文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「絶えず先見的特色ある製品を開発し、医療の世界に積極的に参加し、もって人類の健康・福祉に貢献する」という企業理念に沿って、医薬品事業を中核とし、ヘルスケア事業及びこれらの事業領域に関連する新たな分野をも含めた「顔のある総合健康関連企業グループ」を目指します。
また、企業理念の実現にあたっては、コーポレートガバナンスの充実及びコンプライアンスの徹底を経営の軸として、社員一人一人が持田製薬グループ行動憲章を遵守し、ステークホルダーの皆様の信頼と期待に応え、企業価値の向上に努めてまいります。
事業環境の変化にも対応し、持続的に成長し続けるために、引き続き利益重視と将来への投資の継続を基本方針とします。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは総合健康関連企業グループとして企業価値向上を図るために、事業環境の変化に対応しながら、毎年度、新しい年度を加えた3カ年の中期経営計画を策定しております。
2018年度を起点とするこの3カ年は、社会保障費財源確保の問題を背景とする薬剤費抑制政策が継続的に推し進められ、後発品普及率80%に向けて後発品の使用がさらに促進されることに加え、薬価制度の抜本改革が始まるなど、ますます厳しい状況となることが予想されます。
当社グループはこの3カ年の中期経営計画(「18-20中期経営計画」)の方針を「研究・開発から製造・販売までのグループ総合力を結集して医療・健康ニーズに応え、持続的成長に向けて選択と集中を進め、さらなる環境変化に対応すべく収益構造を再構築する」とし、環境変化に対応できるよう、引き続き以下の3点に重点的に取り組みます。
・営業力強化による新薬等への注力
・次世代の柱構築のための継続的な投資
・選択と集中による、リソースの戦略的再配分
中核事業である医薬事業において重点領域全体を見直し、新薬により強化した消化器領域を新たな重点領域としました。最重点課題として、「循環器、産婦人科、皮膚科、精神科、消化器」の重点領域等へリソースを集中し、収益の最大化のために新薬に注力します。また、パートナーシップを重視した戦略的なアライアンスの推進に取り組みます。
次世代の柱構築のため将来の競争力に結びつく事業活動への投資を積極的に進めます。創薬研究では、オープンイノベーションの推進を通じた早期開発候補品の導入等により開発パイプラインの充実を図ります。
全社的な組織運営において選択と集中を進め、一層の構造改革の推進に取り組み、部門間連携の強化によってさらなる生産性の向上を目指します。また、ヒト・モノ・カネの限られたリソースを戦略的に最大限活用すると同時に、社外資源とも積極的な連携を図ります。
持田製薬グループは今後も、総合健康関連企業グループとして、中堅企業としての機動性や俊敏性など、持てる強みを最大限に活かしながら、グローバルにも存在価値を認められるスペシャリティファーマを目指して持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
なお、上述の構造改革と生産性向上については、引き続き下記の取り組みを進めます。
①ビジネスユニットの自立と連携を目指した改革の推進
医薬販売、創薬研究、医薬製造、ヘルスケアなどのビジネスユニットについては、それぞれの事業固有の環境を勘案し、活動効率を高められるように、独立採算に加え部門間連携も重視して運営します。また、本社部門も一つのユニットとして本社機能のさらなる強化に取り組み、効率的な組織運営と企業価値の向上を図ります。
②生産性向上を目指した改革の推進
グループ経営体制の整備に合わせ、人的資源の育成と活性化の観点から、人材配置、人員計画、活用方法を継続して見直します。
社員一人一人の意識改革を推進し、そのパフォーマンス向上のために、能力開発への支援を継続します。さらに部門間の協力連携を重視し、業務改革を推進することにより、生産性の10%アップを目指します。
(3) 目標とする経営指標
医薬品業界を取り巻く環境は薬価制度の抜本改革等により中長期的にますます厳しいものとなることが予想されます。斯かる中、18-20中期経営計画期間において、初年度(2018年度)には薬価改定に加え、かねてより進めてきたポートフォリオ再構築(新薬シフト)が未だ途上にあること、さらには将来に向けた投資として研究開発費が高水準に留まることから、収益力は2018年度を底として一旦、相応に下がるものの、これまで取り組んできた施策の進捗により最終年度(2020年度)、さらにそれ以降に向けて収益力の回復を目指します。
18-20中期経営計画期間の最終年度(2020年度)の経営目標数値を以下のとおり掲げております。
2020年度 経営目標数値(連結)
売上高 1,030 億円
営業利益 85 億円
研究開発費 100 億円
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、より厳しい環境変化に対応し、持続的に成長し続けるために、利益重視と将来への投資の継続の基本方針のもと、さらなる生産性の向上を目指すとともに、社外資源とも積極的な連携を図ります。
対処すべき課題としては、引き続き「競争力のある事業、領域の確立」「パートナーシップの重視」「リソースの徹底した見直し」を掲げております。
① 競争力のある事業、領域の確立
それぞれの事業、領域で「持田製薬でなければできない」と評価され、お客様から選ばれるように、得意分野をさらに強くし、「オンリーワン」を目指す戦略を推進してまいります。
② パートナーシップの重視
外部とのパートナーシップを重視し、社内と社外の資源を結び付け、強い分野はより強く、弱い分野は補完しあう戦略を実行してまいります。
③ リソースの徹底した見直し
全てのビジネスユニットに関して、資源とその配分を見直し、ビジネスユニットの完全な自立と部門間連携により、全社の生産性向上を目指した構造改革を推進してまいります。また中核とすべき企業能力の伸長に資源を集中し、無駄のない筋肉質の経営を強化してまいります。
(5) 株式会社の支配に関する基本方針について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、①当社及び当社グループが大正2年(1913年)の創業以来蓄積してきた研究開発・製造・販売等の各分野における専門知識・経験・ノウハウ、これらを担う従業員、当社及び当社グループの取引先・顧客・従業員・地域社会その他の利害関係者との間に築かれた信頼関係、高品質な医薬品等の供給能力、良好な財務体質、その他の当社の企業価値の様々な源泉、②長期的な視野のもとに継続的かつ安定的に医薬品等の研究開発、高品質な医薬品等の製造販売、適正使用情報の提供・管理等を実施・推進することが不可欠であること等の当社及び当社グループの事業特性を十分に理解し、上記①及び②に基づく適切な経営方針、事業計画等の立案・実施を通じ、当社の企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者が望ましいと考えております。
もっとも、当社の支配権の移転を伴う買付行為を受け入れるか否かを含め、当社を支配する者の在り方は、最終的には株主により決定されるべきであると考えております。また、株主が当該買付行為を受け入れるか否かの判断を適切に行うためには、当該買付者から一方的に提供される情報のみならず、現に当社の経営を担っている当社取締役会から提供される情報及び当該買付行為に対する当社取締役会の評価・意見等も含めた十分な情報が提供されることが不可欠であると考えております。
他方、当該買付行為の中には、株主に株式の売却を強要するおそれがあるもの、株主が当該買付行為を受け入れるか否かを検討し、当社取締役会が当該買付行為を評価検討し、必要に応じ当該買付者との間で条件改善について交渉し、代替案を提示するための十分な時間・情報が確保できないもの等、当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく毀損するおそれのあるものもあります。
当社は、このような買付行為又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
当社は、大正2年(1913年)の創業以来「先見的独創と研究」の理念を掲げ、独創的な医薬品の研究開発活動を中心とした総合健康関連企業を志向して参りました。当社がその企業価値を向上させるためには、医薬品等の研究開発、高品質な医薬品等の製造販売、適正使用情報の提供・管理等を長期的な視野のもとに継続的かつ安定的に実施・推進することが不可欠であり、大正2年(1913年)の創業以来蓄積された専門知識・経験・ノウハウ及び国内外の取引先・顧客・従業員・地域社会その他の利害関係者との間に築かれた信頼関係等を適切に維持することが不可欠です。
2018年4月2日に公表いたしました2018年度~2020年度の中期経営計画においては、研究・開発から製造・販売までのグループ総合力を結集して医療・健康ニーズに応え、持続的成長に向けて選択と集中を進め、さらなる環境変化に対応すべく収益構造を再構築するという中期経営計画方針のもと、(1) 営業力強化による新薬等への注力、(2) 次世代の柱構築のための継続的な投資、(3) 選択と集中による、リソースの戦略的再配分の3点に重点的に取り組むことを表明し、企業価値の向上に努めております。
また、当社は、株主に適切な利益還元を行うことを重要な経営課題と捉えており、今後の成長戦略、収益状況等を総合的に判断して、内部留保の充実と利益還元のバランスを勘案しつつ、配当方針を決定してまいります。内部留保については、研究開発、設備投資、企業提携等に有効に活用してまいります。また、自己の株式の取得については、経営環境の変化に機動的に対応するため、取締役会決議で実施できる体制をとっております。
当社は、コーポレート・ガバナンスの充実及びコンプライアンスの徹底を当社グループ全体の経営の軸としてステークホルダーの信頼と期待に応え、当社グループの企業価値の向上に努めております。当社は、コーポレート・ガバナンスの充実策の一環として、重要な経営課題については必要に応じて経営政策会議の充分な議論を行ったうえで、毎週開催される常務会及びグループ経営会議の協議を経て意思決定を行っております。また、当社取締役会は社外取締役を構成員に含み、その機能を経営意思決定と業務執行監督とに明確化し、経営意思決定と業務執行の迅速化を目的として、執行役員制を導入しております。また、当社は、コンプライアンスの徹底策として、「持田製薬グループ行動憲章」を制定し、社外有識者を含めた倫理委員会を定期的に開催すると共に、企業倫理推進室を設置する等、コンプライアンス体制を整備し、当社グループの従業員を対象に倫理研修を定期的に実施しており、今後も継続してコンプライアンスの徹底に努めてまいります。更に、CSR(企業の社会的責任)につきましては、各所轄部門において鋭意取り組み中でありますが、当社グループ全体の推進母体としてCSR推進委員会を設置しており、近年の社会的要請に更に応えてまいります。
2016年6月29日開催の当社定時株主総会において承認された本対応方針は、以下のとおりであります。
現状において、当社は主要な株主とは良好な関係にあると共に、当社のPBR、安定株主比率等の指標は比較的高水準であるものの、これらの状況・指標は流動的であると共に、現在の法制度の下においては、当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損なう大規模買付行為がなされる可能性が否定できない状況にあると認識しております。本対応方針はこのような認識を踏まえ、上記Ⅰに記載の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして決定したものです。当社取締役会は、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株券等の買付行為(いずれも事前に当社取締役会が同意したものを除くものとし、また市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。このような買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者及び行おうとする者を「大規模買付者」といいます)に際し、株主に対し必要かつ十分な情報が提供されるよう、以下のとおり、大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます)を定めることといたしました。大規模買付ルールは、株主に対し、大規模買付行為を受け入れるか否かについて適切な判断をするための必要かつ十分な情報・時間を提供し、大規模買付者との交渉力を確保するものであり、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えます。
大規模買付ルールに従って一連の手続が進行されたか否か、及び大規模買付ルールが遵守された場合でも大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうものであることを理由として株式又は新株予約権の発行、株式又は新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法令及び当社定款により許容される措置(以下、「対抗措置」といいます)を発動するか否かについて、当社取締役会の判断の合理性・公正性を担保するため、当社は、(注4)に概要を記載する特別委員会規則に従い、業務執行を行う経営陣から独立した社外取締役及び社外監査役により構成される特別委員会を設置いたしました。特別委員会の当初の委員は、社外取締役釘澤知雄及び十川廣國並びに社外監査役渡辺 宏の計3名といたしました。
本対応方針に基づき当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会は対抗措置の発動に先立ち、特別委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、特別委員会は大規模買付ルールが遵守されているか否か、対抗措置の必要性及び相当性等を十分検討した上で対抗措置の発動の是非について勧告を行うものとします。大規模買付ルールが遵守された場合においても大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうものであることを理由として対抗措置を発動するか否かについて、特別委員会が適切と判断する場合には、株主総会の決議を経ることを当社取締役会に対し勧告することができるものとします。特別委員会の勧告内容については、その概要を適時適切に株主に開示いたします。
当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際し、特別委員会の勧告を最大限尊重するものとします。
大規模買付者には、大規模買付行為の実行に先立ち、まず当社宛に、大規模買付ルールに従う旨の「意向表明書」を提出いただきます。意向表明書には、大規模買付者の①名称、住所、②設立準拠法、③代表者の氏名、④国内連絡先、⑤提案する大規模買付行為の概要及び⑥大規模買付ルールに従う旨の誓約の記載を要します。
当社は、上記(1)の意向表明書受領後10営業日以内に、株主の判断及び当社取締役会の評価検討のために提出されるべき必要かつ十分な情報(以下、「大規模買付情報」といいます)のリストを大規模買付者に交付します。提出された情報だけでは大規模買付情報として不十分と考えられる場合には、追加情報の提供を要請することがあります。なお、大規模買付情報の具体的内容は大規模買付者の属性及び大規模買付行為の内容によって異なりますが、一般的な項目の一部は、以下のとおりです。また、大規模買付行為の提案があった事実及び大規模買付情報は、速やかに特別委員会に提出すると共に、当社取締役会が株主の判断に必要であると判断した場合又は適用ある法令、金融商品取引所規則等に従い株主に開示が必要であると判断した場合には、その全部又は一部を開示いたします。
① 大規模買付者及びそのグループ(共同保有者、特別関係者及び(ファンドの場合)組合員その他の構成員を含みます)の詳細(名称、事業内容、経歴又は沿革、資本構成、財務内容、役員の経歴等、過去の企業買収の経緯及びその結果、当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験、過去の法令違反等の有無及び内容等に関する情報を含みます)
② 大規模買付行為の目的、方法及び内容(買付対価の種類・価額、買付時期、関連する取引の仕組み、買付方法の適法性、大規模買付行為の実現可能性、買付完了後に当社株券等が上場廃止となる見込みがある場合にはその旨、その理由等を含みます)
③ 大規模買付行為に際しての第三者との間における意思連絡の有無及び意思連絡が存する場合にはその内容
④ 買付対価の算定根拠(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定に用いた数値情報並びに大規模買付行為に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジーの内容及びその算定根拠を含みます)
⑤ 買付資金の裏付け(大規模買付者に対する資金の提供者(実質的提供者を含みます)の名称、調達方法、関連する取引の内容等を含みます)
⑥ 大規模買付行為完了後に意図する当社及び当社グループの経営者候補(当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます)、経営方針、事業計画、資本政策、配当政策その他の計画
⑦ 大規模買付行為完了後に意図する当社及び当社グループの企業価値を持続的かつ安定的に向上させるための施策及びその根拠
⑧ 当社及び当社グループの取引先・顧客・従業員・地域社会その他の利害関係者と当社及び当社グループとの関係に関し、大規模買付行為完了後に予定する変更の有無及びその内容
⑨ 反社会的勢力との関係に関する情報
⑩ その他特別委員会が合理的に必要と判断する情報
当社取締役会は、大規模買付行為の評価検討の難易度に応じて、大規模買付者が当社取締役会に対し大規模買付情報の提供を完了した後、対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社株券等の全ての買付けの場合には原則として最長60日間、その他の大規模買付行為の場合には原則として最長90日間を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます)として確保する必要があると考えております。但し、当社取締役会は、特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重のうえ、当該評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案等に必要とされる合理的な範囲で、取締役会評価期間を30日間を限度として延長できるものとします。なお、当社取締役会は、大規模買付情報の提供が完了した場合には、速やかにその旨及び取締役会評価期間が満了する日を開示いたします。また、取締役会評価期間を延長する場合には、延長期間とその理由を速やかに開示いたします。
取締役会評価期間中、当社取締役会は、特別委員会に諮問し、また、適宜必要に応じて外部専門家等の助言を得ながら、大規模買付情報を十分に評価検討し、特別委員会の勧告を最大限尊重のうえ、当社取締役会としての意見を取りまとめ、株主に開示します。また、必要に応じて、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主へ代替案を提示することもあります。
従って、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後(当社取締役会が下記4(2)なお書に従い株主総会の決議を経ることを決定した場合には当該手続終了後)にのみ開始されるべきものとします。
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重のうえ、当社の企業価値及び株主共同の利益を守ることを目的として必要かつ相当な範囲内で、対抗措置を発動し、大規模買付行為に対抗することがあります。具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することになります。
当社取締役会が具体的な対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合の概要は、(注5)に記載のとおりです。
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に大規模買付行為に反対であったとしても、意見の表明、代替案の提示、株主への説得等に留め、原則として、大規模買付行為に対する対抗措置は発動しません。但し、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、大規模買付行為が、例えば以下の①から⑧のいずれかに該当し、当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重のうえ、当社の企業価値及び株主共同の利益を守ることを目的として必要かつ相当な範囲内で、対抗措置を発動することがあります。
① 真に当社の経営に参加する意思なく、高値で当社株式を当社又は当社関係者に引き取らせる目的で当社株式の買付けを行っていると判断される場合
② 当社の経営を一時的に支配して、当社の事業上必要な資産(ノウハウ、営業秘密等を含む)、取引関係等を大規模買付者、そのグループ会社等に移譲させる目的で当社株式の買付けを行っていると判断される場合
③ 当社の資産を大規模買付者、そのグループ会社等の債務の担保、弁済原資等として流用する目的で当社株式の買付けを行っていると判断される場合
④ 当社の経営を一時的に支配して、一時的な高配当をさせる目的又は一時的高配当による株価の急上昇時に当社株式の高値売り抜けをする目的で当社株式の買付けを行っていると判断される場合
⑤ 強圧的二段階買収(最初の買付けで全株式の買付けを勧誘せず、2回目以降の買付条件を不利に設定し、又は明確にしないで、公開買付け等の買付けを行うことをいいます)等、事実上、当社株主に株式の売却を強要するおそれがあると判断される場合
⑥ 買付条件(買付対価の種類・価額、買付時期、関連する取引の仕組み、買付方法、大規模買付行為の実現可能性、買付後の経営方針・事業計画及び買付後における当社の取引先・顧客・従業員・地域社会その他の利害関係者に対する対応方針等を含みます)が当社の本源的価値に鑑み著しく不十分又は不適切と判断される場合
⑦ 大規模買付者による支配権取得により、当社株主をはじめ、取引先・顧客・従業員・地域社会その他の利害関係者との関係その他の当社の企業価値の源泉を破壊すること等により、当社の企業価値の著しい毀損が予想され、又は当社の企業価値の維持及び向上を著しく妨げるおそれがあると合理的な根拠をもって判断される場合
⑧ 大規模買付者が公序良俗の観点から当社の支配株主として著しく不適切と判断される場合
なお、当社取締役会は、特別委員会が上記2(2)に従い株主総会の決議を経ることを勧告した場合、又は必要な時間等を勘案したうえ取締役会が善管注意義務に照らし株主総会の決議を経ることが適切と判断する場合には、株主総会の決議を経ることとします。
当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かについて決定した後であっても、大規模買付者が大規模買付行為の撤回又は変更を行った場合等、当該決定の前提となった事実関係に変動が生じた場合には、改めて特別委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重のうえ、対抗措置の発動、中止又は変更に関する決定を行うことができます。この場合、特別委員会が必要と認める事項を含め、適時適切な開示を行います。
本対応方針の有効期間は、2016年6月29日から2019年6月開催予定の当社定時株主総会の終結時までとなっております。但し、有効期間の満了前であっても、当社株主総会又は当社取締役会において本対応方針を廃止する旨の決議がなされた場合には、本対応方針は廃止されるものとします。また、当社取締役会は、本対応方針の有効期間中であっても、関係法令の改正、司法判断の動向及び金融商品取引所その他の公的機関の対応等を踏まえ、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から必要と判断した場合には、特別委員会の承認を得たうえ、株主総会の承認の趣旨の範囲内で本対応方針を変更する場合があります。本対応方針の変更又は廃止については、速やかに株主にお知らせします。
本対応方針で引用する法令の規定は、2016年5月13日現在施行されている規定を前提としており、同日以後、法令の新設又は改廃により、各項に定める条項又は用語の意義等に修正を加える必要が生じた場合には、当該新設又は改廃の趣旨を考慮のうえ、当該条項又は用語の意義等を適宜合理的に読み替えるものとします。
本対応方針は、上記1に記載のとおり、株主に対し、大規模買付行為を受け入れるか否かについて適切な判断をするための必要かつ十分な情報・時間を提供し、大規模買付者との交渉力を確保するものであり、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えます。
なお、上記4に記載のとおり、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守するか否かにより大規模買付行為に対する当社の対応が異なりますので、株主及び投資家におかれましては、大規模買付者の動向にご注意ください。
当社取締役会が具体的な対抗措置を発動することを決定した場合には、適用ある法令、金融商品取引所規則等に従って、適時適切な開示を行います。
対抗措置の発動時には、大規模買付者等以外の株主が法的又は経済的に格別の損失を被る事態は想定しておりません。
対抗措置の一つとして新株予約権の無償割当てを行う場合は、大規模買付者等以外の株主は引受けの申込みを要することなく、その保有する当社株式数に応じて当該新株予約権の割当てを受け、また当社が当該新株予約権の取得の手続をとることにより、当該新株予約権の行使価額相当の金銭を払い込むことなく、当社による当該新株予約権の取得の対価として当社株式を受領することになるため、申込み、払込み等の手続は必要となりません。これらの手続の詳細については、実際にこれらの手続が必要となった際に、適時適切な開示を行います。なお、特別委員会の勧告を受けて、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての中止又は新株予約権の無償割当て後に当該新株予約権の無償取得(当社が当該新株予約権を無償で取得することにより、株主は当該新株予約権を失います)を行う場合には、1株当たりの株式の価値の希釈化は生じないため、当社株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売買等を行った株主又は投資家は、株価の変動により不測の損害を被る可能性があります。
上記Ⅱに記載の当社の中期経営計画その他の取組みは、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し、向上させることを直接目的とするものであり、結果として基本方針の実現に資するものです。
従って、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。
当社は、下記の理由により、本対応方針が基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないと考えております。
本対応方針は、上記Ⅲ1に記載のとおり、株主に対し、大規模買付行為を受け入れるか否かについて適切な判断をするための必要かつ十分な情報・時間を提供し、大規模買付者との交渉力を確保するものであり、当社の株主共同の利益に資するものであると考えます。
本対応方針における対抗措置は、上記Ⅲ4に記載のとおり、合理的な客観的要件が充足されない限り発動されないため、当社取締役会による恣意的な発動を防止する内容となっています。
当社は2016年6月29日開催の当社定時株主総会において本対応方針を議案として諮り、株主の承認を受けております。また、上記Ⅲ5に記載のとおり、本対応方針の有効期間の満了前であっても、当社株主総会又は当社取締役会において、本対応方針を廃止又は変更する旨の決議がなされた場合、本対応方針はその時点で廃止又は変更されることとされており、本対応方針に対する株主の意思が反映されることとなっております。
本対応方針における対抗措置の発動の是非に関する実質的な判断は、独立性の高い社外者のみから構成される特別委員会により行われることとされています。また、その判断の概要については株主に開示いたしますので、当社の企業価値及び株主共同の利益に資するよう本対応方針の透明な運用が確保される仕組みとなっています。
上記Ⅲ5に記載のとおり、本対応方針は、当社株主総会又は当社取締役会の決議で廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は、取締役任期を1年とし、期差任期制を採用していないため、本対応方針はスローハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
(注1) 特定株主グループとは、(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます)又は、(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます)を意味します。
(注2) 議決権割合とは、(ⅰ)特定株主グループが(注1)の(ⅰ)の場合には、当該保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます)も加算するものとします)又は、(ⅱ)特定株主グループが(注1)の(ⅱ)の場合には、当該買付者及び当該特別関係者の株券等保有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます)の合計をいいます。なお、各株券等保有割合の算出に当たっては、総議決権の数(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます)は、有価証券報告書、四半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。
(注3) 株券等とは、金融商品取引法第27条の2第1項又は同法第27条の23第1項に規定する株券等を意味します。
(注4) 特別委員会規則の概要
1.特別委員会の委員は3名以上とし、業務執行を行う当社経営陣から独立した当社社外取締役及び当社社外監査役に該当する者から選任する(当初の委員を除き、当社取締役会が選任する)。
2.特別委員会の委員の任期は2019年6月開催予定の定時株主総会の終結時までとする。当社社外取締役又は当社社外監査役であった特別委員会の委員が、当社社外取締役又は当社社外監査役でなくなった場合(再任された場合を除く)には、特別委員会の委員としての任期も同時に終了する。
3.特別委員会は、次の(1)から(3)に定める事項について決定し、当該決定内容を理由を付して当社取締役会に対して勧告すると共に、本対応方針において特別委員会が行うことができると定められた事項を行う。なお、特別委員会の各委員及び当社各取締役は、本対応方針に基づく判断、決定、勧告等にあたっては、専ら当社の企業価値及び株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うことを要し、自己又は当社の経営陣の個人的利益を図ることを目的としてはならない。
(1) 本対応方針に従った新株予約権の無償割当てその他の対抗措置の発動の是非
(2) 本対応方針に従った新株予約権の無償割当てその他の対抗措置の中止(当該新株予約権の無償取得を含む)
(3) その他当社取締役会が判断すべき事項のうち、当社取締役会が特別委員会に諮問した事項
4.特別委員会は、大規模買付者に対し、提出された情報が大規模買付情報として不十分であると判断した場合には、追加的に情報の提供を求めることができるものとする。また、特別委員会は、大規模買付情報が提供された場合、当社取締役会に対しても、所定の期間内に、大規模買付行為の内容に対する意見及び根拠資料、代替案その他特別委員会が適宜必要と認める情報の提供を求めることができる。
5.特別委員会は、必要な情報収集を行うため、当社の取締役、監査役、従業員その他特別委員会が必要と認める者の出席を要求し、説明を求めることができる。
6.特別委員会は、当社の費用で、独立した第三者(投資銀行、証券会社、ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む)の助言を得ることができる。
7.特別委員会の各委員及び当社取締役会は、大規模買付行為がなされた場合その他いつでも必要に応じ特別委員会を招集することができる。
8.特別委員会の決議は、原則として、特別委員会の委員全員が出席し、その過半数をもってこれを行う。但し、委員に事故があるときその他やむを得ない事由があるときは、特別委員会委員の過半数が出席し、その議決権の過半数をもってこれを行うことができる。
(注5) 新株予約権の無償割当てを行う場合の概要
1.割当対象株主及び割当方法
当社取締役会にて定める割当期日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有する当社普通株式(但し、当社の所有する当社普通株式を除く)1株につき1個の割合で新たに払込みをさせないで新株予約権を割当てる。
2.新株予約権の目的となる株式の種類及び数
新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は1株とする。但し、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとし、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨て、現金による調整は行わない。
3.割当てる新株予約権の総数
当社取締役会が定める割当期日における最終の当社普通株式の発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式総数(当社の所有する当社普通株式を除く)を減じた株式数を上限とする。当社取締役会は、複数回にわたり新株予約権の無償割当てを行うことがある。
4.新株予約権の行使に際して出資される財産及びその価額
新株予約権の行使に際して出資される財産は金銭とし、その価額は当社普通株式1株当たり金1円以上で当社取締役会が定める額とする。
5.新株予約権の譲渡制限
新株予約権の譲渡による取得については、当社取締役会の承認を要するものとする。
6.新株予約権の行使条件
大規模買付者を含む特定株主グループや当該特定株主グループから新株予約権を当社取締役会の承認を得ずに譲受けもしくは承継した者でないこと等を行使の条件として定める(詳細については、当社取締役会において別途定める)。
7.当社による新株予約権の取得
(1) 当社は、当社取締役会が定める日が到来することをもって、新株予約権の行使が認められない者以外の者が所有する前営業日までに未行使の新株予約権を取得し、これと引換えに、新株予約権1個につき、対象株式数の当社普通株式を交付することができる。
(2) 当社は、新株予約権の行使期間開始日の前日までの間いつでも、当社が新株予約権を取得することが適切であると当社取締役会が認める場合には、当社取締役会が定める日が到来することをもって、全ての新株予約権を無償で取得することができる。
8.新株予約権の行使期間等
新株予約権の無償割当ての効力発生日、行使期間その他必要な事項については、当社取締役会において別途定めるものとする。
有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
医薬品の研究開発・製造・販売等に関しては医薬品関連法規等の規制を受けており、規制の厳格化等により経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、規制に適合しない場合、製品の回収、許認可の取り消しまたは損害賠償請求を受ける可能性があります。また、今後の医療制度改革、後発品使用の促進及び薬価基準の引き下げ等の医療費適正化策推進の動向によっては、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは医薬品の品質につきまして、医薬品関連法規に基づく厳格な規制のもと、臨床試験の信頼性の保証や製品の品質保証等万全を期しておりますが、予期せぬ副作用の発生による製品の回収、製造販売の中止、薬害訴訟の提起等が発生する可能性があり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの中核事業である医薬品において、一部主力製品の売上が高い比率を占めております。このため競合品・後発品の発売・伸長による売上の減少、予期せぬ副作用、製品瑕疵、安定供給への障害等によりこれらの製品が販売中止や製品回収に至った場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日々研究開発に注力しておりますが、その過程で当初期待した有効性が証明できなかったり、予期せぬ副作用が発現した等の理由により、開発を断念・遅延する可能性があり、当初予想していた収益を下回る可能性があります。
当社グループの工場において製造上の瑕疵による品質問題等が発生し、製品回収等に至った場合や、特定の取引先に供給を依存している商品及び原材料等について、何らかの要因によりその供給が遅延または停止した場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
他社製品(後発品を含む)との競合等は売上を減少させる原因となり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの販売先は、特定の卸に集中しており、これらの卸に貸し倒れが発生した場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは保有する知的財産権を適切に管理し、第三者の知的財産権を侵害しないよう注意を払っていますが、万が一当社グループの事業活動が第三者の知的財産権に抵触する場合、係争や事業の中止に繋がる可能性があります。
当社グループは各事業部門において、共同開発・販売、製品の導入等、他社との業務提携を行っております。しかし、今後何らかの事情により、これらの提携が解消される可能性があります。
当社グループは情報保護のための安全管理措置(組織的・人的・物理的・技術的措置)を講じ、情報セキュリティ面の充実を図っておりますが、当社グループが保有する個人情報、機密情報等がシステムへの不正侵入、システム障害その他の理由により社外に流出した場合、不測の損失を被るリスクが存在します。
医薬品等の研究、製造の過程等で使用される化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与えるものも含まれ、これらが土壌汚染、大気汚染等、環境に深刻な影響を与えた場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
金融市況の悪化により、当社グループが保有する有価証券の評価損や売却損が生じ、また金利動向によっては退職給付債務の増加等が生じる可能性があり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの工場、研究所、支店、事業所等の各拠点では、地震等の災害・事故、あるいはパンデミックの発生に備え、事業継続計画の策定等の各種対策を推進しております。しかし、大規模な自然災害その他の災害・事故・パンデミック等により、事業活動の停滞や工場の操業停止等に陥った場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。また、上記以外にもさまざまなリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。
当連結会計年度は、海外経済の不確実性に留意する必要があるものの、国内経済は景気の緩やかな回復基調のもとに推移しました。医薬品業界は、社会保障費財源確保の問題を背景とする薬剤費抑制政策が継続的に推し進められ、また企業間競争も加速しており、引き続き厳しい事業環境にあります。
このような状況下、当社グループは、グループ経営体制の整備、人員の適正化、全社的な生産性の向上への取り組みなど、経営全般にわたる業務改革を継続的に推進してまいりました。
医薬品関連事業では、重点領域の循環器、産婦人科、皮膚科、救急、及び精神科にリソースを集中し、スペシャリティファーマを目指して、主力製品を中心とした学術情報提供活動を積極的に展開いたしました。
また、ヘルスケア事業は、敏感肌のための基礎化粧品のエキスパートとして事業活動を行い、マーケティングの強化に努め市場開拓を図ってまいりました。
当連結会計年度の売上高につきましては、医薬品関連事業が薬剤費抑制政策の影響を受けるなかで全般的には順調に推移したこと、及びヘルスケア事業も堅調であったことから1,067億6千1百万円となり、前期比9.7%の増収となりました。
利益面につきましては、売上高が増加しましたが売上総利益は医薬品関連事業の製品構成比の変化により減少しました。一方で、研究開発費の減少を主な要因として販売費及び一般管理費が前期に比べ減少したことにより、営業利益は116億6千2百万円で前期比2.5%の増益、経常利益は120億8百万円で前期比3.1%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は90億2千3百万円で前期比5.8%の増益となりました。
各事業部門の業績は次のとおりであります。
1.医薬品関連事業
新薬の慢性疼痛・抜歯後疼痛治療剤「トラムセット」及び抗うつ剤「レクサプロ」等が前期売上高を上回り、また2016年11月に販売を開始した潰瘍性大腸炎治療剤「リアルダ」も順調に売上高が伸長しました。なお、ヤンセンファーマ株式会社と共同販売を行っている「トラムセット」は2017年1月に流通を当社に一本化しております。長期収載品の高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」及び持続性Ca拮抗降圧剤「アテレック」等は後発品使用促進策の影響等により、また、子宮内膜症・子宮腺筋症治療剤「ディナゲスト」も2017年6月に後発品が上市された影響により、それぞれ前期売上高を下回りました。後発品は、バイオ後続品及びジェネリック抗がん剤等の売上高伸長に加えて、「ディナゲスト」のオーソライズド・ジェネリックの上市による寄与があり、前期売上高を上回りました。加えて、ヤンセンファーマ株式会社が製造販売元である抗悪性腫瘍剤「ドキシル」の国内販売について、同社と契約を締結し、2018年1月より当社が販売を行っております。以上の結果、医薬品関連事業の売上高は1,020億2千3百万円、前期比9.9%の増収となりました。
なお、Meiji Seikaファルマ株式会社とタイにおける「エパデール」の販売に関する契約を締結しました。
2.ヘルスケア事業
市場成長は緩やかな上昇傾向にありますが、競争が激化しているなかで、抗真菌成分配合シャンプー・リンス等の「コラージュフルフルシリーズ」が堅調に推移し、売上高は47億3千8百万円、前期比5.8%の増収となりました。
当連結会計年度末における流動資産は1,163億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ42億8千6百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が減少したものの、受取手形及び売掛金やたな卸資産が増加したことによるものです。固定資産は387億5千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億9千5百万円増加しました。これは主に、有形固定資産や繰延税金資産が減少したものの、投資有価証券が増加したことによるものです。
この結果、総資産は、1,550億5千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ66億8千2百万円増加しました。
当連結会計年度末における流動負債は295億7千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億9千4百万円減少しました。これは主に、その他の流動負債が増加したものの、支払手形及び買掛金や未払法人税等が減少したことによるものです。固定負債は57億9千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億4千万円減少しました。これは主に、退職給付に係る負債が減少したことによるものです。
この結果、負債合計は、353億6千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億3千5百万円減少しました。
当連結会計年度末における純資産合計は1,196億8千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ78億1千7百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加や投資有価証券の時価上昇によるその他有価証券評価差額金が増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は77.2%と前期比1.8ポイント増加しました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億2千5百万円減少し、当連結会計年度末には301億8千2百万円となりました。
主な内容は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は32億8千3百万円(前期は55億8千3百万円の増加)となりました。
これは主に、法人税等の支払額38億5千5百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益が121億1千6百万円であったことに加え、減価償却費26億1千8百万円の発生によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は4億2千6百万円(前期は18億3千5百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産の売却による収入7億1千万円がありましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出10億9千5百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は34億8千3百万円(前期は32億9千1百万円の減少)となりました。
これは主に、配当金の支払額34億2千2百万円によるものであります。
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) (百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品関連 |
58,571 |
△7.9 |
|
ヘルスケア |
4,754 |
△6.5 |
|
合計 |
63,326 |
△7.8 |
(注) 1.金額は正味販売価格によっております。
2.上記金額中に、消費税等は含まれておりません。
(2) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) (百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品関連 |
33,728 |
55.4 |
|
合計 |
33,728 |
55.4 |
(注) 1.金額は実際仕入額によっております。
2.上記金額中に、消費税等は含まれておりません。
(3) 受注状況
当社グループは主として見込生産を行っているため、記載を省略しております。
(4) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) (百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品関連 |
102,023 |
9.9 |
|
ヘルスケア |
4,738 |
5.8 |
|
合計 |
106,761 |
9.7 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱メディセオ |
19,989 |
20.5 |
22,079 |
20.7 |
|
㈱スズケン |
18,463 |
19.0 |
20,335 |
19.0 |
|
アルフレッサ㈱ |
16,657 |
17.1 |
18,779 |
17.6 |
|
東邦薬品㈱ |
10,675 |
11.0 |
11,481 |
10.8 |
2.上記金額中に、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、その時点で最も合理的と考えられる基準に基づいて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表[注記事項]連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
中核とする医薬事業は医薬品関連法規等の規制を受けており、医療制度改革、後発品の使用促進及び薬価改定等の医療費適正化策の動向、及び主力品の市場における競争状況が経営成績に継続的に影響を及ぼす要因として認識しております。また、経営成績に大きな影響を与える要因となる可能性があるリスクについては、2[事業等のリスク]に記載のとおりであります。
当連結会計年度は、こうした諸要因のインパクトも計画に織り込み事業に取り組みました。その結果、(1)① 経営成績の状況に記載のとおり、医薬品関連事業が新薬は売上高が伸長、後発品使用促進策の影響を主な要因として長期収載品は売上高低下、また後発品は売上高が伸長したこと、またヘルスケア事業も主要製品が伸長したことにより、(1)① 経営成績の状況に記載のとおりの経営成績となったと認識しております。
また、当連結会計年度を含む中期経営計画(「17-19中期経営計画」)においては、「次世代の柱構築のための継続的な投資」「選択と集中による、リソースの戦略的再配分」「営業力強化による新薬等への注力」に重点的に取り組むことを掲げておりました。当連結会計年度については、開発パイプライン品目の進展及び拡充、「トラムセット」「レクサプロ」「リアルダ」等の新薬への注力、及び「エパデール」の海外展開に係るアライアンス等を着実に進めるとともに、将来に向けた研究開発等への投資も継続して行っております。
当社グループの主な資金需要は、運転資金、研究開発や企業提携等への資金及び設備資金であり、これらの必要資金は、主に利益の計上により生み出される自己資金により賄っております。また、当社グループでは、安定した資金調達手段を確保し、機動的に資金調達を行うため特定融資枠契約(コミットメント・ライン契約)を締結しております。
1.2002年、デンマーク、ルンドベック社との間に、抗うつ剤「レクサプロ」の原末輸入及び製造、販売に関する契約を締結いたしました。
2.2006年、ドイツ、バイエル シェーリング社(現バイエル ヘルスケア社)との間に、子宮内膜症治療剤「ディナゲスト」の原末の輸入及び製造、販売に関する契約を締結いたしました(「ジエノゲスト錠『モチダ』」の原末も対象とする)。
3.2009年、アイルランド、シャイアー社の子会社であるシャイアー・ファーマシューティカルズ・グループ社との間に、潰瘍性大腸炎治療剤「リアルダ」の開発及び販売に関する契約を締結いたしました。
1.1981年、日本水産㈱との間に、高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」の原末仕入及び製造、販売に関する契約を締結いたしました。
2.1997年、味の素製薬㈱(現EAファーマ㈱)との間に、持続性Ca拮抗降圧剤「アテレック」の仕入及び販売に関する契約を締結いたしました。また、2013年、高血圧症治療用の配合剤「アテディオ」の仕入及び販売に関する契約を締結いたしました。
3.2007年、テイコクメディックス㈱(現日医工㈱)との間に、血行促進・皮膚保湿剤「ビーソフテン」及び「ヘパリン類似物質『日医工』」の仕入及び販売に関する契約を締結いたしました。
4.2010年、田辺三菱製薬㈱との間に、抗うつ剤「レクサプロ」の共同販売に関する契約を締結いたしました。
5.2013年、ヤンセンファーマ㈱との間に、慢性疼痛・抜歯後疼痛治療剤「トラムセット」の共同販売に関する契約を締結いたしました。また、2016年、当該契約について販売枠組みを変更する契約を締結いたしました。
当社グループは社是「先見的独創と研究」を実践し、国内外企業との研究開発提携も積極的に推進しながら医療用医薬品を中心に研究開発活動を展開しております。
当連結会計年度の研究開発費は、119億1千2百万円であります。
当連結会計年度の事業部門別の研究開発活動は次のとおりであります。
研究開発の状況につきましては、研究面では、オープンイノベーションの推進を通じた早期開発候補品の導入等により開発パイプラインの充実を図るべく創薬研究活動に取り組んでおります。また、統合失調症治療薬、疼痛治療薬(TRPV1拮抗薬)の導出活動にも積極的に取り組んでおります。
臨床開発面では、関節リウマチ治療剤エタネルセプトのバイオ後続品「エタネルセプトBS「MA」」(開発コード:LBEC0101)の製造販売承認を2018年1月に取得しました。EAファーマ株式会社と共同開発を行ってきた慢性便秘症治療剤「グーフィス」(開発コード:AJG533)については同社が2018年1月に製造販売承認を取得しました。なお、「グーフィス」は本年4月19日より販売を開始しております。同社と契約を締結した慢性便秘症治療剤「AJG555」については同社が製造販売承認申請中です。関節リウマチ治療剤アダリムマブのバイオ後続品「LBAL」、骨粗鬆症治療剤テリパラチドのバイオ後続品「RGB-10」、痛風・高尿酸血症治療剤「FYU-981」、「ディナゲスト」の月経困難症の効能追加及び「リアルダ」の潰瘍性大腸炎の小児適応について、それぞれ臨床第Ⅲ相試験を実施中です。また、「レクサプロ」の小児適応の臨床第Ⅲ相試験を準備中です。肺動脈性肺高血圧症治療剤「MD-711」は臨床第Ⅰ相試験を実施中です。関節軟骨損傷治療材「dMD-001」は探索的臨床試験(パイロット試験)を実施中です。
これらの医薬品関連事業の当連結会計年度の研究開発費は、117億6千8百万円であります。
ヘルスケア事業の研究開発費は1億4千4百万円であります。