剤HP-1010(一般名:リドカイン)は、2020年12月1日にジェネリックとして承認を取得しましたが、米国での市場環境、競合製品の状況を踏まえ、承認を取り下げました。経皮鎮痛消炎剤HP-5000(一般名:ジクロフェナクナトリウム)は、米国第Ⅲ相臨床試験を実施中です。経皮吸収型注意欠如・多動症治療剤ATS(一般名:d-アンフェタミン)は、2021年2月22日に新規承認申請を行い、2022年3月22日に承認を取得しました。

2021年12月20日にラクオリア創薬株式会社が創製した新規ナトリウムチャネル遮断薬に関するライセンス契約の締結について合意し、今後本化合物を含有する新たな疼痛治療薬の開発を前臨床試験段階から実施します。

国内外の一般用医薬品につきましては、有効性・安全性・使用感の向上を目的に、新商品の開発及び既存商品の改良等を行っています。

TDDS(Transdermal Drug Delivery System:経皮薬物送達システム)の可能性を広げるため、自社の基盤技術開発に加え、ノーベン社のTDDS技術の活用、社外機関との共同開発などを進めています。

〔その他〕

2021年9月21日に株式会社ガイアバイオメディシンの第三者割当増資を引き受け、同社に出資いたしました。ガイアバイオメディシンが開発する新規細胞医薬品「GAIA-102;他家 NK 細胞様 CD3 陰性細胞)は固形がんに対する効果が期待されます。

その他、一部研究開発活動を行っていますが、少額であり特に記載すべき事項はありません。

上記の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,613百万円になりました。