(1)企業理念および基本方針
当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる革新的な新薬の創製を行う「グローバル・スペシャリティファーマ」を目指して積極的な努力を続けています。
また、人の生命に関わる医薬品を取り扱う製薬企業としての責任を深く自覚し、法令遵守はもとより、高い倫理観に基づき行動すべく、コンプライアンスの一層の強化に努めています。
(2)経営課題
新薬開発型医薬品企業として永続的な発展を実現するため、次のとおり現状の課題を定め、対応に取り組んでいます。
〈現状における課題と取り組み〉
年初より本格化した新型コロナウイルス感染拡大はさらに深刻さを増し、世界的規模で社会活動の停滞や経済の落ち込みなど様々な影響がみられています。医薬品業界でも研究開発の遅延や販売活動自粛、原材料等の確保への課題など、厳しい局面が続いていますが、治療薬の開発や医薬品の安定供給に向けてのさらなる取り組み、感染症拡大への対応活動の支援など様々な活動が積極的に行なわれています。当社におきましても感染症拡大阻止に向けての様々な取り組みに積極的に協力して参ります。また、新型コロナウイルス感染が終息後の活動再開に向けて、社内で出来る限りの準備を進めてまいります。
医薬品業界では、オープンイノベーションの活発化やデジタルを核とした異業種連携による新しい価値の創出、セルフメディケーションの重要性の高まりなど、新薬開発における様々な成長機会は残されており、当社では、あらゆる状況に柔軟かつ迅速に対応して世界で通用する企業となることをめざし、4つの成長戦略「製品価値最大化」「研究開発体制の変革」「海外への挑戦」「企業基盤の強化」を定めて事業活動に取り組んでいます。
(a)製品価値最大化
積極的な研究開発活動、全社を横断する部門間連携と人財育成機能の強化により、早期の上市および効能追加取得、上市から最短でのピークセールス達成を図ります。また、製品ライフサイクルのステージごとの環境変化を機敏に捉え、常に競争優位性を担保しうる戦略立案を実現することにより、各製品のポテンシャルを最大限引き出せるよう取り組んでいます。
(b)研究開発体制の変革
世界には現在も治療法のない病に苦しむ人が大勢います。当社は、いまだ満たされない医療ニーズにお応えすることができる『グローバル スペシャリティ ファーマ』をめざしており、独自の創薬アプローチ「化合物オリエント」をベースに、医療ニーズの高いがんや免疫疾患、中枢神経疾患、スペシャリティ領域を重点研究領域に据えて、それぞれの領域で疾患ノウハウを蓄積し、医療現場に革新をもたらす新薬を創出していきます。そのために、特定の研究分野で世界をリードする大学や研究機関、バイオベンチャー企業との研究・創薬提携を強化・拡充し、ファーストインクラスが狙える独自性の高いパイプラインの充実を図ります。医療ニーズの高い分野での革新的な化合物の導入や新技術の獲得も、積極的に進めています。
(c)海外への挑戦
自社で生み出した新薬を世界中に提供できるよう、特に抗悪性腫瘍剤などのスペシャリティ製品について、海外での自社販売をめざして取り組んでいます。すでに、韓国、台湾では、現地法人を設立して自社製品の販売を開始しています。欧米については、今後の自社販売活動を視野に入れて、開発も含めて体制の整備・強化に努めています。
(d)企業基盤の強化
海外市場での事業を拡大し、厳しい企業間競争を勝ち抜くため、グローバルスタンダードを念頭に、継続的に企業基盤の強化に取り組んでいます。さまざまな環境の変化に対応し、競争に打ち勝つため、人財育成や多様性向上を進めるとともに、従業員等の健康管理への投資を強化するなど、体制の強化を図っています。すべてのステークホルダーに対する社会的責任を果たすべく、長期的な視点での持続的成長をめざし、当社が取り組むべきと定めた重点課題に沿った活動を推進しています。
当社グループの業績は、今後起こり得る様々な事業展開上のリスクにより大きな影響を受ける可能性があります。
以下には、当社グループの事業展開上のリスクとなる可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在し、それらは投資家の判断に影響を与える可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<リスクマネジメント体制>
当社グループは、主要なリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の予防に努め、発生した場合には的確に対処する体制を整備しています。
部分最適でなく全体最適のリスクマネジメント活動を目指し、2018年度よりERM(Enterprise Risk Management)の導入準備を開始し、2019年度より導入しました。導入にあたり、リスクマネジメント最高責任者(代表取締役社長)とリスクマネジメント統括責任者(取締役常務執行役員/経営戦略本部長)を選任および「リスクマネジメント室」を新設するとともに、「リスクマネジメント規程」を制定しERMを推進しています。

<主要なリスク>
(1)新製品の開発について
当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的な新薬開発を目指し、特定分野に特化した研究開発型国際製薬企業の実現に向けて、自ら革新的な医薬品の創製に挑むとともに、世界最先端の技術や知見を取り入れるオープンイノベーションを進めております。
しかしながら、長期でかつ多額の研究開発投資が独創的な新薬の上市に至らず途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。このような事態に陥った場合には、将来に期待していた収益が得られず、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。
(2)市場環境変化への対応について
当社グループは、積極的な研究開発活動、全社を横断する迅速な部門間連携と人財育成機能の強化により、製品価値最大化を図っております。そのために製品ライフサイクルに影響が及ぶ側面からも絶えず市場環境を捉え、製品ステージ毎に常に競争優位性を担保しうるよう戦略を見直し、変化に対応しております。それを実現するためのリソースも担保し、製品のポテンシャルが最大限引き出せるよう準備しております。
しかしながら、競合品や後発品の販売状況により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。
(3)コンプライアンスについて
当社グループは、事業活動を行う上で、製品の品質、安全、環境関連、化学物質関連の他、取引関連、労務関連、会計基準や税法等の様々な法規制の適用を受けております。また、今後は気候変動の緩和のための各国の政策や法規制強化への対応が必要となります。当社グループは、行動規範のもとに、コンプライアンスプログラム等を制定しているほか、企業コンプライアンス委員会や従業員通報・相談窓口の設置等、コンプライアンス体制を構築し、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底等しておりますが、当社グループおよび委託先等が重大な法令違反を起こした場合は、当社グループへの信用、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、法規制の変更などにより事業活動が制限され、その対応のために投資が必要になる場合には、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。
(4) 製品の品質管理について
当社グループは、医薬品の品質に係る法的要件のみならず、患者さん・介護者・医療従事者の視点に立った高い品質の医薬品を安定的に提供するため、「品質が高度に保証された医薬品を安定的に供給することにより社会に貢献する」という方針のもと、独自の品質マニュアルに基づいた品質システムを確立するとともに、システムの継続的な改善に取り組んでいます。一方、当社製品の品質、有効性、安全性に懸念がある場合は、速やかに評価し、回収が決定された場合はその情報を速やかに医療従事者に提供し、必要に応じて当該製品を回収する体制を整えています。しかしながら、予想を超える重大な品質トラブルまたは新たな科学的知見により製品の安全と安心に対する懸念等が発生した場合には、当該製品ブランドだけではなく、当社グループ全体の信用の低下にもつながり、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。
(5)人財の確保および育成について
当社グループは、持続的成長のために多様で優秀な人財の確保、育成に努めております。多様な人財の一人ひとりが生き生きと働き、その能力を最大限に発揮するために、多様な働き方ができる支援制度や職場環境の整備を進め、働きがいのある魅力ある企業となる取り組みを通じて人財の確保を図っており、個々の成長や能力に沿った研修制度を充実させています。
また、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業価値を向上させるためには、組織を構成するメンバーの属性や価値観、行動特性の多様性を高め、その個性を認めることが重要であると考え、「女性活躍推進」、「障がい者活躍推進」、「キャリア採用推進」に取り組んでいます。
しかしながら、中長期的に多様で優秀な人財が確保、育成できない場合は、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は、大きな影響を受ける可能性があります。
(6)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について
当社グループは、地震や気候変動に伴う洪水(水リスク)等の自然災害に対して、生産工場および主要な事業拠点を対象とした災害対策、事業継続計画(BCP)の策定、TCFD提言に基づいた気候変動リスク対応を行っています。当社グループは、生産工場として、静岡県にフジヤマ工場を有していますが、今後の事業拡大に加え、事業継続の面から大規模災害のリスク軽減を図るために山口県に「山口工場」を建設しました。また、本社、東京ビル、各工場および各研究所には、非常用電源設備や2回線受電等災害に備えた設備を採用し、本社、東京ビル、水無瀬研究所、山口工場には、地震対策のための免震装置を導入しています。また、大規模災害が発生した際には、大阪と東京の2拠点で対応できる体制の構築、いち早く従業員の安否を確認できる「安否確認システム」の導入を図るとともに、定期的な災害訓練等の実施により、継続的な有事対応力の強化や意識向上に努めております。
しかしながら、大規模地震や気候変動に伴う自然災害等により、原材料の確保、生産の継続、流通過程等に問題が生じて製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。
また、新型コロナウイルス等の感染症の蔓延、生産工場の爆発・火災事故、情報・制御システムの障害、原材料購入先のトラブル、電力や水等の社会インフラの機能不全、有害物質による環境汚染、テロ、政変、暴動等が発生し、製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。
(7)医療保険制度改革について
当社グループの医薬品製造販売事業は、各国の薬事行政によりさまざまな規制を受けております。日本国内における公定薬価の引下げ、後発医薬品の使用促進などの医療制度改革の影響や海外における様々な医療費抑制策の影響などにより、販売価格が下落し販売数量の伸長等でカバーできず、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
(8)特定の製品への依存について
当社グループの売上収益のうち、「オプジーボ点滴静注」および「抗PD-1抗体関連のロイヤルティ」の売上収益は、売上収益合計の約6割(2020年3月期)を占めております。当該「オプジーボ点滴静注」や「抗PD-1抗体関連のロイヤルティ」に関して、薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
(9)新たな副作用について
当社グループは、医薬品ごとにリスク管理計画を策定し、継続的に安全性(副作用)情報の収集と評価を行っています。収集した情報は重篤性や注意喚起の必要性を評価したうえで、必要に応じて添付文書の「使用上の注意」の改訂や医薬品の適正使用に関するお知らせの提供などの安全性対策を実施しております。
しかしながら、医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が、市販後において報告される可能性があります。新たな重篤な副作用が発生した場合には、損害賠償金の支払いや承認取消等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
(10)知的財産について
当社グループは、製造または販売する製品が第三者の知的財産権に抵触することのないように十分に注意を払っておりますが、万一、抵触があった場合には、損害賠償の支払いや製造販売の差し止め等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、発明者等を適切に決定、管理し、社内規定や契約等で定めた適切な対価を支払っておりますが、発明者等から訴訟を受けた場合には、損害賠償の支払い等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
なお、2015年9月、当社が保有する抗PD-1抗体および抗PD-L1抗体の用途特許について、米国のダナファーバーがん研究所が、発明者の追加を求めて、当社、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社ならびに本庶佑氏を米国マサチューセッツ州連邦地裁に提訴しました。2019年5月に、第一審の判決が出され、Clive R. Wood博士とダナファーバーがん研究所のGordon J. Freeman博士を発明者に追加することが認められましたが、当社は、判決内容に不服があることから控訴しました。同様の訴訟が欧州でも提起されております。また、2019年6月21日、Gordon J. Freeman博士から本発明に関する権利および利益を譲り受けたダナファーバーがん研究所は、当社およびブリストル・マイヤーズ スクイブ社が上記特許の独占的所有者として競合他社に対して特許侵害訴訟を提起し、和解またはライセンス契約を締結したことで得たライセンス収入の一部の利益を受ける権利を有していると主張し、米国マサチューセッツ州連邦地裁に提訴しました。
なお、これらの判決が、当社グループの経営成績等へ与える影響については、現地点では見積もることはできません。
(11)訴訟について
当社グループの事業活動に関連して、医薬品副作用、製造物責任(PL)、労務問題、公正取引に関する問題および環境に関する問題に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟が発生した場合、その結果によっては、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
(12)情報管理について
当社グループは、個人情報を含め多くの重要情報を保有しております。これらの情報管理については、規程等を整備し、従業員に対し情報管理の重要性を周知徹底するとともに、ITシステム上のセキュリティ対策等を行うなどの努力を行っております。
しかしながら、ネットワークウイルスの感染、サイバー攻撃等のシステム障害や事故等の原因によりその情報が改ざん、悪用、漏えい等した場合には、社会的信用を大きく失うことなどで、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
(13)海外展開について
当社グループは、自社で創製した新薬を世界中に提供できる「グローバルスペシャリティファーマ」をめざした海外展開に取り組んでおります。すでに、韓国、台湾では、現地法人を設立して自社製品を販売しており、今後は欧米での自社販売も視野に入れて、開発体制などの整備・強化にも努めていきます。
グローバルな事業活動を行うにあたり、各国の法的規制、経済情勢、政情不安、地域固有の自然災害や事業環境の不確実性等の情報を入手し、必要な対応を検討していますが、リスクを完全に回避することができない場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
(14)他社との提携について
当社グループは、共同研究、共同開発、開発品の導出入、共同販売等様々な形で他社と提携を行っております。何らかの理由により提携の合意内容が変更・解消になった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
(15) 金融市況の変動について
・為替変動
当社グループは、国際的に事業展開を行っており、外貨建てでの受取ロイヤルティや経費支払い等があるため、為替相場の変動により、売上収益の減少や仕入原価、研究開発費の増加、為替差損の発生等のリスクに晒されています。当社グループは上記リスクを緩和すべく、市場リスク管理方針に基づき外貨建て取引の一定の割合について先物為替予約による為替リスクヘッジをしております。
しかしながら、外貨の為替変動が想定以上となった場合、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
・価格変動
当社グループは、資本性金融商品から生じる株式価格の変動リスクに晒されています。当社グループは、短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、ビジネス戦略を円滑に遂行するために資本性金融商品を保有しておりますが、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとともに、当該企業との関係を勘案し、必要に応じて保有状況を見直しております。
しかしながら、資本性金融商品の時価が予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
(16)環境問題への対応について
当社グループは、環境関連問題への対応として、環境グローバルポリシーに基づいた環境ビジョン(ECO VISION 2050)を定め、脱炭素社会の実現、水循環社会の実現、資源循環社会の実現に向けて全社的に取り組むとともに、環境に対する企業の社会的責任を認識し、事業活動の全分野において、環境に配慮して活動し、豊かな地球環境実現に向けて努力しております。
また、医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれているため、当社グループでは事業活動を行う国や地域における有害物質の使用、製造、保管、廃棄などの取り扱いに関する環境法規制の遵守に努めております。
しかしながら、今後、温暖化対策としての新たな炭素税の導入や温室効果ガス排出規制などが強化された場合には、コストが増加する可能性があります。また、万が一、有害物質による予期せぬ汚染やそれに伴う危害が顕在化した場合には、保険の適用からの除外または補償金額を超える費用負担、法的責任を負う可能性があります。また、環境法規制の変更により、当社の研究、開発、製造その他の事業活動が制限される可能性があります。
このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
(17)新型コロナウイルス感染拡大について
当社グループは、生命関連企業として医薬品の安定供給を図るため、関係会社や取引先とも連携し、安定供給を維持しており、当面の当社医薬品の生産および医療機関への供給体制に問題はありません。また、治療薬等の研究開発に貢献すべく、慢性膵炎および術後逆流性食道炎の治療薬である経口蛋白分解酵素阻害剤「カモスタットメシル酸塩」を用いた臨床試験を開始するとともに、国内外の医療機関・研究機関からの臨床研究実施の要請に対して、臨床研究用製剤を提供しています。
また、患者さん、医療従事者および従業員の安全確保と健康保持、感染拡大の防止を目的に、医療機関への訪問は自粛してきましたが、6月以降は、影響の少ない地域・医療機関から段階的に営業活動を再開し始め、従来の訪問形態に加え、Webを活用した面会やリモート講演会の企画等、新たな手段も用いつつMRの責務である情報提供活動に臨んでおります。さらに、国内および海外出張の原則禁止、講演会・セミナー・社内外研修等のイベントの原則中止・延期もしくはWeb形式での実施等、最大限の予防措置を講じてきています。
しかしながら、今後、更なる感染拡大やパンデミックにあたる状況が長期化し、製品商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
(18)繰延税金資産や減損処理について
当社グループは、事業用の様々な有形固定資産、無形資産および繰延税金資産等を計上しております。これらの資産については、「事業等のリスク」に記載している様々なリスクが顕在化すること等により、業績計画との乖離が生じ、将来期待していたキャッシュ・フローが獲得できなくなくなった場合には、有形固定資産、無形資産の減損が発生したり、繰延税金資産が減少する可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ184億円増の6,734億円となりました。
流動資産は、その他の金融資産や現金及び現金同等物の増加などから306億円増の2,252億円となりました。
非流動資産は、繰延税金資産の増加やIFRS第16号適用に伴い使用権資産を計上したことによる有形固定資産の増加などがあったものの、投資有価証券の減少などから122億円減の4,482億円となりました。
負債は、IFRS第16号適用に伴うリース負債や未払法人所得税の増加などから131億円増の1,054億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、その他の資本の構成要素の減少や自己株式の取得などがあったものの、利益剰余金の増加などから51億円増の5,625億円となりました。
(経営成績)
(単位:百万円)
[売上収益]
売上収益は、前連結会計年度比38億円(1.3%)増加の2,924億円となりました。
・抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」は、腎細胞がん等での使用が拡大した一方で、一昨年11月の薬価見直しの影響や競合他社製品との競争激化により、前連結会計年度比33億円(3.6%)減少の873億円となりました。
・その他の主要新製品では、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は261億円(前連結会計年度比3.1%減)、関節リウマチ治療剤「オレンシア皮下注」は198億円(同13.8%増)、糖尿病治療剤「フォシーガ錠」は181億円(同24.7%増)、抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐治療剤「イメンドカプセル」、「プロイメンド点滴静注用」は合わせて107億円(同1.0%増)、アルツハイマー型認知症治療剤「リバスタッチパッチ」は85億円(同4.2%減)、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「パーサビブ静注透析用」は71億円(同23.6%増)、多発性骨髄腫治療剤「カイプロリス点滴静注用」は60億円(同21.9%増)となりました。
・長期収載品は、後発品使用促進策の影響を受け、末梢循環障害改善剤「オパルモン錠」は83億円(前連結会計年度比19.5%減)、骨粗鬆症治療剤「リカルボン錠」は47億円(同35.4%減)となりました。
・ロイヤルティ・その他は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社およびメルク社からのロイヤルティ収入などが増加したことにより、前連結会計年度比71億円(8.9%)増加の868億円となりました。
[営業利益]
営業利益は、前連結会計年度比155億円(25.0%)増加の775億円となりました。
・売上原価は、前連結会計年度に発生したオプジーボ原薬の安定供給を受けるための一時的な負担金が当連結会計年度にはなかったことなどにより、前連結会計年度比48億円(5.7%)減少の791億円となりました。
・研究開発費は、臨床試験計画の見直しや一部の臨床試験の中止等により治験費用が減少したことに加え、創薬に係るライセンス料が減少したことなどにより、前連結会計年度比35億円(5.0%)減少の665億円となりました。
・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、当連結会計年度に見込んでいた新製品の上市時期の遅れ、新型コロナウイルス感染症の影響による学術講演会の中止・延期、MRの医療機関訪問自粛から営業活動経費が減少したことなどにより、前連結会計年度比24億円(3.4%)減少の677億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前当期利益の増加に伴い、前連結会計年度比82億円(15.8%)増加の597億円となりました。
<新型コロナウイルス感染症拡大による事業および業績への影響>
当社グループは、生命関連企業として医薬品の安定供給を図るため、関係会社や取引先とも連携し、安定供給を維持しており、当面の当社医薬品の生産および医療機関への供給体制に問題はありません。また、患者さん、医療従事者および従業員の安全確保と健康保持、感染拡大の防止を目的に、医療機関への訪問は自粛してきましたが、6月以降は、影響の少ない地域・医療機関から段階的に営業活動を再開し始め、従来の訪問形態に加え、Webを活用した面会やリモート講演会の企画等、新たな手段も用いつつMRの責務である情報提供活動に臨んでおります。
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は、学術講演会の中止・延期、MRの医療機関訪問自粛から、営業活動経費が減少したことなどが販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)の減少要因となっています。次期以降の事業および業績への影響については、活動自粛および受診抑制等により売上収益に若干のマイナス影響が見込まれるものの、同時に事業活動の低下による経費支出抑制も生じるため、営業利益に与える影響は軽微と見積もっています。
なお、懸念される経営リスクについては、「2 事業等のリスク <主要なリスク>(17)新型コロナウイルス感染拡大について」に記載しています。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度における現金及び現金同等物の増減額は、92億円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益797億円などがあった結果、742億円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の売却及び償還による収入314億円があった一方で、定期預金の預入による支出(純額)200億円、無形資産の取得による支出150億円、有形固定資産の取得による支出75億円などがあった結果、102億円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出296億円や配当金の支払額228億円などがあった結果、547億円の支出となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1 金額は、売価換算額(消費税等抜き)によっております。
2 連結会社間の取引は相殺消去しております。
3 当社グループのセグメントは、「医薬品事業」単一であります。
当社グループでは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これに基づき生産を行っております。受注生産は一部の連結子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1 連結会社間の取引は相殺消去しております。
2 当社グループのセグメントは、「医薬品事業」単一であります。
3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容、資本の財源及び資金の流動性に関する状況は次のとおりであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
医薬品業界においては、新薬創製の成功確率は年々低下し、研究開発費負担が増大するとともに、医療制度改革による種々の医療費抑制政策が強化されるなど、新薬開発型企業にとっては厳しい経営環境が続いています。このような経営環境の中、当社グループでは、(a)製品価値最大化、(b)研究開発体制の強化、(c)海外への挑戦、(d)企業基盤の強化、を経営上の重要課題と捉え、これらの課題を達成していくことにより、持続的な成長に努めています。
当社グループの収益は、医薬品事業の単一セグメントですが、売上収益の内訳としては、「製品商品」「ロイヤルティ・その他」に区分しています。
「製品商品」については、抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」の売上収益が、経営成績に重要な影響を与えるものと認識しています。「オプジーボ点滴静注」については、これまでの薬価の引き下げに加え、今後も競合他社製品との競争は激化すると予想されるものの、これまで承認取得したがん腫での使用拡大に加え、新たな適応がん腫の拡大と治療ラインの拡大、併用療法の開発等により使用対象患者数の拡大を見込んでおり、持続的に伸長できると考えています。
「ロイヤルティ・その他」については、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社からの「オプジーボ点滴静注」に係るロイヤルティ収入等が、経営成績に重要な影響を与えるものと認識しています。引き続き、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社との協力関係を維持することで、グローバルにおいても、「オプジーボ点滴静注」のさらなる適応拡大と治療ラインの拡大、併用療法の開発等により使用対象患者数の拡大を見込んでおり、中期的に伸長できるものと考えています。
また、「オプジーボ点滴静注」の価値最大化に加え、「オプジーボ点滴静注」のような革新的新薬を継続的に創出できるような研究開発力の強化に取り組んでおり、研究開発費の増大が、経営成績に重要な影響を与えるものと認識しています。当社独自の化合物オリエントという創薬アプローチ法を基盤としつつ、いまだ満たされない医療ニーズの高いがんや免疫疾患、中枢神経疾患、スペシャリティ領域を重点研究領域に据えて、経営資源を集中させ、効率的な経費支出に努めることで、利益の確保も図っていきます。
中期的には、研究開発費は増加するものの、売上収益の拡大により売上収益の20~25%程度を投資しつつ、かつ営業利益率20%以上を目指していきたいと考えています。また、これらの水準を目標としつつ、売上収益の拡大によって利益拡大を図ることがROEの水準を高めていくことにつながるものと考えています。なお、当連結会計年度は、売上収益に対する研究開発費率22.7%(前連結会計年度24.3%)、営業利益率26.4%(前連結会計年度21.5%)、ROE10.7%(前連結会計年度9.5%)でありました。
②資本の財源及び資金の流動性に関する状況
当社グループは、円滑な事業活動に必要となる流動性の確保と財務の健全性及び安全性の確保を資金調達の基本方針としており、市場環境等を考慮した上で、有効かつ機動的な資金調達を実施していきます。資金需要としては、研究開発投資に加え、有形・無形の固定資産への投資が中心となりますが、当社グループでは以前より流動資産が流動負債を大きく上回っており、資金の源泉については、内部資金を充当しています。
当連結会計年度末の流動資産は、2,252億円(内、現金及び現金同等物は690億円)、流動負債は913億円であり、必要な流動性は十分に満たしていると認識しています。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、収益および費用、資産および負債の測定に関する経営者の見積りおよび仮定を含んでおります。これらの見積りおよび仮定は過去の実績および決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積りおよび仮定とは異なる結果となる可能性があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は経営者により継続して見直されております。これらの見積りおよび仮定の見直しによる影響は、その見積りおよび仮定を見直した期間およびそれ以降の期間において認識しております。
当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積りおよび仮定は以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに検証を行っております。
(1)有形固定資産および無形資産の減損
当社グループは、有形固定資産および無形資産について、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。
減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは見込まれる営業成績に対しての著しい実績の悪化、取得した資産の用途の著しい変更ないし戦略全体の変更、業界トレンドや経済トレンドの著しい悪化等が含まれます。減損は、売却費用控除後の公正価値と適切な利率で割り引かれたリスク調整後の将来キャッシュ・フロー評価によって測定する使用価値のどちらか高い金額を用いて決定しております。将来キャッシュ・フローは事業予測に基づいて決定しております。将来の事象によって、このような減損テストに用いられた仮定が変更され、その結果、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特許権等実施料引当金
当社グループは、第三者への特許権等実施料の支出に備えて、その発生額を見積り、認識・測定しております。なお、IAS第37号「引当金、偶発債務及び偶発資産」(以下、「IAS第37号」)の規定等で要求されている情報は、今後の協議等の結果に影響を与える可能性があるため個別に開示せず、IAS第37号第92項の規定に従って開示しています。
(3)繰延税金資産の回収可能性
資産および負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、繰延税金資産を回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において、当該一時差異に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。
(4)退職給付会計の基礎率
当社グループは確定給付型を含む複数の退職給付制度を有しております。
確定給付制度債務の現在価値および関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しております。数理計算上の仮定には、割引率や利息の純額等の変数についての見積りおよび判断が求められます。
当社グループは、これらの変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、外部の年金数理人からの助言を得ております。
数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、これまで克服されていない病気や、いまだ患者さんの治療満足度が低く、医療ニーズの高い疾患領域に挑戦し、独創的かつ画期的な医薬品の創製に向けて努力を積み重ねています。
現在、開発パイプラインには、オプジーボに加えて、抗体医薬品を含む抗がん剤の新薬候補化合物をはじめ、変形性関節症の治療薬候補などがあり、早期の上市に向けて開発を進めています。なかでも、がん治療の領域はアンメット・メディカル・ニーズが高いことから、重要な戦略分野と位置づけています。
創薬研究においては、特長のある生理活性脂質や独自の標的分子に着目して画期的な新薬候補化合物の創製を目指す創薬アプローチ「化合物オリエント」をベースに、重点領域毎に設置している「オンコロジー研究センター」、「イムノロジー研究センター」、「ニューロロジー研究センター」、「スペシャリティ研究センター」で、それぞれの疾患ノウハウを蓄積し、医療ニーズを適切に捉えることで、医療インパクトのある画期的新薬の創製につなげることに取り組んでいます。さらに、オープン・イノベーションをグローバルで積極的に展開し、世界最先端の技術や情報を取り入れ、世界トップクラスの研究者とのネットワークを構築するとともに、従来の低分子創薬に加え、抗体や細胞、ウイルスなどの生物製剤も利用することで、医療現場に革新をもたらす新薬の創製を目指します。また、ライセンス活動による有望な新薬候補化合物の導入にも努め、研究開発活動の一層の強化に取り組んでいます。
当連結会計年度における研究開発活動の主な成果(当連結会計年度末以後のものを含む)は、以下のとおりです。
[開発品の主な進捗状況]
<がん領域>
「オプジーボ/ニボルマブ」(他剤との併用療法を含む)
悪性黒色腫
・昨年5月、台湾で「根治切除後のリンパ節転移を伴うまたは転移性悪性黒色腫患者の術後補助療法」を効能・効果とした承認を取得しました。
・昨年7月、IDO1阻害薬「ONO-7701」との併用療法について、国内、欧州および米国で悪性黒色腫を対象としたフェーズⅢ試験を実施していましたが、類薬のIDO1阻害剤と抗PD-1抗体の併用試験の結果を踏まえ、ONO-7701とオプジーボの併用療法の開発計画を見直したことにより中止しました。
非小細胞肺がん
・昨年12月、国内で「ヤーボイ」との併用療法について、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を対象とした承認申請を行いました。
・本年2月、国内でプラチナ製剤を含む2剤化学療法との併用療法について、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を対象とした承認申請を行いました。
・本年3月、国内で「ヤーボイ」との併用療法にプラチナ製剤を含む2剤化学療法を追加した併用療法について、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を対象とした承認申請を行いました。
ホジキンリンパ腫
・昨年5月、台湾で「自家造血幹細胞移植(自家HSCT)およびブレンツキシマブベドチンによる治療後、または自家HSCTを含む3レジメン以上の全身療法後に再発または進行した古典的ホジキンリンパ腫」を効能・効果とした承認を取得しました。
結腸・直腸がん
・昨年5月、台湾でオプジーボ単剤または「ヤーボイ」との併用療法について、「フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはDNAミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の転移性結腸・直腸がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
・本年2月、国内で「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する結腸・直腸がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
・昨年11月、国内で「ヤーボイ」との併用療法について、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する結腸・直腸がん」を対象とした承認申請を行いました。
・昨年7月、国内で「ヤーボイ」との併用療法について、「高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)又はミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を有する転移性結腸・直腸がん」を対象としたフェーズⅢ試験を開始しました。
食道がん
・昨年5月、国内で「食道がん」を対象とした承認申請を行い、本年2月、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
・本年4月、韓国で「フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法に不応または不耐の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
肝細胞がん
・昨年9月、日本、韓国および台湾で「ヤーボイ」との併用療法について、「肝細胞がん」を対象としたフェーズⅢ試験を開始しました。
胆道がん
・昨年12月、国内で「胆道がん」を対象としたフェーズⅡ試験を開始しました。
固形がん
・昨年6月、国内でエーザイ株式会社とともに、「ハラヴェン」のリポソーム製剤との併用療法について、「固形がん」を対象としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を開始しました。
・昨年7月、抗CD137抗体「ONO-4481」との併用療法について、国内で固形がんを対象としたフェーズⅠ試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。
用法及び用量
・昨年11月、国内で単剤投与時における用法及び用量(1回480㎎を4週間間隔で点滴静注)の追加に係る承認申請を行いました。
「カイプロリス/カルフィルゾミブ」
・昨年11月、プロテアソーム阻害剤「カイプロリス」について、国内で「再発又は難治性の多発性骨髄腫」について用法及び用量を追加する承認を取得しました。
「ビラフトビ/エンコラフェニブ」「メクトビ/ビニメチニブ」
・本年3月、BRAF阻害剤「ビラフトビカプセル」およびMEK阻害剤「メクトビ錠」について、国内でセツキシマブ(EGFRモノクローナル抗体)との3剤併用療法における「BRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を対象とした承認申請を行いました。
「ベレキシブル/ONO-4059/チラブルチニブ」
・昨年8月、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬「ONO-4059/チラブルチニブ」について、国内で「中枢神経系原発リンパ腫」を対象とした承認申請を行い、本年3月、「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」を効能・効果とした承認を取得しました。
・昨年11月、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬「ONO-4059/チラブルチニブ」について、国内で「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」を対象とした承認申請を行いました。
「ONO-7912(CPI-613)/Devimistat」
・昨年10月、がん代謝阻害薬「ONO-7912(CPI-613)/Devimistat」について、韓国で「膵がん」および「急性骨髄性白血病」を対象としたフェーズⅢ試験を開始しました。
「ONO-7913/Magrolimab」
・本年3月、抗CD47抗体「ONO-7913」について、国内で「固形がん」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-7705/Selinexor」
・本年2月、Karyopharm社から導入したXPO1阻害薬「ONO-7705/Selinexor」について、国内で「多発性骨髄腫および非ホジキンリンパ腫」を対象としたフェーズⅠ試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止し、Karyopharm社に権利返還することとしました。
<がん領域以外>
「オノアクト/ランジオロール塩酸塩」
・昨年8月、短時間作用型β1選択的遮断剤「オノアクト」について、国内で「敗血症に伴う頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)」を対象とした承認申請を行いました。
「コララン/ONO-1162/イバブラジン」
・昨年9月、HCNチャネル遮断薬「コララン/ONO-1162/イバブラジン」について、国内で「洞調律かつ投与開始時の安静時心拍数が75回/分以上の慢性心不全(ただし、β遮断薬を含む慢性心不全の標準治療を受けている患者に限る。)」を効能・効果とした承認を取得しました。
「オレンシア/アバタセプト」
・本年2月、T細胞選択的共刺激調節剤「オレンシア点滴静注用」および「オレンシア皮下注」について、国内でブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社とともに、既承認の関節リウマチの効能・効果に「関節の構造的損傷の防止」を追加する承認を取得しました。
・本年2月、T細胞選択的共刺激調節剤「オレンシア皮下注」について、国内で「未治療の関節リウマチ」および「一次性シェーグレン症候群」を対象としたフェーズⅢ試験を実施していましたが、期待していた有効性が確認できなかったため中止しました。
「ONO-5704/SI-613」
・本年1月、変形性関節症治療剤「ONO-5704/SI-613」について、国内で生化学工業株式会社とともに「変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)」を対象とした承認申請を行いました。
「ONO-4685」
・昨年6月、PD-1×CD3二重特異性抗体「ONO-4685」について、国内で自己免疫疾患を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-2808」
・昨年12月、S1P5受容体作動薬「ONO-2808」について、欧州で「神経変性疾患」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-5788」
・昨年11月、成長ホルモン分泌抑制薬「ONO-5788」について、米国で「先端巨大症」を対象としたフェーズⅠ試験を実施していましたが、戦略上の理由により中止しました。
[創薬/研究提携活動の状況]
・本年3月、スイスのニューマブ社とがん免疫領域において多重特異性抗体を創製する新たな創薬提携契約およびオプション契約を締結しました。
[ライセンス活動の状況]
・昨年6月、米国のラファエル社と、同社が開発中のがん代謝阻害剤「CPI-613(Devimistat)」および関連化合物について、日本、韓国、台湾およびASEAN諸国で独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結しました。
・昨年7月、米国のフォーティ セブン社と、同社が開発中の抗CD47抗体「5F9」について、日本、韓国、台湾およびASEAN諸国で独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結しました。
[開発提携活動の状況]
・昨年7月、バイエル社、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社および当社は、転移性大腸がんで最も発現頻度が高いマイクロサテライト安定性の転移性大腸がん患者を対象に、バイエル社のマルチキナーゼ阻害剤「スチバーガ(レゴラフェニブ)」とブリストル・マイヤーズ スクイブ社/当社の抗PD-1免疫チェックポイント阻害剤である「オプジーボ(ニボルマブ)」との併用療法を評価する開発提携契約を3社間で締結しました。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、
なお、当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。