当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前連結会計年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
(10)知的財産について
当社グループは、製造または販売する製品が第三者の知的財産権に抵触することのないように十分に注意を払っておりますが、万一、抵触があった場合には、損害賠償の支払いや製造販売の差し止め等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、発明者等を適切に決定、管理し、社内規定や契約等で定めた適切な対価を支払っておりますが、発明者等から訴訟を受けた場合には、損害賠償の支払い等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
なお、2015年9月、当社が保有する抗PD-1抗体および抗PD-L1抗体の用途特許について、米国のダナファーバーがん研究所が、発明者の追加を求めて、当社、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社ならびに本庶佑氏を米国マサチューセッツ州連邦地裁に提訴しました。2019年5月、第一審の判決が出され、Clive R. Wood博士とダナファーバーがん研究所のGordon J. Freeman博士を発明者に追加することが認められました。当社は判決内容に不服があることから控訴しましたが、2020年7月14日、判決が出され、第一審の判決が支持されました。当社は、控訴審に対し再審理を申し立てましたが却下され、現在最高裁判所への上告を検討しております。同様の訴訟が欧州でも提起されております。
また、2019年6月、Gordon J. Freeman博士から本発明に関する権利および利益を譲り受けたダナファーバーがん研究所は、当社およびブリストル・マイヤーズ スクイブ社が上記特許の独占的所有者として競合他社に対して特許侵害訴訟を提起し、和解またはライセンス契約を締結したことで得たライセンス収入の一部の利益を受ける権利を有していると主張し、米国マサチューセッツ州連邦地裁に提訴しました。
さらに、2020年6月19日、本庶佑氏よりPD-1特許に関する対第三者訴訟関連分配金請求訴訟を大阪地方裁判所に提起され、訴訟手続きが進んでおります。
これらの判決が、当社グループの経営成績等へ与える影響については、現時点では見積もることはできません。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりとなりました。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(財政状態)
資産合計は、前期末に比べ455億円増加の7,190億円となりました。
流動資産は、その他の金融資産の減少があったものの、現金及び現金同等物や売上債権及びその他の債権の増加などから145億円増加の2,398億円となりました。
非流動資産は、繰延税金資産の減少などがあったものの、その他の金融資産や投資有価証券の増加などから310億円増加の4,792億円となりました。
負債は、未払法人所得税の減少などから146億円減少の908億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、利益剰余金やその他の資本の構成要素の増加などから601億円増加の6,226億円となりました。
(単位:百万円)
売上収益は、前年同期比96億円(4.3%)増加の2,349億円となりました。
・抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」は、競合他社製品との競争が激化する一方、食道がんへの使用が拡大したことなどにより、前年同期比83億円(12.3%)増加の763億円となりました。
・その他の主要新製品では、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は199億円(前年同期比3.2%減)、関節リウマチ治療剤「オレンシア皮下注」は168億円(同10.5%増)、糖尿病および慢性心不全治療剤「フォシーガ錠」は166億円(同20.3%増)、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「パーサビブ静注透析用」は63億円(同14.9%増)、多発性骨髄腫治療剤「カイプロリス点滴静注用」は54億円(同17.3%増)となりました。
・長期収載品は、後発品使用促進策の影響を受け、アルツハイマー型認知症治療剤「リバスタッチパッチ」は60億円(前年同期比10.7%減)、末梢循環障害改善剤「オパルモン錠」は43億円(同35.5%減)、骨粗鬆症治療剤「リカルボン錠」は23億円(同40.8%減)、抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐治療剤「イメンドカプセル」は20億円(同70.2%減)となりました。
・ロイヤルティ・その他は、前年同期比53億円(8.2%)増加の695億円となりました。
[営業利益]
営業利益は、前年同期比161億円(24.4%)増加の822億円となりました。
・売上原価は、製品商品の売上が増加したことに加え、無形資産償却費が増加したことなどにより、前年同期比46億円(7.5%)増加の662億円となりました。
・研究開発費は、大学や研究機関との共同研究費やバイオベンチャーとの創薬提携にかかるマイルストンの支払いなどが増加しました。一方で、昨年6月以降、被験者登録を含めた開発活動を再開しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により治験費用が減少したことから、前年同期比15億円(3.4%)減少の438億円となりました。
・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、新型コロナウイルス感染症の影響による学術講演会の見直し、MRの医療機関訪問自粛などにより営業活動経費が減少したことから、前年同期比27億円(5.3%)減少の482億円となりました。
・その他の収益は、昨年11月にロシュ社とPD-L1抗体関連特許に関するライセンス契約締結に伴う契約一時金を得たことにより、65億円増加の71億円となりました。
[四半期利益](親会社所有者帰属)
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、税引前四半期利益の増加に伴い、前年同期比147億円(28.3%)増加の665億円となりました。
なお、当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
当社グループは、生命関連企業として関係会社や取引先とも連携し医薬品の安定供給を図っており、当面の当社医薬品の生産および医療機関への供給体制に問題はありません。また、患者さん、医療従事者および従業員の安全確保と健康保持、感染拡大の防止を目的に、医療機関への訪問は自粛してきましたが、昨年6月以降は、中断していた被験者登録などの開発活動を徐々に再開しております。営業活動においても影響の少ない地域・医療機関から段階的に活動を再開するとともに、従来の訪問形態に加え、Webを活用した面会やリモート講演会の企画等、新たな手段も用いつつMRの責務である情報提供活動に臨んでおります。
通期の業績予想につきましては、現時点での新型コロナウイルス感染症の影響を織り込み、以下のように修正しております。
なお、文中の将来に関する事項は、四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
・売上収益は、4月実施の薬価改定の影響を見込む一方で、ロイヤルティ・その他が前回公表予想を上回る見込みであり、前回公表予想に比べ40億円上方修正し3,090億円を予想しております。
・売上原価は、前回公表予想に比べ40億円増加の880億円を予想しております。
・研究開発費および販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、前回公表予想から変更はありません。
・その他の収益は、昨年11月にロシュ社とPD-L1抗体関連特許に関するライセンス契約を締結したことに伴う契約一時金を得たことなどにより、前回公表予想に比べ75億円増加しています。
以上の結果、営業利益は前回公表予想に比べ70億円増加の940億円、税引前利益は70億円増加の955億円を予想しております。また、税金費用を見直したことにより、当期利益は前回公表予想に比べ90億円増加の742億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は90億円増加の740億円を予想しています。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は、184億円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人所得税等の支払額340億円などがあった一方で、税引前四半期利益847億円などがあった結果、480億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の売却及び償還による収入101億円などがあった一方で、無形資産の取得による支出109億円、有形固定資産の取得による支出45億円などがあった結果、60億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額218億円などがあった結果、236億円の支出となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は43,965百万円であります。
なお、開発品の進捗状況については以下のとおりです。
2021年1月25日現在
<承認取得開発品> *):共同研究により創出された化合物を含む
★:「オプジーボ」との併用試験
2021年3月期第2四半期決算発表からの変更点
※1:「オプジーボ」と「ヤーボイ」との併用療法について、日本および韓国で「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
※2:「ビラフトビカプセル」および「メクトビ錠」について、国内で「がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
※3:エドルミズ/アナモレリンについて、国内で「悪性腫瘍(非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌)におけるがん悪液質」を効能・効果とした承認を取得しました。
<申請中開発品> *):共同研究により創出された化合物を含む
★:「オプジーボ」との併用試験
<臨床試験中開発品>
★:「オプジーボ」との併用試験
2021年3月期第2四半期決算発表からの変更点
※4:「オプジーボ」について、日本、韓国、台湾で「胆道がん」を対象としたフェーズⅡ試験を開始しました。
※5:プロスタグランディン受容体(EP4)拮抗薬「ONO-4578」について、国内で「結腸・直腸がん」「膵がん」「非小細胞肺がん」を対象としたフェーズⅠ試験をそれぞれ開始しました。
※6:BRAF阻害剤「ビラフトビカプセル」およびMEK阻害剤「メクトビ錠」について、国内で併用療法における「甲状腺がん」を対象としたフェーズⅡ試験を開始しました。
※「オプジーボ」について、「膠芽腫」を対象とした開発を実施していましたが、期待していた効果が得られないと判断し、開発パイプラインより削除しました。
※ONO-4059について、2014年に米国Gilead社に導出しましたが、Gilead社のテリトリーにおけるがん領域の権利が返還されました。なお、Gilead社は、引き続きがん領域以外の権利を保有しています。
なお、がん領域の薬剤において、同じ予定効能(がん腫)の場合は、最も進んでいるフェーズ(臨床
ステージ)を記載しております。
Ⅱ.開発品(がん領域以外)の主な進捗状況
2021年1月25日現在
<申請中開発品> *):共同研究により創出された化合物を含む
<臨床試験中開発品> *):共同研究により創出された化合物を含む
2021年3月期第2四半期決算発表からの変更点
※7:「フオイパン錠」について、国内で「新型コロナウイルス感染症」を対象としたフェーズⅢ試験を開始しました。
※8:S1P5受容体作動薬「ONO-2808」について、国内でフェーズⅠ試験を開始しました。
※9:プロスタグランディン受容体(DP1)拮抗薬「ONO-2909」について、国内で健康成人及び「ナルコレプシー」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
※10:Btk阻害剤「ベレキシブル錠」について、国内で「全身性強皮症」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
※FXIa阻害薬「ONO-7269」について、「脳梗塞」を対象とした開発を実施していましたが、戦略上の理由により国内での開発を中止しました。
(6)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。
当第3四半期連結会計期間において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。
・技術導入契約等
・技術導出契約等